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○「授乳・離乳の支援ガイド」の策定について

(平成19年3月14日)

(雇児母発第0314002号)

(各都道府県・各政令市・各特別区衛生主管部(局)長あて厚生労働省雇用均等・児童家庭局母子保健課長通知)

離乳食の開始・進行については、平成7年に出された「改定 離乳の基本」に基づき、保健・栄養指導に活用されているが、先般公表した「平成17年度乳幼児栄養調査結果」等最新の知見を踏まえ、その内容について見直しの必要が生じてきた。一方、授乳については、従来取り組まれてきた母乳育児の推進を図る観点から、近年では出産直後の不安が高くその訴えも多様であることなどを踏まえ、保健医療従事者において、望ましい支援のあり方に関する基本的事項の共有化が図られ、一貫した支援が提供されることが求められている。

このため、厚生労働省では、昨年10月より学識経験者等で構成される「授乳・離乳の支援ガイド策定に関する研究会」(座長:柳澤正義 日本子ども家庭総合研究所所長)を開催し、授乳・離乳の支援ガイド(以下「ガイド」という。)の策定に向けて検討を重ね、今般別添のとおりとりまとめたところである。

今後、妊産婦や乳児を対象とした健康診査、訪問指導、育児相談及び離乳食教室等関係事業の資料として御活用いただくとともに、あわせて、貴管内関係方面への周知についても格別の御配慮を願いたい。

また、ガイドについては厚生労働省のホームページに掲載するとともに、貴管内保健所及び市町村分については今月末を目途に別途送付するので、念のため申し添える。

なお、「改定 離乳の基本」(平成7年12月4日雇母発第47号)は、本通知をもって廃止する。

授乳・離乳の支援ガイド

平成19年3月14日

目次

「授乳・離乳の支援ガイド」策定のねらい

Ⅰ 授乳編

[1] 授乳に関する現状

[2] 授乳の支援に関する基本的考え方

[3] 授乳の支援のポイント

1 産科施設、小児科施設、市町村保健センターなどの保健医療従事者が共有化する基本的事項

【授乳の支援を進める5つのポイント】

2 授乳支援の実践に向けてのポイント

Ⅱ 離乳編

[1] 離乳に関する現状

[2] 離乳の支援に関する基本的考え方

[3] 離乳の支援のポイント

1 離乳の開始

2 離乳の進行

3 離乳の完了

4 離乳食の進め方の目安

(1) 食べ方の目安

(2) 食事の目安

(3) 成長の目安

【離乳食の進め方の目安】

〈参考1〉乳児期の栄養と肥満、生活習慣病との関わりについて

〈参考2〉咀しゃく機能の発達の目安について

〈参考3〉手づかみ食べについて

〈参考4〉食物アレルギーについて

〈参考5〉ベビーフードの利用について

〈参考6〉1日の食事量の目安について

〈参考7〉発達段階に応じた子どもの食事への配慮について

Ⅲ 関係資料

資料1 改定 離乳の基本(平成7年)

資料2 妊産婦のための食生活指針(概要)

資料3 楽しく食べる子どもに~食からはじまる健やかガイド~(概要)

資料4 食事摂取基準(概要)

「授乳・離乳の支援ガイド策定に関する研究会」名簿

「授乳・離乳の支援ガイド策定に関する研究会」の開催経緯

「授乳・離乳の支援ガイド」策定のねらい

離乳食の開始・進行については、平成7年に出された「改定 離乳の基本」注1)に基づき、保健・栄養指導の場面や育児雑誌等において幅広く情報提供が行われているが、すでに10年が経過し、先般公表した「平成17年度乳幼児栄養調査結果」等最新の知見を踏まえ、その内容について見直しを行うこととした。

また、授乳については、従来取り組まれてきた母乳育児の推進を図る観点から、近年では出産直後の不安が高くその訴えも多様であること、離乳食の開始・進行との関わりも深いことなどを踏まえ、その適切な支援について検討を行うこととした。

特に、授乳期及び離乳期は母子の健康にとって極めて重要な時期にあり、母子の愛着形成や子どもの心の発達が大きな課題になっている現状では、それらの課題への適切な対応が求められている。このため、授乳・離乳の支援にあたっては、親子双方にとって、慣れない授乳、慣れない離乳食を体験していく過程をどう支援していくかという育児支援の観点も欠かすことができない。

そこで、「授乳・離乳の支援ガイド」の策定にあたっては、授乳・離乳への支援が、①授乳・離乳を通して、母子の健康の維持とともに、親子の関わりが健やかに形成されることが重要視される支援、②乳汁や離乳食といった「もの」にのみ目が向けられるのではなく、一人一人の子どもの成長・発達が尊重される支援を基本とするとともに、③妊産婦や子どもに関わる保健医療従事者において、望ましい支援のあり方に関する基本的事項の共有化が図られ、④授乳・離乳への支援が、健やかな親子関係の形成や子どもの健やかな成長・発達への支援としてより多くの場で展開されることをねらいとした。

この「授乳・離乳の支援ガイド」は、妊産婦や子どもに関わる保健医療従事者が、所属する施設や専門領域が異なっても、基本的事項を共有化し、支援を進めていくことができるよう、保健医療従事者向けに作成するものである。また、保健医療従事者が本支援ガイドを通して、授乳・離乳への理解を深め、適切な支援を進めていくことにより、多方面の関係者の方々に支援ガイドの内容が普及していくことを期待するものである。

なお、本研究会においては、産科医師、小児科医師、助産師、保健師、管理栄養士、さらに口腔機能(歯科医師)やアレルギーの専門家などが参画し、それぞれの専門領域から集約される知見に基づき、検討が進められてきたが、それぞれの施設や専門領域において求められる支援内容は個々の領域で特徴を有するものであり、そうした支援の充実にもつながる基本的事項について、本支援ガイドに盛り込むこととした。

――――――――――

注1)改定 離乳の基本 :〈資料1〉参照

Ⅰ 授乳編

[1] 授乳に関する現状

1 栄養方法の推移と現状

(1) 栄養方法の推移

生後1か月及び3か月の栄養方法は、10年前に比べ、人工栄養の割合が、1か月で7.9%から5.1%に、3か月で27.1%から21.0%に減少し、母乳を与える割合が、それぞれ92.1%から94.9%に、72.9%から79.0%に増加している(図1)。また、母乳と粉ミルクを与える(以下「混合栄養」という。)割合は生後1か月で52.5%、3か月で41.0%、母乳のみを与える(以下「母乳栄養」という。)割合はそれぞれ42.4%、38.0%であり、いずれも混合栄養の割合が母乳栄養の割合を上回っている。

図1 栄養方法の推移

(2) 授乳期の栄養方法(月齢別)

授乳期の栄養方法について、0から6か月までの月齢別にみると、母乳栄養の割合は、0か月が48.6%と最も高く、月齢が上がるに従い、減少する傾向にあるが、3か月以降はほぼ横ばいの状況にある。一方、人工栄養の割合は、0,1か月ではそれぞれ3.5%、5.1%と低率だが、月齢が上がるに従い、増加する傾向にある(図3)。

図2 授乳期の栄養方法(月齢別)

2 授乳に対する不安や困ったこと

(1) 授乳や食事について不安な時期

授乳や食事について不安な時期は、子どもの年齢別にみると、いずれの年齢においても、「出産直後」が最も高くなっており、特に6か月~1歳未満の場合には39.7%に上り、授乳に対する不安がうかがわれた(図3)。

また、いずれの年齢の場合も、「2~3か月」では不安だったとする割合が低くなり、「4~6か月」で不安だったとする割合が再び高くなる傾向がみられた。特に6か月~1歳未満及び1歳の場合には、「4~6か月」に不安だったとする割合が25%を占め、離乳食開始の時期での不安がうかがわれた。

(2) 授乳について困ったこと

授乳について困ったことでは、「母乳が不足ぎみ」が32.5%、「母乳が出ない」が15.6%、「外出の際に授乳できる場所がない」が14.9%の順に多かった(表1)。

また生後1か月の栄養方法別にみると、人工栄養では「母乳が出ない」と回答した者が56.9%、「赤ちゃんが母乳を飲むのをいやがる」が13.8%、混合栄養では「母乳が不足ぎみ」が44.7%、「母乳が出ない」が19.5%の順だった。母乳栄養では「母乳が不足ぎみ」が20.2%、「外出の際に授乳できる場所がない」が18.5%の順だった。「特にない」とする者は、母乳栄養の41.1%に比べ、人工栄養では21.5%、混合栄養では22.0%と低かった。

表1 授乳について困ったこと

(%)

内容

総数

(n=2722)

1か月時の栄養法別*

 

母乳栄養

(n=1,076)

混合栄養

(n=1,333)

人工栄養

(n=130)

母乳が不足ぎみ

32.5

20.2

44.7

6.9

母乳が出ない

15.6

5.7

19.5

56.9

外出の際に授乳できる場所がない

14.9

18.5

13.0

1.5

赤ちゃんがミルクを飲むのをいやがる

11.5

14.1

10.0

2.3

母親の健康状態

9.7

9.9

8.9

13.1

赤ちゃんの体重の増えがよくない

9.5

8.6

10.4

7.7

赤ちゃんが母乳を飲むのをいやがる

8.5

3.8

11.9

13.8

授乳が苦痛・面倒

7.9

5.7

9.5

6.9

母親の仕事(勤務)で思うように授乳ができない

4.2

4.3

4.7

0.8

相談する人がいない(場所がない)

1.6

1.1

1.7

3.8

特にない

29.9

41.1

22.0

21.5

*栄養方法の「不詳」を除く(n=2,539)

資料:厚生労働省「平成17年度乳幼児栄養調査」

3 母乳育児に関する妊娠中の考え

母乳育児に関する妊娠中の考えについては、「母乳がでれば母乳で育てたいと思っていた」が52.9%と最も多く、次いで「ぜひ母乳で育てたいと思っていた」が43.1%であり、96.0%が母乳で育てたいと考えていた(図4)。

また、医療機関等で妊娠中に母乳育児に関する具体的な指導を「受けた」と回答した者は63.1%、出産後に「受けた」と回答した者は67.9%だった。一方、妊娠中及び出産後に「受けなかった」と回答した者はそれぞれ29.0%、23.5%、「受ける機会がなかった」と回答した者が7.4%、6.9%みられた(表2)。

さらに、生後1か月の栄養方法別に指導状況をみると、妊娠中に指導を受けた者は、母乳栄養で67.8%、混合栄養で60.8%に対し、人工栄養では53.8%と低く、出産後も、母乳栄養で67.6%、混合栄養で68.9%に対し、人工栄養では54.6%と低かった。

表2 栄養方法(1か月)別 母乳育児に関する指導状況(%)

 

妊娠中

受けた

受けなかった

受ける機会がなかった

不詳

栄養方法別

 

 

 

 

 

総数 (n=2,722)

63.1

29.0

7.4

0.6

母乳栄養 (n=1,073)

67.8

27.1

4.7

0.3

混合栄養 (n=1,329)

60.8

29.5

9.5

0.3

人工栄養 (n=128)

53.8

38.5

6.2

1.5

 

出産後

受けた

受けなかった

受ける機会がなかった

不詳

栄養方法別

 

 

 

 

 

総数 (n=2,722)

67.9

23.5

6.9

1.6

母乳栄養 (n=1,056)

67.6

23.8

6.8

1.9

混合栄養 (n=1,322)

68.9

23.1

7.1

0.8

人工栄養 (n=126)

54.6

33.8

8.5

3.1

*総数には栄養方法「不詳」を含む

資料:厚生労働省「平成17年度乳幼児栄養調査」

4 母乳育児に関する出産施設の支援状況と栄養方法

母乳育児に関する出産施設での支援状況として「母乳育児を成功させるための十か条」*)のうちの3項目について尋ねたところ、「出産直後から母子同室だった」と回答した者は17.3%、「出産後30分以内に母乳を飲ませた」は32.4%、「赤ちゃんが欲しがる時はいつでも母乳を飲ませた」は52.9%であった(表3)。

また、「出産直後から母子同室だった」と回答した者では、生後1か月の母乳栄養の割合が62.0%、「出産後30分以内に母乳を飲ませた」と回答した者では58.2%、「赤ちゃんが欲しがる時はいつでも母乳を飲ませた」と回答した者では51.5%であり、それぞれそうでない者に比べ、母乳栄養の割合が高かった(図5)。

表3 母乳育児に関する出産施設での支援状況

支援内容

出産施設で支援があったか

 

はい

いいえ

不詳

出産後から母子同室だった

17.3

81.8

0.9

出産後30分以内に母乳を飲ませた

32.4

66.6

1.0

欲しがる時はいつでも母乳を飲ませた

52.9

46.2

0.9

*病院、診療所、助産所で出産した者(n=2,706)

資料:厚生労働省「平成17年度乳幼児栄養調査」

*)「母乳育児を成功させるための十か条」

WHO/UNICEFが1989年3月に共同で発表。お母さんが赤ちゃんを母乳で育てられるように、産科施設とそこで働く職員が実行すべきことを具体的に示した十か条。

1 母乳育児推進の方針を文書にして、すべての関係職員がいつでも確認できるようにしましょう。

2 この方針を実施するうえで必要な知識と技術をすべての関係職員に指導しましょう。

3 すべての妊婦さんに母乳で育てる利点とその方法を教えましょう。

4 お母さんを助けて、分娩後30分以内に赤ちゃんに母乳をあげられるようにしましょう。

5 母乳の飲ませ方をお母さんに実地に指導しましょう。また、もし赤ちゃんをお母さんから離して収容しなければならない場合にも、お母さんの分泌維持の方法を教えましょう。

6 医学的に必要でないかぎり、新生児には母乳以外の栄養や水分を与えないようにしましょう。

7 お母さんと赤ちゃんが一緒にいられるように、終日、母子同室を実施しましょう。

8 赤ちゃんが欲しがるときは、いつまでもお母さんが母乳を飲ませてあげられるようにしましょう。

9 母乳で育てている赤ちゃんにゴムの乳首やおしゃぶりを与えないようにしましょう。

10 母乳で育てるお母さんのための支援グループ作りを助け、お母さんが退院するときにそれらのグループを紹介しましょう。

図5 出産施設での支援状況別栄養方法(1か月)

資料:厚生労働省「平成17年度乳幼児栄養調査」

5 子どもの出生状況と栄養方法、授乳に対する不安

子どもの出生順位別にみると、母乳栄養の割合は、「第1子」で36.6%と、「第2子」「第3子」に比べ低かった(表4)。

また、出生順位別に、授乳や食事について不安な時期をみると、いずれの時期においても「第1子」の場合に不安だとする割合が高かった。その一方、「不安だった時期はない」とする回答は、第2子では41.4%、第3子では57.0%であったが、第1子では18.3%と低かった(図6)。

表4 出生順位別 栄養方法(1か月)

出生順位

母乳栄養

混合栄養

人工栄養

第1子 (n=1,192)

36.6

58.6

4.9

第2子 (n=991)

47.3

48.2

4.4

第3子以上 (n=354)

48.0

44.4

7.6

「不詳」を除く

資料:厚生労働省「平成17年度乳幼児栄養調査」

図6 出生順位別 授乳や食事について不安な時期

6 自治体における母乳育児支援の取組状況

多くの自治体が、「妊婦」「新生児及び産婦」「低出生体重児」等の訪問の時に、すでに支援を実施していた。一方、「地域の母乳育児支援グループの育成」、「産科医療機関」や「関係団体」との連携、「公的施設における授乳室の設置の促進など環境の整備」については、取り組んでいない自治体が69.8%~91.7%と多かった(表5)。

表5 市区町村における母乳育児支援の取組の状況(n=1809)

項目

新たな取組を始めた

現行通り実施している

取組をしていない

無回答

妊婦への訪問の時

5(0.3)

1149(63.5)

646(35.9)

9(0.5)

新生児及び産婦への訪問の時

9(0.5)

1715(94.8)

80(4.4)

5(0.3)

低出生体重児等の訪問の時

17(0.9)

1496(82.7)

269(14.9)

27(1.5)

妊娠中における個別の母乳育児のための相談や支援

17(0.9)

1123(62.1)

660(36.5)

9(0.5)

出産後、母乳不足や母乳が出ないなどで困っている母親に対する個別の母乳育児のための相談や支援

29(1.6)

1580(87.3)

195(10.8)

5(0.3)

地域の母乳育児支援グループの育成や支援

5(0.3)

141(7.8)

1658(91.7)

5(0.3)

母乳育児支援に関して、産科医療機関との出産後の継続支援などの連携

15(0.8)

515(28.5)

1274(70.4)

5(0.3)

母乳育児支援に関する関係団体との連携

8(0.4)

459(25.4)

1328(73.4)

14(0.7)

公的施設における授乳室の設置の促進など環境の整備

37(2.0)

500(27.6)

1263(69.8)

9(0.5)

その他

16(0.9)

147(8.1)

1646(91.0)

0(0)

自治体数(%)

資料:平成18年度児童関連サービス調査研究等事業「母乳育児推進に向けた支援方策に関する調査研究」(主任研究者 谷口千絵)

都道府県における母乳育児支援の取組については、74.5%の自治体が「母子保健事業の中に母乳育児の啓発などを位置づけている」と回答していた。「地域の母乳育児支援グループの育成や支援」、「母乳育児を普及させるための医療機関や関係団体とのネットワークづくり」は、それぞれすでに実施しているが23.4%、27.7%と低く、今年度新たに取組を始めた自治体はなかった。「公的施設における授乳室の設置の促進など環境の整備」については、すでに実施が23.4%で、2自治体で今年度新たに取組を始めた(表6)。

表6 都道府県における母乳育児支援の取組の状況(n=47)

 

新たな取組を始めた

現行通り実施している

取組をしていない

無回答

母子保健事業の中に母乳育児の啓発などを位置づけている

0(0)

35(74.5)

11(23.4)

1(2.2)

地域の母乳育児支援グループの育成や支援

0(0)

11(23.4)

35(74.5)

1(2.2)

母乳育児を普及させるための医療機関や関係団体とのネットワークづくり

0(0)

13(27.7)

33(70.2)

1(2.2)

公的施設における授乳室の設置の促進など環境の整備

2(4.3)

11(23.4)

33(70.2)

1(2.2)

その他

3(6.4)

9(19.1)

35(74.5)

0(0)

自治体数(%)

資料:平成18年度児童関連サービス調査研究等事業「母乳育児推進に向けた支援方策に関する調査研究」(主任研究者 谷口千絵)

7 産科施設における母乳育児の支援状況

(1) 妊娠中の母乳育児支援の状況

<病院> 妊婦が母乳育児への要望を出した場合、回答施設数637施設のうち、553施設(86.8%)はその要望を受け入れると回答した。また、母乳育児の利点については、617施設(96.9%)は妊婦のほぼ全員に伝えていると回答した。母乳育児ついて、乳管開通を目的とした具体的な方法を伝えている施設は593施設(93.1%)であった。

また、妊婦が母乳育児の利点を「十分に理解している」と回答した施設は93施設(14.6%)、「ほぼ理解している」は512施設(80.4%)であった。

<有床診療所> 妊婦が母乳育児への要望を出した場合、回答施設数156施設のうち、141施設(90.4%)はその要望を受け入れると回答した。また、母乳育児の利点については、151施設(96.8%)は妊婦のほぼ全員に伝えていると回答した。母乳育児ついて、乳管開通を目的とした具体的な方法を伝えている施設は140施設(89.7%)であった。

また、妊婦が母乳育児の利点を「十分に理解している」と回答した施設は34施設(21.5%)、「ほぼ理解している」は109施設(69.9%)であった。

(2) 分娩直後の母乳育児支援状況

正常経膣分娩の場合、「ほぼ全例に、分娩後30分以内に母子のスキンシップを行い、スタッフが授乳の援助をしている」と回答した施設は病院では451施設(70.8%)、有床診療所では116施設(74.3%)であった(図7)。

分娩後30分以内に母子のスキンシップと授乳の援助をしていない理由としては、病院では人員不足があげられ(表7)、有床診療所についても同じ傾向であった。

表7 分娩後30分以内の母子のスキンシップと授乳の援助でできない理由(病院)

もっともあてはまる理由

順位

項目

回答数

1

人員不足

102

2

産婦や家族が希望しない

21

3

管理上の問題

15

3

その他

15

5

母体の疲労回復のため

11

5

設備上の問題

11

7

赤ちゃんを観察するため

9

8

病院の方針や慣習

7

9

医師の方針

6

2番目にあてはまる理由

順位

項目

回答数

1

赤ちゃんを観察するため

49

2

管理上の問題

22

3

病院の方針や慣習

20

4

母体の疲労回復のため

15

5

その他

14

6

産婦や家族が希望しない

9

6

医師の方針

9

8

人員不足

8

資料:平成18年度児童関連サービス調査研究等事業「母乳育児推進に向けた支援方策に関する調査研究」(主任研究者 谷口千絵)

(3) 産褥期の母乳育児支援状況

ア 母子同室

病院については491施設(77.1%)、有床診療所は136施設(87.2%)が、母児同室であった(図8)。同室とする時期は、病院では、分娩後14.5±16.0(平均±標準偏差)時間、有床診療所では14.9±16.4時間であった。分娩直後からの同室は病院では86施設(13.5%)、有床診療所では20施設(12.8%)であった。分娩後24時間の時点で母子同室とする施設が、病院では128施設(20.1%)、有床診療所では32施設(20.5%)と最も多いタイプであった。

また、終日母子同室としているのは病院では399施設(62.9%)、有床診療所は144施設(73.1%)であった。

分娩直後から母子同室としない理由は、病院では設備上の問題や母体の疲労回復のため、赤ちゃんを観察するためがあげられ(表8)、有床診療所でも同じ傾向であった。

表8 分娩直後から終日母子同室としない理由(病院)

もっともあてはまる理由

順位

項目

回答数

1

設備上の問題

131

2

母体の疲労回復のため

117

3

産婦や家族が希望しない

88

4

管理上の問題

48

5

人員不足

43

6

病院の方針や慣習

13

7

医師の方針

10

8

その他

6

9

赤ちゃんを観察するため

3

2番目にあてはまる理由

順位

項目

回答数

1

赤ちゃんを観察するため

131

2

母体の疲労回復のため

88

3

管理上の問題

50

4

産婦や家族が希望しない

42

5

病院の方針や慣習

34

6

医師の方針

28

7

人員不足

17

8

その他

10

9

設備上の問題

2

資料:平成18年度児童関連サービス調査研究等事業「母乳育児推進に向けた支援方策に関する調査研究」(主任研究者 谷口千絵)

イ 授乳について

母乳育児に関する何らかの授乳指導を実施している施設は病院では622施設(97.6%)、有床診療所では153施設(98.1%)であった。「ほぼ全ての赤ちゃんが欲しがるときにいつでも母親が母乳を飲ませられるようにしている」と回答した施設は病院では471施設(73.9%)、有床診療所では129施設(82.3%)であった(図9)。

資料:平成18年度児童関連サービス調査研究等事業「母乳育児推進に向けた支援方策に関する調査研究」(主任研究者 谷口千絵)

(4) 退院後の母乳育児支援の状況

「母乳育児支援を目的とした退院後のサービスがある」と回答したのは、病院では475施設(74.6%)、有床診療所では63施設(40.4%)であった。また、母乳育児支援に関する「地域の専門的な資源」について、病院では、「積極的に紹介している」施設は90施設(14.1%)、「要望があれば紹介している」施設は404施設(63.4%)、「紹介していない」施設は136施設(21.4%)であった。有床診療所では、順に24施設(15.4%)、87施設(55.8%)、39施設(25.0%)であった。

紹介先となる地域の資源は図10のとおりである。地域との連携については、スタッフの交流や勉強会・講習会へのスタッフの派遣が多く回答されていた(表9)。

図10 退院後の紹介先(複数回答,回答施設数を母数とした)

表9 地域との連携(複数回答)

項目

病院(n=637)

有床診療所(n=156)

母乳育児支援に関する研修会へのスタッフの派遣

179(28.1)

42(26.9)

他施設や保健センターとのスタッフの交流

171(26.8)

27(17.3)

母乳育児支援に関する勉強会の開催

129(20.3)

18(11.5)

地域の母乳育児の講習会への協力

58(9.1)

23(14.7)

母乳育児支援に関する連絡会の開催

49(7.7)

5(3.2)

地域の母乳育児支援のネットワークづくり

47(7.4)

15(9.6)

母乳育児支援に関する研修の受け入れ

38(6.0)

19(12.2)

新生児・産婦訪問の受託

27(4.2)

4(2.6)

その他

23(3.6)

3(1.9)

施設数(%)

注)パーセンテージは回答施設を母数とした値

資料:平成18年度児童関連サービス調査研究等事業「母乳育児推進に向けた支援方策に関する調査研究」(主任研究者 谷口千絵)

[2] 授乳の支援に関する基本的考え方

授乳は、赤ちゃんが「飲みたいと要求」し、その「要求に応じて与える」という両者の関わりが促進されることによって、安定して進行していく。

多くの親にとっては、初めての授乳、初めての育児といったようにすべてが初めての体験であり、それらに関する情報を得ていたとしても、すぐに思うように対応できるものではない。赤ちゃんと関わりながら、さまざまな方法を繰り返し試しつつ、少しずつ慣れていくことで、安心して対応できるようになる。そうした過程で生じてくる不安やトラブルに対して、適切な支援があれば、対応方法を理解し実践することができ、少しずつ自信がもてるようになってくる。

特に、自分の子どもが生まれるまでに小さな子どもを抱いたり遊ばせたりする経験がない、身近に世間話や赤ちゃんの話をしたりする人がいない親の割合が増加する現状1)2)にあっては、育児支援の観点から、授乳の進行を適切に支援していくことは、母子・親子の健やかな関係づくりに極めて重要な役割を果たす。

授乳の支援にあたっては、母乳や育児用ミルクといった乳汁の種類にかかわらず、母子の健康の維持とともに、健やかな母子・親子関係の形成を促し、育児に自信をもたせることを基本とする。また、妊娠中から退院後まで継続した支援、産科施設や小児科施設、保健所・市町村保健センター、保育所など地域のすべての保健医療従事者における支援に関する基本的情報の共有化、社会全体で支援を進める環境づくりが推進されることをねらいとする。

母乳育児には、①乳児に最適な成分組成で少ない代謝負担②感染症の発症及び重症度の低下③母子関係の良好な形成④出産後の母体の回復の促進などの利点があげられる。近年、母乳栄養とその後の健康への影響との関連を検討した研究では、母乳栄養児の方が人工栄養児に比べ、肥満となるリスクが低い3)―5)、収縮期血圧及び拡張期血圧ともにわずかに低いと推定された6)が心血管疾患による死亡リスクの検討では有意な結果はみられていない7)、2型糖尿病の発症の検討では小児及び成人での糖尿病の発症リスクが低い8)という報告がみられている。

母乳育児については、妊娠中から「母乳で育てたい」と思う割合が96%に達していることから、それをスムーズに行うことのできる環境(支援)を提供することが重要である。その支援の目標は、単に母乳栄養率の向上や乳房管理の向上のみを目指すものではない。

一方、母親の感染症や薬の使用、赤ちゃんの状態、母乳の分泌状態等により母乳が与えられない場合や育児用ミルク注)を使用する場合がある。そうした場合にも、授乳を通して健やかな母子・親子関係づくりが進むよう、母親の心の状態等に十分に配慮した支援を行う。また、近年、低出生体重児の割合などが増加しており、授乳にあたって個別の配慮が必要なケースへのきめ細かな支援も重要である。

――――――――――

注)育児用ミルク:食品としての安全性の観点からは、乳及び乳製品の成分規格等に関する省令に基づき、母乳代替食品として栄養学的・医学的に適する旨の表示の観点からは、健康増進法に基づき、それぞれ厚生労働大臣の承認または許可を受けなければならないとされている。

(文献)

1) 服部祥子、原田正文著.乳幼児の心身発達と環境―大阪レポートと精神医学的視点―.139―154.名古屋大学出版会.1991

2) 原田正文(分担研究者).児童虐待発生要因の構造分析と地域における効果的予防方法の開発。平成15年度厚生労働科学研究(子ども家庭総合研究事業)

3) Armstrong J,et al:Breastfeeding and lowering the risk of childhood obesity.Lancet 359(9322);2003-4,2002

4) Owen CG,et al:The effect of breastfeeding on mean body mass index throughout life:a quantitative review of published and unpublished observational evidence.Am J Clin Nutr 82;1298-307,2005

5) Owen CG,Martin RM,Whincup PH,Smith GD,Cook DG.Effect of infant feeding on the risk of obesity across the life course: a quantitative review of published evidence. Pediatrics 2005;115:1367-77.

6) Martin RM,Gunnell D,Smith GD.Breastfeeding in infancy and blood pressure in later life:systematic review and meta-analysis.Am J Epidemiol 2005;161:15-26.

7) Martin RM,Davey Smith G,Mangtani P,Tilling K,Frankel S,Gunnell D.Breastfeeding and cardiovascular mortality:the Boyd Orr cohort and a systematic review with meta-analysis.Eur Heart J 2004;25:778-86.

8) Owen CG,Martin RM,Whincup PH,Smith GD,Cook DG.Does breastfeeding influence risk of type 2 diabetes in later life?A quantitative analysis of published evidence.Am J Clin Nutr 2006;84:1043-54

[3] 授乳の支援のポイント

1 産科施設、小児科施設、市町村保健センターなどの保健医療従事者が共有化する基本的事項

授乳については、妊娠、出産、育児において、産科施設、小児科施設、保健所・市町村保健センターなどの機関で、産科医師、助産師、小児科医師、保健師、管理栄養士など多くの保健医療従事者がその支援に関わっている。したがって、それぞれの機関における保健医療従事者が授乳の支援に関する基本的事項を共有することによって、妊娠中から退院後に至るまで、継続的で一貫した支援を行うことができ、提供する支援に対し混乱や不安を与えずに、安心して授乳が進められることになる。

そこで、妊産婦や赤ちゃんに関わるすべての保健医療従事者が、授乳の支援に関する基本的考え方を理解し、支援を進めるための基本的事項を5つのポイントとしてとりまとめた。

授乳の支援を進める5つのポイント

授乳の支援を進める5つのポイントは、母乳や育児用ミルクといった乳汁の種類にかかわらず、授乳を通して、健やかな子どもを育てるという「育児」支援を進めることをねらいとしている。育児で必要となるのが、赤ちゃんを観察してその要求に対応していく力である。授乳についても、母親や父親、家族が安心して赤ちゃんに対応できるように、妊娠中から出産、退院後まで継続した支援が必要となる。

授乳の支援は、妊娠中からスタートし、妊娠中から、妊婦自身のからだの変化や赤ちゃんの存在をイメージでき、母乳育児が実践できるように、支援を行う。母乳を与えることができない場合は、十分な説明に基づいた支援を行う。なお、薬の使用による母乳への影響については、科学的根拠に基づき判断の上、支援を行う。また、母子の健康状態や乳汁分泌に関連があるので、食事のバランスや禁煙など生活全般に関する配慮事項を示した「妊産婦のための食生活指針」注1)を踏まえた支援を行う。→①妊娠中から、適切な授乳方法を選択でき、実践できるように、支援しましょう。

出産後は、母子がお互いの存在を心地よいものと受け入れることができ、母親や父親、家族が赤ちゃんの要求を受け止め安心して対応ができるように、支援を行う。特に、授乳や自分自身の体調への不安など母親の訴えに耳を傾け、母親の心や身体の状態を受け止めるとともに、赤ちゃんの状態を観察して、適切な支援を行う。→②母親の状態をしっかり受け止め、赤ちゃんの状態をよく観察して、支援しましょう。

授乳は、母子のスキンシップの上で重要な役割を果たし、優しい声かけとぬくもりを通してゆったりと飲むことで、赤ちゃんの心の安定がもたらされ、食欲が育まれていくので、授乳のときの関わりについて支援を行う。→③授乳のときには、できるだけ静かな環境で、しっかり抱いて、優しく声をかけるように、支援しましょう。

また、母親や父親、家族などが、適切な授乳方法やその実践について共通した理解をもつことは、継続的に安心して赤ちゃんに対応していく上で欠かせないことである。授乳への支援が、母親に過度の不安や負担を与えることのないよう、父親や家族、身近な人への情報提供を進める。→④授乳への理解と支援が深まるように、父親や家族、身近な人への情報提供を進めましょう。

退院後もトラブルや不安が生じた場合に解決できる場所が身近に確保でき、さらに赤ちゃんと一緒に外出しやすい、仕事に復帰した場合に働きやすい環境づくりを進めることも重要な支援のひとつである。→⑤授乳で困ったときに気軽に相談できる場所づくりや、授乳期間中でも、外出しやすく、働きやすい環境を整えましょう。

母乳育児の支援を進めるポイント

母乳育児は、母子の健康にとって有益な方法であり、母乳で育てたいと思っている人が、無理せず自然に実践できる環境を整えることは、赤ちゃんを「育てる」ことに自信をもって進めていくことができる環境を整えることでもある。妊娠中から出産後まで継続した支援を進める。

〈妊娠中から〉

①すべての妊婦さんやその家族とよく話し合いながら、母乳で育てる意義とその方法を教えましょう。

〈出産後から退院まで〉特に出産直後については、医療従事者が関わるなかで安全性注2)に配慮した支援を行う。

②出産後はできるだけ早く、母子がふれあって母乳を飲めるように、支援しましょう。

③出産後は母親と赤ちゃんが終日、一緒にいられるように、支援しましょう。

④赤ちゃんが欲しがるとき、母親が飲ませたいときには、いつでも母乳を飲ませられるように支援しましょう。

〈退院後には〉

⑤母乳育児を継続するために、母乳不足感や体重増加不良などへの専門的支援、困ったときに相談できる場所づくりや仲間づくりなど、社会全体で支援しましょう。

育児用ミルクで育てる場合の支援のポイント

授乳を通して、母子のスキンシップが図られるよう、しっかり抱いて、優しく声かけを行うことなど温かいふれあいを重視した支援を行う。また、授乳への不安やトラブルで育児に自信をなくしてしまうことがないよう、母親の心の状態等に十分に配慮して、支援を進める。

――――――――――

注1) 妊産婦のための食生活指針:〈資料2〉

注2) 正常産児生後早期の母子接触中に心肺蘇生を必要とした症例.日産婦医会報(2007.1)

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Ⅱ 離乳編

[1] 離乳に関する現状

1 離乳食の開始及び完了

離乳食の開始時期は、10年前に比べ、「4か月」と回答した者が25.0%から10.9%に減少する一方、「6か月」が18.4%から28.6%に増加するなど、「5か月」以降が昭和60年には53.0%だったが、平成7年には67.3%、平成17年には84.4%に増加し、開始時期は遅くなる傾向がみられた(表1)。同様に完了時期についても、10年前に比べ、「12か月」が減少し、「13~15か月」、「16~18か月」が増加するなど、遅くなる傾向がみられた(表2)。

また、離乳食開始の目安については、「月齢」が75.8%と最も多く、次いで「食べものを欲しがるようになった」が47.5%、「体重などの発育状態」が16.8%の順だった(図1)。

表1 離乳食の開始時期

時期

昭和60年

平成7年

平成17年*

3か月未満

1.3

0.6

0.4

3か月

10.8

7.0

4.2

4か月

34.9

25.0

10.9

5か月

32.3

43.5

47.6

6か月

15.5

18.4

28.6

7か月以降

5.2

5.4

8.3

*離乳食を開始していない場合及び「不詳」を除く(n=2,596)

表2 離乳食の完了時期

時期

平成7年

平成17年*

9か月以前

4.1

2.0

10~11か月

15.6

8.0

12か月

60.8

47.9

13~15か月

11.7

22.4

16~18か月

6.7

15.5

19か月以降

1.0

4.2

*離乳食を開始・完了していない場合及び「不詳」を除く(n=1,958)

資料:厚生労働省「平成17年度乳幼児栄養調査」

図1 離乳食の開始の目安

2 離乳食の進め方

離乳期に与えたことのある食品について、米については離乳初期(5~6か月)から7割を超え、じゃがいも、にんじん、かぼちゃも5割近く使用されている。一方、離乳の開始のころから調理法に気をつければ用いてもよいとされている「卵黄」は、離乳後期で5割を超えるなど、使用開始が遅い食品もみられる(表3)。

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3 子どもの離乳食で困ったこと、わからないこと

離乳食で困ったことでは、「食べものの種類が偏っている」が28.5%、「作るのが苦痛・面倒」が23.2%、「食べる量が少ない」が20.6%の順に多くみられた(表4)

また、「離乳食についてわからないこと」に関する保護者の回答では、「食べる適量がわからない(46.4%)」が最も高率であった。「乳汁と離乳食のバランスがわからない(16.3%)」も2番目に高率であった(表5)。

表4 離乳食で困ったこと

困ったこと

(%)

食べものの種類が偏っている

28.5

作るのが苦痛・面倒

23.2

食べる量が少ない

20.6

食べるのをいやがる

13.1

食べさせるのが苦痛・面倒

7.5

子どもがアレルギー体質

7.3

開始の時期が早いといわれた

0.8

開始の時期が遅いといわれた

2.5

開始の時期がわからない

5.1

食べる量が多い

7.1

作り方がわからない

6.6

相談する人がいない(場所がない)

1.5

特になし

37.5

複数回答(n=2,722)

資料:厚生労働省「平成17年度乳幼児栄養調査」

表5 離乳食でわからないこと

わからないこと

人数(割合%)

食べる適量がわからない

2322(46.4)

乳汁と離乳食のバランスがわからない

816(16.3)

食べさせてよいものがわからない

781(15.6)

離乳の進め方がわからない

748(14.9)

離乳食の作り方がわからない

449(9.0)

何時頃食べさせたらよいかわからない

292(5.8)

複数回答(n=5,223)

資料:平成17年度児童関連調査研究等事業報告書「授乳・離乳の新たなガイドライン策定のための枠組に関する研究」(主任研究者:堤ちはる)

3 ベビーフードの使用状況

ベビーフードの使用状況は、10年前に比べ、「よく使用した」と回答した者が13.8%から28.0%に増加する一方、「ほとんど使用しなかった」と回答した者が34.0%から24.2%に減少した。「よく使用した」、「時々使用した」をあわせると、昭和60年には48.2%だったが、平成7年には66.0%、平成17年には75.8%に増加した(図2)。

また、ベビーフードの生産量については、ここ10年間、レトルトを中心に、著しく増加している(図3)。

図2 ベビーフードの使用状況(年次推移)

図3 ベビーフードの生産状況(年次推移)

ベビーフードの使用状況別に「離乳食で困ったこと」をみると、ベビーフードを「よく使用した」と回答した者では、「作るのが苦痛・面倒」が33.6%、「食べものの種類が偏っている」が32.1%、「食べる量が少ない」が23.9%と、「ほとんど使用しなかった」者に比べ、高かった。一方、「困ったことが特にない」という回答は、「ほとんど使用しなかった」者では47.5%だったが、「よく使用した」者では30.5%、「時々使用しなかった」者では36.5%にとどまった(図4)。

図4 ベビーフードの使用状況別 離乳食で困ったこと

5 子どもの食事で困ったこと

1歳を超えた子どもの食事で困っていることでは、「遊び食い」が45.4%、「偏食する」が34.0%、「むら食い」が29.2%、「食べるのに時間がかかる」が24.5%、「よくかまない」が20.3%の順に多くみられた(図5)。

また、10年前に比べ、「偏食する」は24.9%から34.0%に、「よくかまない」は12.6%から20.3%に増加した。一方、「食事で困っていることはない」とする回答は、昭和60年には23.0%だったが、平成7年には18.6%、平成17年には13.1%に減少した。

図5 食事で困っていること

[2] 離乳の支援に関する基本的考え方

離乳とは、母乳または育児用ミルク等の乳汁栄養から幼児食に移行する過程をいう。この間に乳児の摂食機能は、乳汁を吸うことから、食物をかみつぶして飲み込むことへと発達し、摂取する食品は量や種類が多くなり、献立や調理の形態も変化していく。また摂食行動は次第に自立へと向かっていく。

離乳については、乳児の食欲、摂食行動、成長・発達パタンあるいは地域の食文化、家庭の食習慣等を考慮した無理のない離乳の進め方、離乳食の内容や量を、個々にあわせて進めていくことが重要である。子どもにはそれぞれ個性があるので、画一的な進め方にならないよう留意しなければならない。

また、生活習慣病予防の観点から、この時期に健康的な食習慣の基礎を培うことも重要である注1)

一方、多くの親にとっては、初めて離乳食を準備し、与え、子どもの反応をみながら進めることを体験する。子どもの個性によって一人一人離乳食の進め方への反応も異なることから、離乳を進める過程で数々の不安やトラブルを抱えることも予想される。授乳期に続き、離乳期も、母子・親子関係の関係づくりの上で重要な時期にある。そうした不安やトラブルに対し、適切な支援があれば、安心して適切な対応が実践でき、育児で大きな部分を占める食事を通しての子どもとの関わりにも自信がもてるようになってくる。

離乳の支援にあたっては、子どもの健康を維持し、成長・発達を促すよう支援するとともに、授乳の支援と同様、健やかな母子・親子関係の形成を促し、育児に自信をもたせることを基本とする。特に、子どもの成長や発達状況、日々の子どもの様子をみながら進めること、強制しないことに配慮する。また、生活リズムを身につけ、食べる楽しさを体験していくことができるよう、一人一人の子どもの「食べる力」を育むための支援注2)が推進されることをねらいとする。

――――――――――

注1) 乳児期の栄養と肥満、生活習慣病との関わり:〈参考1〉45頁参照

注2) 楽しく食べる子どもに~食からはじまる健やかガイド~:〈資料3〉参照

[3] 離乳の支援のポイント

1 離乳の開始

離乳の開始とは、なめらかにすりつぶした状態の食物を初めて与えた時をいう。その時期は生後5,6か月頃が適当である。

発達の目安としては、首のすわりがしっかりしている、支えてやるとすわれる、食物に興味を示す、スプーンなどを口に入れても舌で押し出すことが少なくなる(哺乳反射の減弱)などがあげられる。

なお、離乳の開始前の乳児にとって、最適な栄養源は乳汁(母乳又は育児用ミルク)である。離乳の開始前に果汁を与えることについては、果汁の摂取によって、乳汁の摂取量が減少すること1)、たんぱく質、脂質、ビタミン類や鉄、カルシウム、亜鉛などのミネラル類の摂取量低下が危惧されること1),2)、また乳児期以降における果汁の過剰摂取傾向と低栄養や発育障害との関連3),4)が報告されており、栄養学的な意義は認められていない。また、咀しゃく機能の発達の観点からも、通常生後5~7か月頃にかけて哺乳反射が減弱・消失していく過程注3)でスプーンが口に入ることも受け入れられていく5,6)ので、スプーン等の使用は離乳の開始以降でよい。

2 離乳の進行

(1) 離乳の開始後ほぼ1か月間は、離乳食は1日1回与える。母乳または育児用ミルクは子どもの欲するままに与える。この時期は、離乳食を飲み込むこと、その舌ざわりや味に慣れることが主目的である。

(2) 離乳を開始して1か月を過ぎた頃から、離乳食は1日2回にしていく。母乳または育児用ミルクは離乳食の後にそれぞれ与え、離乳食とは別に母乳は子どもの欲するままに、育児用ミルクは1日に3回程度与える。生後7,8か月頃からは舌でつぶせる固さのものを与える。

(3) 生後9か月頃から、離乳食は1日3回にし、歯ぐきでつぶせる固さのものを与える。食欲に応じて、離乳食の量を増やし、離乳食の後に母乳または育児用ミルクを与える。離乳食とは別に、母乳は子どもの欲するままに、育児用ミルクは1日2回程度与える。鉄の不足には十分配慮する。

3 離乳の完了

離乳の完了とは、形のある食物をかみつぶすことができるようになり、エネルギーや栄養素の大部分が母乳または育児用ミルク以外の食物からとれるようになった状態をいう。その時期は生後12か月から18か月頃である。なお、咀しゃく機能注3)は、奥歯が生えるにともない乳歯の生え揃う3歳ごろまでに獲得される。

(注) 食事は、1日3回となり、その他に1日1~2回の間食を目安とする。母乳または育児用ミルクは、一人一人の子どもの離乳の進行及び完了の状況に応じて与える。なお、離乳の完了は、母乳または育児用ミルクを飲んでいない状態を意味するものではない。

4 離乳食の進め方の目安

(1) 食べ方の目安

食欲を育み、規則的な食事のリズムで生活リズムを整え、食べる楽しさを体験していくことを目標とする。

離乳の開始では、子どもの様子をみながら、1さじずつ始め、母乳やミルクは飲みたいだけ飲ませる。

離乳が進むにつれ、1日2回食、3回食へと食事のリズムをつけ、生活リズムを整えていくようにする。また、いろいろな食品の味や舌ざわりを楽しむ、家族と一緒の食卓を楽しむ、手づかみ食べ注4)で自分で食べることを楽しむといったように、食べる楽しさの体験を増やしていく。

(2) 食事の目安

ア 食品の種類と組合せ

与える食品は、離乳の進行に応じて、食品の種類を増やしていく。

① 離乳の開始では、アレルギー注5)の心配の少ないおかゆ(米)から始める。新しい食品を始める時には一さじずつ与え、乳児の様子をみながら量を増やしていく。慣れてきたらじゃがいもや野菜、果物、さらに慣れたら豆腐や白身魚など、種類を増やしていく。

なお、はちみつは乳児ボツリヌス症予防のため満1歳までは使わない。

② 離乳が進むにつれ、卵は卵黄(固ゆで)から全卵へ、魚は白身魚から赤身魚、青皮魚へと進めていく。ヨーグルト、塩分や脂肪の少ないチーズも用いてよい。食べやすく調理した脂肪の少ない鶏肉、豆類、各種野菜、海藻と種類を増やしていく。脂肪の多い肉類は少し遅らせる。野菜類には緑黄色野菜も用いる。

③ 生後9か月以降は、鉄が不足しやすいので、赤身の魚や肉、レバーを取り入れ、調理用に使用する牛乳・乳製品のかわりに育児用ミルクを使用する等工夫する。フォローアップミルクは、母乳または育児用ミルクの代替品ではない。必要に応じて(離乳食が順調に進まず、鉄の不足のリスクが高い場合など)使用するのであれば、9か月以降とする。

このほか、離乳の進行に応じてベビーフードを適切に利用することができる注6)

離乳食に慣れ、1日2回食に進む頃には、穀類、野菜・果物、たんぱく質性食品を組み合わせた食事とする。また、家族の食事から調味する前のものを取り分けたり、薄味のものを適宜取り入れたりして、食品の種類や調理方法が多様となるような食事内容とする注7,注8)

イ 調理形態・調理方法

離乳の進行に応じて食べやすく調理したものを与える。子どもは細菌への抵抗力が弱いので、調理を行う際には衛生面に十分に配慮する。

① 米がゆは、乳児が口の中で押しつぶせるように十分に煮る。初めは「つぶしがゆ」とし、慣れてきたら粗つぶし、つぶさないままへと進め、軟飯へと移行する。

② 野菜類やたんぱく質性食品などは、初めはなめらかに調理し、次第に粗くしていく。

③ 調味について、離乳の開始頃では調味料は必要ない。離乳の進行に応じて、食塩、砂糖など調味料を使用する場合は、それぞれの食品のもつ味を生かしながら、薄味でおいしく調理する。油脂類も少量の使用とする。

(3) 成長の目安

食事の量の評価は、成長の経過で評価する。具体的には、成長曲線のグラフに、体重や身長を記入して、成長曲線のカーブに沿っているかどうかを確認する。からだの大きさや発育には個人差があり、一人一人特有のパタンを描きながら大きくなっていく。身長や体重を記入して、その変化をみることによって、成長の経過を確認することができる。

体重増加がみられず成長曲線からはずれていく場合や、成長曲線から大きくはずれるような急速な体重増加がみられる場合は、医師に相談して、その後の変化を観察しながら適切に対応する。

――――――――――

(文献)

1) Emmett P,North K,Noble S.Types of drinks consumed by infants at 4 and 8 months of age: a descriptive study.The ALSPAC Study Team.Public Health Nutr.2000;3(2):211-217.

2) Marshall TA,Gilmore JM,Broffitt B,Stumbo PJ,Levy SM.Diet quality in young children is influenced by beverage consumption.J Am Coll Nutr,2005;24(1):65-75.

3) Smith MM,Lifshitz F.Excess fruit juice consumption as a contributing factor in nonorganic failure to thrive.Pediatrics 1994;93:438-43.

4) Dennison BA,Rockwell HL,Baker SL.Excess fruit juice consumption by preschool-aged children is associated with short stature and obesity.Pediatrics 1997;99:15-22.

5) Arvedson JC,Brodsky L,:Pediatric Swallowing and Feeding-Assessment and Management-,Singular Thmson Learning,San Diego,California,1993

6) Morris SE,Klein MD:Pre-Feeding Skills-A Comprehensive Resource for Mealtime Development.2nd ed,Therpy Skill Builders,Tucson,Arizona,2000.

注3) 咀しゃく機能の発達の目安:〈参考2〉46頁参照

注4) 手づかみ食べについて:〈参考3〉47頁参照

注5) 食物アレルギーについて:〈参考4〉48頁参照

注6) ベビーフードの利用について:〈参考5〉54頁参照

注7) 1日の食事量の目安について:〈参考6〉56頁参照

注8) 発達段階に応じた子どもの食事への配慮について:58頁参照

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Ⅲ 関係資料

[資料1] 改定 離乳の基本

*「改定 離乳の基本」は、『「授乳・離乳の支援ガイド」の策定について』(平成19年3月14日雇児母発第0314002号厚生労働省雇用均等・児童家庭局母子保健課長通知)をもって廃止。

(平成7年12月4日厚生省児童家庭局(当時)母子保健課長通知)

この離乳の基本は、離乳を進める際の「目安」を示したものである。これを参考にして、乳児の食欲、摂食行動、成長・発達パターンあるいは地域の食文化、家庭の食習慣等を考慮した無理のない具体的な離乳の進め方、離乳食の内容や量を、個々にあわせて作ることが望まれる。すなわち、子どもにはそれぞれ個性があるので、基準に合わせた画一的な離乳とならないよう留意しなければならない。また、乳児が嫌がるときには強制せず、楽しくおいしく食事ができるような環境、雰囲気づくりはきわめて重要である。なお、この時期はあまり肥満の心配はいらない。

1.離乳の基準

(1) 離乳の定義

離乳とは、母乳または育児用ミルク等の乳汁栄養から幼児食に移行する過程をいう。この間に乳児の摂食機能は、乳汁を吸うことから、食物をかみつぶして飲み込むことへと発達し、摂取する食品は量や種類が多くなり、献立や調理の形態も変化していく。また摂食行動は次第に自立へと向かっていく。

(2) 離乳の開始

離乳の開始とは、初めてドロドロした食物を与えた時をいう。その時期はおよそ生後5か月になったころが適当である。

〈注〉①果汁やスープ、おもゆなど単に液状のものを与えても、離乳の開始とはいわない。②離乳の開始は児の摂食機能の発達等を考慮し、早くても4か月以降とすることが望ましい。③離乳の開始が遅れた場合も、発育が良好なら生後6か月中に開始することが望ましい。④発育が良好とは、首のすわりがしっかりしている、支えてやるとすわれる、食物を見せると口を開ける、などの状態をいう。

(3) 離乳の進行

①離乳の開始後ほぼ1か月間は、離乳食は1日1回与える。離乳食のあとに母乳または育児用ミルクを児の好むまま与える。離乳食のあと以外にも母乳または育児用ミルクは児の欲するままに与えるが、その回数は5か月では通常4回程度、ただし母乳ではもう1~2回多くなることもある。この時期は離乳食を飲み込むこと、その舌ざわりや味に慣れさせることが主な目的であり、離乳食から補給される栄養素量は少なくてよい。②離乳を開始して1か月が過ぎたころ(生後6か月ころ)から、離乳食は1日2回にしていく。また生後7か月ころからは舌でつぶせる固さのものを与える。母乳または育児用ミルクは離乳食の後に与える2回と、それとは別に3回程度与える。③生後9か月ころから、離乳食は1日3回にし、歯ぐきでつぶせる固さのものを与える。離乳食の量を増やし、離乳食の後の母乳又は育児用ミルクは次第に減量し中止していく。離乳食とは別に、鉄欠乏、腎への負担、たんぱく質過剰等を考慮しつつ、母乳または育児用ミルクを1日2回程度与える。

(4) 離乳の完了

離乳の完了とは、形のある食物をかみつぶすことができるようになり、栄養素の大部分が母乳または育児用ミルク以外の食物からとれるようになった状態をいう。その時期は通常生後13か月を中心とした12~15か月ころである。遅くとも18か月ころまでには完了する。

〈注〉食事は1日3回となり、その他に1日1~2回間食を用意する。母乳はこの間に自然にやめるようになる。1歳以降は牛乳またはミルクを1日300~400mlコップで与える。

2.離乳期の食物

(1) 食品の種類

与える食品は、離乳の段階を経て種類を増やしていく。①特に離乳の初期に、新しい食品を始める時には茶さじ一杯程度から与え、乳児の様子をみながら増やしていく。②離乳の開始のころは米、次いでパン、じゃがいもなどでんぷん質性食品を主にする。なお、調理法に気をつければ野菜、豆腐、白身魚、卵黄(固ゆでにした卵黄だけを用いる)、ヨーグルト、チーズなども用いてもよい。③離乳が進むにつれ、卵は卵黄から全卵へ、魚は白身魚から赤身魚、青皮魚へと進めていく。離乳中期から食べやすく調理した脂肪の少ない鶏肉、豆類、各種野菜、海藻を用いることもできる。ただし、脂肪の多い肉類は少し遅らせる。④野菜には緑黄色野菜を加えることが望ましい。⑤離乳後期以降は、鉄が不足しやすいので赤身の魚や肉、レバー(鉄強化のベビーフード等を適宜用いてもよい)を多く使用する。また、調理用に使用する牛乳・乳製品の代わりに育児用ミルクを使用する等工夫する。

(2) 食品の調理形態・調理

与える食物は、離乳の進行に応じて食べやすく調理する。①米がゆは、乳児が口の中で押しつぶせるように十分に煮る。初めは「つぶしがゆ」とし、離乳食に慣れてきたら粗つぶし、つぶさないままへと進め、軟飯へ移行する。②たんぱく質性食品、野菜類などは、初めはなめらかに調理し、次第に粗くしていく。③離乳食は、煮た物が中心となる。それぞれの食品のもつ味を生かしながら、薄味でおいしく調理する。

(3) 離乳食のバランス・献立

離乳が進むにつれ、質および量を考え、献立に変化をつける。①離乳を開始して1か月が過ぎた生後6か月ころから、穀類、たんぱく質性食品、野菜・果物の献立を用意する。②離乳中期・後期ころから家族の食事の中の薄味のものも適宜取り入れて、調理法および献立に変化をつけ、偏食にならないように心がける。

3.離乳食の与え方

〈付表〉離乳食の進め方の目安

区分

離乳初期

離乳中期

離乳後期

離乳完了期

月齢(カ月)

5~6

7~8

9~11

12~15

回数

離乳食(回)

1→2

2

3

3

母乳・育児用ミルク(回)

4→3

3

2

調理形態

ドロドロ状

舌でつぶせる固さ

歯ぐきでつぶせる固さ

歯ぐきで噛める固さ

一回当たり量

穀類(g)

つぶしがゆ

30→40

全がゆ

50→80

全がゆ(90→100)→軟飯80

軟飯90→ご飯80

卵(個)

卵黄

2/3以下

卵黄→全卵

1→1/2

全卵

1/2

全卵

1/2→2/3

 

又は豆腐(g)

25

40→50

50

50→55

 

 

又は乳製品(g)

55

85→100

100

100→120

 

 

又は魚(g)

5→10

13→15

15

15→18

 

 

又は肉(g)

 

10→15

18

18→20

 

野菜・果物(g)

15→20

25

30→40

40→50

 

調理用油脂類・砂糖(g)

各0→1

各2→2.5

各3

各4

※牛乳やミルクを1日300~400ml

注:

1.付表に示す食品の量などは目安である。なお、表中の矢印は当該期間中の初めから終わりへの変化(例えば、離乳初期の離乳食1→2は5か月では1回、6か月では2回)を示す。

2.離乳の進行状況に応じた適切なベビーフードを利用することもできる。

3.離乳食開始時期を除き、離乳食には食品Ⅰ.Ⅱ(1回にいずれか1~2品).Ⅲを組み合わせる。なお、量は1回1食品を使用した場合の値であるので、例えばⅡで2食品使用の時は各食品の使用量は示してある量の1/2程度を目安とする。

4.野菜はなるべく緑黄色野菜を多くする。

5.乳製品は全脂無糖ヨーグルトを例として示した。

6.たんぱく質性食品は、卵、豆腐、乳製品、魚、肉等を1回に1~2品使用するが、離乳後期以降は、鉄を多く含む食品を加えたり、鉄強化のベビーフードを使用する、調理用乳製品の代わりに育児用ミルクを使用する等の工夫が望ましい。

7.離乳初期には固ゆでにした卵の卵黄を用いる。卵アレルギーとして医師の指示のあった場合には、卵以外のたんぱく質性食品を代替する。くわしくは医師と相談する。

8.豆腐の代わりに離乳中期から納豆、煮豆(つぶし)を用いることができる。

9.海藻類は適宜用いる。

10.油脂類は調理の副材料として、バター、マーガリン、植物油を適宜使用する。

11.塩、砂糖は多すぎないように気をつける。

12.はちみつは乳児ボツリヌス症予防のため満1歳までは使わない。

13.そば、さば、いか、たこ、えび、かに、貝類等は離乳初期・中期には控える。

14.夏期には水分の補給に配慮する。また、果汁やスープ等を適宜与える。

[資料2] 妊産婦のための食生活指針(概要)

(平成18年2月公表)

(1) 「妊産婦のための食生活指針」作成の基本的考え方について

○対象は、妊産婦とするが、妊娠前からの食生活の重要性が再認識されることも視野に入れて検討に取り組む。

○指針については、妊産婦の方々にとって具体的でわかりやすい内容とする一方で、保健医療従事者等の指導者が活用する際の参考となるよう、科学的根拠に基づき解説を加える。

○指針の骨格となる健康づくりのために望ましい食事については、「日本人の食事摂取基準(2005年版)」及び「食事バランスガイド」を基本とし、「妊産婦のための食事バランスガイド」の提示に向けて検討を行う。

*健康な成人が摂取すべきエネルギーや栄養素量に基づき、食事の望ましい組合せや量をわかりやすくイラストで示したものであり、平成17年に厚生労働省及び農林水産省で決定。

○妊娠期における望ましい体重増加量については、各種調査研究結果から、非妊娠時の体格及び妊娠中の体重増加量と、出生児の体重及び妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)、帝王切開、分娩時大量出血などの状況との関連を分析し、検討を行うとともに、別途解説を加える。

(2) 「妊産婦のための食生活指針」の内容について

○指針については、妊産婦が注意すべき食生活上の課題を明らかにした上で、妊産婦に必要とされる食事内容とともに、妊産婦の生活全般、からだや心の健康にも配慮し、9項目から構成(表1参照)。

○健康づくりのために望ましい食事については、なにをどれだけ食べたらよいかをわかりやすくイラストで示した「食事バランスガイド」に、妊娠期・授乳期に付加すべき(留意すべき)事項を加えた「妊産婦のための食事バランスガイド」を作成(図1参照)。

○妊娠期における望ましい体重増加量については、「妊娠期の至適体重増加チャート」として、非妊娠時の体格区分別に「妊娠全期間を通しての推奨体重増加量」及び「妊娠中期から末期における1週間あたりの推奨体重増加量」を作成(表3,4参照)。

(3) 「妊産婦のための食生活指針」の普及啓発について

○保健医療従事者等の指導者向けに、解説を加えた報告書を作成するとともに、妊産婦の方々向けに、リーフレットを作成。

○これらについては、地方公共団体及び関係団体に送付するとともに、厚生労働省及び「健やか親子21」等のホームページにおいて情報提供を行う。

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表3 体格区分別 妊娠全期間を通しての推奨体重増加量

体格区分

推奨体重増加量

低体重(やせ):BMI18.5未満

9~12kg

ふつう:BMI18.5以上25.0未満

7~12kg#1

肥満:BMI25.0以上

個別対応#2

・体格区分は非妊娠時の体格による。

・BMI(Body Mass Index):体重(kg)/身長(m)2

#1体格区分が「ふつう」の場合、BMIが「低体重(やせ)」に近い場合には推奨体重増加量の上限側に近い範囲を、「肥満」に近い場合には推奨体重増加量の下限側に低い範囲を推奨することが望ましい。

#2BMIが25.0をやや超える程度の場合は、おおよそ5kgを目安とし、著しく超える場合には、他のリスク等を考慮しながら、臨床的な状況を踏まえ、個別に対応していく。

表4 体格区分別 妊娠中期から末期における1週間あたりの推奨体重増加量

体格区分

1週間あたりの推奨体重増加量

低体重(やせ):BMI18.5未満

0.3~0.5kg/週

ふつう:BMI18.5以上25.0未満

0.3~0.5kg/週

肥満:BMI25.0以上

個別対応

・体格区分は非妊娠時の体格による。

・BMI(Body Mass Index):体重(kg)/身長(m)2

・妊娠初期については体重増加に関する利用可能なデータが乏しいことなどから、1週間あたりの推奨体重増加量の目安を示していないため、つわりなどの臨床的な状況を踏まえ、個別に対応していく。

[資料3] 楽しく食べる子どもに~食からはじまる健やかガイド~(概要)

雇用均等・児童家庭局長が学識経験者等に参集を求め、平成15年6月に開催した「食を通じた子どもの健全育成(―いわゆる「食育」の視点から―)のあり方に関する検討会」(雇用均等・児童家庭局)においては、次代を担う子どもが「食」を通して心身ともに健やかに育つための取組を一層充実させていくために、子どもの「食」に関する支援ガイドの作成に向けて、7回にわたり検討を重ね、平成16年2月に検討会報告書として、「楽しく食べる子どもに~食からはじまる健やかガイド~」を取りまとめた。

〈内容〉

1) 食を通じた子どもの健全育成のねらい

現在をいきいきと生き、かつ生涯にわたって健康で質の高い生活を送る基本としての食を営む力を育てるとともに、それを支援する環境づくりを進めること。

2) 食を通じた子どもの健全育成の目標

3) 発育・発達過程に応じて育てたい“食べる力”

子どもは、発育・発達過程にあり、授乳期から毎日「食」に関わっている。「食を営む力」を育むために、授乳期から思春期まで、その発育・発達過程に関わる主な特徴(表1)に応じて、具体的にどのような“食べる力”を育んでいけばよいのかをとりまとめた(表2)。

4) “食べる力”を育むための環境づくり

子どもが成長していく過程で、子どもの食に関わる人々や関係機関・団体は数多く存在し、子どもの“食べる力”を育んでいくためには、保育所、学校、保健機関など関係機関による連携とともに、「食物」、「情報」へのそれぞれのアクセスに配慮した環境づくりの推進が必要である(図1)。

5) “食べる力”を育むための具体的支援方策(例)について

①子どもが生活あるいは学習を行う機関を中心にした支援方策

(例) 保育所、地域子育て支援センター、児童館・放課後児童クラブ,学校、児童養護施設、地域など

②具体的な“食べる力”を育むための支援方策

(例) 現代の子どもの健康課題である肥満や思春期やせ症の予防のために、「成長曲線」を活用し、成長の経過を確認していくことで早期発見を図るための方法の提案など

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[資料4] 食事摂取基準(概要)

1 食事摂取基準とは

食事摂取基準は、健康な個人または集団を対象として、国民の健康の維持・増進、エネルギー・栄養素欠乏症の予防、生活習慣病の予防、過剰摂取による健康障害の予防を目的とし、エネルギー及び各栄養素の摂取量の基準を示すものである。

使用期間は、2005年4月(平成17年度)から2010年3月(平成21年度)までの5年間である。

2 設定指標について

食事摂取基準として、下記のとおり、エネルギーについては1種類、栄養素については5種類の指標が設定されている。

【エネルギー】

● 推定エネルギー必要量

エネルギーの不足のリスク及び過剰のリスクの両者が最も小さくなる摂取量

【栄養素】

健康の維持・増進と欠乏症予防のために、「推定平均必要量」と「推奨量」の2つの値を設定した。しかし、この2指標を設定することができない栄養素については、「目安量」を設定した。また、生活習慣病の1次予防を専ら目的として食事摂取基準を設定する必要のある栄養素については、「目標量」を設定した。過剰摂取による健康障害を未然に防ぐことを目的として「上限量」を設定した。

● 推定平均必要量

特定の集団を対象として測定された必要量から、性・年齢階級別に日本人の必要量の平均値を推定した。当該性・年齢階級に属する人々の50%が必要量を満たすと推定される1日の摂取量である。

● 推奨量

ある性・年齢階級別に属する人々のほとんど(97~98%)が1日の必要量を満たすと推定される1日の摂取量である。原則として「推定平均必要量+標準偏差の2倍(2SD)」とした。

● 目安量

推定平均必要量・推奨量を算定するのに十分な科学的根拠が得られない場合に、ある性・年齢階級別に属する人々が、良好な栄養状態を維持するのに十分な量である。

● 目標量

生活習慣病の一次予防のために現在の日本人が当面の目標とすべき摂取量(または、その範囲)である。

● 上限量

ある性・年齢階級別に属するほとんどすべての人々が、過剰摂取による健康障害を起こすことのない栄養素摂取量の最大限の量である。

3 策定栄養素等について

策定された栄養素等は、下記のとおりである。

エネルギー、たんぱく質、脂質(総脂質、飽和脂肪酸、n―6系脂肪酸、n―3系脂肪酸、コレステロール)、炭水化物、食物繊維、

水溶性ビタミン:ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、ビタミンB6、葉酸、ビタミンB12、ビオチン、パントテン酸、ビタミンC

脂溶性ビタミン:ビタミンA、ビタミンE、ビタミンD、ビタミンK

ミネラル:マグネシウム、カルシウム、リン

微量元素:クロム、モリブデン、マンガン、鉄、銅、亜鉛、セレン、ヨウ素

電解質:ナトリウム、カリウム

4 基本的な活用方法について

食事摂取基準の用途は、「摂取量を評価(アセスメント)するため」(表1)と、「栄養計画(プランニング:栄養指導計画、給食計画等を含む)を立案するため」(表2)の2つに大別される。

5 使用にあたっての留意点について

1) 食事摂取基準を適用する対象は、主に健康な個人、ならびに、健康人を中心として構成されている集団とする。ただし、何らかの軽度な疾患(例えば、高血圧、高脂血症、高血糖)を有していても日常生活を営み、当該疾患に特有の食事指導、食事療法、食事制限が適用されたり、推奨されたりしていない者を含むこととする。

2) 食事摂取基準として用いられている単位は「1日当たり」であるが、これは習慣的な摂取量を1日当たりに換算したものである。

3) 栄養指導、給食計画等に活用する際、基本的には、エネルギー、脂質、たんぱく質、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンC、カルシウム、鉄、ナトリウム(食塩)、食物繊維について考慮するのが望ましい。

4) 推奨量、目安量、目標量については、日常の食生活において、通常の食品によってバランスのとれた食事をとることにより満たすことが基本である。

5) 上限量については、通常の食品による食事で一時的にこの量を超えたからといって健康障害がもたらされるものではない。

授乳期・離乳期に該当する食事摂取基準 (一部抜粋)

〈エネルギー(kcal/日)〉

 

0~5か月 母乳栄養児

600

550

人工乳栄養児

650

600

6~11か月

700

650

1歳

1,050

950

〈たんぱく質(g/日)〉

 

 

推定平均必要量

推奨量

目安量

推定平均必要量

推奨量

目安量

0~5か月 母乳栄養児

10

10

人工乳栄養児

15

15

6~11か月 母乳栄養児

15

15

人工乳栄養児

20

20

1歳

15

20

15

20

〈脂質〉

 

脂肪エネルギー比率(%エネルギー)

 

 

目安量

目標量

目安量

目標量

0~5か月

50

50

6~11か月

40

40

1歳

20以上30未満

20以上30未満

〈水溶性ビタミン〉

 

ビタミンB1(mg/日)

 

 

推定平均必要量

推奨量

目安量

推定平均必要量

推奨量

目安量

0~5か月

0.1

0.1

6~11か月

0.3

0.3

1歳

0.4

0.5

0.4

0.5

 

ビタミンB2(mg/日)

 

男性

女性

 

推定平均

必要量

推奨量

目安量

推定平均

必要量

推奨量

目安量

0~5か月

0.3

0.3

6~11か月

0.4

0.4

1歳

0.5

0.6

0.4

0.5

 

ナイアシン(mgNE/日)

 

男性

女性

 

推定平均必要量

推奨量

目安量

推定平均必要量

推奨量

目安量

0~5か月

2

2

6~11か月

3

3

1歳

5

6

4

5

 

ビタミンC(mg/日)

 

男性

女性

 

推定平均必要量

推奨量

目安量

推定平均必要量

推奨量

目安量

0~5か月

40

40

6~11か月

40

40

1歳

35

40

35

40

〈脂溶性ビタミン〉

 

ビタミンA(μgRE/日)

 

 

推定平均必要量1

推奨量1

目安量1

上限量2

推定平均必要量1

推奨量1

目安量1

上限量2

0~5か月

250

600

250

600

6~11か月

350

600

350

600

1歳

200

250

600

150

250

600

1プロビタミン・カロテノイドを含む。 2プロビタミン・カロテノイドを含まない。

 

ビタミンD(μg/日)

 

 

目安量

上限量

目安量

上限量

0~5か月1

2.5(5)

25

2.5(5)

25

6~11か月1

4(5)

25

4(5)

25

1歳

3

25

3

25

1適度な日照を受ける環境にある乳児の目安量。( )内は、日照を受ける機会が少ない乳児の目安量。

〈ミネラル〉

 

カルシウム(mg/日)

 

 

目安量

目標量

目安量

目標量

0~5か月 母乳栄養児

200

200

人工乳栄養児

300

300

6~11か月 母乳栄養児

250

250

人工乳栄養児

400

400

1歳

450

450

400

400

〈微量元素〉

 

鉄(mg/日)

 

男性

女性

 

推定平均必要量

推奨量

目安量

上限量

推定平均必要量

推奨量

目安量

上限量

0~5か月 母乳栄養児

0.4

0.4

人工乳栄養児

7.7

7.7

6~11か月

4.5

6.0

4.0

5.5

1歳

4.0

5.5

25

3.5

5.0

20

「授乳・離乳の支援ガイド策定に関する研究会」名簿

(五十音順、敬称略)

氏名

所属

朝倉 啓文

日本医科大学教授

今村 定臣

日本医師会常任理事

岩田 力

東京家政大学教授

瀧本 秀美

国立保健医療科学院生涯保健部母子保健室長

堤 ちはる

(福)恩賜財団母子愛育会日本子ども家庭総合研究所栄養担当部長

鱒渕 清子

栃木県真岡市役所健康増進課副主幹

宮下 美代子

みやした助産院院長

向井 美恵

昭和大学歯学部教授

柳澤 正義

(福)恩賜財団母子愛育会日本子ども家庭総合研究所 所長

山城 雄一郎

順天堂大学医学部教授

吉池 信男

独立行政法人国立健康・栄養研究所国際産学連携センター長

「授乳・離乳の支援ガイド策定に関する研究会」の開催経緯

日程

研究会

平成18年10月11日(水)

第1回研究会

・策定のねらいについて

・ガイドの骨子について(自由討議)

11月30日(木)

第2回研究会

・関係団体等からのヒアリング

・ガイドの骨子(案)に関する検討

12月20日(水)

第3回研究会

・ガイド(試案)に関する検討

平成19年1月31日(水)

第4回研究会

・ガイド(案)に関する検討

平成19年3月14日(水)

第5回研究会

・ガイド(案)に関する検討、とりまとめ