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○消費生活協同組合法施行規則の一部を改正する省令について

(平成22年5月10日)

(社援地発0510第3号)

(各都道府県消費生活協同組合主管部(局)長あて厚生労働省社会・援護局地域福祉課長通知)

今般、消費生活協同組合法施行規則の一部を改正する省令(平成22年厚生労働省令第41号)を公布したところであるが、その主な内容は下記のとおりである。また、本省令の施行に伴い、「消費生活協同組合法施行規則の一部改正に伴う組合の財務処理等に関する取扱いについて」(平成20年3月28日付け社援地発第0328003号厚生労働省社会・援護局地域福祉課長通知)の別添「決算関係書類等の様式例」についても、別添のとおり改正を行うので、併せて、御了知の上、貴管内の消費生活協同組合及び消費生活協同組合連合会に対し、周知徹底を図るとともに、適切な指導を行い、本省令の円滑な施行について特段の御配意をお願いする。

なお、この通知は、地方自治法第245条の4第1項の規定による技術的助言である。

[Ⅰ 会計関係]

1.決算関係書類関係

【1】 改正の趣旨

○ 今般、企業会計基準委員会における新たな会計基準の策定等により、「会社法施行規則、会社計算規則等の一部を改正する省令」(平成21年3月27日法務省令第7号)及び「会社計算規則の一部を改正する省令」(平成21年4月20日法務省令第22号)が制定されたことに伴い、消費生活協同組合法施行規則(昭和23年大蔵省、法務庁、厚生省、農林省令第1号。以下「規則」という。)の改正を行ったものである。

【2】改正の概要

(1) 資産除去債務(規則第82条第2項第1号ヲ及び同項第2号ホの新設)

企業会計基準委員会において「資産除去債務に関する会計基準」(平成20年3月31日企業会計基準第18号)が策定され、資産除去債務は、有形固定資産の取得、建設、開発又は通常の使用によって発生した場合に負債として計上することとされ、会社計算規則(平成18年法務省令第13号)が改正された。これに伴い、規則において同様の改正を行った。

(2) たな卸資産及び工事損失引当金の表示(規則第84条の2の新設)

企業会計基準委員会において「工事契約に関する会計基準」(平成19年12月27日企業会計基準第15号)が策定され、同一の工事契約に関するたな卸資産と工事損失引当金がともに計上されている場合には、貸借対照表上相殺して表示することが認められ、会社計算規則が改正された。これに伴い、規則において同様の改正を行った。

(3) 損益計算書の特別利益における負ののれん発生益の区分(規則第94条第7項の改正)

企業会計基準委員会において「企業結合に関する会計基準」が改正され(平成20年12月26日改正。企業会計基準第21号)、負ののれんは原則として特別利益に表示することとされ、会社計算規則が改正された。これに伴い、規則において同様の改正を行った。

(4) 連結損益計算書の少数株主損益調整前当期剰余金の表示(規則第99条第1項第3号の新設)

企業会計基準委員会において「連結財務諸表に関する会計基準」(平成20年12月26日企業会計基準第22号)が策定され、連結損益計算書に少数株主損益調整前当期純利益を表示することされ、会社計算規則が改正された。これに伴い、規則において同様の改正を行った。

(5) 金融商品に関する注記(規則第109条第1項第8号及び第118条の2の新設)

企業会計基準委員会において「金融商品に関する会計基準」が改正され(平成20年3月10日改正。企業会計基準第10号)、注記の対象を有価証券及びデリバティブ取引から金融商品全般へ拡大する等の開示の充実が図られ、会社計算規則が改正された。これに伴い、規則において同様の改正を行った。

(6) 持分法損益等に関する注記(規則第109条第1項第9号及び第118条の3の新設)

会社計算規則が改正され、持分法損益等に関する注記については、関連会社がある場合には関連会社に対する投資の金額及び当該投資に対して持分法を適用した場合の投資の金額等を注記する等の規定が新設された。これに伴い、規則において同様の改正を行った。

(7) 継続組合の前提に関する注記(規則第111条の改正)

会社計算規則が改正され、継続企業の前提に重要な疑義を抱かせる事象等があり、当該事象等を解消又は改善するための対応をしてもなお継続企業の前提に重要な不確実性が認められるときに注記を行うこととされた。これに伴い、規則において同様の改正を行った。

(8) 開示対象特別目的会社の概要等の注記(規則第113条第1項第1号ホの新設)

企業会計基準委員会において「一定の特別目的会社に係る開示に関する適用指針」(平成19年3月29日企業会計基準適用指針第15号)が策定され、連結財務諸表の注記事項として開示対象特別目的会社の概要等が定められ、会社計算規則が改正された。これに伴い、規則において同様の改正を行った。

(9) 連結子法人等の資産及び負債の評価に関する事項(規則第113条第1項第4号の削除)

企業会計基準委員会において「連結財務諸表に関する会計基準」(平成20年12月26日企業会計基準第22号)が策定され、連結貸借対照表の作成にあたって子会社の資産及び負債を全面時価評価法により評価することとされ、会社計算規則が改正された。これに伴い、規則において同様の改正を行った。

(10) その他形式的整備や表現ぶりの整理

2.事業報告書関係

○ 改正の概要

・ 役員の兼職状況の開示(規則第125条第3号ハ及び第129条第2号の改正)並びに役員及び会計監査人の解任及び辞任に関する開示(規則第125条第3号ニ及び第126条第5号の改正)

今般、「会社法施行規則、会社計算規則等の一部を改正する省令」(平成21年3月27日法務省令第7号)により、役員の兼職状況の開示並びに役員及び会計監査人の解任及び辞任に関する開示に係る会社法施行規則(平成18年法務省令第12号)の規定が改正されたことに伴い、所要の改正を行った。

3.公衆縦覧関係

○ 改正の概要

・ 継続組合の前提に関する事項の公衆縦覧(規則第209条第1項第7号の新設)

規則第111条に合わせて、公衆の縦覧に供する業務及び財産の状況に関する説明書類の記載事項として、継続組合の前提に重要な疑義を生じさせるような事象等を追加した。

4.連結関係書類の行政庁への提出

○ 改正の概要

・ 連結関係書類の行政庁への提出(規則第248条第2項の新設)

平成19年の消費生活協同組合法(昭和23年法律第200号。以下「法」という。)改正の際の附則第14条により、法第92条の2第2項(連結関係書類の行政庁への提出)の規定が平成21年4月1日以後最初に終了する事業年度に係る決算に関する通常総会の終結の時から適用されることに伴い、法第92条の2第2項において省令に委任されている事項を規定した。

[Ⅱ 特定共済契約関係]

【1】改正の趣旨

○ 金融商品取引法等の一部を改正する法律(平成21年法律第58号。以下「改正法」という。)により、金融商品取引法(昭和23年法律第25号。以下「金商法」という。)における金融商品取引契約に係る特定投資家(プロ)と一般投資家(アマ)の移行手続について、

① プロからアマへの移行の効果(改正前は1年)を、利用者の申出があるまで有効にする

② アマからプロへの移行の効果は、引き続き1年とするが、それ以前でも申出によりアマに復帰することを可能とする

等の見直しが行われた。

○ 法第12条の3第2項においては、共済事業を行う組合の特定共済契約について金商法の規定を準用しており、規則は法の委任を受けてその詳細を規定していることから、以下の内容について改正を行った。

【2】改正の概要

(1) プロからアマへの移行手続関係

① プロからアマへの移行の効果の期限日に関する規定の削除(第27条、第28条)

改正法では、プロからアマへの移行の効果について、改正前の規定では期限日まで有効(現行は1年間)とされているところ、改正後の規定では利用者の申出があるまで有効にすることとされ(法第12条の3において準用する金商法(以下「準用金商法」という。)第34条の2)、これに伴い、金商法の規定から期限日に係るものが削除された。

これを受けて、規則においても、期限日に係る規定を削除した。

② プロへの復帰申出をした利用者が同意を行う書面の記載事項(第30条の2)

準用金商法第34条の2第11項の委任を受けて、プロへの復帰申出をした利用者が同意を行う書面の記載事項について規定した。

③ 情報通信の技術を利用した同意の取得(第30条の3)

改正法では、プロへの復帰申出の手続が新設され(準用金商法第34条の2第10項)、この申出を組合が承諾する場合には、その申出を承諾する日その他の厚生労働省令で定める事項を記載した書面により、その申出をした利用者の同意を得なければならないこととされた(同法第34条の2第11項)。

また、書面による同意の取得に代えて、情報通信の技術であって厚生労働省令で定めるものを利用して同意を取得することができるとされたことから(同法第34条の2第12項)、この場合における情報通信の技術を利用して同意を取得する方法を規定した。

(2) アマからプロへの移行手続関係

① アマからプロへの移行申出をした利用者が同意を行う書面の記載事項(第32条、第37条)

改正法では、アマへの復帰申出の手続が新設された(準用金商法第34条の3第10項、第34条の4第6項)。

これに伴い、アマからプロへの移行申出を承諾する場合において、申出をした利用者の同意を得るための書面の記載事項(準用金商法第34条の3第11項、第34条の4第6項)として、アマからプロに移行した後にいつでもアマに復帰できる旨の記載事項を追加した。

② アマからプロになった利用者が更新申出するために必要な期間(第33条、第37条の2)

アマからプロに移行した利用者が、引き続きプロとして取り扱う旨の更新申出をする場合には、承諾日から起算して厚生労働省令で定める期間を経過する日以後にしなければならないとされたところ(準用金商法第34条の3第7項、第34条の4第6項)、承諾日から起算した期間を規定した。

③ アマへの復帰申出をした利用者に交付する書面の記載事項(第33条の2、第37条の3)

アマへの復帰申出をした利用者から同意を取得するための書面の記載事項(準用金商法第34条の3第11項、第34条の4第6項)について規定した。

④ 情報通信の技術を利用した提供(第29条)

改正法では、アマへの復帰申出の手続が新設され(準用金商法第34条の3第9項、第34条の4第6項)、この申出を組合が承諾する場合には、その申出を承諾する日その他の厚生労働省令で定める事項を記載した書面を交付しなければならないこととされた(同法第34条の3第11項、第34条の4第6項)。

また、書面の交付に代えて、情報通信の技術であって厚生労働省令で定めるものを利用して利用者に提供することができることとされたことから(同法第34条の3第12項、第34条の4第6項)、この場合における情報通信の技術を利用して提供する方法を規定した。

(3) その他項が移動したこと等に対応するため所要の改正を行った。

[Ⅲ 施行日等]

(施行日)

平成22年4月1日

(決算関係書類及び連結決算関係書類に関する経過措置)

○ 資産除去債務、たな卸資産及び工事損失引当金の表示、連結損益計算書の「少数株主損益調整前当期剰余金」の表示及び金融商品に関する注記

施行日前に開始する事業年度に係る決算関係書類及び連結決算関係書類については、適用しない。ただし、施行日前に開始する事業年度に係る決算関係書類及び連結決算関係書類のうち、施行日以後に作成されるものについては、これらの規定により作成することができる。

○ 持分法損益等に関する注記、開示対象特別目的会社の概要等の注記及び継続組合の前提に関する注記

平成21年4月1日前に開始する事業年度に係る決算関係書類及び連結決算関係書類については、適用しない。

○ 連結子法人等の資産及び負債の評価に関する事項

平成22年4月1日前に開始する事業年度に係る連結決算関係書類のうち、連結決算関係書類の作成のための基本となる重要な事項に関する注記については、連結子法人等の資産及び負債の評価に関する事項を含む。

(事業報告書等に関する経過措置)

○ 役員の兼職状況等の開示並びに役員、会計監査人の解任及び辞任に関する開示

平成21年4月1日前に開始する事業年度に係る事業報告書及びその附属明細書については、適用しない。

(業務及び財産の状況に関する説明書類の縦覧に関する経過措置)

○ 継続組合の前提に関する開示

平成21年4月1日前に開始する事業年度に係る説明書類については、適用しない。

[様式ダウンロード]

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