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約定条件改定時において、基準金利を下回る金利で元本の支払を猶予した貸付金

(オ) 一部債権放棄を実施した債権

私的整理における関係者の合意や会社更生、民事再生手続における認可決定等に伴い、元本の一部又は利息債権の放棄を行った貸付金の残額

(カ) 代物弁済を受けた債権

債務の一部弁済として、不動産や売掛金などの資産を債務者が債権者に引き渡した貸付金(担保権の行使による引渡しを含む。)の残債権

(キ) 債務者の株式を受け入れた債権

債務の一部弁済として、債務者の発行した株式を受領した貸付金の残債権。ただし、当初の約定に基づき貸付金を債務者の発行した株式に転換した場合を除く。

(注) 上記の事例に係る判定に当たっては、例えば、以下の点に留意する。

(i) 基準金利は経済合理性に従って設定されるべきであること。

(ii) 個別債務者に関し、金利以外の手数料、配当等の収入、担保・保証等による信用リスクの減少、競争上の観点等の当該債務者に対する取引の総合的な採算を勘案して、当該貸付金に対して基準金利が適用される場合と実質的に同等の利回りが確保されているか否かを判定すること。

イ 過去において債務者の経営再建又は支援を図ることを目的として金利減免、利息支払猶予、債権放棄、元本返済猶予、代物弁済や株式の受領等を行った債務者に対する貸付金であっても、金融経済情勢等の変化等により新規貸付実行金利が低下した結果、又は当該債務者の経営状況が改善し信用リスクが減少した結果、当該貸付金に対して基準金利が適用される場合と実質的に同等の利回りが確保されていると見込まれる場合、又は当該債務者の債務区分が正常先となった場合には、当該貸付金は貸付条件緩和債権には該当しないことに留意する。

特に実現可能性の高い(注1)抜本的な(注2)経営再建計画(注3)に沿った金融支援の実施により経営再建が開始されている場合(注4)には、当該経営再建計画に基づく貸付金は貸付条件緩和債権には該当しないものと判断して差し支えない。

(注1) 「実現可能性の高い」とは、以下の要件を全て満たす計画であることをいう。

(ア) 計画の実現に必要な関係者との同意が得られていること。

(イ) 計画における債権放棄などの支援の額が確定しており、当該計画を超える追加的支援が必要と見込まれる状況でないこと。

(ウ) 計画における売上高、費用及び利益の予測等の想定が十分に厳しいものとなっていること。

(注2) 「抜本的な」とは、おおむね3年(債務者企業の規模又は事業の特質を考慮した合理的な期間の延長を排除しない。)後の当該債務者の債務区分が正常先となることをいう。

(注3) 中小企業再生支援協議会が策定支援した再生計画については、当該計画が(注1)及び(注2)の要件を満たしていると認められる場合に限り、「実現可能性の高い抜本的な経営再建計画」であると判断して差し支えない。

(注4) 既存の計画に基づく経営再建が(注1)及び(注2)の要件をすべて満たすこととなった場合も、「実現可能性の高い抜本的な経営再建計画に沿った金融支援の実施により経営再建が開始されている場合」と同様とする。

なお、(注3)の場合を含め、(注1)及び(注2)の要件を当初すべて満たす計画であっても、その後、これらの要件を欠くこととなり、当該計画に基づく貸付金に対して基準金利が適用される場合と実質的に同等の利回りが確保されていないと見込まれるようになった場合には、当該計画に基づく貸付金は貸付条件緩和債権に該当することとなることに留意する。

(2) 債務者区分に基づいて区分された債権の額として開示対象となる債権

規則第209条第1項第6号ハ本文において、債権として掲げられている未収利息及び仮払金とは、具体的に以下のものを指すこととする。

① 未収利息とは、貸付有価証券又は貸付金に係る未収利息

② 仮払金とは、貸付金に準ずる仮払金

Ⅲ―2―6―3 説明書類の縦覧場所等について

組合が生協法第53条の2に規定する説明書類を公衆の縦覧に供する「事務所」については、次のような場所等に備え置くよう十分配慮されているか。

(1) 組合の役職員が共済契約者等に応接できるスペースを有し、かつ、組合の業務上の組織とされている店舗等をいうものとする。

(注) コンピューターセンター、福利厚生施設等は含まない。

(2) 公衆の縦覧に供する時間については、当該縦覧場所における業務時間として差し支えない。

(3) 縦覧場所の組織上の性質から、例えば職員等が当該場所に不在になる場合においては、縦覧が可能な時間帯を表示する等の措置が講じられているか。

(4) 居住の用に供している場所と異なる場所において共済契約者等に応接できるスペースを有する主要な共済代理店においても、組合の説明書類を備え置き、公衆の縦覧に供するなど、事務所と同程度の開示がなされるよう指導が行われているか。

(注) 「主要な共済代理店」について、その範囲及び取扱いに関する内部規程を設けるなどの措置が講じられているか。

Ⅲ―2―6―4 説明書類に関して簡易な補助資料を作成する場合の留意事項

組合が、説明書類に関して簡易な補助資料(パンフレット等)を作成する場合には、当該補助資料の内容について、一部の指標を取り出すこと等によって全体が優良であるかのように表示することのないよう配慮されたものとなっているか。

Ⅲ―2―7 支払余力比率の計算

支払余力比率の事業報告書への記載は、共済契約者等への十分な周知期間並びに各都道府県及び各組合における健全性の基準への対応のために必要な準備期間を設ける観点から、経済動向等も見極めつつ、平成24年3月期末決算から義務付けることを基本としているが、当該比率の正確性等については、規則第166条の2及び第166条の3の規定に基づき、告示第4条の3から第4条の5までの規定の趣旨を十分に踏まえ、以下の点に留意して確認するものとし、問題がある場合にはその内容を通知し、注意を喚起するものとする。

(1) 資産の流動化が行われた場合には、法形式上の譲渡に該当する場合であっても、リスクの移転が譲受者に完全に行われている等、実質的な譲渡が行われているか。

(2) 告示第4条の3第3項第3号における「これらに準ずるものの額」とは、資本の部に計上される任意積立金のうちリスク対応財源以外のものの額を指すこととするが、これに該当しているか。

(3) 告示第4条の5第6項第1号及び第2号における「意図的に取引を行っていると認められる場合には、当該意図的に行っていると認められる取引」について、適正な控除が行われているか。

Ⅲ―3 行政指導等を行う際の留意点等

Ⅲ―3―1 行政指導等を行う際の留意点

組合に対して、行政指導等(行政指導等とは行政手続法第2条第6号にいう行政指導に加え、行政指導との区別が必ずしも明確ではない情報提供、相談、助言等の行政行為を含む。)を行うに当たっては、行政手続法等の法令等に沿って適正に行うものとする。特に行政指導を行う際には、以下の点に留意する。

(1) 一般原則(行政手続法第32条)

① 行政指導の内容があくまでも相手方の任意の協力によってのみ実現されているか。例えば、以下の点に留意する。

ア 行政指導の内容及び運用の実態、担当者の対応等について、相手方の理解を得ているか。

イ 相手方が行政指導に協力できないとの意思を明確に表明しているにもかかわらず、行政指導を継続していないか。

② 相手方が行政指導に従わなかったことを理由として不利益な取扱いをしてはいないか。

ア 行政指導に従わない事実を法律の根拠なく公表することも、公表することにより経済的な損失を与えるなど相手方に対する社会的制裁として機能するような状況の下では、「不利益な取扱い」に当たる場合があることに留意する。

イ 行政指導を行う段階においては処分権限を行使するか否かは明確でなくても、行政指導を行った後の状況によっては処分権限行使の要件に該当し、当該権限を行使することがあり得る場合に、そのことを示して行政指導をすること自体を否定するものではない。

(2) 申請に関連する行政指導(行政手続法第33条)

申請者が当該行政指導に従う意思がない旨を表明したにもかかわらず当該行政指導を継続すること等により当該申請者の権利の行使を妨げるようなことをしていないか。

① 申請者が、明示的に行政指導に従わない旨の意思表示をしていない場合であっても、行政指導の経緯や周囲の客観情勢の変化等を勘案し、行政指導の相手方に拒否の意思表示がないかどうかを判断する。

② 申請者が行政指導に対応している場合でも、申請に対する判断・応答が留保されることについても任意に同意しているとは必ずしもいえないことに留意する。

例えば、以下の点に留意する。

ア 申請者が行政指導に従わざるを得ないようにさせ、申請者の権利の行使を妨げるようなことをしていないか。

イ 申請者が行政指導に従わない旨の意思表明を明確には行っていない場合、行政指導を行っていることを理由に申請に対する審査・応答を留保していないか。

ウ 申請者が行政指導に従わない意思を表明した場合には、行政指導を中止し、提出された申請に対し、速やかに適切な対応をしているか。

(3) 許認可等の権限に関連する行政指導(行政手続法第34条)

許認可等をする権限又は許認可等に基づく処分をする権限を行使することができない場合又は行使する意思がない場合にもかかわらず、当該権限を行使し得る旨を殊更に示すことにより相手方に当該行政指導に従う事を余儀なくさせていないか。

例えば、以下の点に留意する。

① 許認可等の拒否処分をすることができないにもかかわらず、できる旨を示して一定の作為又は不作為を求めていないか。

② 行政指導に従わなければすぐにでも権限を行使することを示唆したり、何らかの不利益な取扱いを行ったりすることを暗示するなど、相手方が行政指導に従わざるを得ないように仕向けてはいないか。

(4) 行政指導の方式(行政手続法第35条)

① 行政指導を行う際には、相手方に対し、行政指導の趣旨及び内容並びに責任者を明確に示しているか。

例えば、以下の点に留意する。

ア 相手方に対して求める作為又は不作為の内容を明確にしているか。

イ 当該行政指導をどの担当者の責任において行うものであるかを示しているか。

ウ 個別の法律に根拠を有する行政指導を行う際には、その根拠条項を示しているか。

エ 個別の法律に根拠を有さない行政指導を行う際には、当該行政指導の必要性について理解を得るため、その趣旨を伝えているか。

② 行政指導について、相手方から、行政指導の趣旨及び内容並びに責任者を記載した書面の交付を求められた時は、行政上特別の支障がない限り、原則としてこれを交付しているか(ただし、行政手続法第35条第3項各号に該当する場合を除く。)。

ア 書面の交付を求められた場合には、できるだけ速やかに交付することが必要である。

イ 書面交付を拒みうる「行政上の特別の支障」がある場合とは、書面が作成者の意図と無関係に利用、解釈されること等により行政目的が達成できなくなる場合など、その行政指導の趣旨及び内容並びに責任者を書面で示すことが行政運営上著しい支障を生じさせる場合をいう。

ウ 単に処理件数が大量であるだけの場合や単に迅速に行う必要がある場合であることをもって、「行政上特別の支障」がある場合に該当するとはいえないことに留意する。

Ⅲ―3―2 面談等を行う際の留意点

職員が組合の役職員等と面談等(面談、電話、電子メール、ファックス等によるやりとりをいう。以下同じ。)を行うに際しては、下記の事項に留意するものとする。

(1) 面談等に参加する職員は、常に綱紀及び品位を保持し、穏健冷静な態度で臨んでいるか。

(2) 面談等の目的、相手方の氏名・所属等を確認しているか。

(3) 面談等の方法、面談等を行う場所、時間帯、参加している職員及び相手方が、面談等の目的・内容からみてふさわしいものとなっているか。

(4) 面談等の内容・結果について双方の認識が一致するよう、必要に応じ確認しているか。特に、面談等の内容・結果が守秘義務の対象となる場合には、そのことが当事者双方にとって明確となっているか。

(5) 面談等の内容が上司の判断を仰ぐ必要のある場合において、状況に応じあらかじめ上司の判断を仰ぎ、又は事後にすみやかに報告しているか。また、同様の事案について複数の相手方と個別に面談等を行う場合には、行政庁の対応の統一性・透明性に配慮しているか。

Ⅲ―4 行政処分を行う際の留意点

行政庁が組合に行う主要な行政処分(行政手続法第2条第4号にいう不利益処分をいう。以下同じ。)としては、①生協法第94条の2に基づく業務改善命令又は生協法第95条に基づく必要措置を採るべき旨の命令、②生協法第94条の2に基づく業務停止命令、③生協法第95条に基づく業務停止命令、④生協法第95条に基づく解散命令等があるが、これらの発動に関する基本的な事務の流れを例示すれば、以下のとおりである。

(1) 生協法第93条の3に基づく報告徴求

① オンサイトの立入検査や、オフサイト・モニタリング(ヒアリング、不祥事件届出書など)を通じて、組合のリスク管理態勢、法令等遵守態勢、経営管理態勢等に問題があると認められる場合においては、生協法第93条の3に基づき、当該事項についての事実認識、発生原因分析、改善・対応策その他必要と認められる事項について、報告を求めることとする。

② 報告を検証した結果、さらに精査する必要があると認められる場合においては、生協法第93条の3に基づき、追加報告を求めることとする。

(2) 生協法第93条の3に基づき報告された改善・対応策のフォローアップ

① 上記報告を検証した結果、業務の健全性・適切性の観点から重大な問題が発生しておらず、かつ、組合の自主的な改善への取組を求めることが可能な場合においては、任意のヒアリング等を通じて上記(1)において報告された改善・対応策のフォローアップを行うこととする。

② 必要があれば、生協法第93条の3に基づき、定期的なフォローアップ報告を求める。

(3) 生協法第94条の2に基づく業務改善命令又は生協法第95条に基づく必要措置を採るべき命令等

上記(1)の報告(追加報告を含む。)を検証した結果、例えば、業務の健全性・適切性の観点から重大な問題が認められる場合、又は、組合の自主的な取組では業務改善が図られないと認められる場合などにおいては、生協法第94条の2又は生協法第95条に基づき、業務の改善計画の提出とその実行又は必要措置を採るべき旨を命じることを検討する。

(4) 生協法第94条の2に基づく業務停止命令

上記(3)の業務改善命令を発出する際、業務の改善に一定期間を要し、その間、当該業務改善に専念させる必要があると認められる場合においては、生協法第94条の2第2項に基づき、改善期間を勘案した一定の期限を付して全部又は一部の業務の停止を命じることを検討する。

(5) 生協法第95条に基づく業務停止命令

上記(1)の報告(追加報告を含む。)を検証した結果、重大な法令等の違反又は公益を害する行為などに対しては、生協法第95条に基づき、全部又は一部の業務の停止を命じることを検討する。併せて、生協法第94条の2又は生協法第95条に基づき、法令等遵守態勢に係る内部管理態勢の確立等を命じることを検討する。

(6) 生協法第95条に基づく解散命令

上記(1)の報告(追加報告を含む。)を検証した結果、重大な法令等の違反又は公益を害する行為が多数認められる等により、今後の業務の継続が不適当と認められる場合においては、生協法第95条に基づく解散命令を検討する。

なお、(3)から(6)の行政処分を検討する際には、以下の①から③までに掲げる要因を勘案するとともに、それ以外に考慮すべき要素がないかどうかを吟味することとする。

① 当該行為の重大性・悪質性

ア 公益侵害の程度

組合が、例えば、利用者の財務内容の適切な開示という観点から著しく不適切な仕組みを開発・提供し、金融市場に対する信頼性を損なうなど公益を著しく侵害していないか。

イ 利用者被害の程度

広範囲にわたって多数の利用者が被害を受けたかどうか。個々の利用者が受けた被害がどの程度深刻か。

ウ 行為自体の悪質性

例えば、利用者から多数の苦情を受けているのにもかかわらず、引き続き同様の仕組みを推進し続ける行為を行うなど、組合の行為が悪質であったか。

エ 当該行為が行われた期間や反復性

当該行為が長期間にわたって行われたのか、短期間のものだったのか。反復・継続して行われたものか、一回限りのものか。また、過去に同様の違反行為が行われたことがあるか。

オ 故意性の有無

当該行為が違法・不適切であることを認識しつつ故意に行われたのか、過失によるものか。

カ 組織性の有無

当該行為が現場の推進担当者個人の判断で行われたものか、あるいは管理者も関わっていたのか。更に経営陣の関与があったのか。

キ 隠蔽の有無

問題を認識した後に隠蔽行為はなかったか。隠蔽がある場合には、それが組織的なものであったか。

ク 反社会的勢力との関与の有無

反社会的勢力との関与はなかったか。関与がある場合には、どの程度か。

② 当該行為の背景となった経営管理態勢及び業務運営態勢の適切性

ア 代表理事や理事会の法令等遵守に関する認識や取組は十分か。

イ 内部監査部門の体制は十分か、また適切に機能しているか。

ウ コンプライアンス部門やリスク管理部門の体制は十分か、また適切に機能しているか。

エ 業務担当者の法令等遵守に関する認識は十分か、また、組織内教育が十分になされているか。

③ 軽減事由

以上の他に、行政による対応に先行して、組合自身が自主的に利用者保護のために所要の対応に取り組んでいる、といった軽減事由があるか。

(7) 生協法第94条の2等に基づく業務改善命令の履行状況の報告義務の解除

生協法第94条の2に基づき業務改善命令又は生協法第95条に基づき必要措置を採るべき旨の命令を発出する場合には、当該命令に基づく組合の業務改善に向けた取組をフォローアップし、その改善努力を促すため、原則として、当該組合の提出する業務改善計画の履行状況の報告を求めることとなっているが、以下の点に留意するものとする。

① 生協法第94条の2に基づき業務改善命令又は生協法第95条に基づき必要措置を採るべき旨の命令を発出している組合に対して、当該組合の提出した業務改善命令の履行状況について、期限を定めて報告を求めている場合には、期限の到来により、当該組合の報告義務は解除される。

② 生協法第94条の2に基づき業務改善命令又は生協法第95条に基づき必要措置を採るべき旨の命令を発出している組合に対して、当該組合の提出した業務改善命令の履行状況について、期限を定めることなく継続的に報告を求めている場合には、業務改善命令を発出する要因となった問題に関して、業務改善命令に沿って十分な改善措置が講じられたと認められるときには、当該計画の履行状況の報告義務を解除するものとする。その際、当該報告等により把握した改善への取組状況に基づき、解除の是非を判断するものとする。

Ⅲ―5 意見交換制度

Ⅲ―5―1 意義

不利益処分(行政手続法第2条第4号にいう不利益処分をいう。)を行おうとする場合、行政手続法に基づく聴聞又は弁明の機会の付与の手続の前に、組合からの求めに応じ、監督当局と組合との間で、複数のレベルにおける意見交換を行うことで、行おうとする処分の原因となる事実及びその重大性等についての認識の共有を図ることが有益である。

Ⅲ―5―2 監督手法・対応

生協法第93条の3に基づく報告徴求に係るヒアリング等の過程において、自組合に対して不利益処分が行われる可能性が高いと認識した組合から、当局の職員と当該組合の役職員との間の意見交換の機会の設定を求められた場合(注)であって、当局が当該組合に対して聴聞又は弁明の機会の付与を伴う不利益処分を行おうとするときは、緊急に処分をする必要がある場合を除き、聴聞の通知又は弁明の機会の付与の通知を行う前に、行おうとする不利益処分の原因となる事実及びその重大性等についての意見交換の機会を設けることとする。

(注) 組合からの意見交換の機会の設定の求めは、当局が、当該不利益処分の原因となる事実についての生協法第93条の3に基づく報告書等を受理したときから、聴聞の通知又は弁明の機会の付与の通知を行うまでの間になされるものに限る。

Ⅳ 共済事業規約の認可に係る審査上の留意点等

共済事業規約の設定又は変更若しくは廃止の審査に当たっては、効率化、明確化及び透明化の観点から、共済事業規約の認可に係る審査上の留意点等を公表し、順次改訂のうえ現在に至っている。

組合から生協法第26条の3第1項又は第40条第5項の規定に基づき、共済事業規約の設定又は変更若しくは廃止に係る認可申請が行われた場合の審査に当たっては、特に以下の点に留意することとする。

なお、平成22年4月より保険法が施行されており、その中で共済契約者等を保護するための規定の整備等が行われたところ。保険法の規定を踏まえた商品審査を引き続き行っていくとともに、審査上の留意点等については、より効率化、明確化及び透明化を図る観点から適時に改訂を行っていくこととする。

Ⅳ―1 審査要領

(1) 共済事業規約の設定又は変更の認可を行う場合には、次に掲げる要件(変更の認可にあっては、①及び②を除く。)に適合するか慎重に審査するものとする。

① 当該組合が共済事業を健全かつ効率的に遂行するに足りる財産的基礎を有し、かつ、収支の見込みが良好であること。

② 当該組合が、その人的構成等に照らして、共済事業を的確、公正かつ効率的に遂行することができる知識及び経験を有し、かつ、十分な社会的信用を有する者であること。

③ 規則第55条又は第56条に規定する記載事項が共済事業規約に記載されていること。

④ 共済事業規約に記載された事項のうち事業の実施方法、共済契約又は共済掛金に係るものが次に掲げる基準に適合するものであること。

ア 共済契約の内容が、共済契約者等の保護に欠けるおそれのないものであること。

イ 共済契約の内容に関し、特定の者に対して不当な差別的取扱いをするものでないこと。

ウ 共済契約の内容が、公の秩序又は善良の風俗を害する行為を助長し、又は誘発するおそれのないものであること。

エ 共済契約者等の権利義務その他共済契約の内容が、共済契約者等にとって明確かつ平易に定められたものであること。

オ 共済掛金及び責任準備金の額の算出方法が、合理的かつ妥当なものであり、また特定の者に対して不当な差別的取扱いをするものでないこと。

⑤ 決定手続は、生協法第40条、第41条及び第46条等に照らし適法に行われていること。

(2) 共済事業規約の設定又は変更の認可に際しては、当該事業の確実な実施を図るため、上記(1)の要件を確保するために必要最小限の条件を付すことができる。

Ⅳ―1―1 保障内容

(1) 保障内容が共済契約者等の需要及び利便に適合しているか。

(2) 適正な死亡率や発生率が組み込まれているか、保障の内容が偶然性及び損害のてん補性を有しているかなど、共済性の有無に係る検討が十分行われているか。

(3) 支払事由に比して極端に高額な共済金が支払われるものや免責事由が極端に少ないもの、あるいは実損額を上回る共済金が支払われるものなどについては、射倖性が高いものとなっていたり、モラルリスクが生じやすいものとなっていないか、検討が十分に行われているか。

(4) 支払事由が明確なものとなっているか。

(注) 共済事業の種類及び共済期間等が、以下のとおりとなっていることに留意する必要がある。

① 共済事業の種類が、以下に掲げるいずれかであること。

ア 死亡

イ 生存

ウ 傷害

エ 疾病

オ 火災

カ 風水害等

キ 地震等

ク 盗難

ケ 車両損害

コ 対物賠償

サ 対人賠償

② 共済期間が、以下に掲げる期間であること。

また、共済期間が1年を超える長期間の共済事業を実施する組合においては、共済期間中においても基礎率を見直すことを可能とする規定を設けたり、ALMを講じるなど、長期間の共済事業に対応する共済引受リスク及び資産運用リスクの管理態勢を整備すること。

ア ①のアからエまでの共済事業にあっては、次に掲げる共済事業を除き、10年以内(年をもって共済期間の単位とする。)

(ア) 共済契約者から共済掛金の払込みを受け、被共済者につき一定期間内の死亡又は重度障害及び一定期間を経過した日以後の生存を共済事故とし、年金(一時金を含む。)を支払うことを約する共済事業については、共済契約の成立の日から被共済者の死亡時(既に確定した共済金の受け取り期間を含む。)までとする。

(イ) 共済契約者から共済掛金の払込みを受け、終身、被共済者につき死亡若しくは重度障害又は傷害若しくは疾病による入院その他の治療を共済事故とし、共済金を支払うことを約する共済事業及び死亡若しくは重度障害又は傷害若しくは疾病による入院その他の治療を共済事故とし、これに次の(i)から(iv)までに掲げるものの全部又は一部を共済事故とする共済事業を付帯し、共済金を支払うことを約する共済事業(終身生命共済)にあっては、共済契約の成立の日から被共済者が死亡又は重度障害となった時までとする。

(i) 一定期日における生存

(ii) 一定期間内の死亡若しくは重度障害又は傷害若しくは疾病による後遺障害

(iii) 一定期間内の傷害又は疾病による入院その他の治療

(iv) 身体上又は精神上の障害により常時介護を必要とする状態

(ウ) 共済契約者から共済掛金の払込みを受け、被共済者につき一定期間内の死亡又は重度障害並びに一定期間を経過した日以後の生存、死亡又は重度障害及び傷害又は疾病による入院を共済事故とし、共済金を支払うことを約する共済事業については、共済契約の成立の日から被共済者が死亡又は重度障害となった時までとする。

イ ①のオ、カ及びクの共済事業にあっては10年以内(年をもって共済期間の単位とする。)、キの共済事業にあっては5年以内(年をもって共済期間の単位とする。)、ケからサまでの共済事業にあっては1年

③ 共済契約者等の範囲

・ 共済契約者及び共済証書等に記名された被共済者は、組合員(生協法第12条第2項の規定により組合員とみなされる者を含む。)に限ること。

ただし、①のオからサまでの共済事業にあっては、原則として、被共済者を共済契約者と同一の者とすること。

(注) 「共済証書等」とは、共済証書、加入申込書、加入引受一覧その他これらに類する書類をいう。

Ⅳ―1―2 事業を行う地域

共済契約の募集地域を合理的な理由なく制限するなど、差別的取扱いとなっていないか。

Ⅳ―1―3 共済商品の名称(共済約款等又は特約の名称)

共済商品の名称から想起される権利義務その他の内容が、共済契約者等に誤解させるおそれのあるものとなっていないか。

Ⅳ―1―4 危険選択

(1) 被共済者の健康状態等に係る身体的危険及び被共済者の職業等に係る環境的危険を適切に選択する方策を講じているか。

(2) モラルリスクを排除する方策を適切に講じているか。

Ⅳ―1―5 告知項目

共済契約者又は被共済者に求める告知項目は、組合が危険選択を行う上で必要なものに限定されているか。また、「趣味」など判断基準があいまいな用語は適当でないことに留意するものとする。

Ⅳ―1―6 免責事由

免責事由については、公序良俗に反するものや組合の経営に影響を及ぼすような巨大リスクの排除に係るものなど公平性、合理性の点から問題のない内容や明確な内容となっているか。

Ⅳ―1―7 告知義務違反に基づく契約解除期間

告知義務違反に基づく契約解除期間が、共済契約者等の保護の観点から、不当に長期間のものとなっていないか。

Ⅳ―1―8 共済金額・共済期間・契約年齢範囲

(1) 共済金額・共済期間・契約年齢範囲が、公序良俗の観点から問題のない設定となっているか。

(2) 共済金額又は損害をてん補する割合、免責金額の設定については、モラルリスク排除の観点から適切な検証を行った上で設定されているか。

Ⅳ―1―9 解約返戻金の開示方法

解約返戻金については、共済契約者等に明瞭に開示するため、共済証書等に表示するか、又は、解約返戻金例表等を共済約款等に掲載するなどの措置が講じられているか。

Ⅳ―1―10 共済事業規約の規定による貸付けに関する事項

共済契約貸付制度を備えた共済商品については、共済契約貸付限度額が、解約返戻金額に対して妥当な金額になるものとなっているか。また、共済期間満了前の一定期間は新規貸付を行わないなどの方策により、いわゆるオーバーローンを防止するための適切な措置が講じられているか。

Ⅳ―1―11 インターネットによる共済商品販売の取扱い

電気通信回線に接続している情報処理の用に供する機器を利用して、共済契約の申込みその他の共済契約の締結の手続を行うものについては、共済契約の申込みをした者の本人確認、被共済者の身体の状況の確認、契約内容の説明、情報管理その他の当該手続の遂行に必要な事項について、共済契約者等の保護及び業務の的確な運営が確保されるための適切な措置が講じられていること。また、以下の点に留意することとする。

(1) 確実な方法で申込者が組合員であることの確認の措置が講じられているか。なお、被共済者の身体の状況の確認については、被共済者の身体の状況に係る告知、診査又は同意が必要な場合に行うものとする。

(2) 契約申込み情報その他契約に関する情報の不備及び変質(以下、この(2)において「不備等」という。)を防止するための措置並びに不備等が発生した場合にあっても、これが共済契約者等の保護に欠けることとならないようにするための措置が講じられているか。

(3) 電気通信回線に接続している情報処理の用に供する機器を利用した、共済契約の申込みその他の共済契約の締結の手続の使用が契約又は共済契約者等に係る情報の漏出を招くことのないようにするための防護の措置が講じられているか。

(4) 申込者が確実な方法で契約の申込みその他の契約関係の手続の内容、契約内容及び重要事項を確認し、かつ、保存できるようにするための措置が講じられているか。

(5) 当該手続を使用することが契約に関し申込者の組合との間の爾後の行為に対する制約とならないようにするための措置が講じられているか。

Ⅳ―1―12 保険法対応

保険法においては、共済契約者等を保護するために共済契約者等に不利な共済事業規約の内容を無効とする片面的強行規定が設けられており、当該規定を潜脱するような事業規約内容となっていないかどうか以下の点に留意して審査を行うこととする。

なお、これらに加えて、無効、解除、免責、失効等、共済金を支払わないこととなる事由については、保険法において任意規定とされている規定もあるが、当該規定に係る共済事業規約の内容によっては、片面的強行規定に抵触する場合(例えば、危険増加後に発生した共済金給付事由の全てを免責とする場合など)もあり得ることに留意する。

(1) 告知義務違反による解除

① 告知制度が共済契約者等からの自発的申告義務から組合が告知を求めたものについての質問応答義務になったことを踏まえた共済事業規約の規定となっているか。

② 組合の役職員又は共済代理店による告知妨害又は不告知教唆があった場合は、組合は共済契約を解除できないことを共済事業規約に明確に規定しているか。

ただし、当該規定については、組合の役職員又は共済代理店による告知妨害又は不告知教唆がなかったとしても共済契約者又は被共済者が告知事項について事実の告知をせず、又は不実の告知をしたと認められるときは適用されないことに留意する。

(2) 共済金給付の履行期

① 共済金給付の履行期については、損害調査手続等の共済金給付手続等に必要となる合理的な期間を踏まえて、一定の期限内に支払うとする基本的な履行期を共済事業規約に定めているか。

② また、基本的な履行期の例外とする期限を定めるときは、共済商品の類型ごとに共済金給付のために行う公的機関や医療機関等への確認等、必要となる確認事項が明確に定められているとともに、その期限が客観的にみて合理的な日数をもって定められているか。

なお、基本的な履行期の例外とする期限を適用する場合には、共済金を請求した者に対し、共済金給付のために行う確認事項及び必要となる日数を通知することとしているか。

③ 共済金給付事由が発生し、共済契約者等から通知を受けた場合には、「Ⅱ―3―6―2 共済金等支払管理態勢」の(2)⑤を踏まえ、共済契約者等に対し、共済金等請求手続の明確な説明及び共済金等請求書類の迅速な交付が行われるような態勢が整備されているか。

(3) 重大事由による解除

重大事由による解除の規定においては、解除権が濫用されることのないよう、共済契約者等の故意による共済金給付事由の発生(保険法第30条第1号、第57条第1号及び第86条第1号)及び共済金受取人等の共済金給付請求の詐欺(同法第30条第2号、第57条第2号及び第86条第2号)以外の事項を定めようとする場合は、当該内容に比肩するような重大な事由であることが明確にされているか。

Ⅳ―2 共済数理

共済事業規約のうち共済掛金及び責任準備金の額の算出方法に関する事項の審査に当たっては、特に以下の点に留意することとする。

Ⅳ―2―1 共済掛金

(1) 共済掛金の算出方法については、十分性や公平性等を考慮して、合理的かつ妥当なものとなっているか。

(2) 共済掛金については、被共済者群団間及び共済の種類間等で、不当な差別的扱いをするものとなっていないか。

(3) 予定発生率又は予定解約率については、合理的かつ客観的な基礎データに基づいて算出が行われ、かつ、基礎データの信頼度に応じた補整が行われているか。

(4) 予定利率については、共済の種類、共済期間、共済掛金の払込方法、運用実績や将来の利回り予想等を基に、合理的かつ長期的な観点から適切な設定が行われているか。

(5) 予定利率変動型商品の予定利率については、共済契約者等の保護の観点から、恣意性のない合理的な見直しルールが定められているか。

(6) 予定事業費率(事業費の割引を含む。)の設定については、共済の種類間の公平性が損なわれておらず、事業費の支出見込額に対して妥当なものとなっているか。

(注) 組合が、経営の収支状況については常時配意するとともに、事務費の使途について明確かつ適正を期しているかに留意する必要がある。

当該事業年度における共済掛金総収入額に対する共済事業関係事務費支出額の割合は、原則として3割以内とし、事業開始当初又は新規共済事業開始その他事情止むを得ない場合でも5割をこえることのないよう留意する。

(7) 保障等の内容の改定に伴って、共済掛金率の改定を行っていない場合において、共済掛金率改定の必要性について十分な検証を行っているか。

(注) 比較的長期にわたり共済掛金率改定を行っていない共済商品については、適宜、共済掛金率水準の妥当性等について検証が必要となることに留意する。

Ⅳ―2―2 返戻金

返戻金については、支出した事業費及び投資上の損失、共済設計上の仕組み等に照らし、合理的かつ妥当に設定し、共済契約者にとって不当に不利益なものとなっていないか。

Ⅳ―2―3 各種割引制度

(1) 割引の新設(改定を含む。)については、当該割引が数理的にみて合理的であるとともに、他の割増引制度との整合性、割引導入後の収支均衡、共済契約者間の公平性確保等に照らして問題がないものとなっているか。

(2) 装置・サービスの普及促進のみを目的とする等、数理的にみて合理的でない割引となっていないか。

Ⅳ―3 1の被共済者当たりの共済金額が100万円を超える共済事業を実施する場合の審査要領等

1の被共済者当たりの共済金額が100万円を超える共済事業又は年金共済事業を実施する場合の共済事業規約の設定及び変更の認可に係る審査上の留意点等については、Ⅳ―1及びⅣ―2に加えて、次に掲げる要件に適合するか慎重に審査するものとする。

(1) 生命共済事業、火災共済事業(盗難共済事業を含む。以下同じ。)、風水害等共済事業、自動車共済事業、車両共済事業及び傷害共済事業(交通災害共済事業を含む。以下同じ。)に係る要件

① 自己資本額

次の算式により算出した額が、申請された共済事業規約の設定及び変更の認可に係る共済金の最高額を超えるものであること。

〔{(C0+C1+C2-L)×(Sx/ΣS)}+R〕×{(5/100)×(1/(1-γ))}

ただし、C0は払込済出資金の額、C1は法定準備金の額、C2は任意積立金の額、Lは欠損金の額、ΣSは共済事業ごと(1の共済事業であっても2以上の共済事業規約がある場合は、共済事業規約ごと)の共済金の最高額の合計額、Sxは当該共済事業の共済金の最高額、Rは当該共済事業に係る異常危険準備金の額、γは当該共済事業に係る再共済率とし、それぞれの値は、申請日の属する事業年度(以下「申請事業年度」という。)の前年度末現在のものとする。

② 払込済出資金等の額

申請事業年度の前年度末現在の払込済出資金と法定準備金の合計額が、原則として次の算式により算出した金額以上であること。

1.96×√(P(1-P)/n)×n×当該共済事業の共済金の最高額

ただし、nは、当該組合の実績及び事業計画に照らして適正な被共済者数又は共済契約件数であること。

Pは、申請事業年度の前5事業年度の当該組合の実績平均危険率であること。

なお、共済事業を2種類以上実施する組合にあっては、払込済出資金額と法定準備金の合計額が、原則として共済事業ごと(1の共済事業であっても2以上の共済事業規約がある場合は、共済事業規約ごと)に上記の算式により算定した金額の合計額以上であること。

③ 正味の流動資産の額

正味の流動資産の額が、原則として当該共済事業の共済金の最高額の10倍以上であること。

ただし、正味の流動資産の額は、流動資産(その他の流動資産を除く。)の額から支払備金、再共済勘定、短期借入金及びその他の流動負債(前受共済掛金を除く)の合計額を控除した残額とすることとし、それぞれの額は、当該申請事業年度の前年度末現在のものとする。

なお、共済事業を2種類以上実施する組合にあっては、正味の流動資産の額が、原則として共済事業ごと(1の共済事業であっても2以上の共済事業規約がある場合は、共済事業規約ごと)の共済金の最高額の合計額の10倍以上であること。

④ 決算の状況

申請に係る共済事業について、原則として申請事業年度の前三事業年度、決算で剰余金を計上していること。

⑤ 査定体制

自動車共済事業及び車両共済事業にあっては、次の査定体制が整備されていること。

なお、自動車共済事業及び車両共済事業以外の共済事業にあっても事業の内容に応じてこれに準じた査定体制(エを除く。)が整備されていること。

ア 査定員の配置

適正規模に配置していること。

イ 査定員の教育訓練

定期的に実施していること。

ウ 契約者保護の状況

原則として請求手続等の援助を実施していること。

エ 被害者保護の状況

原則として内払い、仮払いを実施していること。

⑥ 共済掛金

ア 安全率は、原則として純危険率に対する見込み平均被共済者数又は見込み平均共済契約件数による標準偏差の3倍とすることとし、見込み平均被共済者数又は見込み平均共済契約件数は、当該組合の実績及び事業計画に照らして適正なものであること。

なお、これにより難いときは、その理由が合理的かつ明らかであること。

イ 風水害等共済事業において、全国一律の掛金の設定を行う場合は、特定の地域への契約の集中を緩和するしくみが設けられていること。

⑦ 再共済

全国組織でない組合が火災共済事業、風水害等共済事業、自動車共済事業、車両共済事業又は傷害共済事業を実施する場合は、原則として50%以上再共済に付していること。

⑧ 被共済者数又は共済契約件数

危険分散を図るため、原則として少なくとも生命共済事業10,000人、火災共済事業、風水害等共済事業15,000件、自動車共済事業、車両共済事業20,000件、傷害共済事業15,000人の被共済者数又は共済契約件数を有すること。ただし、全国組織でない組合の場合は、当該被共済者数又は共済契約件数に1.5を乗じるものとする。

⑨ 共済金按分調整規定

火災共済事業、風水害等共済事業、自動車共済事業及び車両共済事業にあっては、同一の共済の目的に係る当該組合の共済金と、当該共済契約と同時に又は時を異にして締結された法律に基づく他の契約による共済金等の合計額が、当該共済の目的の損害額を超過する場合の共済金の支払いに係る調整規定を設けていること。

⑩ 不当な共済金請求に対する対策

共済金額等を勘案し、不当な共済金請求に対する対策を講じていること。

(2) 地震等共済事業に係る要件

① 火災共済事業を過去10年以上継続して健全に実施している全国組織である組合であって、各事業年度の決算で剰余金を計上していること。

② 支払計画の策定

阪神・淡路大震災規模の地震が再来した場合に推定される支払共済金額について、「支払計画表」(様式・参考資料編 その他報告等様式参照。)により、その支払計画が明らかであること。

③ 正味の流動資産の額

阪神・淡路大震災規模の地震が再来した場合に、当該組合が責任保有すると見込まれる共済金の額以上の正味の流動資産の額を保有していること。

④ 共済掛金

全国一律の掛金の設定を行う場合においては、特定地域への契約の集中を緩和するしくみを設けていること。

⑤ 大規模災害時の査定体制等

大規模災害時の査定体制及び共済金支払いに係る事務処理体制が確保されていること。

⑥ 大規模災害時の支払い方法

大規模災害時の共済金の支払方法の内容を組合員に周知する規定を設けていること。

⑦ 共済契約件数

15,000件以上となる確実な見込みがあること。

⑧ 共済金按分調整規定

同一の共済の目的に係る当該組合の共済金と、当該共済契約と同時に又は時を異にして締結された法律に基づく他の契約による共済金等の合計額が、当該共済の目的の損害額を超過する場合の共済金の支払いに係る調整規定を設けていること。

(3) 年金共済事業に係る要件

① 生命共済事業を過去5年以上継続して健全に実施している組合であって、各事業年度の決算で剰余金を計上し、かつ1の被共済者当たりの共済金の最高額が1,000万円以上であること。

② 被共済者の数

初年度10,000人以上、3年後30,000人以上となる確実な見込みがあること。

③ 共済事務職員の研修

共済事業の数理的特質にかんがみ、共済事務を担当する職員に対し計画的に実務研修が実施され、その資質の向上が図られる体制となっていること。

(4) 終身生命共済事業に係る要件

① 生命共済事業を過去5年以上継続して健全に実施している組合であって、各事業年度の決算で剰余金を計上し、かつ1の被共済者当たりの共済金の最高額が1,000万円以上であること。

② 自己資本額

次の算式により算出した額が、申請された共済事業規約の設定及び変更の認可に係る共済金の最高額を超えるものであること。

〔{(C0+C1+C2-L)×(Sx/ΣS)}+R〕×{(5/100)×(1/(1-γ))}

ただし、C0は払込済出資金の額、C1は法定準備金の額、C2は任意積立金の額、Lは欠損金の額、ΣSは共済事業ごと(1の共済事業であっても2以上の共済事業規約がある場合は、共済事業規約ごと)の共済金の最高額の合計額、Sxは当該共済事業の共済金の最高額、Rは当該共済事業に係る異常危険準備金の額、γは当該共済事業に係る再共済率とし、それぞれの値は、申請事業年度の前年度末現在のものとする。

③ 払込済出資金等の額

申請事業年度の前年度末現在の払込済出資金と法定準備金の合計額が、原則として次の算式により算出した金額以上であること。

1.96×√(P(1-P)/n)×n×当該共済事業の共済金の最高額

ただし、nは、当該組合の実績及び事業計画に照らして適正な被共済者数又は共済契約件数であること。

Pは、申請事業年度の前5事業年度の当該組合の実績平均危険率であること。

なお、共済事業を2種類以上実施する組合にあっては、払込済出資金額と法定準備金の合計額が、原則として共済事業ごと(1の共済事業であっても2以上の共済事業規約がある場合は、共済事業規約ごと)に上記の算式により算定した金額の合計額以上であること。

④ 正味の流動資産の額

正味の流動資産の額が、原則として当該共済事業の共済金の最高額の10倍以上であること。

ただし、正味の流動資産の額は、流動資産(その他の流動資産を除く。)の額から支払備金、再共済勘定、短期借入金及びその他の流動負債(前受共済掛金を除く)の合計額を控除した残額とすることとし、それぞれの額は、当該事業年度の前年度末現在のものとする。

なお、共済事業を2種類以上実施する組合にあっては、正味の流動資産の額が、原則として共済事業ごと(1の共済事業であっても2以上の共済事業規約がある場合は、共済事業規約ごと)の共済金の最高額の合計額の10倍以上であること。

⑤ 被共済者の数

初年度10,000人以上、3年後30,000人以上となる確実な見込みがあること。

⑥ 共済事務職員の研修

共済事業の数理的特質にかんがみ、共済事務を担当する職員に対し計画的に実務研修が実施され、その資質の向上が図られる体制となっていること。

⑦ 入院又は通院の共済金支払日数限度

傷害又は疾病による入院又は通院を共済事故とする共済事業にあっては、入院又は通院の共済金の1回又は通算の支払日数限度について、共済数理上の合理性及び不当な共済金請求防止の観点から適切な検証を行った上で設定すること。

⑧ 入院又は通院の共済金日額の通算限度

傷害又は疾病による入院又は通院を共済事故とする共済事業にあっては、同一の共済の目的について当該共済契約と同時に又は時を異にして締結された当該組合の他の契約との共済金日額の通算限度に係る規定を不当な共済金請求防止の観点から適切な検証を行ったうえで設けていること。

⑨ 不当な共済金請求に対する対策

傷害又は疾病による入院その他の治療を共済事故とする共済事業にあっては、特に、専門的な見地から不当な共済金請求に対する十分な対策を講じていること。

(別添2)

消費生活協同組合模範定款例

○○(消費)生活協同組合定款

目次

第1章 総則(第1条―第5条)

第2章 組合員及び出資金(第6条―第19条)

第3章 役職員(第20条―第44条)

第4章 (総代会及び)総会(第45条―第60条)

第5章 事業の執行(第61条―第62条)

第6章 会計(第63条―第75条)

第7章 解散(第76条―第77条)

第8章 雑則(第78条―第80条)

附則

第1章 総則

(目的)

第1条 この消費生活協同組合(以下「組合」という。)は、協同互助の精神に基づき、組合員の生活の文化的経済的改善向上を図ることを目的とする。

(名称)

第2条 この組合は、○○(消費)(注)生活協同組合という。

(注) 組合の名称として「消費生活」という文字を使用する組合にあっては「消費生活協同組合」と、「消費生活」という文字でなく「生活」という文字を使用する組合にあっては「生活協同組合」と規定するものである。

(事業)

第3条 この組合は、第1条の目的を達成するため、次の事業を行う。(注)1

(1) 組合員の生活に必要な物資を購入し(、これに加工し又は生産し)て組合員に供給する事業

(2) 組合員の生活に有用な協同施設(第5号及び第6号に掲げるものを除く。)を設置し、組合員に利用させる事業

(3) 組合員の生活の改善及び文化の向上を図る事業

(4) 組合員の生活の共済を図る事業(注)2

(5) 組合員に対する医療に関する事業(注)3

(6) 高齢者、障害者等の福祉に関する事業であって組合員に利用させるもの(注)3

(7) 組合員及び組合従業員の組合事業に関する知識の向上を図る事業(注)4

(8) 前各号の事業に附帯する事業(注)3(注)5

(注)1 本条中第1号から第6号までは、現に組合が行っているもの及び行おうとしている事業を規定するものである。

(注)2 共済事業の受託事業のみを行う組合においても本号を規定し、第62条に「第3条第4号に規定する組合員の生活の共済を図る事業は、○○生活協同組合連合会が行う○○共済事業の受託共済事業とする。」というように規定するものである。また、本号の事業のうち、共済事業(法第10条第2項に規定するものをいう。以下同じ。)又は受託共済事業(法第10条第2項に規定するものをいう。以下同じ。)を行う組合で保険代理に関する事業を行う場合には別号として「保険代理に関する事業」と規定する必要がある。

(注)3 本号に規定する事業のうち、事業の実施に当たり行政庁の指定、委託又は許可を受ける必要がある等行政庁の関与する側面が強い事業については、行政庁関係部局と十分打ち合わせを行うことが必要とされるものである。

(注)4 本事業は、法第51条の4第4項に規定するように、毎事業年度における剰余金の一部を翌事業年度のこのための費用として支出するために繰り越さなければならないものとされていることから、組合として必ず行わなければならない事業であるので、必ず規定する必要がある。

(注)5 本事業は、組合の事業執行の円滑化のため、できる限り規定すべきものである。

(区域)

第4条 この組合の区域は、○○の地(職)(注)域とする。

(注) 地域により組合の区域を規定する場合は、「この組合の区域は、東京都千代田区の地域とする。」又は「この組合の区域は、神奈川県小田原市及び足柄下郡箱根町の地域とする。」というように規定し、職域により組合の区域を規定する場合は、「この組合の区域は、日本産業株式会社、日本産業労働組合、日本産業健康保険組合及び日本産業生活協同組合の職域とする。」又は「日生工業株式会社、日生サービス株式会社及び日生商事株式会社の職域とする。」というように規定するものである。

(事務所の所在地)

第5条 この組合は、事務所を○○都(道府県)○○市(区町村)に置く。

((事務所の所在地)

第5条 この組合は、主たる事務所を○○都(道府県)○○市(区町村)に、従たる事務所を○○都(道府県)○○市(区町村)に置く。)(注)

(注) 従たる事務所を設ける組合にあっては、括弧書の例により本条を規定するものである。

第2章 組合員及び出資金

(組合員の資格)

第6条 この組合の区域内に住所を有する(区域内に勤務する)(注)1者は、この組合の組合員となることができる。

2 この組合の区域内に勤務地を有する(区域の付近に住所を有する者又は当該区域内に勤務していた)(注)1者でこの組合の事業(施設)(注)2を利用することを適当とするものは、この組合の承認を受けて、この組合の組合員となることができる。

(注)1 地域組合にあっては、本条第1項を「住所を有する者」、第2項を「区域内に勤務地を有する者」と、職域組合にあっては、本条第1項を「区域内に勤務する者」、第2項を「区域の付近に住所を有する者又は当該区域内に勤務していた者」と規定するものである。なお、職域組合のうち、法令で定める学校を職域とするもので当該学校の学生を組合員とする場合には、第1項を「区域内に勤務又は通学する者」と規定するものである。

(注)2 ここに規定する「施設」は、利用事業における協同施設という意味でなく、組合の事業全般を含めた意味であるが、「施設」という文字が適当でないと認められる場合は、「事業」と規定するものである。

(加入の申込み)

第7条 前条第1項に規定する者は、組合員となろうとするときは、この組合の定める加入申込書に引き受けようとする出資口数に相当する出資金額(出資第1回の払込み金額)(注)を添え、これをこの組合に提出しなければならない。

2 この組合は、前項の申込みを拒んではならない。ただし、前項の申込みを拒むことにつき、理事会において正当な理由があると議決した場合は、この限りでない。

3 この組合は、前条第1項に規定する者の加入について、現在の組合員が加入の際に付されたよりも困難な条件を付さないものとする。

4 第1項の申込みをした者は、第2項ただし書の規定により、その申込みを拒まれた場合を除き、この組合が第1項の申込みを受理したときに組合員となる。

5 この組合は、組合員となった者について組合員証を作成し、その組合員に交付するものとする。

(注) 組合加入者の組合に対する出資を第16条の規定により、全額一時払込みとしている組合にあっては、「出資金額」とし、分割払込みとしている組合にあっては、「出資第1回の払込み金額」と規定するものである。

(加入承認の申請)

第8条 第6条第2項に規定する者は、組合員となろうとするときは、引き受けようとする出資口数を明らかにして、この組合の定める加入承認申請書をこの組合に提出しなければならない。

2 この組合は、理事会において前項の申請を承認(注)1したときは、その旨を同項の申請をした者に通知するものとする。

3 前項の通知を受けた者は、速やかに出資金(出資第1回の払込み金)(注)2の払込みをしなければならない。

4 第1項の申請をした者は、前項の規定により出資金(出資第1回の払込み金)(注)2の払込みをしたときに組合員となる。

5 この組合は、組合員となった者について組合員証を作成し、その組合員に交付するものとする。

(注)1 理事会で個別に承認するという方法ではなく、あらかじめ理事会等で組合加入の承認に関する基準を作成し、その基準に適合する者については、承認されたものとして取り扱い、理事会に事後報告する等の適切と認められる方法を採っても差し支えない。

(注)2 第7条(注)を参照のこと。

(届出の義務)

第9条 組合員は、組合員たる資格を喪失したとき、又はその氏名若しくは住所を変更したときは、速やかにその旨をこの組合に届け出なければならない。

(自由脱退)

第10条 組合員は、事業年度の末日の90日(注)前までにこの組合に予告し、当該事業年度の終わりにおいて脱退することができる。

(注) 法第19条第2項の規定により、90日以上1年以内の日数ならば任意に定めて差し支えないが、あまり長期間にわたることは脱退の自由の原則からみて望ましくなく、一般的には90日位が適当であろう。

(法定脱退)

第11条 組合員は、次の事由によって脱退する。

(1) 組合員たる資格の喪失

(2) 死亡

(3) 除名

(除名)

第12条 この組合は、組合員が次の各号のいずれかに該当するときは、総(代)(注)1会の議決によって、除名することができる。

(1) 1年間(注)2この組合の事業(施設)を利用しないとき。

(2) 出資の払込み(過怠金の納付、供給物資の代金又は利用料の支払)を怠り(注)3、催告を受けてもその義務を履行しないとき。

(3) この組合の事業を妨げ、又は信用を失わせる行為をしたとき。

2 前項の場合において、この組合は、総(代)(注)1会の会日の5日前までに、除名しようとする組合員にその旨を通知し、かつ、総(代)(注)1会において弁明する機会を与えなければならない。

3 この組合は、除名の議決があったときは、除名された組合員に除名の理由を明らかにして、その旨を通知するものとする。

(注)1 総代を置いている組合にあっては「総代会」と、総代を置いていない組合にあっては「総会」と規定するものである。

(注)2 「1年間」は、組合の実情に応じて適当な年数を規定すればよいが、物資の供給事業を主とする組合ではおおむね1年とするのが適当であろう。なお、医療事業、共済事業又は住宅事業等を行う組合についても、組合の事業を長期間利用しないいわゆる睡眠組合員を無期限に放置しておくことは組合の事務処理上からも望ましくないので、このような場合を予想し、この規定は置くべきである。

(注)3 「出資の払込み(過怠金の納付、供給物資の代金又は利用料の支払)を怠り」は、組合員としての組合に対する義務の怠を掲げたものであって、それぞれの組合が組合員に負わせている具体的な義務の怠を、組合の実情によって規定すればよい。例えば、出資金を全額一時払込みにしている組合については、出資金を払い込まなければ、第7条又は第8条の規定により組合員になれないことから、「出資の払込み、過怠金の納付を怠り」は必要でなく、出資金を分割払込みとしている組合であっても第2回以降の出資金の払込みの過怠について過怠金を課す規定を定款上設けていない組合については、「過怠金の納付を怠り」は必要なく、また、生活物資の供給事業を行っていない組合については「供給物資の代金の支払いを怠り」は必要でない等である。

(脱退組合員の払戻し請求権)

第13条 脱退した組合員は、次の各号に定める(注)ところにより、その払込済出資額の払戻しをこの組合に請求することができる。

(1) 第10条の規定による脱退又は第11条第1号若しくは第2号の事由による脱退の場合は、その払込済出資額に相当する額

(2) 第11条第3号の事由による脱退の場合は、その払込済出資額の2分の1に相当する額

2 この組合は、脱退した組合員がこの組合に対する債務を完済するまでは、前項の規定による払戻しを停止することができる。

3 この組合は、事業年度の終わりに当たり、この組合の財産をもってその債務を完済するに足らないときは、第1項の払戻しを行わない。

(注) 払戻請求権の範囲及び払戻請求方法等は、組合の実情により、払込済出資額に相当する額の範囲内において適宜定めて差し支えない。

(脱退組合員の払込み義務)(注)

第14条 この組合は、前条第3項の場合において、他の組合員に対するのと同一の条件をもって、その年度内に脱退した組合員にその未払込出資額の全部又は一部の払込みを請求することができる。

(注) 出資の払込みを全額一時払込みとしている組合にあっては、本条は必要ない条文である。

(出資)

第15条 組合員は、出資1口以上を有しなければならない。

2 1組合員の有することのできる出資口数の限度は、組合員の総出資口数の4分の1(注)1とする。(注)2

3 組合員は、出資金額の払込みについて、相殺をもってこの組合に対抗することができない。

4 組合員の責任は、その出資金額を限度とする。

(注)1 「4分の1」は、法第16条第3項の規定による最高限度であることから、さらにこれを組合の実情により、例えば、「5分の1」あるいは「6分の1」というように制限することは差し支えない。また、組合の実情に合わせて、1組合員の有することのできる出資口数を具体的に○○口と規定しても差し支えない。

(注)2 連合会の会員にあっては、出資口数の限度の制限はないが、実情に応じて定めるものである。また、貸付事業実施組合については、4分の1からさらに制限することが望ましい。

(出資1口の金額及びその払込み方法)

第16条 出資1口の金額は、○○円(注)1とし、全額一時払込みとする。

((出資1口の金額及びその払込み方法)

第16条 出資1口の金額は、○○円(注)1とし、○回分割払込みとする。ただし、全額を一時に払い込むことを妨げない。

2 出資第1回の払込み金額は、1口につき○○円(注)3とする。

3 出資第2回以降の払込みは、出資第1回の払込みの日の属する月から○箇月経過する月(注)4の末日までに、1口につき○○円(注)5を払い込むものとする。)(注)2

(注)1 出資1口の金額は、組合の経営的基礎の確立及び組合員の負担可能程度を勘案し、適切な額を定めるべきである。なお、組合に対する出資は、通常の場合は金銭に限られているが、法第26条第1項第19号に規定するように、現物出資することも認めている。この場合には、法第26条第1項第19号の規定により、定款において現物出資者の氏名、その目的たる財産及びその価格並びにこれに対して与える出資口数を記載しておくことが必要である。この現物出資は、組合の事業の基礎ともなるので、出資第1回の払込期日に出資の目的たる財産の全部を組合に給付しなければならない(法第60条第3項)。

(注)2 出資金について分割払込制度を採っている組合にあっては、この括弧書の例により規定するものである。

(注)3 分割払込みの場合の出資第1回の払込金額は、組合が事業を行うに必要な経営的基礎をできるだけ早く確立するという点からみて、第2回以降の払込金額より多くすべきである。なお、その額は、定額としてもよいし、余裕のある組合員からはできれば定額以上に払い込んでもらうということで「○○円以上」としてもよい。

(注)4 何箇月毎に第2回以降の出資金を払い込ませるかは、組合の実情により、適宜定めればよいが、あまり長期にわたることは望ましくない。

(注)5 第2回以降の払込金額の最低限度額は、出資1口の金額から出資第1回払込みの最低限度額を控除した残額を第2回以降何回で払い込ませるかによって均等に分割した額とすべきであろう。なお、(注)3なお書を参照のこと。

(過怠金)(注)1

第17条 この組合は、組合員が出資の払込みを怠ったときは、その組合員に対して、払込みを怠った出資金額の1,000分の1(注)2に相当する額に、払込み期日の翌日から払込みの完了する日の前日までの日数を乗じて得た額に相当する額の過怠金を課することができる。

2 この組合は、組合員が出資の払込みを怠ったことにつき、理事会においてやむを得ない事情があると認めるときは、その組合員に対する過怠金の全部又は一部を免除することができる。

(注)1 本条は、出資の払込みを怠った組合員に対して過怠金を課することとしている組合にあっては必ず設けなければならない規定で、定款の規定なくして組合員に過怠金を課することは許されない(法第26条第1項第11号)。なお、出資金を全額一時払込みとしている組合については、出資の払込みがなければ組合員資格そのものを与えないとしている(第7条及び第8条参照)ことから、定款上本条を設ける必要はない。

(注)2 過怠金の額は、払込みを怠った出資金額を基準として定めればよく、おおむね例示した程度が適当であろう。

(出資口数の増加)

第18条 組合員は、この組合の定める方法により、その出資口数を増加することができる。

(出資口数の減少)

第19条 組合員は、やむを得ない理由があるときは、事業年度の末日の90日(注)1前までに減少しようとする出資口数をこの組合に予告し、当該事業年度の終わりにおいて出資口数を減少することができる。

2 組合員は、その出資口数が第15条第2項に規定する限度(注)2を超えたときは、その限度(注)2以下に達するまでその出資口数を減少しなければならない。

3 出資口数を減少した組合員は、減少した出資口数に応ずる払込済出資額の払戻しをこの組合に請求することができる。

4 第13条第3項及び第14条(注)3の規定は、出資口数を減少する場合について準用する。

(注)1 第10条(注)を参照のこと。なお、本条に規定する日数は、第10条に規定する日数と同じ日数とすべきである。

(注)2 第15条(注)1を参照のこと。

(注)3 第14条を規定しない組合にあっては、削除するものである。

第3章 役職員

(役員)

第20条 この組合に次の役員を置く。

(1) 理事 ○(注)2人以上 ○人以内(注)3

(2) 監事 ○(注)2人以上 ○人以内(注)3

((役員)

第20条 この組合に、役員として理事○(注)2人、及び監事○(注)2人を置く。)(注)1

(注)1 役員の定数を定款上確定数とする組合にあっては、括弧書の例により規定するものである。

(注)2 法第27条第2項の規定により、理事の定数は5人以上、監事の定数は2人以上でなければならないが、組合の具体的な定数は法定数以上の範囲において、組合の規模及び事業内容とあわせて、役員の少数化による権力集中の弊害、逆に役員の多数化による組合運営上の支障等を充分見極めた上で定めるべきである。

(注)3 役員の定数に幅を持たせて規定する場合、その幅はできるだけ狭くすべきであって、せいぜい5人程度の幅にとどめるべきである。

(役員の選挙)(注)1

第21条 役員は、役員選挙規約の定めるところにより、総(代)(注)2会において選挙する。

2 理事は、組合員でなければならない。ただし、特別の理由があるときは、理事の定数の3分の1以内(注)3の者を、組合員以外の者のうちから選挙することができる。

3 監事のうち1人以上は、組合員又は組合の使用人以外の者(注)4であって、その就任の前5年間組合の理事若しくは使用人又はその子会社の取締役、会計参与、執行役若しくは使用人でなかったものとする。また、監事の互選をもって常勤の監事を定めるものとする。(注)5

4 役員の選挙は、無記名投票によって行い、投票は、1人につき1票とする。

(注)1 役員となる要件については、規約をもって定め、総(代)会の議決を経るものである。

(注)2 第12条(注)1を参照のこと。

(注)3 組合員以外のいわゆる員外理事をどの程度認めるかは、組合員自らによる経営の要求と、適任者による経営の要求とを比較考慮し、各組合の実情により定めるべきであり、「3分の1以内」というのは法第28条第3項に規定する最高限度であるから、さらにこれを例えば「6分の1以内」又は「8分の1以内」というように厳しく限定することは差し支えない。また、員外理事を設置しない組合については、本規定を設けなくてもよい。

(注)4 連合会にあっては、「組合員又は組合の使用人以外の者」とあるのは、「会員たる法人の役員又は使用人以外の者」とする。

(注)5 負債総額200億円超の組合については、本規定を設けなければならない。また、負債総額200億円以下の組合においては、本規定を設けなくてもよい。

(役員の選任)(注)1

第○○条 役員は、役員選任規約の定めるところにより、総(代)(注)2会において選任する。

2 理事は、組合員でなければならない。ただし、特別の理由があるときは、理事の定数の3分の1以内(注)3の者を、組合員以外の者のうちから選任することができる。

3 監事のうち1人以上は、組合員又は組合の使用人以外の者(注)4であって、その就任の前5年間組合の理事若しくは使用人又はその子会社の取締役、会計参与、執行役若しくは使用人でなかったものとする。また、監事の互選をもって常勤の監事を定めることとする。(注)5

4 理事は、監事の選任に関する議案を総(代)(注)2会に提出するには、監事の過半数の同意を得なければならない。

(注)1 役員の選出については、選挙によることが原則であるが、選任の方法をとる場合は本規定を設けるものである。

(注)2 第12条(注)1を参照のこと。

(注)3 第21条(注)3を参照のこと。

(注)4 第21条(注)4を参照のこと。

(注)5 第21条(注)5を参照のこと。

(役員の補充)

第22条 理事又は監事のうち、その定数の5分の1を超える者(注)1が欠けたときは、役員選挙(選任)(注)2規約の定めるところにより、3箇月以内(注)3に補充しなければならない。

(注)1 「5分の1を超える者」というのは、法第29条の規定による最高限度であるから、さらにこれを例えば「6分の1を超える者」、「10分の1を超える者」というように少数にすることは差し支えない。

(注)2 役員の選出について、選任の方法をとる場合は、「役員選任規約」と規定するものである。

(注)3 「3箇月以内」というのは、法第29条の規定による最高期限であるから、さらにこれを例えば「1箇月以内」、「20日以内」というように短期間にすることは差し支えない。

(役員の任期)

第23条 理事の任期は、○(注)1年、監事の任期は、○(注)1年とし、前任者の任期満了のときから起算する。ただし、再選を妨げない。

2 補欠役員の任期は、前項の規定にかかわらず、前任者の残任期間(注)2とする。

3 役員の任期は、その満了のときがそのときの属する事業年度の通常総(代)(注)3会の終了のときと異なるときは、第1項の規定にかかわらず、その総(代)(注)3会の終了のときまでとする。

4 役員が任期の満了又は辞任によって退任した場合において、役員の数がその定数を欠くに至ったときは、その役員は、後任者が就任するまでの間は、なお役員としての権利義務を有するものとする。

(注)1 法第30条第1項及び2項において理事の任期は、「2年以内において定款で定める期間」、監事の任期は、「4年以内において定款で定める期間」と規定されているのであるから、その範囲内においては適宜役員の任期を定めて差し支えない。

(注)2 組合の実情に応じて「補充した総(代)会の日において現に在任する役員の任期が終了するときまで」と規定することもできるものである。

(注)3 第12条(注)1を参照のこと。

(役員の兼職禁止)

第24条 監事は、次の者と兼ねてはならない。

(1) 組合の理事又は使用人

(2) 組合の子会社等(子会社、子法人等及び関連法人等)の取締役又は使用人

(役員の責任)

第25条 役員は、法令、法令に基づいてする行政庁の処分、定款及び規約並びに総(代)(注)会の決議を遵守し、この組合のため忠実にその職務を遂行しなければならない。

2 役員は、その任務を怠ったときは、組合に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

3 前項の任務を怠ってされた行為が理事会の決議に基づき行われたときは、その決議に賛成した理事は、その行為をしたものとみなす。

4 第2項の責任は、総組合員の同意がなければ、免除することができない。

5 前項の規定にかかわらず、第2項の責任は、当該役員が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、法令で定める額を限度として、総(代)会の決議によって免除することができる。

6 前項の場合には、理事は、同項の総(代)(注)会において次に掲げる事項を開示しなければならない。

(1) 責任の原因となった事実及び賠償の責任を負う額

(2) 前項の規定により免除することができる額の限度及びその算定の根拠

(3) 責任を免除すべき理由及び免除額

7 理事は、第2項の責任の免除(理事の責任の免除に限る。)に関する議案を総(代)(注)会に提出するには、各監事の同意を得なければならない。

8 第5項の決議があった場合において、組合が当該決議後に同項の役員に対し退職慰労金等を与えるときは、総(代)(注)会の承認を受けなければならない。

9 役員がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該役員は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。

10 次の各号に掲げる者が、当該各号に定める行為をしたときも、前項と同様の取扱いとする。ただし、その者が当該行為をすることについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。

(1) 理事 次に掲げる行為

イ 法第31条の7第1項及び第2項の規定により作成すべきものに記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録

ロ 虚偽の登記

ハ 虚偽の公告

(2) 監事 監査報告に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録

11 役員が組合又は第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合において、他の役員も当該損害を賠償する責任を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。

(注) 第12条(注)1を参照のこと。

(理事の自己契約等)

第26条 理事は、次に掲げる場合には、理事会において、当該取引につき重要な事実を開示し、その承認(注)1を受けなければならない。

(1) 理事が自己又は第三者のためにこの組合と取引をしようとするとき。

(2) この組合が理事の債務を保証することその他理事以外の者との間において組合と当該理事との利益が相反する取引をしようとするとき。

(3) 理事が自己又は第三者のために組合の事業の部類に属する取引をしようとするとき。

2 第1項各号の取引を行った理事は、当該取引後、遅滞なく当該取引についての重要な事実を理事会に報告しなければならない。(注)2

(注)1 理事会の承認に当たっては、当該理事は第34条第2項の特別の利害関係を有する理事として議決権行使を排除されるものである。

(注)2 当該報告は、理事会が、実際になされた取引が承認された範囲に属するのかどうかやその理事に忠実義務違反がないかどうかを判断し、組合に損害が生じる可能性があるときは、それに対する措置を講じる機会を与えるために行われるものである。

(役員の解任)

第27条 組合員(総代)(注)1は、総組合員(総代)(注)1の5分の1(注)2以上の連署をもって、役員の解任を請求することができるものとし、その請求につき総(代)(注)1会において出席者の過半数の同意があったときは、その請求に係る役員は、その職を失う。

2 前項の規定による請求は、解任の理由を記載した書面をこの組合に提出してしなければならない。

3 理事長(注)3は、前項の規定による書面の提出があったときは、その請求を総(代)(注)1会の議に付し、かつ、総(代)(注)1会の会日の10日前までにその役員にその書面を送付し、かつ、総(代)(注)1会において弁明する機会を与えなければならない。

4 第1項の請求があった場合は、理事会は、その請求があった日から20日以内に臨時総(代)(注)1会を招集すべきことを決しなければならない。なお、理事の職務を行う者がないとき又理事が正当な理由がないのに総(代)(注)1会招集の手続をしないときは、監事は、総(代)(注)1会を招集しなければならない。

(注)1 総代を置いている組合にあっては「総代」及び「総代会」と、総代を置いていない組合にあっては「組合員」及び「総会」と規定するものである。

(注)2 5分の1を下回る割合を定めることができる。

(注)3 組合の実情に応じて、「理事長」以外の理事の中から定めても差し支えない。

(役員の報酬)(注)1

第28条 理事及び監事に対する報酬は、総(代)(注)2会の議決をもって定める。この場合において、総(代)(注)2会に提出する議案は、理事に対する報酬と監事に対する報酬を区分して表示しなければならない。

2 監事は、総(代)(注)2会において、監事の報酬について意見を述べることができる。

3 第1項の報酬の算定方法については、規則をもって定める。

(注)1 役員の報酬の額の決定は、必ずしも個々の役員ごとに総(代)会の議決を経る必要はなく、理事会の議決を経た規則に基づく算出方法により、理事全員分及び監事全員の報酬の最高限度額又は総額を、区分して算出し、総(代)会の議決を経るものである。

(注)2 第12条(注)1を参照のこと。

(代表理事)

第29条 理事会は、理事の中からこの組合を代表する理事(以下「代表理事」という。)を選定しなければならない。

2 代表理事は、組合の業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。

(理事長及び専務理事)(注)1