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○メトトレキサート製剤の使用にあたっての留意事項について

(平成23年2月23日)

(薬食審査発0223第4号)

(各都道府県・各保健所設置市・各特別区衛生主管部(局)長あて厚生労働省医薬食品局審査管理課長通知)

メトトレキサート製剤(販売名:リウマトレックスカプセル2mg、メトトレキサート錠2mg「タナベ」、メトトレキサートカプセル2mg「マイラン」、トレキサメットカプセル2mg、メトレート錠2mg、メトトレキサートカプセル2mg「サワイ」及びメトトレキサートカプセル2mg「トーワ」。以下「本剤」という。)については、本日、関節リウマチの効能・効果に関して、「過去の治療において、非ステロイド性抗炎症剤及び他の抗リウマチ剤により十分な効果の得られない場合に限る。」の使用制限を解除するとともに、1週間単位の最大投与量を16mgまでとする最大用量の増量に係る用量追加の製造販売承認事項一部変更承認を行ったところです。

本承認に際しては、安全対策の徹底とその実効性の確認が必要であることから、

「本剤の高用量の投与により重篤な骨髄抑制等の発現頻度が増加するおそれがあることから、適切かつ十分な調査を実施し、規制当局に報告すること。」

を承認条件とするとともに、添付文書上の【警告】欄及び【使用上の注意】欄において、より一層の適正使用を推進するための注意喚起を行ったところです。

ついては、本剤の安全性に十分配慮した使用が徹底されるよう、貴管下の医療機関・薬局等に対する周知・指導をお願いします。

(参考)

【警告】

1.本剤の投与において、感染症、肺障害、血液障害等の重篤な副作用により、致命的な経過をたどることがあるので、緊急時に十分に措置できる医療施設及び本剤についての十分な知識とリウマチ治療の経験をもつ医師が使用すること。

2.間質性肺炎、肺線維症等の肺障害が発現し、致命的な経過をたどることがあるので、原則として、呼吸器に精通した医師と連携して使用すること。

3.本剤の投与に際しては、患者に対して本剤の危険性や本剤の投与が長期間にわたることを十分説明した後、患者が理解したことを確認したうえで投与を開始すること。

4.本剤の投与に際しては、副作用の発現の可能性について患者に十分理解させ、下記の症状が認められた場合には直ちに連絡するよう注意を与えること。

発熱、咳嗽・呼吸困難等の呼吸器症状、口内炎、倦怠感

[「重要な基本的注意」の(4)、(5)、(6)の項参照]

5.使用が長期間にわたると副作用が強くあらわれ、遷延性に推移することがあるので、投与は慎重に行うこと。

6.腎機能が低下している場合には副作用が強くあらわれることがあるため、本剤投与開始前及び投与中は腎機能検査を行うなど、患者の状態を十分観察すること。

<用法・用量に関連する使用上の注意>

関節リウマチの場合

1.4~8週間投与しても十分な効果が得られない場合にはメトトレキサートとして1回2~4mgずつ増量する。増量する前には、患者の状態を十分に確認し、増量の可否を慎重に判断すること。[「重要な基本的注意」の(1)、(3)、(4)の項参照]

2.投与量を増量すると骨髄抑制、感染症、肝機能障害等の副作用の発現の可能性が増加するので、定期的に臨床検査値を確認する等を含め患者の状態を十分に観察すること。消化器症状、肝機能障害等の副作用の予防には、葉酸の投与が有効であるとの報告がある。

【使用上の注意】

2.重要な基本的注意

(2) 骨髄抑制、肝機能障害、粘膜・消化管障害等の細胞毒性に起因する副作用が発現した場合には、適切な処置を行いながら、本剤の拮抗剤であるホリナートカルシウム(ロイコボリンカルシウム)を以下の方法により投与すること。注射剤を投与する場合は、通常、ホリナート(ロイコボリン)として成人1回6~12mgを6時間間隔で4回筋肉内注射する。錠剤を投与する場合は通常、ホリナートとして成人1回10mgを6時間間隔で4回経口投与する。

また、尿量、排尿回数をチェックし、排尿が少ないと判断したときは、点滴又は経口により水分を補給し排尿を促すこと。