液 |
エンドトキシン濃度/被添加液 |
希釈液 |
希釈倍数 |
エンドトキシン濃度 |
試験の回数 |
A*1 |
0/試料溶液 |
― |
― |
― |
4 |
B*2 |
2λ/試料溶液 |
試料溶液 |
1 |
2λ |
4 |
|
|
|
2 |
1λ |
|
|
|
|
4 |
0.5λ |
|
|
|
|
8 |
0.25λ |
|
C*3 |
2λ/エンドトキシン試験用水 |
エンドトキシン試験用水 |
1 |
2λ |
2 |
|
2 |
1λ |
|
||
|
|
|
4 |
0.5λ |
|
|
|
|
8 |
0.25λ |
|
D*4 |
0/エンドトキシン試験用水 |
― |
― |
― |
2 |
*1 陰性対照.試料溶液のみ.
*2 反応干渉因子試験のための,標準エンドトキシンを添加した試料溶液.
*3 ライセート試薬の表示感度確認のためのエンドトキシン標準溶液.
*4 陰性対照.エンドトキシン試験用水のみ.
4.2.限度試験法
本法は,被検試料が各条に規定されたエンドトキシン規格を超えるエンドトキシンを含むか否かを,ライセート試薬の表示感度に基づいてゲル化反応により判定する方法である.
4.2.1.操作法
第4.01―2に従い,A,B,C及びD液を調製し,これらの4種の液を一組として試験を2回行う.A及びB液の試料溶液は,4.1.2.に適合する溶液を用いる.
反応温度,反応時間及びゲル化判定は,4.1.1.に準じる.
表4.01―2
液 |
エンドトキシン濃度/被添加液 |
試験の回数 |
A*1 |
0/試料溶液 |
2 |
B*2 |
2λ/試料溶液 |
2 |
C*3 |
2λ/エンドトキシン試験用水 |
2 |
D*4 |
0/エンドトキシン試験用水 |
2 |
*1 限度試験のための試料溶液.最大有効希釈倍数を超えない範囲で希釈することができる.
*2 陽性対照.A液と同倍数で希釈された試料溶液で,終濃度2λとなるように標準エンドトキシンを添加したもの.
*3 陽性対照.濃度2λのエンドトキシン標準溶液.
*4 陰性対照.エンドトキシン試験用水のみ.
4.2.2.判定
B及びC液の2回の試験結果がいずれも陽性で,D液の2回の試験結果がいずれも陰性のとき,試験は有効とする.
A液の2回の試験結果がいずれも陰性のとき,被検試料はエンドトキシン試験に適合とし,いずれも陽性のとき,不適とする.
A液の2回の試験結果において,1回が陰性で他の1回が陽性のとき,この2回の試験を繰り返し行う.その2回の試験結果がいずれも陰性のとき,被検試料はエンドトキシン試験に適合とする.両方又は一方が陽性の場合は不適とする.
ただし,陽性の結果が得られたいずれの場合でも,試料溶液の希釈倍数が最大有効希釈倍数未満の場合,最大有効希釈倍数又はそれを超えない希釈倍数で試験をやり直すことができる.
4.3.定量試験法
本法は,被検試料のエンドトキシン濃度をゲル化反応のエンドポイントを求めることにより測定する方法である.
4.3.1.操作法
表4.01―3に従い,A,B,C及びD液を調製する.これらの4種の液を一組として試験を2回行う.A及びB液の試料溶液は,4.1.2.に適合する溶液を用いる.
試験の操作条件は4.1.1.に準じる.
表4.01―3
液 |
エンドトキシン濃度/被添加液 |
希釈液 |
希釈倍数 |
エンドトキシン濃度 |
試験の回数 |
A*1 |
0/試料溶液 |
エンドトキシン試験用水 |
1 |
― |
2 |
|
|
2 |
― |
|
|
|
|
4 |
― |
|
|
|
|
|
8 |
― |
|
B*2 |
2λ/試料溶液 |
― |
1 |
2λ |
2 |
C*3 |
2λ/エンドトキシン試験用水 |
エンドトキシン試験用水 |
1 |
2λ |
2 |
|
2 |
1λ |
|
||
|
4 |
0.5λ |
|
||
|
|
|
8 |
0.25λ |
|
D*4 |
0/エンドトキシン試験用水 |
― |
― |
― |
2 |
*1 定量試験のための試料溶液.段階希釈倍数は,最大有効希釈倍数を超えない範囲で適宜変更することができる.
*2 陽性対照.A液の最小希釈倍数と同倍数で希釈された試料溶液に,終濃度2λとなるように標準エンドトキシンを添加したもの.
*3 ライセート試薬の表示感度確認のためのエンドトキシン標準溶液.
*4 陰性対照.エンドトキシン試験用水のみ.
4.3.2.エンドトキシン濃度の算出及び判定
2回の試験のいずれの結果においても,D液は陰性を,B液は陽性を示し,C液の幾何平均エンドポイント濃度が0.5~2λの範囲にあるとき,試験は有効とする.
A液の希釈系列において,陽性を示す最大の希釈倍数をエンドポイントとし,λにエンドポイントにおける希釈倍数を乗じて得た値を試料溶液のエンドトキシン濃度とする.
A液の希釈系列の中に陽性を示すものがないとき,試料溶液のエンドトキシン濃度はλにA液の最小希釈倍数を乗じた値未満とする.
A液の希釈系列のすべてが陽性のとき,試料溶液のエンドトキシン濃度は,λにA液の最大希釈倍数を乗じた値以上とする.
試料溶液のエンドトキシン濃度から,被検試料のエンドトキシン濃度(EU/mL,EU/mg,EU/mEq又はEU/単位)を算出する.
2回の試験により被検試料について求めた二つのエンドトキシン濃度(EU/mL,EU/mg,EU/mEq又はEU/単位)のいずれもが,医薬品各条に規定されたエンドトキシン規格を満たすとき,被検試料はエンドトキシン試験に適合とする.
5.光学的定量法
5.1.比濁法
本法は,ライセート試液のゲル化に伴う濁度の変化を測定することにより,被検試料のエンドトキシン濃度を測定する方法である.エンドポイント―比濁法とカイネティック―比濁法がある.
エンドポイント―比濁法は,エンドトキシン濃度と一定反応時間後における反応液の濁度との間の用量反応関係に基づく方法である.
カイネティック―比濁法は,エンドトキシン濃度と反応液があらかじめ設定された濁度に達するのに要した時間又は濁度の経時変化率との間の用量反応関係に基づく方法である.
試験は,通例,37±1℃で行い,濁度は吸光度又は透過率で示される.
5.2.比色法
本法は,エンドトキシンのライセート試液との反応により,発色合成基質から遊離される発色基の量を吸光度又は透過率で測定することにより,エンドトキシンを定量する方法である.エンドポイント―比色法とカイネティック―比色法がある.
エンドポイント―比色法は,エンドトキシン濃度と一定反応時間後における発色基の遊離量との間の用量反応関係に基づく方法である.
カイネティック―比色法は,エンドトキシン濃度と反応液があらかじめ設定された吸光度又は透過率に達するのに要する時間又は発色の経時変化率との間の用量反応関係に基づく方法である.
試験は,通例,37±1℃で行う.
5.3.予備試験
比濁法又は比色法の精度と有効性を保証するために,「5.3.1.検量線の信頼性確認試験」及び「5.3.2.反応干渉因子試験」を行う.
5.3.1.検量線の信頼性確認試験
ライセート試薬は各ロットにつき,使用する前にその検量線の信頼性を確認しなければならない.
本試験は,試験結果に影響を及ぼす可能性が予想される試験条件の変更があるときにも行う.
用いるライセート試薬に規定されているエンドトキシンの濃度範囲内で,少なくとも3種の濃度のエンドトキシン標準溶液を調製し,これらの各濃度の溶液につき,3回以上測定して検量線を作成する.エンドトキシン標準溶液とライセート試液の容量比,反応時間,反応温度,pHなどの操作条件は用いるライセート試薬の至適条件に従う.
検量線の濃度範囲を2桁より大きくするとき,1桁大きくするごとに用いるエンドトキシン標準溶液の濃度を1濃度ずつ追加する.
作成した検量線の相関係数rを求め,その絶対値|r|が0.980以上であるとき,検量線の信頼性は確認されたと判定する.
検量線の信頼性が確認されなかったときは,試験条件を整備して再試験を行う.
5.3.2.反応干渉因子試験
表4.01―4に従い,A,B,C及びD液を調製して,試験を行う.ライセート試液の採取量,ライセート試液に対する試料溶液の容量比,反応時間などの操作条件は,用いるライセート試薬の至適条件に従う.
本試験は,試験結果に影響を及ぼす可能性が予想される試験条件の変更があるときにも行う.
表4.01―4
液 |
エンドトキシン濃度 |
被添加液 |
試験管又はウエルの数 |
A*1 |
0 |
試料溶液 |
2以上 |
B*2 |
検量線の中点濃度*2 |
試料溶液 |
2以上 |
C*3 |
3濃度以上 |
エンドトキシン試験用水 |
各濃度,2以上 |
D*4 |
0 |
エンドトキシン試験用水 |
2以上 |
*1 試料溶液のみ(試料溶液のエンドトキシン濃度測定用).最大有効希釈倍数を超えない範囲で希釈することができる.
*2 A液と同倍数で希釈された試料溶液で,検量線の中点又は中点付近のエンドトキシン濃度になるように標準エンドトキシンを添加したもの.
*3 5.3.1.で用いた各種濃度のエンドトキシン標準溶液(検量線作成用).
*4 陰性対照.エンドトキシン試験用水のみ.
本試験は次の二つの条件に適合するとき,有効である.
1.C液で作成した検量線の相関係数の絶対値は0.980以上である.
2.D液の測定結果は,ライセート試薬に設定されている空試験の限度値を超えないか,又はエンドトキシンの検出限界未満である.
B液で測定されたエンドトキシン濃度とA液で測定されたエンドトキシン濃度の差に基づいて,B液の添加エンドトキシン濃度に対するエンドトキシンの回収率を計算する.添加エンドトキシンの回収率が50~200%の範囲にあるとき,反応干渉因子は試料溶液に存在しないと判定し,反応干渉因子試験に適合とする.
エンドトキシンの回収率が規定の範囲にないとき,試料溶液は反応干渉作用を有する.試料溶液に反応干渉作用が認められるとき,最大有効希釈倍数を超えない範囲で試料溶液を更に希釈し,試験を行う.なお,試料溶液又は最大有効希釈倍数を超えない範囲で希釈した試料溶液から反応干渉因子を除くために,適切な処理(ろ過,反応干渉因子の中和,透析又は加熱処理など)を施すことができる.ただし,処理によりエンドトキシンが損失しないことを保証するために,エンドトキシンを添加した試料溶液に当該の処理を施すことにより,上記の試験に適合する結果が得られることを確認する.
5.4.定量
5.4.1.操作法
表4.01―4に示すA,B,C及びD液を調製し,5.3.2.に準じて操作する.
5.4.2.エンドトキシン濃度の算出
C液で作成した検量線を用い,A液の平均エンドトキシン濃度を算出する.
本試験は次のすべての条件に適合するとき,有効である.
1.C液で作成した検量線の相関係数の絶対値は0.980以上である.
2.B液で測定されたエンドトキシン濃度とA液で測定されたエンドトキシン濃度の差に基づいて,B液の添加エンドトキシン濃度に対するエンドトキシンの回収率を計算するとき,その回収率は50~200%の範囲にある.
3.D液の結果が,ライセート試薬に設定されている空試験の限度値を超えないか,又はエンドトキシンの検出限界未満である.
5.4.3.判定
A液の平均エンドトキシン濃度に基づき,被検試料のエンドトキシンの濃度(EU/mL,EU/mg,EU/mEq又はEU/単位)を求め,その値が医薬品各条に規定されたエンドトキシン規格を満たすとき,被検試料はエンドトキシン試験に適合とする.