添付一覧
(2) 点眼又は洗眼は、第1章基本診療料に含まれるものであり、眼処置を算定することはできない。
J089 睫毛抜去
5~6本程度の睫毛抜去は「1」を算定する。また、「1」については、他の眼科処置又は眼科手術に併施した場合には、その所定点数に含まれ別に算定できない。
(耳鼻咽喉科処置)
J095 耳処置
(1) 耳処置とは、外耳道入口部から鼓膜面までの処置であり、耳浴及び耳洗浄が含まれており、これらを包括して一側、両側の区別なく1回につき所定点数を算定する。
(2) 点耳又は簡単な耳垢栓除去は、第1章基本診療料に含まれるものであり、耳処置を算定することはできない。
J095―2 鼓室処置
鼓室処置は、急性又は慢性の鼓膜穿孔耳に対して鼓室病変の沈静・制御を目的として、鼓室腔内の分泌物・膿汁等の吸引及び鼓室粘膜処置等を行った場合に算定する。
J096 耳管処置
(1) 「1」には、耳管通気に必要とする表面麻酔薬又は血管収縮薬等の塗布、噴霧等の鼻内における処置が含まれており、これらを包括して1回につき片側ごとに所定点数を算定する。ただし、鼻処置を必要とする疾病があって別に鼻処置を行った場合は別に算定できるが、傷病名の記載を要する。
(2) ポリッツェル球により両耳に通気する場合は、片側、両側の区別なく1回につき所定点数を算定する。
(3) 耳管処置に当たり咽頭処置を行った場合であっても、咽頭に特に異常がなければ、咽頭処置は算定できない。
(4) 耳管開放症に対する処置は、「1」により算定する。
J097 鼻処置
(1) 鼻処置には、鼻吸引、単純鼻出血及び鼻前庭の処置が含まれており、これらを包括して一側、両側の区別なく1回につき所定点数を算定する。なお、口腔、咽頭処置と併せて行った場合であっても、口腔、咽頭処置の所定点数は別に算定できない。
(2) 副鼻腔洗浄に伴う単なる鼻処置は、副鼻腔洗浄又は吸引の所定点数に含まれ別に算定はできない。
(3) 鼻洗浄は、第1章基本診療料に含まれるものであり、鼻処置を算定することはできない。
J097―2 副鼻腔自然口開大処置
副鼻腔自然口開大処置は、急性副鼻腔炎及び慢性副鼻腔炎の患者に対して、副鼻腔の換気・排液ならびにネブライザー効果の増大を目的として自然口の開大処置を行った場合に算定する。
J098 口腔、咽頭処置
(1) 口腔、咽頭処置をそれぞれ単独に実施した場合も、同時に実施した場合も1回につき所定点数を算定する。
(2) ルゴール等の噴霧吸入は口腔、咽頭処置に準ずる。
(3) ルゴール等の噴霧吸入と鼻、口腔又は咽頭処置を同時に行った場合は、鼻処置又は口腔、咽頭処置の所定点数を算定する。
J098―2 扁桃処置
(1) 扁桃処置は、慢性扁桃炎の急性増悪、急性腺窩(陰窩)性扁桃炎、扁桃周囲炎又は扁桃周囲膿瘍等に対し、膿栓吸引、洗浄等を行った場合に算定する。
(2) 扁桃処置の所定点数には、咽頭処置が含まれ別途算定できない。
J099 間接喉頭鏡下喉頭処置
(1) 間接喉頭鏡下喉頭処置には、喉頭注入が含まれており、喉頭蓋、仮声帯、披裂部、声帯等の病変に対して処置を行った場合に算定する。
(2) 喉頭処置後の薬剤注入は、関節喉頭鏡下喉頭処置の所定点数に含まれる。
J100 副鼻腔手術後の処置(片側)
副鼻腔手術後の洗浄、ガーゼ交換等(手術日の翌日以降のものに限る。)を行った場合に算定する。
この場合、創傷処置、爪甲除去(麻酔を要しないもの)及び穿刺排膿後薬液注入は別に算定できない。
J102 上顎洞穿刺
区分番号「D406―2」上顎洞穿刺と同一日に算定することはできない。
J103 扁桃周囲膿瘍穿刺
(1) 扁桃周囲炎又は扁桃周囲膿瘍において、単に穿刺排膿のみ行い切開しなかった場合は所定点数を算定し、試験穿刺を行い膿汁を認め直ちに切開した場合は区分番号「K368」扁桃周囲膿瘍切開術を算定する。
(2) 区分番号「D406―2」扁桃周囲炎又は扁桃周囲膿瘍における試験穿刺と同一日に算定することはできない。
J113 耳垢栓塞除去
(1) 耳垢水等を用いなければ除去できない耳垢栓塞を、完全に除去した場合に算定する。
(2) 簡単な耳垢栓除去は、第1章基本診療料に含まれるものであり、耳垢栓塞除去を算定することはできない。
J115 超音波ネブライザー
超音波ネブライザーにおいて、酸素療法を併せて行った場合は区分番号「J024」酸素吸入の所定点数を合わせて算定できる。
(整形外科的処置)
J116 関節穿刺
関節穿刺を左右両側に行った場合は、それぞれ算定できるが、同一側の関節に対して、区分番号「D405」関節穿刺、区分番号「G010」関節腔内注射を同一日に行った場合は、主たるもののみ算定する。
J117 鋼線等による直達牽引
(1) 鋼線等による直達牽引は、鋼線等を用いて観血的に牽引を行った場合に算定する。なお鋼線等による直達牽引には、鋼線牽引法、双鋼線伸延法及び直達頭蓋牽引法を含むものである。
(2) 1局所とは、上肢の左右、下肢の左右及び頭より尾頭までの躯幹のそれぞれをいい、全身を5局所に分けるものである。
(3) 消炎鎮痛等処置、腰部又は胸部固定帯固定、低出力レーザー照射又は肛門処置を併せて行った場合は、鋼線等による直達牽引の所定点数のみにより算定する。
J118 介達牽引
(1) 介達牽引は、絆創膏牽引法、斜面牽引法、スピードラック牽引、腰椎バンド及びグリソン係蹄によるモーターを使用した断続牽引並びにベーラー法を含むものであり、部位数にかかわらず所定点数を算定する。
(2) 介達牽引、矯正固定又は変形機械矯正術に消炎鎮痛等処置、腰部又は胸部固定帯固定、低出力レーザー照射又は肛門処置を併せて行った場合は、主たるものいずれかの所定点数のみにより算定する。
(3) 介達牽引、矯正固定又は変形機械矯正術を同一日に併せて行った場合は、主たるものいずれかの所定点数のみにより算定する。
J118―2 矯正固定
変形の矯正を目的としてマッサージ等を行った後に、副子、厚紙や絆創膏にて矯正固定を行った場合に1日につき所定点数を算定する。
J118―3 変形機械矯正術
1日につき所定点数を算定する。
J119 消炎鎮痛等処置
(1) 消炎鎮痛等処置は、疾病、部位又は部位数にかかわらず1日につき所定点数により算定する。
(2) 「1」のマッサージ等の手技による療法とは、あんま、マッサージ及び指圧による療法をいう。また、「2」の器具等による療法とは、電気療法、赤外線治療、熱気浴、ホットパック、超音波療法、マイクロレーダー等による療法をいう。
(3) 消炎鎮痛を目的とする外用薬を用いた処置は「3」の湿布処置として算定する。
(4) 患者自ら又は家人等に行わせて差し支えないと認められる湿布については、あらかじめ予見される当該湿布薬の必要量を外用薬として投与するものとし、湿布処置は算定できない。
(5) 区分番号「C109」在宅寝たきり患者処置指導管理料を算定している患者(これに係る薬剤料又は特定保険医療材料料のみを算定している者を含み、入院中の患者を除く。)については、消炎鎮痛等処置の費用は算定できない。
(6) 「3」の対象となる湿布処置は、半肢の大部又は頭部、頸部及び顔面の大部以上にわたる範囲のものについて算定するものであり、それ以外の狭い範囲の湿布処置は、第1章基本診療料に含まれるものであり、湿布処置を算定することはできない。
J119―2 腰部又は胸部固定帯固定
(1) 腰痛症の患者に対して腰部固定帯で腰部を固定した場合又は骨折非観血的整復術等の手術を必要としない肋骨骨折等の患者に対して、胸部固定帯で胸部を固定した場合に1日につき所定点数を算定する。
(2) 同一患者につき同一日において、腰部又は胸部固定帯固定に併せて消炎鎮痛等処置、低出力レーザー照射又は肛門処置を行った場合は、主たるものにより算定する。
(3) 区分番号「C109」在宅寝たきり患者処置指導管理料を算定している患者(これに係る薬剤料又は特定保険医療材料料のみを算定している者を含み、入院中の患者を除く。)については、腰部又は胸部固定帯固定の費用は算定できない。
J119―3 低出力レーザー照射
(1) 筋肉、関節の慢性非感染性炎症性疾患における疼痛の緩和のために低出力レーザー照射を行った場合に、疾病、照射部位又は照射回数に関わらず1日につき所定点数を算定する。
(2) 同一患者につき同一日において、低出力レーザー照射に併せて消炎鎮痛等処置、腰部又は胸部固定帯固定、肛門処置を行った場合は、主たるものにより算定する。
(3) 区分番号「C109」在宅寝たきり患者処置指導管理料を算定している患者(これに係る薬剤料又は特定保険医療材料料のみを算定している者を含み、入院中の患者を除く。)については、低出力レーザー照射の費用は算定できない。
J119―4 肛門処置
(1) 診療所において、入院中の患者以外の患者についてのみ1日につき所定点数を算定する。
(2) 単に坐薬等を挿入した場合は算定できない。
(3) 同一患者につき同一日において、肛門処置に併せて消炎鎮痛等処置、腰部又は胸部固定帯固定、低出力レーザー照射を行った場合は、主たるものにより算定する。
(4) 区分番号「C109」在宅寝たきり患者処置指導管理料を算定している患者(これに係る薬剤料又は特定保険医療材料料のみを算定している者を含み、入院中の患者を除く。)については、肛門処置の費用は算定できない。
(栄養処置)
J120 鼻腔栄養
(1) 鼻腔栄養は、注入回数の如何を問わず1日につき算定するものである。
(2) 患者が経口摂取不能のため、薬価基準に収載されている高カロリー薬を経鼻経管的に投与した場合は鼻腔栄養の所定点数及び薬剤料を算定し、食事療養に係る費用又は生活療養の食事の提供たる療養に係る費用及び投薬料は別に算定しない。
(3) 患者が経口摂取不能のため、薬価基準に収載されていない流動食を提供した場合は、鼻腔栄養の所定点数及び食事療養に係る費用又は生活療養の食事の提供たる療養に係る費用を算定する。この場合において、当該保険医療機関が入院時食事療養(Ⅰ)又は入院時生活療養(Ⅰ)の届出を行っているときは入院時食事療養(Ⅰ)又は入院時生活療養(Ⅰ)の食事の提供たる療養に係る費用を、さらに、特別食の算定要件を満たしているときは特別食の加算をそれぞれ算定する。
(4) 薬価基準に収載されている高カロリー薬及び薬価基準に収載されていない流動食を併せて投与及び提供した場合は、(2)又は(3)のいずれかのみにより算定する。
(5) 胃瘻より流動食を点滴注入した場合は、鼻腔栄養に準じて算定する。
(6) 区分番号「C105」在宅成分栄養経管栄養法指導管理料又は区分番号「C109」在宅寝たきり患者処置指導管理料を算定している患者(これらに係る在宅療養指導管理材料加算、薬剤料又は特定保険医療材料料のみを算定している者を含み、入院中の患者を除く。)については、鼻腔栄養の費用は算定できない。
(ギプス)
1 一般的事項
(1) ギプス包帯をギプスシャーレとして切割使用した場合は、ギプス包帯を作成した保険医療機関もギプス包帯の切割使用に係る点数を算定できる。
(2) 既装着のギプスを他の保険医療機関で除去したときは、ギプス除去料としてギプス包帯を切割使用した場合の2分の1に相当する点数により算定する。
(3) ギプスベッド又はギプス包帯の修理を行ったときは、修理料として所定点数の100分の10に相当する点数を算定することができる。
(4) プラスチックギプスを用いてギプスを行った場合にはシーネとして用いた場合が含まれる。
(5) ギプスシーネは、ギプス包帯の点数(ギプス包帯をギプスシャーレとして切割使用した場合の各区分の所定点数の100分の20に相当する点数を算定する場合を除く。)により算定する。
(6) 四肢ギプス包帯の所定点数にはプラスチックギプスに係る費用が含まれ、別に算定できない。
2 練習用仮義足又は仮義手
練習用仮義足又は仮義手の処方、採型、装着、調整等については、仮義足又は仮義手を支給する1回に限り算定する。
(処置医療機器等加算)
J200 腰部、胸部又は頚部固定帯加算
(1) 本加算は、それぞれの固定帯を給付する都度算定する。なお、「固定帯」とは、従来、頭部・頸部・躯幹等固定用伸縮性包帯として扱われてきたもののうち、簡易なコルセット状のものをいう。
(2) 胸部固定帯については、肋骨骨折に対し非観血的整復術を行った後に使用した場合は、手術の所定点数に含まれており別途算定できない。
J201 酸素加算
(1) 酸素吸入のほか酸素又は窒素を使用した診療に係る酸素又は窒素の価格は、「酸素及び窒素の価格」(平成2年厚生省告示第41号)により定められており、その単価(単位 リットル。摂氏35度、1気圧における容積とする。)は、次のとおりである。
ア 離島等以外の地域に所在する保険医療機関の場合
液体酸素の単価
定置式液化酸素貯槽(CE)に係る酸素の単価 1リットル当たり0.18円
可搬式液化酸素容器(LGC)に係る酸素の単価 1リットル当たり0.30円
酸素ボンベに係る酸素の単価
大型ボンベに係る酸素の単価 1リットル当たり0.40円
小型ボンベに係る酸素の単価 1リットル当たり2.25円
イ 離島等に所在する保険医療機関の場合
液体酸素の単価
定置式液化酸素貯槽(CE)に係る酸素の単価 1リットル当たり0.27円
可搬式液化酸素容器(LGC)に係る酸素の単価 1リットル当たり0.45円
酸素ボンベに係る酸素の単価
大型ボンベに係る酸素の単価 1リットル当たり0.60円
小型ボンベに係る酸素の単価 1リットル当たり3.00円
(2) 離島等とは、以下の地域をいう。
ア 離島振興法(昭和28年法律第72号)第2条第1項の規定により離島振興対策実施地域として指定された離島の地域
イ 奄美群島振興開発特別措置法(昭和29年法律第189号)第1条に規定する奄美群島の地域
ウ 小笠原諸島振興開発特別措置法(昭和44年法律第79号)第2条第1項に規定する小笠原諸島の地域
エ 沖縄振興特別措置法(平成14年法律第14号)第3条第三号に規定する離島
オ 過疎地域自立促進特別措置法(平成12年法律第15号)第2条第1項に規定する過疎地域
カ 豪雪地帯対策特別措置法(昭和37年法律第73号)第2条第2項の規定により特別豪雪地帯として指定された地域
(3) 定置式液化酸素貯槽(CE)とは、医療機関の敷地内に設置されており、通常気体酸素容量が200万Lから1,500万Lのものをいい、可搬式液化酸素容器(LGC)とは、気体酸素容量が13.3万L又は37.6万Lのものをいい、大型ボンベとは、ボンベ1本当たり通常7,000L又は6,000L用のボンベをいい3,000Lを超えるもの、小型ボンベとは、ボンベ1本当たり通常1,500L又は500L用のボンベをいい3,000L以下のものをいう。
(4) 酸素の価格については、次の算式により算出した値の1円未満を四捨五入して得た額とする。
酸素の価格(単位 円)=酸素の単価(単位 円)×当該患者に使用した酸素の容積(単位 リットル)×補正率
(5) (1)の規定にかかわらず、(1)に規定する区分ごとに次の算式により、保険医療機関ごとに算出される酸素の購入単価が(1)に規定する単価に満たない場合には、4月1日から3月31日までの1年間の診療については、この酸素の購入単価を用いて算出した酸素の購入価格によって請求するものとする。
酸素の購入価格(単位 円)=酸素の購入単価(単位 円)×当該患者に使用した酸素の容積(単位 リットル)×補正率
酸素の購入単価(単位 円)=当該年度の前年の1月から12月までの間に当該保険医療機関が購入した酸素の対価/当該購入した酸素の容積(単位 リットル。35℃1気圧で換算)
なお、酸素の購入時期と請求時期との関係を以下に明示する。
●の診療に係る請求
③、④及び⑤の購入実績により算出した酸素の購入単価による。
▲の診療に係る請求
①及び②の購入実績により算出した酸素の購入単価による。
(6) (4)及び(5)の算式の場合において、「当該患者に使用した酸素の容積」とは、患者に使用する際の状態の温度及び気圧において測定された酸素の容積をいうものであり、一定の温度又は気圧に換算する必要はない。
また、補正率1.3は、購入時と使用時の気体の状態の違いに由来する容積差等を勘案の上設定したものである。
(7) 新規に保険医療機関の指定を受けた場合及び(1)に規定する区分を追加又は変更した場合であって、当該診療に係る年度の前年の1月から12月までの1年間において酸素の購入実績がない場合にあっては、当年度の3月までの間は、次に定めるところによって酸素の購入単価を算出するものとする。その場合において購入単価が(1)に規定する単価を超える場合は、(1)の購入単価とする。
ア 当該診療月前に酸素を購入した実績がある場合(当該年度内に新規に指定され購入又は区分の追加若しくは変更(大型ボンベを廃止し、CEに変更等)を行った場合に限る。)にあっては、購入した酸素(保険医療機関の指定を受けた日前に購入したものを含む。)の対価を当該購入した酸素の摂氏35度、1気圧における容積(単位 リットル)で除して得た額の0.01円未満の端数を四捨五入した額を酸素の購入単価とする。
イ アにより算出した場合の購入単価について、当年度の3月までの間については、当該診療月前に購入した全ての酸素(保険医療機関の指定を受けた日前に購入したものを含む。)の対価を当該購入した酸素の摂氏35度、1気圧における容積(単位 リットル)で除して得た額の0.01円未満の端数を四捨五入した額を酸素の購入単価とする。
(8) (5)並びに(7)のア及びイの関係は、当該年度(診療日の属する年度)に係る購入単価は、原則、前年の1月から12月までの購入実績に基づき算出した単価とするものであるが、年度の途中において新規又は区分の変更を行った年度に限り当該年度内の購入実績に基づき購入単価とするものである。従って、翌年度の4月1日からは、(5)により算出した購入単価によることとなる。
(9) 離島等における特別の事情とは、酸素の搬入において船舶による搬入時間が、多くの時間を要する場合や酸素製造工場又は医療用酸素充填所から著しく遠距離であるため通常の価格では購入が困難な場合等を考慮したものであり、当該事情があると認められた場合には、(1)の規定にかかわらず、(1)に規定する区分ごとに(5)に規定する算式により、保険医療機関ごとに算出される酸素の購入単価が(1)に規定する単価を超える場合は、4月1日から3月31日までの1年間の診療については、この酸素の購入単価を用いて算出した酸素の購入価格によって請求するものとする。なお、この場合、前年度の購入単価を超えることはできないものとする。ただし、大型ボンベにあっては、6,000L以上、小型ボンベにあっては、500L以上に限る。
(10) 離島等における特別の事情がある場合は、その理由を記載した書面を地方厚生(支)局長に届け出るものとする。
(11) 保険医療機関は、当該年の4月1日以降の診療に係る費用の請求に当たって用いる酸素の単価並びにその算出の基礎となった前年の1月から12月までの間に当該保険医療機関が購入した酸素の対価及び当該購入した酸素の容積を別紙様式25により、当該年の2月15日までに地方厚生(支)局長に届け出るものとする。ただし、(7)のア又はイの方法によって酸素の購入単価を算出している場合にあっては、随時(当該年度内において算出した購入単価に30%を超える変動があった場合を含む。)地方厚生(支)局長に届け出るものとする。
(12) 地方厚生(支)局においては、届出を受けた購入単価について、審査支払機関に対し通知するとともに、保険者に対し通知し、情報提供を行うこと。
(13) 窒素の価格は、液化窒素、ボンベ等の窒素の形態にかかわらず、窒素の単価に当該患者に使用した窒素の容積を乗じた値とする。なお、窒素の単価は1リットル当たり0.12円である。
(14) 酸素を動力源とする閉鎖循環式麻酔装置、高気圧酸素治療装置等を利用して、人工呼吸、酸素吸入、高気圧酸素治療等を行った場合、動力源として消費される酸素の費用は算定できない。また、動力源として消費される窒素の費用も算定できない。
(15) 酸素と窒素を用いて空気と類似した組成の気体を作成し酸素吸入等に用いた場合、酸素及び窒素の費用は算定できない。
第10部 手術
<通則>
1 「通則1」の「診断穿刺・検体採取」とは、第2章第3部検査の第4節診断穿刺・検体採取料に係るものをいう。
2 「通則1」及び「通則2」は、手術料算定の内容には次の3通りあることを示しており、輸血料については、手術料の算定がなくとも単独で算定できる。
(1) 手術料(+薬剤料等)
(2) 手術料+輸血料(+薬剤料等)
(3) 輸血料(+薬剤料等)
3 手術料(輸血料を除く。)は、特別の理由がある場合を除き、入院中の患者及び入院中の患者以外の患者にかかわらず、同種の手術が同一日に2回以上実施される場合には、主たる手術の所定点数のみにより算定する。
4 手術当日に、手術(自己血貯血を除く。)に関連して行う処置(ギプスを除く。)の費用及び注射の手技料は、術前、術後にかかわらず算定できない。また、内視鏡を用いた手術を行う場合、これと同時に行う内視鏡検査料は別に算定できない。
5 手術に当たって通常使用される保険医療材料(チューブ、縫合糸(特殊縫合糸を含む。)等)、衛生材料(ガーゼ、脱脂綿及び絆創膏等)、外皮用殺菌剤、患者の衣類及び1回の手術に使用される総量価格が15円以下の薬剤の費用は手術の所定点数に含まれる。
ただし、別に厚生労働大臣が定める特定保険医療材料及び1回の手術に使用される総量価格が15円を超える薬剤(手術後の薬剤病巣撒布を含み、外皮用殺菌剤を除く。)については、当該手術の所定点数の他に当該特定保険医療材料及び薬剤の費用を算定できる。
6 画像診断及び検査の費用を別に算定できない手術の際に画像診断又は検査を行った場合においても、当該画像診断及び検査に伴い使用したフィルムに要する費用については、区分番号「E400」(注を含む。)に掲げるフィルム料を算定できる。また、当該画像診断及び検査に伴い特定保険医療材料又は薬剤を使用した場合は、区分番号「K950」に掲げる特定保険医療材料料又は区分番号「K940」に掲げる薬剤料を算定できる。なお、この場合、フィルム料、特定保険医療材料料及び薬剤料以外の画像診断及び検査の費用は別に算定できない。
7 第1節手術料に掲げられていない手術のうち、簡単な手術の手術料は算定できないが、特殊な手術(点数表にあっても、手技が従来の手術と著しく異なる場合等を含む。)の手術料は、その都度当局に内議し、最も近似する手術として準用が通知された算定方法により算定する。例えば、従来一般的に開胸又は開腹により行われていた手術を内視鏡下において行った場合等はこれに該当する。
8 「通則5」に規定する体外循環を要する手術とは、区分番号「K541」から「K544」まで、「K551」、「K553」、「K554」から「K556」まで、「K557」から「K557―3」まで、「K558」、「K560」、「K568」、「K570」、「K571」から「K574」まで、「K576」、「K577」、「K579」から「K580」まで、「K582」から「K589」まで及び「K592」から「K594」までに掲げる人工心肺を用いた手術をいう。
9 「通則7」及び「通則8」の加算は、第1節手術料に定める手術にのみ適用され、輸血料、手術医療機器等加算、薬剤料及び特定保険医療材料料は加算の対象とならない。
また、「通則7」及び「通則8」の「所定点数」とは、第1節手術料の各区分に掲げられた点数及び各区分の注に規定する加算の合計をいい、通則の加算点数は含まない。
10 「通則10」の加算は、HIV―1抗体価(ウエスタンブロット法)若しくはHIV―2抗体価(ウエスタンブロット法)によってHIV抗体が陽性と認められた患者又はHIV―1核酸同定検査によってHIV―1核酸が確認された患者に対して観血的手術を行った場合に1回に限り算定する。ただし、同一日に複数の手術を行った場合は、主たる手術についてのみ加算する。
11 「通則11」の加算は、次のいずれかに該当する患者に対して全身麻酔、硬膜外麻酔又は脊椎麻酔を伴う観血的手術を行った場合に1回に限り算定する。ただし、同一日に複数の手術を行った場合は、主たる手術についてのみ加算する。
(1) 感染症法に基づく医師から都道府県知事等への届出のための基準により医師により届け出が義務付けられているメチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症の患者(診断した医師の判断により、症状や所見から当該疾患が疑われ、かつ、病原体診断がなされたもの。)
(2) HBs又はHBe抗原によって抗原が陽性と認められたB型肝炎患者
(3) HCV抗体価(定性、定量)によってHCV抗体が陽性と認められたC型肝炎患者
(4) 微生物学的検査により結核菌を排菌していることが術前に確認された結核患者
12 「通則12」の入院中の患者以外の患者に対する手術の休日加算、時間外加算又は深夜加算は、次の場合に算定できる。ただし、手術が保険医療機関又は保険医の都合により休日、時間外又は深夜に行われた場合には算定できない。
(1) 休日加算、時間外加算又は深夜加算が算定できる初診又は再診に引き続き行われた緊急手術の場合
(2) 初診又は再診から手術までの間に、手術に必要不可欠な検査等を行い、かつ、当該検査等の終了後に手術(休日に行うもの又はその開始時間(執刀した時間をいう。)が診療時間以外の時間若しくは深夜であるものに限る。)を開始した場合であって、当該初診又は再診から手術の開始時間までの間が8時間以内である場合(当該手術の開始時間が入院手続きの後の場合を含む。)
13 「通則12」の入院中の患者に対する手術の休日加算又は深夜加算は、病状の急変により、休日に緊急手術を行った場合又は開始時間が深夜である緊急手術を行った場合に算定できる。
ただし、手術が保険医療機関又は保険医の都合により休日又は深夜に行われた場合には算定できない。
14 「通則12」の休日加算、時間外加算又は深夜加算の対象となる時間の取扱いは初診料と同様であり、区分番号「A000」の注6又は区分番号「A001」の注5に規定する夜間・早朝等加算を算定する場合にあっては、「通則12」の休日加算、時間外加算又は深夜加算は算定しない。また、「通則12」の加算に係る適用の範囲及び「所定点数」については、「通則7」及び「通則8」の加算の取扱いと同様(本通則9参照)である。なお、区分番号「K780」同種死体腎移植術の「注1」に規定する死体腎移植加算について、「通則12」の加算を算定する場合は、同種死体腎移植の開始時間により要件の該当の有無を判断するのではなく、死体腎の摘出術の開始時間をもって判断する。
15 「通則13」の「特に規定する場合」とは、各区分に掲げる手術名の末尾に両側と記入したものをいう。なお、この場合において、両側にわたり手術を行う医療上の必要性がなく片側の手術のみを行った場合であっても、両側に係る所定点数を算定する。
また、肺の両側に対し手術を行った場合は、片側それぞれについて算定できる。
16 同一手術野又は同一病巣における算定方法
(1) 「通則14」の「同一手術野又は同一病巣」とは、原則として、同一皮切により行い得る範囲をいい、具体的には、次のような手術の組み合わせが行われる範囲をいう。この場合においては、「主たる手術」の所定点数のみを算定する。なお、「主たる手術」とは、所定点数及び注による加算点数を合算した点数の高い手術をいう。
ア 肺切除術の際に併施する簡単な肺剥皮術
イ 虫垂切除術と盲腸縫縮術
ウ 子宮附属器腫瘍摘出術と卵管結紮術
(2) (1)にかかわらず、「同一皮切により行い得る範囲」内にあっても、次に掲げる場合には、「同一手術野又は同一病巣」には該当せず、それぞれ所定点数を算定する。なお、それらの他、「同一皮切により行い得る範囲」の原則によることが著しく不合理である場合は、「通則3」に照らしてその都度当局に内議のうえ決定する。
ア 胃切除術(消化器系の手術)と腹部大動脈瘤に対する大動脈瘤切除術(脈管系の手術)の組み合わせ、胃切除術(消化器系の手術)と腎摘出術(尿路系の手術)の組み合わせ、胃切除術(消化器系の手術)と子宮附属器腫瘍摘出術(開腹によるもの)(婦人科系の手術)の組み合わせ、腎悪性腫瘍手術(尿路系の手術)と肺切除術(呼吸器系の手術)の組み合わせ、腹腔鏡下胃切除術(消化器系の手術)と腹腔鏡下腎摘出術(尿路系の手術)の組み合わせ、腹腔鏡下胃切除術(消化器系の手術)と子宮附属器腫瘍摘出術(腹腔鏡によるもの)(婦人科系の手術)の組み合わせ等、相互に関連のない2手術を同時に行う場合
イ 胃切除術と直腸切除術の組み合わせ、食道腫瘍摘出術(開腹手術によるもの)と結腸切除術の組み合わせ、腹腔鏡下胃切除術と腹腔鏡下直腸切除術の組み合わせ、食道腫瘍摘出術(腹腔鏡下によるもの)と腹腔鏡下結腸切除術の組み合わせ等、同じ消化器系の手術であっても、遠隔部位の2手術を行う場合
ウ 人工妊娠中絶術(腟式手術)と卵管結紮術(開腹術)の組み合わせ等、通常行う手術の到達方法又は皮切及び手術部位が異なる場合
(3) 同一手術野又は同一病巣であっても、「複数手術に係る費用の特例(平成18年厚生労働省告示第117号)」に規定するものについては、主たる手術の所定点数に、従たる手術(1つに限る。)の所定点数の100分の50に相当する額を加えた点数により算定する。なお、具体的な取扱いについては、別途通知する。
(4) 指に係る同一手術野の範囲
指に係る同一手術野の範囲と算定方法については次の通りである。
ア 第1指から第5指までを別の手術野とする次に掲げる手術のうち、2つ以上の手術を同一指について行った場合には、「通則14」における「別に厚生労働大臣が定める場合」に該当する場合及び(ハ)に掲げる手術を除き、当該手術の中で主たる手術の所定点数のみを算定する。なお、(イ)及び(ロ)に掲げる手術については、複数指について行った場合には、それぞれの指について算定し、(ハ)に掲げる手術については、同一指内の複数の骨又は関節について行った場合には、各々の骨又は関節について算定する。
(イ) 第1指から第5指(中手部・中足部若しくは中手骨・中足骨を含む。)のそれぞれを同一手術野とする手術は、次に掲げる手術である。
区分番号「K028」腱鞘切開術
区分番号「K034」腱切離・切除術(関節鏡下によるものを含む。)
区分番号「K035」腱剥離術
区分番号「K037」腱縫合術
区分番号「K038」腱延長術
区分番号「K039」腱移植術(人工腱形成術を含む。)の「1」指(手、足)
区分番号「K040」腱移行術の「1」指(手、足)
区分番号「K040―2」指伸筋腱脱臼観血的整復術
(ロ) 第1指から第5指(中手部・中足部若しくは中手骨・中足骨を含まない。)のそれぞれを同一手術野とする手術は、次に掲げる手術である。ただし、合指症手術にあっては各指間のそれぞれを同一手術野とする。
区分番号「K089」爪甲除去術
区分番号「K090」ひょう疽手術
区分番号「K091」陥入爪手術
区分番号「K099」指瘢痕拘縮手術
区分番号「K100」多指症手術
区分番号「K101」合指症手術
区分番号「K102」巨指症手術
区分番号「K103」屈指症手術、斜指症手術
第1節手術料の項で「指(手、足)」と規定されている手術(区分番号「K046」骨折観血的手術の「3」中の指(手、足)、区分番号「K039」腱移植術(人工腱形成術を含む。)の「1」指(手、足)、区分番号「K040」腱移行術の「1」指(手、足)及び「K082」人工関節置換術の「3」中の指(手、足)を除く。)
(ハ) 同一指内の骨及び関節(中手部・中足部若しくは中手骨・中足骨を含む。)のそれぞれを同一手術野とする手術は、次に掲げる手術である。
区分番号「K046」骨折観血的手術の「3」中の指(手、足)
区分番号「K082」人工関節置換術の「3」中の指(手、足)
イ デブリードマンその他(イ)、(ロ)及び(ハ)に該当しない手術については、第1指から第5指までを同一手術野として取り扱い、当該手術のうち2以上の手術を複数指に行った場合には、「通則14」における「別に厚生労働大臣が定めた場合」に該当する場合を除き、主たる手術の所定点数のみを算定する。
ウ (イ)及び(ロ)に掲げる手術と、(ハ)に掲げる手術を同時に行った場合にあっては、同一指に対して行われたものは主たる手術の点数を算定し、別々の指に対して行われたものはそれぞれ所定の点数を算定する。
エ 第1指から第5指までを別の手術野として取り扱う手術(同一指内の骨及び関節を別の手術野として取り扱う手術を含む。)と、第1指から第5指までを同一手術野として取り扱う手術を同時に行った場合にあっては、それぞれの手術が別々の指に対して行われたものであっても、「通則14」における「別に厚生労働大臣が定めた場合」に該当する場合を除き、主たる手術の所定点数のみを算定する。
ただし、第1指から第5指までを別の手術野として取り扱う手術(同一指内の骨及び間接を別の手術野として取り扱う手術を含む。)を複数指に対し行った場合に、それぞれの点数を合算した点数が、同一手術野として取り扱う手術の点数よりも高くなる場合にあっては、いずれかにより算定する。
(5) 眼球の手術(第1節手術料第4款眼に掲げるものをいう。)については、片眼を同一手術野として取り扱う。
(6) 多発性嚢腫等で近接しているものについては、数か所の切開を行った場合でも1切開として算定する。また、麦粒腫、霰粒腫等については、同一瞼内にあるものについては1回として算定する。
(7) 骨折整復と脱臼整復を併施した場合については、骨折部位と関節との距離やそれぞれの整復が非観血的に行われたか観血的に行われたか、また、一方の整復手技が他方の整復手技と個別に行われる場合と、併せて1手術とみなすのが適当な場合等によって異なるが、一般には近接部位の場合は通例同一手術野の手術として「通則14」により主たる手術の所定点数のみにより算定する。ただし、(4)の(ハ)に掲げる場合は別に算定できる。
(8) 悪性腫瘍に対する手術において、区分番号「K469」頸部郭清術(ネックディセクション)及び区分番号「K627」リンパ節群郭清術の「2」は所定点数に含まれ、特に規定する場合を除き、別に算定できない。
(9) 「通則14」の植皮術とは区分番号「K013」分層植皮術及び「K013―2」全層植皮術をいう。
(10) 「通則14」の神経移植術とは区分番号「K198」神経移植術をいう。
17 手術の中絶等の場合の算定方法
(1) 手術の開始後、患者の病状の急変等やむを得ない事情により手術を中途で中絶せざるを得なかった場合においては、当該中絶までに施行した実態に最も近似する手術項目の所定点数により算定する。
例えば、胃切除術を行うべく開腹したが、適応でないのでそのまま手術創を閉じた場合は、区分番号「K636」試験開腹術の所定点数により、また、汎副鼻腔根本手術を開始したが、上顎洞、篩骨洞を終えたのみで中絶した場合は、区分番号「K358」上顎洞篩骨洞根治手術の所定点数により、算定する。なお、術前において中絶した場合は、算定の対象にならない。
(2) 妊娠9か月において子宮出血があり、前置胎盤の疑いで入院し、止血剤注射を行い帝王切開の準備として諸器械の消毒を終ったところ出血が止まり、そのまま分娩した場合の消毒に要した諸経費は、保険給付の対象とならない。
(3) 手術の準備をしていたところ、患者が来院しなかったとき又は患者が手術の術前において手術不能となった場合は保険給付の対象とならない。
18 臓器等移植における組織適合性試験及び臓器等提供者に係る感染症検査の取扱い
(1) 組織適合性試験
ア 組織適合性試験とは、HLA型クラスⅠ(A、B、C)、クラスⅡ(DR、DQ、DP)、リンパ球直接交差試験(ダイレクト・クロスマッチテスト)及びDNAタイピングをいう。
イ 次に掲げる臓器等移植の提供者に係る組織適合性試験の費用は所定点数に含まれ、別に算定できない。
区分番号「K514―3」移植用肺採取術(死体)(両側)
区分番号「K514―5」移植用部分肺採取術(生体)
区分番号「K605」移植用心採取術
区分番号「K605―3」移植用心肺採取術
区分番号「K697―4」移植用部分肝採取術(生体)
区分番号「K697―6」移植用肝採取術(死体)
区分番号「K709―2」移植用膵採取術(死体)
区分番号「K709―4」移植用膵腎採取術(死体)
区分番号「K779」移植用腎採取術(生体)
区分番号「K779―2」移植用腎採取術(死体)
区分番号「K779―3」腹腔鏡下移植用腎採取術(生体)
区分番号「K921」造血幹細胞採取の「1」骨髄採取の「イ」同種移植の場合
区分番号「K921」造血幹細胞採取の「2」末梢血幹細胞採取の「イ」同種移植の場合
ウ 次に掲げる臓器等移植の移植者に係る組織適合性試験の費用は所定点数に含まれ、別に算定できない。
区分番号「K514―4」同種死体肺移植術
区分番号「K514―6」生体部分肺移植術
区分番号「K605―2」同種心移植術
区分番号「K605―4」同種心肺移植術
区分番号「K697―5」生体部分肝移植術
区分番号「K697―7」同種死体肝移植術
区分番号「K709―3」同種死体膵移植術
区分番号「K709―5」同種死体膵腎移植術
区分番号「K780」同種死体腎移植術
区分番号「K780―2」生体腎移植術
区分番号「K922」造血幹細胞移植の「1」骨髄移植の「イ」同種移植の場合
区分番号「K922」造血幹細胞移植の「2」末梢血幹細胞移植の「イ」同種移植の場合
エ 次に掲げる臓器等移植の提供者及び移植者に係る組織適合性試験の費用は所定点数に含まれ、別に算定できない。
区分番号「K922」造血幹細胞移植の「3」臍帯血移植
(2) 臓器等提供者に係る感染症検査
ア 臓器等提供者に係る感染症検査とは、HBs抗原、HBc抗体価、HCV抗体価、HIV―1抗体価、HIV―2抗体価、HTLV―Ⅰ抗体価、TPHA試験又はサイトメガロウイルス抗体価(同一検査で定性及び定量測定がある場合は、いずれか1つの検査に限る。)の全部又は一部をいう。
イ 次に掲げる臓器等移植に際し、必要に応じ臓器等提供者に係る感染症検査を行った場合には、スクリーニングにつき、1回に限り別に算定する。
区分番号「K014」皮膚移植術(生体・培養)
区分番号「K514―5」移植用部分肺採取術(生体)
区分番号「K697―4」移植用部分肝採取術(生体)
区分番号「K779」移植用腎採取術(生体)
区分番号「K779―3」腹腔鏡下移植用腎採取術(生体)
区分番号「K921」造血幹細胞採取の「1」骨髄採取の「イ」同種移植の場合
区分番号「K921」造血幹細胞採取の「2」末梢血幹細胞採取の「イ」同種移植の場合
区分番号「K922」造血幹細胞移植の「3」臍帯血移植
ウ 次に掲げる臓器等移植に際し行った臓器等提供者に係る感染症検査は、所定点数に含まれ、別に算定できない。
区分番号「K259」角膜移植術
区分番号「K709―2」移植用膵採取術(死体)(死体膵(臓器の移植に関する法律(平成9年法律第104号)に規定する脳死した者の身体から採取された膵を除く)を採取する場合に限る。)
区分番号「K709―4」移植用膵腎採取術(死体)(死体膵腎(臓器の移植に関する法律(平成9年法律第104号)に規定する脳死した者の身体から採取された膵腎を除く)を移植する場合に限る。)
区分番号「K780」同種死体腎移植術(死体腎(臓器の移植に関する法律(平成9年法律第104号)に規定する脳死した者の身体から採取された腎を除く)を移植する場合に限る。)
エ 臓器の移植に関する法律(平成9年法律第104号)に規定する脳死した者の身体から採取して臓器等移植を行った場合の臓器等提供者に係る感染症検査は、次に掲げる所定点数に含まれ、別に算定できない。
区分番号「K914」脳死臓器提供管理料
19 第1節第2款筋骨格系・四肢・体幹に掲げる手術のうち、関節鏡下による手術については、内視鏡を用いた場合についても算定できる。
20 既に保険適用されている腹腔鏡下手術以外の手術で腹腔鏡を用いる場合については、その都度当局に内議し準用が通知されたもののみが保険給付の対象となる。それ以外の場合については、その手術を含む診療の全体が保険適用とならないので留意されたい。なお、胸腔鏡下手術も同様の取扱いとする。
第1節 手術料
第1款 皮膚・皮下組織
K000 創傷処理、K000―2 小児創傷処理
(1) 創傷処理とは、切・刺・割創又は挫創に対して切除、結紮又は縫合を行う場合の第1回治療のことであり、第2診以後の手術創に対する処置は区分番号「J000」創傷処置により算定する。
(2) 創傷が数か所あり、これを個々に縫合する場合は、近接した創傷についてはそれらの長さを合計して1つの創傷として取り扱い、他の手術の場合に比し著しい不均衡を生じないようにすること。
(3) 「注2」の「露出部」とは、顔面、頭頸部、上肢にあっては肘関節以下及び下肢にあっては膝関節以下(足底部を除く。)をいう。
(4) 「注3」のデブリードマンの加算は、汚染された挫創に対して行われるブラッシング又は汚染組織の切除等であって、通常麻酔下で行われる程度のものを行った場合に限り算定する。
K001 皮膚切開術
(1) 長径10センチメートルとは、切開を加えた長さではなく、膿瘍、画像6 (1KB)
又は蜂窩織炎等の大きさをいう。
(2) 多発性画像7 (1KB)
腫等で近接しているものについては、数か所の切開も1切開として算定する。
K002 デブリードマン
(1) 区分番号「K013」分層植皮術から区分番号「K021―2」粘膜弁手術までの手術を前提に行う場合にのみ算定する。
(2) 面積の算定方法については、区分番号「J000」創傷処置の取扱いの例による。
(3) 汚染された挫創に対して行われるブラッシング又は汚染組織の切除等であって、通常麻酔下で行われる程度のものを行ったときに算定する。また、繰り返し算定する場合は、植皮の範囲(全身に占める割合)を診療報酬明細書の摘要欄に記載する。
(4) 「注3」の深部デブリードマン加算は、(3)でいう繰り返し算定される場合についても、要件をみたせば算定できる。
K003、K004 皮膚、皮下、粘膜下血管腫摘出術
(1) 「露出部」とは区分番号「K000」創傷処理の「注2」の「露出部」と同一の部位をいう。
(2) 露出部と露出部以外が混在する患者については、露出部に係る長さが全体の50%以上の場合は、区分番号「K003」の所定点数により算定し、50%未満の場合は、区分番号「K004」の所定点数により算定する。
K005、K006 皮膚、皮下腫瘍摘出術
(1) 「露出部」とは区分番号「K000」創傷処理の「注2」の「露出部」と同一の部位をいう。
(2) 近接密生しているいぼ及び皮膚腫瘍等については、1個として取り扱い、他の手術等の点数と著しい不均衡を生じないようにすること。
(3) 露出部と露出部以外が混在する患者については、露出部に係る長さが全体の50%以上の場合は、区分番号「K005」の所定点数により算定し、50%未満の場合は、区分番号「K006」の所定点数により算定する。
K006―2、K006―3 鶏眼・胼胝切除術
(1) 「露出部」とは区分番号「K000」創傷処理の「注2」の「露出部」と同一の部位をいう。
(2) 近接密生している鶏眼・胼胝等については、1個として取り扱い、他の手術等の点数と著しい不均衡を生じないようにすること。
(3) 露出部と露出部以外が混在する患者については、露出部に係る長さが全体の50%以上の場合は、区分番号「K006―2」の所定点数により算定し、50%未満の場合は、区分番号「K006―3」の所定点数により算定する。
K006―4 皮膚腫瘍冷凍凝固摘出術
ここでいう「一連」とは、治療の対象となる疾患に対して所期の目的を達するまでに行う一連の治療過程をいい、概ね3月間にわたり行われるものをいう。
K007 皮膚悪性腫瘍切除術
(1) 皮膚悪性腫瘍切除術を行った場合において、リンパ節の郭清を伴う場合は「1」により算定し、病巣部のみを切除した場合は「2」により算定する。
(2) 「注」に規定する悪性黒色腫センチネルリンパ節加算については、以下の要件に留意し算定すること。
(ア) 触診及び画像診断の結果、遠隔転移が認められない悪性黒色腫であって、臨床的に所属リンパ節の腫大が確認されていない場合にのみ算定する。
(イ) センチネルリンパ節生検に伴う放射性同位元素の薬剤料は、区分番号「K940」薬剤により算定する。
(ウ) 摘出したセンチネルリンパ節の病理診断に係る費用は、第13部病理診断の所定点数により算定する。
K009 皮膚剥削術
皮膚剥削術(グラインダーで皮膚を剥削する手術)は、小腫瘍、丘疹性疾患及び外傷性異物の場合に算定する。なお、単なる美容を目的とした場合は保険給付の対象とならない。
K010 瘢痕拘縮形成手術
(1) 単なる拘縮に止まらず運動制限を伴うものに限り算定する。
(2) 指に対して行う場合には、区分番号「K099」指瘢痕拘縮手術により算定する。
K013 分層植皮術
(1) デルマトームを使用した場合の費用は所定点数に含まれ、別に算定できない。
(2) 広範囲の皮膚欠損に対して、分層植皮術を頭頸部、左上肢、左下肢、右上肢、右下肢、腹部(胸部を含む。)又は背部の部位のうち同一部位以外の2以上の部位について行った場合は、それぞれの部位について所定点数を算定する。
K013―2 全層植皮術
(1) デルマトームを使用した場合の費用は所定点数に含まれ、別に算定できない。
(2) 広範囲の皮膚欠損に対して、全層植皮術を頭頸部、左上肢、左下肢、右上肢、右下肢、腹部(胸部を含む。)又は背部の部位のうち同一部位以外の2以上の部位について行った場合は、それぞれの部位について所定点数を算定する。
K014 皮膚移植術(生体・培養)
(1) 皮膚提供者の皮膚採取料及び組織適合性試験の費用は、所定点数に含まれ、別に算定できない。
(2) 生体皮膚を移植する場合においては、皮膚提供者から移植用皮膚を採取することに要する費用(皮膚提供者の皮膚採取料及び組織適合性試験の費用は除く。)については、各所定点数により算出し、皮膚移植術(生体・培養)の所定点数に加算する。
(3) 皮膚移植を行った保険医療機関と皮膚移植に用いる移植用皮膚を採取した保険医療機関とが異なる場合の診療報酬の請求については、皮膚移植を行った保険医療機関で行うものとし、当該診療報酬の分配は相互の合議に委ねる。なお、請求に当たっては、皮膚移植者の診療報酬明細書の摘要欄に皮膚提供者の氏名及び療養上の費用に係る合計点数を併せて記載するとともに、皮膚提供者の療養に係る所定点数を記載した診療報酬明細書を添付すること。
(4) 皮膚を移植する場合においては、日本組織移植学会が作成した「ヒト組織を利用する医療行為の安全性確保・保存・使用に関するガイドライン」を遵守している場合に限り算定する。
K014―2 皮膚移植術(死体)
(1) 皮膚提供者の皮膚採取料及び組織適合性試験の費用は、所定点数に含まれ、別に算定できない。
(2) 死体から死体皮膚を採取・保存するために要する全ての費用は、所定点数に含まれ別に請求できない。
(3) 皮膚を移植する場合においては、日本組織移植学会が作成した「ヒト組織を利用する医療行為の安全性確保・保存・使用に関するガイドライン」を遵守している場合に限り算定する。
K022 組織拡張器による再建手術(一連につき)
(1) 治療に要した日数又は回数にかかわらず、一連のものとして所定点数を算定する。
(2) 対象となる疾患は、先天異常、母斑(血管腫を含む。)、外傷性瘢痕拘縮、術後瘢痕拘縮及び腫瘍切除後の拘縮である。なお、美容を目的とするものは保険給付外である。
(3) 1患者の同一疾患に対して1回のみの算定であり、1回行った後に再度行っても算定できない。
第2款 筋骨格系・四肢・体幹
腱形成術は、区分番号「K034」腱切離・切除術(関節鏡下によるものを含む。)から区分番号「K040」腱移行術までにより算定する。
K030 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術
皮膚又は皮下にある腫瘍に係る手術については、区分番号「K005」皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)又は区分番号「K006」皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)により算定する。
K037 腱縫合術
切創等の創傷によって生じた固有指の伸筋腱の断裂の単なる縫合は、区分番号「K000」創傷処理の「2」又は区分番号「K000―2」小児創傷処理の「3」に準じて算定する。
K043―2 骨関節結核瘻孔摘出術
骨関節結核に行う瘻孔摘出術の際に行った脂肪移植術は所定点数に含まれ別に算定できない。
K044 骨折非観血的整復術
(1) ギプスを使用した場合にはギプス料を別に算定できる。
(2) 著しい腫脹等によりギプスを掛けられない状態にあるために徒手整復のみを行った場合についても、骨折非観血的整復術により算定できる。その際に副木を使用した場合には、当該副木の費用は別に算定できる。
(3) 徒手整復した骨折部位に対して2回目以降の処置を行った場合は、区分番号「J000」創傷処置における手術後の患者に対するものにより算定する。
K046 骨折観血的手術
前腕骨又は下腿骨骨折の手術に際し、両骨(橈骨と尺骨又は脛骨と腓骨)を同時に行った場合であって、皮膚切開が個別の場合には、別の手術野として骨折観血的手術の「2」の所定点数をそれぞれの手術野について算定する。
K047 難治性骨折電磁波電気治療法(一連につき)
(1) 対象は四肢(手足を含む。)の遷延治癒骨折や偽関節であって、観血的手術又は区分番号「K047―3」超音波骨折治療法等他の療法を行っても治癒しない難治性骨折に対して行った場合に限り算定する。ただし、やむを得ない理由により観血的手術及び区分番号「K047―3」等他の療法を行わずに難治性骨折電磁波電気治療法を行った場合にあっては、診療報酬明細書の摘要欄にその理由を詳細に記載すること。
(2) 治療に要した日数又は回数にかかわらず一連のものとして所定点数を算定する。
(3) 当該治療法は1患者に対して一連として1回のみの算定であり、1回行った後に再度行った場合又は入院中に開始した当該療法を退院した後に継続して行っている場合であっても、別に算定できない。
K047―2 難治性骨折超音波治療法(一連につき)
区分番号「K047」難治性骨折電磁波電気治療法の取扱いと同様とする。
K047―3 超音波骨折治療法(一連につき)
(1) 超音波骨折治療法は、四肢(手足を含む。)の開放骨折又は粉砕骨折に対する観血的手術を実施した後に、骨折治癒期間を短縮する目的で、当該骨折から3週間以内に超音波骨折治療法を開始した場合に算定する。なお、やむを得ない理由により3週間を超えて当該超音波骨折治療法を開始した場合にあっては、診療報酬明細書の摘要欄にその理由を詳細に記載すること。
(2) 治療に要した日数又は回数にかかわらず一連のものとして所定点数を算定する。
(3) 当該治療法は1患者に対して一連として1回のみの算定であり、入院中に開始した当該療法を退院した後に継続して行っている場合であっても別に算定できない。
(4) 四肢の骨折に対する観血的手術の手術中に行われたものは算定できない。
(5) 本手術の所定点数には、使用される機器等の費用が含まれる。
(6) 本手術に併せて行った区分番号「J119」消炎鎮痛等処置、区分番号「J119―2」腰部又は胸部固定帯固定又は区分番号「J119―4」肛門処置については、別に算定できない。
(7) 体外衝撃波疼痛治療装置を、難治性の足底腱膜炎に対する除痛の目的で使用した場合は、超音波骨折治療法の所定点数を、治療に要した日数又は回数にかかわらず一連のものとして算定する。再発により2回目以降算定する場合には、少なくとも3か月以上あけて算定する。
その際、保存療法の開始日とその治療内容、本治療を選択した理由及び医学的根拠、並びに2回目以降算定する場合にはその理由を診療報酬明細書の摘要欄に詳細に記載すること。なお、本手術に併せて行った区分番号「J119」消炎鎮痛等処置については、別に算定できない。
K048 骨内異物(挿入物を含む。)除去術
(1) 三翼釘、髄内釘、ロッドを抜去する場合の骨内異物(挿入物を含む。)除去術は、手術を行った保険医療機関であると否とにかかわらず算定できる。
(2) 鋼線、銀線等で簡単に除去し得る場合には、区分番号「J000」創傷処置、区分番号「K000」創傷処理又は区分番号「K000―2」小児創傷処理の各区分により算定する。
K052―2 多発性軟骨性外骨腫摘出術
巨大(児頭大)なもので2回に分けて摘出する場合は、それぞれの摘出について所定点数を算定する。
K055―3 大腿骨近位部(転子間を含む。)骨切り術
大腿骨近位部(転子間を含む。)骨切り術とは、イムホイザー3次元骨切り術、ダン骨切り術、外反伸展骨切り術、外反屈曲骨切り術、転子間湾曲骨切り術、パウエル外内反骨切り術等をいう。
K057 変形治癒骨折矯正手術
次に掲げる変形治癒骨折矯正手術は、それぞれに規定する区分により算定する。
ア 眼窩変形治癒骨折に対する矯正術は、区分番号「K228」眼窩骨折整復術による。
イ 鼻骨変形治癒骨折に対する矯正術は、区分番号「K334―2」鼻骨変形治癒骨折矯正術による。
ウ 頬骨変形治癒骨折に対する矯正術は、区分番号「K427―2」頬骨変形治癒骨折矯正術による。
K058 骨長調整手術
使用するステイプルの数にかかわらず1回の算定とする。
K059 骨移植術(軟骨移植術を含む。)
(1) 骨移植術に併せて他の手術を行った場合は、本区分の所定点数に他の手術の所定点数を併せて算定する。
(2) 移植用に採取した健骨を複数か所に移植した場合であっても、1回のみ算定する。
(3) 移植用骨採取のみに終わり骨移植に至らない場合については、区分番号「K126」脊椎、骨盤骨(軟骨)組織採取術(試験切除によるもの)に準じて算定する。
(4) 自家軟骨の移植を行った場合は、「1」により算定する。
(5) 同種骨(凍結保存された死体骨を含む。)を移植する場合においては、日本組織移植学会が作成した「ヒト組織を利用する医療行為の安全性確保・保存・使用に関するガイドライン」を遵守した場合に限り算定する。
(6) 移植用骨採取及び骨提供者の組織適合性試験に係る費用は、所定点数に含まれ別に算定できない。
(7) 自家骨又は非生体同種骨(凍結保存された死体骨を含む。)移植に加え、人工骨移植を併せて行った場合は「3」により算定する。ただし、人工骨移植のみを行った場合は算定できない。
K062 先天性股関節脱臼非観血的整復術(両側)
先天性股関節脱臼非観血的整復術のギプス料は、区分番号「J127」先天性股関節脱臼ギプス包帯により算定する。
K080 関節形成手術
同側足関節に対して、二関節固定術と後方制動術を併施した場合は、関節形成手術の「2」により算定する。
K080―2 内反足手術
内反足手術は、アキレス腱延長術・後方足関節切開術・足底腱膜切断術を行い、後足部をキルシュナー鋼線で正する方法により行った場合に算定する。
K082―3 人工関節再置換術
人工関節再置換術は、区分番号「K082」人工関節置換術から6か月以上経過して行った場合にのみ算定できる。
K083 鋼線等による直達牽引
(1) 鋼線等を用いて観血的に牽引を行った場合に算定する。なお、鋼線等による直達牽引には、鋼線牽引法、双鋼線伸延法及び直達頭蓋牽引法を含む。
(2) 当該鋼線等による直達牽引のうち初日に行ったものについて所定点数を算定する。なお、鋼線等の除去の費用は、所定点数に含まれ、別に算定できない。
(3) 1局所とは、上肢の左右、下肢の左右及び頭より尾頭までの躯幹のそれぞれをいい、全身を5局所に分けるものである。
(4) 区分番号「J118」介達牽引、区分番号「J118―2」矯正固定、区分番号「J118―3」変形機械矯正術、区分番号「J119」消炎鎮痛等処置、区分番号「J119―2」腰部又は胸部固定帯固定、区分番号「J119―3」低出力レーザー照射又は区分番号「J119―4」肛門処置を併せて行った場合であっても、本区分の所定点数のみにより算定する。
K083―2 内反足足板挺子固定
(1) 内反足に対しキルシュナー鋼線等で足板挺子を固定した場合に算定する。この場合において、ギプス固定を行った場合は、その所定点数を別に算定する。
(2) 区分番号「J118」介達牽引、区分番号「J118―2」矯正固定、区分番号「J118―3」変形機械矯正術、区分番号「J119」消炎鎮痛等処置、区分番号「J119―2」腰部又は胸部固定帯固定、区分番号「J119―3」低出力レーザー照射又は区分番号「J119―4」肛門処置を併せて行った場合であっても、本区分の所定点数のみにより算定する。
K088 切断四肢再接合術
切断四肢再接合術は、顕微鏡下で行う手術の評価を含む。
K089 爪甲除去術
爪甲白せん又は爪床間に「とげ」等が刺さった場合の爪甲除去で、麻酔を要しない程度のものは区分番号「J001―7」爪甲除去(麻酔を要しないもの)により算定する。
K099 指瘢痕拘縮手術
(1) 単なる拘縮に止まらず運動制限を伴う場合に算定する。
(2) 本手術には、Z形成術のみによるもの及び植皮術を要するものが含まれる。
K099―2 デュプイトレン拘縮手術
運動障害を伴う手掌・手指腱膜の線維性増殖による拘縮(デュプイトレン拘縮)に対して、指神経、指動静脈を離しながら拘縮を解除し、Z形成術等の皮膚形成術を行った場合に算定する。
K117―2 頸椎非観血的整復術
頸椎椎間板ヘルニア及び頸椎骨軟骨症の新鮮例に対する頸椎の非観血的整復術(全麻、牽引による)を行った場合に算定する(手術の前処置として変形機械矯正術(垂直牽引、グリソン係蹄使用)を行った場合を除く。)。
なお、頸腕症候群及び五十肩に対するものについては算定できない。
K132 椎弓形成手術
骨形成的片側椎弓切除術及び髄核摘出術を併せて2椎間に行った場合は、区分番号「K186」脊髄硬膜内神経切断術に準じて算定する。
K134 椎間板摘出術
椎間板摘出術の「4」経皮的髄核摘出術については、1椎間につき2回を限度とする。
K141―2 寛骨臼移動術
寛骨臼全体を移動させ関節軟骨で骨頭の被覆度を高め安定した股関節を再建するものであり、寛骨臼回転骨切り術、寛骨臼球状骨切り術、ホフ骨切り術、ガンツ骨切り術、スティールのトリプル骨切り術、サルター骨切り術等を行った場合に算定する。
K142―2 脊椎側彎症手術
(1) 「注」に規定する胸郭変形矯正用材料を用いた場合とは、「2」の「ロ」交換術を行う場合をさしており、「1」の場合には適用されない。
(2) 矯正術を前提として行われるアンカー補強手術(foundation作成)は区分番号「K142」脊椎固定術の「2」後方又は後側方固定にて算定する。また、その一連の治療として数ヶ月後に行われる矯正術は「2」の「ロ」交換術にて算定する。
(3) 「2」の「ロ」交換術とは、患者の成長に伴い、ロッド又はグレードルを含めた全体の交換が必要となった場合の術式を指す。一部のクリップ等を交換し、固定位置の調整等を行った場合は「ハ」伸展術にて算定する。
K144 体外式脊椎固定術
(1) 体外式脊椎固定術は、ハローペルビック牽引装置、ハローベスト等の器械・器具を使用して脊椎の整復固定を行った場合に算定する。この場合において、当該器械・器具の費用は所定点数に含まれる。
(2) ベスト式の器械・器具に用いられるベスト部分は、その患者のみの使用で消耗する程度のものに限り副木として算定できる。
第3款 神経系・頭蓋
第3款 神経系・頭蓋の手術において神経内視鏡を使用した場合の当該神経内視鏡に係る費用は、当該手術の所定点数に含まれ、別に算定できない。
K145 穿頭脳室ドレナージ術
(1) 穿頭術の手技料は所定点数に含まれ、別に算定できない。
(2) 当該手術は、初回実施に限り算定し、2回目以降の処置に係るドレナージについては、区分番号「J002」ドレーン法(ドレナージ)により算定する。
K147 穿頭術(トレパナチオン)
(1) 穿頭術又は開頭術を行い、脳室穿刺を行った場合の手技料は当該手術の所定点数に含まれ別に算定できない。
(2) 穿頭術における穿頭とは穿頭器を用いて穿孔することのみをいう。
(3) 穿頭による慢性硬膜下血腫洗浄・除去術は、区分番号「K164―2」慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術により算定する。
K148 試験開頭術
(1) 試験開頭術における開頭とは、穿頭器以外の器具を用いて広範囲に開窓することをいう。
(2) 区分番号「K147」穿頭術及び本手術を同時又は短時間の間隔をおいて2か所以上行った場合の点数は、本区分の所定点数のみにより1回に限り算定する。
K151―2 広範囲頭蓋底腫瘍切除・再建術
広範囲頭蓋底腫瘍切除・再建術は、次のような手術を行った場合に算定する。
ア 眼窩内又は副鼻腔に及ぶ腫瘍に対する眼窩内又は副鼻腔を含む前頭蓋底切除による腫瘍摘出及び再建術
イ 海綿静脈洞に及ぶ腫瘍に対する海綿静脈洞の解放を伴う腫瘍切除及び再建術
ウ 錐体骨・斜台の腫瘍に対する経口的腫瘍摘出又は錐体骨削除・S状静脈洞露出による腫瘍摘出及び再建術
エ 頸静脈孔周辺部腫瘍に対するS状静脈洞露出を伴う頸静脈孔解放術による腫瘍摘出及び再建術
K154 機能的定位脳手術
(1) 脳性小児麻痺に対するレンズ核破壊術若しくはパーキンソニズム、振戦麻痺等の不随意運動又は筋固縮に対する脳淡蒼球内オイルプロカイン注入療法(脳深部定位手術)を行った場合は、本区分により算定する。
(2) 機能的定位脳手術に係る特殊固定装置による固定及び穿頭並びに穿刺、薬剤注入に係る費用は所定点数に含まれ、別に算定できない。ただし、手術前に行うエックス線撮影及びフィルムによる注入部位の位置計測については、第2章第4部画像診断のエックス線診断料により別に算定できる。
K155 脳切截術(開頭して行うもの)
本手術を両側同時に施行した場合は、片側ごとに所定点数を算定する。
K160―2 頭蓋内微小血管減圧術
後頭蓋窩の顔面神経又は三叉神経への微小血管圧迫に起因する顔面痙攣又は三叉神経痛に対して、後頭下開頭による神経減圧術を行った場合に算定する。
K164 頭蓋内血腫除去術(開頭して行うもの)
定位的脳内血腫除去術を行った場合は、区分番号「K164―4」定位的脳内血腫除去術により算定する。
K174 水頭症手術
脳室穿破術、脳室腹腔シャント手術、脳室心耳シャント手術又は腰部くも膜下腔腹腔シャント手術を行った場合に算定する。
K174―2 髄液シャント抜去術
水頭症に対してシャント手術を実施した後、経過良好のためカテーテルを抜去した場合に算定する。
K176 脳動脈瘤流入血管クリッピング(開頭して行うもの)
本手術は、開頭の部位数又は使用したクリップの個数にかかわらず、クリッピングを要する病変の箇所数に応じて算定する。
K177 脳動脈瘤頸部クリッピング
注2に規定するバイパス術併用加算は、本手術に際し、親血管より末梢側の血流を確保するため頭蓋外・頭蓋内血管吻合を併せて行った場合に算定する。
K178 脳血管内手術
脳動脈瘤、脳動静脈奇形等の脳血管異常に対して、血管内手術用カテーテルを用いて手術を行った場合に算定する。
K178―2 経皮的脳血管形成術
頭蓋内の椎骨動脈又は内頸動脈の狭窄に対して、経皮的脳血管形成術用カテーテルを用いて経皮的脳血管形成術を行った場合に算定する。
K181 脳刺激装置植込術(頭蓋内電極植込術を含む。)
薬物療法、他の外科療法及び神経ブロック療法の効果が認められない慢性難治性疼痛又は振戦等の神経症状の除去若しくは軽減、或いはてんかん治療を目的として行った場合に算定する。
K181―3 頭蓋内電極抜去術
本手術は、電極の抜去のみを目的として開頭術を行った場合に算定する。なお、それ以外の場合にあっては、併せて行った開頭術(脳刺激装置植込術及び頭蓋内電極植込術を含む。)の所定点数に含まれ、別に算定できない。
K182―2 神経交差縫合術
交通事故等により腕神経叢が根部で切断された病状で、患側の肋間神経を剥離し、易動性にし、切断部より末梢部において神経縫合した場合等、末梢神経損傷に対し、他の健常な神経を遊離可動化し、健常神経の末梢端と損傷神経の中枢端を縫合した場合に算定する。
K190 脊髄刺激装置植込術
薬物療法、他の外科療法及び神経ブロック療法の効果が認められない慢性難治性疼痛の除去又は軽減を目的として行った場合に算定する。
K193―2 レックリングハウゼン病偽神経腫切除術(露出部)、K193―3 レックリングハウゼン病偽神経腫切除術(露出部以外)
(1) 「露出部」とは区分番号「K000」創傷処理の「注2」の「露出部」と同一の部位をいう。
(2) 近接密生しているレックリングハウゼン病偽神経腫については、1個として取り扱い、他の手術等の点数と著しい不均衡を生じないようにする。
(3) 露出部と露出部以外が混在する患者については、露出部に係る長さが全体の50%以上の場合は、区分番号「K193―2」の所定点数により算定し、50%未満の場合は、区分番号「K193―3」の所定点数により算定する。
K196 交感神経節切除術
下腹部神経叢切除術又はコット手術にクレニッヒ手術を併せて行った場合は、交感神経節切除術の「3」により算定する。
K196―5 末梢神経遮断(挫滅又は切断)術(浅腓骨神経、深腓骨神経、後脛骨神経又は腓腹神経に限る。)
疼痛に対して行う末梢神経遮断(挫滅又は切断)術は、浅腓骨神経、深腓骨神経、後脛骨神経又は腓腹神経の場合に限り算定する。なお、浅腓骨神経、深腓骨神経、後脛骨神経及び腓腹神経を同時に遮断した場合には、それぞれ別に所定点数を算定する。
第4款 眼
K200―2 涙点プラグ挿入術
(1) 乾性角結膜炎(シルマーテスト第1法変法5mm以下、又はローズベンガル染色試験++以上)及びシェーグレン症候群に対して行った場合に算定する。
(2) 上下涙点に挿入した場合も含め1回のみの算定とする。
K208 麦粒腫切開術
数か所の切開も同一瞼内にあるものについては1回として算定する。
K212 兎眼矯正術
兎眼症に対して瞼板縫合術を行った場合は、本区分により算定する。
K214 霰粒腫摘出術
数か所の切開も同一瞼内にあるものについては1回として算定する。
K228 眼窩骨折整復術
陳旧性の変形治癒骨折に対して整復術を実施した場合に算定する。
K259 角膜移植術
(1) 角膜を採取・保存するために要する費用は、所定点数に含まれ別に算定できない。
(2) 角膜を移植する場合においては、平成12年1月7日保健医療局長通知「眼球提供者(ドナー)適応基準について」(健医発第25号)、平成12年1月7日保健医療局長通知「眼球のあっせん技術指針について」(健医発第26号)を遵守している場合に限り算定する。
K260 強膜移植術
(1) 強膜を採取・保存するために要する費用は、所定点数に含まれ別に算定できない。
(2) 強膜を移植する場合においては、平成12年1月7日保健医療局長通知「眼球提供者(ドナー)適応基準について」(健医発第25号)、平成12年1月7日保健医療局長通知「眼球のあっせん技術指針について」(健医発第26号)及び日本組織移植学会が作成した「ヒト組織を利用する医療行為の安全性確保・保存・使用に関するガイドライン」を遵守している場合に限り算定する。
K276 網膜光凝固術
(1) 「一連」とは、治療の対象となる疾患に対して所期の目的を達するまでに行う一連の治療過程をいう。例えば、糖尿病性網膜症に対する汎光凝固術の場合は、1週間程度の間隔で一連の治療過程にある数回の手術を行うときは、1回のみ所定点数を算定するものであり、その他数回の手術の費用は所定点数に含まれ、別に算定できない。
(2) 「2」その他特殊なものとは、網膜剥離裂孔、円板状黄斑変性症、網膜中心静脈閉鎖症による黄斑浮腫、類嚢胞黄斑浮腫及び未熟児網膜症に対する網膜光凝固術並びに糖尿病性網膜症に対する汎光凝固術を行うことをいう。
K277―2 黄斑下手術
黄斑下手術は、中心窩下新生血管膜を有する疾患(加齢黄斑変性症等)又は黄斑下血腫に対して行った場合に算定する。
K282 水晶体再建術
(1) 1眼に白内障及び斜視があり両者に対する手術を同時に行った場合は、別に算定できる。ただし、斜視手術が保険給付の対象となる場合に限る。
(2) 眼内レンズの費用は所定点数に含まれ、別に算定できない。
第5款 耳鼻咽喉
K296 耳介形成手術
耳介形成手術は、耳輪埋没症、耳垂裂等に対して行った場合に算定する。
K318 鼓膜形成手術
(1) 鼓膜形成手術に伴う鼓膜又は皮膚の移植については、別に算定できない。
(2) 耳翼後面から植皮弁を採りWullsteinの鼓室形成手術の第1型とほぼ同様の操作(ただ鼓膜の上皮のみを除去することが異なる。)で、鼓膜形成手術を行った場合は、区分番号「K319」鼓室形成手術により算定する。
K319 鼓室形成手術
鼓室形成手術に伴う皮膚の移植については、算定できない。
K338 鼻甲介切除術、K339 粘膜下下鼻甲介骨切除術
(1) 慢性肥厚性鼻炎兼鼻茸に対して、区分番号「K338」鼻甲介切除術及び区分番号「K340」鼻茸摘出術を併施した場合は、それぞれの所定点数を別に算定する。
(2) 区分番号「K338」鼻甲介切除術又は区分番号「K339」粘膜下下鼻甲介骨切除術を副鼻腔手術と併施した場合においては、鼻甲介切除術又は粘膜下下鼻甲介骨切除術を副鼻腔手術の遂行上行う場合以外は同一手術野とはみなさず、それぞれの所定点数を別に算定する。
K340 鼻茸摘出術
高周波電磁波で行う場合にあっても本区分により算定する。
K347―2 変形外鼻手術
(1) 先天性の高度斜鼻・鞍鼻、口唇裂外鼻又は上顎洞・外鼻の悪性腫瘍術後等による機能障害を伴う外鼻の変形に対して、機能回復を目的として外鼻形成を行った場合に算定する。なお、外傷等による骨折治癒後の変形等に対するものは、区分番号「K334―2」鼻骨変形治癒骨折矯正術により算定する。
(2) 単なる美容を目的とするものは保険給付の対象とならない。
K352―3 副鼻腔炎術後後出血止血法
副鼻腔炎術後の後出血(手術日の翌日以後起った場合をいう。)が多量で、必要があって再び術創を開く場合に算定する。
K361 上顎洞篩骨洞蝶形洞根治手術
区分番号「K355」鼻内前頭洞根治手術、区分番号「K353」鼻内篩骨洞根治手術、区分番号「K354」篩骨洞根治手術及び区分番号「K352―2」鼻内上顎洞根治手術を併施した場合は、本区分により算定する。
K377 口蓋扁桃手術
(1) 扁桃除去を行った当日における止血については算定できない。
(2) 口蓋扁桃手術を行った日の翌日以降の後出血が多量で、やむを得ず再び術創を開く場合における止血術は、区分番号「K367」咽後膿瘍切開術に準じて算定する。
K386 気管切開術
気管切開術後カニューレを入れた数日間の処置(単なるカニューレの清拭でない)は、区分番号「J000」創傷処置における手術後の患者に対するものにより算定する。
K388―2 喉頭粘膜下軟骨片挿入術
反回神経麻痺に対し、声帯固定のため甲状軟骨を左右に分離し、喉頭側軟骨膜下に甲状軟骨より取り出した小軟骨片を挿入した場合に算定する。
K389 喉頭・声帯ポリープ切除術
喉頭ポリープが左右の声帯にあるときは、各側ごとに算定できる。
第6款 顔面・口腔・頸部
K407―2 軟口蓋形成手術
いびきに対して軟口蓋形成手術を行った場合に算定する。
K423 頬腫瘍摘出術
皮膚又は皮下にある腫瘍の摘出術は、区分番号「K005」皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)又は区分番号「K006」皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)により算定する。
K429―2 下顎関節突起骨折観血的手術
「2」両側は、両側の下顎関節突起骨折について観血的に手術を行った場合に算定する。
K434 顔面多発骨折観血的手術
顔面多発骨折観血的手術は、上下顎の同時骨折の場合等複数の骨に対して観血的に手術を行った場合に算定する。
K443 上顎骨形成術