添付一覧
○水質基準に関する省令の一部改正等について(施行通知)
(平成21年3月6日)
(健発第0306017号)
(各都道府県知事・各保健所設置市長・各特別区長あて厚生労働省健康局長通知)
今般、「水質基準に関する省令の一部を改正する省令」(平成20年厚生労働省令第174号)、及び「水道法施行規則の一部を改正する省令」(平成20年厚生労働省令第175号)が平成20年12月22日に、また、「水道施設の技術的基準を定める省令の一部を改正する省令」(平成21年厚生労働省令第26号)及び「給水装置の構造及び材質の基準に関する省令の一部を改正する省令」(平成21年厚生労働省令第27号)が平成21年3月6日に公布され、平成21年4月1日から施行されることとなった。これらの改正と併せて、「水質基準に関する省令の規定に基づき厚生労働大臣が定める方法の一部を改正する件」(平成21年厚生労働省告示第56号)、「資機材等の材質に関する試験の一部を改正する件」(平成21年厚生労働省告示第57号)及び「給水装置の構造及び材質の基準に係る試験の一部を改正する件」(平成21年厚生労働省告示第58号)が公布されたほか、水質基準を補完する項目として定めている水質管理目標設定項目の一部を改正することとしたので、下記について御了知の上、貴管下水道事業者等に対する周知指導につき特段の御配意をお願いしたい。
記
第1 改正の概要
内閣府食品安全委員会における食品健康影響評価及び厚生労働科学研究の結果等を踏まえ、有機物(全有機炭素(TOC)の量)(以下「TOC」という。)等に係る水質基準を改正することとし、水質基準に関する省令(平成15年厚生労働省令第101号。以下「基準省令」という。)及び水道法施行規則(昭和32年厚生省令第45号)の一部を改正するとともに、水道施設の技術的基準を定める省令(平成12年厚生省令第15号)及び給水装置の構造及び材質の基準に関する省令(平成9年厚生省令第14号)について所要の改正を行ったものであること。
また、水質基準等の改正のほか、水質検査技術に係る新たな知見や情報等を踏まえ、水質基準に関する省令の規定に基づき厚生労働大臣が定める方法(平成15年厚生労働省告示第261号。以下「検査方法告示」という。)の一部を改正するとともに、資機材等の材質に関する試験(平成12年厚生省告示第45号)及び給水装置の構造及び材質の基準に係る試験(平成9年厚生省告示第111号)についても、検査方法告示との整合を図り所要の改正を行ったものであること。
さらに、本職通知「水質基準に関する省令の制定及び水道法施行規則の一部改正等について」(平成15年10月10日付け健発第1010004号。以下「15年局長通知」という。)別添1に定めた水質管理目標設定項目についても、食品安全委員会における食品健康影響評価及び厚生労働科学研究の結果等を踏まえ、アルミニウム及びその化合物(以下「アルミニウム」という。)の追加等を行うとともに、別添2に定めた農薬類(水質管理目標設定項目15)の対象農薬リスト中の目標値の見直しを行ったものであること。
第2 基準省令の一部改正等について
1 基準項目及び基準値
基準省令の表について、
① 1,1―ジクロロエチレンに係る水質基準を廃止し、
② シス―1,2―ジクロロエチレンに係る水質基準をシス―1,2―ジクロロエチレン及びトランス―1,2―ジクロロエチレンに変更し、基準値を0.04mg/L以下とし、
③ TOCに係る基準値を3mg/L以下に強化する
改正を行ったものであること。
2 検査方法
検査方法告示の別表第14及び第15について、対象項目から1,1―ジクロロエチレンを削り、トランス―1,2―ジクロロエチレンを加える改正を行ったものであること。
また、別表第6、第7及び第17について、より効率的な検査の実施が可能となるよう所要の改正を行ったものであること。
第3 水道法施行規則の一部改正について
同規則第15条(定期及び臨時の水質検査)の一部について、基準省令の一部改正に伴う所要の改正を行ったものであること。なお、シス―1,2―ジクロロエチレン及びトランス―1,2―ジクロロエチレンに係る水質検査の頻度等は、従前シス―1,2―ジクロロエチレンについて規定されていたとおりとしたこと。
第4 水道施設の技術的基準を定める省令等の一部改正について
1 水道施設の技術的基準を定める省令の一部改正
同省令別表第1に定める薬品基準について、
① 1,1―ジクロロエチレンに係る基準を廃止し、
② シス―1,2―ジクロロエチレンに係る基準をシス―1,2―ジクロロエチレン及びトランス―1,2―ジクロロエチレンに変更し、基準値を0.004mg/L以下とし、
③ TOCに係る基準値を0.3mg/L以下に強化する
改正を行ったものであること。
また、同省令別表第2に定める資機材材質基準について、
① 1,1―ジクロロエチレンに係る基準を廃止し、
② シス―1,2―ジクロロエチレンに係る基準をシス―1,2―ジクロロエチレン及びトランス―1,2―ジクロロエチレンに変更し、基準値を0.004mg/L以下とする
改正を行ったものであること。なお、TOCに係る資機材材質基準については、現行の0.5mg/L以下を維持することとしたこと。
2 資機材等の材質に関する試験の一部改正
同告示1(2)の浸出用液の調製方法について、カルシウム、マグネシウム等(硬度)に係る水質の確認方法に誘導結合プラズマ―質量分析法(ICP―MS法)を加え、3の分析方法の表中、
① 1,1―ジクロロエチレンの項を削り、
② シス―1,2―ジクロロエチレンをシス―1,2―ジクロロエチレン及びトランス―1,2―ジクロロエチレンに改め、
③ ナトリウム及びその化合物に係る分析方法にICP―MS法を加える
改正を行ったものであること。
第5 給水装置の構造及び材質の基準に関する省令等の一部改正について
1 給水装置の構造及び材質の基準に関する省令の一部改正
同省令別表第1に定める給水装置浸出性能基準について、
① 1,1―ジクロロエチレンに係る基準を廃止し、
② シス―1,2―ジクロロエチレンに係る基準をシス―1,2―ジクロロエチレン及びトランス―1,2―ジクロロエチレンに変更し、水栓その他給水装置の末端に設置されている給水用具の浸出液に係る基準値を0.004mg/L以下、給水装置の末端以外に設置されている給水用具の浸出液又は給水管の浸出液に係る基準値を0.04mg/L以下とし、
③ TOCに係る給水装置の末端以外に設置されている給水用具の浸出液又は給水管の浸出液に係る基準を3mg/L以下に強化する
改正を行ったものであること。なお、TOCに係る水栓その他給水装置の末端に設置されている給水用具の浸出液に係る給水装置浸出性能基準については、現行の0.5mg/L以下を維持することとしたこと。
2 給水装置の構造及び材質の基準に係る試験の一部改正
同告示第2の1(2)の浸出用液の調製方法について、カルシウム、マグネシウム等(硬度)に係る水質の確認方法に誘導結合プラズマ―質量分析法(ICP―MS法)を加え、第2の3の分析方法の表中、
① 1,1―ジクロロエチレンの項を削り、
② シス―1,2―ジクロロエチレンをシス―1,2―ジクロロエチレン及びトランス―1,2―ジクロロエチレンに改め、
③ ナトリウム及びその化合物に係る分析方法にICP―MS法を加える
改正を行ったものであること。
第6 水質管理目標設定項目の一部改正について
15年局長通知別添1及び別添2を別紙新旧対照表のとおり改正し、平成21年4月1日より適用すること。
第7 留意事項
改正後の基準省令等は、平成21年4月1日より施行されるので、それまでに水質検査の実施体制の整備等につき必要な措置を講じられたいこと。
別紙