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○「使用上の注意」の改訂について

(平成23年3月22日)

(薬食安発0322第1号)

(日本製薬団体連合会安全性委員会委員長あて厚生労働省医薬食品局安全対策課長通知)

医薬品の品質、有効性及び安全性に関する情報の収集、調査、検討等を踏まえ、別紙1から別紙8に掲げる医薬品について、「使用上の注意」の改訂が必要と考えますので、同別紙記載のとおり速やかに必要な措置を講じるよう関係業者に対し周知徹底方お願い申し上げます。

また、平成16年4月1日薬食安発第0401001号安全対策課長通知「独立行政法人医薬品医療機器総合機構設立を踏まえた医薬品の添付文書中の「使用上の注意」の改訂及びその情報提供について」に規定する別紙様式を用いた「使用上の注意」等変更届を貴委員会において取りまとめの上、平成23年4月26日までに独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全第二部を窓口として、同部長あて御報告願います。

なお、本通知に基づき改訂を行った添付文書については、安全対策課長通知の趣旨にかんがみ、医療用医薬品についての電子化した添付文書の同安全第一部安全性情報課への提出等に御協力をお願いします。

別紙1

117 精神神経用剤

【医薬品名】アリピプラゾール

【措置内容】以下のように使用上の注意を改めること。

[重要な基本的注意]の項に

「低血糖があらわれることがあるので、本剤投与中は、脱力感、倦怠感、冷汗、振戦、傾眠、意識障害等の低血糖症状に注意するとともに、血糖値の測定等の観察を十分に行うこと。」

を追記し、患者及びその家族への指導に関する記載を

「本剤の投与に際し、あらかじめ上記の副作用が発現する場合があることを、患者及びその家族に十分に説明し、高血糖症状(口渇、多飲、多尿、頻尿、多食、脱力感等)、低血糖症状(脱力感、倦怠感、冷汗、振戦、傾眠、意識障害等)に注意し、このような症状があらわれた場合には、直ちに投与を中断し、医師の診察を受けるよう、指導すること。」

と改め、[副作用]の「重大な副作用」の項に

「低血糖:

低血糖があらわれることがあるので、脱力感、倦怠感、冷汗、振戦、傾眠、意識障害等の低血糖症状が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。」

を追記し、[妊婦、産婦、授乳婦等への投与]の項の妊婦又は妊娠している可能性のある婦人への投与に関する記載を

「妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。〔妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。妊娠後期に抗精神病薬が投与されている場合、新生児に哺乳障害、傾眠、呼吸障害、振戦、筋緊張低下、易刺激性等の離脱症状や錐体外路症状があらわれたとの報告がある。〕」

と改める。

別紙2

213 利尿剤

【医薬品名】トルバプタン

【措置内容】以下のように使用上の注意を改めること。

[警告]の項を

「本剤投与により、急激な水利尿から脱水症状や高ナトリウム血症を来し、意識障害に至った症例が報告されており、また、急激な血清ナトリウム濃度の上昇による橋中心髄鞘崩壊症を来すおそれがあることから、入院下で投与を開始又は再開すること。また、特に投与開始日又は再開日には血清ナトリウム濃度を頻回に測定すること。」

と改め、[重要な基本的注意]の項の血清ナトリウム濃度の測定に関する記載を

「本剤投与開始後24時間以内に水利尿効果が強く発現するため、少なくとも投与開始4~6時間後並びに8~12時間後に血清ナトリウム濃度を測定すること。投与開始翌日から1週間程度は毎日測定し、その後も投与を継続する場合には、適宜測定すること。」

と改め、[副作用]の「重大な副作用」の項に

「高ナトリウム血症:

本剤の水利尿作用により血液濃縮を来し、高ナトリウム血症があらわれることがあり、意識障害を伴うこともある。投与中は、飲水量、尿量、血清ナトリウム濃度及び口渇、脱水等の症状の観察を十分に行うこと。口渇感の持続、脱水等の症状がみられた場合には、本剤の投与を減量又は中止し、症状に応じて、輸液を含めた水分補給等の適切な処置を行うこと。また、正常域を超える血清ナトリウム濃度の上昇がみられた場合には、直ちに本剤の投与を中止し、症状に応じて、輸液を含めた水分補給等の適切な処置を行うこと。」

を追記する。

別紙3

396 糖尿病用剤

【医薬品名】

ピオグリタゾン塩酸塩

ピオグリタゾン塩酸塩・グリメピリド

ピオグリタゾン塩酸塩・メトホルミン塩酸塩

【措置内容】以下のように使用上の注意を改めること。

[副作用]の「重大な副作用」の項に

「間質性肺炎があらわれることがあるので、発熱、咳嗽、呼吸困難、肺音の異常(捻髪音)等が認められた場合には、速やかに胸部X線、胸部CT、血清マーカー等の検査を実施し、異常が認められた場合には、投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。」

を追記する。

別紙4

399 他に分類されない代謝性医薬品

【医薬品名】タクロリムス水和物(経口剤、注射剤)

【措置内容】以下のように使用上の注意を改めること。

[重要な基本的注意]の項に

「免疫抑制剤を投与されたB型肝炎ウイルスキャリアの患者において、B型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある。また、HBs抗原陰性の患者において、免疫抑制剤の投与開始後にB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎を発症した症例が報告されている。また、C型肝炎ウイルスキャリアの患者において、免疫抑制剤の投与開始後にC型肝炎の悪化がみられることがある。肝炎ウイルスキャリアの患者に本剤を投与する場合は、肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化やC型肝炎の悪化の徴候や症状の発現に注意すること。」

を追記し、[副作用]の「重大な副作用」の項の汎血球減少症、血小板減少性紫斑病に関する記載を

「汎血球減少症、血小板減少性紫斑病、赤芽球癆:

汎血球減少症、血小板減少性紫斑病、赤芽球癆があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量・休薬等の適切な処置を行うこと。」

と改め、感染症に関する記載を

「感染症:

細菌性、ウイルス性、真菌性あるいは原虫性感染症が発現又は増悪することがある。また、B型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎やC型肝炎の悪化があらわれることがある。本剤を投与する場合は観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量・休薬、抗生物質の投与等の適切な処置を行うこと。」

と改める。

別紙5

429 その他の腫瘍用薬

【医薬品名】レナリドミド水和物

【措置内容】以下のように使用上の注意を改めること。

[副作用]の「重大な副作用」の項に

「脳梗塞、一過性脳虚血発作:

脳梗塞、一過性脳虚血発作があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。」

「感染症:

肺炎、敗血症等の重篤な感染症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。」

「肝機能障害、黄疸:

AST(GOT)、ALT(GPT)、γ―GTP上昇を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量、休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。」

を追記し、骨髄抑制に関する記載を

「骨髄抑制:

好中球減少症、血小板減少症、貧血等骨髄抑制があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量、休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。なお、血小板減少が生じた結果、消化管出血等の出血に至った症例も報告されている。」

と改める。

別紙6

625 抗ウイルス剤

【医薬品名】サニルブジン

【措置内容】以下のように使用上の注意を改めること。

[効能・効果に関連する使用上の注意]の項に

「本剤は他に適切な治療法がない場合にのみ使用し、本剤の投与はできる限り短期間とすること。」

を追記し、[重要な基本的注意]の項の体脂肪の再分布/蓄積に関する記載を

「抗HIV薬の使用により、体脂肪の再分布/蓄積があらわれることがある。本剤は、他のヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(テノホビル、アバカビル)に比べ脂肪組織萎縮症や後天性リポジストロフィーの発現が多く、その発現と重症度は投与期間に相関しているとの報告がある。また、一旦発症すると本剤から他のヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(テノホビル、アバカビル)に切り替えても改善しない場合があるので、本剤の投与にあたっては、リスクとベネフィットを十分に勘案し、代替の抗HIV薬を慎重に検討すること。また、体脂肪の再分布/蓄積の徴候を判定するための検査を行うなど、脂肪組織萎縮症や後天性リポジストロフィーの徴候に十分注意するとともに、身体状態の変化について定期的に問診すること。」

と改める。

別紙7

631 ワクチン類

【医薬品名】乾燥弱毒生おたふくかぜワクチン

【措置内容】以下のように接種上の注意を改めること。

[副反応]の「重大な副反応」の項に

「急性散在性脳脊髄炎(ADEM):

急性散在性脳脊髄炎(ADEM)があらわれることがある。通常、2週間程度で発熱、頭痛、けいれん、運動障害、意識障害等があらわれる。本症が疑われる場合には、MRI等で診断し、適切な処置を行うこと。」

「脳炎・脳症:

脳炎・脳症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、MRI等で診断し、適切な処置を行うこと。」

を追記する。

別紙8

639 その他の生物学的製剤

【医薬品名】抗ヒト胸腺細胞ウサギ免疫グロブリン

【措置内容】以下のように使用上の注意を改めること。

[重要な基本的注意]の項のインフルエンザ様症状に関する記載を

「本剤投与の初期に発熱、悪寒、呼吸困難、悪心、嘔吐、下痢、頻脈、低血圧、高血圧、倦怠感、発疹、頭痛等があらわれることがあるので、その旨を患者にあらかじめ説明しておくこと。また、重度のinfusion associated reaction(サイトカイン放出症候群を含む)があらわれ、重篤な心障害や肺障害(心筋梗塞、急性呼吸窮迫症候群、肺水腫)に至ることがあるので、投与中は患者を厳密に観察すること。これらの症状を軽減させるため、あらかじめ副腎皮質ホルモン剤等を投与することが望ましい。また、解熱剤、抗ヒスタミン剤の併用も本剤の投与初期に頻発するこれらの症状を軽減する。」

と改め、

「免疫抑制剤を投与されたB型肝炎ウイルスキャリアの患者において、B型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある。また、HBs抗原陰性の患者において、免疫抑制剤の投与開始後にB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎を発症した症例が報告されている。また、C型肝炎ウイルスキャリアの患者において、免疫抑制剤の投与開始後にC型肝炎の悪化がみられることがある。肝炎ウイルスキャリアの患者に本剤を投与する場合は、肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化やC型肝炎の悪化の徴候や症状の発現に注意すること。」

を追記し、[副作用]の「重大な副作用」の項に

「重度のinfusion associated reaction(サイトカイン放出症候群を含む):

重度のinfusion associated reaction(サイトカイン放出症候群を含む)があらわれ、重篤な心障害や肺障害(心筋梗塞、急性呼吸窮迫症候群、肺水腫)に至ることがあるので、発熱、悪寒、呼吸困難、悪心、嘔吐、下痢、頻脈、低血圧、高血圧、倦怠感、発疹、頭痛等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。」

「発熱性好中球減少症:

発熱性好中球減少症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。」

「進行性多巣性白質脳症(PML):

進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので、本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し、意識障害、認知障害、麻痺症状(片麻痺、四肢麻痺)、言語障害等の症状があらわれた場合は、MRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに、投与を中止し、適切な処置を行うこと。」

「BKウイルス腎症:

BKウイルス腎症があらわれることがあるので、このような場合には減量又は投与を中止し、適切な処置を行うこと。」

を追記し、感染症に関する記載を

「感染症(肺炎、敗血症等):

ウイルス(アデノウイルス、サイトメガロウイルス、ヘルペス等)、細菌、真菌(アスペルギルス等)等による重篤な感染症があらわれることがある。また、免疫抑制剤を投与されたB型又はC型肝炎ウイルスキャリアの患者において、B型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎やC型肝炎の悪化があらわれることがある。本剤を投与する場合は観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。」

と改める。