添付一覧
○「医薬部外品原料規格2006」の収載品目における純度試験(重金属試験)の取扱いについて
(平成22年11月19日)
(事務連絡)
(各都道府県衛生主管部(局)薬務主管課あて厚生労働省医薬食品局審査管理課通知)
医薬部外品原料の規格については、平成18年3月31日付け薬食発第0331030号厚生労働省医薬食品局長通知「医薬部外品原料規格2006について」の別添において「医薬部外品原料規格2006」(以下「外原規2006」という。)として定められているところです。
今般、「外原規2006」に収載されている下記の7品目の純度試験(重金属試験)について、試験実施時の安全性を考慮し、下記のとおり対応することとしましたので、御了知の上、貴管下関係業者に対し、周知方よろしく御配慮願います。
記
1.「外原規2006」に収載されている品目のうち、次の7品目については、「外原規2006」のそれぞれの各条に記載されている純度試験(重金属試験)に代えて、別添の代替法により、試験を実施し、その試験結果をもって当該品目の「外原規2006」の純度試験(重金属試験)への適合を判断して差し支えないこと。
なお、下記の(3)、(4)、(6)、及び(7)の品目については、製造所等の試験実施施設において、代替法の試験が適切に実施できることを確認した上で、試験を実施し適合を判断すること。
(1) クエン酸ナトリウム
(2) アスコルビン酸ナトリウム
(3) イソステアロイル乳酸ナトリウム
(4) ピログルタミン酸オレイン酸グリセリル
(5) 大豆リン脂質
(6) 大豆リゾリン脂質液
(7) 卵黄リゾホスファチジルコリン
2.上記1.の品目について、「外原規2006」のそれぞれの各条に記載されている純度試験(重金属試験)を実施する場合は、危険性を認識して、熟練した試験実施者により、十分注意して試験を実施すること。
3.上記1.の品目の純度試験(重金属試験)については、「外原規2006」の他の改正と合わせて、改正予定であること。
4.「外原規2006」の規格に適合する上記1.の(3)、(4)、(6)、及び(7)の品目を配合する医薬部外品を新規に承認申請する際において、別添の代替法により、純度試験(重金属試験)を行う場合については、申請書の備考欄に「(品目名)の純度試験(重金属試験)は、平成22年11月19日付け審査管理課事務連絡の代替法により行う。」旨、記載すること。
[別添]
(1) クエン酸ナトリウム
外原規2006 |
代替法 |
純度試験(5)重金属 本品2.0gをとり,徐々に加熱して,なるべく低温でほとんど灰化した後,硝酸5mLを加え,徐々に加熱して硝酸をほとんど除き,450~550℃で1時間加熱する.残留物に塩酸1mL及び硝酸0.5mLを加えて水浴上で蒸発乾固し,これに希塩酸1mL及び水30mLを加えて溶かし,必要があればろ過し,フェノールフタレイン試液1滴を加え,液がわずかに紅色を呈するまでアンモニア試液を滴加した後,希酢酸2mL及び水を加えて50mLとし,これを試料溶液として第4法により試験を行うとき,その限度は,10ppm以下である.ただし,比較液には,鉛標準液2.0mLをとる. |
純度試験(5)重金属 本品2.0gをとり,第2法により試験を行うとき,その限度は,10ppm以下である.ただし,比較液には,鉛標準液2.0mLをとる. |
(2) アスコルビン酸ナトリウム
外原規2006 |
代替法 |
純度試験(2)重金属 本品1.0gをとり,徐々に加熱してなるべく低温でほとんど灰化した後,硝酸5mLを加え,徐々に加熱して硝酸をほとんど除き,450~550℃で1時間加熱する.残留物に塩酸1mL及び硝酸0.5mLを加えて水浴上で蒸発乾固し,これに希塩酸1mL及び水30mLを加えて溶かし,必要があればろ過し,フェノールフタレイン試液1滴を加え,液がわずかに紅色を呈するまでアンモニア試液を滴加した後,希酢酸2mL及び水を加えて50mLとし,これを試料溶液として第4法により試験を行うとき,その限度は,20ppm以下である.ただし,比較液には,鉛標準液2.0mLをとる. |
純度試験(2)重金属 本品1.0gをとり,第2法により試験を行うとき,その限度は,20ppm以下である.ただし,比較液には,鉛標準液2.0mLをとる. |
(3) イソステアロイル乳酸ナトリウム
外原規2006 |
代替法 |
純度試験(1)重金属 本品2.0gをとり,徐々に加熱して,なるべく低温でほとんど灰化した後,硝酸5mLを加え,徐々に加熱して硝酸をほとんど除き,450~550℃で1時間強熱する.冷後,塩酸1mL及び硝酸0.5mLを加えて水浴上で蒸発乾固し,これに希塩酸1mL及び水30mLを加えて溶かし,必要ならばろ過し,フェノールフタレイン試液1滴を加え,液がわずかに紅色を呈するまでアンモニア試液を加える.次いで希酢酸2mL及び水を加えて50mLとし,これを試料溶液として試験を行うとき,その限度は,10ppm以下である.ただし,比較液には鉛標準液2.0mLをとる. |
純度試験(1)重金属 本品2.0gをとり,第2法により試験を行うとき,その限度は,10ppm以下である.ただし,比較液には,鉛標準液2.0mLをとる. |
(4) ピログルタミン酸オレイン酸グリセリル
外原規2006 |
代替法 |
純度試験(1)重金属 本品1.0gに水酸化ナトリウム試液5mLを加え,水浴上で蒸発乾固した後,徐々に加熱してなるべく低温で灰化する.冷後,これに硝酸1mLを加えて徐々に加熱し,450~500℃で1時間加熱する.冷後,残留物に塩酸1mL及び硝酸0.5mLを加えて水浴上で蒸発乾固し,希塩酸1mL及び水15mLを加えて加熱して溶かし,わずかにアルカリ性となるまでアンモニア試液を滴加した後,希酢酸を加えてわずかに酸性とし,更に希酢酸2mLを加え,必要があればろ過し,水を加えて50mLとする.これを試料溶液として第4法により試験を行うとき,その限度は,10ppm以下である.ただし,比較液には,鉛標準液1.0mLをとる. |
純度試験(1)重金属 本品2.0gをとり,第2法により試験を行うとき,その限度は,10ppm以下である.ただし,比較液には,鉛標準液2.0mLをとる. |
(5) 大豆リン脂質
外原規2006 |
代替法 |
純度試験(3)重金属 本品1.0gに水酸化ナトリウム試液5mLを加え,水浴上で蒸発乾固した後,徐々に加熱してなるべく低温で灰化する.冷後,これに硝酸1mLを加えて徐々に加熱し,450~500℃で1時間加熱する.冷後,残留物に塩酸1mL及び硝酸0.5mLを加えて水浴上で蒸発乾固し,希塩酸1mL及び水15mLを加えて加熱して溶かし,わずかにアルカリ性となるまでアンモニア試液を滴加した後,希酢酸を加えてわずかに酸性とし,更に希酢酸2mLを加え,必要があればろ過し,水を加えて50mLとする.これを試料溶液として第4法により試験を行うとき,その限度は,20ppm以下である.ただし,比較液には,鉛標準液2.0mLをとる. |
純度試験(3)重金属 本品1.0gをとり,第2法により試験を行うとき,その限度は,20ppm以下である.ただし,比較液には,鉛標準液2.0mLをとる. |
(6) 大豆リゾリン脂質液
外原規2006 |
代替法 |
純度試験(1)重金属 本品1.0gに水酸化ナトリウム試液5mLを加え,水浴上で蒸発乾固した後,徐々に加熱してなるべく低温で灰化する.冷後,これに硝酸1mLを加えて徐々に加熱し,450~500℃で1時間加熱する.冷後,残留物に塩酸1mL及び硝酸0.5mLを加えて水浴上で蒸発乾固し,希塩酸1mL及び水15mLを加えて加熱して溶かし,わずかにアルカリ性となるまでアンモニア試液を滴加した後,希酢酸を加えてわずかに酸性とし,更に希酢酸2mLを加え,必要があればろ過し,水を加えて50mLとする.これを試料溶液として第4法により試験を行うとき,その限度は,20ppm以下である.ただし,比較液には,鉛標準液2.0mLをとる. |
純度試験(1)重金属 本品1.0gをとり,第2法により試験を行うとき,その限度は,20ppm以下である.ただし,比較液には,鉛標準液2.0mLをとる. |
(7) 卵黄リゾホスファチジルコリン
外原規2006 |
代替法 |
純度試験(2)重金属 本品1.0gに水酸化ナトリウム試液5mLを加え,水浴上で蒸発乾固した後,徐々に加熱してなるべく低温で灰化する.冷後,これに硝酸1mLを加えて徐々に加熱し,450~500℃で1時間加熱する.冷後,残留物に塩酸1mL及び硝酸0.5mLを加えて水浴上で蒸発乾固し,希塩酸1mL及び水15mLを加えて加熱して溶かし,わずかにアルカリ性となるまでアンモニア試液を滴加した後,希酢酸を加えてわずかに酸性とし,更に希酢酸2mLを加え,必要ならばろ過し,水を加えて50mLとする.これを試料溶液として,第4法により操作し,試験を行うとき,その限度は,20ppm以下である.ただし,比較液には,鉛標準液2.0mLをとる. |
純度試験(2)重金属 本品1.0gをとり,第2法により試験を行うとき,その限度は,20ppm以下である.ただし,比較液には,鉛標準液2.0mLをとる. |
(注) 代替法欄中の「第2法」とは、「外原規2006」の一般試験法「33.重金属試験法」の第2法を指す。