添付一覧
○「使用上の注意」の改訂について
(平成23年2月15日)
(事務連絡)
(日本製薬団体連合会安全性委員会あて厚生労働省医薬食品局安全対策課通知)
別紙1から別紙16に掲げる医薬品について、「使用上の注意」の改訂を行うことが適当であると考えます。
つきましては、貴委員会において、関係業者に対し、添付文書の改訂をできるだけ早い時期に実施し本内容に基づき必要な措置を講じるよう周知徹底方お願いいたします。
別紙1
239 その他の消化器官用薬
【医薬品名】メサラジン(錠剤250mg・500mg、顆粒剤、注腸剤)
【措置内容】以下のように使用上の注意を改めること。
[重要な基本的注意]の項の肝炎に関する記載を
「肝炎、肝機能障害、黄疸が報告されているため、投与中はAST(GOT)、ALT(GPT)等の肝機能をモニターするなど、患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなどの適切な処置を行うこと。」
と改め、[副作用]の「重大な副作用」の項の肝炎、黄疸に関する記載を
「肝炎、肝機能障害、黄疸:
肝炎、AST(GOT)、ALT(GPT)、γ―GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、投与期間中は肝機能検査値に注意するなど、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。」
と改める。
別紙2
239 その他の消化器官用薬
【医薬品名】メサラジン(錠剤400mg)
【措置内容】以下のように使用上の注意を改めること。
[重要な基本的注意]の項に
「肝炎、肝機能障害、黄疸が報告されているため、投与中はAST(GOT)、ALT(GPT)等の肝機能をモニターするなど、患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなどの適切な処置を行うこと。」
を追記し、[副作用]の「重大な副作用」の項の心筋炎、心膜炎に関する記載を
「心筋炎、心膜炎、胸膜炎:
心筋炎、心膜炎、胸膜炎があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、胸部痛、心電図異常、胸水等が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。」
と改め、肝炎に関する記載を
「肝炎、肝機能障害、黄疸:
肝炎、AST(GOT)、ALT(GPT)、γ―GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、投与期間中は肝機能検査値に注意するなど、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。」
と改める。
別紙3
243 甲状腺、副甲状腺ホルモン剤
【医薬品名】乾燥甲状腺
リオチロニンナトリウム
【措置内容】以下のように使用上の注意を改めること。
[副作用]の「重大な副作用」の項に
「副腎クリーゼ:
副腎皮質機能不全、脳下垂体機能不全のある患者では、副腎クリーゼがあらわれることがあるので、副腎皮質機能不全の改善(副腎皮質ホルモンの補充)を十分にはかってから投与すること。全身倦怠感、血圧低下、尿量低下、呼吸困難等の症状があらわれた場合には適切な処置を行うこと。」
を追記する。
別紙4
243 甲状腺、副甲状腺ホルモン剤
【医薬品名】レボチロキシンナトリウム水和物
【措置内容】以下のように使用上の注意を改めること。
[慎重投与]の項に
「低出生体重児、早産児」
を追記し、[副作用]の「重大な副作用」の項に
「副腎クリーゼ:
副腎皮質機能不全、脳下垂体機能不全のある患者では、副腎クリーゼがあらわれることがあるので、副腎皮質機能不全の改善(副腎皮質ホルモンの補充)を十分にはかってから投与すること。全身倦怠感、血圧低下、尿量低下、呼吸困難等の症状があらわれた場合には適切な処置を行うこと。」
「晩期循環不全:
低出生体重児や早産児では、晩期循環不全があらわれることがある。特に極低出生体重児や超早産児で起こりやすく、また、本剤の投与後早期に起こりやすいので、観察を十分に行い、血圧低下、尿量低下、血清ナトリウム低下等があらわれた場合には適切な処置を行うこと。」
を追記し、[小児等への投与]の項を新たに設け、
「低出生体重児、早産児のうち、特に極低出生体重児や超早産児では、晩期循環不全を起こしやすく、また、本剤の投与後早期に起こりやすいので、児の状態(血圧、尿量、血清ナトリウム値等)を観察しながら慎重に投与すること。」
を追記する。
別紙5
249 その他のホルモン剤
【医薬品名】ゴセレリン酢酸塩
【措置内容】以下のように使用上の注意を改めること。
[重要な基本的注意]の項に
「本剤投与部位周囲から出血し、出血性ショックに至った例が報告されているので、以下の点に注意すること。
1)血管を損傷する可能性の少ない部位を選択すること。
2)易出血状態の患者(抗凝固剤を投与している患者等)については、本剤投与の可否を慎重に判断すること。」
を追記し、[適用上の注意]の項の皮下投与に関する記載の
「投与部位は前腹部の皮下とする。」
を削除し、
「血管を損傷する可能性の少ない投与部位を慎重に選択すること。」
を追記する。
別紙6
259 その他の泌尿生殖器官及び肛門用薬
【医薬品名】オキシブチニン塩酸塩
【措置内容】以下のように使用上の注意を改めること。
[副作用]の「重大な副作用」の項に
「尿閉:
尿閉があらわれることがあるので、観察を十分に行い、症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。」
を追記する。
別紙7
399 他に分類されない代謝性医薬品
【医薬品名】ピルフェニドン
【措置内容】以下のように使用上の注意を改めること。
[副作用]の「重大な副作用」の項に
「無顆粒球症、白血球減少、好中球減少:
無顆粒球症、白血球減少、好中球減少があらわれることがあるので、定期的に血液検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。」
を追記する。
別紙8
423 抗腫瘍性抗生物質製剤
【医薬品名】アクチノマイシンD
【措置内容】以下のように使用上の注意を改めること。
[副作用]の「重大な副作用」の項に
「中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形紅斑:
中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、多形紅斑があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。」
を追記する。
別紙9
429 その他の腫瘍用薬
【医薬品名】シスプラチン(動注用製剤を除く)
【措置内容】以下のように使用上の注意を改めること。
[副作用]の「重大な副作用」の項に
「白質脳症(可逆性後白質脳症症候群を含む):
白質脳症(可逆性後白質脳症症候群を含む)があらわれることがあるので、歩行時のふらつき、舌のもつれ、痙攣、頭痛、錯乱、視覚障害等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。」
を追記する。
別紙10
429 その他の腫瘍用薬
【医薬品名】タモキシフェンクエン酸塩
【措置内容】以下のように使用上の注意を改めること。
[副作用]の「重大な副作用」の項の重篤な肝障害に関する記載を
「劇症肝炎、肝炎、胆汁うっ滞、肝不全:
劇症肝炎、肝炎、胆汁うっ滞等の重篤な肝障害があらわれることがある。また、肝不全に至ることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。」
と改める。
別紙11
615 主としてグラム陽性・陰性菌、リケッチア、クラミジアに作用するもの
【医薬品名】ミノサイクリン塩酸塩(経口剤、注射剤)
【措置内容】以下のように使用上の注意を改めること。
[副作用]の「重大な副作用」の項に
「薬剤性過敏症症候群:
初期症状として発疹、発熱がみられ、さらにリンパ節腫脹、肝機能障害等の臓器障害、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、ヒトヘルペスウイルス6(HHV―6)等のウイルスの再活性化を伴うことが多く、投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。」
を追記する。
別紙12
624 合成抗菌剤
【医薬品名】プルリフロキサシン
【措置内容】以下のように使用上の注意を改めること。
[副作用]の「重大な副作用」の項に
「中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形紅班があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。」
「間質性肺炎があらわれることがあるので、発熱、咳嗽、呼吸困難、肺音の異常(捻髪音)等が認められた場合には、速やかに胸部X線、胸部CT、血清マーカー等の検査を実施し、異常が認められた場合には、投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。」
を追記する。
別紙13
625 抗ウイルス剤
【医薬品名】リバビリン(カプセル剤)
【措置内容】以下のように使用上の注意を改めること。
[用法・用量に関連する使用上の注意]の項のインターフェロンアルファ―2b(遺伝子組換え)又はペグインターフェロンアルファ―2b(遺伝子組換え)との併用の場合の投与期間に関する記載を
「セログループ1(ジェノタイプⅠ(1a)又はⅡ(1b))で血中HCV RNA量が高値の患者における通常の投与期間は48週間である。
インターフェロンアルファ―2b(遺伝子組換え)又はペグインターフェロンアルファ―2b(遺伝子組換え)との併用の場合、臨床試験の結果より、投与中止例では有効性が低下するため、減量・休薬などの処置により可能な限り48週間投与することが望ましい。なお、24週間以上の投与で効果が認められない場合、投与の中止を考慮すること。」
と改め、[重要な基本的注意]の項の長期投与に関する記載を
「C型慢性肝炎に対する本剤の単独療法は無効である。本剤はインターフェロンアルファ―2b(遺伝子組換え)、ペグインターフェロンアルファ―2b(遺伝子組換え)又はインターフェロンベータと併用するが、48週を超えて投与した場合の安全性・有効性は確立していない。」
と改め、[副作用]の「重大な副作用」の項の〈インターフェロンベータとの併用の場合〉に
「せん妄、幻覚:
観察を十分に行い、異常があらわれた場合には、投与継続の可否について検討すること。症状の激しい場合及び減量しても消失しない場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。」
「間質性肺炎:
発熱、咳嗽、呼吸困難等の呼吸器症状、また、胸部X線異常があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。また、咳嗽、呼吸困難等があらわれた場合には直ちに連絡するよう患者に対し注意を与えること。」
「心不全:
観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。」
「溶血性尿毒症症候群(HUS):
血小板減少、貧血、腎不全を主徴とする溶血性尿毒症症候群(HUS)があらわれることがあるので、定期的に血液検査(血小板数、赤血球数、末梢血液像等)及び腎機能検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。」
「ネフローゼ症候群:
血清総蛋白減少、血清アルブミン低下を伴う重篤な蛋白尿が認められることがあるので、定期的に尿検査(尿蛋白)を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。」
を追記する。
別紙14
639 その他の生物学的製剤
【医薬品名】インターフェロンベータ
(リバビリンとの併用の用法を有する製剤)
【措置内容】以下のように使用上の注意を改めること。
[用法・用量に関連する使用上の注意]の項のリバビリンとの併用によるC型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善の場合の投与期間に関する記載を
「本剤及びリバビリンの投与期間は、臨床効果(HCV―RNA、ALT等)及び副作用の程度を考慮しながら慎重に決定すること。特に白血球数、好中球数、血小板数、ヘモグロビン濃度の変動に注意し、異常が認められた場合には、用量の変更あるいは投与の中止について考慮すること。
HCVセログループ1で血中HCV―RNA量が高値の患者における通常の投与期間は48週間である。それ以外の患者における通常の投与期間は24週間である。」
と改め、[重要な基本的注意]の項の長期投与に関する記載を
「本剤を長期投与する場合には、臨床効果及び副作用の程度を考慮し、投与を行い、効果が認められない場合には投与を中止すること。なお、C型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善でリバビリンと併用する場合には48週(総投与量として93,600万国際単位)、C型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善では、34~36週(総投与量として39,900万国際単位)を超えて投与した場合の有効性、安全性は確立していない。」
と改め、[副作用]の「重大な副作用」の項の〈リバビリンとの併用の場合〉に
「せん妄、幻覚:
観察を十分に行い、異常があらわれた場合には、投与継続の可否について検討すること。症状の激しい場合及び減量しても消失しない場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。」
「間質性肺炎:
発熱、咳嗽、呼吸困難等の呼吸器症状、また、胸部X線異常があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。また、咳嗽、呼吸困難等があらわれた場合には直ちに連絡するよう患者に対し注意を与えること。なお、類薬(インターフェロンアルファ製剤)と小柴胡湯との併用で間質性肺炎があらわれたとの報告があるため、小柴胡湯との併用を避けること。」
「心不全:
観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。」
「溶血性尿毒症症候群(HUS):
血小板減少、貧血、腎不全を主徴とする溶血性尿毒症症候群(HUS)があらわれることがあるので、定期的に血液検査(血小板数、赤血球数、末梢血液像等)及び腎機能検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。」
「ネフローゼ症候群:
血清総蛋白減少、血清アルブミン低下を伴う重篤な蛋白尿が認められることがあるので、定期的に尿検査(尿蛋白)を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。」
を追記する。
別紙15
漢方製剤
【医薬品名】一般用医薬品
温清飲
五淋散
【措置内容】以下のように使用上の注意を改めること。
[相談すること]の項に
「次の場合は、直ちに服用を中止し、この文書を持って医師又は薬剤師に相談すること
服用後、次の症状があらわれた場合
まれに下記の重篤な症状が起こることがあります。その場合は直ちに医師の診療を受けること。
間質性肺炎:せきを伴い、息切れ、呼吸困難、発熱等があらわれる。」
を追記する。
別紙16
漢方製剤
【医薬品名】一般用医薬品
三黄瀉心湯
【措置内容】以下のように使用上の注意を改めること。
[相談すること]の項に
「次の場合は、直ちに服用を中止し、この文書を持って医師又は薬剤師に相談すること
服用後、次の症状があらわれた場合
まれに下記の重篤な症状が起こることがあります。その場合は直ちに医師の診療を受けること。
間質性肺炎:せきを伴い、息切れ、呼吸困難、発熱等があらわれる。
肝機能障害:全身のだるさ、黄疸(皮ふや白目が黄色くなる)等があらわれる。」
を追記する。