添付一覧
○国民健康保険の適用事務における年金被保険者情報の活用について
(平成23年2月22日)
(保国発0222第1号)
(都道府県民生主管部(局)長あて厚生労働省保険局国民健康保険課長通知)
市町村の国民健康保険担当部局における資格取得及び資格喪失処理を正確かつ迅速に行い、国民健康保険の適用促進を図る観点から、これまで国民年金事務に活用していた年金被保険者情報を国民健康保険被保険者の適用に関する事務にも活用することとし、平成21年度にモデル事業を実施したところである。
今般、厚生労働省年金局及び日本年金機構との協議が整い、全市町村で実施するための事務処理方法等について下記のとおりとりまとめたので、管下市町村保険者に周知されたい。
記
1.日本年金機構から提供される情報について
日本年金機構から国民健康保険担当部局に提供される年金情報は、次の①から⑤までのとおりである。
① 国民年金被保険者原簿情報
② 国民年金第2号被保険者喪失情報
③ 第2号被保険者資格喪失者一覧表(以下「2号喪失一覧表」という。)
④ 第1号・第3号被保険者資格喪失・喪失訂正者一覧表(以下「1・3号喪失一覧表」という。)
⑤ 国民年金被保険者異動リスト
なお、①及び②は、国民年金被保険者情報照会システム(以下「照会システム」という)により、③から⑤までは、紙リストにより提供されるものである。
(注) 国民年金第1号被保険者とは、国民年金法(昭和34年法律第141号)第7条第1項第1号に規定する者を、国民年金第2号被保険者とは、同項第2号に規定する者を、国民年金第3号被保険者とは、同項第3号に規定する者をいう。
2.日本年金機構との覚書の再締結について
(1) 覚書の再締結が必要な市町村
現在、国民年金業務に使用する年金情報の提供を受けるため、日本年金機構と市町村の間で覚書を交わしているが、国民健康保険の適用事務への年金情報の活用(以下「国保国年連携」という。)を希望する市町村は、別添1の「日本年金機構から○○○○市に対して情報提供する国民年金被保険者記録の取扱に関する覚書」(以下「覚書」という。)を再締結する必要がある。ただし、モデル事業により、既に覚書を締結している市町村は、再締結の必要はないので留意されたい。
なお、覚書の締結については、日本年金機構に対して厚生労働省年金局より通知済み(別添2)である。
(2) 覚書の再締結に係る手続
国保国年連携を希望する市町村は、日本年金機構(管轄の年金事務所)に覚書の締結を申出ること。
年金事務所より覚書が2部提供されるので、市町村長が押印のうえ2部とも年金事務所に返送すること。
なお、日本年金機構では、新たに導入する「ねんきんネット」のための覚書の再締結手続を行うこととしているが、国保国年連携を希望する市町村は、ねんきんネットの導入とは別に国保国年連携のための覚書を締結する必要があること。
また、国保国年連携のみを希望する市町村は、ねんきんネット導入の覚書締結の必要はないので留意されたい。
※ 覚書の内容及び表現については、日本年金機構が作成したものを変更することのないよう留意すること。
3.国民健康保険担当部局における年金被保険者情報の活用方法について
(1) 国民健康保険の資格取得処理(2号喪失一覧表の活用)
① 窓口における資格取得年月日の確認
窓口において、被用者保険の資格を喪失した者が国民健康保険の資格取得届を提出する際に、退職証明書など資格喪失年月日を証明するものが添付されていない場合、2号喪失一覧表又は照会システムを閲覧し、国民年金第2号被保険者の資格喪失年月日を確認することで、当該年月日により国民健康保険の資格取得年月日を判断できるものとする。
なお、被用者保険において被扶養配偶者であった者について、被保険者本人であった者と同時に資格取得届が提出された際に、1・3号喪失一覧表で国民年金第3号被保険者の資格喪失年月日を確認できる場合は、当該年月日により国民健康保険の資格取得年月日を判断できるものとする。
また、届出者より申出のあった場合は、2号喪失一覧表で確認した資格取得年月日をもって20歳未満の世帯員である子どもの資格取得年月日と判断できるものとする。
② 国民健康保険資格取得届勧奨業務
2号喪失一覧表から国民健康保険への資格取得届が未提出であると見込まれる者を抽出し、これらの者に対して国民健康保険の資格取得届勧奨文書を発送すること。
勧奨文書によっても届出がない場合には、電話連絡などの方法により勧奨すること。
なお、2号喪失一覧表には
i) 国民健康保険組合に加入する者
ii) 健康保険の任意継続被保険者となる者
iii) 被用者保険の被扶養者になる者
も含まれているため、i)からiii)までに該当する者については資格取得届が不要である旨の注意書を勧奨文書中に記載しておくこと。
また、国民健康保険に加入する20歳以上60歳未満の者は国民年金にも加入する必要がある旨の注意書をできる限り勧奨文書中に記載すること。
(2) 国民健康保険の資格喪失処理(1・3号喪失一覧表の活用)
① 窓口における資格喪失年月日の確認
窓口において、被用者保険の資格を取得したことにより国民健康保険の資格喪失届を提出する際、被用者保険の被保険者証等加入年月日を証明する書類が添付されていない場合、1・3号喪失一覧表又は照会システムを閲覧し、国民年金第1号被保険者の資格喪失日を確認することで、国民健康保険の資格喪失年月日を判断できるものとする。
② 国民健康保険資格喪失届勧奨業務
1・3号喪失一覧表より、国民健康保険の資格喪失届が未提出であると見込まれる者を抽出し、これらのものに対して資格喪失届勧奨文書を発送すること。
勧奨文書によっても資格喪失届の提出がない場合は、電話連絡などの方法により勧奨すること。
③ 職権による資格喪失処理
②においても資格喪失届の提出がない場合であって、次のアからウまでのすべての条件に当てはまる場合は、職権による資格喪失処理も可能であること。
ア.その者が単身世帯であること。ただし、世帯員がいる場合でも1・3号喪失一覧表により世帯全員の資格喪失年月日が確認できる場合には処理をして差し支えない。
イ.②の文書勧奨後1か月以上資格喪失届の提出がなく、再度の文書勧奨(発送日より1か月以上後の指定日までに資格喪失届の提出がない場合、職権喪失処理することがあり得る旨明記したもの)によっても資格喪失届の提出がないこと。
ウ.居所不明者でないこと。
なお、職権により資格喪失処理をした場合は、被保険者台帳に資格喪失年月日及び職権により資格喪失した旨を記載すること。
4.国民年金業務への協力について
(1) 国民年金未加入者への届出勧奨
窓口業務において国民健康保険の資格取得届を受理する際、照会システムを確認し、その結果、国民年金も未加入であることが判明した場合は、併せて国民年金の資格取得届を勧奨すること(国民年金担当部局への案内、国民健康保険の届出様式の工夫、複写式の導入など)。
(2) 国民年金未納者への納付勧奨
年金事務所よりあらかじめ納付督励の依頼があった国民年金保険料の滞納者であって国民健康保険料(税)を滞納している被保険者に対し、国民健康保険保険料(税)納付勧奨(窓口業務における納付勧奨、納付勧奨文書の送付など)を行う際、併せて国民年金保険料の納付勧奨を行うこと。
(3) その他の業務への協力
日本年金機構より年金情報の提供を受けていることから、年金事務所から勧奨業務の協力依頼があった場合には、業務の状況を勘案しつつ積極的に協力すること。
【例】
・国民年金保険料の徴収業務が、民間業者等へ業務委託されていることの周知
・国民年金保険料の口座振替・クレジットカード納付・前納の勧奨
・国民年金保険料の免除申請手続の周知(国民健康保険料減免申請者への国民年金保険料退職特例免除制度の紹介など)
なお、国民年金業務への協力に当たっては、年金事務所との間で送付文書・送付時期及び窓口対応の方法など十分調整すること。
別添1
日本年金機構から○○○○市に対して情報提供する国民年金被保険者記録の取扱いに関する覚書
日本年金機構を甲とし、○○○○市を乙として、国民年金法(昭和34年法律第141号)第12条第1項及び第4項(第105条第2項において準用する場合を含む。)、第105条第1項及び第4項並びに国民年金法施行令(昭和34年政令第184号)第1条の2の規定により市町村が処理することとされる事務(以下「国民年金事務」という。)を適正かつ効率的に行うための情報提供及び国民健康保険法(昭和33年法律第192号)第113条の2第1項の規定により市町村が国民健康保険の被保険者の適用に関する事務(以下「国民健康保険適用事務」という。)を適正に行うための情報提供について、次のとおり覚書を締結する。
(責任者の設置等)
第1条 乙は、甲から情報提供される国民年金被保険者記録(以下「提供情報」という。)を適切に管理する責任者(以下「責任者」という。)を置く。責任者は、提供情報にアクセス又は閲覧できる職員を指定し、乙の地域を管轄する年金事務所(以下、「管轄事務所」という。)に報告する。
(監査責任者)
第2条 乙は、監査責任者を一人置くこととする。監査責任者は、提供情報の管理の状況について監査する任に当たる。
(提供情報の範囲等)
第3条 甲は、保有する電子計算機の処理により作成される国民年金被保険者記録のうち、次の情報を提供する。当該情報の内容又は様式については、別紙のとおりとする。
一 国民年金被保険者原簿情報
二 国民年金第2号被保険者喪失情報
三 第2号被保険者資格喪失者一覧表
四 第1号・第3号被保険者資格喪失・喪失訂正者一覧表
五 国民年金被保険者異動リスト
(提供の方法)
第4条 情報提供の方法は次による。
一 第3条第1号及び第2号 乙に配布する国民年金被保険者情報照会用カードに記録された情報(電子証明書)を甲で認証のうえ、電話回線を通じ、照会用パソコンのディスプレイ画面に出力する方法(以下「国民年金被保険者情報照会システム」という。)
二 第3条第3号から第5号まで 甲から管轄事務所に配信されたデータを紙に出力し、当該事務所から乙に送付する方法
(利用の制限等)
第5条 責任者及び第1条で指定された職員(以下「責任者等」という。)は提供情報を国民年金事務及び国民健康保険適用事務に限って使用することとし、国民年金事務及び国民健康保険適用事務以外の目的で使用し又は他に漏らしてはならない。
第6条 責任者等以外の者は、提供情報にアクセスしてはならない。
第7条 責任者等は、原則として提供情報の複写複製等を行ってはならない。国民年金事務及び国民健康保険適用事務の遂行上、複写複製等を行う場合は、責任者の指示に従い行うものとし、複写複製等を行った日及び目的等の取扱い状況を台帳等に記録しなければならない。
第8条 責任者は、提供情報の複写複製等を行い、当該複写複製物が不要となった場合には、提供情報の内容の復元又は判読等が不可能な方法により当該情報の消去又は複写複製物の廃棄等を行わなければならない。当該情報の消去又は複写複製物の廃棄等を行った場合は、当該情報の消去又は複写複製物の廃棄等の状況を台帳等に記録しなければならない。
第9条 甲は、必要に応じて、提供情報の複写複製等を行った日及び目的等の取扱い状況を記録した台帳並びに提供情報の消去又は複写複製物の廃棄等を行った状況を記録した台帳の写しの提出を求めることができる。
第10条 責任者は、照会用パソコンが不要となった場合には、当該パソコンにより提供情報を記録した電磁的記録媒体(当該パソコンに内蔵されているものを含む。)の復元又は判読が不可能な方法により当該情報の消去又は当該媒体の廃棄を行う。
第11条 国民年金被保険者情報照会システムにより、甲への照会を行える時間は、平日の8時30分から17時までとする。
(アクセス制御等)
第12条 責任者は、国民年金被保険者情報照会用カードを厳重に管理、保管する。当該カードの毀損等があった場合については、速やかに管轄事務所に連絡する。
第13条 責任者等は、国民年金被保険者情報照会用カードを使用する場合、使用者の氏名、使用日時、使用目的等を台帳等に記録しなければならない。甲は必要に応じて当該台帳等の写しの提出を求めることができる。
第14条 責任者等は、国民年金被保険者情報照会用カードのパスワードが第三者に知られることのないよう厳格に管理する。
第15条 責任者は、提供情報の閲覧状況を記録(届書の写し等)し、1年間保存する。甲は必要に応じて当該記録の写しの提出を求めることができる。
(照会用パソコンへの接続)
第16条 照会用パソコンと他のシステム及び外部との接続は禁止する。ただし、当該パソコンをねんきんネットに利用する場合はこの限りでない。
(照会用パソコンの盗難防止等)
第17条 責任者は、照会用パソコンの盗難又は紛失の防止のため、照会用パソコンの固定、執務室の施錠等の必要な措置を講ずる。
(情報の閲覧等)
第18条 提供情報は責任者等以外の者に閲覧させてはならない。ただし、被保険者に当該情報を提示する必要がある場合については、被保険者本人又は本人の依頼を受けた代理人であることを確認の上、閲覧させることができる。
(再発防止措置等)
第19条 責任者は、提供情報の漏洩等安全確保上問題となる事案が発生した場合は、速やかに再発防止措置を講ずるとともに、事案の発生した経緯及び被害状況等を甲に報告する。
第20条 責任者は、被害の拡大防止又は復旧等のために必要な措置を講ずる。問題となる事案が乙の責に帰する理由による場合は、乙は必要な措置に係る費用について負担する。
(監査)
第21条 監査責任者は、提供情報の管理状況について、定期に又は随時に監査を行い、その結果を管轄事務所に報告する。
(その他)
第22条 照会用パソコンの操作は、甲から配布される操作説明書等により行う。
第23条 第1条から第22条までに定めるほか、必要な事項については、その都度、甲乙が協議して定めるものとする。
第24条 この覚書に規定された事項に違反した場合は、甲は、情報提供の中止等必要な措置を講ずることができる。
(覚書の発効)
第25条 この覚書は、平成23年2月○日から発効する。従前の覚書は廃止する。
平成○○年○月○日
甲 東京都杉並区高井戸西3―5―24
日本年金機構理事長 紀陸孝
乙 ○○県○○市~
○○市町村長 ○○○
○日本年金機構から市町村に情報提供する国民年金被保険者記録の取扱いに関する覚書の締結について
(平成23年2月22日)
(年管管発0222第2号)
(日本年金機構事業管理部門担当理事あて厚生労働省年金局事業管理課長通知)
このたび、厚生労働省保険局国民健康保険課長より都道府県民生主管部(局)長あてに別添「国民健康保険の適用事務における年金被保険者情報の活用について」(以下「通知」という。)が通知されたので、その内容について御了知いただくとともに、市町村より同通知による覚書(以下「覚書」という。)を締結する旨の申し出があった場合は、市町村が国民年金被保険者情報を国民健康保険の被保険者の適用に関する事務に利用できるよう、下記に留意のうえ取り扱われたい。
記
1.覚書は2通作成し、日本年金機構理事長及び市町村長が押印の上、日本年金機構と市町村が各1通を保管すること。
2.平成23年3月末日時点における覚書締結の状況について、平成23年4月末日までに当課あて報告すること。また、平成23年4月1日以降覚書締結の状況に変更があった場合は、すみやかに当課あて報告すること。
国民健康保険法
第百十三条の二 市町村は、被保険者の資格、保険給付及び保険料に関し必要があると認めるときは、被保険者若しくは被保険者の属する世帯の世帯主の資産若しくは収入の状況又は国民年金の被保険者の種別の変更若しくは国民年金法の規定による保険料の納付状況につき、官公署に対し、必要な書類の閲覧若しくは資料の提供を求め、又は銀行、信託会社その他の機関若しくは被保険者の雇用主その他の関係者に報告を求めることができる。
2 市町村は、被保険者の資格に関し必要があると認めるときは、他の市町村、組合、第六条第一号から第三号までに掲げる法律の規定による保険者若しくは共済組合又は私立学校教職員共済法の規定により私立学校教職員共済制度を管掌することとされた日本私立学校振興・共済事業団に対し、他の市町村若しくは組合が行う国民健康保険の被保険者、健康保険若しくは船員保険の被保険者若しくは被扶養者、共済組合の組合員若しくは被扶養者又は私立学校教職員共済制度の加入者若しくは被扶養者の氏名及び住所、健康保険法第三条第三項に規定する適用事業所の名称及び所在地その他の必要な資料の提供を求めることができる。