添付一覧
○ICHQ4Bガイドラインに基づく事項別付属文書(崩壊試験法)について
(平成22年9月17日)
(薬食審査発0917第3号)
(各都道府県衛生主管部(局)長あて厚生労働省医薬食品局審査管理課長通知)
今般、日米EU医薬品規制調和国際会議(ICH)において、「ICHQ4Bガイドライン(平成21年5月26日付け薬食審査発第0526001号厚生労働省医薬食品局審査管理課長通知)」の事項別付属文書として、別添のとおり崩壊試験法について、付属文書(以下「本文書」という。)がとりまとめられましたので、下記について御了知の上、貴管下関係業者等に対して周知方御配慮願います。
記
1.崩壊試験法の取扱い
日本薬局方(日局)、米国薬局方(USP)及び欧州薬局方(EP)(以下「三極薬局方」という。)に規定されている崩壊試験法に関して、本文書の第2章に示される条件に従い、ICH地域において相互利用が可能なものであること。ただし、相互利用の対象となる製剤は、錠剤及びカプセル剤であり、特殊な剤形については対象外である。
なお、規格値/判定基準は本試験法の調和の範囲外であり、承認申請資料に規定すること。
2.本文書に基づく医薬品製造販売承認申請の取扱い
(1) 本文書に基づき、相互利用が可能とされた崩壊試験法を適用する場合は、承認申請書に日局、USP又はEPのうち、いずれかの試験法によるものかを特定して記載することで、試験方法は省略できること。
なお、記載方法については、「ICHQ4Bガイドラインに基づく医薬品等の承認申請等に関する質疑応答集(Q&A)について」(平成21年5月26日付け厚生労働省医薬食品局審査管理課事務連絡)を参照されたい。
(2) 医薬品製造販売承認申請書において、USP試験法又はEP試験法を全文記載して承認されている品目について、その試験法を変更することなく「USP試験法による」又は「EP試験法による」旨の簡略記載に変更する場合にあっては、当該変更のみの薬事法第14条第9項の規定に基づく承認事項の一部変更承認申請(以下「一変申請」という)又は薬事法第14条第10項の規定に基づく承認事項の軽微変更に係る届出(以下「軽微変更届出」という)を行う必要はなく、一変申請又は軽微変更届出を行う機会があるときに併せて変更することで差し支えないこと。
(3) 医薬品製造販売承認申請書において、「日局試験法による」旨を記載して承認されている品目について、本文書に基づき試験法を「USP試験法による」又は「EP試験法による」旨の記載に変更する場合にあっては、その製品の品質、有効性及び安全性に影響を与えるおそれがないものにあっては、軽微変更届出により変更することで差し支えないこと。
(4) 承認申請時には、上記(1)の記載を行った場合であっても、記載した試験法による試験成績資料を提出すること。ただし、上記の(2)及び(3)の軽微変更届出時には、特に試験成績資料の提出は要しない。
3.適用時期
本通知は、平成22年9月17日より適用すること。
〔別添〕
Q4B―事項別付属文書(ANNEX) 5
薬局方テキストをICH地域において相互利用するための評価及び勧告
崩壊試験法
目次
第1章 序文
第2章 Q4B評価結果
2.1 試験方法
2.2 規格値/判定基準
第3章 施行時期
第4章 施行に当たっての留意事項
4.1 全般的な事項
4.2 米国(FDA)の場合
4.3 EUの場合
4.4 日本(厚生労働省)の場合
第5章 Q4B評価に用いた参照資料
5.1 PDG調和文書(PDG ステージ5B 合意署名文書)
5.2 三極薬局方における参考資料
第1章 序文
本文書は、崩壊試験法についてQ4B専門家作業部会で評価された結果を示したものである。本試験法は三極薬局方検討会議(PDG)から提出されたものである。
第2章 Q4B評価結果
2.1. 試験方法
ICH運営委員会は、Q4B専門家作業部会の評価に基づいて、錠剤及びカプセル剤について、欧州薬局方収載の2.9.1.Disintegration of Tablets and Capsules、日本薬局方収載の6.09崩壊試験法、米国薬局方収載の<701>DisintegrationがICH地域内において下記の事項を考慮の上で相互利用できるものとして勧告する。
特殊な剤形の試験方法は、本試験法の調和の対象外である。
2.1.1. 異なる装置を適用する長径が18mmを超える錠剤及びカプセル剤について、本試験法は三地域内で相互利用できない。
2.1.2. 各地域の薬局方で、腸溶性(delayed-release、gastro-resistant、又はenteric-coated)と記載されている製剤に対する崩壊試験法は、三地域内で相互利用できない。
2.1.3. 試験液、補助盤の使用等の製品特有の試験条件については承認申請資料に規定する。
2.2.規格値/判定基準
規格値/判定基準は本試験法の調和の範囲外であり、承認申請資料に規定する。
第3章 施行時期
本文書は各々の規制地域で施行された時点(ICHステップ5)で、当該地域で使用可能となる。施行時期は各地域で異なる場合がある。
第4章 施行に当たっての留意事項
4.1 全般的な事項:本文書の施行後、製造販売業者等が、従前の方法をQ4B専門家作業部会が評価した本文書の第2.1章に参照されている薬局方テキストに変更する場合、いかなる変更(届出、申請)、及び/又は事前承認の手続きも、各規制地域の薬局方の改正に関する取扱いに従う。
4.2 米国(FDA)の場合:上記の勧告に基づき、そして、本文書に示された条件に従い、第2.1章に参照されている薬局方テキストは相互利用できる。しかしながら、どの薬局方を用いるかにかかわらず、企業が選択した試験方法が個別の品目に対して適用できるかどうか説明を求める場合がある。
4.3 EUの場合:欧州連合では、欧州薬局方の各条を適用する義務がある。規制当局は、上記の相互利用の宣言に基づき、本文書に示される条件に従い、欧州薬局方収載の2.9.1.Disintegration of Tablets and Capsulesの適合性の必要条件を満たしているとして、販売承認申請、更新、変更申請において本文書の第2.1章で参照されている他の薬局方テキストを利用することを受け入れることができる。
4.4 日本(厚生労働省)の場合:本文書の第2.1章に参照されている薬局方テキストは、本文書に示される条件に従い、相互利用が可能なものとして利用することができる。施行の要件については、本文書を施行する際に厚生労働省より通知される。
第5章 Q4B評価に用いた参照資料
5.1 PDG調和文書(PDG ステージ5B 合意署名文書(第一改訂版)):日本薬局方フォーラムVol.16 No.4(2007年12月発行)
5.2 三極薬局方における参照資料
5.2.1. 欧州薬局方:Supplement6.3 2009年1月発効
Disintegration of Tablets and Capsules(reference01/2009:20901)
5.2.2. 日本薬局方:第十五改正日本薬局方一部改正(2009年3月31日 厚生労働省告示第190号)
一般試験法 6.09崩壊試験法
5.2.3. 米国薬局方:Revision Bulletin(2008年6月6日発行、2008年8月1日発効)
<701>Disintegration