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○特定保険医療材料の材料価格算定に関する留意事項について

(平成22年3月5日)

(保医発0305第5号)

(地方厚生(支)局医療課長・都道府県民生主管部(局)国民健康保険主管課(部)長・都道府県後期高齢者医療主管部(局)後期高齢者医療主管課(部)長あて厚生労働省保険局医療課長・厚生労働省保険局歯科医療管理官通知)

「特定保険医療材料及びその材料価格(材料価格基準)の一部を改正する件」(平成22年厚生労働省告示第71号)が本日付けをもって公布され、「特定保険医療材料及びその材料価格(材料価格基準)」(平成20年厚生労働省告示第61号)が改正されたところであるが、材料価格の算定に当たっての留意事項については、下記のとおりとすることとしたので、その取り扱いに遺漏のないよう、貴管下の保険医療機関及び審査支払機関等に対し周知徹底を図られたく通知する。

なお、この通知は、平成22年4月1日から適用することとし、従前の「特定保険医療材料の材料価格算定に関する留意事項について」(平成20年3月5日保医発第0305005号)は、平成22年3月31日限り廃止する。

Ⅰ 診療報酬の算定方法(平成20年厚生労働省告示第59号)(以下「算定方法告示」という。)別表第一医科診療報酬点数表に関する事項

1 特定保険医療材料の算定に係る一般的事項

(1) 療養に要する費用の額の算定に当たって、保険診療に用いられる医療機器・材料(薬事法(昭和35年法律第145号)上の承認又は認証を得たものであって、超音波診断装置、CT、MRI等の装置類は除く。以下「保険医療材料」という。)に係る費用を手技料及び薬剤料と別途算定する場合は、当該医療機器の費用の額は、材料価格基準別表の各項(関係通知において準用する場合を含む。)に規定されている材料価格により算定する。

(2) 特掲診療料の各部において、特定保険医療材料料を算定する場合には、特定保険医療材料の材料価格を10円で除して得た点数となるが、この場合において端数が生じた場合は端数を四捨五入して得た点数とする。

(3) 特定保険医療材料以外の保険医療材料については、当該保険医療材料を使用する手技料の所定点数に含まれており、別途算定できない。また、特定保険医療材料以外の保険医療材料を処方せんにより給付することは認められない。さらに、保険医療材料を患者に持参させ、又は購入させてはならない。

(4) 特定保険医療材料は、薬事法上承認又は認証された使用目的以外に用いた場合は算定できない。

2 在宅医療の部に規定する特定保険医療材料に係る取扱い

(1) 腹膜透析液交換セット

ア 交換キットは、キャップ又はクラムシェルの場合は1個を、ウエハーの場合は2枚を1キットとし、1交換当たり1キットを限度として算定する。

イ 交換キットは、自動腹膜透析装置を使用する場合は、APDセット1個当たり4キット分を限度として算定する。

ウ 交換キットは、バッグ再利用式(排液バッグ付き腹膜透析液又は回路を使用しない方法)により腹膜透析液を交換した場合は、1交換当たり2キット分を限度として算定する。

(2) 在宅中心静脈栄養用輸液セット

夜間の中心静脈栄養等で、在宅中心静脈栄養用輸液セットを1月につき7組以上用いる場合において、7組目以降の中心静脈栄養用輸液セットについて算定する。

(3) 在宅血液透析用特定保険医療材料

在宅血液透析用特定保険医療材料の取扱いは、下記Ⅰの3の(29)に準じる。

(4) 携帯型ディスポーザブル注入ポンプ

疼痛管理又は化学療法を目的として使用した場合に限り算定できる。疼痛管理においてPCA(Patient Controlled Analgesia)用装置を併用(一体型製品を含む。)した場合の費用も当該材料価格に含まれる。携帯型ディスポーザブル注入ポンプは、頻回の疼痛管理等で1月につき7個以上用いる場合において、7個目以降の携帯型ディスポーザブル注入ポンプについて算定する。

(5) 皮膚欠損用創傷被覆材、非固着性シリコンガーゼ

本材料は区分番号「C114」在宅難治性皮膚疾患処置指導管理料を算定している患者に対して使用した場合に限り算定できる。

皮膚欠損用創傷被覆材について、同一の部位に対し複数の創傷被覆材を用いた場合は、主たるもののみ算定する。

3 在宅医療の部以外の部に規定する特定保険医療材料(フィルムを除く。)に係る取扱い

(1) 血管造影用シースイントロデューサーセット

ア 血管造影用シースイントロデューサーセットの材料価格には、ダイレーター、カテーテルシース及びガイドワイヤーの材料価格が含まれ別に算定できない。ただし、ダイレーターのみ使用する場合は、ダイレーターとして算定する。

イ ペースメーカー用カテーテル電極用シースイントロデューサーセットは、血管造影用シースイントロデューサーセットの蛇行血管用として算定する。

ウ 胸水・腹水シャントバルブの静脈側カテーテル、腹腔側カテーテル及び胸腔側カテーテルを挿入するシースイントロデューサーは、血管造影用シースイントロデューサーセットの蛇行血管用として算定する。

エ 遠位端可動型は、経皮的カテーテル心筋焼灼術を実施する際に頻脈性の治療を目的として使用した場合に限り算定できる。

(2) ダイレーター

ダイレーターは、カテーテルシース及びガイドワイヤーを用いず単独使用した場合にのみ算定できる。

(3) 体外式連続心拍出量測定用センサー

一人の患者について、体外式連続心拍出量測定用センサーとサーモダイリューション用カテーテル又は血管内手術用カテーテルの連続心拍出量測定用カテーテルを同時に使用した場合はいずれか主たるもののみ算定する。

(4) 血管内超音波プローブ

ア 血管内超音波プローブは、一連の検査、画像診断又は手術につき1本のみ算定できる。

イ 血管内超音波プローブの特定(Ⅰ)又は特定(Ⅱ)は、当該手技に伴って使用された場合に算定する。

(5) 血管造影用カテーテル

心臓マルチパーパス型は、1回の造影につき1本のみ算定できる。なお、他の血管造影用カテーテルと同時に使用した場合はいずれか主たるもののみ算定する。

(6) テクネシウム99mガス吸入装置用患者吸入セット

ア テクネシウム99mガス吸入装置用患者吸入セットは、テクネシウム99mガス吸入装置(薬事法承認番号04B輸第1045号)に使用される患者吸入セットを使用した場合に算定できる。

イ テクネシウム99mガス吸入装置用患者吸入セットには超微粒子発生槽、呼気フィルター及び連結チューブが含まれており、別に算定できない。

(7) 3管分離逆止弁付バルーン直腸カテーテル

ア 3管分離逆止弁付バルーン直腸カテーテルは区分番号「E003」の「6」の「イ」注腸を実施した場合に算定できる。

イ 一般的名称が「腸用滅菌済みチューブ及びカテーテル」でカテーテルを固定するバルーンが内側のみのものは、3管分離逆止弁付バルーン直腸カテーテルとして算定できる。

(8) 携帯型ディスポーザブルPCA用装置及び携帯型ディスポーザブル注入ポンプ

ア 携帯型ディスポーザブルPCA用装置及び携帯型ディスポーザブル注入ポンプは、注射又は硬膜外麻酔後における局所麻酔剤の持続的注入若しくは硬膜外ブロックにおける麻酔剤の持続的注入の際に、PCA(Patient Controlled Analgesia)のために組み合わせて用いた場合に算定できる。ただし、外来化学療法後に抗悪性腫瘍剤を持続注入する目的とする場合に限り、一般型のみを算定することができる。

なお、本材料を算定する場合には、第6部注射の通則第4号に規定する精密持続点滴注射加算又は硬膜外麻酔後における局所麻酔剤の持続的注入における精密持続注入加算若しくは硬膜外ブロックにおける麻酔剤の持続的注入における精密持続注入加算は算定できない。

イ PCAライン及び持続注入ラインで構成されている携帯型ディスポーザブル注入ポンプは、PCAラインに接続し使用している場合に算定できる。

ウ 一体型を使用した場合は、携帯型ディスポーザブルPCA用装置は別に算定できない。

(9) プラスチックカニューレ型静脈内留置針

プラスチックカニューレ型静脈内留置針は、おおむね24時間以上にわたって経皮的静脈確保を必要とする場合又は6歳未満の乳幼児、ショック状態若しくはショック状態に陥る危険性のある症例で翼状針による静脈確保が困難な場合に限り算定できる。

(10) 中心静脈用カテーテル

ガイドワイヤーは、別に算定できない。

(11) 抗悪性腫瘍剤注入用肝動脈塞栓材

抗悪性腫瘍剤注入用肝動脈塞栓材は、マイトマイシンCと混和して肝動脈に注入する場合に限り算定できる。ただし、使用量を決定する目的で注入する場合は、この限りではない。

(12) 涙液・涙道シリコンチューブ

ア 涙液・涙道シリコンチューブについては、24時間以上体内留置した場合に算定できる。

イ ブジー付チューブは、涙嚢鼻腔吻合術又は涙小管形成術に使用した場合は算定できない。

(13) 脳・脊髄腔用カニューレ

脳・脊髄腔用カニューレは、24時間以上体内留置した場合に算定できる。

(14) 套管針カテーテル

套管針カテーテルは、24時間以上体内留置した場合に算定できる。

(15) 栄養カテーテル

栄養カテーテルは、24時間以上体内留置した場合に算定できる。

(16) 気管内チューブ

気管内チューブは、24時間以上体内留置した場合に算定できる。ただし、やむを得ず24時間未満で使用した場合は、1個を限度として算定できる。

(17) 胃管カテーテル

胃管カテーテルは、24時間以上体内留置した場合に算定できる。

(18) 吸引留置カテーテル

吸引留置カテーテルは、24時間以上体内(消化管内を含む。)に留置し、ドレナージを行う場合に算定できる。

(19) イレウス用ロングチューブ

ア イレウス用ロングチューブは、24時間以上体内留置した場合に算定できる。

イ ガイドワイヤーは、別に算定できない。

(20) 腎瘻又は膀胱瘻用カテーテル及びカテーテルセット

ア 膀胱瘻用カテーテルは、24時間以上体内留置した場合に算定できる。

イ 腎瘻用カテーテルは、腎瘻術又はカテーテル交換術を行う際、24時間以上体内留置した場合に算定できる。

ウ 膀胱瘻用カテーテルを交換した場合は、交換用セットは別に算定できない。

エ ガイドワイヤーは、別に算定できない。

(21) 経鼓膜換気チューブ

経鼓膜換気チューブは、24時間以上体内留置し、滲出性中耳炎の治療を行う場合に算定できる。

(22) 経皮的又は経内視鏡的胆管等ドレナージ用カテーテルセット

ア 経皮的又は経内視鏡的胆管等ドレナージ用カテーテルセットは、24時間以上体内留置した場合に算定できる。

イ ガイドワイヤーは、別に算定できない。

(23) 胆道ステントセット

ア 胆道ステントセットは、24時間以上体内留置した場合に算定できる。

イ ガイドワイヤーは、別に算定できない。

(24) 尿管ステントセット

ア 尿管ステントセットは、24時間以上体内留置した場合に算定できる。

イ 外科的手術により尿管の再建を行う場合に算定できる。

ウ ガイドワイヤーは、別に算定できない。

(25) 尿道ステント

ア 一時留置(交換)型尿道ステントは、24時間以上体内留置した場合に算定できる。

イ 一時留置(交換)型尿道ステントを留置する際に使用するガイドワイヤーは、別に算定できない。

ウ 永久留置型尿道ステントは、1回の手術に対し1個を限度として算定する。

(26) 交換用胃瘻カテーテル

ア 交換用胃瘻カテーテルは、24時間以上体内留置した場合に算定できる。

イ バンパー型の交換用胃瘻カテーテルは、4か月に1回を限度として算定できる。

(27) 気管切開後留置用チューブ

T型カニューレは、気管切開を行った場合に算定できる。

(28) 膀胱留置用ディスポーザブルカテーテル

膀胱留置用ディスポーザブルカテーテルは、24時間以上体内留置した場合に算定できる。

(29) 人工腎臓用特定保険医療材料

ア 吸着型血液浄化器(β2―ミクログロブリン除去用)は、関節痛を伴う透析アミロイド症であって、以下のaからcまでのいずれの要件も満たしている患者に対して、人工腎臓(血液透析に限る。)を行う際に用いた場合に、初回の使用日から1年を限度として算定する。

また、透析アミロイド症の治癒又は軽快により、一旦使用を終了した後再び疼痛等の症状の出現を認めた場合は、以下のb及びcの要件を満たすことを確認した場合に限り、更に1年を限度として算定できる。3度目以降の使用にあっても同様の取扱いとする。

a 手術又は生検により、β2―ミクログロブリンによるアミロイド沈着が確認されている。

b 透析歴が10年以上であり、以前に手根管開放術を受けている。

c 画像診断により骨嚢胞像が認められる。

なお、本材料を使用した場合は、診療報酬明細書の摘要欄に本材料の使用開始日を記載する。

イ 人工腎臓用特定保険医療材料の材料価格には、回路の材料価格が含まれ別に算定できない。

(30) 緊急時ブラッドアクセス用留置カテーテル

緊急時ブラッドアクセス用留置カテーテルは1週間に1本を限度として算定できる。

(31) 血漿交換療法用特定保険医療材料

ア 血漿交換用血漿分離器

血漿交換用血漿分離器の材料価格には、回路の材料価格が含まれる。

イ 血漿交換用血漿成分分離器

a 劇症肝炎及び薬物中毒の場合にあっては、二重濾過血漿交換療法は実施されることがなく、したがって膜型血漿成分分離器は請求できない。

b 回路は別に算定できない。

ウ 血漿交換用ディスポーザブル選択的血漿成分吸着器

a 血漿交換用ディスポーザブル選択的血漿成分吸着器として算定できるのは、以下の各々のものである。

① 劇症肝炎又は術後肝不全に対して、ビリルビン及び胆汁酸の除去を目的に使用した場合

② 難治性の家族性高コレステロール血症、巣状糸球体硬化症又は閉塞性動脈硬化症に対して使用した場合(LDL吸着器)

③ 重症筋無力症、悪性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、ギラン・バレー症候群、多発性硬化症又は慢性炎症性脱髄性多発根神経炎に対して使用した場合

b 回路は別に算定できない。

(32) 吸着式血液浄化用浄化器

ア 回路は別に算定できない。

イ 吸着式血液浄化用浄化器(エンドトキシン除去用)は2個を限度として算定する。

ウ 肝性昏睡又は薬物中毒の際に行う吸着式血液浄化法において血漿分離及び吸着式血液浄化を行う場合、吸着式血液浄化用浄化器(肝性昏睡用又は薬物中毒用)とセットになっている血漿分離器は血漿交換用血漿分離器として算定できる。

(33) 白血球吸着用材料

ア 回路は別に算定できない。

イ 1日につき1個を限度として算定する。

(34) 腹膜透析用カテーテル

ガイドワイヤー及び穿刺針は別に算定できない。

(35) 副鼻腔炎治療用カテーテル

副鼻腔炎治療用カテーテルは3本を限度として算定する。

(36) 副木

ア 副木は、その患者のみの使用で消耗する程度のものに限り算定することができる。他の患者に対し何回も使用し得るもの、又は器具と認められる副木について算定することは認められない。

副木には、矯正包帯などに用いる厚紙などは含まない。

イ クラーメル副子は副木に含まれる。

ウ 下肢のヒール付ギプス包帯を行った場合のヒールは、特定保険医療材料として算定する。

エ クラーメル副子、指アルミ副子については、特定保険医療材料として算定し、外転シーネ、腕関節及び指能動副子については、専門技工家の組立その他複雑な製作を要すると考えられるので療養費払いとする。

オ 区分番号「K144」体外式脊椎固定術のベスト式の器械・器具に用いられるベスト部分は、その患者のみの使用により消耗する程度のものに限り算定できる。

(37) 人工股関節用材料及び人工膝関節用材料

ア 人工股関節用材料及び人工膝関節用材料に併用される部品は、特に規定する場合を除き、所定点数に含まれるものであり、別途特定保険医療材料として算定できない。

イ 臼蓋形成用カップ及びライナーが組み合わされ一体化されている製品であって、固定方法が直接固定である製品を使用した場合は、それぞれ算定する。

ウ バイポーラカップとステムヘッドが組み合わされ一体化されている製品を使用した場合は、それぞれ算定する。

エ 脛骨側材料及びインサートが組み合わされ一体化されている製品を使用した場合は、それぞれ算定する。

(38) オプション部品

人工関節固定強化部品として算定できるのは、臼蓋用及び脛骨コンポーネント用のスクリューであり、固定用内副子であるスクリューを使用した場合は、固定用内副子として算定する。

(38―2) 固定用内副子(スクリュー)

その他のスクリュー・特殊型・軟骨及び軟部組織用・スーチャーアンカー型については、1製品に複数のスーチャーアンカーを含む場合、使用したスーチャーアンカー毎に算定できる。

(39) 大腿骨外側固定用内副子

ア スラストプレート人工股関節システムを使用して人工股関節置換術を行った場合は、ラグスクリュー(生体用合金Ⅰ)及びつばなしプレート(生体用合金Ⅰ)により算定する。

イ スラストプレート人工股関節システムを固定するために用いるスクリューは、一般スクリューとして算定できる。

(40) 脊椎固定用材料

ア U字型脊椎ロッドは、脊椎ロッド2本とトランスバース固定器1本を組み合わせたものとして算定して差し支えない。また、レクタングル型脊椎ロッドは、脊椎ロッド2本を組み合わせたものとして算定して差し支えない。

イ 脊椎ロッドと脊椎プレートの機能を併せて持つものについては、主たる機能に係るもののみを算定する。

ウ 脊椎ロッドと椎体フックが組み合わされ一体化されたものについては、それぞれ算定して差し支えない。

エ トランスバース固定器と椎体フックの機能を併せて持つものについては、それぞれ算定して差し支えない。

オ U字型プレート(後頭骨を支持する機能を有するものに限る。)は、脊椎プレート(S)2枚を組み合わせたものとして算定できる。

(41) 上肢再建用人工関節用材料、下肢再建用人工関節用材料並びにカスタムメイド人工関節及びカスタムメイド人工骨

上肢再建用人工関節用材料、下肢再建用人工関節用材料並びにカスタムメイド人工関節及びカスタムメイド人工骨については、原則として悪性腫瘍、再置換等の症例に限って使用できる。なお、当該保険医療材料を使用した場合には、その詳細な理由を診療報酬明細書の摘要欄に明記する。

(42) 固定用金属線

ア 高分子ポリエチレン製のケーブルは、脊椎の固定に使用した場合に、固定用金属線として算定する。

イ ワイヤーについては、使用した長さにより算定する。

(43) 固定用金属ピン

骨接合用器具器械(類別許可品目)として届出されたガイドピンは算定できない。

(44) 人工骨

ア 人工骨は、それぞれ以下の場合に算定できる。

a 骨髄炎、骨・関節感染症、慢性関節疾患、代謝性骨疾患、外傷性骨疾患若しくは骨腫瘍の病巣掻爬後の補填に用いた場合、これらの疾患の治療のために自家骨移植を行った結果その欠損部位の補填を目的として使用した場合、頭蓋欠損部若しくは骨窓部の充填に使用した場合又は鼓室形成術に使用した場合

b 汎用型・非吸収型・骨形成促進型については、新鮮な長管骨の骨折で骨欠損の著しい場合において、欠損部位の補填に使用した場合

c 椎弓・棘間用、椎体固定用については、原発性脊椎悪性腫瘍若しくは悪性腫瘍の脊椎転移後の際の脊椎固定又は脊椎症、椎間板ヘルニア若しくは脊椎分離・すべり症に対する脊椎固定を行う場合

d 専用型・頭蓋骨・喉頭気管用のうちトルコ鞍プレートについては、下垂体又は視床下部の腫瘍摘除の結果としてトルコ鞍の欠損部補填を行う場合

e 専用型・頭蓋骨・喉頭気管用のうち眼窩底スペーサについては、眼窩床骨折整復を行う場合

f 専用型・頭蓋骨・喉頭気管用のうち下顎骨補綴材については、下顎骨腫瘍又は下顎骨外傷の治療として欠損補填を行う場合

g 骨盤用腸骨稜用については、腸骨稜を移植骨として採取した後の欠損補填を行う場合

h キールボンについては、骨移植に使用した場合

イ スクリュー併用用はスクリュー1本当たり2mLを限度に算定する。

(45) 骨セメント

ア 頭蓋骨用

頭蓋骨に用いた場合に算定する。

イ 人工関節固定用

人工関節(股関節、膝関節)置換術を行う際の固定を目的として用いた場合に算定する。

ウ 脊椎用(Ⅰ)

a 悪性脊椎腫瘍による有痛性椎体骨折に対する経皮的椎体形成術に用いた場合に算定する。

b 整形外科、脳神経外科、麻酔科及び放射線科を標榜している医療機関において、麻酔科医が当該材料を用いた手技実施時に勤務し、副作用発生時に全身麻酔による手術が行える体制が整備されている施設において使用すること。

c 当該材料を用いた場合の手技料は、区分番号「K134」椎間板摘出術 2 後方摘出術を算定する。

(46) 脊髄刺激装置用リード、埋込型脳・脊髄電気刺激装置

ア 脊髄刺激装置用リード

8極用脊髄刺激装置用リードセットは、4極用脊髄刺激装置用リードセット2本を組み合わせたものとして算定して差し支えない。

イ 埋込型脳・脊髄電気刺激装置

a 埋込型脳・脊髄電気刺激装置(振戦軽減用)は、パーキンソン病又は本態性振戦に伴う薬物療法によって十分な治療効果の得られない振戦等の症状の軽減を目的に使用した場合に、1回の手術に対し2個を限度として算定できる。

b 埋込型脳・脊髄電気刺激装置の交換に係る費用は、破損した場合等においては算定できるが、単なる機種交換等の場合は算定できない。

(47) 人工内耳用材料

ア 人工内耳用材料の交換に係る費用は、破損した場合等においては算定できるが、単なる機種の交換等の場合は算定できない。

イ 携帯型又は耳掛け型の選択できる人工内耳用音声信号処理装置については、いずれか一方を選択し算定できる。

なお、耳掛け型を選択した場合は、人工内耳用音声信号処理装置及び人工内耳用ヘッドセットの材料価格を合算して算定する。

ウ 人工内耳用ヘッドピースは、マイクロホン、送信コイル、送信ケーブル、マグネットを合算して算定する。人工内耳用ヘッドピースケーブルは、接続ケーブルで算定する。

エ 耳掛け型のケーブル付き送信コイルは、送信コイルと送信ケーブルを合算して算定する。

(48) 気管・気管支ステント

気管・気管支ステントは、1回の手術に対し1個を限度として算定する。

(49) 食道用ステント

食道用ステントは、1回の手術に対し1個を限度として算定する。

(50) 内視鏡的食道静脈瘤結紮セット

ア 実際に使用したセット数にかかわらず、1日につき1個のみ算定する。

イ 内視鏡的食道静脈瘤結紮セットの材料価格には、デバイス(ワイヤー、アダプタ及びリング)及びオーバーチューブの費用が含まれ別に算定できない。

(51) 組織代用人工繊維布

生体由来材料は、開心根治術の場合に算定できる。

(52) 合成吸収性癒着防止材

合成吸収性癒着防止材を、女子性器手術後の卵管及び卵管采の通過・開存性の維持以外の目的で使用した場合には、373.38cm2を限度として算定できる。

(53) 皮膚欠損用創傷被覆材

ア 主として創面保護を目的とする被覆材の費用は、当該材料を使用する手技料の所定点数に含まれ、別に算定できない。

イ 皮膚欠損用創傷被覆材は、いずれも2週間を標準として、特に必要と認められる場合については3週間を限度として算定できる。また、同一部位に対し複数の創傷被覆材を用いた場合は、主たるもののみ算定する。

ウ 皮膚欠損用創傷被覆材は、以下の場合には算定できない。

a 手術縫合創に対して使用した場合

b 真皮に至る創傷用を真皮に至る創傷又は熱傷以外に使用した場合

c 皮下組織に至る創傷用・標準型又は皮下組織に至る創傷用・異形型を皮下組織に至る創傷又は熱傷以外に使用した場合

d 筋・骨に至る創傷用を筋・骨に至る創傷又は熱傷以外に使用した場合

(54) 真皮欠損用グラフト

ア 真皮欠損用グラフトについては、1局所に2回を限度として算定する。

なお、縫縮可能な小さな創に用いた場合は算定できない。

イ 真皮欠損用グラフトについては、口蓋裂手術創の口腔粘膜欠損の修復に用いた場合又は熱傷、外傷、手術創の骨、腱、筋肉等が露出した重度の真皮・軟部組織欠損創の修復に用いた場合に算定できる。

(55) ゼラチンスポンジ止血材

ゼラチンスポンジ止血材については痔疾患術後における直腸肛門部の止血のために用いた場合に算定できる。

(56) デキストラノマー

デキストラノマーは、下腿潰瘍、第Ⅱ度熱傷、第Ⅲ度熱傷若しくは消化管瘻周囲皮膚炎の浸出性創面、褥瘡又は術創に対して、2週間(改善傾向が明らかな場合は、3週間)を限度として算定できる。

(57) 微線維性コラーゲン

ア 微線維性コラーゲンは、肝、膵、脾、脳、脊髄の実質性出血及び硬膜出血並びに脊椎・脊髄手術における硬膜外静脈叢・硬膜近傍骨部、大動脈切開縫合吻合部(人工血管を含む。)、心臓切開縫合閉鎖部、心臓表面、ACバイパス吻合部、胸骨断面、肺切離面、胸膜画像1 (1KB)別ウィンドウが開きます

離面及び縦隔リンパ節郭清部、関節手術における骨切り面、子宮実質、膀胱・骨盤内腹膜・直腸画像2 (1KB)別ウィンドウが開きます
離面、傍大動脈リンパ節郭清部、骨盤内リンパ節郭清部、骨盤底又は骨盤壁からの出血で、結紮、レーザーメス又は通常の処置による止血が無効又は実施できない場合において、止血に使用した場合に算定する。

イ 微線維性コラーゲンは、粉末状のもの、シート状のもの又は綿状のものにかかわらず算定できる。

ウ ゼラチン止血・接着剤は、解離性大動脈瘤の解離腔、大動脈切開縫合吻合部(人工血管を含む。)、ACバイパス吻合部又は肺若しくは肝切離面に対し、結紮、レーザーメス又は通常の処置による止血・閉鎖が無効又は実施できない場合において、止血・閉鎖のために使用した場合に算定できる。

(58) 経皮的冠動脈形成術用穿刺部止血材料

経皮的冠動脈形成術用穿刺部止血材料は、経皮的冠動脈形成術、経皮的冠動脈粥腫切除術、経皮的冠動脈形成術(高速回転式経皮経管アテレクトミーカテーテルによるもの)又は経皮的冠動脈ステント留置術を実施した患者の日帰り又は早期退院を目的とした大腿動脈穿刺部位の止血を行う場合に、5Fr以上のイントロデューサーシースを使用した症例であって、当該患者が手術の翌々日までに帰宅した場合に限り1セットについてのみ算定できる。

ただし、手術後1週間以内に入院した場合は算定できない。

(59) 頭・静脈、腹腔シャントバルブ

カテーテル、バルブ、リザーバー、コネクタのいずれかが組み合わされ、一体化されたものについては、それぞれ算定して差し支えない。

(60) 埋込式心臓ペースメーカー用リード、体外式ペースメーカー用カテーテル電極

ア 埋込式心臓ペースメーカー用リード

埋込式心臓ペースメーカー用リードを埋込型除細動器に接続し使用した場合は、そのリードの機能に応じ、経静脈リードの標準型又は誤感知防止型として算定する。

イ 体外式ペースメーカー用カテーテル電極

a 心臓電気生理学的検査機能付加型の「心房内・心室内全域型」及び「アブレーション機能付き」を算定する場合は、区分番号「K595」経皮的カテーテル心筋焼灼術の三次元カラーマッピング加算は算定できない。

b 心臓電気生理学的検査機能付加型の「心房内・心室内全域型」と、「アブレーション機能付き」の両方を使用した場合は、主たるもののみ算定する。

(61) 遠心式体外循環用血液ポンプ

ア 遠心式体外循環用血液ポンプは、人工心肺回路セットに併用される場合、胸部若しくは胸腹部の大動脈瘤手術時における病変部大動脈の一時的バイパスを行う場合又は経皮的心肺補助法(PCPS)を行う場合に算定できる。

イ 流量測定に用いるセルは別に算定できない。

(62) 体外循環用カニューレ

付加機能のうち加算の対象となる付加されている生体適合性とは、ヘパリンコーティング及び抗血栓性セグメント化ポリウレタンをいう。また、付加機能のうち、密封・固定、圧モニター及びベント(心筋保護カニューレにおけるもの)は加算の対象とならない。

(63) 人工心肺回路

人工心肺と同時に行われた選択的冠灌流の際の回路については、人工心肺回路として算定できる。

(64) 補助人工心臓セット

ア 体外型の材料価格には、補助人工心臓血液ポンプ、送血用カニューレ、脱血用カニューレ、駆動用チューブ、心房カフ、スキンカフ、タイバンド及びシリコン栓の材料価格が含まれ別に算定できない。

イ 体外型は左心補助、右心補助についてそれぞれ1個を限度として算定できる。

ウ 植込型(拍動流型)を植込みから3年以内に再度植え込む必要が生じた場合の材料価格は所定の価格に含まれ別に算定できない。

エ 植込型(拍動流型)の材料価格には、血液ポンプ、送血用人工血管、脱血用人工血管、送血用生体由来人工心臓弁、脱血用生体由来人工心臓弁、コントロールユニットの材料価格が含まれ別に算定できない。

オ 植込型(非拍動流型)の材料価格には、血液ポンプ、送血用人工血管、脱血用人工血管、コントロールユニット等の材料価格が含まれ、別に算定できない。

カ 植込型(非拍動流型)(水循環回路セットを除く。)を植え込み後に再度植え込む必要が生じた場合、及び水循環回路セットを、前回算定日を起算日として3か月以内に算定する場合には、その詳細な理由を診療報酬明細書の摘要欄に記載する。

キ 植込型(非拍動流型)は、心臓移植適応の重症心不全患者で、薬物療法や体外式補助人工心臓などの補助循環法によっても継続した代償不全に陥っており、かつ、心臓移植以外には救命が困難と考えられる症例に対して、心臓移植までの循環改善に使用する。

ク 植込型(非拍動流型)は、当該材料を用いた手技に関する所定の研修を修了した医師が使用した場合に限り算定する。

ケ 植込型(非拍動流型)を使用した場合の手技料(入院中に限る。90日目まで。)は、区分番号「K604」埋込型補助人工心臓を準用する。ただし、91日目以降については、区分番号「K601」人工心肺 1 初日を1月につき1回算定する。

コ 植込型(非拍動流型)を使用している患者であって入院中以外の者について、モニター、バッテリー及び充電機の使用方法の説明等療養上必要な指導を行った場合に、区分番号「K601」人工心肺 1 初日を1月に1回を限度として算定する。この場合において、モニター、バッテリー、充電機等に要する費用は所定点数に含まれる。

サ 植込型(非拍動流型)を用いる場合(区分番号「K601」人工心肺を算定する場合を含む。)の施設基準は、区分番号「K604」埋込型補助人工心臓の施設基準に準じる。ただし、「(5)移植関係学会合同委員会において、心臓移植手術を実施するものとして選定された施設であること。」については、関係学会から示されている基準に基づき、当該手術が適切に実施されると関係学会から認定された施設とする。また、当該材料を用いる施設は、現に区分番号「K604」の施設基準を届け出ているかどうかにかかわらず、区分番号「K604」の施設基準の届出に必要な様式等に準じて、改めて届け出ること。またその際、関係学会から認定された施設であることを証する文書の写しを添付すること。

(65) 心臓手術用カテーテル

ア 心臓手術用カテーテルに併用されるガイドワイヤー等の特定保険医療材料は別途算定できる。

イ 特定保険医療材料以外の保険医療材料であって心臓手術用カテーテルに併用されるもの(三方活栓、延長チューブ、インデフレーター等)は算定できない。

ウ 冠動脈用ステントセット救急処置型は、対象血管内径2.75mmから5.0mmの冠動脈又は伏在静脈グラフトに穿孔が生じ、心嚢内への止血が困難な血液漏出がある患者に対する救命の為の緊急処置に使用された場合のみ算定できる。

エ 冠動脈用ステントセット救急処置型は、本医療材料による処置が不成功となった場合に適切な処置が行えるよう、心臓外科的処置のできる施設若しくは近隣の医療機関との連携により緊急事態に対応できる施設で使用された場合のみ算定できる。

オ 冠動脈用ステントセット救急処置型は、血管造影法、経皮的冠動脈形成術及び経皮的冠動脈ステント留置術に熟練し、かつ、本医療材料を用いた手技に関する所定の研修を修了した医師が使用すること。

カ 冠動脈狭窄部貫通用カテーテルは慢性完全狭窄症例や冠動脈完全閉塞の急性心筋梗塞等ガイドワイヤー通過困難な症例において、経皮的冠動脈形成術の施行時に使用した場合に算定できる。

キ 高速回転式経皮経管アテレクトミーカテーテルの材料価格には、同時に使用されるモータードライブユニット等(アドバンサー、カッターカテーテル、止血弁等)の費用が含まれ別に算定できない。

(66) ガイディングカテーテル

ア 冠動脈用は、冠動脈形成術を施行する際に使用した場合のみ算定できる。

イ 腹部四肢末梢用は、経皮的四肢血管拡張術及び血栓除去術を行う際に使用した場合にのみ算定できる。

ウ 脳血管用は、脳血管の手術の際に使用した場合のみ算定できる。

(67) 血管内手術用カテーテル

ア 経皮的脳血管形成術用カテーテルは、頭蓋内血管の経皮的形成術に使用した場合に算定できる。

イ 下大静脈留置フィルターセット

a フィルター、フィルター・デリバリー・カテーテル、ガイドワイヤー、ダイレーター、シース、ローディング・コーン及びローディング・ツールは、別に算定できない。

b 留置後抜去することを前提としたテンポラリー下大静脈留置フィルターは算定できない。

ウ 血栓除去用カテーテル

a 脳血栓除去用は、1回の手術に対し、3本を限度として算定する。

b 脳血栓除去用は、当該材料を用いた手技に関する所定の研修を修了した医師が使用した場合に限り算定できる。

c 脳血栓除去用を使用するに当たっては、関係学会の定める実施基準に準じること。

エ 塞栓用コイル・コイル・特殊型については、所定の研修を終了した医師が実施した場合に限り算定できる。

オ 塞栓用コイルのコイル留置用ステントを使用した場合の手技料は、区分番号「K178」脳血管内手術を算定する。

(68) 胆道結石除去用カテーテルセット

ガイドワイヤーは、別に算定できない。

(69) 腎・尿管結石除去用カテーテルセット

ガイドワイヤーは、別に算定できない。

(70) 輸血用血液フィルター(微小凝集塊除去用)

輸血用血液フィルター(微小凝集塊除去用)は、1日当たり、1,000mL以上の輸血を行う場合(体重40kg以下の患者については、体重1kg当たり25mL以上の輸血を行う場合)に算定できる。ただし、血漿製剤中の白血球の除去を目的とするものは算定できない。

(71) 輸血用血液フィルター(赤血球製剤用白血球除去用)及び輸血用血液フィルター(血小板製剤用白血球除去用)

輸血用血液フィルター(赤血球製剤用白血球除去用)及び輸血用血液フィルター(血小板製剤用白血球除去用)は、白血病、再生不良性貧血、慢性腎不全等同一の疾患に対して10回以上の反復輸血が行われる場合(行われることが予想される場合を含む。)に算定できる。ただし、血漿製剤中の白血球の除去を目的とするものは算定できない。

(72) スピードギプス包帯は特定保険医療材料として認められない。

(73) 両室ペーシング機能付き埋込型除細動器

ア 両室ペーシング機能付き埋込型除細動器は、施設基準に適合しているものとして地方厚生(支)局長等に届け出た保険医療機関において、以下のいずれにも該当する患者に対して実施した場合に算定する。

a 次のいずれにも該当すること。

① NYHAクラスⅢ又はⅣ

② 左室駆出率35%以下

③ QRS幅130ms以上

b 次のいずれかに該当すること。

① 致死性不整脈による心停止に伴う意識消失の既往を有する患者

② 血行動態が破綻する心室頻拍又は心室細動の既往を有する患者

③ 非持続性心室頻拍が確認され、かつ電気生理学的検査により心室頻拍又は心室細動が誘発される患者

イ 両室ペーシング機能付き埋込型除細動器の移植術を行った患者については、診療報酬請求に当たって、診療報酬明細書に症状詳記を添付する。

(74) 肝動脈塞栓材

肝動脈塞栓材は、肝細胞癌患者に対する肝動脈塞栓療法において使用した場合に限り算定できる。

(75) 大動脈用ステントグラフト

ア 大動脈用ステントグラフトは腹部大動脈瘤及び胸部大動脈瘤に対して外科手術による治療が第一選択とならない患者で、かつ、当該材料の解剖学的適応を満たす患者に対して、ステントグラフト内挿術が行われた場合にのみ算定できる。

なお、外科手術を比較的安全に行うことが可能な患者に対しては、外科手術を第一選択として治療方法を選択すること。算定に当たっては診療報酬明細書の摘要欄に外科手術が第一選択とならない旨、及び当該材料による治療が適応となる旨を記載すること。

イ 大動脈用ステントグラフトを使用するに当たっては、関係学会の定める当該材料の実施基準に準じること。

ウ 胸部大動脈用ステントグラフトは、1回の手術に対し1個を限度として算定できる。なお、以下の場合には1回の手術に対して2個を限度として算定して差し支えない。ただし、算定に当たっては診療報酬明細書の「摘要」欄に複数個の当該材料による治療が適応となる旨を記載すること。

a 1個のステントグラフトで治療が可能な長さを超えるため、複数個の使用が必要な場合

b 中枢側及び末梢側の固定部位の血管径が異なり、1個のステントグラフトで許容できる範囲を超えるため、複数個の組み合わせによる使用が必要な場合

(76) カプセル型内視鏡

ア カプセル型内視鏡は、消化器系の内科又は外科の経験を5年以上有する常勤の医師が1名以上配置されており、カプセル型内視鏡の滞留に適切に対処できる体制が整っている保険医療機関において実施すること。

イ 事前に上部消化管検査及び下部消化管検査を実施し、原因不明の消化管出血を伴う小腸疾患の診断を行うために使用した場合に算定できる。

ウ カプセル型内視鏡を使用した患者については、診療報酬請求に当たって、診療報酬明細書に症状詳記を添付する。

(77) 血管内光断層撮影用カテーテル

ア 血管内超音波(IVUS)で観察が困難であるが、血管内腔及び血管壁表層の観察が必要な場合にのみ算定できる。

イ 血管内光断層撮影用カテーテルは、一連の検査、画像診断又は手術につき1本のみ算定できる。

(78) ヒト自家移植組織

ア 自家植皮のための恵皮面積が確保できない重篤な広範囲熱傷で、かつ、受傷面積として深達性Ⅱ度熱傷創及びⅢ度熱傷創の合計面積が体表面積の30%以上の熱傷の場合であって、創閉鎖を目的として使用した場合に、一連につき20枚を限度として算定する。

イ 深達性Ⅱ度熱傷創への使用は、Ⅲ度熱傷と深達性Ⅱ度熱傷が混在し、分けて治療することが困難な場合に限る。

ウ 凍結保存皮膚を用いた皮膚移植術を行うことが可能であって、救命救急入院料3、救命救急入院料4又は特定集中治療室管理料2の施設基準の届け出を行っている保険医療機関において実施すること。

エ ヒト自家移植組織を使用した患者については、診療報酬請求に当たって、診療報酬明細書に症状詳記を添付する。

(79) 胸郭変形矯正用材料

ア セットを使用する場合は、脊椎固定用材料に属する特定保険医療材料及び固定クリップ(伸展術時交換用)の費用は所定点数に含まれ、別途算定できない。

イ セットは1回の手術につき2セットを限度として算定できる。なお、医学的根拠に基づきこれ以上のセットを算定する場合にあっては、診療報酬明細書の摘要欄にその医学的根拠を詳細に記載すること。

ウ 固定クリップ(伸展術時交換用)は1セットあたり2個を上限として算定できる。

エ 固定クリップ(伸展術時交換用)は伸展術時のみ算定できる。

(80) 経皮的動脈管閉鎖セット

経皮的動脈管閉鎖セットを使用するに当たっては、関係学会の定める当該材料の実施基準に準じること。

(81) 脳動静脈奇形術前塞栓材

ア 脳動静脈奇形術前塞栓材は、脳動静脈奇形摘出術を予定している患者に対して、術前処置としての血管塞栓術を目的として使用した場合に限り算定できる。この場合の手技料は区分番号「K615」血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管)にて算定する。

イ 脳動静脈奇形術前塞栓材を使用するに当たっては、関係学会の定める当該材料の実施基準に準じること。

(82) 埋込型心電図記録計

短期間に失神発作を繰り返し、その原因として不整脈が強く疑われる患者であって、心臓超音波検査及び心臓電気生理学的検査(心電図検査及びホルター心電図を含む。)等によりその原因が特定できない者に対して、原因究明を目的として使用した場合に限り算定できる。

(83) 合成吸収性硬膜補強材

本材料は5mlを一単位とする。

(83―2) 消化管用ステントセット

大腸用ステントを使用した場合の手技料は、区分番号「K651」内視鏡的胃、十二指腸ステント留置術の所定点数を算定する。

(84) 局所陰圧閉鎖処置用材料

ア 局所陰圧閉鎖処置用材料は以下の場合にのみ算定できる。

a 外傷性裂開創(一次閉鎖が不可能なもの)

b 外科手術後離開創・開放創

c 四肢切断端開放創

d デブリードマン後皮膚欠損創

イ 主として創面保護を目的とする被覆材の費用は、当該材料を使用する手技料の所定点数に含まれ、別に算定できない。

ウ 局所陰圧閉鎖処置用材料は局所陰圧閉鎖処置開始日より3週間を標準として算定できる。特に必要と認められる場合については4週間を限度として算定できる。3週間を超えて算定した場合は、診療報酬明細書の摘要欄にその理由及び医学的な根拠を詳細に記載すること。

エ 局所陰圧閉鎖処置用材料を使用した場合は、処置開始日を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。

(85) 埋込型迷走神経電気刺激装置及び迷走神経刺激装置用リードセット

ア 当該装置は、薬剤抵抗性の難治性てんかん発作を有するてんかん患者(開頭手術が奏功する症例の者を除く。)について、てんかん発作の頻度を軽減する目的として使用した場合に算定できる。

イ 以下の要件を満たす医師が使用した場合に限り、算定できる。

a 当該装置を用いた手技に関する所定の研修を修了した者であること。

b てんかん外科治療に関する専門の知識及び5年以上の経験を有する者であること。

ウ 当該装置を使用するに当たっては、関係学会の定める実施基準に準じること。

エ 当該装置を埋め込んだ場合の手技料は、区分番号「K599」埋込型除細動器移植術を算定する。

オ 当該装置を交換した場合の手技料は、区分番号「K559―2」埋込型除細動器交換術を算定する。

(86) 経皮的心腔内リード除去用レーザーシースセット

ア 当該材料を用いた手技に関する所定の研修を修了した医師が使用した場合に限り算定できる。

イ 当該材料を使用するに当たっては、関係学会の定める実施基準に準じること。

ウ 当該材料を使用した場合の手技料は、区分番号「K549」経皮的冠動脈ステント留置術を算定する。

(87) 膀胱尿管逆流症治療用注入材

ア 1回の手術に対し、一側につき3本を限度として算定する。

イ 当該材料を使用した場合の手技料は、区分番号「K823―2」尿失禁又は膀胱尿管逆流現象コラーゲン注入手術を算定する。なお注入針、膀胱鏡等の費用は所定手技料に含まれ、別に算定できない。

(88) 椎体形成用材料セット

ア 当該材料を用いた手技に関する所定の研修を終了した医師が使用した場合に限り算定できる。

イ 全身麻酔による脊椎除圧再建術、血管修復術等の緊急事態における対応を行うことができる施設において使用すること。

ウ 椎体形成用材料セットは、原発性骨粗鬆症による場合は1回の手術に対し1セットを、多発性骨髄腫又は転移性骨腫瘍による場合は3セットを限度として算定する。

エ 当該材料を使用した場合の手技料は、区分番号「K134」椎間板摘出術 2 後方摘出術を算定する。複数椎体に対して使用した場合も、当該区分に準じて算定する。

(89) 脊椎棘間留置材料

ア 当該材料を用いた手技に関する所定の研修を終了した医師が使用した場合に限り算定できる。

イ 脊椎棘間留置材料は、1回の手術に対し2個を限度として算定する。

ウ 当該材料を使用した場合の手技料は、区分番号「K134」椎間板摘出術 4 経皮的髄核摘出術を算定する。

(90) 外科用接着用材料

当該材料は、1回の手術につき30mLを限度として算定する。

(91) 交換用経皮経食道胃管カテーテル

ア 当該材料を初回に留置する場合の手技料は、区分番号「K520」食道縫合術 1 頸部手術を準用する。この場合、用いるカテーテル(当該材料を含む。)及びキットの費用は所定点数に含まれ、別に算定できない。

イ 当該材料を交換する場合の手技料は、区分番号「J043―4」胃瘻カテーテル交換法を準用する。なお、その際行われる画像診断及び内視鏡等の費用は、当該点数の算定日に限り、1回に限り算定する。

(92) 心腔内超音波プローブ

ア 当該材料を使用した場合の手技料は、区分番号「D206」心臓カテーテル法による諸検査(一連の検査について)の「注3」血管内超音波検査を実施した場合に準じて算定する。ただし、画像診断及び検査の費用を別に算定できない手術を算定する場合には、当該手技料は算定しない。

イ 磁気センサー付きを算定する場合は、区分番号「K595」経皮的カテーテル心筋焼灼術の「注1」三次元カラーマッピング加算は算定できない。

(93) 血管造影用圧センサー付ガイドワイヤー

当該材料を用いて、冠動脈以外の動脈に対し、区分番号「E003」造影剤注入手技を行うに際し、動脈血流予備能測定検査を実施した場合は、区分番号「D206」心臓カテーテル法による諸検査の「注3」冠動脈血流予備能測定検査の所定点数に準じて加算する。

なお、区分番号「D206」心臓カテーテル法による諸検査のうち「注3」の冠動脈血流予備能測定検査を実施した場合の取扱いは従前の通りである。

4 フィルムに係る取扱いについて

(1) 1枚のフィルムを半分ずつ使用して2回撮影した場合のフィルム料は、当該フィルムの材料価格によって算定する。即ち実際に使用したフィルムの価格による。

(2) 6歳未満の乳幼児の胸部単純撮影又は腹部単純撮影を行った場合には、損耗量が多いことを考慮して材料価格に1.1を乗じて算定するものである。

(3) マンモグラフィー用フィルム以外の軟部組織撮影用フィルムについては、一般の直接撮影用フィルムとして算定する。

(4) マンモグラフィー用フィルムの撮影対象部位は乳房のみである。

(5) 画像記録用フィルムとは、コンピューター断層撮影、コンピューテッド・ラジオグラフィー法撮影、シンチグラム(画像を伴うもの)、シングルホトンエミッションコンピューター断層撮影、磁気共鳴コンピューター断層撮影又はデジタル・サブトラクション・アンギオグラフィー法に用いるフィルムをいう。

(6) コンピューター断層撮影又はコンピューテッド・ラジオグラフィー用の乾式イメージャーを用いる非銀塩感熱記録式フィルム、非銀塩高安定ラミネート方式フィルムは、画像記録用フィルムとして算定して差し支えない。

(7) ロールフィルムのうち、フィルムの幅が告示に定められている規格と同様であるか又は類似している場合(35.6センチメートル、30.5センチメートル及び10.5センチメートル等)にあっては、告示に定められている規格の枚数に換算し、算出した額を限度とする。

(8) 心臓又は血管の動態を把握するために使用したロールフィルム(シネフィルム)については、所定点数に含まれ別に算定できない。

(9) 画像診断に係る手技料を別に算定できない検査、処置、手術を行った場合においても、使用したフィルムに要する費用については、区分番号「E400」に掲げるフィルム料を算定できる。また、特定保険医療材料及び造影剤を使用した場合は、各部に掲げる特定保険医療材料料及び薬剤料を算定できる。

(10) フィルムの規格が定められていないフィルムにあっては、定められている規格のうちで最も近似するフィルムの規格の材料価格により算定する。

5 臨床試用特定保険医療材料に係る取扱いについて

(1) 臨床試用特定保険医療材料に係る保険請求上の取扱い

臨床試用特定保険医療材料は、算定方法告示に規定され、医療保険上の給付対象となる「特定保険医療材料」には該当しないものであり、したがって、臨床試用特定保険医療材料に係る特定保険医療材料料については、保険請求は認められない。

(2) 臨床試用特定保険医療材料を使用した場合の手技料等の取扱い

臨床試用特定保険医療材料が材料価格基準に収載されている特定保険医療材料である限り、当該臨床試用特定保険医療材料に係る手技料については、保険請求が認められる。

6 経過措置について

(1) 「特定保険医療材料の保険償還価格算定の基準について」(平成22年2月12日保発0212第10号)第4章2の規定に基づき、再算定が行われた固定用内副子(プレート)、大腿骨外側固定用内副子、下肢再建用人工関節用材料、髄内釘、固定用金属線、生体弁、弁付きグラフト(生体弁)、人工心肺回路、血管内手術用カテーテル、人工血管及び胆道結石除去用カテーテルセットについて、特定保険医療材料の安定的な供給を確保する観点から、段階的に価格を引き下げるよう経過措置を設けたところである。

(2) 次に掲げる留意事項は、原則として平成23年3月31日をもって廃止する。

遠心分離式白血球除去用材料

ア 回路は別に算定できない。

イ 1日につき1個を限度として算定する。

Ⅱ 算定方法告示別表第二歯科診療報酬点数表に関する事項

1 特定保険医療材料の算定に係る一般的事項

Ⅰの1と同様であること。

2 特定保険医療材料(フィルムを除く。)に係る取扱い

(1) 中心静脈用カテーテル

Ⅰの3の(10)と同様であること。

(2) プラスチックカニューレ型静脈内留置針

Ⅰの3の(9)と同様であること。

(3) 栄養カテーテル

Ⅰの3の(15)と同様であること。

(4) 気管内チューブ

Ⅰの3の(16)と同様であること。

(5) 胃管カテーテル

Ⅰの3の(17)と同様であること。

(6) 吸引留置カテーテル

Ⅰの3の(18)と同様であること。

(7) 膀胱留置用ディスポーザブルカテーテル

Ⅰの3の(28)と同様であること。

(8) 固定用金属ピン

Ⅰの3の(43)と同様であること。

(9) 人工骨

汎用型・非吸収型のうち、顆粒・フィラー、多孔体、形状賦形型及び吸収型については、骨髄炎、骨・関節感染症、慢性関節疾患、代謝性骨疾患、外傷性骨疾患、骨腫瘍の病巣掻爬後の補填若しくは顎変形症の顎離脱後の補填に用いた場合、これらの疾患の治療のために自家骨移植を行った結果その欠損部位の補填を目的として使用した場合に算定する。

(10) 皮膚欠損用創傷被覆材

Ⅰの3の(53)と同様であること。

(11) 真皮欠損用グラフト

Ⅰの3の(54)と同様であること。

(12) 輸血用血液フィルター(微小凝集塊除去用)

Ⅰの3の(70)と同様であること。

(13) 輸血用血液フィルター(赤血球製剤用白血球除去用)及び輸血用血液フィルター(血小板製剤用白血球除去用)

Ⅰの3の(71)と同様であること。

(14) スピードギプス包帯

Ⅰの3の(72)と同様であること。

3 フィルムに係る取扱いについて

Ⅰの4と同様であること。ただし、(2)の「胸部単純撮影又は腹部単純撮影」は「単純撮影」と読み替えるものであること。

4 臨床試用特定保険医療材料に係る取扱いについて

Ⅰの5と同様であること。

Ⅲ 算定方法告示別表第三調剤報酬点数表に関する事項

1 特定保険医療材料の算定に係る一般的事項

Ⅰの1と同様であること。

2 特定保険医療材料(フィルムを除く。)に係る取扱い

(1) 腹膜透析液交換セット

Ⅰの2の(1)と同様であること。

(2) 在宅中心静脈栄養用輸液セット

Ⅰの2の(2)と同様であること。

(3) 携帯型ディスポーザブル注入ポンプ

Ⅰの2の(4)と同様であること。

3 臨床試用特定保険医療材料に係る取扱いについて

Ⅰの5と同様であること。

Ⅳ 診療報酬明細書における略称の使用に関する事項

別紙に掲げる特定保険医療材料については、診療報酬明細書に記載する場合に、同表に定める略称を使用して差し支えない。

(別紙)