添付一覧
○食品に残留する農薬、飼料添加物又は動物用医薬品の成分である物質の試験法の一部改正について
(平成22年8月2日)
(食安発0802第1号)
(各都道府県知事・各保健所設置市長・各特別区長あて厚生労働省医薬食品局食品安全部長通知)
今般、農薬、飼料添加物及び動物用医薬品に関する試験法に係る知見の集積等を踏まえ、「食品に残留する農薬、飼料添加物又は動物用医薬品の成分である物質の試験法について」(平成17年1月24日付け食安発第0124001号当職通知。以下「試験法通知」という。)の別添の一部を下記のとおり改正することとしたので、関係者への周知方よろしくお願いする。
なお、改正後の試験法を実施するに際しては、試験法通知別添の第1章総則部分を参考とされたい。
記
1.目次を別紙1のとおり改める。なお、改正部分を下線で示す。
2.第3章個別試験法中「クリスタルバイオレット、ブリリアントグリーン及びメチレンブルー試験法(畜水産物)」に係る部分の次に別紙2の「グリチルリチン酸試験法(畜水産物)」を加える。
[別紙1]
目次
第1章 総則
第2章 一斉試験法
・GC/MSによる農薬等の一斉試験法(農産物)
・LC/MSによる農薬等の一斉試験法Ⅰ(農産物)
・LC/MSによる農薬等の一斉試験法Ⅱ(農産物)
・GC/MSによる農薬等の一斉試験法(畜水産物)
・LC/MSによる農薬等の一斉試験法(畜水産物)
・HPLCによる動物用医薬品等の一斉試験法Ⅰ(畜水産物)
・HPLCによる動物用医薬品等の一斉試験法Ⅱ(畜水産物)
・HPLCによる動物用医薬品等の一斉試験法Ⅲ(畜水産物)
第3章 個別試験法
・ BHC、γ―BHC、DDT、アルドリン及びディルドリン、エタルフルラリン、エトリジアゾール、エンドリン、キントゼン、クロルデン、ジコホール、テクナゼン、テトラジホン、テフルトリン、トリフルラリン、ハルフェンプロックス、フェンプロパトリン、ヘキサクロロベンゼン、ヘプタクロル、ベンフルラリン並びにメトキシクロール試験法(農産物)
・ 2,4―D、2,4―DB及びクロプロップ試験法(農産物)
・ 2,2―DPA試験法(農産物)
・ DCIP試験法
・ DBEDC試験法(農産物)
・ EPN、アニロホス、イサゾホス、イプロベンホス、エチオン、エディフェンホス、エトプロホス、エトリムホス、カズサホス、キナルホス、クロルピリホス、クロルピリホスメチル、クロルフェンビンホス、シアノホス、ジスルホトン、ジメチルビンホス、ジメトエート、スルプロホス、ダイアジノン、チオメトン、テトラクロルビンホス、テルブホス、トリアゾホス、トリブホス、トルクロホスメチル、パラチオン、パラチオンメチル、ピペロホス、ピラクロホス、ピラゾホス、ピリダフェンチオン、ピリミホスメチル、フェナミホス、フェニトロチオン、フェンスルホチオン、フェンチオン、フェントエート、ブタミホス、プロチオホス、プロパホス、プロフェノホス、ブロモホス、ベンスリド、ホキシム、ホサロン、ホスチアゼート、ホスファミドン、ホスメット、ホレート、マラチオン、メカルバム、メタクリホス、メチダチオン及びメビンホス試験法(農産物)
・ EPTC試験法
・ MCPA及びジカンバ試験法
・ Sec―ブチルアミン試験法(農産物)
・ アクリナトリン、シハロトリン、シフルトリン、シペルメトリン、デルタメトリン及びトラロメトリン、ビフェントリン、ピレトリン、フェンバレレート、フルシトリネート、フルバリネート並びにペルメトリン試験法(農産物)
・ アシベンゾラルSメチル試験法
・ アジムスルフロン、ハロスルフロンメチル及びフラザスルフロン試験法
・ アシュラム試験法(農産物)
・ アセキノシル試験法
・ アセタミプリド試験法(農産物)
・ アセフェート、オメトエート及びメタミドホス試験法(農産物)
・ アゾキシストロビン試験法(農産物)
・ アゾキシストロビン、クミルロン及びシメコナゾール試験法(畜水産物)
・ アニラジン試験法(農産物)
・ アミトラズ試験法(農産物)
・ アラクロール、イソプロカルブ、クレソキシムメチル、ジエトフェンカルブ、テニルクロール、テブフェンピラド、パクロブトラゾール、ビテルタノール、ピリプロキシフェン、ピリミノバックメチル、フェナリモル、ブタクロール、フルトラニル、プレチラクロール、メトラクロール、メフェナセット、メプロニル及びレナシル試験法(農産物)
・ アラニカルブ試験法(農産物)
・ アルジカルブ、アルジカルブスルホキシド、アルドキシカルブ、エチオフェンカルブ、オキサミル、カルバリル、ピリミカーブ、フェノブカルブ及びベンダイオカルブ試験法
・ アルベンダゾール、オキシベンダゾール、チアベンダゾール、フルベンダゾール及びメベンダゾール試験法(畜水産物)
・ アンプロリウム及びデコキネート試験法(畜水産物)
・ イオドスルフロンメチル、エタメツルフロンメチル、エトキシスルフロン、シノスルフロン、スルホスルフロン、トリアスルフロン、ニコスルフロン、ピラゾスルフロンエチル、プリミスルフロンメチル、プロスルフロン及びリムスルフロン試験法(農産物)
・ イソウロン、ジウロン、テブチウロン、トリフルムロン、フルオメツロン及びリニュロン試験法(農産物)
・ イソフェンホス試験法
・ イソメタミジウム試験法
・ イナベンフィド試験法
・ イプロジオン試験法
・ イベルメクチン、エプリノメクチン、ドラメクチン及びモキシデクチン試験法(畜水産物)
・ イマザモックスアンモニウム塩試験法
・ イマザリル試験法
・ イマゾスルフロン及びベンスルフロンメチル試験法
・ イミノクタジン試験法
・ イミベンコナゾール試験法
・ インダノファン試験法
・ ウニコナゾールP試験法
・ エスプロカルブ、クロルプロファム、チオベンカルブ、ピリブチカルブ及びペンディメタリン試験法
・ エチクロゼート試験法
・ エチプロール試験法(農産物)
・ エチプロール試験法(水産物)
・ エテホン試験法(農産物)
・ エトキサゾール試験法
・ エトキシキン試験法
・ エトフェンプロックス試験法
・ エトベンザニド試験法
・ エマメクチン安息香酸塩試験法
・ エンロフロキサシン、オキソリニック酸、オフロキサシン、オルビフロキサシン、サラフロキサシン、ジフロキサシン、ダノフロキサシン、ナリジクス酸、ノルフロキサシン及びフルメキン試験法(畜水産物)
・ オキサジクロメホン及びフェノキサニル試験法
・ オキシテトラサイクリン試験法(農産物)
・ オキシテトラサイクリン、クロルテトラサイクリン及びテトラサイクリン試験法
・ オキスポコナゾールフマル酸塩試験法(農産物)
・ オキソリニック酸試験法(農産物)
・ オクスフェンダゾール、フェバンテル及びフェンベンダゾール試験法
・ オリサストロビン試験法(農産物)
・ オルトフェニルフェノール及びジフェニル試験法(農産物)
・ オルメトプリム、ジアベリジン、トリメトプリム及びピリメタミン試験法(畜水産物)
・ カフェンストロール、ジフェノコナゾール、シプロコナゾール、シメトリン、チフルザミド、テトラコナゾール、テブコナゾール、トリアジメノール、フルジオキソニル、プロピコナゾール、ヘキサコナゾール及びペンコナゾール試験法(農産物)
・ カルタップ、ベンスルタップ及びチオシクラム試験法(農産物)
・ カルプロパミド試験法
・ カルベンダジム、チオファネート、チオファネートメチル及びベノミル試験法(農産物)
・ カルボスルファン、カルボフラン、フラチオカルブ及びベンフラカルブ試験法(農産物)
・ カンタキサンチン試験法
・ キザロホップエチル試験法
・ キノメチオネート試験法
・ キャプタン、クロルベンジレート、クロロタロニル及びホルペット試験法
・ キンクロラック試験法
・ クミルロン試験法
・ クリスタルバイオレット、ブリリアントグリーン及びメチレンブルー試験法(畜水産物)
・ グリチルリチン酸試験法(畜水産物)
・ グリホサート試験法
・ グルホシネート試験法
・ クレトジム試験法
・ クロサンテル試験法
・ クロジナホッププロパルギル試験法(農産物)
・ クロチアニジン試験法(農産物)
・ クロチアニジン試験法(畜産物)
・ クロピラリド試験法(農産物)
・ クロフェンテジン試験法
・ クロリムロンエチル及びトリベヌロンメチル試験法
・ クロルスルフロン及びメトスルフロンメチル試験法
・ クロルフェナピル及びビフェノックス試験法(農産物)
・ クロルフルアズロン、ジフルベンズロン、テブフェノジド、テフルベンズロン、フルフェノクスロン、ヘキサフルムロン及びルフェヌロン試験法
・ クロルメコート試験法
・ ゲンタマイシン試験法
・ 酸化フェンブタスズ試験法
・ 酸化プロピレン試験法(農産物)
・ シアゾファミド試験法(農産物)
・ シアナジン試験法
・ ジアフェンチウロン試験法
・ シアン化水素試験法(農産物)
・ ジクラズリル及びナイカルバジン試験法
・ シクロキシジム試験法
・ ジクロシメット試験法
・ シクロスルファムロン試験法
・ ジクロフルアニド及びトリルフルアニド試験法(農産物)
・ ジクロベニル試験法(農産物)
・ ジクロメジン試験法
・ ジクロルボス及びトリクロルホン試験法
・ ジクワット、パラコート及びメピコートクロリド試験法(農産物)
・ ジチアノン試験法(農産物)
・ ジチオピル及びチアゾピル試験法(農産物)
・ ジノカップ試験法(農産物)
・ ジノテフラン試験法(農産物)
・ ジノテフラン試験法(畜産物)
・ シハロホップブチル及びジメテナミド試験法
・ ジヒドロストレプトマイシン及びストレプトマイシン試験法(農産物)
・ ジヒドロストレプトマイシン、ストレプトマイシン、スペクチノマイシン及びネオマイシン試験法
・ ジフェンゾコート試験法
・ ジフルフェニカン試験法
・ シフルメトフェン試験法(農産物)
・ シプロジニル試験法
・ ジメチピン試験法
・ ジメトモルフ試験法(農産物)
・ ジメトモルフ試験法(畜水産物)
・ シモキサニル試験法
・ 臭素試験法
・ シラフルオフェン試験法
・ シロマジン試験法(農産物)
・ シロマジン試験法(畜産物)
・ シンメチリン試験法
・ スピノサド試験法
・ スピラマイシン試験法
・ スピロメシフェン試験法(農産物)
・ スピロメシフェン試験法(畜水産物)
・ スルファキノキサリン、スルファジアジン、スルファジミジン、スルファジメトキシン、スルファメトキサゾール、スルファメトキシピリダジン、スルファメラジン、スルファモノメトキシン及びスルフイソゾール試験法(畜水産物)
・ スルファジミジン試験法
・ セトキシジム試験法
・ セファゾリン、セファピリン、セファレキシン、セファロニウム、セフォペラゾン及びセフロキシム試験法(畜水産物)
・ セフチオフル試験法
・ ゼラノール試験法
・ ダイムロン試験法
・ ダゾメット、メタム及びメチルイソチオシアネート試験法(農産物)
・ ターバシル試験法
・ チアジニル試験法(農産物)
・ チアベンダゾール及び5―プロピルスルホニル―1H―ベンズイミダゾール―2―アミン試験法
・ チオジカルブ及びメソミル試験法(農産物)
・ チルミコシン試験法
・ ツラスロマイシン試験法(畜水産物)
・ テクロフタラム試験法
・ デスメディファム試験法
・ テプラロキシジム試験法
・ テレフタル酸銅試験法
・ トリクラベンダゾール試験法
・ トリクラミド試験法
・ トリクロロ酢酸ナトリウム塩試験法(農産物)
・ トリシクラゾール試験法
・ トリネキサパックエチル試験法
・ トリフルミゾール試験法
・ トリブロムサラン及びビチオノール試験法(畜水産物)
・ トルトラズリル試験法(畜水産物)
・ トルフェンピラド試験法
・ 鉛試験法
・ ニコチン試験法(農産物)
・ ニテンピラム試験法
・ ノバルロン試験法
・ バミドチオン試験法
・ バリダマイシン試験法(農産物)
・ ビオレスメトリン試験法
・ ピクロラム試験法
・ ビスピリバックナトリウム塩試験法
・ ヒ素試験法
・ ビフェナゼート試験法(農産物)
・ ビフェナゼート試験法(畜産物)
・ ヒメキサゾール試験法(農産物)
・ ピメトロジン試験法
・ ピラクロストロビン試験法(農産物)
・ ピラクロストロビン試験法(畜産物)
・ ピラクロニル試験法(農産物)
・ ピラゾキシフェン試験法
・ ピラフルフェンエチル試験法
・ ピリダベン試験法
・ ピリダリル試験法(農産物)
・ ピリチオバックナトリウム塩試験法(農産物)
・ ピリデート試験法
・ ピリフェノックス試験法
・ ピリミジフェン試験法
・ ピリメタニル試験法
・ ピルリマイシン試験法
・ ファモキサドン試験法
・ フィプロニル試験法
・ フェノキサプロップエチル試験法
・ フェリムゾン試験法(水産物)
・ フェンアミドン試験法(農産物)
・ フェンアミドン試験法(畜産物)
・ フェントラザミド試験法
・ フェンピロキシメート試験法
・ フェンヘキサミド試験法
・ フェンチン試験法(農産物)
・ ブチレート試験法
・ プラジクアンテル試験法(畜水産物)
・ フラメトピル試験法
・ フルアジナム試験法
・ フルアジホップ試験法
・ フルオピコリド試験法(農産物)
・ フルオルイミド試験法
・ フルカルバゾンナトリウム塩試験法(農産物)
・ フルシラゾール試験法
・ フルスルファミド試験法
・ フルベンジアミド試験法(農産物)
・ フルベンダゾール試験法
・ フルミオキサジン試験法
・ プロクロラズ試験法
・ プロシミドン試験法
・ フロニカミド試験法(農産物)
・ フロニカミド試験法(畜産物)
・ プロパモカルブ試験法
・ プロヒドロジャスモン試験法
・ プロヘキサジオンカルシウム塩試験法
・ ヘキシチアゾクス試験法
・ ペンシクロン試験法
・ ベンジルペニシリン試験法
・ ベンゾビシクロン試験法(農産物)
・ ペンタゾン試験法
・ ベンチアバリカルブイソプロピル試験法(農産物)
・ ペントキサゾン試験法
・ ベンフレセート試験法
・ ボスカリド試験法(農産物)
・ ボスカリド試験法(畜産物)
・ ホセチル試験法
・ マレイン酸ヒドラジド試験法
・ ミクロブタニル試験法
・ メタアルデヒド試験法(農産物)
・ メタベンズチアズロン試験法
・ メタミトロン試験法(農産物)
・ メチオカルブ試験法
・ メトコナゾール試験法(農産物)
・ メトプレン試験法(農産物)
・ メトリブジン試験法
・ メパニピリム試験法
・ モリネート試験法
・ ラクトパミン試験法
・ リン化水素試験法(農産物)
・ レバミゾール試験法
(参考)食品、添加物等の規格基準(昭和34年厚生省告示第370号)に規定する試験法
・ 2,4,5―T試験法
・ アゾシクロチン及びシヘキサチン試験法
・ アミトロール試験法
・ アルドリン、エンドリン及びディルドリン試験法
・ カプタホール試験法
・ カルバドックス試験法
・ クマホス試験法
・ クレンブテロール試験法
・ クロラムフェニコール試験法
・ クロルプロマジン試験法
・ ジエチルスチルベストロール試験法
・ ジメトリダゾール、メトロニダゾール及びロニダゾール試験法
・ ダミノジッド試験法
・ デキサメタゾン試験法
・ トリアゾホス及びパラチオン試験法
・ α―トレンボロン及びβ―トレンボロン試験法
・ 二臭化エチレン試験法
・ ニトロフラゾン試験法
・ ニトロフラントイン、フラゾリドン及びフラルタドン試験法
・ プロファム試験法
・ マラカイトグリーン試験法
[別紙2]
グリチルリチン酸試験法(畜水産物)
1.分析対象化合物
グリチルリチン酸
2.装置
液体クロマトグラフ・タンデム型質量分析計(LC―MS/MS)
3.試薬、試液
次に示すもの以外は、総則の3に示すものを用いる。
アンモニア溶液 アンモニア水10mLに水270mLを加えて混和する。
アンモニア水・メタノール溶液 アンモニア水10mLにメタノール270mLを加えて混和する。
グリチルリチン酸標準品 本品はグリチルリチン酸99%以上を含む。
4.試験溶液の調製
1)抽出
①筋肉、脂肪、肝臓、腎臓、魚介類、乳及びはちみつの場合
試料10.0gにアンモニア溶液10mLを加え、ホモジナイズした後、アンモニア水・メタノール溶液40mL及びn―ヘキサン50mLを加え、さらにホモジナイズした後、毎分3,500回転で5分間遠心分離する。n―ヘキサン層を除去し、アンモニア水・メタノール溶液層を採る。残留物にアンモニア水・メタノール溶液30mL及びn―ヘキサン30mLを加えてホモジナイズした後、上記と同様に遠心分離する。n―ヘキサン層を除去し、アンモニア水・メタノール溶液層を採り、先のアンモニア水・メタノール溶液層に合わせた後、吸引ろ過する。ろ液にアンモニア水・メタノール溶液を加えて正確に100mLとする。
②鶏卵の場合
試料10.0gにアンモニア溶液10mLを加え、ホモジナイズした後、アンモニア水・メタノール溶液40mL及びn―ヘキサン50mLを加え、さらにホモジナイズした後、毎分3,500回転で5分間遠心分離する。n―ヘキサン層を除去し、アンモニア水・メタノール溶液50mLを加え、軽く振り混ぜた後、上記と同様に遠心分離を行い、アンモニア水・メタノール溶液層を採る。残留物にアンモニア水・メタノール溶液30mL及びn―ヘキサン30mLを加えてホモジナイズした後、上記と同様に遠心分離する。n―ヘキサン層を除去し、アンモニア水・メタノール溶液層を採り、先のアンモニア水・メタノール溶液層に合わせた後、吸引ろ過する。ろ液にアンモニア水・メタノール溶液を加えて正確に200mLとする。
2)精製
中性アルミナミニカラム(1,710mg)にメタノール10mLを注入し、流出液は捨てる。このカラムに1)で得られた溶液10mL(鶏卵の場合は20mL)を注入した後、アンモニア水・メタノール溶液10mLを注入し、流出液は捨てる。次いで水30mLを注入し、溶出液に1―プロパノール20mLを加えた後、40℃以下で1―プロパノール及び水を除去する。この残留物を水に溶解し、正確に2mLとしたものを試験溶液とする。
5.検量線の作成
グリチルリチン酸標準品を水及びメタノール(1:1)混液に溶解して1mg/mLとし標準原液とする。標準原液を水で希釈して0.005~0.1mg/L溶液を数点調製し、それぞれ10μLをLC―MS/MSに注入し、ピーク高法又はピーク面積法で検量線を作成する。
6.定量
試験溶液10μLをLC―MS/MSに注入し、5の検量線でグリチルリチン酸の含量を求める。
7.確認試験
LC―MS/MSにより確認する。
8.測定条件
カラム:オクタデシルシリル化シリカゲル、内径2.0mm、長さ150mm、粒子径2μm
カラム温度:40℃
移動相:アセトニトリル、ギ酸及び水混液(25:1:475)から(400:1:100)までの濃度勾配を15分間で行い、(400:1:100)で1分間保持する。
イオン化モード:ESI(-)
主なイオン(m/z):プリカーサーイオン821、プロダクトイオン351、113
保持時間の目安:11分
9.定量限界
0.01 mg/kg
10.留意事項
1)試験法の概要
グリチルリチン酸を試料からアンモニア溶液、アンモニア水・メタノール溶液及びn―ヘキサンで抽出する。n―ヘキサンを除去後、中性アルミナミニカラムで精製した後、LC―MS/MSで定量及び確認する方法である。
2)注意点
①抽出の際、乳及びはちみつなどの液体試料では、ホモジナイズ抽出の代わりに振とう抽出を行っても良い。
②鶏卵の場合、最初の遠心分離後のアンモニア水・メタノール溶液層はゲル化するが、n―ヘキサン層を除去した後、再度アンモニア水・メタノール溶液を加えて振り混ぜ、遠心分離することで、ゲル化は解消される。
③吸引ろ過は、ケイソウ土を2~3mm程度積層して実施すること。
④グリチルリチン酸は、測定装置内、特にオートサンプラーのニードルに吸着する性質があるため、キャリーオーバー対策を徹底したニードル洗浄機構を有するオートサンプラーを使用することが望ましい。
11.参考文献
厚生労働省監修「食品衛生検査指針 食品添加物編」p.228―232、社団法人 日本食品衛生協会(2003)
12.類型
C