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○高濃度のヨウ素を含有する豆乳製品について

(平成22年2月4日)

(食安監発0204第5号)

(各都道府県・各保健所設置市・各特別区衛生主管部(局)長あて厚生労働省医薬食品局食品安全部監視安全課長通知)

今般、豪州において、昆布エキスを原材料として使用した日本製豆乳製品による健康被害事例(推定)が確認されました(別添参照)。

これまでの豪州政府の調査によると、当該豆乳製品から高濃度の昆布エキス由来ヨウ素が検出されており、健康被害を呈している患者は、当該豆乳製品を摂取した事が判明していますが、当該豆乳製品と健康被害の因果関係が明らかではないため、今後、豪州政府において疫学調査が行われるとのことです。

なお、当該豆乳製品から検出されたヨウ素濃度は、成人が70ml程度を喫飲した場合において、「日本人の食事摂取基準」に示されているヨウ素の耐容上限量(2,200μg/日)を超過する濃度であったことが確認されています。

つきましては、同様の食品の流通を未然に防止する観点から、下記事項について、関係事業者等に対し周知方よろしくお願いします。

昆布エキスについては、高濃度のヨウ素を含有することから、食品の原材料として使用する場合には、昆布エキス等のヨウ素含有量や最終製品の摂取量等を考慮の上、「日本人の食事摂取基準」に示されているヨウ素の耐容上限量を参考に使用量を決定すること。

(参考)

○「日本人の食事摂取基準」(2010年版)(抜粋)

http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/05/dl/s0529-4al.pdf

○(独)国立健康・栄養研究所「健康食品の安全性・有効性情報」

http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail680.html

○「「錠剤、カプセル状等食品の適正な製造に係る基本的考え方について」及び「錠剤、カプセル状等食品の原材料の安全性に関する自主点検ガイドライン」について」(平成17年2月1日付け食安発第0201003号)

(別添)

オーストラリア・ニュージーランド食品基準局(FSANZ)より発表された健康被害等の状況について(概要)

オーストラリア・ニュージーランド食品基準局(FSANZ)は、国民にBonsoy豆乳を飲まないよう助言している。また、コーヒーショップ、小売店、アウトレットなどに対してもこの製品を使用しないよう求めている。

ニューサウスウェールズ州(NSW)で成人及び子供における甲状腺障害が報告されたが、いずれもBonsoy豆乳を飲んでいた。検査の結果、Bonsoy豆乳に非常に高濃度のヨウ素が含まれていた。このブランドの豆乳には、海藻製品である“Kombu(昆布)”が添加されている。12月24日、輸入業者は当該製品を自主的にリコールした。Bonsoy豆乳中に検出されたヨウ素濃度は、成人がわずか30mLの豆乳(1/8カップ)を飲んだ時に食事摂取基準を超過するレベルであった。

ヨウ素は、甲状腺における甲状腺ホルモン生成に必要である。ヨウ素の健康的な摂取量は約80~150μg/日であり、推奨される安全な摂取量上限は、成人で1,100μg/日、子どもで200μg/日(1~3才)~900μg/日(14才)である。検出されたヨウ素濃度を含むBonsoy豆乳を毎日1カップ飲むと、ヨウ素を1日に7,500μg以上摂取することになる。慢性的に高濃度のヨウ素を摂取すると甲状腺に影響を及ぼすことがあり、全体的に体調が優れない状態になる。FSANZは、この製品を長期間飲んでいて体調が悪い人は医師に相談するよう呼びかけている。

ヨウ素は身体から排泄されるので、高濃度のヨウ素源を断てば体内のヨウ素濃度は時間とともに減少する。現時点において、高濃度のヨウ素が検出されたのは、Bonsoy豆乳のみである。

(参考)

○オーストラリア・ニュージーランド食品基準局(FSANZ)報道発表資料原文

http://www.foodstandards.gov.au/educationalmaterial/newsroom/mediareleases/mediareleases2009/nationalproductrecal4651.cfm