○使用薬剤の薬価(薬価基準)等の一部改正について
(平成22年9月17日)
(保医発0917第1号)
(地方厚生(支)局医療課長・都道府県民生主管部(局)国民健康保険主管課(部)長・都道府県後期高齢者医療主管部(局)後期高齢者医療主管課(部)長あて厚生労働省保険局医療課長通知)
「使用薬剤の薬価(薬価基準)」(平成20年厚生労働省告示第60号。以下「薬価基準」という。)については、平成22年厚生労働省告示第348号をもって改正されるとともに、テリパラチド製剤が薬価基準に収載されたことと合わせて、「療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等」(平成18年厚生労働省告示第107号。以下「掲示事項等告示」という。)及び「特掲診療料の施設基準等」(平成20年厚生労働省告示第63号)が、平成22年厚生労働省告示第347号及び第349号をもって改正され、同日付で適用されたところですが、その概要は下記のとおりですので、貴管下の保険医療機関、審査支払機関等に対して周知徹底をお願いします。
記
1 薬価基準の一部改正について
(1) 薬事法(昭和35年法律第145号)の規定に基づき製造販売承認され、薬価基準への収載希望があった新医薬品(内用薬8品目及び注射薬7品目)及び製薬企業による医薬品の製造販売承認の承継に伴い、販売名の変更があった医薬品(内用薬5品目)について、薬価基準の別表に収載したものであること。
(2) (1)により薬価基準の別表に収載されている全医薬品の品目数は、次のとおりであること。
区分 |
内用薬 |
注射薬 |
外用薬 |
歯科用薬剤 |
計 |
品目数 |
8,828 |
4,092 |
2,786 |
36 |
15,742 |
2 薬価基準の一部改正に伴う留意事項について
(1) ヤーズ配合錠
① 本製剤の効能・効果は、「月経困難症」であること。
② 本製剤が避妊の目的で処方された場合には、保険給付の対象とはしないこと。
③ 本製剤は、新医薬品(薬事法第14条の4第1項第1号に規定する新医薬品をいう。)として承認されたものであるが、本製剤に係る掲示事項等告示第10第2号(一)に規定する投薬期間制限(14日間を限度とする)の適用に当たっては、本製剤の効能・効果に係る疾患の特性や治験の成績を勘案し、特例的に当該の投薬期間制限を14日間ではなく30日間として取り扱うこと。
④ 本製剤は1シートに有効成分を含有する錠剤(実薬錠)を24錠及び有効成分を含有しない錠剤(プラセボ錠)を4錠、合計28錠を含む製剤であり、その用法・用量から、原則、シートの形態で処方されるものであるため、実薬錠及びプラセボ錠の区別無く、本製剤1錠を246.50円として、以下に示す例を参考に請求を行うこと。
例)
ヤーズ配合錠 1錠
1日1回 28日分
(2) オレンシア点滴静注用250mg
本製剤の効能・効果に関連する使用上の注意に、「過去の治療において、少なくとも1剤の抗リウマチ薬による適切な治療を行っても、効果不十分な場合に投与すること」及び「本剤と抗TNF製剤の併用は行わないこと。また、本剤と他の生物製剤の併用について、有効性及び安全性は確立していないので、併用を避けること」と記載されているので、使用に当たっては十分留意すること。
(3) サイビスクディスポ関節注2mL
本製剤の用法及び用量に関連する使用上の注意に、「本剤の使用は、1週間ごとに連続3回投与を1クールとし、原則1クールとする。」及び「複数回クールでの有効性・安全性は確立していない。[本剤は初回クールに比較して、2クール目以降では有害事象が増加するとの報告がある。]」と記載され、本製剤の使用は原則1クールとされているので、使用に当たっては十分留意すること。
(4) パシル点滴静注液1000mg、パズクロス点滴静注液1000mg
① 本製剤の効能・効果に関連する使用上の注意に、「本剤の使用に際しては、起炎菌と適応患者を十分考慮し、一次選択薬としての要否を検討すること。」と記載されているので、使用に当たっては十分留意すること。
② 本製剤の用法及び用量に関連する使用上の注意に、「本剤の使用にあたっては、細菌学的検査を実施した後に投与すること。また、耐性菌の発現を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。」及び「本剤の使用に際しては、投与開始後3日を目安として継続投与が必要か判定し、投与中止又はより適切な他剤に切り替えるべきか検討を行うこと。更に、本剤の投与期間は、原則として14日以内とすること。」と記載されているので、使用に当たっては十分留意すること。
(5) フォルテオ皮下注キット600μg
① 本製剤は、新医薬品(薬事法第14条の4第1項第1号に規定する新医薬品をいう。)として承認されたものであるが、本製剤に係る掲示事項等告示第10第2号(一)に規定する投薬期間制限(14日間を限度とする)の適用に当たっては、本製剤の効能・効果に係る疾患の特性や治験の成績を勘案し、特例的に当該の投薬期間制限を14日間ではなく30日間として取り扱うこと。
② 本製剤の効能・効果に関連する使用上の注意に、「本剤の適用にあたっては、低骨密度、既存骨折、加齢、大腿骨頸部骨折の家族歴等の骨折の危険因子を有する患者を対象とすること。」と記載されているので、使用に当たっては十分留意すること。
③ 本製剤の用法・用量に「本剤の投与は24ヵ月間までとすること」とされ、これに関連する使用上の注意に、「本剤の投与をやむを得ず一時中断したのちに再投与する場合であっても、投与日数の合計が24ヵ月を超えないこと。また、24ヵ月の投与終了後、再度24ヵ月の投与を繰り返さないこと。」と記載されているので、使用に当たっては十分留意すること。
④ 本製剤はテリパラチド製剤であり、本製剤の自己注射を行っている患者に対して指導管理を行った場合は、「診療報酬の算定方法」(平成20年厚生労働省告示第59号)別表第一医科診療報酬点数表区分番号「C101」在宅自己注射指導管理料を算定できるものであること。
⑤ 本製剤は注入器一体型キットであるため、在宅自己注射指導管理料を算定する場合には、注入器加算は算定できないものであること。
3 掲示事項等告示の一部改正について
(1) 新たに薬価基準に収載された医薬品に代替されるため、製薬企業から削除依頼があった医薬品(内用薬5品目)について、掲示事項等告示の別表第3に収載することにより、平成23年4月1日以降保険診療における使用医薬品から除外するものであること。
(2) (1)により掲示事項等告示の別表第3に収載されている全医薬品の品目数は、次のとおりであること。
区分 |
内用薬 |
注射薬 |
外用薬 |
歯科用薬剤 |
計 |
品目数 |
164 |
62 |
29 |
0 |
255 |
(3) テリパラチド製剤について、掲示事項等告示第十第一号の「療担規則第二十条第二号ト及び療担基準第二十条第三号トの厚生労働大臣が定める保険医が投与することができる注射薬」として定めたものであること。
4 特掲診療料の施設基準等の一部改正について
テリパラチド製剤について、特掲診療料の施設基準等別表第九「在宅自己注射指導管理料、注入器加算、間歇注入シリンジポンプ加算及び注入器用注射針加算に規定する注射薬」として定めたものであること。
5 関係通知の一部改正について
「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」(平成22年3月5日保医発0305第1号)の一部を次のように改正する。
・ 別添1第2章第2部第2節第1款C101(4)中「関節リウマチ」の下に「又は多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎」を加え、「(既存治療」を「(いずれも既存治療」に改める。
・ 別添1第2章第2部第3節C200(1)及び別添3区分01(5)イ中「及びダルベポエチン」を「、ダルベポエチン及びテリパラチド製剤」に改める。
・ 別添3別表1中「及びアダリムマブ製剤」を「、アダリムマブ製剤及びテリパラチド製剤」に改める。
・ 別添3別表2に次のように加える。
テリパラチド製剤
[様式ダウンロード]
(参考1)
薬価基準告示
No |
薬価基準名 |
成分名 |
規格単位 |
薬価(円) |
診療報酬において加算等の算定対象となる後発医薬品 |
承継による代替新規申請品目 |
|
1 |
内用薬 |
アムロジピン錠2.5mg「DSEP」 |
アムロジピンベシル酸塩 |
2.5mg1錠 |
27.20 |
○ |
○ |
2 |
内用薬 |
アムロジピン錠5mg「DSEP」 |
アムロジピンベシル酸塩 |
5mg1錠 |
50.80 |
○ |
○ |
3 |
内用薬 |
イーケプラ錠250mg |
レベチラセタム |
250mg1錠 |
141.40 |
|
|
4 |
内用薬 |
イーケプラ錠500mg |
レベチラセタム |
500mg1錠 |
230.80 |
|
|
5 |
内用薬 |
イミダプリル塩酸塩錠2.5mg「DSEP」 |
イミダプリル塩酸塩 |
2.5mg1錠 |
25.90 |
○ |
○ |
6 |
内用薬 |
イミダプリル塩酸塩錠5mg「DSEP」 |
イミダプリル塩酸塩 |
5mg1錠 |
52.60 |
○ |
○ |
7 |
内用薬 |
イミダプリル塩酸塩錠10mg「DSEP」 |
イミダプリル塩酸塩 |
10mg1錠 |
107.90 |
○ |
○ |
8 |
内用薬 |
ヴォリブリス錠2.5mg |
アンブリセンタン |
2.5mg1錠 |
4,910.00 |
|
|
9 |
内用薬 |
トラマールカプセル25mg |
トラマドール塩酸塩 |
25mg1カプセル |
37.70 |
|
|
10 |
内用薬 |
トラマールカプセル50mg |
トラマドール塩酸塩 |
50mg1カプセル |
65.90 |
|
|
11 |
内用薬 |
ビビアント錠20mg |
バゼドキシフェン酢酸塩 |
20mg1錠 |
132.20 |
|
|
12 |
内用薬 |
ミカムロ配合錠AP |
テルミサルタン・アムロジピンベシル酸塩 |
1錠 |
143.80 |
|
|
13 |
内用薬 |
ヤーズ配合錠 |
ドロスピレノン・エチニルエストラジオール ベータデクス |
1シート |
6,900.60 |
|
|
14 |
注射薬 |
アブラキサン点滴静注用100mg |
パクリタキセル |
100mg1瓶 |
56,982 |
|
|
15 |
注射薬 |
オレンシア点滴静注用250mg |
アバタセプト(遺伝子組換え) |
250mg1瓶 |
53,467 |
|
|
16 |
注射薬 |
サイビスクディスポ関節注2mL |
ヒアルロン酸ナトリウム架橋処理ポリマー・ヒアルロン酸ナトリウム架橋処理ポリマービニルスルホン架橋体 |
16mg2mL1筒 |
9,648 |
|
|
17 |
注射薬 |
トーリセル点滴静注液25mg |
テムシロリムス |
25mg1mL1瓶(希釈液付) |
132,915 |
|
|
18 |
注射薬 |
パシル点滴静注液1000mg |
パズフロキサシンメシル酸塩 |
1,000mg200mL1キット |
2,750 |
|
|
19 |
注射薬 |
パズクロス点滴静注液1000mg |
パズフロキサシンメシル酸塩 |
1,000mg200mL1キット |
2,750 |
|
|
20 |
注射薬 |
フォルテオ皮下注キット600μg |
テリパラチド(遺伝子組換え) |
600μg1キット |
51,871 |
|
|
(参考2)
掲示事項等告示
別表第3(平成23年3月31日まで)
No |
薬価基準名 |
成分名 |
規格単位 |
|
1 |
内用薬 |
アムロジピン錠2.5mg「EP」 |
アムロジピンベシル酸塩 |
2.5mg1錠 |
2 |
内用薬 |
アムロジピン錠5mg「EP」 |
アムロジピンベシル酸塩 |
5mg1錠 |
3 |
内用薬 |
イミダプリル塩酸塩錠2.5mg「EP」 |
イミダプリル塩酸塩 |
2.5mg1錠 |
4 |
内用薬 |
イミダプリル塩酸塩錠5mg「EP」 |
イミダプリル塩酸塩 |
5mg1錠 |
5 |
内用薬 |
イミダプリル塩酸塩錠10mg「EP」 |
イミダプリル塩酸塩 |
10mg1錠 |