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○国民年金の被保険者が保険料を前納した後、前納した保険料に係る期間の途中で被保険者資格を喪失した場合の保険料の還付の取扱いについて

(平成22年11月29日)

(年年発1129第1号)

(日本年金機構事業管理部門担当理事あて厚生労働省年金局年金課長通知)

国民年金の被保険者が保険料を前納した後に、前納した保険料に係る期間(以下「前納期間」という。)の途中で被保険者資格を喪失した場合には、国民年金法施行令(昭和三十四年政令第百八十四号。以下「政令」という。)第九条第一項の規定により、資格喪失時点における未経過期間に係る前納保険料を還付することとなっている。このため、任意加入被保険者が資格を喪失した後引き続いて第一号被保険者となった場合においても、前納した保険料のうち未経過期間に係るものが還付され、改めて、当該未経過期間について、第一号被保険者として保険料の納付を求めることとなっている。

この点について、資格喪失した後、引き続き第一号被保険者となったにもかかわらず、改めて、前納割引のない保険料の納付を求められるのは不合理であるとの国民の声が寄せられたため、今般、以下のとおり取扱いを改めることとしたので宜しく取り計らわれたい。

1.政令第九条第一項の趣旨

政令第九条第一項は、被保険者資格を喪失した時点における未経過期間に係る前納保険料を還付する旨を規定している。

これは、前納期間の途中で被保険者資格を喪失し、未経過期間について保険料を納付する必要がなくなった場合に、未経過期間に係る前納保険料を還付する趣旨である。

したがって、例えば、任意加入被保険者が保険料を前納したが、前納期間の途中で資格喪失した後に引き続き第一号被保険者となった場合には、第一号被保険者として保険料を納付することが引き続き必要であるため、未経過期間に係る前納保険料を還付して、改めて第一号被保険者として当該未経過期間分の保険料納付を求めなければならないわけではない。ただし、同項には、その者の請求に基づき未経過期間に係る前納保険料を還付する旨規定されていることから、請求があれば、当該未経過期間に係る前納保険料は還付することとなる。

2.国民年金法第九十三条の解釈

また、国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号。以下「法」という。)第九十三条第一項においては、被保険者は将来の一定期間に係る保険料を前納できることとされており、この被保険者には、第一号被保険者及び任意加入被保険者が含まれる。

一方、法第九十三条第三項においては、同条第一項の規定により前納した保険料について、前納に係る期間の各月が経過した際に、それぞれその月の保険料が納付されたものとみなす旨が規定されているが、どの被保険者資格として前納したものかは区別していないことから、前納した時点での被保険者資格の下でのみ保険料納付済期間に算入すると限定的に解する必要はない。

したがって、例えば、任意加入被保険者が保険料を前納したが、前納期間の途中で資格を喪失した後、引き続き第一号被保険者となった場合において、任意加入被保険者として納付する保険料と第一号被保険者として納付する保険料はどちらも国民年金の保険料であることから、未経過期間に係る保険料は第一号被保険者として前納された保険料として取り扱い、前納期間に係る各月が経過した場合に保険料納付済期間に算入されると解すべきである。

3.今後の取扱い

以上のことから、今般、被保険者資格を喪失した際に一律に還付の請求を求め、その請求に基づき未経過期間に係る前納保険料を還付するという取扱いを改め、国民年金の被保険者が保険料を前納したが、前納期間の途中で被保険者資格を喪失した後、引き続き第二号被保険者及び第三号被保険者以外の被保険者資格を取得した場合について、当該被保険者が希望した場合には、未経過期間に係る前納保険料について還付の請求を求めず、引き続き取得した被保険者資格として保険料納付済期間に算入することとするので、宜しく取り計らわれたい。

4.施行期日等

この取扱いは、平成二十二年十二月一日より実施することとする。

なお、同日において、上記に該当する場合であって既に未経過期間に係る前納保険料が還付された者についても、本人の希望があれば、同様の取扱いとすることとされたい。