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項目

スコア

 

0

1

2

3

自覚症状

 

 

 

 

1 パレステジア

なし

軽度

中等度

高度

2 しびれ感

なし

軽度

中等度

高度

3 足が冷たい、熱い

なし

軽度

中等度

高度

他覚所見

 

 

 

 

4 足の第1指の触覚低下

なし

軽度

中等度

高度

5 筋萎縮

なし

軽度

中等度

高度

6 足の第1指の振動覚低下

なし

軽度

中等度

高度

7 アキレス腱反射

正常

減弱

遅延

消失

8 起立時血圧下降(mmHg)

~10

11~20

21~34

35~

電気生理学的検査

 

 

 

 

9 F波最小潜時(m/sec)

≦27

28~30

31~33

≧34

10 F波伝導速度(m/sec)

≧56

50~55

45~49

<45

(3) 糖尿病性腎症

糖尿病性腎症病期分類第2期(早期腎症)以上の所見が見られること。

糖尿病性腎症病期分類

病期

臨床的特徴

病理学的特徴

(参考所見)

 

尿蛋白(アルブミン)

GFR(Ccr)

第1期

(腎症前期)

正常

正常

時に高値

びまん性病変:なし~軽度

第2期

(早期腎症)

微量アルブミン尿

正常

時に高値

びまん性病変:軽度~中等度

結節性病変:ときに存在

第3期―A

(顕性腎症前期)

持続性蛋白尿

ほぼ正常

びまん性病変:中等度

結節性病変:多くは存在

第3期―B

(顕性腎症後期)

持続性蛋白尿**

低下**

びまん性病変:高度

結節性病変:多くは存在

第4期

(腎不全期)

持続性蛋白尿

著明低下(血清クレアチニン上昇)

荒廃糸球体

第5期

(透析療法期)

 

 

 

* 腎症早期診断に必須である微量アルブミン尿の診断基準を下記の通りとする。

a.スクリーニング

来院時尿(随時尿)を用い、市販のスクリーニング用キットで測定する。

b.診断

上記スクリーニングで陽性の場合、あるいは初めから時間尿を採取し、以下の基準に従う。

夜間尿 10μg/分以上

24時間尿 15μg/分以上

昼間(安静時)尿 20μg/分以上

(注1) a.及びb.の両者とも、日差変動が大きいため、複数回の採尿を行い判定すること。

(注2) 試験紙法で尿蛋白軽度陽性の場合でも、尿中アルブミン測定が望ましい。なお、微量アルブミン尿の上限は、約200μg/分とされている。

(注3) 以下の場合は判定が紛らわしい場合があるので検査を避ける。

高度の希釈尿

妊娠中、生理中の女性

過激な運動後、過労、感冒など

c.除外診断

ア.非糖尿病性腎疾患

イ.尿路系異常と感染症

ウ.うっ血性心不全

エ.良性腎硬化症

** 持続性蛋白尿約1g/日以上、GFR(Ccr)約60mL/分以下を目安とする。

(4) 糖尿病性網膜症

以下の分類で軽症網膜症(無症状)のものを除く

 

病型

臨床所見

非増殖網膜症

 

軽症網膜症(無症状)

壁の薄い毛細血管瘤、点状網膜出血

中等症網膜症(黄斑浮腫がみられる場合には症状あり)

壁が薄い又は厚い毛細血管瘤、網膜出血、硬性白斑、網膜浮腫、特に黄斑浮腫

重症網膜症(増殖前網膜症)

網膜出血、毛細血管瘤、軟性白斑、IRMA、数珠状静脈異常

増殖網膜症

 

活動性の高い網膜症(漏出性、充血、活動性、代償不全)

顕著な網膜所見:網膜出血、IRMA、数珠状静脈異常、軟性白斑、網膜浮腫

新生血管:裸の新生血管、小さな繊維増殖、口径拡大、乳頭近傍を含む、急速な進展

硝子体:初期には収縮なし、収縮による硝子体出血

経過:急速に進展、安定期や非漏出性へ

中等度の網膜症(乾性、静止性、安定性)

顕著でない網膜所見

新生血管:裸の新生血管、さまざまな程度の繊維増殖、しばしば長く糸状、乳頭近傍を含まない、進展や寛解は緩徐

経過:徐々に進展、安定期又は寛解期へ

燃えつきた網膜症

網膜所見:動脈狭細化・白線化・混濁、静脈白線化・不規則少数の出血、白斑、IRMA

新生血管:繊維増殖膜による被覆、消失

硝子体:完全収縮、下方に陳旧性硝子体混濁

経過:沈静化、ときに新鮮な硝子体出血

網膜機能:局在性又はびまん性の牽引性網膜剥離、後極部が非剥離0.1~0.6、重症な網膜虚血、重篤な視力障害の原因となる。

 

黄斑浮腫については、以下の基準のうち、中等症黄斑症(黄斑浮腫)、重症黄斑症(黄斑浮腫)の基準を満たすものとする。

重症度レベル

散瞳下眼底検査所見

黄斑症(黄斑浮腫)なし

眼底後極に網膜浮腫による肥厚、硬性白斑なし。

黄斑症(黄斑浮腫)あり

眼底後極に網膜浮腫による肥厚、硬性白斑あり。

黄斑症(黄斑浮腫)が存在する場合、以下のように重症度を分類することができる

重症度レベル

散瞳下眼底検査所見

軽度黄斑症(黄斑浮腫)

網膜浮腫による肥厚、硬性白斑が眼底後極にあるが、黄斑中央部より離れている。

中等度黄斑症(黄斑浮腫)

網膜浮腫による肥厚、硬性白斑が黄斑中央部に近づきつつあるが到達していない。

重度黄斑症(黄斑浮腫)

網膜浮腫による肥厚、硬性白斑が黄斑中央部に到達している。

参考にした診断基準:

糖尿病については、糖尿病診断基準検討委員会報告による診断基準

糖尿病性腎症については、厚生省糖尿病調査研究班による糖尿病性腎症早期診断基準及び厚生省糖尿病研究班による糖尿病性腎症病期分類

糖尿病性網膜症については、Davis分類及び糖尿病黄斑症(黄斑浮腫)国際重症度分類

糖尿病性神経障害については、厚生省糖尿病研究班による糖尿病性神経障害重症度評価表

13.脳血管疾患

明らかな血管性の器質的脳病変を有するもので、以下の分類に該当するものをいう。

 

1.虚血群=脳梗塞症

① アテローム血栓性脳梗塞

② ラクナ梗塞

③ 心原性脳塞栓症

④ その他の分類不能な脳梗塞(症)

2.出血群=頭蓋内出血

① 脳出血

② くも膜下出血

③ その他の頭蓋内出血

 

※ 明確な脳血管性と思われる発作を欠き、神経症候も認められないが、偶然CT・MRIなどで見出された脳梗塞は、無症候性脳梗塞と呼び、その他の症候を有する脳梗塞は、脳梗塞症と呼んで区別することが望ましい。

(診断基準)

1.虚血群=脳梗塞(症)

1) アテローム血栓性脳梗塞

内頸動脈、前・中・後大脳動脈、椎骨動脈や脳底動脈あるいはその皮質枝のアテローム血栓によって生じた脳梗塞。

(1) 臨床症状

1.安静時の発症が比較的多い。

2.局所神経症候は病巣部位や閉塞血管により多彩であるが、片麻痺、四肢麻痺、半身感覚障害、同名性半盲、失語などが多い。

3.意識障害は重篤なものから、ないものまで多様。内頚動脈や脳底動脈の閉塞では高度の意識障害を呈することがある。

4.症状の進行は一般に緩徐であり段階的な進行を示すが、アテローム血栓が栓子となり脳末梢部血管に塞栓を生じる動脈原性脳塞栓症では突発発症する。

(2) CT・MRI所見

1.CT上、発症1~2日後に責任病巣に相当する脳主幹動脈、ないしはその皮質枝領域にX線低吸収域(LDA)が出現する。

2.MRI上、拡散強調画像では発症早期から、FLAIR・T2強調画像では発症数時間以内から、責任病巣に一致する高信号域を認める。CT・MRIともに病巣最大径が1.5cmを超えることが多い。

(3) その他

1.動脈硬化を伴う基礎疾患(高血圧、糖尿病、高脂血症など)の存在することが多い。

2.時に頸部に血管雑音(bruit)が聴取される。この場合は頸部超音波検査、MRA検査などを行い内頸動脈狭窄・閉塞の有無をチェックする事が望ましい。

2) ラクナ梗塞

脳深部の穿通枝領域に生じた直径1.5cm以下の小梗塞。

(1) 臨床症候

2.安静時の発症が多い。

3.典型的なものは、意識障害を伴わず、片麻痺、半身感覚障害、失調性片麻痺などのみを呈する。

(2) CT・MRI所見

1.CT上、発症1~2日後に脳の深部(穿通枝領域)に直径1.5cm以下のX線低吸収域(CT)を認める。

2.MRI上、拡散強調画像では発症早期から、FLAIR・T2強調画像では発症4~5時間以内から責任病巣に一致する高信号域を認める。CT・MRIともに病巣最大径が1.5cmを超えない。特に脳幹部などの病巣検出や微小なラクナ梗塞の発見にはCTよりもMRI検査が望ましい。

(3) その他

基礎疾患に高血圧、糖尿病などを認める事が多く、また時には脳梗塞症発現以前から存在した無症候性脳梗塞を画像上に認める事がある。

3) 心原性脳塞栓症

心房細動、心臓弁膜症、陳旧性心筋梗塞などの患者に生じた心臓内血栓が栓子となり、脳血管に塞栓が生じたもの。

(1) 臨床症候

1.特定脳動脈領域の局所神経症候が突発し、急速に完成する。大脳皮質を含む病巣が多く、失語・失認などの大脳皮質症候を伴う事が多い。内頸動脈塞栓症では重篤な症状が突発する。

2.意識障害を伴う事が多い。

3.塞栓原と考えられる心疾患(心房細動、弁膜疾患、心筋梗塞など)の合併がある。

(2) CT・MRI所見

1.CT上、発症1~2日以内に責任病巣に相当するX線低吸収域(LDA)が出現する。

2.CT上、数日以内にLDA内に混在するX線高吸収域(HDA)(これは出血性梗塞の存在を意味する)が高頻度にみられる。

3.MRI上、拡散強調画像では発症早期から、FLAIR・T2強調画像でも数時間以内に高信号領域が出現する。

4.内頸動脈などの主幹動脈塞栓では画像上、早期から強い脳浮腫の存在を示す所見がみられる事がある。

(3) その他

塞栓原となる心疾患を診断する事及び神経症候が突発した事を確認する事が診断上、極めて重要である。発症後の時期にもよるが、出血性梗塞の存在も診断の参考になる。

4) その他の分類不能な脳梗塞

CT所見や臨床症候から脳出血は否定できるが、上記1)2)3)に該当しないものや、上記1)2)3)のうち2つ以上が混在する場合は分類不能とする。空気塞栓、脂肪塞栓、奇異性塞栓などもここに分類される。

2.出血群=頭蓋内出血

1)脳(実質内)出血

(1) 臨床症状

1.通常、高血圧症の既往があり、発症時には著しく血圧が上昇する。

2.日中活動時に発症することが多い。

3.しばしば頭痛があり、ときに嘔吐を伴う。

4.意識障害をきたすことが多く、急速に昏睡に陥ることもある。

5.局所神経症候は出血部位によって左右され、多彩であるが、被殻、視床の出血の頻度が高く、片麻痺、片側性感覚障害が多い。

(2) CT所見

発症直後から出血部位に一致してX線高吸収域(HDA)が出現する。

注:確定診断は脳実質内巣を証明することである。高血圧による脳細動脈の血管壊死もしくは類繊維素変性が原因となり出血する高血圧性脳出血が一般的である。小出血では頭痛、意識障害を欠き、脳梗塞との鑑別が困難なものがある。臨床障害による診断は蓋然的なものであり、確定診断はCTによる血腫の証明が必要である。

2) くも膜下出血

(1) 臨床症状

1.突発する激しい頭痛(嘔気、嘔吐を伴うことが多い)で発症する。

2.髄膜刺激症状(項部硬直、Kernig徴候など)がある。

3.発症直後は局所神経症状が出現することは少ない(ただし、ときに発症当初より一側性の限局性の動眼神経麻痺を呈する)。

4.発症時に意識障害をきたすことがあるが、しばしば一過性である。

5.網膜前出血をみることがある。

6.血性髄液(注)

(2) CT所見

1.くも膜下腔(脳槽、脳溝など)に出血を認めるX線高吸収域(HDA)を認める。

2.ときに脳実質内の出血を合併することがある。

(3) その他

脳血管撮影では脳動脈瘤、脳動脈奇形などの血管異常を認めることが多い。

注:確定診断はくも膜下腔への出血の確認であるが、CTで出血が証明される場合は髄液検査の必要はない。

参考にした診断基準:

厚生省循環器病委託研究班(平成元年度)による研究報告を平成17年に日本脳卒中学会により修正

14.閉塞性動脈硬化症

動脈硬化症は全身性疾患であるが、それに伴って腹部大動脈末梢側、四肢の主幹動脈、下肢の中等度の動脈等に閉塞が見られる場合であって、以下の状態のうち、Ⅱ度以上に該当するもの。

Ⅰ度 冷感、しびれ感

Ⅱ度 間歇性跛行

Ⅲ度 安静時痛

Ⅳ度 潰瘍、壊死

参考にした診断基準:

Fontaineの分類

15.慢性閉塞性肺疾患

以下の状態に該当するものをいう。

慢性気管支炎あるいは肺気腫による気流閉塞を特徴とする疾患である。気流閉塞は通常は進行性であり、ときには、気道反応性の亢進を伴い、また部分的には可逆的な場合もあるが、特異的な原因によるものを除外する。

(1) 慢性気管支炎

気管支からの過剰な粘液分泌を特徴とし、喀痰を伴う咳(Productive cough)が慢性あるいは繰り返し起こるもの。慢性とは1年に3ヶ月以上続き、それが2ヶ年(2冬連続)以上にわたる場合。但し、特異的肺疾患、新生物、心疾患などによるものは除外される。

(2) 肺気腫

呼吸細気管支より末梢の肺胞の異常拡張

(3) 気管支喘息

種々の刺激に対して気道の反応性が亢進した状態で広範な気道の狭窄を特徴とし、この閉塞性障害が自然にあるいは治療により変化するもの。ただし、肺、心、血管系の病変に由来するものは除く。

(4) びまん性汎細気管支炎

参考とした診断基準:

アメリカ合衆国胸部学会作成診断分類

16.両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症

(1) 両側の膝関節に著しい変形を伴う変形性関節症

両側の膝関節にX線所見上、骨棘形成、関節裂隙の狭小化、軟骨下骨の骨硬化、骨嚢胞の形成等の著しい変形を伴い、日本整形外科学会変形性膝関節症治療成績判定基準において何らかの障害が認められるもの。

a.変形性膝関節症治療成績判定基準

 

①疼痛・歩行能

 

 

1) 1km以上歩行可、通常疼痛はないが、動作時たまに疼痛を認めてもよい。

30

30

2) 1km以上歩行可、疼痛あり。

25

25

3) 500m以上、1km未満の歩行可、疼痛あり

20

20

4) 100m以上、500m未満の歩行可、疼痛あり

15

15

5) 室内歩行又は100m未満の歩行可、疼痛あり

10

10

6) 歩行不能

5

5

7) 起立不能

0

0

②疼痛・階段昇降能

 

 

1) 昇降自由・疼痛なし

25

25

2) 昇降自由・疼痛あり、手すりを使い・疼痛なし

20

20

3) 手すりを使い・疼痛あり、一歩一歩・疼痛なし

15

15

4) 一歩一歩・疼痛あり、手すりを使い一歩一歩・疼痛なし

10

10

5) 手すりを使い一歩一歩・疼痛あり

5

5

6) できない

0

0

③屈曲角度及び強直・高度拘縮

 

 

1) 正座可能な可動域

35

35

2) 横座り・胡座可能な可動域

30

30

3) 110度以上屈曲可能

25

25

4) 75度以上屈曲可能

20

20

5) 35度以上屈曲可能

10

10

6) 35度未満の屈曲、又は強直、高度拘縮

0

0

④腫脹

 

 

1) 水腫・腫脹なし

10

10

2) 時に穿刺必要

5

5

3) 頻回に穿刺必要

0

0

総計