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○医薬品等の規格及び試験方法に係る変更等に関する質疑応答集(Q&A)について

(平成22年7月26日)

(事務連絡)

(各都道府県衛生主管部(局)薬務主管課あて厚生労働省医薬食品局審査管理課通知)

医薬品(体外診断用医薬品を除く。以下同じ。)、医薬部外品及び化粧品(以下「医薬品等」という。)の規格及び試験方法に係る変更に関する質疑応答集(Q&A)を別添のとおりとりまとめましたので、貴管下関係業者に対し周知願います。

別添

医薬品等の規格及び試験方法に係る変更等に関する質疑応答集(Q&A)

本Q&Aにおいて軽微変更届出の対象とされた場合であっても、事前に変更前後の試験法及び結果に問題がないことを確認しておく必要がある。資料については、当局からの求めに応じて提出できるよう、適切に保管しておくこと。

また、本Q&Aにおいて、「日本薬局方」を「日局」、「薬事法第14条第9項の規定に基づく承認事項の一部変更承認申請」を「一変申請」、「薬事法第14条第10項の規定に基づく承認事項の軽微変更に係る届出」を「軽微変更届出」、とそれぞれ略する。

<日本薬局方に係る規格及び試験方法の変更>

Q1(製剤試験法)

日局一般試験法において試験方法及び判定値が定められている製剤試験を追加する場合、軽微変更届出でよいか。

A1

日局で定められている下記試験法を追加する場合については、軽微変更届出で差し支えない。

・眼軟膏剤への「眼軟膏剤の金属性異物試験」

・注射剤への「注射剤の採取容量試験」(実容量試験を変更する場合も含む)

・注射剤への「注射剤の不溶性異物検査」

・注射剤への「注射剤の不溶性微粒子試験」

・点眼剤への「点眼剤の不溶性微粒子試験」

また、製剤均一性試験法の含量均一性試験を追加する場合であって、設定する測定法が当該製剤においてすでに承認を受けた定量法の試験条件及び測定濃度を準用する場合は、軽微変更届出で差し支えない。

Q2(確認試験)

対イオンの確認試験において、日局に当該イオンの試験方法が収載される以前に独自に設定していた定性試験を、日局一般試験法「1.09定性反応」に変更する場合は、軽微変更届出でよいか(例:メシル酸塩の「1.09定性反応」への収載に伴い、承認法を日局の試験法へ変更する)。

A2

当該イオンを適切に確認できる場合は、日局に規定されている試験方法への変更であるため、軽微変更届出で差し支えない。

Q3(製剤均一性試験法)

日局の第15改正に伴う一般試験法の名称変更のみを行う場合、記載整備届出又は他の理由により一変申請又は軽微変更届出を行う時に併せて変更することでよいとされているが、第15改正に伴い、質量偏差試験を製剤均一性試験(質量偏差試験)へ変更又は含量均一性試験を製剤均一性試験(含量均一性試験)へ変更する場合は、その判定係数も変更することとなる。この場合の変更手続きについても、軽微変更届出でよいか。

A3

質量偏差試験から製剤均一性試験(質量偏差試験)への変更について、軽微変更届出で差し支えない。また、含量均一性試験から製剤均一性試験(含量均一性)への変更については、定量方法に変更がない場合は、軽微変更届出で差し支えない。ただし、上記いずれの場合であっても、判定値等が別に規定される場合はこの限りではない。

なお、第13改正第一追補以前の重量偏差試験から製剤均一性試験(質量偏差試験)への変更(ただし、判定値等が別に規定される場合を除く)についても、軽微変更届出で差し支えない。

Q4(製剤均一性試験法)

日局の第15改正に伴い、質量偏差試験を製剤均一性試験(含量均一性試験)に変更する場合は、軽微変更届出でよいか。

A4

この場合、新たに定量方法を設定する必要があるため、原則として、一変申請の対象となる。ただし、同製剤の定量法において既に妥当性が確認された試験条件及び測定濃度を含量均一性試験の定量方法に設定する場合は、軽微変更届出で差し支えない。

<規格及び試験方法の変更又は追加>

Q5(水分測定法)

原薬又は添加物の水分測定法について、容量滴定法を電量滴定法に変更する場合は軽微変更届出でよいか。また、あわせて試料採取量も変更する場合も、軽微変更届出でよいか。

A5

規格の変更を伴わない場合は、軽微変更届出で差し支えない。

Q6(旋光度測定法)

旋光度について、測定値が同等であることを確認した上で、規格値を変更することなく、層長及び試料濃度を変更する場合、軽微変更届出でよいか。

A6

下記①から④の条件を同時に満たす場合、軽微変更届出で差し支えない。

① 規格値の変更を伴わないこと。

② 測定溶媒の変更を伴わないこと。

③ 「測定管の層長×試料濃度」が維持される範囲内での変更であること。

(例:層長を200mm→100mm、試料濃度を2倍)

④ 変更内容が試験(判定)結果に影響しないことを確認していること。

Q7(原薬の確認試験:赤外吸収スペクトル測定法又は紫外可視吸光度測定法)

本邦の公定書に収載されていない原薬の確認試験に、赤外吸収スペクトルにおける波数規定や紫外可視吸収スペクトルにおける波長規定による試験方法が設定されている場合において、波数や波長における判定から、標準物質のスペクトルと比較する判定法又はあらかじめ標準物質から得られた参照スペクトルと比較する判定法に変更する場合は、軽微変更届出でよいか。

A7

波数や波長における判定法からスペクトルの比較による判定法に変更する場合、判定に必要な情報量が増え、規格の厳格化に通じることから、軽微変更届出で差し支えない。ただし、現在の承認書において適切な標準物質規格が規定されていない場合は、新たに標準物質規格を設定する必要があるため、そのような場合は軽微変更届出の対象とはならない。

Q8(原薬の確認試験:赤外吸収スペクトル測定法又は紫外可視吸収度測定法)

本邦の公定書に収載されていない原薬の確認試験において、標準物質の赤外吸収スペクトル又は紫外可視吸収スペクトルと比較する試験方法が設定されている場合において、あらかじめ標準物質から得られた参照スペクトルと比較する判定法に変更する、又は参照スペクトルとの比較から標準物質のスペクトルとの比較による判定法に変更する場合、軽微変更届出でよいか。

A8

変更前後のスペクトルに変更がない場合、本質的な変更には該当しないため、軽微変更届出で差し支えない。ただし、標準物質のスペクトルとの比較による判定法に変更する場合にあっては、現在の承認書において適切な標準物質規格が規定されていない場合は、新たに標準物質規格を設定する必要があるため、そのような場合は軽微変更届出の対象とはならない。

また、当該原薬が固体状態であって、結晶多形等のように異なる存在形を有する場合には、赤外吸収スペクトルの比較による確認試験において、比較に用いるスペクトルの変更前後で判定に違いが生じないように注意する必要がある。

Q9(原薬の確認試験:赤外吸収スペクトル測定法)

本邦の公定書に記載されていない原薬の確認試験において赤外吸収スペクトル測定法を採用している場合、検体(試料及び標準物質)の調製方法及び測定方法を日局一般試験法に規定されている範囲内で変更する(例えば、調製方法を錠剤法からペースト法、又は測定方法を錠剤法から拡散反射法やATR法へ変更する)場合、軽微変更届出でよいか。

A9

軽微変更届出で差し支えない。

また、参照スペクトルの場合は、調製方法や測定方法に加え、参照スペクトル自体も変更する必要がある。

Q10(確認試験:薄層クロマトグラフィー)

確認試験において薄層クロマトグラフィーを採用しているが、下記①から③のとおり試験条件を変更する場合は、それぞれ軽微変更届出でよいか。

① 試料及び標準物質の溶解に使用する溶媒を変更する場合。(例:クロロホルム→アセトン)

② 発色試薬を変更する場合(ただし、規格に色調が規定されていない場合に限る)。

③ 標準物質とのRf値の比較による試験において、展開溶媒を変更する場合。

<背景>

作業者の健康及び環境への影響を考慮し、有害試薬・溶媒等の使用を削減する。

A10

確認試験における①から③の変更については、生物製剤等、生薬、漢方製剤及び配合剤以外で、かつ、Rf値がほとんど変わらない場合(ただし、③のケースは標準物質とRf値が同じ場合)、変更内容が試験(判定)結果に大きな影響を与えないと思われることから、軽微変更届出で差し支えない。

Q11(純度試験(類縁物質):薄層クロマトグラフィー)

純度試験(類縁物質)において薄層クロマトグラフィーを採用しているが、試験に用いる検体(試料及び標準物質)の溶解性及び溶解後の安定性を確認した上で、検体の溶解に用いる溶媒を変更(ただし、展開溶媒は変更しない。)する場合、軽微変更届出でよいか。

A11

純度試験においては、確認試験と異なり薄層クロマトグラフィーの測定対象物質が不純物(類縁物質)であることから、溶解に用いる溶媒を変更することで、試験結果に影響を与える可能性が考えられるため、軽微変更届出の対象とはならない。

Q12(純度試験(類縁物質))

純度試験(類縁物質)において、測定対象物質が特定されている薄層クロマトグラフィー(限度試験)から液体クロマトグラフィー又はガスクロマトグラフィー等の分離分析法に変更を行う場合、自社にて分析法バリデーション及び試験結果への影響がないことを確認すれば、軽微変更届出で対応してもよいか。

A12

精度、特異性などが大きく変わる可能性があるため、軽微変更届出の対象とはならない。

Q13(原薬の定量法)

定量法に滴定法を設定している原薬において、指示薬法から電気的終点検出法に変更する場合は、軽微変更届出でよいか。

A13

原薬の含量を決定する定量法は重要な試験法であり、当該変更が試験結果に影響する可能性が考えられる。また、試験法の精度が上がる場合は、規格を狭める必要もあり得るため、軽微変更届出の対象とはならない。

Q14(製剤の定量法)

製剤の定量法について、滴定法から液体クロマトグラフィー又はガスクロマトグラフィーなどの分離分析法に変更する場合、一般的には一変申請の対象となると考えられるが、下記の①又は②のいずれかに該当する場合は、軽微変更届出でよいか。

① 原薬が日局に収載されており、その原薬の定量法の試料濃度、試験条件及びシステム適合性を準用する。

② 同じ原薬で異なる剤形の製剤が日局に収載されており、その製剤の定量法の試料濃度、試験条件及びシステム適合性を準用する。

A14

定量法における測定原理の変更については、規格値の変更に繋がる可能性が考えられるため、①又は②の条件を満たす場合であっても軽微変更届出の対象とはならない。

Q15(製剤の定量法)

製剤の定量法について、「紫外可視吸光度測定法」又は「滴定法」による承認法を、品質再評価において溶出試験に採用した「液体クロマトグラフィー」又は「蛍光光度法」に変更する場合は、軽微変更届出でよいか。

A15

定量法における測定原理の変更については、規格値の変更に繋がる可能性が考えられるため、軽微変更届出の対象とはならない。

Q16(クロマトグラフィーによる定量法)

液体クロマトグラフィー又はガスクロマトグラフィーによる定量法を規定している場合において、内標準法から絶対検量線法へ変更したい。試験条件を変えず、システムの性能として分離度、理論段数、シンメトリー係数等を適切に設定すれば、本変更を軽微変更届出で行ってよいか。ただし、システムの再現性の相対標準偏差の規定は変更しない。

<背景>

一般に注入バラツキを抑える為に内標準法を用いるが、近年の分析機器の進歩により、オートサンプラーの注入精度が向上し絶対検量線法でも内標準法と同等の再現性が得られることから、内標準法から絶対検量線法へ変更し省力化を図る。

A16

システムの性能以外の試験条件等に変更がなく、システムの性能が適切に設定されている場合、内標準物質を削除するのみの変更であり、本質的な変更ではないため、軽微変更届出で差し支えない。ただし、内標準物質が回収率補正のために加えられている場合は除く。

なお、絶対検量線法から内標準法へ変更する場合は、一変申請の対象となる。

Q17(液体クロマトグラフィー)

液体クロマトグラフィーにおいて、セミミクロカラム、ショートカラム又は超高速液体クロマトグラフィーへの変更(注入量の変更も含む)を行う場合、軽微変更届出でよいか。

A17

セミミクロカラム、ショートカラム又は超高速液体クロマトグラフィーの適用については、新しい試験法に変更することとなるため、軽微変更届出の対象とはならない。

Q18(ガスクロマトグラフィー)

純度試験(類縁物質又は残留溶媒)又は定量法にガスクロマトグラフィーが設定されている場合において、使用するカラムを、充てんカラムからキャピラリーカラムへ変更する場合(カラムの変更に伴い試験条件を変更する場合も含む)、軽微変更届出でよいか。

A18

純度試験(類縁物質)及び定量法における試験条件の変更については、試験結果に影響を与える可能性が考えられるため、軽微変更届出の対象とはならない。一方で、純度試験(残留溶媒)については、上記試験項目ほど厳密な精度が求められる試験項目ではないため、ガスクロマトグラフィーのカラムの変更については軽微変更届出で差し支えない。

Q19(エンドトキシン試験法)

原薬、製剤又は添加剤等におけるエンドトキシン試験項目について、ゲル化法、比色法又は比濁法の三法のうち、いずれか一つ又は二つの試験法が規定されている場合であって、規格値を変更せず、三法の範囲内で試験法を追加する場合は、軽微変更届出でよいか。

A19

エンドトキシン試験法は日局の一般試験法に試験方法が規定されており、三法の反応干渉因子試験も設定されていることから、三法の範囲内で試験法を追加する場合は軽微変更届出で差し支えない。ただし、試験法を変更する場合又は規格値を変更する場合は、一変申請の対象となる。

Q20(試験操作)

試料溶液及び標準溶液の最終濃度を変更せずに、試料及び標準物質の採取量又は溶媒量を変更する場合、軽微変更届出でよいか。ただし、以下の場合を除く。

・公定書収載品の場合。

・定量法等について、「本品○個以上をとり・・・」と採取個数が規定されている場合において、採取個数を変更する場合。

A20

真度、精度がほとんど変わらない等、試験の目的を損なわない範囲での変更であれば、最終濃度を変更しないので試験結果に影響はないと考えられる。したがって、この場合は、軽微変更届出で差し支えない。採取量の極端な減少は試験の真度・精度に影響があることに留意すること。

Q21(有害試薬)

試験に有害試薬を使用しているが、クリーンアナリシスの観点から別の溶媒に変更する場合、軽微変更届出でよいか。

A21

試験結果に影響を与える可能性が考えられるため、クリーンアナリシスへの対応という理由だけでは、軽微変更届出の対象とはならない。なお、有害試薬を使用している場合は、可能な限り切り替えを行うよう検討されたい。