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○B型ボツリヌス毒素製剤の使用にあたっての留意事項について

(平成23年1月21日)

(薬食審査発0121第3号)

(各都道府県・各保健所設置市・各特別区衛生主管部(局)長あて厚生労働省医薬食品局審査管理課長通知)

B型ボツリヌス毒素製剤(販売名:ナーブロック筋注2500単位。以下「本剤」という。)については、本日、「痙性斜頸」を効能効果として製造販売承認を行ったところですが、その使用にあたっては、本剤の承認条件に基づく適正な流通管理等が実施されるとともに、A型ボツリヌス毒素製剤(販売名:ボトックス注用50単位及び同注用100単位。)との効能・効果及び用法・用量の相違に留意して、安全性に十分配慮した使用が徹底されるよう、貴管下の医療機関・薬局等に対する周知・指導をお願いします。

また、本剤とA型ボツリヌス毒素製剤との同時投与は原則として避けることとされているとともに、A型ボツリヌス毒素製剤による治療後に本剤を使用する場合には、少なくともA型ボツリヌス毒素製剤の痙性斜頸を対象とした用法・用量で規定されている投与間隔をあけ、患者の症状を十分に観察した上で、効果が消失し、安全性上の問題がないと判断された場合にのみ投与することとされていますので、併せて周知徹底をお願いします。

(参考1)承認条件

1.製造販売後、一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は、全症例を対象に使用成績調査を実施することにより、本剤使用患者の背景情報を入手するとともに、本剤の安全性等に関するデータを早期に収集し、本剤の適正使用に必要な措置を講じること。

2.本剤についての講習を受け、本剤の安全性及び有効性を十分に理解し、本剤の施注手技に関する十分な知識・経験のある医師によってのみ用いられるよう、必要な措置を講じること。

3.本剤の使用後の安全・確実な失活・廃棄、その記録の適切な保管等、本剤の薬剤管理が適正に行われるよう、所要の措置を講じること。

(参考2)A型ボツリヌス毒素製剤との効能・効果及び用法・用量に関する比較

B型ボツリヌス毒素製剤(ナーブロック筋注2500単位)

A型ボツリヌス毒素製剤(ボトックス注用50単位、同注用100単位)

効能・効果

痙性斜頸

眼瞼痙攣、片側顔面痙攣、痙性斜頸、上肢痙縮、下肢痙縮、2歳以上の小児脳性麻痺患者における下肢痙縮に伴う尖足

「痙性斜頸」に係る用法・用量

通常、成人にはB型ボツリヌス毒素として以下の用量を緊張筋に筋肉内注射する。緊張筋が複数ある場合は、分割して投与する。

・初回投与の場合には合計で2500~5000単位を投与する。

・効果不十分または症状再発の場合には、合計で10000単位を上限として再投与することができる。ただし、2ヵ月以内の再投与は避けること。

※緊張筋

胸鎖乳突筋、斜角筋、僧帽筋、肩甲挙筋、頭板状筋、頭半棘筋等

通常、成人にはA型ボツリヌス毒素として以下の用量を緊張筋に筋肉内注射する。緊張筋が複数ある場合は、分割して投与する。

・初回投与の場合には合計で30~60単位を投与する。

・初回投与後4週間観察し、効果が不十分な場合には、さらに追加で合計180単位を上限として投与することができる。

・症状再発の場合には、合計で240単位を上限として再投与することができる。ただし、2ヵ月以内の再投与は避けること。

※緊張筋

胸鎖乳突筋、僧帽筋、板状筋、斜角筋、僧帽筋前縁、肩甲挙筋、傍脊柱筋、広頸筋等

(注) A型ボツリヌス毒素製剤としては、「ボトックス注用50単位、同注用100単位」の他に、「ボトックスビスタ注用50単位」が、「65歳未満の成人における眉間の表情皺」を効能・効果として承認されている。