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(1) 2回目以降100分の90で算定する場合の「同一の検査」

区分番号「D208」心電図検査の「1」から「5」まで、区分番号「D209」負荷心電図検査の「1」及び「2」、区分番号「D210」ホルター型心電図検査の「1」及び「2」については、それぞれ同一の検査として扱う。また、準用が通知されている検査については、当該検査が準ずることとされている検査と同一の検査として扱う。

(2) 呼吸循環機能検査等に係る一般事項

ア 通則の「特に規定する場合」とは、区分番号「D208」心電図検査の「注」又は区分番号「D209」負荷心電図検査の「注1」に掲げる場合をさす。

イ 区分番号「D200」スパイログラフィー等検査から区分番号「D203」肺胞機能検査までの各検査については、特に定めのない限り、次に掲げるところによる。

a 実測値から算出される検査値については算定できない。

b 測定方法及び測定機器は限定しない。

c 負荷を行った場合は、負荷の種類及び回数にかかわらず、その前後の検査について、それぞれ1回のみ所定点数を算定する。

d 使用したガス(CO、CO2、He等)は、購入価格を10円で除して得た点数を別に算定できる。

e 喘息に対する吸入誘発試験は、負荷試験に準ずる。

(3) 肺活量計による肺活量の測定は、別に算定できない。

D200 スパイログラフィー等検査

(1) 「1」の肺気量分画測定には、予備吸気量、1回換気量及び予備呼気量の全ての実測及び実測値から算出される最大呼吸量の測定のほか、安静換気量及び最大換気量の測定が含まれる。

(2) 「1」の肺気量分画測定及び区分番号「D202」肺内ガス分布の「1」の指標ガス洗い出し検査とを同時に実施した場合には、機能的残気量測定は算定できない。

(3) 「2」のフローボリュームカーブは、曲線を描写し記録した場合にのみ算定し、強制呼出曲線の描出に係る費用を含む。また、フローボリュームカーブから計算によって求められる努力肺活量、1秒量、1秒率、MMF、PFR等は、別に算定できない。

(4) 「5」の左右別肺機能検査の所定点数には、カテーテル挿入並びに他の「1」から「4」までのスパイログラフィー等検査及び換気力学的検査の費用を含む。

(5) 体プレスチモグラフを用いる諸検査は、別に定めのない限り、「3」により算定する。

D201 換気力学的検査

「2」中のコンプライアンス測定の所定点数には、動肺コンプライアンス測定及び静肺コンプライアンス測定の双方を含む。

D204 基礎代謝測定

基礎代謝測定の所定点数には、患者に施用する窒素ガス又は酸素ガスの費用を含む。

D206 心臓カテーテル法による諸検査

(1) 心臓カテーテル検査により大動脈造影、肺動脈造影及び肺動脈閉塞試験を行った場合においても、心臓カテーテル法による諸検査により算定するものとし、血管造影等のエックス線診断の費用は、別に算定しない。

(2) 心臓カテーテル法による諸検査のようなカテーテルを用いた検査を実施した後の縫合に要する費用は、所定点数に含まれる。

(3) 「1」の右心カテーテル及び「2」の左心カテーテルを同時に行った場合であっても、「注1」、「注2」及び「注3」の加算は1回のみに限られる。

(4) 「注3」及び「注4」に掲げる加算は主たる加算を患者1人につき月1回に限り算定する。

(5) 心筋生検を行った場合は、区分番号「D417」組織試験採取、切採法の所定点数を併せて算定する。

D207 体液量等測定

(1) 体液量等測定の所定点数には、注射又は採血を伴うものについては第6部第1節第1款の注射実施料及び区分番号「D400」血液採取を含む。

(2) 「2」の皮弁血流検査は、1有茎弁につき2回までを限度として算定するものとし、使用薬剤及び注入手技料は、所定点数に含まれ、別に算定しない。

(3) 「2」の血流量測定は、電磁式によるものを含む。

(4) 「2」の電子授受式発消色性インジケーター使用皮膚表面温度測定は、皮弁形成術及び四肢の血行再建術後に、術後の血行状態を調べるために行った場合に算定する。

ただし、術後1回を限度とする。

なお、使用した電子授受式発消色性インジケーターの費用は、所定点数に含まれ、別に算定できない。

(5) 「2」の血管伸展性検査は、描写し記録した脈波図により脈波伝達速度を求めて行うものであり、このために行った脈波図検査と併せて算定できない。

D208 心電図検査

(1) 「1」の四肢単極誘導及び胸部誘導を含む最低12誘導は、普通、標準肢誘導(Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ)、単極肢誘導(aVRaVLaVF)、胸部誘導(V1、V2、V3、V4、V5、V6)の12誘導で、その他特別の場合にV7、V8、食道誘導等を行う場合もこれに含まれる。

(2) 当該保険医療機関以外の医療機関で描写したものについて診断のみを行った場合は、診断料として1回につき所定点数を算定できるが、患者が当該傷病につき当該医療機関で受診していない場合は算定できない。

(3) 当該保険医療機関以外の医療機関で描写した検査について診断を行った場合の算定については、2回目以降においても100分の90の算定としない。

(4) 「3」の携帯型発作時心電図記憶伝送装置使用心電図検査は、入院中の患者以外の患者に対して、携帯型発作時心電図記憶伝送装置を用いて発作時等の心電図を記録させた場合に、一連につき1回算定する。

(5) 「4」のバリストカルジオグラフは、心弾動計、弾動心拍出量計により行った場合に算定する。

D209 負荷心電図検査

(1) 負荷心電図検査の「負荷」は、運動負荷、薬剤負荷をいい、負荷の種類及び回数によらない。

(2) 当該保険医療機関以外の医療機関で描写したものについて診断のみを行った場合は、診断料として1回につき所定点数を算定できるが、患者が当該傷病につき当該医療機関で受診していない場合は算定できない。

(3) 当該保険医療機関以外の医療機関で描写した検査について診断を行った場合の算定については、2回目以降においても100分の90の算定としない。

(4) 負荷心電図検査には、この検査を行うために一連として実施された心電図検査を含むものであり、同一日に行われた心電図検査は、別に算定できない。

D210 ホルター型心電図検査

(1) ホルター型心電図検査は、患者携帯用の記録装置を使って長時間連続して心電図記録を行った場合に算定するものであり、所定点数には、単に記録を行うだけではなく、再生及びコンピューターによる解析を行った場合の費用を含む。

(2) やむを得ず不連続に記録した場合においては、記録した時間を合算した時間により算定する。また、24時間を超えて連続して記録した場合であっても、「2」により算定する。

D210―3 埋込型心電図検査

(1) 短期間に失神発作を繰り返し、その原因として不整脈が強く疑われる患者であって、心臓超音波検査及び心臓電気生理学的検査(心電図検査及びホルター心電図検査を含む。)等によりその原因が特定できない者に対して、原因究明を目的として使用した場合に限り算定できる。

(2) 埋込型心電図検査は、患者の皮下に埋込まれた記録装置を使って長時間連続して心電図記録を行った場合に算定するものであり、所定点数には、単に記録を行うだけではなく、再生及びコンピューターによる解析を行った場合の費用を含む。

(3) 埋込型心電図記録計を使用し診断を行った場合は、当該機器が埋込まれた時間ではなく、心電図が記録された時間に応じて算定する。

D211 トレッドミルによる負荷心肺機能検査、サイクルエルゴメーターによる心肺機能検査

(1) トレッドミルによる負荷心肺機能検査、サイクルエルゴメーターによる心肺機能検査には、この検査を行うために一連として実施された区分番号「D208」心電図検査、区分番号「D200」スパイログラフィー等検査を含むものであり、負荷の種類及び回数にかかわらず、所定点数により算定する。

(2) 呼吸器疾患に対して施行された場合にも、所定点数を算定できる。

D211―2 喘息運動負荷試験

(1) 喘息運動負荷試験は、運動負荷前後での換気機能の変化を観察した場合に算定できる。

(2) 喘息運動負荷試験には、この検査を行うために一連として実施された区分番号「D208」心電図検査、区分番号「D200」スパイログラフィー等検査を含むものであり、負荷の種類及び回数にかかわらず、所定点数により算定する。

D212 リアルタイム解析型心電図

(1) リアルタイム解析型心電図とは、入院中の患者以外の患者に対して8時間以上心電図をモニターしながら同時に波形を解析し、異常波形発現時にのみ記録を行い得るものをいう。

(2) リアルタイム解析型心電図記録計を用いて8時間以上心電図をモニターした場合は、解析の費用を含め、一連の使用について1回として算定する。

D212―2 携帯型発作時心電図記録計使用心電図検査

心電図を2日間以上連続して記録することができる携帯型発作時心電図記録計を用いて、記録スイッチ入力前を含む心電図を記録した場合に、解析の費用を含め、一連の使用について1回として算定する。

D213 心音図検査

亜硝酸アミル吸入心音図検査の点数算定は、薬剤負荷の前後の検査をそれぞれ1回として心音図検査により算定し、亜硝酸アミルについては、区分番号「D500」薬剤により算定する。

D214 脈波図、心機図、ポリグラフ検査

(1) 脈波図については、次に掲げる検査を2以上行った場合であり、脈波曲線を描写し記録した場合に算定する。

ア 心及び肝拍動図

イ 動脈波

ウ 静脈波

エ 容積脈波

オ 指尖脈波

カ 心尖(窩)拍動図

また、心機図とは各種脈波図と心電図、心音図検査等の2以上を同時に記録し、循環機能の解析を行う検査である。

(2) 「1」から「4」までの検査数については、種目又は部位を順次変えて検査した場合であっても、一連の検査のうちの最高検査数による。

(3) 運動又は薬剤の負荷による検査を行った場合には、負荷前後の検査をそれぞれ1回の検査として算定し、複数の負荷を行った場合であっても、負荷の種類及び回数にかかわらず、所定点数の100分の200を限度として算定する。

(4) 脈波図、心機図、ポリグラフ検査において、(1)に掲げる検査を1つのみ行った場合は区分番号「D207」体液量等測定の「1」により算定する。

D215 超音波検査

(1) 「1」から「5」までに掲げる検査のうち2以上のものを同一月内に同一の部位について行った場合、同一月内に2回以上行った場合の算定方法の適用においては、同一の検査として扱う。

(2) 超音波検査を同一の部位に同時に2以上の方法を併用する場合は、主たる検査方法により1回として算定する。また、同一の方法による場合は、部位数にかかわらず、1回のみの算定とする。

(3) 超音波検査の記録に要した費用(フィルム代、印画紙代、記録紙代、テープ代等)は、所定点数に含まれる。

(4) 体表には肛門、甲状腺、乳腺、表在リンパ節等を含む。

(5) 「2」の断層撮影法(心臓超音波検査を除く。)において血管の血流診断を目的としてパルスドプラ法を併せて行った場合には、「注2」に掲げる加算を算定できる。

(6) 「3」の心臓超音波検査の所定点数には、同時に記録した心音図、脈波図、心電図及び心機図の検査の費用を含む。

(7) 「3」の心臓超音波検査の所定点数にはパルスドプラ法の費用が含まれており、別に算定できない。

(8) 「3」の心臓超音波検査以外で、断層撮影法とMモード法を併用した場合の点数算定は、「2」の「イ」により算定する。

(9) 「3」の「ロ」Mモード法はMモード法のみで検査を行った場合に算定する。「3」の心臓超音波検査以外で、Mモード法のみの検査を行った場合は、「3」の「ロ」により算定する。

(10) 「3」の「二」胎児心エコー法は、胎児の心疾患が強く疑われた症例に対して、循環器内科、小児科又は産婦人科の経験を5年以上有する医師(胎児心エコー法を20症例以上経験している者に限る。)が診断を行う場合に算定する。その際、当該検査で得られた主な所見を診療録に記載すること。また、「4」の「イ」の胎児心音観察に係る費用は所定点数に含まれており、別に算定できない。

(11) 「4」の「イ」の末梢血管血行動態検査は、慢性動脈閉塞症の診断及び病態把握のために行った場合に算定する。

(12) 「4」の「ロ」の脳動脈血流速度連続測定とは、経頭蓋骨的に連続波又はパルスドプラを用いて、ソノグラムを記録して血流の分析を行う場合をいう。

(13) 「4」の「ハ」の脳動脈血流速度マッピング法とは、パルスドプラにより脳内動脈の描出を行う場合をいう。

(14) 「5」の血管内超音波法の算定は次の方法による。

ア 検査を実施した後の縫合に要する費用は所定点数に含まれる。

イ 本検査を、左心カテーテル検査及び右心カテーテル検査と併せて行った場合は、左心カテーテル検査及び右心カテーテル検査の所定点数に含まれる。

ウ エックス線撮影に用いられたフィルムの費用は、区分番号「E400」フィルムの所定点数により算定する。

エ 区分番号「D220」呼吸心拍監視、新生児心拍・呼吸監視、カルジオスコープ(ハートスコープ)、カルジオタコスコープの費用は、所定点数に含まれる。

(15) 「注1」における「造影剤を使用した場合」とは、静脈内注射、動脈注射又は点滴注射により造影剤を使用し検査を行った場合をいう。また、「3」の心臓超音波検査においては、心筋虚血の診断を目的とした場合に算定できる。この場合、心筋シンチグラフィーを同一月に実施した場合には主たるもののみ算定する。

D216―2 残尿測定検査

(1) 残尿測定検査は、前立腺肥大症、神経因性膀胱又は過活動膀胱の患者に対し、超音波若しくはカテーテルを用いて残尿を測定した場合に算定する。

(2) 「1」の超音波検査によるものと「2」の導尿によるものを同一日に行った場合は、主たるもののみ算定する。

D217 骨塩定量検査

(1) 骨塩定量検査は、骨粗鬆症の診断及びその経過観察の際のみ算定できる。ただし、4月に1回を限度とする。

(2) 「1」の注はDEXA法による腰椎撮影及び大腿骨撮影を同一日に行った場合にのみ算定できる。

(3) 「2」の「MD法、SEXA法等」の方法には、DEXA法(dual Energy x-Ray Absor ptiometry)、単一光子吸収法(SPA:Single Photon Absorptiometry)、二重光子吸収法(DPA:Dual Photon Absorptiometry)、MD法(Microdensitometryによる骨塩定量法)、DIP法(Digital Image Processing)、SEXA法(single Energy x-Ray Absorptiometry)、単色X線光子を利用した骨塩定量装置による測定及びpQCT(peripheral Quantitative Computed Tomography)による測定がある。

(4) MD法による骨塩定量検査を行うことを目的として撮影したフィルムを用いて画像診断を併施する場合は、「2」の「MD法、SEXA法等」の所定点数又は画像診断の手技料(区分番号「E001」写真診断及び区分番号「E002」撮影)の所定点数のいずれか一方により算定する。ただし、区分番号「E400」フィルムの費用は、いずれの場合でも、手技料とは別に算定できる。

D218 分娩監視装置による諸検査

分娩監視装置による諸検査は、胎児仮死、潜在胎児仮死及び異常分娩の経過改善の目的で陣痛促進を行う場合にのみ算定できるものであり、陣痛曲線、胎児心電図及び胎児心音図を記録した場合も、所定点数に含まれる。

D219 ノンストレステスト

(1) ノンストレステストは、区分番号「A237」ハイリスク分娩管理加算の算定対象となる患者に対し行われた場合に算定する。

(2) ノンストレステストは入院中の患者に対して行った場合には1週間につき3回、入院中の患者以外の患者に対して行った場合には1週間につき1回に限り算定できる。なお、1週間の計算は暦週による。

D220 呼吸心拍監視、新生児心拍・呼吸監視、カルジオスコープ(ハートスコープ)、カルジオタコスコープ

(1) 呼吸心拍監視は、重篤な心機能障害若しくは呼吸機能障害を有する患者又はそのおそれのある患者に対して、常時監視を行っている場合に算定されるものである。この際、呼吸曲線の観察の有無に関わらず、心電曲線、心拍数の観察を行った場合は、所定点数を算定する。

(2) 呼吸心拍監視、新生児心拍・呼吸監視、カルジオスコープ(ハートスコープ)又はカルジオタコスコープは、観察した呼吸曲線、心電曲線、心拍数のそれぞれの観察結果の要点を診療録に記載した場合に算定できる。

(3) 新生児心拍・呼吸監視、カルジオスコープ(ハートスコープ)又はカルジオタコスコープは、重篤な心機能障害若しくは呼吸機能障害を有する患者又はそのおそれのある患者に対し、心電曲線及び心拍数の観察を行っている場合に算定する。この際、呼吸曲線を同時に観察した場合の費用は所定点数に含まれる。

(4) 呼吸心拍監視、新生児心拍・呼吸監視、カルジオスコープ(ハートスコープ)又はカルジオタコスコープを同一日に行った場合は、主たるもののみ算定する。

(5) 診療報酬明細書の摘要欄に呼吸心拍監視、新生児心拍・呼吸監視、カルジオスコープ(ハートスコープ)又はカルジオタコスコープの算定開始日を記載する。

(6) 呼吸心拍監視装置等の装着を中止した後30日以内に再装着が必要となった場合の日数の起算日は、最初に呼吸心拍監視、新生児心拍・呼吸監視、カルジオスコープ(ハートスコープ)又はカルジオタコスコープを算定した日とする。特定入院料を算定した患者が引き続き呼吸心拍監視、新生児心拍・呼吸監視、カルジオスコープ(ハートスコープ)又はカルジオタコスコープを行う場合の日数の起算日についても同様とする。なお、当該検査を中止している期間についても実施日数の計算に含める。

(7) 7日を超えた場合は、検査に要した時間にかかわらず「2」の「ロ」又は「ハ」を上限として算定する。

(8) 人工呼吸を同一日に行った場合は、呼吸心拍監視、新生児心拍・呼吸監視、カルジオスコープ(ハートスコープ)、カルジオタコスコープに係る費用は区分番号「J045」人工呼吸の所定点数に含まれる。

D222 経皮的血液ガス分圧測定、血液ガス連続測定

(1) 経皮的血液ガス分圧測定は、循環不全及び呼吸不全があり、酸素療法を行う必要のある新生児についてのみ算定するものであり、測定するガス分圧の種類にかかわらず、所定点数により算定する。ただし、出生時体重が1,000g未満又は1,000g以上1,500g未満の新生児の場合は、それぞれ90日又は60日を限度として算定する。

(2) 血液ガス連続測定は、閉鎖循環式全身麻酔において分離肺換気を行う際に血中のPO2、PCO2及びpHの観血的連続測定を行った場合に算定できる。

D223 経皮的動脈血酸素飽和度測定

経皮的動脈血酸素飽和度測定は、次のいずれかに該当する患者に対して行った場合に算定する。

ア 呼吸不全若しくは循環不全又は術後の患者であって、酸素吸入若しくは突発性難聴に対する酸素療法を現に行っているもの又は酸素吸入若しくは突発性難聴に対する酸素療法を行う必要があるもの

イ 静脈麻酔、硬膜外麻酔又は脊椎麻酔を実施中の患者に行った場合

なお、閉鎖式全身麻酔を実施した際に区分番号「L008」マスク又は気管内挿管による閉鎖循環式全身麻酔を算定した日と同一日には算定できない。

D223―2 終夜経皮的動脈血酸素飽和度測定(一連につき)

終夜経皮的動脈血酸素飽和度測定は、睡眠時呼吸障害の疑われる患者に対して行った場合に算定し、数日間連続して測定した場合でも、一連のものとして算定する。

D224 終末呼気炭酸ガス濃度測定

(1) 終末呼気炭酸ガス濃度測定は、気管内挿管又は気管切開している患者であって、次のいずれかに該当する患者に対して行った場合に算定する。

ア 人工呼吸器を装着している患者

イ 自発呼吸が不十分な患者

ウ 脳外傷等換気不全が生じる可能性が非常に高いと判断される患者

(2) 閉鎖式全身麻酔を実施した際に区分番号「L008」マスク又は気管内挿管による閉鎖循環式全身麻酔を算定した日と同一日には算定できない。

D225 観血的動脈圧測定

(1) 観血的動脈圧測定は、動脈圧測定用カテーテルを挿入して測定するもの又はエラスター針等を動脈に挿入してトランスデューサーを用いて測定するものをいう。

(2) 穿刺部位のガーゼ交換等の処置料及び材料料は別に算定できない。

D225―2 非観血的連続血圧測定

非観血的連続血圧測定は、トノメトリー法により麻酔に伴って実施した場合に限り算定できるものとし、また、観血的動脈圧測定と同一日に実施した場合は、主たるもののみ算定する。

D225―3 24時間自由行動下血圧測定

24時間自由行動下血圧測定は、日本循環器学会、日本心臓病学会及び日本高血圧学会の承認を得た「24時間血圧計の使用(ABPM)基準に関するガイドライン」に沿って行われた場合に、1月に1回に限り算定する。

D226 中心静脈圧測定

(1) 穿刺部位のガーゼ交換等の処置料及び材料料は別に算定できない。

(2) 中心静脈圧測定を算定中にカテーテルの挿入手技を行った場合(手術に関連して行う場合を除く。)は、区分番号「G005―2」の中心静脈注射用カテーテル挿入により算定する。

この場合において、カテーテルの挿入に伴う画像診断及び検査の費用は算定しない。

D227 頭蓋内圧持続測定

穿刺部位のガーゼ交換等の処置料及び材料料は別に算定できない。

D228 深部体温計による深部体温測定

直腸温又は膀胱温の測定は、深部体温測定と異なるものであり、深部体温計による深部体温の測定には該当しない。

D229 前額部、胸部、手掌部、足底部体表面体温測定による末梢循環不全状態観察

前額部、胸部、手掌部、足底部体表面体温測定による末梢循環不全状態観察と区分番号「D228」深部体温計による深部体温測定を同一日に行った場合は、主たるもののみ算定する。

D230 観血的肺動脈圧測定

(1) 肺動脈楔入圧を持続的に測定する場合に所定点数を算定する。

(2) 測定のために右心カテーテル法により、バルーン付肺動脈カテーテルを挿入した場合には挿入日にカテーテル挿入加算を算定できる。この場合、使用したカテーテルの本数にかかわらず、一連として算定する。

(3) 観血的肺動脈圧測定と右心カテーテル法による諸検査又は中心静脈圧測定を同一日に実施した場合は、主たるもののみ算定する。

(4) 左心カテーテル法による諸検査を同一日に実施した場合は別に算定できる。

(5) 穿刺部位のガーゼ交換等の処置料及び材料料は別に算定できない。

D231 人工膵臓

(1) 糖尿病患者の治療に際してインスリン抵抗性の評価、至適インスリン用量の決定等を目的として、血管内に留置した二重腔カテーテルから吸引した血中のグルコース値を連続して測定した場合に算定できる。

(2) 算定の対象となる患者は、次の療養が必要な糖尿病等の患者であって、医師が人工膵臓以外による血糖調整が困難であると認めた者である。

ア 高血糖時(糖尿病性昏睡等)における救急的治療

イ 手術、外傷及び分娩時の血糖管理

ウ インスリン産生腫瘍摘出術の術前、術後の血糖管理

エ 糖尿病性腎症に対する透析時の血糖管理

オ 難治性低血糖症の治療のための血糖消費量決定

カ インスリン抵抗性がみられる難治性糖尿病に対するインスリン感受性テスト及び血糖管理

(3) 2日以上にわたり連続して実施した場合においても、一連として1回の算定とする。

(4) 人工膵臓と同一日に行った血中グルコース測定は別に算定できない。

(5) 人工膵臓を行うために必要な血液学的検査、生化学的検査とは、次に掲げる検査である。

ア 血液学的検査

赤血球沈降速度、赤血球数、白血球数、血小板数、ヘマトクリット値、ヘモグロビンA1C、血液浸透圧

イ 生化学的検査

グルコース、アンモニア、ケトン体、アミラーゼ、総窒素、尿素窒素(BUN)、遊離脂肪酸、総コレステロール、インスリン、グルカゴン、ナトリウム、クロール、カリウム、P、カルシウム

(6) 穿刺部位のガーゼ交換等の処置料及び材料料は別に算定できない。

D231―2 皮下連続式グルコース測定(一連につき)

(1) 糖尿病患者の治療に際してインスリン抵抗性の評価、至適インスリン用量の決定等を目的として、皮下に留置した電極から皮下組織中のグルコース値を連続して測定した場合に算定できる。

(2) 皮下連続式グルコース測定は以下に掲げる患者に対し行われた場合に算定する。また、算定した場合は、以下のいずれかに該当するか診療報酬明細書の摘要欄に明記する。

ア 治療方針策定のために血糖プロファイルを必要とする1型糖尿病患者

イ 低血糖発作を繰り返す等重篤な有害事象がおきている血糖コントロールが不安定な2型糖尿病患者であって、医師の指示に従い血糖コントロールを行う意志のある者

(3) 2日以上にわたり連続して実施した場合においても、一連として1回の算定とする。

(4) 皮下連続式グルコース測定と同一日に行った血中グルコース測定に係る費用は所定点数に含まれる。

(5) 人工膵臓を同一日に行った場合は、主たるもののみ算定する。

(6) 穿刺部位のガーゼ交換等の処置料及び材料料は別に算定できない。

D233 直腸肛門機能検査

(1) 直腸肛門機能検査とは、次のアからオに掲げる検査をいう。

ア 直腸肛門内圧測定

イ 直腸感覚検査

ウ 直腸コンプライアンス検査

エ 直腸肛門反射検査

オ 排出能力検査

(2) 直腸肛門機能検査は、ヒルシュスプルング病、鎖肛、肛門括約不全、直腸肛門由来の排便障害等の直腸肛門疾患に対して行う検査をいう。

(3) 直腸肛門機能検査は、直腸肛門内圧検査用バルーン、マイクロチップ、インフューズドオープンチップ又はマイクロバルーン等を用いて実施されるものである。

D234 胃・食道内24時間pH測定

(1) 胃・食道逆流症の診断及び治療方法の選択のために実施された場合に算定する。

(2) 胃・食道内24時間pH測定に用いる測定器、基準電極、pHカテーテル、ガラス電極、保護チューブ、電解液、電極用ゼリー、pH緩衝液等の費用は、所定点数に含まれる。

(3) 胃・食道内24時間pH測定は、概ね24時間以上連続して行われるものであり、これを1回として算定する。

D235 脳波検査

(1) 脳波検査を算定するものは、同時に8誘導以上の記録を行った場合である。

(2) 8誘導未満の誘導数により脳波を測定した場合は、誘導数を区分番号「D214」脈波図、心機図、ポリグラフ検査の検査数と読み替えて算定するものとし、種々の賦活検査(睡眠、薬物を含む。)を行った場合も、同区分の所定点数のみにより算定する。

(3) 心臓及び脳手術中における脳波検査は、8誘導以上の場合は脳波検査により、それ以外の場合は誘導数を区分番号「D214」脈波図、心機図、ポリグラフ検査の検査数と読み替えて算定する。

D235―2 長期継続頭蓋内脳波検査

長期継続頭蓋内脳波検査は、難治性てんかんの患者に対し、硬膜下電極若しくは深部電極を用いて脳波測定を行った場合、患者1人につき14日間を限度として算定する。

D235―3 長期脳波ビデオ同時記録検査

長期脳波ビデオ同時記録検査は、難治性てんかんの患者に対し、てんかんの手術前後に行った場合、患者1人につきそれぞれ5日間を限度として算定する。

D236 脳誘発電位検査

(1) 脳誘発電位検査は、刺激又は負荷を加えながら脳活動電位を記録し、コンピューター等により解析を行うものであり、同時に記録した脳波検査については、別に算定できない。

(2) 脳波聴力検査、脳幹反応聴力検査及び中間潜時反応聴力検査は、いずれの検査も「3」により算定するものであり、2種類以上行った場合であっても、1回のみ算定する。

(3) 「3」と「4」を両方行った場合は、主たるもののみ算定する。

D236―2 光トポグラフィー

(1) 光トポグラフィーは以下のア又はイの場合に限り、各手術前に1回のみ算定できる。

ア 言語野関連病変(側頭葉腫瘍等)又は正中病変における脳外科手術に当たり言語優位半球を同定する必要がある場合

イ 難治性てんかんの外科的手術に当たりてんかん焦点計測を目的に行われた場合

(2) 当該検査を算定するに当たっては、手術実施日又は手術実施予定日を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。また、手術が行われなかった場合はその理由を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。

D236―3 神経磁気診断

(1) 神経磁気診断は、原発性及び続発性てんかん、中枢神経疾患に伴う感覚障害及び運動障害の患者に対する手術部位の診断や手術方法の選択を行う場合に限り、手術前に1回のみ算定できる。

(2) 当該検査を算定するに当たっては、手術実施日又は手術実施予定日を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。また、手術が行われなかった場合はその理由を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。

D237 終夜睡眠ポリグラフィー

(1) 「1 携帯用装置を使用した場合」

ア 問診、身体所見又は他の検査所見から睡眠時呼吸障害が強く疑われる患者に対し、睡眠時無呼吸症候群の診断を目的として使用した場合に算定する。なお、区分番号「C107―2」在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料を算定している患者については、治療の効果を判定するため、6月に1回を限度として算定できる。

イ 鼻呼吸センサー、気道音センサーによる呼吸状態及び経皮的センサーによる動脈血酸素飽和状態を終夜連続して測定した場合に算定する。この場合の経皮的動脈血酸素飽和度測定の費用は所定点数に含まれる。

ウ 数日間連続して測定した場合でも、一連のものとして算定する。

エ 診療録に検査結果の要点を記載する。

(2) 「2 1以外の場合」

ア 他の検査により睡眠中無呼吸発作の明らかな患者に対して睡眠時無呼吸症候群の診断を目的として行った場合及び睡眠中多発するてんかん発作の患者又はうつ病若しくはナルコレプシーであって、重篤な睡眠、覚醒リズムの障害を伴うものの患者に対して行った場合に、1月に1回を限度として算定する。なお、区分番号「C107―2」在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料を算定している患者については、治療の効果を判定するため、初回月に限り2回、翌月以後は1月に1回を限度として算定できる。

当該検査を実施するに当たっては、下記(イ)から(ニ)に掲げる検査の全て(睡眠時呼吸障害の疑われない患者については(イ)のみ)を当該患者の睡眠中8時間以上連続して測定し、記録する。

(イ) 脳波、眼球運動及びおとがい筋筋電図

(ロ) 鼻又は口における気流の検知

(ハ) 胸壁及び腹壁の換気運動記録

(ニ) パルスオキシメーターによる動脈血酸素飽和度連続測定

イ 脳波等の記録速度は、毎秒1.5センチメートル以上のものを標準とする。

ウ 同時に行った検査のうち、区分番号「D200」スパイログラフィー等検査から本区分「1」までに掲げるもの及び区分番号「D239」筋電図検査については、併せて算定できない。

エ 測定を開始した後、患者の覚醒等やむを得ない事情により、当該検査を途中で中絶した場合には、当該中絶までに施行した検査に類似する検査項目によって算定する。

オ 診療録に検査結果の要点を記載する。

(3) 多点感圧センサーを有する睡眠評価装置及びパルスオキシメーターモジュールを組み合わせて行う終夜睡眠ポリグラフィーについては、問診、身体所見又は他の検査所見から睡眠時呼吸障害が強く疑われる患者に対し、睡眠時無呼吸症候群の診断を目的として使用し、解析を行った場合に算定する。なお、当該検査を行った場合の点数については、区分番号「D220」呼吸心拍監視、新生児心拍・呼吸監視、カルジオスコープ(ハートスコープ)、カルジオタコスコープの2のイ及び区分番号「D223―2」終夜経皮的動脈血酸素飽和度測定(一連につき)の所定点数を併せて算定し、「D238」脳波検査判断料は別に算定できない。

D237―2 反復睡眠潜時試験(MSLT)

反復睡眠潜時試験(MSLT)は、ナルコレプシー又は特発性過眠症が強く疑われる患者に対し、診断の補助として、概ね2時間間隔で4回以上の睡眠検査を行った場合に1月に1回を限度として算定する。なお、本検査と区分番号「D237」終夜睡眠ポリグラフィーを併せて行った場合には、主たるもののみ算定する。

D239 筋電図検査

(1) 「1」において、顔面及び躯幹は、左右、腹背を問わずそれぞれ1肢として扱う。

(2) 「2」については、感覚神経及び運動神経を別々に1神経として数える。

(3) 「3」については、多発性硬化症、運動ニューロン疾患等の神経系の運動障害の診断を目的として、単発若しくは二連発磁気刺激法による。検査する筋肉の種類及び部位にかかわらず、一連として所定点数により算定する。

D239―2 電流知覚閾値測定

電流知覚閾値測定は、末梢神経障害の重症度及び治療効果の判定を目的として、神経線維を刺激することによりその電流知覚閾値を測定した場合に、検査する筋肉の種類及び部位にかかわらず、一連につき所定点数により算定する。

D239―3 神経学的検査

(1) 神経学的検査は、意識状態、言語、脳神経、運動系、感覚系、反射、協調運動、髄膜刺激症状、起立歩行等に関する総合的な検査及び診断を、成人においては「別紙様式19」の神経学的検査チャートを、小児においては「別紙様式19の2」の小児神経学的検査チャートを用いて行った場合に一連につき1回に限り算定する。

(2) 神経学的検査は、専ら神経系疾患(小児を対象とする場合も含む。)の診療を担当する医師(専ら神経系疾患の診療を担当した経験を10年以上有するものに限る。)が当該検査を行った上で、その結果を患者及びその家族等に説明した場合に限り算定する。

(3) 神経学的検査と一連のものとして実施された検査(眼振を検査した場合の「D250」平衡機能検査、眼底を検査した場合の「D255」精密眼底検査等を指す。)については、所定点数に含まれ、別に算定できない。

D240 神経・筋負荷テスト

(1) 「1」のテンシロンテストについては、Edrophonium Chlorideを負荷して行う検査に伴う全ての検査(前後の観察及び精密眼圧測定を含む。)を含む。

(2) 「2」の瞳孔薬物負荷テストは、ホルネル症候群又はアディー症候群について行った場合に、負荷する薬剤の種類にかかわらず、一連として所定点数により算定する。

なお、使用した薬剤については、区分番号「D500」薬剤により算定する。

(3) 「3」の乏血運動負荷テストについては、血中乳酸、焦性ブドウ酸、カリウム、P等の測定検査の費用及び採血料を含む。

D244 自覚的聴力検査

(1) 「1」の標準純音聴力検査は、日本工業規格の診断用オージオメーターを使用し、日本聴覚医学会制定の測定方法により、気導聴力(測定周波数250、500、1,000、2,000、4,000、8,000Hz)及び骨導聴力(測定周波数250、500、1,000、2,000、4,000Hz)を両耳について測定する方法をいう。

(2) 「2」のことばのききとり検査は、難聴者の語音了解度を測定し、補聴器及び聴能訓練の効果の評価を行った場合に算定する。

(3) 「3」の簡易聴力検査とは、室内騒音が30ホーン以下の防音室で行う検査である。

(4) 「3」の簡易聴力検査のうち「イ」は、日本工業規格の診断用オージオメーターを使用して標準純音聴力検査時と同じ測定周波数について気導聴力検査のみを行った場合に算定する。

(5) 「3」の簡易聴力検査のうち「ロ」は、次に掲げるア及びイを一連として行った場合に算定する。

ア 音叉を用いる検査(ウェーバー法、リンネ法、ジュレ法を含む。)

イ オージオメーターを用いる検査(閉鎖骨導試験(耳栓骨導試験)、日本工業規格選別用オージオメーターによる気導検査を含む。)

(6) 「4」の後迷路機能検査とは、短音による検査、方向感機能検査、ひずみ語音明瞭度検査及び一過性閾値上昇検査(TTD)のうち、1種又は2種以上のものを組み合わせて行うものをいい、2種以上行った場合においても、所定点数により算定する。

(7) 「5」の内耳機能検査の所定点数は、レクルートメント検査(ABLB法)、音の強さ及び周波数の弁別域検査、SISIテスト等の内耳障害の鑑別に係る全ての検査の費用を含むものであり、検査の数にかかわらず、所定点数により算定する。

(8) 「5」の耳鳴検査は、診断用オージオメーター、自記オージオメーター又は耳鳴検査装置を用いて耳鳴同調音の検索やラウドネスの判定及び耳鳴り遮蔽検査等を行った場合に算定する。

(9) 「6」の中耳機能検査は、骨導ノイズ法、鼓膜穿孔閉鎖検査(パッチテスト)、気導聴力検査等のうち2種以上を組み合わせて行った場合にのみ算定する。

D244―2 補聴器適合検査

補聴器適合検査は、聴力像に対し電気音響的に適応と思われる補聴器を選択の上、音場での補聴器装着実耳検査を実施した場合に算定する。

D245 鼻腔通気度検査

鼻腔通気度検査は、当該検査に関連する手術日の前後3月以内に行った場合に算定する。その場合は、診療報酬明細書の摘要欄に当該検査に関連する手術名及び手術日(手術前に当該検査を実施した場合においては手術実施予定日)を記載すること。

なお、手術に関係なく、睡眠時無呼吸症候群又は神経性(心因性)鼻閉症の診断の目的で行った場合にも、所定点数を算定できる。

D246 アコースティックオトスコープを用いた鼓膜音響反射率検査

アコースティックオトスコープを用いて鼓膜音響反射率検査と耳鏡検査及び鼓膜可動性検査を併せて行い、リコーダーで記録を診療録に残した場合のみ算定できる。

なお、この場合の耳鏡検査及び鼓膜可動性検査の手技料は、当該所定点数に含まれ、別に算定できない。

D247 他覚的聴力検査又は行動観察による聴力検査

「5」の耳音響放射(OAE)検査の「ロ」の「その他の場合」とは、誘発耳音響放射(EOAE)及び結合音耳音響放射(DPOAE)をいう。

なお、「イ」及び「ロ」の両方を同一月中に行った場合は、「イ」の所定点数は算定できない。

D248 耳管機能測定装置を用いた耳管機能測定

耳管機能測定装置を用いた耳管機能測定において音響耳管法、耳管鼓室気流動体法又は加圧減圧法のいずれか又は複数により測定した場合に算定する。

D250 平衡機能検査

(1) 「1」の標準検査とは、上肢偏倚検査(遮眼書字検査、指示検査、上肢偏倚反応検査、上肢緊張検査等)、下肢偏倚検査(歩行検査、足ぶみ検査等)、立ちなおり検査(ゴニオメーター検査、単脚起立検査、両脚起立検査等)、自発眼振検査(正面、右、左、上、下の注視眼振検査、異常眼球運動検査、眼球運動の制限の有無及び眼位検査を含む検査)をいい、一連の検査につき、その数にかかわらず、所定点数により算定する。

(2) 「2」の刺激又は負荷を加える特殊検査とは、次に掲げるものをいい、それぞれ検査1回につき所定点数により算定する。

ア 温度眼振検査(温度による眼振検査)

イ 視運動眼振検査(電動式装置又はそれに準じた定量的方法により刺激を行う検査)

ウ 回転眼振検査(電動式装置又はそれに準じた定量的方法により刺激を行う検査)

エ 視標追跡検査

オ 迷路瘻孔症状検査

(3) 「3」の頭位及び頭位変換眼振検査は、フレンツェル眼鏡下における頭位眼振及び変換眼振検査をいい、一連の検査につき、その数にかかわらず、所定点数により算定する。

(4) 「4」の電気眼振図を区分番号「D278」眼球電位図(EOG)と併せて行った場合は、主たる検査の所定点数のみを算定する。

(5) 重心動揺計

ア 「5」の重心動揺計は、荷重変動を測定する検出器とこの荷重信号を記録・分析するデータ処理装置から成る装置を用いて、めまい・平衡障害の病巣診断のために行うものである。

本検査は、当該装置を用いて、重心動揺軌跡を記録し、その面積(外周・矩形・実効値面積)、軌跡長(総軌跡長・単位軌跡長・単位面積軌跡長)、動揺中心変位、ロンベルグ率を全て計測した場合に算定するものである。

なお、本検査は、「1」の標準検査を行った上、実施の必要が認められたものに限り算定するものである。

イ 「注」のパワー・ベクトル分析を行った場合の加算は、記録された重心動揺軌跡のコンピューター分析を行い、パワー・スペクトル、位置ベクトル、速度ベクトル、振幅確率密度分布を全て算出した場合に算定する。

ウ 「注」の刺激又は負荷を加えた場合の加算は、電気刺激、視運動刺激、傾斜刺激、水平運動刺激、振動刺激等姿勢反射誘発を加えて本検査を行った場合に1種目ごとに算定する。

D251 音声言語医学的検査

(1) 「2」の音響分析は、種々の原因による音声障害及び発音、構音、話しことば等の障害がある患者に対して、音声パターン検査又は音声スペクトル定量検査のうちの一方又は両方を行った場合に算定する。

(2) 「3」の音声機能検査とは、嗄声等の音声障害について、発声状態の総合的分析を行う検査であり、音域検査、声の強さ測定、発声時呼吸流の測定、発声持続時間の測定を組み合わせて、それぞれ又は同時に測定するものをいい、種類及び回数にかかわらず、一連として1回算定する。

D252 扁桃マッサージ法

扁桃マッサージ法は、慢性扁桃炎に対する病巣誘発試験として行われた場合に算定する。

D253 嗅覚検査

(1) 「1」の基準嗅覚検査は、5種の基準臭(T&Tオルファクトメーター)による嗅力検査である。

(2) 「2」の静脈性嗅覚検査は、有嗅医薬品静注後の嗅感発現までの時間と嗅感の持続時間を測定するものであり、第6部第1節第1款の注射実施料は、所定点数に含まれる。

D254 電気味覚検査

(1) 電気味覚検査については、検査の対象とする支配神経領域に関係なく所定点数を一連につき1回算定する。

(2) 濾紙ディスク法による味覚定量検査は、電気味覚検査により算定する。

D255 精密眼底検査

精密眼底検査は、手持式、額帯式、固定式等の電気検眼鏡による眼底検査をいい、眼底カメラ撮影のみでは算定できない。

D255―2 汎網膜硝子体検査

増殖性網膜症、網膜硝子体界面症候群又は硝子体混濁を伴うぶどう膜炎の患者に対して、散瞳剤を使用し、細隙燈顕微鏡及び特殊レンズを用いて網膜、網膜硝子体界面及び硝子体の検査を行った場合に限り算定する。

D256 眼底カメラ撮影

(1) 眼底カメラ撮影は片側、両側の区別なく所定点数により算定する。

(2) 「通常の方法の場合」と「蛍光眼底法の場合」の双方を行った場合においては、どちらか一方の所定点数により算定する。

(3) 使用したフィルム及び現像の費用は、10円で除して得た点数を加算する。

(4) インスタントフィルムを使用した場合は、フィルムの費用として10円で除した点数を加算する。なお、1回当たり16点を限度とする。

D257 細隙燈顕微鏡検査(前眼部及び後眼部)

(1) 散瞳剤を使用し、前眼部、透光体及び網膜に対して細隙燈顕微鏡検査を行った場合には、検査の回数にかかわらず、1回に限り所定点数を算定する。

(2) 細隙燈を用いた場合であって写真診断を必要として撮影を行った場合は、使用したフィルム代等については、眼底カメラ撮影の例により算定する。

(3) 細隙燈顕微鏡検査(前眼部及び後眼部)を行った後、更に必要があって生体染色を施して再検査を行った場合は、再検査1回に限り区分番号「D273」により算定する。

D258 網膜電位図(ERG)

網膜電位図(ERG)は、前眼部又は中間透光体に混濁があって、眼底検査が不能の場合又は眼底疾患の場合に限り、誘導数にかかわらず、所定点数により算定する。

D258―2 網膜機能精密電気生理検査(多局所網膜電位図)

網膜機能精密電気生理検査(多局所網膜電位図)は区分番号「D258」網膜電位図(ERG)では十分な情報が得られないと医師が認めるものであって、以下に掲げる場合において算定できる。

ア 前眼部又は中間透光体に混濁があって、眼底検査が不能な黄斑疾患が疑われる患者に対して診断を目的として行う場合(初回診断時1回、以降3月に1回に限る。)

イ 黄斑ジストロフィーの診断を目的とした場合(初回診断時1回、以降3月に1回に限る。)

ウ 網膜手術の前後(それぞれ1回ずつに限る。)

D259 精密視野検査

(1) 精密視野検査は、中心視野計又は周辺視野計を用いて視野の測定を行った場合に、それぞれ所定点数により算定する。

(2) 河本氏暗点計による検査及び機器を使用しない検査は、基本診療料に含まれる。

D260 量的視野検査

量的視野検査には、全視野にわたって検査する場合のほか、例えば、中心視野を特に重点的に検査する量的中心視野検査等、視野の一定部位を限定して検査する場合があるが、2つ以上の部位にわたって当該検査を同時に実施した場合においても、本区分の所定点数のみを算定する。

D261 屈折検査

(1) 屈折検査は、検眼レンズ等による自覚的屈折検定法又は検影法、レフラクトメーターによる他覚的屈折検定法をいい、両眼若しくは片眼又は検査方法の種類にかかわらず、所定点数により算定し、裸眼視力検査のみでは算定できない。

(2) 散瞳剤又は調節麻痺剤を使用してその前後の屈折の変化を検査した場合には、前後各1回を限度として所定点数を算定する。

(3) 屈折検査と区分番号「D263」矯正視力検査を併施した場合は、屈折異常の疑いがあるとして初めて検査を行った場合又は眼鏡処方せんを交付した場合に限り併せて算定できる。

D262 調節検査

(1) 調節検査は、近点計等による調節力の測定をいうものであり、両眼若しくは片眼又は検査方法(調節力検査及び調節時間検査等を含む。)の種類にかかわらず、所定点数により算定する。

(2) 負荷調節検査を行った場合であって、負荷の前後に調節検査を行った場合には、所定点数の100分の200の点数を限度として算定する。

D263 矯正視力検査

眼鏡を処方する前後のレンズメーターによる眼鏡検査は、矯正視力検査に含むものとする。

D264 精密眼圧測定

(1) 精密眼圧測定は、ノンコンタクトトノメーター若しくはアプラネーショントノメーターを使用する場合又はディファレンシャル・トノメトリーにより眼内圧を測定する場合(眼球壁の硬性測定検査を行った場合を含む。)をいい、検査の種類にかかわらず、所定点数により算定する。

(2) 網膜中心血管圧測定に際しての精密眼圧測定は、別に算定できない。

(3) 「注」の加算は、水分を多量に摂取させたり、薬剤の注射、点眼若しくは暗室試験等の負荷により眼圧の変化をみた場合又は眼圧計等を使用して前房水の流出率、産出量を測定した場合に、検査の種類、負荷回数にかかわらず、1回のみ所定点数により算定する。

D265―2 角膜形状解析検査

(1) 角膜形状解析検査は、初期円錐角膜などの角膜変形患者、角膜移植後の患者又は高度角膜乱視(2ジオプトリー以上)を伴う白内障患者の手術前後に行われた場合に限り算定する。

(2) 角膜移植後の患者については2か月に1回を限度として算定し、高度角膜乱視を伴う白内障患者については手術の前後各1回に限り算定する。

(3) 角膜変形患者に対して行われる場合は、コンタクトレンズ処方に伴う場合を除く。

D266 光覚検査

光覚検査とは、アダプトメーター等による光覚検査をいう。

D267 色覚検査

「2」の場合には、ランターンテスト及び定量的色盲表検査が含まれるが、色覚検査表による単なるスクリーニング検査は算定しない。

D268 眼筋機能精密検査及び輻輳検査

眼筋機能精密検査及び輻輳検査とは、マドックスによる複像検査、正切スカラによる眼位の検査、プリズムを用いた遮閉試験(交代遮閉試験)、HESS赤緑試験、輻輳近点検査等をいう。

D269―2 光学的眼軸長測定

光学的眼軸長測定は非接触型機器を用いて眼軸長を測定した場合に算定する。接触型Aモード法による場合は、区分番号「D215」超音波検査の「1」のAモード法により算定する。

D272 両眼視機能精密検査

両眼視機能精密検査とは、Worth4灯法、赤フィルター法等による両眼単視検査をいう。

D273 細隙燈顕微鏡検査(前眼部)

(1) 細隙燈顕微鏡検査(前眼部)とは、細隙燈顕微鏡を用いて行う前眼部及び透光体の検査をいうものであり、区分番号「D257」細隙燈顕微鏡検査(前眼部及び後眼部)と併せて算定できない。

(2) 細隙燈を用いた場合であって、写真診断を必要として撮影を行った場合は、使用したフィルム代等については、眼底カメラ撮影の例により算定する。

(3) 細隙燈顕微鏡検査(前眼部)を行った後、更に必要があって生体染色を施して再検査を行った場合は、再検査1回に限り算定する。

D274 前房隅角検査

前房隅角検査とは、隅角鏡を用いて行う前房隅角検査であり、緑内障等の場合に行う。

D276 網膜中心血管圧測定

(1) 「1」の簡単なものとは、オフタルモ・ダイナモメーターによる網膜中心血管圧測定検査である。

(2) 「2」の複雑なものとは、キャップメーターによる網膜中心血管圧測定検査をいう。

D277 涙液分泌機能検査、涙管通水・通色素検査

涙液分泌機能検査とは、シルメル法等による涙液分泌機能検査をいう。

D278 眼球電位図(EOG)

区分番号「D250」平衡機能検査の「4」の電気眼振図と併せて行った場合は、主たる検査の所定点数のみを算定する。

D279 角膜内皮細胞顕微鏡検査

眼内手術、角膜手術における手術の適応の決定及び術後の経過観察若しくは円錐角膜又は水疱性角膜症の患者に対する角膜状態の評価の際に算定する。

D280 レーザー前房蛋白細胞数検査

レーザー前房タンパク細胞測定装置を用いて、前眼部炎症の程度を診断するために、前房内のタンパク濃度及び細胞数を測定するものである。

D281 瞳孔機能検査(電子瞳孔計使用)

視神経炎、視神経症等の求心性疾患や動眼神経麻痺、ホルネル症候群、アディー症候群、糖尿病による自律神経障害等の遠心性疾患又は変性疾患及び中毒による疾患の診断を目的として行った場合に算定できる。

D282 中心フリッカー試験

視神経疾患の診断のために行った場合に算定する。

D282―2 PL(Preferential Looking)法

(1) PL法は4歳未満の乳幼児又は通常の視力検査で視力測定ができない患者に対し、粟屋―Mohindra方式等の測定装置を用いて視力測定を行った場合に算定する。

(2) テラーカード等による簡易測定は本検査には含まれない。

(3) 診療録に検査結果の要点を記載する。

D282―3 コンタクトレンズ検査料

(1) コンタクトレンズの装用を目的に受診した患者(既装用者の場合を含む。以下同じ。)に対して眼科学的検査を行った場合は、コンタクトレンズ検査料「1」又は「2」により算定する。

(2) 別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たさない保険医療機関において、コンタクトレンズの装用を目的に受診した患者に対して眼科学的検査を行った場合は、コンタクトレンズ検査料「1」又は「2」の他、区分番号「D255」から区分番号「D282―2」までに掲げる眼科学的検査についても算定できない。

(3) コンタクトレンズ検査料を算定する場合においては、区分番号「A000」初診料の注6及び区分番号「A001」再診料の注5に規定する夜間・早朝等加算は算定できない。

(4) 当該保険医療機関又は当該保険医療機関と特別の関係にある保険医療機関において過去にコンタクトレンズ検査料を算定した患者に対してコンタクトレンズ検査料を算定する場合は、区分番号「A000」に掲げる初診料は算定せず、区分番号「A001」に掲げる再診料又は区分番号「A002」に掲げる外来診療料を算定する。

(5) コンタクトレンズの装用を目的に受診した患者に対して眼科学的検査を行った場合は、「1」又は「2」の所定点数を算定し、別に区分番号「D255」から区分番号「D282―2」までに掲げる眼科学的検査は別に算定できない。ただし、新たな疾患の発生(屈折異常以外の疾患の急性増悪を含む。)によりコンタクトレンズの装用を中止しコンタクトレンズの処方を行わない場合、円錐角膜、角膜変形若しくは高度不正乱視の治療を目的としてハードコンタクトレンズの処方を行った場合、9歳未満の小児に対して弱視、斜視若しくは不同視の治療を目的としてコンタクトレンズの処方を行った場合、緑内障又は高眼圧症の患者(治療計画を作成し診療録に記載するとともに、アプラネーショントノメーターによる精密眼圧測定及び精密眼底検査を実施し、視神経乳頭の所見を詳細に診療録に記載した場合に限る。)、網膜硝子体疾患若しくは視神経疾患の患者(治療計画を作成し診療録に記載するとともに、散瞳剤を使用し、汎網膜硝子体検査又は精密眼底検査、細隙燈顕微鏡検査(前眼部及び後眼部)並びに眼底カメラ撮影を実施し、網膜硝子体又は視神経乳頭の所見を図示して詳細に診療録に記載した場合に限る。)、度数のない治療用コンタクトレンズを装用する患者又は眼内の手術(角膜移植術を含む。)前後の患者等にあっては、当該点数を算定せず、区分番号「D255」から区分番号「D282―2」までに掲げる眼科学的検査により算定する。なお、この場合においても、区分番号「A000」に掲げる初診料は算定せず、区分番号「A001」に掲げる再診料又は区分番号「A002」に掲げる外来診療料を算定する。

D282―4 ダーモスコピー

ダーモスコピーは、悪性黒色腫、基底細胞癌、ボーエン病、色素性母斑、老人性色素斑、脂漏性角化症、エクリン汗孔腫、血管腫等の色素性皮膚病変の診断の目的で行った場合に、初回の診断日に限り算定する。

D283 発達及び知能検査、D284 人格検査、D285 認知機能検査その他の心理検査

(1) 検査を行うに当たっては、個人検査用として標準化され、かつ、確立された検査方法により行う。

(2) 各区分のうち「1」の「操作が容易なもの」とは、検査及び結果処理に概ね40分以上を要するもの、「2」の「操作が複雑なもの」とは、検査及び結果処理に概ね1時間以上を要するもの、「3」の「操作と処理が極めて複雑なもの」とは、検査及び結果処理に1時間30分以上要するものをいう。

なお、臨床心理・神経心理検査は、医師が自ら、又は医師の指示により他の従事者が自施設において検査及び結果処理を行い、かつ、その結果に基づき医師が自ら結果を分析した場合にのみ算定する。

(3) 医師は診療録に分析結果を記載する。

(4) 区分番号「D283」発達及び知能検査の「1」は、津守式乳幼児精神発達検査、牛島乳幼児簡易検査、日本版ミラー幼児発達スクリーニング検査、遠城寺式乳幼児分析的発達検査、デンバー式発達スクリーニング、DAMグッドイナフ人物画知能検査、フロスティッグ視知覚発達検査、脳研式知能検査、コース立方体組み合わせテスト、レーヴン色彩マトリックス及びJARTである。

(5) 区分番号「D283」発達及び知能検査の「2」は、MCCベビーテスト、PBTピクチュア・ブロック知能検査、新版K式発達検査、WPPSI知能診断検査、全訂版田中ビネー知能検査、田中ビネー知能検査Ⅴ、鈴木ビネー式知能検査、WISC―Ⅲ知能検査、WISC―R知能検査、WAIS―R成人知能検査(WAISを含む。)、WAIS―Ⅲ成人知能検査及び大脇式盲人用知能検査である。

(6) 区分番号「D284」人格検査の「1」は、パーソナリティイベントリー、モーズレイ性格検査、Y―G矢田部ギルフォード性格検査、TEG―Ⅱ東大式エゴグラム及び新版TEGである。

(7) 区分番号「D284」人格検査の「2」は、バウムテスト、SCT、P―Fスタディ、MMPI、TPI、EPPS性格検査、16P―F人格検査、描画テスト、ゾンディーテスト及びPILテストである。

(8) 区分番号「D284」人格検査の「3」は、ロールシャッハテスト、CAPS、TAT絵画統覚検査及びCAT幼児児童用絵画統覚検査である。

(9) 区分番号「D285」認知機能検査その他の心理検査の「1」は、CAS不安測定検査、SDSうつ性自己評価尺度、CES―Dうつ病(抑うつ状態)自己評価尺度、HDRSハミルトンうつ病症状評価尺度、STAI状態・特性不安検査、POMS、IES―R、PDS、TK式診断的新親子関係検査、CMI健康調査票、GHQ精神健康評価票、MAS不安尺度、ブルドン抹消検査、MEDE多面的初期認知症判定検査、WHO QOL26、COGNISTAT、SIB、Coghealth(医師、看護師又は臨床心理技術者が検査に立ち会った場合に限る。)、NPI及びBEHAVE―ADである。

(10) 区分番号「D285」認知機能検査その他の心理検査の「2」は、ベントン視覚記銘検査、内田クレペリン精神検査、三宅式記銘力検査、ベンダーゲシュタルトテスト、WCSTウイスコンシン・カード分類検査、SCID構造化面接法、CLAC―Ⅱ、遂行機能障害症候群の行動評価(BADS)、リバーミード行動記憶検査及びRay-Osterrieth Complex Figure Test(ROCFT)である。

(11) 区分番号「D285」認知機能検査その他の心理検査の「3」は、ITPA、CLAC―Ⅲ、標準失語症検査、標準失語症検査補助テスト、標準高次動作性検査、標準高次視知覚検査、標準注意検査法・標準意欲評価法、WAB失語症検査、老研版失語症検査、K―ABC、WMS―R及びADASである。

(12) 改訂長谷川式簡易知能評価スケールを用いた検査及び国立精研式認知症スクリーニングテストの費用は、基本診療料に含まれているものであり、別に算定できない。

D286 肝及び腎のクリアランステスト

(1) 肝及び腎のクリアランステストとは、負荷後に検体採取及び検体分析を経時的若しくは連続的に行う検査である。

(2) 肝クリアランステストに該当するものは、ICG等を用いた検査であり、腎クリアランステストに該当するものは、PSP、チオ硫酸等を負荷して行うクリアランステスト、腎血漿流量測定、糸球体濾過値測定である。

(3) 肝及び腎のクリアランステストは、肝クリアランステスト又は腎クリアランステストのいずれかを実施した場合に算定できる。

(4) 「注2」の注射とは、第6部第1節第1款の注射実施料をいい、施用した薬剤の費用は、別途算定する。

D287 内分泌負荷試験

(1) 各負荷試験については、測定回数及び負荷する薬剤の種類にかかわらず、一連のものとして月1回に限り所定点数を算定する。ただし、「1」の「イ」の成長ホルモンに限り、月2回まで所定点数を算定できる。

なお、「1」の下垂体前葉負荷試験及び「5」の副腎皮質負荷試験以外のものについては、測定するホルモンの種類にかかわらず、一連のものとして算定する。

(2) 内分泌負荷試験において、負荷の前後に係る血中又は尿中のホルモン等測定に際しては、測定回数、測定間隔等にかかわらず、一連のものとして扱い、当該負荷試験の項により算定するものであり、検体検査実施料における生化学的検査(Ⅰ)又は生化学的検査(Ⅱ)の項では算定できない。

(3) 「1」の下垂体前葉負荷試験に含まれるものとしては、下記のものがある。

ア 成長ホルモン(GH)については、インスリン負荷、アルギニン負荷、L―DOPA負荷、クロニジン負荷、グルカゴン負荷、プロプラノロール負荷、ブロモクリプチン負荷、睡眠負荷等

イ ゴナドトロピン(LH及びFSH)については、LH―RH負荷、クロミフェン負荷等

ウ 甲状腺刺激ホルモン(TSH)については、TRH負荷等

エ プロラクチン(PRL)については、TRH負荷、ブロモクリプチン負荷等

オ 副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)については、インスリン負荷、メトピロン負荷、デキサメサゾン負荷、CRH負荷等

(4) 「2」の下垂体後葉負荷試験の抗利尿ホルモン(ADH)については、水制限、高張食塩水負荷(カーター・ロビンステスト)等が含まれる。

(5) 「3」の甲状腺負荷試験の甲状腺ホルモンについては、T3抑制等が含まれる。

(6) 「4」の副甲状腺負荷試験の副甲状腺ホルモン(PTH)については、カルシウム負荷、PTH負荷(エルスワースハワードテスト)、EDTA負荷等が含まれる。

(7) 「5」の副腎皮質負荷試験に含まれるものとしては、下記のものがある。

ア 鉱質コルチコイド(レニン、アルドステロン)については、フロセマイド負荷、アンギオテンシン負荷等

イ 糖質コルチコイド(コルチゾール、DHEA及びDHEAS)については、ACTH負荷、デキサメサゾン負荷、メトピロン負荷等

(8) 「6」の性腺負荷試験に含まれるものとしては、下記のものがある。

ア テストステロンについては、HCG負荷等

イ エストラジオールについては、HMG負荷等

(9) 「注2」の注射とは、第6部第1節第1款の注射実施料をいい、施用した薬剤の費用は、別途算定する。

D288 糖負荷試験

(1) 負荷の前後に係る血中又は尿中のホルモン等測定に際しては、測定回数、測定間隔等にかかわらず、一連のものとして扱い、当該負荷試験の項により算定するものであり、検体検査実施料における生化学的検査(Ⅰ)又は生化学的検査(Ⅱ)の項では算定できない。

(2) 「2」の耐糖能精密検査(常用負荷試験及び血中インスリン測定又は常用負荷試験及び血中C―ペプタイド測定を行った場合)は、常用負荷試験及び負荷前後の血中インスリン測定又は血中C―ペプタイド測定を行った場合に算定する。

(3) 乳糖を服用させて行う耐糖試験は、糖負荷試験により算定する。また、使用した薬剤は、区分番号「D500」薬剤により算定する。

(4) ブドウ糖等を1回負荷し、負荷前後の血糖値等の変動を把握する検査は、糖負荷試験の所定点数により算定する。

(5) 「注」の注射とは、第6部第1節第1款の注射実施料をいい、施用した薬剤の費用は、別途算定する。

D289 その他の機能テスト

(1) 胃液分泌刺激テスト

ア 「3」の胃液分泌刺激テストは、生体に分泌刺激物質を投与し、胃液若しくは血液を採取、分析することにより胃液分泌機能を検査するものであり、胃液分泌刺激テストに該当するものは、ガストリン刺激テスト、ヒスタログ刺激試験、Katsch―Kalk法、ヒスタミン法等である。

イ 検査に伴って行った注射、検体採取、検体測定及びエックス線透視の費用は、別に算定できない。

(2) 「3」の胆道機能テストは、十二指腸ゾンデを十二指腸乳頭部まで挿入し、胆道刺激物を投与して十二指腸液を分画採取した場合に算定する。

(3) 「4」のセクレチン試験は、十二指腸液採取用二重管を十二指腸まで挿入し、膵外分泌刺激ホルモンであるセクレチンを静脈注射し、刺激後の膵液量、重炭酸濃度及びアミラーゼ排出量を測定した場合に算定する。

ただし、セクレチン注射の手技料、測定に要する費用、血清酵素逸脱誘発試験の費用等は所定点数に含まれる。

(4) 「注」の注射とは、第6部第1節第1款の注射実施料をいい、施用した薬剤の費用は、別途算定する。

D290 卵管通気・通水・通色素検査、ルビンテスト

卵管通気・通水・通色素検査、ルビンテストの所定点数は、それぞれ両側についての点数であり、検査の種類及び回数にかかわらず、所定点数のみを算定する。

D290―2 尿失禁定量テスト(パッドテスト)

尿失禁定量テスト(パッドテスト)は、尿失禁患者において、体動時の失禁尿をパッドにより採取し、定量的な尿失禁の評価を行うものであり、1月につき1回に限り算定できる。ただし、使用されるパッドの費用は、所定点数に含まれる。

D291 皮内反応検査、ヒナルゴンテスト、鼻アレルギー誘発試験、過敏性転嫁検査、薬物光線貼布試験、最小紅斑量(MED)測定

(1) 皮内反応検査とは、ツベルクリン反応、各種アレルゲンの皮膚貼布試験(皮内テスト、スクラッチテストを含む。)等であり、ツベルクリン、アレルゲン等検査に使用した薬剤に係る費用は、区分番号「D500」薬剤により算定する。

(2) 数種のアレルゲン又は濃度の異なったアレルゲンを用いて皮内反応検査を行った場合は、それぞれにつき1箇所として所定点数を算定するものである。

(3) 薬物投与に当たり、あらかじめ皮内反応、注射等による過敏性検査を行った場合にあっては、皮内反応検査の所定点数は算定できない。

(4) 薬物光線貼布試験、最小紅斑量(MED)測定は、1照射につき1箇所として算定する。

D291―2 小児食物アレルギー負荷検査

(1) 問診及び血液検査等から、食物アレルギーが強く疑われる9歳未満の小児に対し、原因抗原の特定、耐性獲得の確認のために、食物負荷検査を実施した場合に、12月に2回を限度として算定する。

(2) 検査を行うに当たっては、食物アレルギー負荷検査の危険性、必要性、検査方法及びその他の留意事項について、患者又はその家族等に対して文書により説明の上交付するとともに、その文書の写しを診療録に添付すること。

(3) 負荷試験食の費用は所定点数に含まれる。

(4) 小児食物アレルギーの診療に当たっては、「厚生労働科学研究班による食物アレルギーの診療の手引き2005(平成15~17年度厚生労働科学研究)」を参考とすること。

(5) 「注2」の注射とは、第6部第1節第1款の注射実施料をいい、施用した薬剤の費用は、別途算定する。

D291―3 内服・点滴誘発試験

(1) 貼付試験、皮内反応、リンパ球幼若化検査等で診断がつかない薬疹の診断を目的とした場合であって、入院中の患者に対して被疑薬を内服若しくは点滴・静注した場合に限り算定できる。

(2) 検査を行うに当たっては、内服・点滴誘発試験の危険性、必要性、検査方法及びその他の留意事項について、患者又はその家族等に対して文書により説明の上交付するとともに、その文書の写しを診療録に添付すること。

D293 シンチグラム(画像を伴わないもの)

「4」の肺局所機能検査、脳局所血流検査については、炭酸ガス等を用いて検査を行った場合であっても、所定点数のみを算定する。ただし、使用した炭酸ガスの費用は、別に算定する。

[内視鏡検査に係る共通事項(区分番号「D295」から区分番号「D325」)]

(1) 本節の通則による新生児加算又は乳幼児加算を行う場合には、超音波内視鏡検査実施加算は、所定点数に含まないものとする。

(2) 内視鏡検査の通則2による算定において、区分番号「D313」大腸ファイバースコピーの「1」から「3」については、同一の検査として扱う。また、準用が通知されている検査については、当該検査が準ずることとされている検査と同一の検査として扱う。

(3) 内視鏡検査に際して第2章第11部に掲げる麻酔を行った場合は、麻酔の費用を別に算定する。

(4) 内視鏡検査で麻酔手技料を別に算定できない麻酔を行った場合の薬剤料は、区分番号「D500」薬剤により算定する。

(5) 処置又は手術と同時に行った内視鏡検査は、別に算定できない。

(6) 内視鏡検査当日に、検査に関連して行う第6部第1節第1款の注射実施料は別に算定できない。

(7) 区分番号「D295」関節鏡検査から区分番号「D325」肺臓カテーテル法、肝臓カテーテル法、膵臓カテーテル法までに掲げる内視鏡検査は、次により算定する。

ア 生検用ファイバースコピーを使用して組織の採取を行った場合は、採取した組織の個数にかかわらず、1回の内視鏡検査について区分番号「D414」内視鏡下生検法に掲げる所定点数を別に算定する。

イ 互いに近接する部位の2以上のファイバースコピー検査を連続的に行った場合には、主たる検査の所定点数のみにより算定する。

ウ 内視鏡検査をエックス線透視下において行った場合にあっても、区分番号「E000」透視診断は算定しない。

エ 写真診断を行った場合は、使用フィルム代(現像料及び郵送料を含むが、書留代等は除く。)を10円で除して得た点数を加算して算定するが、区分番号「E002」撮影及び区分番号「E001」写真診断は算定しない。

オ 当該保険医療機関以外の医療機関で撮影した内視鏡写真について診断のみを行った場合は、診断料として1回につき所定点数を算定できるが、患者が当該傷病につき当該医療機関で受診していない場合は算定できない。

(8) 区分番号「D306」食道ファイバースコピー、「D308」胃・十二指腸ファイバースコピー、「D310」小腸ファイバースコピー、「D312」直腸ファイバースコピー又は「D313」大腸ファイバースコピーを行う際に、インジゴカルミン、メチレンブルー、トルイジンブルー、コンゴーレッド等による色素内視鏡法を行った場合は、粘膜点墨法に準じて算定する。ただし、使用される色素の費用は所定点数に含まれる。

D296―2 鼻咽腔直達鏡検査

鼻咽腔直達鏡検査は、区分番号「D298」嗅裂部・鼻咽腔・副鼻腔入口部ファイバースコピーと同時に行った場合は算定できない。

D298 嗅裂部・鼻咽腔・副鼻腔入口部ファイバースコピー

嗅裂部・鼻咽腔・副鼻腔入口部ファイバースコピーについては、嗅裂部・鼻咽腔・副鼻腔入口部の全域にわたっての一連の検査として算定する。

D298―2 内視鏡下嚥下機能検査

(1) 内視鏡下嚥下機能検査は、嚥下機能が低下した患者に対して、喉頭内視鏡等を用いて直接観察下に着色水を嚥下させ、嚥下反射惹起のタイミング、着色水の咽頭残留及び誤嚥の程度を指標に嚥下機能を評価した場合に算定する。

(2) 内視鏡下嚥下機能検査、区分番号「D298」嗅裂部・鼻咽腔・副鼻腔入口部ファイバースコピー及び区分番号「D299」喉頭ファイバースコピーを2つ以上行った場合は、主たるもののみ算定する。

D302 気管支ファイバースコピー

「注」の気管支肺胞洗浄法検査加算は、肺胞タンパク症、サルコイドーシス等の診断のために気管支肺胞洗浄を行い、洗浄液を採取した場合に算定する。

D304 縦隔鏡検査

縦隔鏡検査は、主に胸部(肺及び縦隔)の疾病の鑑別、肺癌の転移の有無、手術適応の決定のために用いられるものをいう。

D306 食道ファイバースコピー

(1) 「注」の粘膜点墨法とは、治療範囲の決定、治療後の部位の追跡等を目的として、内視鏡直視下に無菌の墨汁を消化管壁に極少量注射して点状の目印を入れるものである。

(2) 表在性食道がんの診断のための食道ヨード染色法は、粘膜点墨法に準ずる。ただし、染色に使用されるヨードの費用は、所定点数に含まれる。

(3) 「注2」の狭帯域光強調加算は、拡大内視鏡を用いた場合であって、狭い波長帯による画像を利用した観察を行った場合に算定できる。

D307 胃鏡検査、ガストロカメラ

胃鏡検査とガストロカメラは併せて算定できない。

D310 小腸ファイバースコピー

(1) 「2」のカプセル型内視鏡によるものは、次の場合に算定する。

ア カプセル型内視鏡によるものは、消化器系の内科又は外科の経験を5年以上有する常勤の医師が1人以上配置されている場合に限り算定する。なお、カプセル型内視鏡の滞留に適切に対処できる体制が整っている保険医療機関において実施すること。

イ 事前に上部消化管検査及び下部消化管検査を実施し、原因不明の消化管出血を伴う小腸疾患の診断を行うために使用した場合に算定する。

ウ カプセル型内視鏡を使用した患者については、診療報酬請求に当たって、診療報酬明細書に症状詳記を添付する。

(2) 小腸ファイバースコピーは、2種類以上行った場合は、主たるもののみ算定する。ただし、「2」のカプセル型内視鏡によるものを行った後に、診断の確定又は治療を目的として「1」のダブルバルーン内視鏡によるものを行った場合においては、いずれの点数も算定する。

D311 直腸鏡検査

(1) 直腸鏡検査を、区分番号「D311―2」肛門鏡検査と同時に行った場合は主たるもののみ算定する。

(2) 肛門部の観察のみを行った場合は、直腸鏡検査ではなく、区分番号「D311―2」肛門鏡検査を算定する。

(3) コロンブラッシュ法は、直腸鏡検査の所定点数に、検鏡診断料として沈渣塗抹染色による細胞診断の場合は、区分番号「N004」細胞診(1部位につき)の所定点数を、また、包埋し組織切片標本を作製し検鏡する場合は、区分番号「N000」病理組織標本作製(1臓器につき)の所定点数を併せて算定する。

D311―2 肛門鏡検査

肛門鏡検査を、区分番号「D311」直腸鏡検査と同時に行った場合は主たるもののみ算定する。

D314 腹腔鏡検査

(1) 人工気腹術は、腹腔鏡検査に伴って行われる場合にあっては、別に算定できない。

(2) 腹腔鏡検査を、区分番号「D315」腹腔ファイバースコピーと同時に行った場合は主たるものの所定点数を算定する。

D317 膀胱尿道ファイバースコピー

(1) 膀胱尿道ファイバースコピーは軟性膀胱鏡を用いた場合に算定する。

(2) 膀胱尿道ファイバースコピーを必要とする場合において、膀胱結石等により疼痛が甚しいとき、あるいは著しく患者の知覚過敏なとき等にキシロカインゼリーを使用した場合における薬剤料は、区分番号「D500」薬剤により算定する。

(3) 膀胱尿道ファイバースコピーにインジゴカルミンを使用した場合は、区分番号「D289」その他の機能テストの「2」の所定点数を併せて算定する。

(4) 膀胱尿道ファイバースコピーについては、前部尿道から膀胱までの一連の検査を含むものとする。

D317―2 膀胱尿道鏡検査

(1) 膀胱尿道鏡検査は硬性膀胱鏡を用いた場合に算定する。

(2) 膀胱尿道鏡検査を必要とする場合において、膀胱結石等により疼痛が甚しいとき、あるいは著しく患者の知覚過敏なとき等にキシロカインゼリーを使用した場合における薬剤料は、区分番号「D500」薬剤により算定する。

(3) 膀胱尿道鏡検査にインジゴカルミンを使用した場合は、区分番号「D289」その他の機能テストの「2」の所定点数を併せて算定する。

(4) 膀胱尿道鏡検査については、前部尿道から膀胱までの一連の検査を含むものとする。

なお、膀胱のみ又は尿道のみの観察では所定点数は算定できない。

D318 尿管カテーテル法(両側)

尿管カテーテル法は、ファイバースコープを用いて尿管の通過障害、結石、腫瘍等の検索を行った場合に算定できるもので、同時に行う区分番号「D317」膀胱尿道ファイバースコピーを含む。

なお、ファイバースコープ以外の膀胱鏡による場合には算定できない。

D319 腎盂尿管ファイバースコピー(片側)

腎盂尿管ファイバースコピーの所定点数には、ファイバースコープを用いた前部尿道から腎盂までの一連の検査を含む。

D320 ヒステロスコピー

ヒステロスコピーに際して、子宮腔内の出血により子宮鏡検査が困難なため、子宮鏡検査時の腔内灌流液を使用した場合における薬剤料は、区分番号「D500」薬剤により算定する。

ただし、注入手技料は算定しない。

D324 血管内視鏡検査

区分番号「D220」呼吸心拍監視、新生児心拍・呼吸監視、カルジオスコープ(ハートスコープ)、カルジオタコスコープの費用は、所定点数に含まれる。

D325 肺臓カテーテル法、肝臓カテーテル法、膵臓カテーテル法

(1) 造影剤を使用した場合においても、血管造影等のエックス線診断の費用は、別に算定しない。

(2) 検査を実施した後の縫合に要する費用は、所定点数に含まれる。

第4節 診断穿刺・検体採取料

1 各部位の穿刺・針生検においては、同一部位において2か所以上行った場合にも、所定点数のみの算定とする。

2 診断穿刺・検体採取後の創傷処置については、区分番号「J000」創傷処置における手術後の患者に対するものとして翌日より算定できる。

3 同一日に実施された下記に掲げる穿刺と同一の処置としての穿刺については、いずれか一方のみ算定する。

(1) 脳室穿刺

(2) 後頭下穿刺

(3) 腰椎穿刺、胸椎穿刺又は頸椎穿刺

(4) 骨髄穿刺

(5) 関節穿刺

(6) 上顎洞穿刺並びに扁桃周囲炎又は扁桃周囲膿瘍における試験穿刺

(7) 腎嚢胞又は水腎症穿刺

(8) ダグラス窩穿刺

(9) リンパ節等穿刺

(10) 乳腺穿刺

(11) 甲状腺穿刺

4 区分番号「D409」リンパ節等穿刺又は針生検から区分番号「D413」前立腺針生検法までに掲げるものをCT透視下に行った場合は、区分番号「E200」コンピューター断層撮影(CT撮影)の所定点数を別途算定する。ただし、第2章第4部第3節コンピューター断層撮影診断料の通則2に規定する場合にあっては、通則2に掲げる点数を算定する。

D400 血液採取

血液採取に係る乳幼児加算は、「1」の静脈及び「2」のその他のそれぞれについて加算するものである。

D404―2 骨髄生検

骨髄生検は、骨髄生検針を用いて採取した場合にのみ算定できる。骨髄穿刺針を用いた場合は区分番号「D404」骨髄穿刺の所定点数により算定する。

D409―2 センチネルリンパ節生検

(1) 触診及び画像診断の結果、腋窩リンパ節への転移が認められない乳がんに係る手術を予定している場合のみ算定する。

(2) センチネルリンパ節生検を乳房悪性腫瘍手術と同一日に行う場合は、区分番号「K476」乳腺悪性腫瘍手術の注1又は注2で算定する。