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○離婚後300日以内に出生した子につき、出生届がなされない等の事情により戸籍及び住民票に記載のない児童に関する国民健康保険資格の取扱いについて
(平成19年3月23日)
(事務連絡)
(各都道府県民生主管部(局)・国民健康保険主管課(部)あて厚生労働省保険局国民健康保険課通知)
国民健康保険制度の円滑な実施について、平素より格段の御協力、御尽力を賜り厚く御礼申し上げます。
標記について、離婚後300日以内に出生した等の特段の事情により、出生届がなされておらず、戸籍及び住民票に記載のない児童の国民健康保険被保険者資格の取得について、ご確認をいただく趣旨で、下記のとおり整理いたしましたので、貴管内市町村に周知していただきますようお願いいたします。
記
1 国民健康保険の被保険者資格の要件である住所の認定については、従前より昭和三十四年一月二十七日保発第四号「国民健康保険法施行事務の取扱について」各都道府県知事あて厚生省保険局長通達の記の第三の(一)の二等により示しているとおり、定住の意思と定住の事実の両面より判断して、当該被保険者の生活の本拠を確定しなければならないものであり、住民基本台帳への記載の有無は住所の認定にあたっての有力な根拠であるが、住民基本台帳への記載がないことのみを以て、国民健康保険の被保険者資格の有無を判断すべきではなく、事実の調査により現実の住所を確定しなければならないこと。
2 1の趣旨から、離婚後300日以内に出生し、前夫の子として出生届を行わなければならないため、やむを得ず行っていないというような特段の事情により、戸籍及び住民票に記載のない児童について、調査により出生証明書に記載されている母親と同一の住所地において住所が認定され、かつ国民健康保険法第六条各号のいずれにも該当しない場合は、国民健康保険の被保険者資格を取得するものであること。
3 なお、上述の取扱いは当該児童の健康、福祉への配慮の観点から、やむを得ず国民健康保険担当課において住民基本台帳の記載に基づかず住所の認定を行わなければならない場合の短期間の特例として行うべきものであり、特段の理由もなく出生届を行わないなど特例を認めるべきでないと判断される場合は、出生届を先に行うよう教示すべきこと。
上述の住所の認定にあたっては、職員により、出生届を行わない理由の聴取、現地調査など適正な手続で行われるよう配慮すること。
また、後日当該児童について住民票が作成された際には住民基本台帳法第四条の趣旨に沿って、当該住民票の内容と国民健康保険担当課において把握している住所等の内容と齟齬が生じないよう、速やかに内容の補正等を行われたいこと。
<照会先> 厚生労働省保険局国民健康保険課 企画法令係 新垣 電話(代表):03―5253―1111 |
参考
○ 国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号)(抄)
(被保険者)
第五条 市町村又は特別区(以下単に「市町村」という。)の区域内に住所を有する者は、当該市町村が行う国民健康保険の被保険者とする。
○ 国民健康保険法施行事務の取扱について(昭和三四年一月二七日保発第四号・各都道府県知事あて厚生省保険局長通達)(抄)
第三 市町村の被保険者に関する事項
(一) 資格
(住所を有する者)
一 被保険者の資格については、従来の世帯主及び世帯に属する者を被保険者としていたのを改め、市町村の区域内に住所を有する者をもつて被保険者としたこと(法第五条)。
(住所の認定)
二 住所の認定については、定住の意思と定住の事実の両面より判断して、生活の本拠を確定すべきであるが、この場合、住民登録、戸籍、米穀通帳、選挙人名簿等の資料を調査し、住所認定の適正化を図られたいこと。従つて、転入の当初より他所に移転することが明らかであり、かつ、在住の期間がきわめて短期間に過ぎない者の取扱については、国民健康保険の性格に照らし、住所を有する者と認定しないことが適当であること。
○ 国民健康保険被保険者資格に関する疑義について(昭和四二年四月二一日保険発第三九号の二・各都道府県民生主管部(局)長あて厚生省国民健康保険課長通知)(抄)
昭和三十四年一月二十七日保発第四号「国民健康保険法施行事務の取扱いについて」各都道府県知事あて厚生省保険局長通知の記の第三の(一)の二の前段においても明らかにされているように、住民登録は住所の認定に当たつての資料として用いられるものであり、また、住所の認定は定住の意思と定住の事実の両面より判断して行なうものであること。
○ 住民基本台帳法等の施行に伴う留意事項について(昭和四二年一〇月四日保険発第一〇六号・各都道府県民生主管部(局)長あて厚生省保険局国民健康保険課長通知)(抄)
第四 住所の認定等について
住民の住所に関する法令の規定の解釈は、地方自治法第十条第一項に規定する住民の住所と異なる意義の住所を定めるものと解釈してはならないこととされたが、これによつて、従来の国民健康保険の被保険者の住所の認定が変ることはないものであること。(台帳法第四条)