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○保育所における食事の提供について

(平成22年6月1日)

(雇児発0601第4号)

(各都道府県知事・各指定都市市長・各中核市市長あて厚生労働省雇用均等・児童家庭局長通知)

保育所における食事の提供に関して、施設外で調理し搬入すること(以下「外部搬入」という。)については、構造改革特別区域法(平成14年法律第189号)第3条に基づく構造改革特別区域基本方針(平成15年1月24日閣議決定)別表2の「920 公立保育所における給食の外部搬入の容認事業」(厚生労働省関係構造改革特別区域法第2条第3項に規定する省令の特例に関する措置及びその適用を受ける特定事業を定める省令(平成15年厚生労働省令第132号。以下「特区省令」という。)第1条により措置)により、特例措置が講じられてきたところであるが、当該特例措置については、「構造改革特別区域において講じられた規制の特例措置の評価に係る評価・調査委員会の意見に関する今後の政府の対応方針」(平成22年3月25日構造改革特別区域推進本部決定)において、「3歳以上児に対する給食については、特区における規制の特例措置の内容・要件のとおり、全国展開を行うこと。」とされたところである。

今般、この決定を踏まえ、これまで構造改革特別区域(以下「特区」という。)において行われてきた当該特例措置については、下記のとおり、本日公布、即日施行された「児童福祉施設最低基準等の一部を改正する省令」(平成22年厚生労働省令第75号。以下「改正省令」という。)により、満3歳以上の児童に対する食事の提供に限り、公立・私立を問わず全国展開することとし、満3歳に満たない児童に対する食事の提供については、引き続き、特区の認定を申請し、その認定を受けた場合に限り、外部搬入を認めることとした。

保育所における食事の提供について外部搬入を行うに当たっては、本通知の事項に御留意のうえ、その適正な実施に特段の御配慮をお願いしたい。また、本通知の発出に伴い、平成20年4月1日雇児発第0401002号厚生労働省雇用均等・児童家庭局長通知「構造改革特別区域における「公立保育所における給食の外部搬入方式の容認事業」について」(参考1)については、廃止する。

なお、本通知は地方自治法(昭和22年法律第67号)第245条の4第1項に規定する技術的助言として発出するものであることを申し添える。

Ⅰ 改正省令の概要

1 改正の趣旨

これまで保育所における食事の提供については、特区の認定を申請し、その認定を受けた公立保育所に限り、外部搬入を認めることとしていたが、満3歳以上の児童に対する食事の提供に限り、公立・私立を問わず全国展開することとし、満3歳に満たない児童に対する食事の提供については、引き続き、特区の認定を申請し、その認定を受けた場合に限り、外部搬入を認めることとするものである。また、併せて、所要の改正を行うものである。

2 児童福祉施設最低基準(昭和23年厚生省令第63号。以下「最低基準」という。)の改正内容(改正省令第1条関係)

以下の要件を満たす保育所においては、満3歳以上の児童に対する食事の提供について、外部搬入を実施することができること。(最低基準第32条の2関係)

(1) 幼児に対する食事の提供の責任が当該保育所にあり、その管理者が、衛生面、栄養面等業務上必要な注意を果たし得るような体制及び調理業務の受託者との契約内容が確保されていること。

(2) 当該保育所又は他の施設、保健所、市町村等の栄養士により、献立等について栄養の観点からの指導が受けられる体制にある等、栄養士による必要な配慮が行われること。

(3) 調理業務の受託者を、当該保育所における給食の趣旨を十分に認識し、衛生面、栄養面等、調理業務を適切に遂行できる能力を有する者とすること。

(4) 幼児の年齢及び発達の段階並びに健康状態に応じた食事の提供や、アレルギー、アトピー等への配慮、必要な栄養素量の給与等、幼児の食事の内容、回数及び時機に適切に応じることができること。

(5) 食を通じた乳幼児の健全育成を図る観点から、乳幼児の発育及び発達の過程に応じて食に関し配慮すべき事項を定めた食育に関する計画に基づき食事を提供するよう努めること。

3 特区省令の改正内容(改正省令第3条関係)

特区における公立保育所における給食の外部搬入方式の容認事業の対象を満3歳に満たない児童のみとすること。(特区省令第1条関係)

なお、今般の改正の施行前に、既に満3歳に満たない児童について、特区の認定を受けている地方公共団体については、改めて認定を受ける必要はないものであること。

Ⅱ 外部搬入実施に当たっての留意事項

外部搬入を実施するに当たっては、最低基準第32条の2又は特区省令第1条に規定する要件を満たす必要があること。また、この場合に、次の1から4までに留意すること。なお、満3歳以上の児童に対する食事の提供について外部搬入を実施するに当たっては(これまで特区で実施していた場合を含む。)、児童福祉法(昭和22年法律第164号)第35条第3項に規定する届出、児童福祉法施行規則(昭和23年厚生省令第11号)第37条第2項に規定する申請又は同条第4項若しくは第6項に規定する変更の届出を行うこと。

1 外部搬入を実施する保育所においては、調理室として加熱、保存、配膳等のために必要な調理機能を有する設備を有すること。具体的には、再加熱を行うための設備、冷蔵庫等の保存のための設備、給食を配膳するための適切な用具及びスペース、体調不良児等の対応に支障が生じない設備等を有すること。(最低基準第32条の2本文、特区省令第1条本文関係)

2 社会福祉施設において外部搬入を行う場合の衛生基準を遵守すること。また、保健衛生面・栄養面については保健所等による助言・相談に従うとともに、調理業務の委託・受託については、「保護施設等における調理業務の委託について」(昭和62年3月9日社施第38号)(参考2)及び「保育所における調理業務の委託について」(平成10年2月18日児発第86号)(参考3)の内容に十分留意すること。(最低基準第32条の2第1~3号、特区省令第1条第1~3号関係)

3 子どもの年齢、発達の段階や健康状態に応じた食事の提供や、アレルギー、アトピー等への配慮、必要な栄養素量の給与等子どもの食事の内容、回数や時機に適切に応じることができること。(最低基準第32条の2第4号、特区省令第1条第4号関係)

4 食を通じた子どもの健全育成(食育)を図る観点から、食育プログラムに基づき食事を提供するように努めること。食育プログラムとは、食育を図る観点から、発育・発達過程に応じて食に関し配慮すべき事項を定めたものである。なお、食育に関しては、「食を通じた子どもの健全育成(いわゆる「食育」)に関する取組の推進について(平成16年3月16日雇児発第0316007号)」及び「保育所における食を通じた子どもの健全育成(いわゆる「食育」)に関する取組の推進について(平成16年3月29日雇児保発第0329001号)」を参考にされたい。(最低基準第32条の2第5号、特区省令第1条第5号関係)