添付一覧
○改良医療機器の製造販売承認申請書添付資料作成に際し留意すべき事項について
(平成23年1月31日)
(薬食機発0131第1号)
(各都道府県衛生主管部(局)長あて厚生労働省医薬食品局審査管理課医療機器審査管理室長通知)
改良医療機器に関する製造販売承認申請上の取扱いについては、平成21年3月27日付け薬食機発第0327001号厚生労働省医薬食品局審査管理課医療機器審査管理室長通知「薬事法関係手数料の一部改正に伴う医療機器の製造販売承認申請に係る留意事項について」(以下「手数料令通知」という。)中第3.手数料区分の選定に当たっての留意事項の項において示されています。
今般、改良医療機器の製造販売承認申請書に添付すべき資料(以下「製造販売承認申請書添付資料」という。)の取扱い及び作成上の留意点を下記のとおり定めたので、御了知の上、貴管下関係団体、関係機関等に周知方御配慮お願いします。
なお、本通知の写しを独立行政法人医薬品医療機器総合機構理事長、日本医療機器産業連合会会長、米国医療機器・IVD工業会会長、欧州ビジネス協会協議会医療機器委員会委員長及び薬事法登録認証機関協議会代表幹事あて送付することを申し添えます。
記
第1.本通知の適用範囲
薬事法(昭和35年法律第145号。以下「法」」という。)第14条第1項及び第9項並びに法第19条の2第1項の規定に基づく医療機器の製造販売承認申請のうち、手数料令通知中第3.手数料区分の選定に当たっての留意事項の項に示される改良医療機器の区分に該当する医療機器(以下「対象医療機器」という。)の製造販売承認申請を対象とする。これらにあっては、平成17年2月16日付け薬食機発第0216001号厚生労働省医薬食品局審査管理課医療機器審査管理室長通知「医療機器の製造販売承認申請に際し留意すべき事項について」(以下「承認申請留意事項通知」という。)の第3によらず、本通知に基づいて製造販売承認申請書添付資料を作成すること。
第2.製造販売承認申請書添付資料の基本的考え方
対象医療機器に該当するものとして申請される製造販売承認申請書添付資料は、医療機器規制国際整合化会議(Global Harmonization Task Force:GHTF)において合意されているサマリー・テクニカル・ドキュメント(STED)の形式に従って編集することとする。なお、この場合においては、別に平成17年2月16日付け薬食機発第0216003号厚生労働省医薬食品局審査管理課医療機器審査管理室長通知「医療機器の製造販売承認申請書添付資料概要作成の手引きについて」(以下「添付資料概要通知」という。)により求めている添付資料概要の作成、並びに製造販売承認申請書と重複する内容の製造販売承認申請書添付資料への記載は要しないこと並びに試験成績書及び自己宣言書等に関する資料は製造販売承認申請書添付資料の末尾に添付することとする。
また、本通知は特定の種類の医療機器を想定したものではなく、対象医療機器全般の製造販売承認申請書に添付すべき資料の取扱い及び作成上の留意点を示したものであるので、個別の対象医療機器(以下「申請品目」という。)に係る製造販売承認申請書添付資料の作成に当たっては、本通知を参考にしつつ、申請品目に必要な範囲の項目について適切に作成すること。
第3.一般的留意事項
1.用紙の大きさは日本工業規格A4判を用い、邦文で記載することとし、原則、両面印刷とすること。また、ページは通しでつけること。
2.製造販売承認申請書添付資料の全体の構成は、原則として別紙1の通りとし、申請した医療機器の特性に応じ、添付が不要な項目を除いて作成すること。
3.表紙の次(表紙の裏面)に略号一覧表を掲載し、続いて製造販売承認申請書添付資料全体の目次を記載すること。
4.記載に当たっては、資料等に基づく事実と申請者としての考察ないし解釈等とを明確に区別し、資料等に基づくもののうち、参考資料とするものがある場合は、参考資料である旨を明確にすること。
5.重複記載をできる限り避け、製造販売承認申請書添付資料の他の部分を引用する場合は、参照すべき事項の記載箇所を明記するなどの方法を講じること。
6.その他、次の点に留意すること。
(1) できる限り見出しを用い、また、記述はなるべく箇条書きにすること。その際、見出し記号、番号の付け方にも留意すること。
(2) 活字は見やすい大きさのものを使用し、強調する場所等については、適宜、ゴシック体を用いること。
(3) 適切な箇所において改行、改ページを行うこと。
(4) 折り込みは特に必要な場合に限り行うこと。
(5) 測定値等の数値には必ず単位(原則としてSI単位)を明記すること。
(6) 正しい学術用語を使用すること。特に翻訳の場合には注意すること。専門家の校閲を受けることが望ましい。
(7) 図表のタイトルは、その内容が明確に判断できるようなものにすること。
(8) 図表を原著からそのまま引用する場合、原著の引用文献番号及び掲載ページ数を記載すること。
(9) 図表を原著からそのまま引用せず修飾する場合は、その旨を記載すること。
(10) 文献を引用して記載した場合、そのページの下欄又は各区分の末尾に引用文献名をまとめて記載し、当該文献を添付すること。
(11) 統計解析の結果を示す場合は、解析方法を明示し、サンプルサイズ、平均値、標準偏差等の基本的な統計量及び検定統計量、p値等の検定結果を記載すること。また、必要に応じて点推定値とともに区間推定値も示すこと。解析結果を図示できる場合はできる限り図を用いること。
(12) 検定を行った場合は、検定方法を示し、有意な場合には適切な記号で有意水準を表示すること。複雑になる場合は、説明を加えるなど適切な処置をとること。
(13) 初期値は必要に応じて記載すること。
第4.各項目における留意事項
[1.品目の総括]
[1.1 品目の概要]
別紙2に従い申請品目の概要を説明すること。
[1.2 設計開発の経緯]
(1) 申請品目を開発するに至った背景から申請までの経緯について、申請品目の設計開発の概要を説明すること。
記載に当たっては、以下に留意し、申請品目ごとに適切な項目を設け、わかりやすい構成とすること。
①申請品目の設計開発コンセプトを簡潔に記載すること。
②設計開発の各過程(設計開発に着手した経緯、外国における申請及び許認可の時期(原則、年月日)、設計要求事項の確定、設計の検証、妥当性の確認、開発過程における設計の変更)において、いかに検討を進めてきたものであるのか、リスクマネジメントの実施状況も踏まえてわかりやすく説明すること。
その際、申請品目の品質、耐久性、信頼性、安全性、使用目的、効能又は効果、性能、使用価値等を評価するために必要となるすべての項目を記載すること。
また、設計開発過程において問題になったことがあった場合、及び当初の計画を変更した場合には、その内容・理由と対応の妥当性について説明すること(例:導入先国の使用目的や対象患者、品目仕様などが著しく異なる等)。
③独立行政法人医薬品医療機器総合機構による対面助言を利用した場合は、その助言に基づく対応を付記するとともに、対面助言の記録を参考資料として添付すること。
(2) その他設計開発の経緯に関する記載に当たっては、以下に主な留意事項を示したので参考とされたいこと。
①申請品目の設計開発に着手した経緯に関すること
ア)申請品目と構造、使用方法等が類似する医療機器(複数の医療機器と類似する場合を含む。以下同じ。)に係る一般的な臨床使用の状況を簡潔に述べるとともに、申請品目がどのような意図、経緯、理由において開発されたものであるかについて記載すること。
イ)説明に際して、申請品目と類似する医療機器がある場合には、類似する医療機器に比べて何が新しいのか、どこが異なるのかについて明確にすること。また、類似する医療機器の仕様や特性等に言及し、申請品目と類似する医療機器とで異なる部分(以下「差分」という。)の有無及びその概要について記載するとともに、差分と設計開発のコンセプトとの関連について説明すること。
ウ)申請品目と構造・原理は同一で、型式、エネルギー出力、適用部位、使用目的等が異なる医療機器を開発している場合は、その概略を付記すること。
エ)既に製造販売承認等を取得している医療機器の製造販売承認事項一部変更承認申請の場合は、既承認品目の国内における不具合の発生状況を記載すること。
②申請品目の設計仕様の概要及び設計仕様を定めるに当たって考慮した事項に関すること
ア)設計開発のコンセプトに基づいて、申請品目の設計仕様(技術要件等)をどのように定めたかについて説明すること。
イ)説明に際して、申請品目の設計仕様を定めるに当たって参考とした類似する医療機器に関する技術要件等を説明しつつ、申請品目における技術要件等の差分を具体的に記載すること。
ウ)類似する医療機器との差分については、必要に応じて図示又は差分の技術要件等の数値化などにより具体的に記載すること。
エ)申請品目の設計仕様(技術要件等)を定めるに当たって、リスクマネジメントの観点から講じた措置がある場合にはその内容を簡潔に記載すること。
オ)安全性等の確保のために参照した基準又は規格等があり、それを設計仕様に含めた場合は、その旨を記載すること。
カ)下表に基づき、類似する医療機器との比較を行い、差分の有無及び差分の程度が明確になるように記載すること。なお、記載に当たっては、できるだけ最新の情報に基づき、医療上の有用性を考慮して記載すること。
(i)申請品目の特性に応じて適切な項目を選択して、比較すること。構造・原理、原材料、品目仕様については比較する項目の設定に十分留意すること。なお、比較対象とした資料の出典等を記載すること。
(ii)再審査・再評価が終了している場合は、再審査・再評価年月日も記載すること。
(iii)対照機器を用いた比較臨床試験(盲検試験を含む。)を実施した場合にあっては、下表の作成に当たり、原則として、対照機器として使用した医療機器を申請する医療機器の次に記載し、備考欄に比較臨床試験の種類とその試験における対照機器である旨を記載すること。
表.類似する医療機器との差分に関する情報
(注1) |
申請品目 |
類似する医療機器 |
差分に関する情報(注2) |
一般的名称 |
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販売名 |
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製造販売業者等 |
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承認番号(注3) |
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承認年月日(注3) |
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使用目的、効能又は効果 |
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形状、構造 |
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原理 |
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原材料 |
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・・・・・・ |
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・・・・・・ |
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注1:比較する項目については、申請品目の特性に応じて、類似する医療機器との差分が明確になるよう適切な項目を選択するとともに、その内容をもれなく記載すること。
注2:差分に関する情報については、具体的な記載を行うこととするが、類似する医療機器と同一である場合は「差分なし」と記載することで差し支えない。
注3:類似する医療機器が認証品目又は届出品目の場合は、認証番号並びに認証年月日又は届出番号並びに届出年月日を記載すること。
③設計仕様に基づき、申請品目の品質、有効性及び安全性が確保されているとみなせることを検証した結果に関すること
ア)機器の設計検証及び妥当性確認の概要について「4.2機器の設計検証及び妥当性確認の概要」及び「4.3臨床試験の試験成績」をもとに、期待する検証結果が得られていることについて簡潔に記載すること。
イ)設計検証及び妥当性確認に関する各試験の開始及び終了の年月日を年次順に記載した経緯図を作成すること。その際、各試験で使用した検体が申請品目と異なる場合は、検体の変更の経緯と変更内容の概要について付記すること。
ウ)共同開発の場合は、作業分担表(参加・参画業者名、承認申請形態、作業分担)を作成すること。なお、作業分担に関する記載を本項イの経緯図中に入れても差し支えない。
エ)非臨床試験及び臨床試験を開始した時期並びに非臨床試験から臨床試験に移行した判断根拠を記述すること。それらが類似する医療機器と異なる場合は、相違点及びその妥当性を説明すること。
オ)臨床試験成績を添付しない場合は、その理由について説明すること。
カ)設計開発のコンセプトの達成に関する考察を記載すること。
[1.3 外国における使用状況]
(1) 申請品目が外国において使用されている医療機器である場合は、GHTF創設国(日米欧加豪の5極)等主要な諸外国における使用状況について記載すること。輸入品であって、輸入先国で使用されていない場合には、その理由を記載すること。
(2) 国ごとに、国名、当該国における販売名、許認可の年月日及び使用目的、効能又は効果等について、表形式を用いて簡潔に記載すること。
(3) 外国での使用において報告されている不具合の発現状況について、不具合の種類、発生頻度等の概略を一覧表として記載すること。
(4) 記載に当たっては、調査年月を明らかにすること。
(5) 製造販売承認申請書添付資料提出後に記載事項の変更があった場合は、適時報告すること。特に、申請中の主要国で認可又は不認可の決定があった場合、及び生命の危険に直結する可能性が相対的に高いと考えられる不具合の発生頻度に変更があった場合等にあっては、独立行政法人医薬品医療機器総合機構審査マネジメント部に速やかに文書により報告すること。
(6) 不具合の発生状況に基づき、製造販売承認申請書添付資料を改訂する場合は、その都度最新情報に改訂すること。
[2.基本要件と基本要件への適合性]
[2.1 参照規格一覧]
薬事法第41条第3項の規定により厚生労働大臣が定める医療機器の基準(平成17年厚生労働省告示第122号)(以下「基本要件」という。)への適合性を示すために用いた規格について、出典、年号、規格番号などとともに一覧表として記載すること。
[2.2 基本要件及び適合性証拠]
(1) 基本要件の項目ごとにその適合性を説明すること。
(2) 基本要件に適合することを説明するために利用する試験成績書又は試験結果については、「4.設計検証及び妥当性確認文書の概要」、「6.リスクマネジメント」、「7.製造に関する情報」等に記載されるものであるので、本項では、基本要件の項目ごとにその試験成績書又は試験結果がどこに記載されているかについて示すこと。
(3) 基本要件への適合性を説明するために用いた規格及び基準等を申請品目に適用することの妥当性を説明するとともに、得られた試験結果により基本要件への適合性を説明すること。
(4) 利用する規格及び基準等がない場合は、基本要件への適合性を説明するために行う試験の方法等を記載し、その妥当性を説明するとともに、得られた試験結果により基本要件への適合性を説明すること。
[3.機器に関する情報]
機器に関する以下の情報について記載すること。なお、製造販売承認事項一部変更承認申請の場合は、以下のうち変更に係る項目についてのみ記載することで差し支えないこと。
[3.1 原材料]
製造販売承認申請書の「原材料又は構成部品」欄に規定する以外の原材料に関する情報がある場合、当該原材料名等必要な情報を記載すること。
[3.2 品目仕様]
(1) 基本要件、参考とする規格・基準、類似する医療機器の品目仕様等を踏まえ、製造販売承認申請書の「品目仕様」欄に記載した仕様の設定根拠について、試験又は確認方法等に基づいて当該申請品目の品質、有効性及び安全性を保証するのに必要かつ十分なものであることを説明すること。国内外の適当な規格・基準を採用する場合は、それを採用することの科学的妥当性について説明すること。
(2) 類似する医療機器において通常設定されている項目を設定しない場合は、その理由を説明すること。
[3.3 貯蔵方法及び有効期間]
製造販売承認申請書の「貯蔵方法又は有効期間」欄に記載した内容の妥当性等を説明すること。
製造販売承認申請書の「貯蔵方法及び有効期間」欄を空欄とした場合は、その理由を説明すること。
[3.4 その他の情報]
製造販売承認申請書に規定する以外に必要な情報がある場合に、具体的に記載すること。
[4.設計検証及び妥当性確認文書の概要]
[4.1 規格への適合宣言]
申請品目が、基本要件、医療機器の製造管理及び品質管理規則に適合して製造されるものである旨の自己宣言書の内容を記載し、自己宣言書を別途添付すること。
なお、自己宣言書は、ISO 17050―1「Conformity assessment-Supplier'sdeclaration of conformity Part1:General requirement」に従って作成することが望ましい。
[4.2 機器の設計検証及び妥当性確認の概要]
申請品目に係る設計検証及び妥当性確認のために実施した機器の有効性及び安全性を裏付ける試験等の結果について、以下により簡潔に記載し、試験成績書を別途添付すること。
なお、International Laboratory Accreditation Cooperation(ILAC)若しくはAsia Pacific Laboratory Accreditation Cooperation(APLAC)に加盟する認定機関による国際標準化機構の定める試験所並びに校正機関の能力に関する一般要求事項(ISO17025)適合の認定を受けた機関若しくは工業標準化法(昭和24年法律第185号)第57条第1項に基づく登録(JNLA登録)を受けた機関によって規格への適合が確認されている場合は、その旨記載の上、その適合証明書を添付することで差し支えないこと。
(1) 「総括」として、申請品目に係る設計検証及び妥当性確認のために実施した有効性及び安全性を裏付ける試験等について、試験項目、試験方法、試験結果、実施施設、資料番号等を一覧表とし、試験ごとに概略を記載すること。また、申請時点における科学技術との水準に照らし、実施した試験項目をもって有効性及び安全性に関する評価が必要かつ十分なものであると判断した根拠を併せて記載すること。
(2) 「総括」には、有効性及び安全性を裏付ける試験等の結果と品目仕様との関連についての考察も記載すること。
(3) 類似する医療機器において通常実施する試験等を行わなかった場合は、その理由を「総括」に記載すること。
(4) 申請品目に係る設計検証及び妥当性確認は、必ずしも試験による検証を求めるものではなく、入手できる情報に基づき合理的かつ科学的に評価できる場合にあっては、その評価結果を説明することで差し支えないこと。
(5) 使用した試験検体の妥当性について説明すること。
(6) 「総括」に続いて、試験ごとに、試験方法及び試験結果を一覧表として要約するとともに必要な考察を記載すること。試験結果はできる限り図表化して説明すること。
(7) 以下に試験ごとの主な留意事項を示したので参考とされたいこと。
①物理的、化学的特性
物理的、化学的性質について、設定項目とその試験結果の概略を記載すること。項目の設定に当たっては、申請品目の特性を十分考慮して適切な項目を設定すること。
歯科材料又は高分子材料等を応用した医療機器にあっては、配合成分の特性が医療機器の本質に係るものであるので、当該材料の特性に応じ、化学構造、赤外吸収、紫外吸収、原子吸収、融点、沸点、耐久性、硬度、色調、溶出物、表面特性等について記載すること。
なお、歯科材料の物理的、化学的性質に関する項目の設定については、平成19年8月31日付け薬食機発第0831002号厚生労働省医薬食品局審査管理課医療機器審査管理室長通知「歯科材料の製造販売承認申請等に必要な物理的・化学的及び生物学的試験の基本的考え方について」を、歯科器械については平成22年8月31日付け薬食機発0831第2号厚生労働省医薬食品局審査管理課医療機器審査管理室長通知「歯科器械の製造販売承認申請に必要な電気的安全性評価及び物理的・化学的評価の基本的考え方について」をそれぞれ参考とすること。
②電気的安全性及び電磁両立性
電気的安全性に関する試験についてはJIS T 0601―1(医用電気機器―第1部:安全に関する一般的要求事項)等に、電磁両立性に関する試験についてはJIS T 0601―1―2(医用電気機器―策1部:安全に関する一般的要求事項―第2節:電磁両立性―要求事項及び試験)等にそれぞれ規定する試験方法に合致しない試験については、合致しない箇所及びその理由並びに当該試験の妥当性を記載すること。
なお、歯科器械の電気的安全性及び電磁両立性に関する項目の設定については、平成22年8月31日付け薬食機発0831第2号厚生労働省医薬食品局審査管理課医療機器審査管理室長通知「歯科器械の製造販売承認申請に必要な電気的安全性評価及び物理的・化学的評価の基本的考え方について」を参考とすること。
③生物学的安全性
生物学的安全性に関する試験結果として、陽性、陰性、IC50値、病理組織学的検査結果等を記載すること。
JIS T 0993―1(医療機器の生物学的評価―第1部:評価及び試験)及び平成15年2月13日付け医薬審第0213001号厚生労働省医薬食品局審査管理課長通知「医療用具の製造(輸入)承認申請に必要な生物学的安全性試験の基本的考え方について」をそれぞれ参考とすること。
また、歯科材料については、平成19年8月31日付け薬食機発第0831002号厚生労働省医薬食品局審査管理課医療機器審査管理室長通知「歯科材料の製造販売承認申請等に必要な物理的・化学的及び生物学的試験の基本的考え方について」を参考とすること。
④放射線に関する安全性
放射線に関する安全性の試験方法として、検体、測定方法、許容値又は許容偏差等を記載すること。
また、医療法施行規則(昭和23年厚生省令第50号)第4章第2節等、医療機器関係法令に対する適合性について記載すること。
個別の医療機器を対象とする基準に規定する試験方法に合致しない試験については、合致しない箇所及びその理由並びに当該試験の妥当性を記載すること。
⑤機械的安全性
機械的安全性に関する試験方法として、検体、測定方法、許容値又は許容偏差等を記載すること。
医用電気機器の場合、JIS T 0601―1(医用電気機器―第1部:安全に関する一般的要求事項)等に規定する試験方法に合致しない試験については、合致しない箇所及びその理由並びに当該試験の妥当性を記載すること。
⑥安定性及び耐久性
放射線滅菌済みの医療機器にあっては、滅菌による材質劣化に関する事項、貯蔵方法及び使用期限の設定の要否に関する考察を記載すること。
試験(長期保存試験、加速試験、苛酷試験等)ごとに、試験方法、試験条件、測定項目、保存期間の概略を一覧表として記載するとともに、試験方法の設定根拠を記載すること。
長期保存試験の終了前に申請する場合は、平成20年9月5日付け薬食機発第0905001号厚生労働省医薬食品局審査管理課医療機器審査管理室長通知「医療機器の有効期間の設定と安定性試験について」の別添の3によること。
再滅菌して使用することを前提とする医療機器については、再滅菌による影響についても説明すること。
⑦性能
性能を裏付ける試験について、試験項目とその試験結果の概略を記載すること。
性能を裏付ける試験の結果と品目仕様との関連についての考察を記載すること。
⑧効能及び作用機序
効能を裏付ける試験及び作用機序に関する試験について、試験項目、試験方法、使用方法(用法・用量)、使用期間、対照機器、試験結果、実施施設、資料番号等を一覧表とし、試験ごとに概略を記載するとともに、必要な考察を記載すること。
作用機序に関する検討経過について記載するとともに、効能を裏付ける試験の結果及び作用機序に関する試験の結果と申請した効能・効果との関連について考察すること。ただし、既存の医療機器と同じ効能を有する場合は、記載を要しないこと。
⑨使用方法
使用方法の設定の根拠となる試験について、試験項目、試験方法、使用方法(用法・用量)、試験結果、実施施設、資料番号等を一覧表とし、試験ごとに概略を記載するとともに、使用方法、使用量等の設定の根拠を記載すること。
また、必要に応じて申請品目の不具合との関連についても考察すること。ただし、既存の使用方法と同じ場合は、記載を要しないこと。
[4.3 臨床試験の試験成績]
(1) 「総括」として、実施した臨床試験について、試験目的、試験の種類(比較臨床、一般臨床等)、対象、症例数、使用方法(又は操作方法)、検査・観察項目、使用期間、観察期間、治験期間、代表施設名、資料番号等を一覧表とし、試験ごとに概略を記載するとともに、必要な考察を行うこと。
(2) 類似する医療機器において通常実施する試験方法によらなかった場合は、その理由を記載するとともに、実施した試験結果により、申請品目の品質、有効性及び安全性を適切に評価できると判断した根拠を説明すること。
(3) 臨床試験を行わなかった場合は、その理由を記載するとともに、性能試験、動物試験等の非臨床試験成績の結果又は既存の文献等のみで申請品目の品質、有効性及び安全性を適切に評価できると判断した根拠を説明すること。
[4.3.1 臨床試験成績]
(1) 試験ごとに試験方法(試験目的、試験の種類、対象、選択基準、除外基準、症例数、使用方法(又は操作方法)、検査・観察項目及び時期、使用期間、観察期間、併用療法、治験期間(観察期間を含む。)、評価方法・評価基準、代表施設名及び施設数、治験調整医師若しくは代表施設の治験責任医師等)及び試験成績の概略を一覧表としてまとめること。
(2) 対象、選択基準、除外基準、症例数及び使用方法(又は操作方法)等の設定の根拠、症例構成の内訳(安全性評価対象症例数、有効性評価対象症例数等)、中止・脱落・プロトコール逸脱等の症例の理由と内訳、患者背景(性別、年齢、入院・外来の別、原疾患、使用前重症度、罹病期間、合併症、使用期間、使用量等)、サブグループ又は層別による解析、試験成績(有効性、安全性に関する結果を詳細に記載する。)、結論を記載すること。これらの記載は、可能な限り表を活用すること。
(3) 不具合については、試験別・不具合の種類別発現頻度一覧表、背景因子別・不具合の種類別発現頻度一覧表、不具合(症例)一覧表(有害事象が発現したものは、重篤度、必要となった治療、転帰及び治験機器との因果関係に関する担当医師の判定、症状の詳細、経過、担当医師等のコメントを記載する。)等を作成し、不具合の発現状況と処置、経過等の要約を記載すること。
(4) 重篤な不具合・死亡例については、経過等を含めた症例表を作成し、治験機器との関連について、医師の判断も含めた考察を記載すること。
(5) 臨床検査を実施した場合は、試験別・臨床検査値異常変動一覧表、臨床検査値異常変動症例一覧表及び変動を示す適切な臨床検査値変動図を作成し、要約を記載すること。
(6) 比較試験を行った場合は、対照機器の選択理由を記載すること。
(7) 臨床試験報告書及び症例一覧表を別途添付すること。
[4.3.2 臨床試験成績のまとめ]
(1) 有効性のまとめ
試験別・背景因子別有効性一覧表等を作成し、結論を記載すること。
(2) 安全性のまとめ
臨床試験成績の項に記載した安全性に関する試験成績を要約し、結論を記載すること。
[4.3.3 その他]
必要に応じて、参考として外国での臨床試験成績の要約を記載すること。
[5.ラベリング]
[5.1 添付文書(案)]
(1) 添付文書(案)のうち、「警告」欄、「禁忌・禁止」欄及び「使用上の注意」欄について、非臨床試験、臨床試験の成績又は文献、類似する医療機器の添付文書等に基づき、設定根拠を記載すること。
(2) 平成16年7月20日付け薬食発第0720022号厚生労働省医薬食品局長通知「薬事法第二条第五項から第七項までの規定により厚生労働大臣が指定する高度管理医療機器、管理医療機器及び一般医療機器(告示)及び薬事法第二条第八項の規定により厚生労働大臣が指定する特定保守管理医療機器(告示)の施行について」(平成17年3月11日付け薬食発第0311005号において改正。以下「クラス分類通知」という。)別添のクラス分類において、クラスⅣに分類される医療機器に該当する品目並びにクラスⅢに分類される医療機器のうち埋込み又は留置を行うもの若しくは不具合が生じた場合生命の危険に直結する可能性が相対的に高いと考えられる品目にあっては、主たる使用国の添付文書等と比較し、「警告」欄、「禁忌・禁止」欄、「使用上の注意」欄及び主たる使用国の添付文書等と異なる記載箇所について、それぞれ設定根拠を記載すること。
(3) リスク分析の結果として、添付文書に注意事項等を反映させた箇所については、リスク分析に基づく対応であることがわかるように記載すること。
(4) 「使用目的、効能又は効果」欄について、設定根拠を記載すること。
(5) 「操作方法又は使用方法」欄について、設定根拠を記載すること。
[6.リスクマネジメント]
(1) 申請品目に対して実施されたリスクマネジメントの概要を記載すること。
(2) JIS T 14971「医療機器―リスクマネジメントの医療機器への適用」又は当該規格の原典であるISO 14971「Medical devices-Application of riskmanagement to medical devices」を参照して実施されたリスクマネジメントの概要について、申請書の「製造方法」欄に記載された「製造業者」又は「設計管理を行った者」による説明を基本とするが、申請者(製造販売業者)においてもその内容を評価し、追加の考察を加えること。
[6.1 リスクマネジメントの実施状況]
リスクマネジメントの実施者及び参照した規格を記載すること。
(1) リスクマネジメントの実施者によって、どのような組織及び文書に基づいてリスクマネジメント活動が行われたのかについて、表形式を用いて概要を簡潔に記載すること。
(2) リスクマネジメントを担当した者(部署)を記載するとともに、リスクマネジメントにおける段階ごとの実施状況について、表形式を用いて簡潔に記載すること。
[6.2 安全上の措置を講じたハザード]
申請品目に係るリスクマネジメントにおいて安全上の観点からリスクの低減措置を実施した事項について簡潔に記載すること。
(1) 申請品目に関連性のあるハザード(類似する医療機器に係るものを含む。)であって、厚生労働省等から安全対策上の対応を求められたハザードがある場合は、当該ハザードに係るリスク分析の結果及び実施したリスク低減措置について表形式等を用いて簡潔に記載すること。
(2) 国内の製造業者等であって、設計開発時に既に関連する自主点検通知等が発出されていた場合には、リスク分析を行うに当たり当該通知に示されたハザードを考慮することが可能であるが、設計開発後に関連する通知が発出された場合又は外国で設計・製造された医療機器の場合等にあっては、既に設計開発時のリスクマネジメントが完了している段階において、改めて本項の考察を行う必要が生じることに留意すること。
この場合、製造販売業者又は製造業者が、設計開発時に実施されたリスクマネジメントの結果等を踏まえて適切な考察を行い、表形式等を用いてその内容を簡潔に記載すること。
(3) 設計開発時に実施したリスクマネジメントにおいて、リスク分析を行う対象としたハザードのうち、リスクが許容できないと判断したハザードについて、低減措置の実施内容及びその結果を表形式等を用いて簡潔に記載すること。
(4) リスクの低減措置を実施することによってリスクが許容可能になると判断した合理的理由を記載すること。
(5) 「1.2 設計開発の経緯」において、類似する医療機器との差分に係るハザードを特定し、リスクの低減措置を実施する必要があると判断したものについて、低減措置の実施内容及びその結果を簡潔に記載するとともに、低減措置の実施によりリスクが許容可能になると判断した合理的な理由等が記載された具体的な評価(試験等)資料を明示すること。
(「4.2 機器の設計検証及び妥当性確認の概要」に記載した旨を示すことで差し支えない。)
[7.製造に関する情報]
[7.1 滅菌方法に関する情報]
滅菌医療機器の場合に、以下により記載すること。
(1) 滅菌条件の設定の根拠となる各バリデーションの概略及び滅菌パラメータ等の滅菌条件を記載すること。
(2) エチレンオキサイドガス滅菌を行う品目の場合は、残留エチレンオキサイド濃度等試験の結果を記載すること。
(3) 無菌性保証水準(SAL)を担保するための滅菌条件に関する宣言書及び残留エチレンオキサイド濃度等試験の結果報告書等を別途添付すること。
(4) ウシ等由来原材料を使用する場合は、その原材料の原産国、部位、処理方法、必要に応じTSE資料に関する情報その他の品質・安全性確保の観点から必要な事項を記載すること。
また、ヒト及び動物由来材料を使用する場合にあっては、その起源(ドナースクリーニングの内容を含む。)の妥当性を明らかにすることを含め、ウイルスその他の病原体の製造工程中での除去又は不活化方法のバリデーションに関する試験についても併せて記載すること。
[7.2 品質管理に関する情報]
(1) 品質管理に関する情報として、申請品目の製造工程において実施される受入検査、工程内検査の概要について、表形式等を用いて、検査項目、検査目的、手順概要を記載するとともに、検査項目ごとに製造販売承認申請書に設定した品目仕様との関連性を簡潔に記載すること。
なお、各検査項目と製造販売承認申請書の「製造方法」欄に記載した製造工程のフロー図が対応するようにわかりやすく記載すること。
(2) 製造所が複数ある場合は、製造所ごとに分けて記載することで差し支えない。
[その他(添付する資料)]
規格への適合宣言書、試験成績書、無菌性保証水準(SAL)を担保するための滅菌条件に関する宣言書等その他別添となる資料を「その他(添付する資料)」として末尾に取りまとめて添付し、資料番号を付すとともに目次を設ける等により添付する資料が一覧できるように分かりやすく編集すること。
第5.審査用資料の編集方法
審査用資料として製造販売承認申請書一式の写しを、原則として以下の要領で編集して申請時に提出すること。
①審査用資料送付書
②製造販売承認申請書(写)
③製造販売承認申請書添付資料(本通知により作成した資料)
④その他(添付する資料)
第6.その他
(1) 承認申請留意事項通知の記の第3中及び第4中「後発医療機器及び承認基準に適合する医療機器」を「改良医療機器、後発医療機器及び承認基準に適合する医療機器」に改めること。
(2) 添付資料概要通知の記の第1中「後発医療機器及び承認基準に適合するものとして申請する医療機器」を「改良医療機器、後発医療機器及び承認基準に適合するものとして申請する医療機器」に改める。
(3) 平成23年6月30日までの申請にあっては、承認申請留意事項通知及び添付資料概要通知により作成された添付資料等を提出することで差し支えないこと。
別紙1
製造販売承認申請書添付資料の構成
1.品目の総括
1.1 品目の概要
1.2 設計開発の経緯
1.3 外国における使用状況
2.基本要件と基本要件への適合性
2.1 参照規格一覧
2.2 基本要件及び適合性証拠
3.機器に関する情報
3.1 原材料
3.2 品目仕様
3.3 貯蔵方法及び有効期間
3.4 その他の情報
4.設計検証及び妥当性確認文書の概要
4.1 規格への適合宣言
4.2 機器の設計検証及び妥当性確認の概要
4.3 臨床試験の試験成績
5.ラベリング
5.1 添付文書(案)
6.リスクマネジメント
6.1 リスクマネジメントの実施状況
6.2 安全上の措置を講じたハザード
7.製造に関する情報
7.1 滅菌方法に関する情報
7.2 品質管理に関する情報
別紙2