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1.つかまらないでできる 2.何かにつかまればできる 3.できない

調査項目の定義

「立ち上がり」の能力を評価する項目である。

ここでいう「立ち上がり」とは、いすやベッド、車いす等に座っている状態から立ち上がる行為を行う際に(床からの立ち上がりは含まない)、ベッド柵や手すり、壁等につかまらないで立ち上がることができるかどうかの能力である。

膝がほぼ直角に屈曲している状態からの立ち上がりができるかどうかで選択する。

調査対象者に実際に行ってもらう、あるいは調査対象者や介護者からの日頃の状況に関する聞き取り内容で選択する。

選択肢の選択基準

「1.つかまらないでできる」

・いす、ベッド、車いす等に座っている状態から立ち上がる際に、ベッド柵、手すり、壁等何にもつかまらないで、立ち上がる行為ができる場合をいう。

「2.何かにつかまればできる」

・ベッド柵、手すり、壁等、何かにつかまれば立ち上がる行為ができる場合をいう。介護者の手で引き上げられる状況ではなく、支えがあれば基本的に自分で立ち上がることができる場合も含まれる。

「3.できない」

・自分ではまったく立ち上がることができない場合をいう。体の一部を介護者が支える、介護者の手で引き上げるなど、介助がないとできない場合も含まれる。

調査上の留意点

寝た状態から座位に至るまでの行為は含まない。

畳上の生活で、いすに座る機会がない場合は、洋式トイレ、ポータブルトイレ使用時や、受診時の待合室での状況等の状態で選択する。

自分の体の一部を支えにして立ち上がる場合や、習慣的ではなく体を支える目的でテーブルや椅子の肘掛等にしっかりと加重して立ち上がる場合(加重しないと立ち上がれない場合)は「2.何かにつかまればできる」を選択する。

「調査対象者に実際に行ってもらった場合」

調査対象者に実際に行ってもらった状況と、調査対象者や介護者から聞き取りした日頃の状況とが異なる場合は、一定期間(調査日より概ね過去1週間)の状況において、より頻回な状況に基づき選択を行う。

その場合、調査対象者に実際に行ってもらった状況と、日頃の状況の違い、選択した根拠等について、具体的な内容を「特記事項」に記載する。

「調査対象者に実際に行ってもらえなかった場合」

調査対象者に実際に行ってもらえなかった場合は、その理由や状況について、具体的な内容を「特記事項」に記載する。

一定期間(調査日より概ね過去1週間)の状況において、より頻回に見られる状況や日頃の状況で選択する。

また、調査対象者や介護者からの聞き取り内容、選択した根拠等についても、具体的な内容を「特記事項」に記載する。

1―9 片足での立位

1.支えなしでできる 2.何か支えがあればできる 3.できない

調査項目の定義

「片足での立位」の能力を評価する項目である。

ここでいう「片足での立位」とは、立ち上がるまでに介助が必要か否かにかかわりなく、平らな床の上で、自分で左右いずれかの片足を上げた状態のまま立位を保持する(平衡を保てる)ことができるかどうかの能力である。

平らな床の上で、自分で左右いずれかの片足を上げた状態のまま1秒間程度、立位を保持できるかどうかで選択する。

調査対象者に実際に行ってもらう、あるいは調査対象者や介護者からの日頃の状況に関する聞き取り内容で選択する。

選択肢の選択基準

「1.支えなしでできる」

・何もつかまらないで、いずれか一側の足で立っていることができる場合をいう。

「2.何か支えがあればできる」

・壁や手すり、いすの背など、何かにつかまるといずれか一側の足で立っていることができる場合をいう。

「3.できない」

・自分では片足が上げられない、自分の手で支えるのではなく、介護者によって支えられた状態でなければ片足を上げられない、あるいは、どのような状況であってもまったく片足で立っていることができない場合をいう。

調査上の留意点

立ち上がるまでの能力については含まない。

「調査対象者に実際に行ってもらった場合」

調査対象者に実際に行ってもらった状況と、調査対象者や介護者から聞き取りした日頃の状況とが異なる場合は、一定期間(調査日より概ね過去1週間)の状況において、より頻回な状況に基づき選択を行う。

その場合、調査対象者に実際に行ってもらった状況と、日頃の状況の違い、選択した根拠等について、具体的な内容を「特記事項」に記載する。

「調査対象者に実際に行ってもらえなかった場合」

調査対象者に実際に行ってもらえなかった場合は、その理由や状況について、具体的な内容を「特記事項」に記載する。

一定期間(調査日より概ね過去1週間)の状況において、より頻回に見られる状況や日頃の状況で選択する。

また、調査対象者や介護者からの聞き取り内容、選択した根拠等についても、具体的な内容を「特記事項」に記載する。

「福祉用具(補装具や介護用品等)や器具類を使用している場合」

福祉用具(補装具や介護用品等)や器具類を使用している場合は、使用している状況で選択する。

1―10 洗身

1.介助されていない 2.一部介助 3.全介助 4.行っていない

調査項目の定義

「洗身」の介助が行われているかどうかを評価する項目である。

ここでいう「洗身」とは、浴室内(洗い場や浴槽内)で、スポンジや手拭い等に石鹸やボディシャンプー等を付けて全身を洗うことをいう。

選択肢の選択基準

「1.介助されていない」

・一連の「洗身」(浴室内で、スポンジや手拭い等に石鹸やボディシャンプー等を付けて全身を洗うこと)の介助が行われていない場合をいう。

「2.一部介助」

・介護者が石鹸等を付けて、体の一部を洗う等の場合をいう。

・見守り等が行われている場合も含まれる。

「3.全介助」

・一連の「洗身」(浴室内で、スポンジや手拭い等に石鹸やボディシャンプー等を付けて全身を洗うこと)の全ての介助が行われている場合をいう。

・本人に手の届くところを「洗身」してもらった後、本人が「洗身」した箇所も含めて、介護者が全てを「洗身」し直している場合は、「3.全介助」を選択する。

「4.行っていない」

・日常的に「洗身」を行っていない場合をいう。

調査上の留意点

入浴環境は問わない。

洗髪行為は含まない。

入浴行為は、この項目には含まない。

石鹸やボディシャンプーがついていなくても、あくまで体を洗う行為そのものについて介助が行われているかどうかで選択を行う。石鹸等を付ける行為そのものに介助があるかどうかではなく、身体の各所を洗う行為について評価を行う。

清拭のみが行われている場合は、本人が行っているか介護者が行っているかに関わらず、「4.行っていない」を選択する。

「朝昼夜等の時間帯や体調等によって介助の方法が異なる場合」

日によって入浴の方法・形態が異なる場合も含めて、一定期間(調査日より概ね過去1週間)の状況において、より頻回に見られる状況や日頃の状況で選択する。

その場合、その日頃の状況等について、具体的な内容を「特記事項」に記載する。

「福祉用具(補装具や介護用品等)や器具類を使用している場合」

福祉用具(補装具や介護用品等)や器具類を使用している場合は、使用している状況で選択する。

「調査対象の行為自体が発生しない場合」

日常的に、洗身を行っていない場合は、「4.行っていない」を選択し、その日頃の状況等について、具体的な内容を「特記事項」に記載する。

「「実際の介助の方法」が不適切な場合」

「介助されていない」状態や「実際に行われている介助」が、対象者にとって「不適切」であると認定調査員が判断する場合は、その理由を特記事項に記載した上で、適切な「介助の方法」を選択し、介護認定審査会の判断を仰ぐことができる。

なお、認定調査員が、「実際に行われている介助が不適切」と考える場合には、

・独居や日中独居等による介護者不在のために適切な介助が提供されていない場合

・介護放棄、介護抵抗のために適切な介助が提供されていない場合

・介護者の心身の状態から介助が提供できない場合

・介護者による介助が、むしろ本人の自立を阻害しているような場合

など、対象者が不適切な状況に置かれていると認定調査員が判断する様々な状況が想定される。

1―11 つめ切り

1.介助されていない 2.一部介助 3.全介助

調査項目の定義

「つめ切り」の介助が行われているかどうかを評価する項目である。

ここでいう「つめ切り」とは、「つめ切り」の一連の行為のことで、「つめ切りを準備する」「切ったつめを捨てる」等を含む。

選択肢の選択基準

「1.介助されていない」

・「つめ切り」の介助が行われていない場合をいう。

「2.一部介助」

・一連の行為に部分的に介助が行われている場合をいう。

・つめ切りに見守りや確認が行われている場合を含む。

・左右どちらか片方の手のつめのみ切れる、手のつめはできるが足のつめはできない等で一部介助が発生している場合も含む。

「3.全介助」

・一連の行為すべてに介助が行われている場合をいう。

・介護者が、本人が行った箇所を含めてすべてやり直す場合も含む

調査上の留意点

切ったつめを捨てる以外の、つめを切った場所の掃除等は含まない。

「朝昼夜等の時間帯や体調等によって介助の方法が異なる場合」

一定期間(調査日より概ね過去1か月)の状況において、より頻回に見られる状況や日頃の状況で選択する。

その場合、その日頃の状況等について、具体的な内容を「特記事項」に記載する。

「福祉用具(補装具や介護用品等)や器具類を使用している場合」

福祉用具(補装具や介護用品等)や器具類を使用している場合は、使用している状況で選択する。

「調査対象の行為自体が発生しない場合」

四肢の全指を切断している等、つめがない場合は、四肢の清拭等の状況で代替して評価する。

「「実際の介助の方法」が不適切な場合」

「介助されていない」状態や「実際に行われている介助」が、対象者にとって「不適切」であると認定調査員が判断する場合は、その理由を特記事項に記載した上で、適切な「介助の方法」を選択し、介護認定審査会の判断を仰ぐことができる。

なお、認定調査員が、「実際に行われている介助が不適切」と考える場合には、

・独居や日中独居等による介護者不在のために適切な介助が提供されていない場合

・介護放棄、介護抵抗のために適切な介助が提供されていない場合

・介護者の心身の状態から介助が提供できない場合

・介護者による介助が、むしろ本人の自立を阻害しているような場合

など、対象者が不適切な状況に置かれていると認定調査員が判断する様々な状況が想定される。

1―12 視力

1.普通(日常生活に支障がない) 2.約1m離れた視力確認表の図が見える 3.目の前に置いた視力確認表の図が見える 4.ほとんど見えない 5.見えているのか判断不能

調査項目の定義

「視力」(能力)を評価する項目である。

ここでいう「視力」とは、見えるかどうかの能力である。

認定調査員が実際に視力確認表の図を調査対象者に見せて、視力を評価する。

選択肢の選択基準

「1.普通(日常生活に支障がない)」

・新聞、雑誌などの字が見え、日常生活に支障がない程度の視力を有している場合をいう。

「2.約1m離れた視力確認表の図が見える」

・新聞、雑誌などの字は見えないが、約1m離れた視力確認表の図が見える場合をいう。

「3.目の前に置いた視力確認表の図が見える」

・約1m離れた視力確認表の図は見えないが、目の前に置けば見える場合をいう。

「4.ほとんど見えない」

・目の前に置いた視力確認表の図が見えない場合をいう。

「5.見えているのか判断不能」

・認知症等で意思疎通ができず、見えているのか判断できない場合をいう。

調査上の留意点

見えるかどうかを選択するには、会話のみでなく、手話、筆談等や、調査対象者の身振りに基づいて視力を確認する。

見たものについての理解等の知的能力を問う項目ではない。

広い意味での視力を問う質問であり、視野狭窄・視野欠損等も含まれる。

部屋の明るさは、部屋の電気をつけた上で、利用可能であれば読書灯などの補助照明器具を使用し十分な明るさを確保する。

眼鏡・コンタクトレンズ等を使用している場合は、使用している状況で選択する。

「調査対象者に実際に行ってもらった場合」

調査対象者に実際に行ってもらった状況と、調査対象者や介護者から聞き取りした日頃の状況とが異なる場合は、一定期間(調査日より概ね過去1週間)の状況において、より頻回な状況に基づき選択を行う。

その場合、調査対象者に実際に行ってもらった状況と、日頃の状況の違い、選択した根拠等について、具体的な内容を「特記事項」に記載する。

「調査対象者に実際に行ってもらえなかった場合」

調査対象者に実際に行ってもらえなかった場合は、その理由や状況について、具体的な内容を「特記事項」に記載する。

一定期間(調査日より概ね過去1週間)の状況において、より頻回に見られる状況や日頃の状況で選択する。

また、調査対象者や介護者からの聞き取り内容、選択した根拠等についても、具体的な内容を「特記事項」に記載する。

「福祉用具(補装具や介護用品等)や器具類を使用している場合」

福祉用具(補装具や介護用品等)や器具類を使用している場合は、使用している状況で選択する。

視力確認表

1―13 聴力

1.普通 2.普通の声がやっと聞き取れる 3.かなり大きな声なら何とか聞き取れる 4.ほとんど聞こえない 5.聞こえているのか判断不能

調査項目の定義

「聴力」(能力)を評価する項目である。

ここでいう「聴力」とは、聞こえるかどうかの能力である。

認定調査員が実際に確認して評価する。

選択肢の選択基準

「1.普通」

・日常生活における会話において支障がなく、普通に聞き取れる場合をいう。

「2.普通の声がやっと聞き取れる」

・普通の声で話すと聞き取りにくく、聞き間違えたりする場合をいう。

「3.かなり大きな声なら何とか聞き取れる」

・耳元で大きな声で話したり、耳元で大きな物音を立てると何とか聞こえる、あるいは、かなり大きな声や音でないと聞こえない場合をいう。

「4.ほとんど聞こえない」

・ほとんど聞こえないことが確認できる場合をいう。

「5.聞こえているのか判断不能」

・認知症等で意思疎通ができず、聞こえているのか判断できない場合をいう。

調査上の留意点

聞こえるかどうかは、会話のみでなく、調査対象者の身振り等も含めて評価する。

普通に話しかけても聞こえない調査対象者に対しては、耳元で大きな声で話す、音を出して反応を確かめる等の方法に基づいて聴力を評価する。

耳で聞いた内容を理解しているかどうか等の知的能力を問うものではない。

日常的に補聴器等を使用している場合は、使用している状況で評価する。

失語症や構音障害があっても、声や音が聞こえているかどうかで評価する。

調査の妨げとなるような大きな雑音がある場所での調査は避ける。

「調査対象者に実際に行ってもらった場合」

調査対象者に実際に行ってもらった状況と、調査対象者や介護者から聞き取りした日頃の状況とが異なる場合は、一定期間(調査日より概ね過去1週間)の状況において、より頻回な状況に基づき選択を行う。

その場合、調査対象者に実際に行ってもらった状況と、日頃の状況の違い、選択した根拠等について、具体的な内容を「特記事項」に記載する。

「福祉用具(補装具や介護用品等)や器具類を使用している場合」

福祉用具(補装具や介護用品等)や器具類を使用している場合は、使用している状況で評価する。

2―1 移乗

1.介助されていない 2.見守り等 3.一部介助 4.全介助

調査項目の定義

「移乗」の介助が行われているかどうかを評価する項目である。

ここでいう「移乗」とは、「ベッドから車いす(いす)へ」「車いすからいすへ」「ベッドからポータブルトイレへ」「車いす(いす)からポータブルトイレへ」「畳からいすへ」「畳からポータブルトイレへ」「ベッドからストレッチャーへ」等、でん部を移動させ、いす等へ乗り移ることである。

清拭・じょくそう予防等を目的とした体位交換、シーツ交換の際に、でん部を動かす行為も移乗に含まれる。

選択肢の選択基準

「1.介助されていない」

・「移乗」の介助が行われていない場合をいう。

「2.見守り等」

・「移乗」の介助は行われていないが、「見守り等」が行われている場合をいう。

・ここでいう「見守り等」とは、常時の付き添いの必要がある「見守り」や、認知症高齢者等の場合に必要な行為の「確認」「指示」「声かけ」等のことである。

・また、ベッドから車いすに移乗する際、介護者が本人の身体に直接触れず、安全に乗り移れるよう、動作に併せて車いすをお尻の下にさしいれている場合は、「2.見守り等」を選択する。

「3.一部介助」

・自力では移乗ができないために、介護者が手を添える、体を支えるなどの「移乗」の行為の一部に介助が行われている場合をいう。

「4.全介助」

・自分では移乗ができないために、介護者が抱える、運ぶ等の「移乗」の介助の全てが行われている場合をいう。

調査上の留意点

義足や装具、歩行器等の準備は介助の内容には含まない。

在宅で畳中心の生活であり、いすを使用していない場合で、両手をついて腰を浮かせる行為自体だけでは該当しない。

「朝昼夜等の時間帯や体調等によって介助の方法が異なる場合」

一定期間(調査日より概ね過去1週間)の状況において、より頻回に見られる状況や日頃の状況で選択する。

その場合、その日頃の状況等について、具体的な内容を「特記事項」に記載する。

「福祉用具(補装具や介護用品等)や器具類を使用している場合」

福祉用具(補装具や介護用品等)や器具類を使用している場合は、使用している状況で選択する。

「調査対象の行為自体が発生しない場合」

清拭・じょくそう予防等を目的とした体位交換を含む移乗の機会がないことは、実際には考えにくいが、寝たきり状態などで、「移乗」の機会が全くない場合は、「調査項目の定義」で規定されるような行為が生じた場合を想定し適切な介助の方法を選択し、そのように判断できる具体的な事実を特記事項に記載する。

「「実際の介助の方法」が不適切な場合」

「介助されていない」状態や「実際に行われている介助」が、対象者にとって「不適切」であると認定調査員が判断する場合は、その理由を特記事項に記載した上で、適切な「介助の方法」を選択し、介護認定審査会の判断を仰ぐことができる。

なお、認定調査員が、「実際に行われている介助が不適切」と考える場合には、

・独居や日中独居等による介護者不在のために適切な介助が提供されていない場合

・介護放棄、介護抵抗のために適切な介助が提供されていない場合

・介護者の心身の状態から介助が提供できない場合

・介護者による介助が、むしろ本人の自立を阻害しているような場合

など、対象者が不適切な状況に置かれていると認定調査員が判断する様々な状況が想定される。

2―2 移動

1.介助されていない 2.見守り等 3.一部介助 4.全介助

調査項目の定義

「移動」の介助が行われているかどうかを評価する項目である。

ここでいう「移動」とは、「日常生活」において、食事や排泄、入浴等で、必要な場所への移動にあたって、見守りや介助が行われているかどうかで選択する。

選択肢の選択基準

「1.介助されていない」

・「移動」の介助が行われていない場合をいう。

「2.見守り等」

・「移動」の介助は行われていないが、「見守り等」が行われている場合をいう。

・ここでいう「見守り等」とは、常時の付き添いの必要がある「見守り」や、認知症高齢者等の場合に必要な行為の「確認」「指示」「声かけ」等のことである。

「3.一部介助」

・自力では、必要な場所への「移動」ができないために、介護者が手を添える、体幹を支える、段差で車いすを押す等の「移動」の行為の一部に介助が行われている場合をいう。

「4.全介助」

・自力では、必要な場所への「移動」ができないために、「移動」の行為の全てに介助が行われている場合をいう。

調査上の留意点

移動の手段は問わない。

義足や装具等を装着している場合や、車いす・歩行器などを使用している場合は、その状況に基づいて評価する。

車いす等を使用している場合は、車いす等に移乗したあとの移動について選択する。

外出行為に関しては、含まない。

「朝昼夜等の時間帯や体調等によって介助の方法が異なる場合」

一定期間(調査日より概ね過去1週間)の状況において、より頻回に見られる状況や日頃の状況で選択する。

その場合、その日頃の状況等について、具体的な内容を「特記事項」に記載する。

「福祉用具(補装具や介護用品等)や器具類を使用している場合」

福祉用具(補装具や介護用品等)や器具類を使用している場合は、使用している状況で選択する。

義足や装具等を装着している場合や、車いす・歩行器などを使用している場合は、その状況に基づいて選択する。

車いす等を使用している場合は、車いす等に移乗したあとの移動について選択する。

「調査対象の行為自体が発生しない場合」

浴場への移動など移動の機会がない場合は、多くはないと考えられるが、寝たきり状態などで、「移動」の機会が全くない場合は、「調査項目の定義」で規定されるような行為の生じた場合を想定して適切な介助の方法を選択し、そのように判断できる具体的な事実を特記事項に記載する。

「「実際の介助の方法」が不適切な場合」

「介助されていない」状態や「実際に行われている介助」が、対象者にとって「不適切」であると認定調査員が判断する場合は、その理由を特記事項に記載した上で、適切な「介助の方法」を選択し、介護認定審査会の判断を仰ぐことができる。

なお、認定調査員が、「実際に行われている介助が不適切」と考える場合には、

・独居や日中独居等による介護者不在のために適切な介助が提供されていない場合

・介護放棄、介護抵抗のために適切な介助が提供されていない場合

・介護者の心身の状態から介助が提供できない場合

・介護者による介助が、むしろ本人の自立を阻害しているような場合

など、対象者が不適切な状況に置かれていると認定調査員が判断する様々な状況が想定される。

2―3 えん下

1.できる 2.見守り等 3.できない

調査項目の定義

「えん下」の能力を評価する項目である。

ここでいう「えん下」とは、食物を経口より摂取する際の「えん下」(飲み込むこと)の能力である。

能力の項目であるが、必ずしも試行する必要はない。頻回に見られる状況や日頃の状況について、調査対象者や介護者からの聞き取りで選択してもよい。

選択肢の選択基準

「1.できる」

・えん下することに問題がなく、自然に飲み込める場合をいう。

「2.見守り等」

・「できる」「できない」のいずれにも含まれない場合をいう。必ずしも見守りが行われている必要はない。

「3.できない」

・えん下ができない場合、または誤えん(飲み込みが上手にできず肺などに食物等が落ち込む状態)の恐れがあるため経管栄養(胃ろうを含む)や中心静脈栄養(IVH)等が行われている場合をいう。

調査上の留意点

咀しゃく(噛むこと)や口腔内の状況を評価するものではない。

食物を口に運ぶ行為については、「2―4 食事摂取」で評価する。

一定期間(調査日より概ね過去1週間)の状況において、より頻回に見られる状況や日頃の状況で選択する。その日頃の状況等について、具体的な内容を「特記事項」に記載する。

また、固形物か、液体かどうか等、食物の形状(普通食、きざみ食、ミキサー食、流動食等)によって異なる場合も、一定期間(調査日より概ね過去1週間)の状況において、より頻回に見られる状況や日頃の状況で選択する。その場合、その日頃の状況等について、具体的な内容を「特記事項」に記載する。

入院・入所後は、トロミ食のみを摂取しているため、居宅での生活時とは異なり、飲み込みに支障がなくなった場合は、現在の入院・入所後の状況で選択する。

2―4 食事摂取

1.介助されていない 2.見守り等 3.一部介助 4.全介助

調査項目の定義

「食事摂取」の介助が行われているかどうかを評価する項目である。

ここでいう「食事摂取」とは、食物を摂取する一連の行為のことである。

通常の経口摂取の場合は、配膳後の食器から口に入れるまでの行為のことである。また、食事摂取の介助には、経管栄養の際の注入行為や中心静脈栄養も含まれる。

選択肢の選択基準

「1.介助されていない」

・「食事摂取」の介助が行われていない場合をいう。

「2.見守り等」

・「食事摂取」の介助は行われていないが、「見守り等」が行われている場合をいう。

・ここでいう「見守り等」とは、常時の付き添いの必要がある「見守り」や、行為の「確認」「指示」「声かけ」「皿の置き換え」等のことである。

「3.一部介助」

・「食事摂取」の行為の一部のみに介助が行われている場合をいう。食卓で小さく切る、ほぐす、皮をむく、魚の骨をとる等、食べやすくするための介助や、スプーン等に食べ物を乗せる介助が行われている場合も含む。

・ただし、この「一部」については、時間の長短は問わない。

・また、1回ごとの食事における一連の行為中の「一部」のことであり、朝昼夜等の時間帯や体調等によって介助の方法が異なる場合は、後述の「(3)調査上の留意点」にしたがって選択する。

「4.全介助」

・「食事摂取」の介助の全てが行われている場合をいう。

調査上の留意点

食事の量、適切さを評価する項目ではなく、「食事摂取」の介助が行われているかどうかを評価する項目である。

調理(厨房・台所でのきざみ食、ミキサー食の準備等)、配膳、後片づけ、食べこぼしの掃除等は含まない。

エプロンをかける、いすに座らせる等は含まない。

経管栄養、中心静脈栄養のための介助が行われている場合は、「4.全介助」を選択する(特別な医療の要件にも該当する場合は、両方に選択を行う。)

「朝昼夜等の時間帯や体調等によって介助の方法が異なる場合」

一定期間(調査日より概ね過去1週間)の状況において、より頻回に見られる状況や日頃の状況で選択する。

その場合、その日頃の状況等について、具体的な内容を「特記事項」に記載する。

「福祉用具(補装具や介護用品等)や器具類を使用している場合」

福祉用具(補装具や介護用品等)や器具類を使用している場合は、使用している状況で選択する。

「「実際の介助の方法」が不適切な場合」

「介助されていない」状態や「実際に行われている介助」が、対象者にとって「不適切」であると認定調査員が判断する場合は、その理由を特記事項に記載した上で、適切な「介助の方法」を選択し、介護認定審査会の判断を仰ぐことができる。

なお、認定調査員が、「実際に行われている介助が不適切」と考える場合には、

・独居や日中独居等による介護者不在のために適切な介助が提供されていない場合

・介護放棄、介護抵抗のために適切な介助が提供されていない場合

・介護者の心身の状態から介助が提供できない場合

・介護者による介助が、むしろ本人の自立を阻害しているような場合

など、対象者が不適切な状況に置かれていると認定調査員が判断する様々な状況が想定される。

2―5 排尿

1.介助されていない 2.見守り等 3.一部介助 4.全介助

調査項目の定義

「排尿」の介助が行われているかどうかを評価する項目である。

ここでいう「排尿」とは、「排尿動作(ズボン・パンツの上げ下げ、トイレ、尿器への排尿)」「陰部の清拭」「トイレの水洗」「トイレやポータブルトイレ、尿器等の排尿後の掃除」「オムツ、リハビリパンツ、尿とりパッドの交換」「抜去したカテーテルの後始末」の一連の行為のことである。

選択肢の選択基準

「1.介助されていない」

・「排尿」の介助が行われていない場合をいう。

「2.見守り等」

・「排尿」の介助は行われていないが、「見守り等」が行われている場合をいう。

・ここでいう「見守り等」とは、常時の付き添いの必要がある「見守り」「確認」「指示」「声かけ」や、認知症高齢者等をトイレ等へ誘導するために必要な「確認」「指示」「声かけ」等のことである。

「3.一部介助」

・「排尿」の一連の行為に部分的に介助が行われている場合をいう。

「4.全介助」

・調査対象者の「排尿」の介助の全てが行われている場合をいう。

調査上の留意点

尿意の有無は問わない。

トイレやポータブルトイレ、尿器等の排尿後の掃除は含まれるが、トイレの日常的な掃除は含まない。また使用したポータブルトイレの後始末を一括して行う場合は、排尿の直後であるかどうかや、その回数に関わらず「排尿後の後始末」として評価する。

トイレまでの移動に関する介助は、他の移動行為とともに「2―2 移動」で評価するが、トイレ等に誘導するための「確認」「指示」「声かけ」は、「2.見守り等」として評価する。トイレやポータブルトイレへの移乗に関する介助は、他の移乗行為とともに「2―1 移乗」で評価する。

失禁した場合の衣服の更衣に関する介助は、他の着脱行為ともに「2―10 上衣の着脱」「2―11 ズボン等の着脱」で評価する。

「朝昼夜等の時間帯や体調等によって介助の方法が異なる場合」

一定期間(調査日より概ね過去1週間)の状況において、より頻回に見られる状況や日頃の状況で選択する。

その場合、その日頃の状況等について、具体的な内容を「特記事項」に記載する。

「福祉用具(補装具や介護用品等)や器具類を使用している場合」

福祉用具(補装具や介護用品等)や器具類を使用している場合は、使用している状況で選択する。

おむつや尿カテーテル等を使用していても、自分で準備から後始末まで行っている場合は、「1.介助されていない」を選択する。

「調査対象の行為自体が発生しない場合」

人工透析を行っている等で、排尿が全くない場合は、介助自体が発生していないため、「1.介助されていない」を選択する。

「「実際の介助の方法」が不適切な場合」

「介助されていない」状態や「実際に行われている介助」が、対象者にとって「不適切」であると認定調査員が判断する場合は、その理由を特記事項に記載した上で、適切な「介助の方法」を選択し、介護認定審査会の判断を仰ぐことができる。

なお、認定調査員が、「実際に行われている介助が不適切」と考える場合には、

・独居や日中独居等による介護者不在のために適切な介助が提供されていない場合

・介護放棄、介護抵抗のために適切な介助が提供されていない場合

・介護者の心身の状態から介助が提供できない場合

・介護者による介助が、むしろ本人の自立を阻害しているような場合

など、対象者が不適切な状況に置かれていると認定調査員が判断する様々な状況が想定される。

2―6 排便

1.介助されていない 2.見守り等 3.一部介助 4.全介助

調査項目の定義

「排便」の介助が行われているかどうかを評価する項目である。

ここでいう「排便」とは、「排便動作(ズボン・パンツの上げ下げ、トイレ、排便器への排便)」「肛門の清拭」「トイレの水洗」「トイレやポータブルトイレ、排便器等の排便後の掃除」「オムツ、リハビリパンツの交換」「ストーマ(人工肛門)袋の準備、交換、後始末」の一連の行為のことである。

選択肢の選択基準

「1.介助されていない」

・「排便」の介助が行われていない場合をいう。

「2.見守り等」

・「排便」の介助は行われていないが、「見守り等」が行われている場合をいう。

・ここでいう「見守り等」とは、常時の付き添いの必要がある「見守り」「確認」「指示」「声かけ」や、認知症高齢者等をトイレ等へ誘導するために必要な「確認」「指示」「声かけ」等のことである。

「3.一部介助」

・「排便」一連の行為に部分的な介助が行われている場合をいう。

「4.全介助」

・調査対象者の「排便」の介助の全てが行われている場合をいう。

調査上の留意点

トイレやポータブルトイレ、排便器等の排便後の掃除は含まれるが、トイレの日常的な掃除は含まない。また使用したポータブルトイレの後始末を一括して行う場合は、排便の直後であるかどうかや、その回数に関わらず「排便後の後始末」として評価する。

トイレまでの移動に関する介助は、他の移動行為とともに「2―2 移動」で評価するが、トイレ等に誘導するための「確認」「指示」「声かけ」は、「2.見守り等」として評価する。トイレやポータブルトイレへの移乗に関する介助は、他の移乗行為とともに「2―1 移乗」で評価する。

失禁した場合の衣服の更衣に関する介助は、他の着脱行為ともに「2―10 上衣の着脱」「2―11 ズボン等の着脱」で評価する。

浣腸や摘便等の行為そのものは含まれないが、これらの行為に付随する排便の一連の行為は含む。

「朝昼夜等の時間帯や体調等によって介助の方法が異なる場合」

一定期間(調査日より概ね過去1週間)の状況において、より頻回に見られる状況や日頃の状況で選択する。

その場合、その日頃の状況等について、具体的な内容を「特記事項」に記載する。

「福祉用具(補装具や介護用品等)や器具類を使用している場合」

福祉用具(補装具や介護用品等)や器具類を使用している場合は、使用している状況で選択する。

「「実際の介助の方法」が不適切な場合」

「介助されていない」状態や「実際に行われている介助」が、対象者にとって「不適切」であると認定調査員が判断する場合は、その理由を特記事項に記載した上で、適切な「介助の方法」を選択し、介護認定審査会の判断を仰ぐことができる。

なお、認定調査員が、「実際に行われている介助が不適切」と考える場合には、

・独居や日中独居等による介護者不在のために適切な介助が提供されていない場合

・介護放棄、介護抵抗のために適切な介助が提供されていない場合

・介護者の心身の状態から介助が提供できない場合

・介護者による介助が、むしろ本人の自立を阻害しているような場合

など、対象者が不適切な状況に置かれていると認定調査員が判断する様々な状況が想定される。

2―7 口腔清潔

1.介助されていない 2.一部介助 3.全介助

調査項目の定義

「口腔清潔」の介助が行われているかどうかを評価する項目である。

ここでいう「口腔清潔」とは、歯磨き等の一連の行為のことで、「歯ブラシやうがい用の水を用意する」「歯磨き粉を歯ブラシにつける等の準備」「義歯をはずす」「うがいをする」等のことである。

選択肢の選択基準

「1.介助されていない」

・「口腔清潔」の介助が行われていない場合をいう。

「2.一部介助」

・一連の行為に部分的に介助が行われている場合をいう。

・見守り等(確認、指示、声かけ)が行われている場合も含まれる。

・歯磨き中の指示や見守り、磨き残しの確認が行われている場合を含む。

・義歯の出し入れはできるが、義歯を磨く動作は介護者が行っている場合も含む。

「3.全介助」

・「口腔清潔」の全ての介助が行われている場合をいう。

・本人が行った箇所を含めて、介護者がすべてやり直す場合も含む。

・介護者が歯を磨いてあげ、口元までコップを運び、本人は口をすすいで吐き出す行為だけができる場合は、「3.全介助」を選択する。

調査上の留意点

洗面所への誘導、移動は含まない。

洗面所周辺の掃除等は含まない。

義歯の場合は、義歯の清潔保持に係る行為で選択する。

歯磨き粉を歯ブラシにつけない、口腔清浄剤を使用している等の場合も、「口腔清潔」に含む。

「朝昼夜等の時間帯や体調等によって介助の方法が異なる場合」

一定期間(調査日より概ね過去1週間)の状況において、より頻回に見られる状況や日頃の状況で選択する。

その場合、その日頃の状況等について、具体的な内容を「特記事項」に記載する。

「福祉用具(補装具や介護用品等)や器具類を使用している場合」

福祉用具(補装具や介護用品等)や器具類を使用している場合は、使用している状況で選択する。

「「実際の介助の方法」が不適切な場合」

「介助されていない」状態や「実際に行われている介助」が、対象者にとって「不適切」であると認定調査員が判断する場合は、その理由を特記事項に記載した上で、適切な「介助の方法」を選択し、介護認定審査会の判断を仰ぐことができる。

なお、認定調査員が、「実際に行われている介助が不適切」と考える場合には、

・独居や日中独居等による介護者不在のために適切な介助が提供されていない場合

・介護放棄、介護抵抗のために適切な介助が提供されていない場合

・介護者の心身の状態から介助が提供できない場合

・介護者による介助が、むしろ本人の自立を阻害しているような場合

など、対象者が不適切な状況に置かれていると認定調査員が判断する様々な状況が想定される。

2―8 洗顔

1.介助されていない 2.一部介助 3.全介助

調査項目の定義

「洗顔」の介助が行われているかどうかを評価する項目である。

ここでいう「洗顔」とは、洗顔の一連の行為のことで、一連の行為とは、「タオルの準備」「蛇口をひねる」「顔を洗う」「タオルで拭く」「衣服の濡れの確認」等の行為をいう。また、「蒸しタオルで顔を拭く」ことも含む。

選択肢の選択基準

「1.介助されていない」

・「洗顔」の介助が行われていない場合をいう。

「2.一部介助」

・一連の行為に部分的に介助が行われている場合をいう。

・見守り等(確認、指示、声かけ)が行われている場合も含まれる。

・洗顔中の見守り等、衣服が濡れていないかの確認等が行われている場合を含む。

・蒸しタオルで顔を拭くことはできるが、蒸しタオルを準備してもらうなどの介助が発生している場合を含む。

「3.全介助」

・「洗顔」の全ての介助が行われている場合をいう。

・介護者が本人の行った箇所を含めてすべてやり直す場合も含む。

調査上の留意点

洗面所への誘導、移動は含まない。

洗面所周辺の掃除等は含まない。

「朝昼夜等の時間帯や体調等によって介助の方法が異なる場合」

一定期間(調査日より概ね過去1週間)の状況において、より頻回に見られる状況や日頃の状況で選択する。

その場合、その日頃の状況等について、具体的な内容を「特記事項」に記載する。

「福祉用具(補装具や介護用品等)や器具類を使用している場合」

福祉用具(補装具や介護用品等)や器具類を使用している場合は、使用している状況で選択する。

「調査対象の行為自体が発生しない場合」

「洗顔」を行う習慣がない等の場合は、入浴後に顔をタオル等で拭く介助や、ベッド上で顔を拭く行為などの類似行為で代替して評価する。通常の洗顔行為がある場合は、これらの行為を評価対象には含まない。

「「実際の介助の方法」が不適切な場合」

「介助されていない」状態や「実際に行われている介助」が、対象者にとって「不適切」であると認定調査員が判断する場合は、その理由を特記事項に記載した上で、適切な「介助の方法」を選択し、介護認定審査会の判断を仰ぐことができる。

なお、認定調査員が、「実際に行われている介助が不適切」と考える場合には、

・独居や日中独居等による介護者不在のために適切な介助が提供されていない場合

・介護放棄、介護抵抗のために適切な介助が提供されていない場合

・介護者の心身の状態から介助が提供できない場合

・介護者による介助が、むしろ本人の自立を阻害しているような場合

など、対象者が不適切な状況に置かれていると認定調査員が判断する様々な状況が想定される。

2―9 整髪

1.介助されていない 2.一部介助 3.全介助

調査項目の定義

「整髪」の介助が行われているかどうかを評価する項目である。

ここでいう「整髪」とは、「ブラシの準備」「整髪料の準備」「髪をとかす」「ブラッシングする」等の「整髪」の一連の行為のことである。

選択肢の選択基準

「1.介助されていない」

・「整髪」の介助が行われていない場合をいう。

「2.一部介助」

・一連の行為に部分的に介助が行われている場合をいう。

・見守り等(確認、指示、声かけ)が行われている場合も含まれる。

「3.全介助」

・「整髪」の全ての介助が行われている場合をいう。

・本人が行った箇所を含めて介護者がすべてやり直す場合も含む。

調査上の留意点

洗面所等鏡がある場所への誘導、移動は含まない。

洗面所周辺の掃除等は含まない。

「朝昼夜等の時間帯や体調等によって介助の方法が異なる場合」

一定期間(調査日より概ね過去1週間)の状況において、より頻回に見られる状況や日頃の状況で選択する。

その場合、その日頃の状況等について、具体的な内容を「特記事項」に記載する。

「福祉用具(補装具や介護用品等)や器具類を使用している場合」

福祉用具(補装具や介護用品等)や器具類を使用している場合は、使用している状況で選択する。

「調査対象の行為自体が発生しない場合」

頭髪がない場合、または、短髪で整髪の必要がない場合は、入浴後に頭部をタオル等で拭く介助や、ベッド上で、頭を拭く行為などで代替して評価する。通常の整髪行為がある場合は、これらの行為を評価対象には含まない。

「「実際の介助の方法」が不適切な場合」

「介助されていない」状態や「実際に行われている介助」が、対象者にとって「不適切」であると認定調査員が判断する場合は、その理由を特記事項に記載した上で、適切な「介助の方法」を選択し、介護認定審査会の判断を仰ぐことができる。

なお、認定調査員が、「実際に行われている介助が不適切」と考える場合には、

・独居や日中独居等による介護者不在のために適切な介助が提供されていない場合

・介護放棄、介護抵抗のために適切な介助が提供されていない場合

・介護者の心身の状態から介助が提供できない場合

・介護者による介助が、むしろ本人の自立を阻害しているような場合

など、対象者が不適切な状況に置かれていると認定調査員が判断する様々な状況が想定される。

2―10 上衣の着脱

1.介助されていない 2.見守り等 3.一部介助 4.全介助

調査項目の定義

「上衣の着脱」の介助が行われているかどうかを評価する項目である。

ここでいう「上衣の着脱」とは、普段使用している上衣等の着脱のことである。

選択肢の選択基準

「1.介助されていない」

・「上衣の着脱」の介助が行われていない場合をいう。

「2.見守り等」

・「上衣の着脱」の介助は行われていないが、「見守り等」が行われている場合をいう。

・ここでいう「見守り等」とは、常時の付き添いの必要がある「見守り」や、認知症高齢者等の場合に必要な行為の「確認」「指示」「声かけ」等のことである。

「3.一部介助」

・「上衣の着脱」の際に介助が行われている場合であって、「見守り等」、「全介助」のいずれにも含まれない場合をいう。

「4.全介助」

・「上衣の着脱」の一連の行為すべてに介助が行われている場合をいう。

調査上の留意点

時候にあった衣服の選択、衣服の準備、手渡し等、着脱までの行為は含まない。

服を体にあてがう行為や袖通しなど一連の行為すべてが介護者によって行われていれば、首や体幹を揺り動かすなどの行為は、介護者の介助の方法や負担に大きな影響を与えていないことから、選択肢の選択には影響を及ぼさないと判断し、一連の行為全体に対してすべて介助されていると考え、「4.全介助」を選択する。

一方、介護者が構えている服に「自ら袖に腕を通す」場合は、服を構える介助は行われているものの、袖通しは自ら行っていることから、一連の行為の一部に介助があると判断し、「3.一部介助」を選択する。

「朝昼夜等の時間帯や体調等によって介助の方法が異なる場合」

一定期間(調査日より概ね過去1週間)の状況において、より頻回に見られる状況や日頃の状況で選択する。

その場合、その日頃の状況等について、具体的な内容を「特記事項」に記載する。

「福祉用具(補装具や介護用品等)や器具類を使用している場合」

福祉用具(補装具や介護用品等)や器具類を使用している場合は、使用している状況で選択する。

「「実際の介助の方法」が不適切な場合」

「介助されていない」状態や「実際に行われている介助」が、対象者にとって「不適切」であると認定調査員が判断する場合は、その理由を特記事項に記載した上で、適切な「介助の方法」を選択し、介護認定審査会の判断を仰ぐことができる。

なお、認定調査員が、「実際に行われている介助が不適切」と考える場合には、

・独居や日中独居等による介護者不在のために適切な介助が提供されていない場合

・介護放棄、介護抵抗のために適切な介助が提供されていない場合

・介護者の心身の状態から介助が提供できない場合

・介護者による介助が、むしろ本人の自立を阻害しているような場合

など、対象者が不適切な状況に置かれていると認定調査員が判断する様々な状況が想定される。

2―11 ズボン等の着脱

1.介助されていない 2.見守り等 3.一部介助 4.全介助

調査項目の定義

「ズボン等の着脱」の介助が行われているかどうかを評価する項目である。

ここでいう「ズボン等の着脱」とは、普段使用しているズボン、パンツ等の着脱のことである。

選択肢の選択基準

「1.介助されていない」

・「ズボン等の着脱」の介助が行われていない場合をいう。

「2.見守り等」

・「ズボン等の着脱」の介助は行われていないが、「見守り等」が行われている場合をいう。

・ここでいう「見守り等」とは、常時の付き添いの必要がある「見守り」や、認知症高齢者等の場合に必要な行為の「確認」「指示」「声かけ」等のことである。

「3.一部介助」

・「ズボン等の着脱」の際に介助が行われている場合であって、「見守り等」、「全介助」のいずれにも含まれない場合をいう。

「4.全介助」

・「ズボン等の着脱」の一連の行為すべてに介助が行われている場合をいう。

調査上の留意点

時候にあった衣服の選択、衣服の準備、手渡し等、着脱までの行為は含まない。

服を体にあてがう行為やズボンに足を通すなど一連の行為すべてが介護者によって行われていれば、足や腰、体幹を揺り動かすなどの行為は、介護者の介助の方法や負担に大きな影響を与えていないことから、選択肢の選択には影響を及ぼさないと判断し、一連の行為全体に対してすべて介助されていると考え、「4.全介助」を選択する。

一方、介護者が構えているズボンに「自ら足を通す」場合は、服を構える介助は行われているものの、ズボンに足を通す行為は自ら行っていることから、一連の行為の一部に介助があると判断し、「3.一部介助」を選択する。

「朝昼夜等の時間帯や体調等によって介助の方法が異なる場合」

一定期間(調査日より概ね過去1週間)の状況において、より頻回に見られる状況や日頃の状況で選択する。その場合、その日頃の状況等について、具体的な内容を「特記事項」に記載する。

「福祉用具(補装具や介護用品等)や器具類を使用している場合」

福祉用具(補装具や介護用品等)や器具類を使用している場合は、使用している状況で選択する。

「調査対象の行為自体が発生しない場合」

日頃、ズボンをはかない場合(浴衣形式の寝巻きなど)は、パンツやオムツの着脱の行為で代替して評価する。通常のズボンの着脱行為がある場合は、これらの行為を評価対象には含まない。

「「実際の介助の方法」が不適切な場合」

「介助されていない」状態や「実際に行われている介助」が、対象者にとって「不適切」であると認定調査員が判断する場合は、その理由を特記事項に記載した上で、適切な「介助の方法」を選択し、介護認定審査会の判断を仰ぐことができる。

なお、認定調査員が、「実際に行われている介助が不適切」と考える場合には、

・独居や日中独居等による介護者不在のために適切な介助が提供されていない場合

・介護放棄、介護抵抗のために適切な介助が提供されていない場合

・介護者の心身の状態から介助が提供できない場合

・介護者による介助が、むしろ本人の自立を阻害しているような場合

など、対象者が不適切な状況に置かれていると認定調査員が判断する様々な状況が想定される。

2―12 外出頻度

1.週1回以上 2.月1回以上 3.月1回未満

調査項目の定義

「外出頻度」を評価する項目である。

ここでいう「外出頻度」とは、1回概ね30分以上、居住地の敷地外へ出る頻度を評価する。

一定期間(調査日より概ね過去1か月)の状況において、外出の頻度で選択する。

選択肢の選択基準