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○耳朶穿刺時等の微量採血のための穿刺器具の取扱いについて(注意喚起及び周知依頼)

(平成22年3月1日)

(/医政指発0301第1号/薬食安発0301第7号/)

(各都道府県・各保健所を設置する市・各特別区衛生主管部(局)長あて厚生労働省医政局指導課長・厚生労働省医薬食品局安全対策課長通知)

微量採血のための穿刺器具は、血糖値の測定時等に指先等の皮膚を穿刺する器具です。穿刺器具の穿刺部位に関しては、指先での穿刺が行われることが多いですが、痛みの軽減や指先を傷つけたくないとの患者の希望等の理由から、指先以外の部位での穿刺も行われております。

今般、医療従事者が穿刺器具で指先以外の部位での採血として患者の耳朶じだ(耳たぶ)を穿刺したところ、穿刺針が耳朶を貫通し、耳朶を支えていた医療従事者の指を穿刺したという事例が複数報告されております。穿刺器具は医療機関等で広く使用されており、このような指刺しが起こりますと、患者・医療従事者間での血液を介した感染のおそれがあることから、下記の点に留意し、医療機関等において同様な事例の発生が防止されるよう関係者に対する周知方よろしくお願いします。

なお、別添のとおり穿刺器具の製造販売業者に対し、添付文書の使用上の注意欄を確認し、必要な注意事項を記載するよう通知済みであることを申し添えます。

1.耳朶等の組織が薄い部位への穿刺を行うと、組織を貫通した針で指を穿刺し、血液を介した感染のおそれがあること。

2.貫通のおそれがある場合には、他の組織の厚い部位での穿刺について検討すること。

3.耳朶等の組織が薄い部位への穿刺を行う場合には、穿刺部位の裏側を直接指で支えないこと。

4.穿刺する部位に関わらず、採血時には針刺しや血液との接触による感染のおそれがあるため、施術者は手袋着用等の血液曝露予防の対策をとること。

以上

(留意事項)本通知の内容については、貴管下医療機関(歯科診療所を除く。)の医療に係る安全管理のための委員会の関係者、医療安全管理者、医薬品及び医療機器の安全使用のための責任者等に対しても周知されるようご配慮願います。

(参考)本通知を含め、医薬品・医療機器の安全性に関する特に重要な情報が発出された際に、その情報をメールによって配信する「医薬品医療機器情報配信サービス」が、独立行政法人医薬品医療機器総合機構において運営されております。以下のURLから登録できますので、ご活用下さい。

医薬品医療機器情報配信サービス http://www.info.pmda.go.jp/info/idx-push.html

(照会先)

医薬食品局安全対策課安全使用推進室

電話:03―5253―1111(内線2751、2758)

夜間直通:03―3595―2435

[参考1]

報告された症例の一部の概要

【症例1】

2008年8月、血糖測定用に耳朶より微量採血した際に、穿刺針が耳朶を貫通し、貫通した穿刺針が耳朶の裏側で支持していた施術者の指に刺さり、針刺し損傷を受傷した。なお、患者に感染症の既往はなく、施術者への感染による健康被害はなかった。

【症例2】

2009年3月、看護師が患者の耳朶から採血しようとして、耳朶を指で押さえて穿刺した際に、穿刺針が耳朶を貫通して看護師の左第二指を刺傷した。なお、看護師への感染による健康被害はなかった。

[参考2]

微量採血のための穿刺器具

〈器具全体がディスポーザブルタイプの製品〉

例)

〈針の周辺部分がディスポーザブルタイプの製品〉

例)

〈針の周辺部分がディスポーザブルタイプでない製品〉

例)

[別添]

○微量採血のための穿刺器具に係る添付文書の自主点検等について

(平成22年3月1日)

(/薬食安発0301第10号/薬食機発0301第2号/)

((別記に示す各製造販売業者の代表者)あて厚生労働省医薬食品局安全対策課長・厚生労働省医薬食品局審査管理課医療機器審査管理室長通知)

微量採血のための穿刺器具は、血糖値の測定時等に指先等の皮膚を穿刺する器具です。穿刺器具の穿刺部位に関しては、指先での穿刺が行われることが多いですが、痛みの軽減や指先を傷つけたくないとの患者の希望等の理由から、指先以外の部位での穿刺も行われております。

今般、医療従事者が穿刺器具で指先以外の部位での採血として患者の耳朶(耳たぶ)を穿刺したところ、穿刺針が耳朶を貫通し、耳朶を支えていた医療従事者の指を穿刺したという事例が複数報告されているところです。

このため、微量採血のための穿刺器具の添付文書において、耳朶等の組織が薄い部位への穿刺を行うと針が貫通し指を穿刺するリスクや、穿刺器具に係る使用上の注意事項等を周知する必要があることから、貴社が製造販売する当該医療機器について、下記のとおり、添付文書の自己点検を行い、自主点検の結果に応じて添付文書の改訂を行うとともに、医療機関等への情報提供を実施するようお願いします。

1 微量採血のための穿刺器具を取り扱う製造販売業者は、当該添付文書の【使用上の注意】の「重要な基本的注意」欄に、以下の旨の記載がされていることを確認すること。

1) 【使用目的、効能又は効果】欄で穿刺部位を限定していない製品、又は【禁忌・禁止】欄で耳朶穿刺を禁止していない製品

耳朶等の組織が薄い部位への穿刺を行う場合には、穿刺部位の裏側を直接指で支えないこと。〔組織を貫通した針で指を穿刺し、血液を介した感染のおそれがある。貫通のおそれがある場合には、他の組織の厚い部位での穿刺について検討すること。〕

2) 1)以外の製品

組織が薄い部位への穿刺を行うと、組織を貫通した針で指を穿刺し、血液を介した感染のおそれがあるため、添付文書上にある穿刺部位を守ること。

2 上記1による確認の結果、必要な記載がされていない場合においては、速やかに添付文書を改訂し、上記1の内容を記載するとともに、医療機関等に対して改訂内容について文書による注意喚起を行うこと。なお、既に添付文書で必要な記載がされている場合でも、改めて文書による注意喚起を行うこと。

3 承認申請中の当該製品についても、当該申請者は、添付文書(案)について修正を行う旨、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下「機構」という。)に申し出ること。

また、認証申請中のものについても、当該申請者は、添付文書(案)について修正を行う旨、申請先の登録認証機関に申し出ること。

4 治験を実施中の当該製品についても、治験依頼者は、必要に応じて治験実施医療機関に対し速やかに情報提供を行い、注意喚起すること。

5 本年3月31日(通知発出の1ヶ月後)までに、上記の添付文書の自主点検結果及び医療機関等への情報提供状況を機構安全第一部医療機器安全課医療安全情報室に報告するとともに、上記2に従い改訂した添付文書を機構の「医薬品医療機器情報提供ホームページ」上に掲載すること。

なお、上記1の自主点検の結果、既に必要な記載がされていた添付文書についても、同様に本年3月31日までに掲載すること。

以上

(別記)

バイエル薬品株式会社

日本ベクトン・ディッキンソン株式会社

株式会社旭ポリスライダー

ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社

パナソニック四国エレクトロニクス株式会社

ニプロ株式会社

テルモ株式会社

ミサワ医科工業株式会社

アボット ジャパン株式会社

ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社

株式会社アークレイファクトリー