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(5) 電話等によって指導が行われた場合は、難病外来指導管理料は算定できない。

8 皮膚科特定疾患指導管理料

(1) 皮膚科を標榜する保険医療機関とは、皮膚科、皮膚泌尿器科又は皮膚科及び泌尿器科、形成外科若しくはアレルギー科を標榜するものをいい、他の診療科を併せ標榜するものにあっては、皮膚科又は皮膚泌尿器科を専任する医師が本指導管理を行った場合に限り算定するものであり、同一医師が当該保険医療機関が標榜する他の診療科を併せ担当している場合にあっては算定できない。

(2) 皮膚科特定疾患指導管理料(Ⅰ)の対象となる特定疾患は、天疱瘡、類天疱瘡、エリテマトーデス(紅斑性狼瘡)、紅皮症、尋常性乾癬、掌蹠膿疱症、先天性魚鱗癬、類乾癬、扁平苔癬並びに結節性痒疹及びその他の痒疹(慢性型で経過が1年以上のものに限る。)であり、皮膚科特定疾患指導管理料(Ⅱ)の対象となる特定疾患は、帯状疱疹、じんま疹、アトピー性皮膚炎(16歳以上の患者が罹患している場合に限る。)、尋常性白斑、円形脱毛症及び脂漏性皮膚炎である。ただし、アトピー性皮膚炎については、外用療法を必要とする場合に限り算定できる。

(3) 医師が一定の治療計画に基づいて療養上必要な指導管理を行った場合に、月1回に限り算定する。

(4) 第1回目の皮膚科特定疾患指導管理料は、区分番号「A000」初診料を算定した初診の日又は退院の日からそれぞれ起算して1月を経過した日以降に算定する。

(5) 皮膚科特定疾患指導管理料(Ⅰ)及び(Ⅱ)は、同一暦月には算定できない。

(6) 診療計画及び指導内容の要点を診療録に記載する。

(7) 電話等により行われた場合にあっては、皮膚科特定疾患指導管理料は算定できない。

9 外来栄養食事指導料

(1) 外来栄養食事指導料は、入院中の患者以外の患者であって、別に厚生労働大臣が定める特別食を医師が必要と認めた者等に対し、当該保険医療機関の管理栄養士が医師の指示に基づき、患者ごとにその生活条件、し好を勘案し、食品構成に基づく食事計画案又は少なくとも数日間の具体的な献立を示した栄養食事指導せんを交付し、概ね15分以上、療養のため必要な栄養の指導を行った場合に算定する。

(2) 管理栄養士への指示事項は、当該患者ごとに適切なものとするが、少なくとも熱量・熱量構成、蛋白質量、脂質量・脂質構成(不飽和脂肪酸/飽和脂肪酸比)についての具体的な指示を含まなければならない。

(3) 管理栄養士は常勤である必要はなく、要件に適合した指導が行われていれば算定できる。

(4) 外来栄養食事指導料は初回の指導を行った月にあっては1月に2回を限度として、その他の月にあっては1月に1回を限度として算定する。ただし、初回の指導を行った月の翌月に2回指導を行った場合であって、初回と2回目の指導の間隔が30日以内の場合は、初回の指導を行った翌月に2回算定することができる。

(5) 特別食には、心臓疾患及び妊娠高血圧症候群等の患者に対する減塩食、十二指腸潰瘍の患者に対する潰瘍食、侵襲の大きな消化管手術後の患者に対する潰瘍食、クローン病及び潰瘍性大腸炎等により腸管の機能が低下している患者に対する低残渣食並びに高度肥満症(肥満度が+40%以上又はBMIが30以上)の患者に対する治療食を含む。ただし、高血圧症の患者に対する減塩食(塩分の総量が6g未満のものに限る。)及び小児食物アレルギー患者(食物アレルギー検査の結果(他の保険医療機関から提供を受けた食物アレルギー検査の結果を含む。)、食物アレルギーを持つことが明らかな9歳未満の小児に限る。)に対する小児食物アレルギー食については、入院時食事療養(Ⅰ)又は入院時生活療養(Ⅰ)の特別食加算の場合と異なり、特別食に含まれる。なお、妊娠高血圧症候群の患者に対する減塩食は、日本高血圧学会、日本妊娠高血圧学会等の基準に準じていること。

(6) 医師は、診療録に管理栄養士への指示事項を記載する。また、管理栄養士は、患者ごとに栄養指導記録を作成するとともに、当該栄養指導記録に指導を行った献立又は食事計画の例についての総カロリー、栄養素別の計算及び指導内容の要点を明記する。

10 入院栄養食事指導料

(1) 入院栄養食事指導料は、入院中の患者であって、別に厚生労働大臣が定める特別食を医師が必要と認めた者に対し、当該保険医療機関の管理栄養士が医師の指示に基づき、患者ごとにその生活条件、し好を勘案し、食品構成に基づく食事計画案又は少なくとも数日間の具体的な献立を示した栄養食事指導せん又は食事計画案を交付し、概ね15分以上、療養のため必要な栄養の指導を行った場合に入院中2回を限度として算定する。ただし、1週間に1回を限度とする。

(2) 入院栄養食事指導料を算定するに当たって、上記以外の事項は区分番号「B001」の9外来栄養食事指導料における留意事項の例による。

11 集団栄養食事指導料

(1) 集団栄養食事指導料は、別に厚生労働大臣が定める特別食を医師が必要と認めた者に対し、当該保険医療機関の管理栄養士が医師の指示に基づき、複数の患者を対象に指導を行った場合に患者1人につき月1回に限り所定点数を算定する。

(2) 集団栄養食事指導料は、入院中の患者については、入院期間が2か月を超える場合であっても、入院期間中に2回を限度として算定する。

(3) 入院中の患者と入院中の患者以外の患者が混在して指導が行われた場合であっても算定できる。

(4) 1回の指導における患者の人数は15人以下を標準とする。

(5) 1回の指導時間は40分を超えるものとする。

(6) それぞれの算定要件を満たしていれば、区分番号「B001」の「11」集団栄養食事指導料と区分番号「B001」の「9」外来栄養食事指導料又は区分番号「B001」の「10」入院栄養食事指導料を同一日に併せて算定することができる。

(7) 集団栄養食事指導料を算定する医療機関にあっては、集団による指導を行うのに十分なスペースをもつ指導室を備えるものとする。ただし、指導室が専用であることを要しない。

(8) 集団栄養食事指導料を算定するに当たって、上記以外の事項は区分番号「B001」の「9」外来栄養食事指導料における留意事項の例による。ただし、同留意事項の(5)の小児食物アレルギー患者(9歳未満の小児に限る。)に対する特別食の取扱いを除く。

12 心臓ペースメーカー指導管理料

(1) 注1に規定する「体内埋込式心臓ペースメーカー等」とは特定保険医療材料のペースメーカー、埋込型除細動器及び両室ペーシング機能付き埋込型除細動器を指す。

(2) 心臓ペースメーカー指導管理料は、電気除細動器、一時的ペーシング装置、ペースメーカー機能計測装置(ペーサーグラフィー、プログラマー等)等を有する保険医療機関において、体内埋込式心臓ペースメーカー等を使用している患者であって入院中の患者以外のものについて、当該ペースメーカー等のパルス幅、スパイク間隔、マグネットレート、刺激閾値、感度等の機能指標を計測するとともに、療養上必要な指導を行った場合に算定する。この場合において、プログラム変更に要する費用は所定点数に含まれる。

(3) 「イ」遠隔モニタリングによる場合とは、遠隔モニタリングに対応した体内埋込型ペースメーカー等を使用している患者であって入院中の患者以外のものについて、適切な管理を行ない、状況に応じて適宜患者に来院等を促す体制が整っている場合に算定する。この場合において、プログラム変更に要する費用は所定点数に含まれる。患者の急変等により患者が受診し、療養上必要な指導を行った場合は、「イ」を算定していない月に限り、「ロ」を算定することができる。

(4) 計測した機能指標の値及び指導内容の要点を診療録に記載する。

(5) なお、心臓ペースメーカー患者の指導管理については、関係学会より留意事項が示されるので、これらの事項を十分参考とすべきものである。

13 在宅療養指導料

(1) 在宅療養指導管理料を算定している患者又は入院中の患者以外の患者であって、器具(人工肛門、人工膀胱、気管カニューレ、留置カテーテル、ドレーン等)を装着しており、その管理に配慮を要する患者に対して指導を行った場合に、初回の指導を行った月にあっては月2回に限り、その他の月にあっては月1回に限り算定する。

(2) 保健師又は看護師が個別に30分以上療養上の指導を行った場合に算定できるものであり、同時に複数の患者に行った場合や指導の時間が30分未満の場合には算定できない。なお、指導は患者のプライバシーが配慮されている専用の場所で行うことが必要であり、保険医療機関を受診した際に算定できるものであって、患家において行った場合には算定できない。

(3) 療養の指導に当たる保健師又は看護師は、訪問看護や外来診療の診療補助を兼ねることができる。

(4) 医師は、診療録に保健師又は看護師への指示事項を記載する。

(5) 保健師又は看護師は、患者ごとに療養指導記録を作成し、当該療養指導記録に指導の要点、指導実施時間を明記する。

14 高度難聴指導管理料

(1) 高度難聴指導管理料は、区分番号「K328」人工内耳埋込術を行った患者、伝音性難聴で両耳の聴力レベルが60dB以上の場合、混合性難聴又は感音性難聴の患者について、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生(支)局長に届け出た保険医療機関において、耳鼻咽喉科の常勤医師が耳鼻咽喉科学的検査の結果に基づき療養上必要な指導を行った場合に算定する。

(2) 人工内耳埋込術を行った患者については、1か月に1回を限度として、その他の患者については1回に限って算定する。

(3) 指導内容の要点を診療録に記載する。

15 慢性維持透析患者外来医学管理料

(1) 慢性維持透析患者外来医学管理料は、安定した状態にある慢性維持透析患者について、特定の検査結果に基づいて計画的な治療管理を行った場合に、月1回に限り算定し、本管理料に含まれる検査の点数は別途算定できない。なお、安定した状態にある慢性維持透析患者とは、透析導入後3か月以上が経過し、定期的に透析を必要とする入院中の患者以外の患者をいう。

(2) 特定の検査とは「注2」に掲げるものをいい、実施される種類及び回数にかかわらず、所定点数のみを算定する。これらの検査料及び区分番号「D026」尿・糞便等検査判断料、血液学的検査判断料、生化学的検査(Ⅰ)判断料、生化学的検査(Ⅱ)判断料、免疫学的検査判断料は本管理料に含まれ、別に算定できない。また、これらの検査に係る検査の部の通則、款及び注に規定する加算は、別に算定できない。

(3) 同一検査名で、定性、半定量及び定量測定がある場合は、いずれの検査も本管理料に含まれ、別に算定できない。試験紙法等による血中の糖の検査についても同様である。

(4) 慢性維持透析患者外来医学管理料に包括される検査以外の検体検査を算定する場合には、その必要性を診療報酬明細書の摘要欄に記載する。

(5) 包括されている画像診断に係る画像診断の部の通則、節及び注に規定する加算は別に算定できる。なお、本管理料を算定した月において、本管理料に包括されていない区分番号「E001」の「1」単純撮影(胸部を除く。)及び区分番号「E002」の「1」単純撮影(胸部を除く。)を算定した場合は、診療報酬明細書の摘要欄に撮影部位を記載すること。

(6) 透析導入後3か月目が月の途中である場合は、当該月の翌月より本管理料を算定する。

(7) 同一月内に2以上の保険医療機関で透析を定期的に行っている場合は、主たる保険医療機関において本管理料を請求し、その配分は相互の合議に委ねるものとする。

(8) 同一の保険医療機関において同一月内に入院と入院外が混在する場合、又は人工腎臓と自己腹膜灌流療法を併施している場合は、本管理料は算定できない。

(9) 区分番号「C102―2」在宅血液透析指導管理料は、本管理料と別に算定できる。

(10) 下記のアからカに掲げる要件に該当するものとして、それぞれ算定を行った場合は、その理由を診療報酬明細書の摘要欄に記載する。

ア 出血性合併症を伴った患者が手術のため入院した後退院した場合、退院月の翌月における末梢血液一般検査は、月2回以上実施する場合においては、当該2回目以後の検査について、慢性維持透析患者外来医学管理料に加えて別に算定する。

イ 副甲状腺機能亢進症に対するパルス療法施行時のカルシウム、Pの検査は、月2回以上実施する場合においては、当該2回目以後の検査について月2回に限り、慢性維持透析患者外来医学管理料に加えて別に算定する。また、PTH検査は、月2回以上実施する場合においては、当該2回目以後の検査について月1回に限り、慢性維持透析患者外来医学管理料に加えて別に算定する。

ウ 副甲状腺機能亢進症により副甲状腺切除を行った患者に対するカルシウム、Pの検査は、退院月の翌月から5か月間は、月2回以上実施する場合においては、当該2回目以後の検査について慢性維持透析患者外来医学管理料に加えて別に算定する。また、PTH検査は、月2回以上実施する場合においては、当該2回目以後の検査について月1回に限り、慢性維持透析患者外来医学管理料に加えて別に算定する。

エ シナカルセト塩酸塩の初回投与から3か月以内の患者に対するカルシウム、Pの検査は、月2回以上実施する場合においては、当該2回目以後の検査について月2回に限り、慢性維持透析患者外来医学管理料に加えて別に算定する。また、PTH検査を月2回以上実施する場合においては、当該2回目以後の検査について月1回に限り、慢性維持透析患者外来医学管理料に加えて別に算定する。

オ 透析導入後5年以上経過した透析アミロイド症に対して、ダイアライザーの選択に当たりβ2―マイクログロブリン除去効果の確認が必要な場合においては、その選択をした日の属する月を含めた3か月間に、β2―マイクログロブリン検査を月2回以上実施する場合においては、当該2回目以後の検査について月1回に限り、慢性維持透析患者外来医学管理料に加えて別に算定する。

カ 高アルミニウム血症とヘモクロマトージスを合併した透析患者に対して、メシル酸デフェロキサミンを投与している期間中におけるアルミニウムの検査は、慢性維持透析患者外来医学管理料に加えて別に算定する。

(11) 慢性維持透析患者の検査の実施に当たっては、関係学会より標準的な検査項目及びその頻度が示されており、それらを踏まえ患者管理を適切に行うこと。

16 喘息治療管理料

(1) 保険医療機関が、ピークフローメーター、ピークフロー測定日記等を患者に提供し、計画的な治療管理を行った場合に月1回に限り算定する。なお、当該ピークフローメーター、ピークフロー測定日記等に係る費用は所定点数に含まれる。

(2) 「1月目」とは初回の治療管理を行った月のことをいう。

(3) 喘息治療管理料を算定する場合、保険医療機関は、次の機械及び器具を備えていなければならない。ただし、これらの機械及び器具を備えた別の保険医療機関と常時連携体制をとっている場合には、その旨を患者に対して文書により説明する場合は、備えるべき機械及び器具はカ及びキで足りるものとする。

ア 酸素吸入設備

イ 気管内挿管又は気管切開の器具

ウ レスピレーター

エ 気道内分泌物吸引装置

オ 動脈血ガス分析装置(常時実施できる状態にあるもの)

カ スパイロメトリー用装置(常時実施できる状態にあるもの)

キ 胸部エックス線撮影装置(常時実施できる状態にあるもの)

(4) ピークフローメーターによる治療管理の実施に当たっては、関係学会よりガイドラインが示されているので、治療管理が適切になされるよう十分留意されたい。

(5) 「注2」に規定する加算については、当該加算を算定する前1年間において、中等度以上の発作による当該保険医療機関への緊急外来受診回数が3回以上あり、在宅での療養中である20歳以上の重度喘息患者を対象とし、初回の所定点数を算定する月(暦月)から連続した6か月について、必要な治療管理を行った場合に月1回に限り算定すること。

(6) 当該加算を算定する場合、ピークフローメーター、一秒量等計測器及びスパイロメーターを患者に提供するとともに、ピークフローメーター、一秒量等計測器及びスパイロメーターの適切な使用方法、日常の服薬方法及び増悪時の対応方法を含む治療計画を作成し、その指導内容を文書で交付すること。

(7) 当該加算を算定する患者に対しては、ピークフロー値、一秒量等を毎日計測させ、その検査値について週に1度以上報告させるとともに、その検査値等に基づき、随時治療計画の見直しを行い、服薬方法及び増悪時の対応について指導すること。

(8) 当該加算を算定する患者が重篤な喘息発作を起こすなど、緊急入院による治療が必要となった場合は、適切に対応すること。

17 慢性疼痛疾患管理料

(1) 慢性疼痛疾患管理料は、変形性膝関節症、筋筋膜性腰痛症等の疼痛を主病とし、疼痛による運動制限を改善する等の目的でマッサージ又は器具等による療法を行った場合に算定することができる。

(2) 区分番号「J118」介達牽引、区分番号「J118―2」矯正固定、区分番号「J118―3」変形機械矯正術、区分番号「J119」消炎鎮痛等処置、区分番号「J119―2」腰部又は胸部固定帯固定、区分番号「J119―3」低出力レーザー照射及び区分番号「J119―4」肛門処置の費用は所定点数に含まれるが、これらの処置に係る薬剤料は、別途算定できるものとする。

18 小児悪性腫瘍患者指導管理料

(1) 小児悪性腫瘍患者指導管理料は、小児科を標榜する保険医療機関において、小児悪性腫瘍、白血病又は悪性リンパ腫の患者であって入院中以外のもの又はその家族に対し、治療計画に基づき療養上必要な指導管理を行った場合に、月1回に限り算定する。ただし、家族に対して指導を行った場合は、患者を伴った場合に限り算定する。

(2) 第1回目の小児悪性腫瘍患者指導管理料は、区分番号「A000」初診料を算定した初診の日の属する月の翌月の1日以降又は退院の日から起算して1か月を経過した日以降に算定する。

(3) 治療計画及び指導内容の要点を診療録に記載する。

(4) 再診が電話等により行われた場合にあっては、小児悪性腫瘍患者指導管理料は算定できない。

19 埋込型補助人工心臓指導管理料

(1) 埋込型補助人工心臓指導管理料は、区分番号「K604」埋込型補助人工心臓を行うことができる保険医療機関においてのみ算定できる。

(2) 埋込型補助人工心臓指導管理料は、埋込型補助人工心臓を使用している患者であって入院中の患者以外のものについて、モニター、バッテリー及び充電器の使用方法の説明など療養上必要な指導を行った場合に月1回を限度として算定する。この場合において、モニター、バッテリー及び充電器などに要する費用は所定点数に含まれる。

20 糖尿病合併症管理料

(1) 糖尿病合併症管理料は、次に掲げるいずれかの糖尿病足病変ハイリスク要因を有する入院中の患者以外の患者(通院する患者のことをいい、在宅での療養を行う患者を除く。)であって、医師が糖尿病足病変に関する指導の必要性があると認めた場合に、月1回に限り算定する。

ア 足潰瘍、足趾・下肢切断既往

イ 閉塞性動脈硬化症

ウ 糖尿病神経障害

(2) 当該管理料は、専任の常勤医師又は当該医師の指示を受けた専任の常勤看護師が、(1)の患者に対し、爪甲切除(陥入爪、肥厚爪又は爪白癬等に対して麻酔を要しないで行うもの)、角質除去、足浴等を必要に応じて実施するとともに、足の状態の観察方法、足の清潔・爪切り等の足のセルフケア方法、正しい靴の選択方法についての指導を行った場合に算定する。

(3) 当該管理料を算定すべき指導の実施に当たっては、専任の常勤医師又は当該医師の指示を受けた専任の常勤看護師が、糖尿病足病変ハイリスク要因に関する評価を行い、その結果に基づいて、指導計画を作成すること。

(4) 看護師に対して指示を行った医師は、診療録に看護師への指示事項を記載すること。

(5) 当該管理を実施する医師又は看護師は、糖尿病足病変ハイリスク要因に関する評価結果、指導計画及び実施した指導内容を診療録又は療養指導記録に記載すること。

(6) 同一月又は同一日においても第2章第1部の各区分に規定する他の医学管理等及び第2部第2節第1款の各区分に規定する在宅療養指導管理料は併算定できる。

21 耳鼻咽喉科特定疾患指導管理料

(1) 耳鼻咽喉科と他の診療科を併せ標榜する保険医療機関にあっては、耳鼻咽喉科を専任する医師が当該指導管理を行った場合に限り算定するものであり、同一医師が当該保険医療機関が標榜する他の診療科を併せて担当している場合にあっては算定できない。

(2) 耳鼻咽喉科特定疾患指導管理料の対象となる患者は、15歳未満の患者であって、発症から3か月以上遷延している若しくは当該管理料を算定する前の1年間において3回以上繰り返し発症している滲出性中耳炎の患者である。

(3) 医師が一定の治療計画に基づいて療養上必要な指導管理を行った場合に、月1回に限り算定する。

(4) 耳鼻咽喉科特定疾患指導管理料は、区分番号「A000」初診料を算定した初診の日又は退院の日からそれぞれ起算して1か月を経過した日以降に算定する。

(5) 診療計画及び指導内容の要点を診療録に記載する。

(6) 電話等により行われた場合にあっては、耳鼻咽喉科特定疾患指導管理料は算定できない。

22 がん性疼痛緩和指導管理料

(1) がん性疼痛緩和指導管理料は、医師ががん性疼痛の症状緩和を目的として麻薬を投与しているがん患者に対して、WHO方式のがん性疼痛の治療法(がんの痛みからの解放―WHO方式がんの疼痛治療法―第2版)に従って、副作用対策等を含めた計画的な治療管理を継続して行い、療養上必要な指導を行った場合に、月1回に限り、当該薬剤に関する指導を行い、当該薬剤を処方した日に算定する。なお、当該指導には、当該薬剤の効果及び副作用に関する説明、疼痛時に追加する臨時の薬剤の使用方法に関する説明を含めるものであること。

(2) がん性疼痛緩和指導管理料を算定する場合は、麻薬の処方前の疼痛の程度(疼痛の強さ、部位、性状、頻度等)、麻薬の処方後の効果判定、副作用の有無、治療計画及び指導内容の要点を診療録に記載する。

(3) 同一月又は同一日においても第2章第1部の各区分に規定する他の医学管理等及び第2部第2節第1款の各区分に規定する在宅療養指導管理料は併算定できる。

23 がん患者カウンセリング料

(1) 悪性腫瘍と診断された患者に対して、患者の心理状態に十分配慮された環境で、がん診療の経験を有する医師及びがん患者の看護に従事した経験を有する専任の看護師が適宜必要に応じてその他の職種と共同して、診断結果及び治療方法等について患者が十分に理解し、納得した上で治療方針を選択できるように説明及び相談を行った場合に算定する。

(2) 自院、他院を問わず、原則として患者1人1回に限り算定する。ただし、当該悪性腫瘍の診断を確定した後に新たに診断された悪性腫瘍(転移性腫瘍及び再発性腫瘍を除く。)に対して行った場合は別に算定できる。

(3) 患者の十分な理解が得られない場合又は患者の意思が確認できない場合は、算定の対象とならない。また患者を除く家族等にのみ説明を行った場合は算定できない。

B001―2 小児科外来診療料

(1) 小児科外来診療料は、地方厚生(支)局長に対し本診療料を算定する旨を届け出た保険医療機関における入院中の患者以外の患者であって、3歳未満の全ての者を対象とする。また、対象患者に対する診療報酬の請求については、原則として小児科外来診療料により行うものとする。なお、届出の様式等については別途通知する。

(2) 小児科外来診療料は、小児科を標榜する保険医療機関において算定する。ただし、第2部第2節第1款の各区分に掲げる在宅療養指導管理料を算定している患者については、小児科外来診療料の算定対象とはならない。

(3) 当該患者の診療に係る費用は、区分番号「A000」初診料、区分番号「A001」再診料及び区分番号「A002」外来診療料の時間外加算、休日加算、深夜加算及び小児科特例加算、区分番号「B001―2―2」地域連携小児夜間・休日診療料、区分番号「B010」診療情報提供料(Ⅱ)並びに区分番号「C000」往診料(往診料の加算を含む。)を除き、全て所定点数に含まれる。ただし、初診料の時間外加算、休日加算、深夜加算又は小児科特例加算を算定する場合は、それぞれ85点、250点、580点又は230点を、再診料及び外来診療料の時間外加算、休日加算、深夜加算又は小児科特例加算を算定する場合は、それぞれ65点、190点、520点又は180点を算定する。

(4) 再診が電話等により行われた場合にあっては、小児科外来診療料は算定できない。

(5) 同一日において、同一患者の再診が2回以上行われた場合であっても、1日につき所定の点数を算定する。

(6) 同一月において、院外処方せんを交付した日がある場合は、当該月においては、「1」の所定点数により算定する。ただし、この場合であっても、院外処方せんを交付している患者に対し、夜間緊急の受診の場合等やむを得ない場合において院内投薬を行う場合は、「2」の所定点数を算定できるが、その場合には、その理由を診療報酬明細書の摘要欄に記載する。

(7) 常態として院外処方せんを交付する保険医療機関において、患者の症状又は病態が安定していること等のため同一月内において投薬を行わなかった場合は、当該月については、「2」の所定点数を算定できる。

(8) 当該届出を行った保険医療機関において、3歳未満の小児が初診を行いそのまま入院となった場合の初診料は、小児科外来診療料ではなく、初診料を算定し、当該初診料の請求は入院の診療報酬明細書により行う。

(9) 3歳の誕生日が属する月において、3歳の誕生日前に当該保険医療機関を受診し、小児科外来診療料を算定した場合にあっては、3歳の誕生日後に当該保険医療機関を受診しても、当該月の診療に係る請求は小児科外来診療料により行うものとする。

(10) 当該届出を行った保険医療機関のうち、許可病床数が200床以上の病院においては、他の保険医療機関等からの紹介なしに受診した3歳未満の乳幼児の初診については、保険外併用療養費に係る選定療養の対象となる。したがって、小児科外来診療料の初診時の点数を算定した上に、患者からの特別の料金を徴収できる。

(11) 本診療料を算定する旨を届け出た保険医療機関の保険医が「特別養護老人ホーム等における療養の給付の取扱いについて」(平成18年3月31日保医発第0331002号)に定める「配置医師」であり、それぞれの配置されている施設に赴き行った診療については、本診療料は算定できないが、それぞれの診療行為に係る所定点数により算定できるものとする。

B001―2―2 地域連携小児夜間・休日診療料

(1) 地域連携小児夜間・休日診療料は、保険医療機関が地域の小児科を専ら担当する診療所その他の保険医療機関の医師と連携をとりつつ、小児の救急医療の確保のために、夜間、休日又は深夜に小児の診療が可能な体制を保つことを評価するものである。

(2) 地域連携小児夜間・休日診療料1については、夜間、休日又は深夜であって、保険医療機関があらかじめ地域に周知している時間に、地域連携小児夜間・休日診療料2については、保険医療機関が24時間診療することを周知した上で、夜間、休日又は深夜に、それぞれ6歳未満の小児を診療した場合に算定する。

(3) 地域連携小児夜間・休日診療料は、夜間、休日又は深夜に急性に発症し、又は増悪した6歳未満の患者であって、やむを得ず当該時間帯に保険医療機関を受診するものを対象としたものである。したがって、慢性疾患の継続的な治療等のための受診については算定できない。

(4) 夜間、休日又は深夜における担当医師名とその主たる勤務先について、予定表を作成し院内に掲示するものとする。

(5) 地域連携小児夜間・休日診療料を算定する場合にあっては、診療内容の要点、診療医師名及びその主たる勤務先名を診療録に記載するものとする。

(6) 一連の夜間及び深夜又は同一休日に、同一の患者に対しては、地域連携小児夜間・休日診療料は原則として1回のみ算定する。なお、病態の度重なる変化等による複数回の受診のため2回以上算定する場合は、診療報酬明細書の摘要欄にその理由を詳細に記載すること。

(7) 診察が電話等により行われた場合にあっては、地域連携小児夜間・休日診療料は算定できない。

(8) 入院中の患者については、地域連携小児夜間・休日診療料は算定できない。ただし、患者が地域連携小児夜間・休日診療料を算定すべき診療を経た上で入院した場合は、算定できる。

(9) 患者本人が受診せず、家族などに対して指導等を行った場合には、当該診療料は算定できない。

(10) 地域連携小児夜間・休日診療料は地域の夜間・急病センター、病院等において地域の医師が連携・協力して、診療に当たる体制を評価したものであり、在宅当番医制で行う夜間・休日診療においては算定できない。

(11) 「注2」に掲げる院内トリアージ加算については、院内トリアージ体制を整えている保険医療機関において、当該保険医療機関の院内トリアージ基準に基づいて専任の医師又は専任の看護師により患者の来院後速やかに患者の状態を評価し、患者の緊急度区分に応じて診療の優先順位付けを行う院内トリアージが行われ、診療録にその旨を記載した場合に算定できる。

(12) 院内トリアージを行う際には患者又はその家族等に対して、十分にその趣旨を説明すること。

B001―2―3 乳幼児育児栄養指導料

乳幼児育児栄養指導料は、小児科を標榜する保険医療機関において、小児科を担当する医師が3歳未満の乳幼児に対して区分番号「A000」初診料(「注2」のただし書に規定する初診を除く。)を算定する初診を行った場合に、育児、栄養その他療養上必要な指導を行ったときに算定する。この場合、指導の要点を診療録に記載すること。ただし、初診料を算定する初診を行った後、即入院となった場合には算定できない。

B001―2―4 地域連携夜間・休日診療料

(1) 地域連携夜間・休日診療料は、保険医療機関が地域の他の保険医療機関の医師と連携をとりつつ、救急医療の確保のために、夜間、休日又は深夜に診療が可能な体制を保つことを評価するものである。

(2) 地域連携夜間・休日診療料については、夜間、休日又は深夜であって、保険医療機関があらかじめ地域に周知している時間に、患者を診療した場合に算定する。

(3) 地域連携夜間・休日診療料は、夜間、休日又は深夜に急性に発症し、又は増悪した患者であって、やむを得ず当該時間帯に保険医療機関を受診するものを対象としたものである。したがって、慢性疾患の継続的な治療等のための受診については算定できない。

(4) 夜間、休日又は深夜における担当医師名とその主たる勤務先について、予定表を作成し院内に掲示するものとする。

(5) 地域連携夜間・休日診療料を算定する場合にあっては、診療内容の要点、診療医師名及びその主たる勤務先名を診療録に記載するものとする。

(6) 一連の夜間及び深夜又は同一休日に、同一の患者に対しては、地域連携夜間・休日診療料は原則として1回のみ算定する。なお、病態の度重なる変化等による複数回の受診のため2回以上算定する場合は、診療報酬明細書の摘要欄にその理由を詳細に記載すること。

(7) 診察が電話等により行われた場合にあっては、地域連携夜間・休日診療料は算定できない。

(8) 入院中の患者については、地域連携夜間・休日診療料は算定できない。ただし、患者が地域連携夜間・休日診療料を算定すべき診療を経た上で入院した場合は、算定できる。

(9) 患者本人が受診せず、家族などに対して指導等を行った場合には、当該診療料は算定できない。

(10) 地域連携夜間・休日診療料は地域の夜間・急病センター、病院等において地域の医師が連携・協力して、診療に当たる体制を評価したものであり、在宅当番医制で行う夜間・休日診療においては算定できない。

B001―3 生活習慣病管理料

(1) 生活習慣病管理料は、脂質異常症、高血圧症又は糖尿病を主病とする患者の治療においては生活習慣に関する総合的な治療管理が重要であることから設定されたものであり、治療計画を策定し、当該治療計画に基づき、服薬、運動、休養、栄養、喫煙及び飲酒等の生活習慣に関する総合的な治療管理を行った場合に、許可病床数が200床未満の病院及び診療所である保険医療機関において算定する。なお、区分番号「A000」初診料を算定した日の属する月においては、本管理料は算定しない。

(2) 生活習慣病管理料は、服薬、運動、休養、栄養、喫煙及び飲酒等の生活習慣に関する総合的な治療管理を行う旨、患者に対して療養計画書(療養計画書の様式は、別紙様式9又はこれに準じた様式とする。)により丁寧に説明を行い、患者の同意を得るとともに、当該計画書に患者の署名を受けた場合に算定できるものであること。また、交付した療養計画書の写しは診療録に貼付しておくものとする。なお、療養計画書は、当該患者の治療管理において必要な項目のみを記載することで差し支えない。

(3) 当該患者の診療に際して行った第1部医学管理等、第3部検査、第5部投薬、第6部注射及び第13部病理診断の費用は全て所定点数に含まれる。

(4) 生活習慣病管理料を算定している患者に対しては、少なくとも1月に1回以上の総合的な治療管理が行われなければならない。

(5) 生活習慣病管理料を算定する月においては、服薬、運動、休養、栄養、喫煙及び飲酒等の生活習慣に関する総合的な治療管理に係る療養計画書(療養計画書の様式は、別紙様式9の2又はこれに準じた様式とする。)を交付するものとするが、当該療養計画書の内容に変更がない場合はこの限りでない。ただし、その場合においても4月に1回以上は交付するものとする。なお、交付した当該療養計画書の写しは診療録に貼付しておくものとする。

(6) 当該月に生活習慣病管理料を算定した患者の病状の悪化等の場合には、翌月に生活習慣病管理料を算定しないことができる。

(7) 同一保険医療機関において、脂質異常症、高血圧症又は糖尿病を主病とする患者について、生活習慣病管理料を算定するものと算定しないものが混在するような算定を行うことができるものとする。

(8) 同一月内において、院外処方せんを交付する日と交付しない日が混在した場合には、当該月の算定は、「1 処方せんを交付する場合」で算定する。

(9) 「注3」に規定する加算については、中等度以上の糖尿病(2型糖尿病の患者であってインスリン製剤を使用していないものに限る。)の患者を対象とし、必要な指導を行った場合に1年に1回に限り算定する。なお、中等度以上の糖尿病の患者とは、当該加算を算定する当月若しくは前月においてヘモグロビンA1c(HbA1c)が8.0%以上の者をいう。

(10) 「注3」の加算を算定する患者に対しては、患者教育の観点から血糖自己測定器を用いて月20回以上血糖を自己測定させ、その検査値や生活状況等を報告させるとともに、その報告に基づき、必要な指導を行い療養計画に反映させること。

当該加算は、血糖試験紙(テスト・テープ)又は固定化酵素電極(バイオセンサー)を給付し、在宅で血糖の自己測定をさせ、その記録に基づき指導を行った場合に算定するものであり、血糖試験紙、固定化酵素電極、穿刺器、穿刺針及び測定機器を患者に給付又は貸与した場合における費用その他血糖自己測定に係る全ての費用は当該加算点数に含まれ、別に算定できない。

B001―3―2 ニコチン依存症管理料

(1) ニコチン依存症管理料は、入院中の患者以外の患者に対し、「禁煙治療のための標準手順書」(日本循環器学会、日本肺癌学会、日本癌学会及び日本呼吸器学会の承認を得たものに限る。)に沿って、初回の当該管理料を算定した日から起算して12週間にわたり計5回の禁煙治療を行った場合に算定する。

(2) ニコチン依存症管理料の算定対象となる患者は、次の全てに該当するものであって、医師がニコチン依存症の管理が必要であると認めたものであること。

ア 「禁煙治療のための標準手順書」に記載されているニコチン依存症に係るスクリーニングテスト(TDS)で、ニコチン依存症と診断されたものであること。

イ 1日の喫煙本数に喫煙年数を乗じて得た数が200以上であるものであること。

ウ 直ちに禁煙することを希望している患者であって、「禁煙治療のための標準手順書」に則った禁煙治療について説明を受け、当該治療を受けることを文書により同意しているものであること。

(3) ニコチン依存症管理料は、初回算定日より起算して1年を超えた日からでなければ、再度算定することはできない。

(4) 治療管理の要点を診療録に記載する。

B001―4 手術前医学管理料

(1) 手術前医学管理料は硬膜外麻酔、脊椎麻酔又は全身麻酔下で行われる手術の前に行われる定型的な検査・画像診断について、請求の簡素化等の観点から包括して評価したものであり、区分番号「L002」硬膜外麻酔、区分番号「L004」脊椎麻酔若しくは区分番号「L008」マスク又は気管内挿管による閉鎖循環式全身麻酔下に手術が行われた場合に、月1回に限り、疾病名を問わず全て本管理料を算定する。

(2) 手術前1週間に本管理料に包括されている検査及び画像診断項目(以下この項において「検査項目等」という。)のいずれも行わなかった場合は、本管理料は算定しない。なお、「手術を行う前1週間以内に行ったもの」とは、手術を行う日の前日を起算日として1週間前の日から当該手術を実施した当日の手術実施前までに行ったものをいう。

(3) 手術前医学管理料には、包括されている検査項目等に係る判断料が含まれており、手術前医学管理料を算定した月に区分番号「D026」血液学的検査判断料、生化学的検査(Ⅰ)判断料及び免疫学的検査判断料は別に算定できない。

(4) 手術前医学管理料を算定する際使用したフィルムの費用は、区分番号「E400」フィルムの所定点数により算定する。

(5) 本管理料を算定する手術前1週間において、入院と入院外が混在する場合においても、本管理料に包括されている検査項目等の1回目の所定点数については別に算定できない。

(6) 本管理料を月初めに算定し、手術前1週間が月をまたがる場合においても、本管理料の所定点数に包括されている検査項目等の1回目の所定点数については別に算定できない。

(7) 同一の患者について、月をまたがって1週間以内に硬膜外麻酔、脊椎麻酔又は全身麻酔下の手術を2回以上行った場合には、最初に行った手術の際に手術前医学管理料を算定し、2回目の手術の際には手術前医学管理料を算定せず、それぞれの検査項目等の所定点数により算定する。

(例)

当該月の29日に硬膜外麻酔、脊椎麻酔、全身麻酔下の手術を行い、翌月の3日に再び硬膜外麻酔、脊椎麻酔、全身麻酔下の手術を行った場合の算定。

当該月の29日に手術前医学管理料を算定し、翌月の手術の3日の際には手術前医学管理料を算定せず、それぞれの検査項目等の所定点数で算定する。

B001―5 手術後医学管理料

(1) 手術後医学管理料は、区分番号「L008」マスク又は気管内挿管による閉鎖循環式全身麻酔を伴う手術後に必要な医学的管理を評価するとともに、手術後に行われる定型的な検査について、請求の簡素化等の観点から包括して評価したものであり、区分番号「A300」救命救急入院料又は区分番号「A301」特定集中治療室管理料に係る届出を行っていない保険医療機関の一般病棟に入院する患者について算定する。

(2) 手術後医学管理料には、包括されている検査項目に係る判断料が含まれており、手術後医学管理料を算定した月に区分番号「D026」尿・糞便等検査判断料、血液学的検査判断料及び生化学的検査(Ⅰ)判断料は別に算定できない。ただし、本管理料を算定する3日間が月をまたがる場合は、本管理料を算定する最初の日が属する月に係るこれらの判断料は別に算定できないが、その翌月にこれらの判断料の対象となる検査を実施した場合には、別に算定できる。

(3) 同一保険医療機関において、同一月に本管理料を算定するものと算定しないものが混在するような算定はできない。

(4) 手術後医学管理料の算定開始日となる入院の日とは、第1章第2部通則5に定める起算日のことをいう。

B001―6 肺血栓塞栓症予防管理料

(1) 肺血栓塞栓症予防管理料は、肺血栓塞栓症を発症する危険性が高い患者に対して、肺血栓塞栓症の予防を目的として、必要な医学管理を行った場合を評価するものである。

(2) 肺血栓塞栓症予防管理料は、病院(療養病棟を除く。)又は診療所(療養病床に係るものを除く。)に入院中の患者であって、肺血栓塞栓症を発症する危険性の高いもの(結核病棟においては手術を伴う患者、精神病棟においては治療上の必要から身体拘束が行われている患者に限る。)に対して、肺血栓塞栓症の予防を目的として、弾性ストッキング(患者の症状により弾性ストッキングが使用できないなどやむを得ない理由により使用する弾性包帯を含む。)又は間歇的空気圧迫装置を用いて計画的な医学管理を行った場合に、入院中1回に限り算定する。なお、当該管理料は、肺血栓塞栓症の予防を目的として弾性ストッキング又は間歇的空気圧迫装置を用いた場合に算定できるものであり、薬剤のみで予防管理を行った場合には算定できない。また、第1章第2部通則5に規定する入院期間が通算される再入院の場合においても、各々の入院において入院中1回算定できるものであること。

(3) 肺血栓塞栓症の予防を目的として使用される弾性ストッキング及び間歇的空気圧迫装置を用いた処置に要する費用は所定点数に含まれており、別に区分番号「J119」消炎鎮痛等処置の点数は算定できない。肺血栓塞栓症の予防を目的として弾性ストッキングが複数回使用される場合であっても、当該費用は所定点数に含まれる。なお、肺血栓塞栓症の予防を目的としない区分番号「J119」消炎鎮痛等処置は別に算定できるものであること。また、同一の弾性ストッキングを複数の患者に使用しないこと。

(4) 肺血栓塞栓症の予防に係る計画的な医学管理を行うに当たっては、関係学会より標準的な管理方法が示されているので、患者管理が適切になされるよう十分留意されたい。

B001―7 リンパ浮腫指導管理料

(1) リンパ浮腫指導管理料は、手術前又は手術後において、以下に示す事項について個別に説明及び指導管理を行った場合に算定する。

ア リンパ浮腫の病因と病態

イ リンパ浮腫の治療方法の概要

ウ セルフケアの重要性と局所へのリンパ液の停滞を予防及び改善するための具体的実施方法

(イ) リンパドレナージに関すること

(ロ) 弾性着衣又は弾性包帯による圧迫に関すること

(ハ) 弾性着衣又は弾性包帯を着用した状態での運動に関すること

(ニ) 保湿及び清潔の維持等のスキンケアに関すること

エ 生活上の具体的注意事項

リンパ浮腫を発症又は増悪させる感染症又は肥満の予防に関すること

オ 感染症の発症等増悪時の対処方法

感染症の発症等による増悪時における診察及び投薬の必要性に関すること

(2) 指導内容の要点を診療録に記載する。

(3) 手術前においてリンパ浮腫に関する指導を行った場合であって、結果的に手術が行われなかった場合にはリンパ浮腫指導管理料は算定できない。

B002 開放型病院共同指導料(Ⅰ)、B003 開放型病院共同指導料(Ⅱ)

(1) 開放型病院共同指導料(Ⅰ)は、開放型病院に自己の診察した患者を入院させた保険医が、開放型病院に赴き、開放型病院の保険医と共同で診療、指導等を行った場合に1人の患者に1日につき1回算定できるものであり、その算定は当該患者を入院させた保険医が属する保険医療機関において行う。

(2) 開放型病院共同指導料(Ⅰ)を算定した場合は、区分番号「A000」初診料、区分番号「A001」再診料、区分番号「A002」外来診療料、区分番号「C000」往診料及び区分番号「C001」在宅患者訪問診療料等は算定できない。

(3) 診療所による紹介に基づき開放型病院に入院している患者に対して、当該診療所の保険医が開放型病院に赴き診療、指導等を行った場合において、その患者について、区分番号「B009」診療情報提供料(Ⅰ)が既に算定されている場合であっても、開放型病院共同指導料(Ⅰ)を算定できる。

(4) 開放型病院共同指導料(Ⅰ)を算定する場合、当該患者を入院させた保険医の診療録には、開放型病院において患者の指導等を行った事実を記載し、開放型病院の診療録には当該患者を入院させた保険医の指導等が行われた旨を記載する。

(5) 開放型病院共同指導料(Ⅱ)は、当該患者を入院させた保険医の属する保険医療機関が開放型病院共同指導料(Ⅰ)を算定した場合に、開放型病院において算定する。

B004 退院時共同指導料1、B005 退院時共同指導料2

(1) 退院時共同指導料1又は退院時共同指導料2は、保険医療機関に入院中の患者について、地域において当該患者の退院後の在宅療養を担う保険医療機関の保険医又は当該保険医の指示を受けた当該保険医療機関の看護師若しくは准看護師が、当該患者が入院している保険医療機関に赴いて、患者の同意を得て、退院後の在宅での療養上必要な説明及び指導を、入院中の保険医療機関の保険医、看護師又は准看護師と共同して行った上で、文書により情報提供した場合に、当該入院中1回(別に厚生労働大臣が定める疾病等の患者については2回)に限り、それぞれの保険医療機関において算定するものである。ただし、当該患者の退院後の在宅療養を担う保険医療機関の准看護師と当該患者が入院中の保険医療機関の准看護師が共同して在宅での療養上必要な説明及び指導を行う場合には、それぞれの保険医療機関の医師又は看護師の指示を受けて行うものであること。なお、ここでいう入院とは、第1章第2部通則5に定める入院期間が通算される入院のことをいう。

(2) 退院時共同指導料は、患者の家族等退院後に患者の看護を担当する者に対して指導を行った場合にも算定できる。

(3) 行った指導の内容等について、要点を診療録に記載するとともに、患者又はその家族等に提供した文書の写しを診療録に添付する。

(4) 退院時共同指導料1の「1」は、在宅療養支援診療所の医師が当該患者に対して、その退院後に往診及び訪問看護により24時間対応できる体制等を確保し、在宅療養支援診療所において、24時間連絡を受ける医師又は看護職員の氏名、連絡先電話番号等、担当日、緊急時の注意事項等並びに往診担当医及び訪問看護担当者の氏名等について、文書により提供した場合に限り算定できる。

(5) 当該患者が入院している保険医療機関(以下この区分において入院保険医療機関という。)と当該患者を紹介した保険医療機関(以下この区分において紹介元保険医療機関という。)とが特別の関係にある場合は、退院時共同指導料は算定できない。

(6) 退院時共同指導料は、退院後在宅での療養を行う患者が算定の対象となり、他の保険医療機関、社会福祉施設、介護老人保健施設、介護老人福祉施設に入院若しくは入所する患者又は死亡退院した患者については、対象とはならない。

(7) 退院時共同指導料2の「注2」に規定する加算は、退院後の在宅での療養上必要な説明及び指導を、当該患者が入院している保険医療機関の保険医と地域において当該患者の退院後の在宅療養を担う保険医療機関の保険医が共同して行った場合に算定する。

(8) 退院時共同指導料2の「注3」に規定する加算は、退院後の在宅での療養上必要な説明及び指導を、当該患者が入院している保険医療機関の保険医が、地域において当該患者の退院後の在宅療養を担う保険医療機関の保険医、看護師又は准看護師、保険医である歯科医師又はその指示を受けた歯科衛生士、保険薬局の保険薬剤師、訪問看護ステーションの看護師、理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士若しくは介護支援専門員のいずれかのうち3者以上と共同して行った場合に算定する。

(9) 退院時共同指導料2の「注3」に規定する指導と同一日に行う「注2」に規定する指導に係る費用及び介護支援連携指導料は、「注3」に規定する加算に含まれ、別に算定できない。

B005―1―2 介護支援連携指導料

(1) 介護支援連携指導料は、入院の原因となった疾患・障害や入院時に行った患者の心身の状況等の総合的な評価の結果を踏まえ、退院後に介護サービスを導入することが適当であると考えられ、また、本人も導入を望んでいる患者が、退院後により適切な介護サービスを受けられるよう、入院中から居宅介護支援事業者等の介護支援専門員(ケアマネジャー)と連携し退院後のケアプラン作成につなげることを評価するものである。

(2) 介護支援連携指導料は、医師又は医師の指示を受けた看護師、社会福祉士、薬剤師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、その他、退院後に導入が望ましい介護サービスから考え適切な医療関係職種が、患者の入院前からケアマネジメントを担当していた介護支援専門員又は退院後のケアプラン作成を行うため患者が選択した居宅介護支援事業者、介護予防支援事業者又は介護保険施設等の介護支援専門員と共同して、患者に対し、患者の心身の状況等を踏まえ導入が望ましいと考えられる介護サービスや、当該地域において提供可能な介護サービス等の情報を提供した場合に入院中2回に限り算定できるものである。

(3) ここでいう介護保険施設等とは、介護保険の給付が行われる保健医療サービス又は福祉サービスを提供する施設であって、次の施設をいうものとする。

ア 介護老人福祉施設(介護保険法(平成9年法律第123号)第8条第20項に規定する地域密着型老人福祉施設及び同条第24項に規定する介護老人福祉施設のことをいう。)

イ 介護保険法第8条第25項に規定する介護老人保健施設

ウ 介護保険法第8条第26項に規定する介護療養型医療施設

エ 特定施設(介護保険法(平成9年法律第123号)第8条第11項に規定する特定施設、同条第19項に規定する地域密着型特定施設及び同条の2第11項に規定する介護予防特定施設入居者生活介護を提供する施設のことをいい、指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第37号)第192条の2に規定する外部サービス利用型指定特定施設入居者生活介護を受けている患者が入居する施設を含む。)

オ 認知症対応型グループホーム(介護保険法(平成9年法律第123号)第8条第18項に規定する認知症対応型共同生活介護及び同条の2第17項に規定する介護予防認知症対応型共同生活介護を提供する施設のことをいう。)

カ 小規模多機能居宅介護事業所(介護保険法(平成9年法律第123号)第8条第17項に規定する小規模多機能型居宅介護及び同条の2第16項に規定する介護予防小規模多機能型居宅介護を提供する施設のことをいう。)

(4) 初回の指導は、介護サービスの利用の見込みがついた段階で、退院後の生活を見越し、当該地域で導入可能な介護サービスや要介護認定の申請の手続き等の情報について、患者や医療関係者と情報共有することで、適切な療養場所の選択や手続きの円滑化に資するものであり、2回目の指導は、実際の退院を前に、退院後に想定されるケアプランの原案の作成に資するような情報の収集や退院後の外来診療の見込み等を念頭に置いた指導を行うこと等を想定したものである。

(5) 行った指導の内容等について、要点を診療録に記載するとともに、患者又はその家族等に提供した文書の写しを診療録に添付する。また、指導の内容を踏まえ作成されたケアプランについては、患者の同意を得た上で、当該介護支援専門員に情報提供を求めることとし、ケアプランの写しを診療録に添付すること。

(6) 介護支援連携指導料を算定するにあたり共同指導を行う介護支援専門員は、介護サービスの導入を希望する患者の選択によるものであり、患者が選択した場合には、当該医療機関に併設する居宅介護事業所の居宅介護支援専門員であっても介護支援連携指導料の算定を妨げるものではない。ただし、当該医療機関に併設する介護保険施設等の介護支援専門員と共同指導を行った場合については介護支援連携指導料を算定することはできない。

(7) 同一日に区分番号B005退院時共同指導料2の注3に掲げる加算の算定すべき居宅介護支援専門員を含めた共同指導を行った場合には、介護支援連携指導料あるいは退院時共同指導料2の注3に掲げる加算の両方を算定することはできない。

B005―2 地域連携診療計画管理料、B005―3 地域連携診療計画退院時指導料(Ⅰ)

B005―3―2 地域連携診療計画退院時指導料(Ⅱ)

(1) 地域連携診療計画は、あらかじめ計画管理病院において作成され、当該計画管理病院からの転院後又は退院後の治療を担う複数の連携保険医療機関(必要に応じて、計画管理病院から転院後の保険医療機関を退院後の外来診療を担う保険医療機関を含む。また、特別の関係であっても差し支えない。)又は介護サービス事業所との間で共有して活用されるものであり、病名、入院時の症状、予定されている診療内容、標準的な転院までの期間、転院後の診療内容、連携する保険医療機関を退院するまでの標準的な期間(以下本区分において「総治療期間」という。)、退院に当たり予想される患者の状態に関する退院基準、その他必要な事項が記載されたものであること。

(2) 地域連携診療計画は、患者の状態等により、異なる連携が行われることが想定されることから、あらかじめ複数の地域連携診療計画を作成しておき、患者の状態等に応じて最も適切な地域連携診療計画を選択することは差し支えない。また、計画は必ず、計画管理病院、計画管理病院からの転院後又は退院後の治療を担う保険医療機関(以下「2段階目の保険医療機関」という。)又は介護老人保健施設(以下「2段階目の保険医療機関等」という。)、2段階目の保険医療機関を退院後の外来診療を担う保険医療機関(以下「3段階目の保険医療機関」という。)又は介護サービス事業所(介護老人保健施設、通所リハビリテーション事業所、訪問リハビリテーション事業所)(以下「3段階目の保険医療機関等」という。)の3段階の連携に限られる必要はなく、必要に応じて、計画管理病院及び2段階目の保険医療機関等の2段階の連携も活用されるべきものである。

(3) 地域連携診療計画管理料及び地域連携診療計画退院時指導料(Ⅰ)及び(Ⅱ)の対象疾患は、大腿骨頸部骨折(大腿骨頸部骨折骨接合術、大腿骨頸部骨折人工骨頭置換術等を実施している場合に限る。)又は脳卒中(急性発症又は急性増悪した脳梗塞、脳出血又はくも膜下出血の治療を実施している場合に限る。)である。なお、脳卒中における急性発症又は急性増悪とは、脳梗塞、脳出血又はくも膜下出血を発症した患者について、画像診断等を用いて診断されたものであること。

(4) 地域連携診療計画管理料は、地域連携診療計画の対象疾患の患者に対し、地域連携診療計画に沿って治療を行うことについて患者の同意を得た上で、入院後7日以内に地域連携診療計画に基づく個別の患者ごとの診療計画を作成するとともに、説明し、それを文書にて患者又は家族に提供した場合に、転院時又は退院時に計画管理病院において算定する。その際、患者に交付した診療計画の写しを診療録に貼付すること。

(5) 地域連携診療計画退院時指導料(Ⅰ)は、地域連携診療計画管理料を算定した患者に対し、診療計画に基づいた療養を提供するとともに、患者の同意を得た上で、地域連携診療計画に基づく退院後の診療計画を作成するとともに、説明し、それを文書にて患者又は家族に提供した場合であって、計画管理病院に対し文書にて報告した場合に、2段階目の保険医療機関において退院時に算定する。その際、患者に交付した診療計画の写しを診療録に貼付すること。

(6) 地域連携診療計画退院時指導料(Ⅰ)の「注3」に掲げる地域連携診療計画退院計画加算は、2段階目の保険医療機関及び3段階目の保険医療機関等を含んだ診療計画に基づき患者の同意を得て、当該保険医療機関の退院後、3段階目の保険医療機関等で行われるべき診療等の計画を作成するとともに、患者、家族に説明し、3段階目の保険医療機関等と適切に情報共有を行うことについて評価したものである。

(7) 地域連携診療計画退院時指導料(Ⅱ)は、3段階目の保険医療機関等において、診療計画に基づく療養を提供するとともに、退院時の患者の状態や、在宅復帰後の患者の状況等について、退院の属する月又はその翌月までに計画管理病院に対して情報提供を行った場合に、情報提供時に算定する。

(8) 地域連携診療計画管理料を算定する計画管理病院からの転院時、2段階目の保険医療機関からの退院時及び3段階目の保険医療機関における退院後の初回受診時においては、別紙様式10に定める日常生活機能評価を行い、その結果を地域連携診療計画書に記入すること。また、連携保険医療機関が退院時に行った日常生活機能評価の結果は、計画管理病院に対し文書にて報告すること。

B005―4 ハイリスク妊産婦共同管理料(Ⅰ)、B005―5 ハイリスク妊産婦共同管理料(Ⅱ)

(1) ハイリスク妊産婦共同管理料(Ⅰ)は、診療に基づき患者を紹介した医師(以下この項において「紹介元医師」という。)が、当該患者が入院中である紹介先の病院に赴き、紹介先の病院の医師と共同で、医学管理等を行った場合に患者1人につき1回に限り、算定できるものであり、その算定は紹介元医師が属する保険医療機関において行う。

(2) ハイリスク妊産婦共同管理料(Ⅰ)を算定した場合は、区分番号「A001」再診料、区分番号「A002」外来診療料、区分番号「C000」往診料及び区分番号「C001」在宅患者訪問診療料等は算定できない。

(3) 紹介元医師による紹介に基づき紹介先の病院に入院している患者に対して、当該紹介元医師が病院に赴き診療、指導等を行った場合において、その患者について、区分番号「B009」診療情報提供料(Ⅰ)が既に算定されている場合であっても、その算定された日を除き、ハイリスク妊産婦共同管理料(Ⅰ)を算定できる。

(4) ハイリスク妊産婦共同管理料(Ⅰ)を算定する場合、紹介元医師の診療録には、紹介先の病院において患者の医学管理等を行った事実を記載し、紹介先の病院の診療録には紹介元医師による医学管理等が行われた旨を記載する。

(5) ハイリスク妊産婦共同管理料(Ⅱ)は、紹介元医師の属する保険医療機関がハイリスク妊産婦共同管理料(Ⅰ)を算定した場合に、紹介先の病院において算定する。

(6) 自院にて診療していた妊産婦の状態に異常が認められたために、他院へ搬送する場合において、医師が搬送先医療機関まで付き添い、搬送先の病院の医師と共同で医学管理等を行った場合においても算定できる。

(7) ハイリスク妊産婦共同管理料(Ⅰ)は、区分番号「C004」救急搬送診療料と併せて算定することができる。

B005―6 がん治療連携計画策定料、B005―6―2 がん治療連携指導料

(1) がん治療連携計画策定料、がん治療連携指導料は、がん診療連携拠点病院等を中心に策定された地域連携診療計画に沿ったがん治療に関わる医療機関の連携により、がん患者に対して地域における切れ目のない医療が提供されることを評価したものである。

(2) 地域連携診療計画は、あらかじめがん診療連携拠点病院等において、がんの種類や治療方法等ごとに作成され、当該がん診療連携拠点病院等からの退院後の治療を共同して行う複数の連携保険医療機関との間で共有して活用されるものであり、病名、ステージ、入院中に提供される治療、退院後、計画策定病院で行う治療内容及び受診の頻度、連携医療機関で行う治療の内容及び受診の頻度、その他必要な項目が記載されたものであること。

(3) がん治療連携計画策定料は、がんと診断され、がんの治療目的に初回に入院した際に、地域連携診療計画に沿って治療を行うことについて患者の同意を得た上で、地域連携診療計画に基づく個別の患者ごとの治療計画を作成するとともに、説明し、それを文書にて患者又は家族に提供した場合に、退院時に計画策定病院において算定する。その際、患者に交付した治療計画の写しを診療録に貼付すること。

(4) 病理診断の結果が出ない等の理由で、個別の患者の治療計画を入院中に策定できない場合であっても、退院後の療養を地域連携診療計画に基づき連携医療機関と協力して行うことについて患者の同意を得た上で、適用する可能性のある地域連携診療計画やその場合の連携医療機関等について説明し、可能になった段階で速やかに個別の治療計画を策定するとともに、文書にて患者又は家族に提供した場合にあっては、算定可能とする。その際、交付した治療計画の写しを診療録に添付すること。

(5) 計画策定病院は、治療計画に基づき、患者に対して治療を提供するとともに、患者の同意を得て、適切に連携医療機関と情報共有を図るとともに、必要に応じて適宜治療計画を見直すものとする。

(6) がん治療連携指導料は、連携医療機関において、患者ごとに作成された治療計画にもとづく診療を提供し、計画策定病院に対し患者の診療に関する情報提供をした際に算定する。計画策定病院に対する情報提供の頻度は、基本的には治療計画に記載された頻度に基づくものとするが、患者の状態の変化等により、計画策定病院に対し治療方針等につき、相談・変更が必要となった際に情報提供を行った際にも算定できるものである。

B005―7 認知症専門診断管理料

認知症専門診断管理料は、認知症疾患医療センター等の専門医療機関が他の保険医療機関から紹介された患者に対して、患者又は家族等の同意を得た上で、認知症の鑑別診断を行った上で療養方針を決定し、説明し、それを文書にて患者又は家族等に提供した場合であって、紹介を受けた他の保険医療機関に対して文書にて報告した場合に、1人につき1回に限り算定する。なお、患者に交付した文書の写しを診療録に貼付すること。

B005―8 肝炎インターフェロン治療計画料

(1) 肝炎インターフェロン治療計画料は、インターフェロン治療を受ける肝炎患者に対して、治療計画に沿って治療を行うことについて患者の同意を得た上で、治療計画を作成し、副作用等を含めて患者に説明し、文書により提供するとともに、地域で連携して当該インターフェロン治療を行う保険医療機関に当該患者に係る治療計画及び診療情報を文書により提供した場合に、1人につき1回に限り算定する。患者に交付した治療計画の写しを診療録に貼付すること。

(2) 治療計画の策定にあたっては、患者の求めに応じて夜間や休日に診療を行っている医療機関を紹介するなど、当該患者が長期の治療を継続できるよう配慮を行うこと。

(3) 入院中の患者については退院時に算定すること。

B006 救急救命管理料

(1) 保険医療機関に所属する救急救命士に対して、必要な指示等を行った医師の所属する保険医療機関において算定する。

(2) 救急救命士の行った処置等の費用は、所定点数に含まれ別に算定できない。

(3) 救急救命士の所属する保険医療機関と指示等を行った医師の所属する保険医療機関が異なる場合においても、当該指示等を行った医師の所属する保険医療機関において算定する。

(4) 医師が救急救命士に指示を行ったのみで、診察をしていない場合には、救急救命管理料のみを算定し、区分番号「A000」初診料、区分番号「A001」再診料又は区分番号「A002」外来診療料は算定できない。

B006―3 退院時リハビリテーション指導料

(1) 退院時リハビリテーション指導料は、入院していた患者の退院に際し、患者の病状、患家の家屋構造、介護力等を考慮しながら、患者又はその家族等退院後患者の看護に当たる者に対して、リハビリテーションの観点から退院後の療養上必要と考えられる指導を行った場合に算定する。

(2) 退院時リハビリテーション指導料は、指導を行った者及び指導を受けたものが患者又はその家族等であるかの如何を問わず、退院日に1回に限り算定する。

(3) 当該患者の入院中主として医学的管理を行った医師又はリハビリテーションを担当した医師が、患者の退院に際し、指導を行った場合に算定する。なお、医師の指示を受けて、保険医療機関の理学療法士又は作業療法士が保健師、看護師、社会福祉士、精神保健福祉士とともに指導を行った場合にも算定できる。

(4) 指導の内容は、患者の運動機能及び日常生活動作能力の維持及び向上を目的として行う体位変換、起座又は離床訓練、起立訓練、食事訓練、排泄訓練、生活適応訓練、基本的対人関係訓練、家屋の適切な改造、患者の介助方法、患者の居住する地域において利用可能な在宅保健福祉サービスに関する情報提供等に関する指導とする。

(5) 指導(又は指示)内容の要点を診療録等に記載する。

(6) 死亡退院の場合は、算定できない。

B007 退院前訪問指導料

(1) 退院前訪問指導料は、継続して1月を超えて入院すると見込まれる入院患者の退院に先立って患家を訪問し、患者の病状、患家の家屋構造、介護力等を考慮しながら、患者又はその家族等退院後患者の看護に当たる者に対して、退院後の在宅での療養上必要と考えられる指導を行った場合に算定する。なお、入院期間は暦月で計算する。

(2) 退院前訪問指導料は、指導の対象が患者又はその家族等であるかの如何を問わず、1回の入院につき1回を限度として、指導の実施日にかかわらず、退院日に算定する。ただし、入院後早期(入院後14日以内とする。)に退院に向けた訪問指導の必要性を認めて訪問指導を行い、かつ退院前に在宅療養に向けた最終調整を目的として再度訪問指導を行う場合に限り、指導の実施日にかかわらず退院日に2回分を算定する。

(3) 退院前訪問指導料は、退院して家庭に復帰する患者が算定の対象であり、特別養護老人ホーム等医師又は看護師等が配置されている施設に入所予定の患者は算定の対象としない。

(4) 医師の指示を受けて保険医療機関の保健師、看護師、理学療法士、作業療法士等が訪問し、指導を行った場合にも算定できる。

(5) 指導又は指示内容の要点を診療録等に記載する。

(6) 退院前訪問指導に当たっては、当該保険医療機関における看護業務等に支障をきたすことのないよう留意する。

(7) 保険医療機関は、退院前訪問指導の実施に当たっては、市町村の実施する訪問指導事業等関連事業との連携に十分配意する。

B008 薬剤管理指導料

(1) 薬剤管理指導料は、当該保険医療機関の薬剤師が医師の同意を得て薬剤管理指導記録に基づき、直接服薬指導、服薬支援その他の薬学的管理指導(処方された薬剤の投与量、投与方法、投与速度、相互作用、重複投薬、配合変化、配合禁忌等に関する確認並びに患者の状態を適宜確認することによる効果、副作用等に関する状況把握を含む。)を行った場合に週1回に限り算定できる。ただし、本指導料を算定する日の間隔は6日以上とし、薬剤管理指導料の「1」を算定する場合にあっては、薬学的管理指導により把握した必要な情報を速やかに医師に提供するものとする。

薬剤管理指導料の「1」の対象患者のうち、意識障害等の状態にあり直接服薬指導ができないものについては、その他の薬学的管理指導を行うことにより算定できる。

また、薬剤管理指導料の算定対象となる小児及び精神障害者等については、必要に応じて、その家族等に対して服薬指導等を行った場合であっても算定できる。

なお、施設基準を満たしていても、上記要件に該当しない場合にあっては、区分番号「F500」調剤技術基本料の「1」により算定する。

(2) 薬剤管理指導料の「1」は、区分番号「A300」救命救急入院料、区分番号「A301」特定集中治療室管理料、区分番号「A301―2」ハイケアユニット入院医療管理料、区分番号「A301―3」脳卒中ケアユニット入院医療管理料、区分番号「A302」新生児特定集中治療室管理料又は区分番号「A303」総合周産期特定集中治療室管理料のいずれかを算定している患者に対して、薬学的管理指導を行った場合に算定する。

薬剤管理指導料の「2」は、抗悪性腫瘍剤、免疫抑制剤、不整脈用剤、抗てんかん剤、血液凝固阻止剤(ワルファリンカリウム、塩酸チクロピジン、硫酸クロピドグレル及びシロスタゾール並びにこれらと同様の薬理作用を有する成分を含有する内服薬に限る。)、ジギタリス製剤、テオフィリン製剤、カリウム製剤(注射薬に限る。)、精神神経用剤、糖尿病用剤、膵臓ホルモン剤又は抗HIV薬が投薬又は注射されている患者(薬剤管理指導料の「1」に該当する場合を除く。)に対して、これらの薬剤に関し、薬学的管理指導を行った場合に算定する。

(3) 当該保険医療機関の薬剤師は、過去の投薬・注射及び副作用発現状況等を患者又はその家族等から聴取し、当該医療機関及び可能な限り他の医療機関における投薬及び注射に関する基礎的事項を把握する。

(4) 薬剤管理指導料の算定日を診療報酬明細書の摘要欄に記載する。

(5) 当該保険医療機関の薬剤師が患者ごとに作成する薬剤管理指導記録には、次の事項を記載し、最後の記入の日から最低3年間保存する。

患者の氏名、生年月日、性別、入院年月日、退院年月日、診療録の番号、投薬・注射歴、副作用歴、アレルギー歴、薬学的管理指導の内容、患者への指導及び患者からの相談事項、薬剤管理指導等の実施日、記録の作成日及びその他の事項

なお、薬剤管理指導記録を診療録等とともに管理する場合にあっては、上記の記載事項のうち、重複する項目については、別途記録の作成を要しない。また、薬剤管理指導記録に添付が必要な文書等を別途保存することは差し支えないが、この場合にあっては、薬剤管理指導記録と当該文書等を速やかに突合できるような管理体制を整備すること。

(6) 「注2」の麻薬管理指導加算は、本指導料を算定している患者のうち、麻薬が投与されている患者に対して、投与される麻薬の服用に関する注意事項等に関し、必要な薬学的管理指導を行った場合に算定する。

(7) 薬剤管理指導料を算定している患者に投薬された医薬品について、当該保険医療機関の薬剤師が以下の情報を知ったときは、原則として当該薬剤師は、速やかに当該患者の診療を担う保険医に対し、当該情報を文書により提供するとともに、当該保険医に相談の上、必要に応じ、患者に対する薬学的管理指導を行うものとする。

ア 医薬品緊急安全性情報

イ 医薬品・医療機器等安全性情報

(8) 「注2」の麻薬管理指導加算の算定に当たっては、前記の薬剤管理指導記録に少なくとも次の事項についての記載がされていなければならない。

ア 麻薬に係る薬学的管理指導の内容(麻薬の服薬状況、疼痛緩和の状況等)

イ 麻薬に係る患者への指導及び患者からの相談事項

ウ その他麻薬に係る事項

(9) 「注3」に規定する医薬品安全性情報等管理体制加算は、当該保険医療機関における医薬品の使用に係る状況を把握するとともに、医薬品の安全性に係る重要な情報を把握した際に、速やかに必要な措置を講じる体制を有していることを評価したものであり、入院中の患者に対して薬学的管理指導を行った場合に、入院中1回に限り、初回の薬学的管理指導に係る算定の際に加算する。

(10) 薬剤管理指導及び麻薬管理指導を行った場合は、必要に応じ、その要点を文書で医師に提供すること。

B009 診療情報提供料(Ⅰ)

(1) 診療情報提供料(Ⅰ)は、医療機関間の有機的連携の強化及び医療機関から保険薬局又は保健・福祉関係機関への診療情報提供機能の評価を目的として設定されたものであり、両者の患者の診療に関する情報を相互に提供することにより、継続的な医療の確保、適切な医療を受けられる機会の増大、医療・社会資源の有効利用を図ろうとするものである。

(2) 保険医療機関が、診療に基づき他の機関での診療の必要性等を認め、患者に説明し、その同意を得て当該機関に対して、診療状況を示す文書を添えて患者の紹介を行った場合に算定する。

(3) 紹介に当たっては、事前に紹介先の機関と調整の上、下記の紹介先機関ごとに定める様式又はこれに準じた様式の文書に必要事項を記載し、患者又は紹介先の機関に交付する。また、交付した文書の写しを診療録に添付するとともに、診療情報の提供先からの当該患者に係る問い合わせに対しては、懇切丁寧に対応するものとする。

ア イ及びウ以外の場合 別紙様式11

イ 市町村又は指定居宅介護支援事業者等 別紙様式12から別紙様式12の4

ウ 介護老人保健施設 別紙様式13

(4) 当該情報を提供する保険医療機関と特別の関係にある機関に情報提供が行われた場合や、市町村等が開設主体である保険医療機関が当該市町村等に対して情報提供を行った場合は算定できない。

(5) A保険医療機関には、検査又は画像診断の設備がないため、B保険医療機関(特別の関係にあるものを除く。)に対して、診療状況を示す文書を添えてその実施を依頼した場合には、診療情報提供料(Ⅰ)は算定できる。

(6) (5)の場合において、B保険医療機関が単に検査又は画像診断の設備の提供にとどまる場合には、B保険医療機関においては、診療情報提供料(Ⅰ)、初診料、検査料、画像診断料等は算定できない。なお、この場合、検査料、画像診断料等を算定するA保険医療機関との間で合議の上、費用の精算を行うものとする。

(7) (5)の場合において、B保険医療機関が、検査又は画像診断の判読も含めて依頼を受け、その結果をA保険医療機関に文書により回答した場合には、診療情報提供料(Ⅰ)を算定できる。なお、この場合に、B保険医療機関においては、初診料、検査料、画像診断料等を算定でき、A保険医療機関においては検査料、画像診断料等は算定できない。

(8) 提供される情報の内容が、患者に対して交付された診断書等であって、当該患者より自費を徴収している場合、意見書等であって、意見書の交付について診療報酬又は公費で既に相応の評価が行われている場合には、診療情報提供料(Ⅰ)は算定できない。

(9) 下記のア、イの場合については、患者1人につき月1回に限り、所定点数を算定する。また、いずれの場合も診療情報の提供に当たって交付した文書の写しを診療録に添付する。

ア 区分番号「C001」在宅患者訪問診療料を算定すべき訪問診療を行っている保険医療機関が、患者の同意を得て、診療の日から2週間以内に、当該患者に対して継続して区分番号「C005」在宅患者訪問看護・指導料又は区分番号「C005―1―2」居住系施設入居者等訪問看護・指導料を算定すべき看護若しくは指導又は区分番号「C006」在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料を算定すべき指導管理を行っている別の保険医療機関に対して、診療日、診療内容、患者の病状、日常生活動作能力等の診療情報を示す文書を添えて、当該患者に係る療養上必要な情報を提供した場合

イ 区分番号「C005」在宅患者訪問看護・指導料又は区分番号「C005―1―2」居住系施設入居者等訪問看護・指導料を算定すべき看護若しくは指導又は区分番号「C006」在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料を算定すべき指導管理を行っている保険医療機関が、患者の同意を得て、診療の日から2週間以内に、別の保険医療機関に対して、病歴、診療内容、患者の病状等の診療状況を示す文書を添えて、当該患者に係る療養上必要な情報を提供した場合

(10) 診療情報の提供に当たり、レントゲンフィルム等をコピーした場合には、当該レントゲンフィルム等及びコピーに係る費用は当該情報提供料に含まれ、別に算定できない。

(11) 「注2」に掲げる「市町村」又は「指定居宅介護支援事業者等」に対する診療情報提供は、入院患者については、退院時に患者の同意を得て退院の日から2週間以内に診療情報の提供を行った場合にのみ算定する。この場合においては、家庭に復帰する患者が対象であり、別の保険医療機関、社会福祉施設、介護老人保健施設等に入院若しくは入所する患者又は死亡退院した患者についてその診療情報を市町村又は指定居宅介護支援事業者等に提供しても、診療情報提供料(Ⅰ)の算定対象とはならない。

(12) 「注2」に掲げる「市町村又は介護保険法第46条第1項の規定により都道府県知事が指定する指定居宅介護支援事業者等」とは、当該患者の居住地を管轄する市町村(特別区を含む。以下同じ。)、保健所若しくは精神保健福祉センター又は指定居宅介護支援事業者若しくは地域包括支援センターをいう。また、「保健福祉サービスに必要な情報」とは、当該患者に係る健康教育、健康相談、機能訓練、訪問指導等の保健サービス又はホームヘルプサービス、ホームケア促進事業、ショートステイ、デイサービス、日常生活用具の給付等の介護保険の居宅サービス若しくは福祉サービスを有効かつ適切に実施するために必要な診療並びに家庭の状況に関する情報をいう。

(13) 「注3」については、在宅での療養を行っている疾病、負傷のため通院困難な患者(以下「在宅患者」という。)に対して、適切な在宅医療を確保するため、当該患者の選択する保険薬局の保険薬剤師が、訪問薬剤管理指導を行う場合であって、当該患者又はその看護等に当たる者の同意を得た上で、当該保険薬局に対して処方せん又はその写しに添付して、当該患者の訪問薬剤管理指導に必要な診療情報を提供した場合に算定する。この場合において、交付した文書の他、処方せんの写しを診療録に添付する。

なお、処方せんによる訪問薬剤管理指導の依頼のみの場合は診療情報提供料(Ⅰ)は算定できない。

(14) 「注4」については、精神障害者である患者であって、次に掲げる施設に入所している患者又は介護老人保健施設(当該保険医療機関と同一の敷地内にある介護老人保健施設その他これに準ずる介護老人保健施設を除く。「注5」において同じ。)に入所している患者の診療を行っている保険医療機関が、診療の結果に基づき、患者の同意を得て、当該患者が入所しているこれらの施設に対して文書で診療情報を提供した場合に算定する。

ア グループホーム及びケアホーム(障害者自立支援法第5条第10項に規定する共同生活介護を行う事業所及び同条第16項に規定する共同生活援助を行う事業所をいう。)

イ 障害者支援施設(障害者自立支援法第5条第12項に規定する障害者支援施設をいい、日中活動として同条第6項に規定する生活介護を行うものを除く。)

ウ 障害者自立支援法施行規則(平成18年厚生労働省令第19号)第6条の7第2項に規定する自立訓練(生活訓練)を行う事業所

エ 障害者自立支援法第5条第14項に規定する就労移行支援を行う事業所

オ 障害者自立支援法第5条第15項に規定する就労継続支援を行う事業所

カ 障害者自立支援法第5条第22項に規定する福祉ホーム

キ 障害者自立支援法附則第48条の規定によりなお従前の例により運営することができることとされた精神保健福祉法第50条の2第1項に規定する精神障害者社会復帰施設

(15) 「注6」に掲げる「認知症疾患医療センター等」とは、認知症の症状にある患者の鑑別診断、治療方針の選定等を行うものとして、都道府県知事が指定した保険医療機関等をいうものであり、その取扱いについては、「認知症疾患医療センター運営事業実施要綱について」(平成20年3月31日付障発第0331009号)等を参考とし、都道府県精神保健主管課(部)と連絡を密にするものであること。

(16) 「注7」に掲げる退院患者の紹介に当たっては、心電図、脳波、画像診断の所見等診療上必要な検査結果、画像情報等及び退院後の治療計画等を添付すること。また、添付した写し又はその内容を診療録に貼付又は記載すること。なお、算定対象が介護老人保健施設である場合は、当該加算を算定した患者にあっては、その後6か月間、当該加算は算定できない。

(17) 「注8」の加算は、区分番号「B005―4」ハイリスク妊産婦共同管理料(Ⅰ)が算定されない場合であっても算定できる。

(18) 「注9」に掲げる「専門医療機関」とは、鑑別診断、専門医療相談、合併症対応、医療情報提供等を行うとともに、かかりつけの医師や介護サービス等との調整を行う保険医療機関であること。

(19) 「注10」に規定する認知症専門医療機関連携加算は、区分番号「B005―7」に掲げる認知症専門診断管理料を算定する専門医療機関において既に認知症と診断された患者が、症状の増悪や療養方針の再検討を要する状態となった場合に、当該専門医療機関に対して、診療状況を示す文書を添えて当該患者の紹介を行った場合に算定する。

(20) 「注11」に規定する精神科医連携加算については、身体症状を訴えて精神科以外の診療科を受診した患者について、当該精神科以外の診療科の医師が、その原因となりうる身体疾患を除外診断した後に、うつ病等の精神疾患を疑い、精神医療の必要性を認め、患者に十分な説明を行い、同意を得て、精神科を標榜する別の保険医療機関の精神科に当該患者が受診する日(紹介した日より1月間以内とし、当該受診日を診療録に記載すること。)について予約を行った上で、患者の紹介を行った場合に算定する。

(21) 「注12」に規定する肝炎インターフェロン治療連携加算は、区分番号「B005―8」に掲げる肝炎インターフェロン治療計画料を算定する専門医療機関において作成された治療計画に基づいて行った診療の状況を示す文書を添えて、当該専門医療機関に対して当該患者の紹介を行った場合に算定する。

B010 診療情報提供料(Ⅱ)

(1) 診療情報提供料(Ⅱ)は、診療を担う医師以外の医師による助言(セカンド・オピニオン)を得ることを推進するものとして、診療を担う医師がセカンド・オピニオンを求める患者又はその家族からの申し出に基づき、治療計画、検査結果、画像診断に係る画像情報等、他の医師が当該患者の診療方針について助言を行うために必要かつ適切な情報を添付した診療状況を示す文書を患者又はその家族に提供した場合に算定できるものである。なお、入院中の患者に対して当該情報を提供した場合であっても算定できるものである。

(2) 診療情報提供料(Ⅱ)は、患者又はその家族からの申し出に基づき、診療に関する情報を患者に交付し、当該患者又はその家族が診療を担う医師及び当該保険医療機関に所属する医師以外の医師による助言を求めるための支援を行うことを評価したものであり、医師が別の保険医療機関での診療の必要性を認め、患者の同意を得て行う区分番号「B009」診療情報提供料(Ⅰ)を算定すべき診療情報の提供とは明確に区別されるべきものであること。

(3) 診療情報提供料(Ⅱ)を算定すべき診療情報の提供に当たっては、患者又はその家族からの希望があった旨を診療録に記載する。

(4) 助言を受けた患者又はその家族の希望については、その後の治療計画に十分に反映させるものであること。

B011―3 薬剤情報提供料

(1) 薬剤情報提供料は入院中の患者以外の患者に対して、処方した薬剤の名称(一般名又は商品名)、用法、用量、効能、効果、副作用及び相互作用に関する主な情報を、当該処方に係る全ての薬剤について、文書(薬袋等に記載されている場合も含む。)により提供した場合に月1回に限り所定点数を算定する。

(2) 「注1」に規定する場合において、さらに、当該患者の求めに応じて薬剤服用歴が経時的に管理できる手帳に、処方した薬剤の名称(一般名又は商品名)、保険医療機関名及び処方年月日を記載した場合には、月1回に限り「注2」に規定する手帳記載加算を算定できる。なお、この場合の「手帳」とは、経時的に薬剤の記録が記入でき、かつ次のアからウに掲げる事項を記録する欄がある薬剤の記録用の手帳をいう。

ア 患者の氏名、生年月日、連絡先等患者に関する記録

イ 患者のアレルギー歴、副作用歴等薬物療法の基礎となる記録

ウ 患者の主な既往歴等疾病に関する記録

また、所有している手帳を持参しなかった患者に対して薬剤の名称が記載された簡潔な文書(シール等)を交付した場合は、手帳記載加算を算定できない。

(3) やむを得ない理由により、薬剤の名称に関する情報を提供できない場合は、これに代えて薬剤の形状(色、剤形等)に関する情報を提供することにより算定できる。また、効能、効果、副作用及び相互作用に関する情報については患者が理解しやすい表現であることが必要である。

(4) 同一薬剤であっても、投与目的(効能又は効果)が異なる場合には、当該情報を提供すれば薬剤情報提供料を算定できる。また、類似する効能又は効果を有する薬剤への変更の場合にあっても薬剤情報提供料を算定できる。

(5) 処方の内容に変更があった場合については、その都度薬剤情報提供料を算定できる。ただし、薬剤の処方日数のみの変更の場合は、薬剤情報提供料は算定できない。

(6) 複数の診療科を標榜する保険医療機関において、同一日に2以上の診療科で処方された場合であっても、1回のみの算定とする。

(7) 薬剤情報提供料を算定した場合は、薬剤情報を提供した旨を診療録に記載する。

B011―4 医療機器安全管理料

(1) 医療機器安全管理料を算定する保険医療機関においては、医療機器の安全使用のための職員研修を計画的に実施するとともに、医療機器の保守点検に関する計画の策定、保守点検の適切な実施及び医療機器の安全使用のための情報収集等が適切に行われていること。

(2) 医療機器安全管理料1は、医師の指示の下に、生命維持管理装置の安全管理、保守点検及び安全使用を行う臨床工学技士を配置した保険医療機関を評価したものであり、当該保険医療機関において、生命維持管理装置を用いて治療を行った場合に1月に1回に限り算定する。

(3) 生命維持管理装置とは、人工心肺装置及び補助循環装置、人工呼吸器、血液浄化装置(人工腎臓を除く。)、除細動装置及び閉鎖式保育器をいう。

(4) 医療機器安全管理料2は、医師の指示の下に、放射線治療機器の安全管理、保守点検及び安全使用のための精度管理を行う体制を評価したものであり、当該保険医療機関において、照射計画に基づく放射線治療が行われた場合、一連の照射につき当該照射の初日に1回に限り算定する。

(5) 放射線治療機器とは、高エネルギー放射線治療装置(直線加速器)及びガンマナイフ装置をいう。

B012 傷病手当金意見書交付料

(1) 傷病手当金意見書交付料は、医師・歯科医師が労務不能と認め証明した期間ごとにそれぞれ算定できる。

(2) 傷病手当金意見書交付料は、意見書の交付時点において当該被保険者に対し療養の給付を行うべき者に対し請求する。

(3) 傷病手当金を受給できる被保険者が死亡した後に、その遺族等が当該傷病手当金を受給するために意見書の交付を求め、医師・歯科医師が意見書を交付した場合は、当該遺族等に対する療養の給付として請求する。

なお、この場合において、診療報酬明細書の摘要欄に((相続))と表示し、また、傷病名欄には、遺族等が他に療養の給付を受けていない場合は意見書の対象となった傷病名を、他に療養の給付を受けている場合は遺族自身の傷病名と意見書の対象となった傷病名の両方を記載する。

(4) 医師・歯科医師が傷病手当金意見書を被保険者に交付した後に、被保険者が当該意見書を紛失し、再度医師・歯科医師が意見書を交付した場合は、最初の傷病手当金意見書交付料のみを算定する。この場合、2度目の意見書の交付に要する費用は、被保険者の負担とする。

(5) 感染症法第37条の2による医療を受くべき患者に対して、公費負担申請のために必要な診断書の記載を行った場合は、傷病手当金意見書交付料の所定点数の100分の100を、更に被保険者である患者について、この申請手続に協力して保険医療機関が代行した場合は、同じく傷病手当金意見書交付料の所定点数の100分の100を算定できる。なお、感染症法第37条による結核患者の入院に係る感染症法関係の診断書についても所定点数の100分の100を算定できる。

(6) 健康保険法若しくは国民健康保険法に基づく出産育児一時金若しくは出産手当金に係る証明書又は意見書については算定しない。

B013 療養費同意書交付料

(1) 療養費同意書交付料は、医師が療養の給付を行うことが困難であると認めた患者に対し、あん摩・マッサージ、はり及びきゅうの施術に係る同意書又は診断書(以下「同意書等」という。)を交付した場合に算定する。

(2) 初療の日から3月を経過してさらにこれらの施術を受ける必要がある場合において、同意書等を再度交付する場合にも別に算定できる。ただし、同意書等によらず、医師の同意によった場合には算定できない。

(3) 医師が同意書等を交付した後に、被保険者等が当該同意書等を紛失し、再度医師が同意書等を交付した場合は、最初に同意書等を交付した際にのみ算定できる。この場合において、2度目の同意書等の交付に要する費用は、被保険者の負担とする。

B014 退院時薬剤情報管理指導料

(1) 退院時薬剤情報管理指導料は、医薬品の副作用や相互作用、重複投薬を防止するため、患者の入院時に、薬剤服用歴や患者が持参した医薬品等(医薬部外品及びいわゆる健康食品等を含む。)を確認するとともに、入院中に使用した主な薬剤の名称等について、患者の薬剤服用歴が経時的に管理できる手帳(区分番号「B011―3」薬剤情報提供料の(2)に掲げる手帳をいう。以下同じ。)に記載した上で、患者の退院に際して当該患者又はその家族等に対して、退院後の薬剤の服用等に関する必要な指導を行った場合に、退院の日1回に限り算定する。なお、ここでいう退院とは、第1章第2部通則5に規定する入院期間が通算される入院における退院のことをいい、入院期間が通算される再入院に係る退院日には算定できない。

(2) 入院時に、医薬品の服用状況及び薬剤服用歴を手帳等により確認するとともに、患者が、医薬品等を持参している場合には、当該医薬品等について実際に確認し、その名称等及び確認した結果の要点を診療録に記載する。

(3) 入院中に使用した薬剤のうち、どの薬剤について手帳に記載するかは、患者の病態や使用する薬剤の種類によるが、少なくとも、退院直前(概ね退院前1週間以内)に使用した薬剤及び入院中に副作用が発現した薬剤については記載する。副作用が発現した薬剤については、投与量、当該副作用の概要、投与継続の有無を含む講じた措置、転帰等について記載する。

(4) 患者の退院に際して、当該患者又はその家族等に、退院後の薬剤の服用等に関する必要な指導(保険医療機関を受診する際や保険薬局に処方せんを提出する際に、手帳を提示する旨の指導を含む。)を行うとともに、退院後の療養を担う保険医療機関での投薬又は保険薬局での調剤に必要な服薬の状況及び投薬上の工夫に関する情報について、手帳に記載すること。なお、指導の要点についても、分かりやすく手帳に記載し、必要に応じて退院時の処方に係る薬剤の情報を文書で提供すること。

(5) 手帳を所有している患者については、原則として、退院時までに家族等に持参してもらうこととするが、持参できない場合には、必要な情報が記載された簡潔な文書(シール等)を交付し、所有している手帳に貼付するよう、患者に対して指導を行った場合又は新たに手帳を発行した場合でも算定できる。

(6) 退院時薬剤情報管理指導料を算定した場合は、薬剤情報を提供した旨及び提供した情報並びに指導した内容の要点を診療録に記載する。なお、区分番号「B008」薬剤管理指導料を算定している患者の場合にあっては、薬剤管理指導記録に記載することで差し支えない。

(7) 死亡退院の場合は算定できない。

第2部 在宅医療

<通則>

在宅医療の費用は、第1節在宅患者診療・指導料、第2節在宅療養指導管理料第1款在宅療養指導管理料、第2節在宅療養指導管理料第2款在宅療養指導管理材料加算、第3節薬剤料及び第4節特定保険医療材料料に掲げる所定点数を合算した点数により算定する。

第1節 在宅患者診療・指導料

1 保険医療機関は、同一の患者について、区分番号「C000」往診料、区分番号「C001」在宅患者訪問診療料、区分番号「C005」在宅患者訪問看護・指導料、区分番号「C005―1―2」同一建物居住者訪問看護・指導料、区分番号「C006」在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料、区分番号「C008」在宅患者訪問薬剤管理指導料、区分番号「C009」在宅患者訪問栄養食事指導料又は区分番号「I012」精神科訪問看護・指導料(以下この部において「訪問診療料等」という。)のうち、いずれか1つを算定した日においては、他のものを算定できない。

ただし、在宅患者訪問診療等を行った後、患者の病状の急変等により、往診を行った場合の往診料の算定については、この限りではない。

2 一の保険医療機関が訪問診療料等のいずれか1つを算定した日については、当該保険医療機関と特別の関係にある他の保険医療機関は訪問診療料等を算定できない。

ただし、訪問診療等を行った後、患者の病状の急変等により、往診を行った場合の往診料の算定については、この限りではない。

3 保険医療機関と特別の関係にある訪問看護ステーションが、当該保険医療機関の医師から訪問看護指示書の交付を受けた患者について、訪問看護療養費を算定した日においては、当該保険医療機関は訪問診療料等を算定できない。

ただし、当該訪問看護を行った後、患者の病状の急変等により、往診を行った場合の往診料の算定については、この限りではない。

4 在宅療養支援診療所とは、地域における患者の在宅療養の提供に主たる責任を有するものであり、患者からの連絡を一元的に当該診療所で受けるとともに、患者の診療情報を集約する等の機能を果たす必要があること。このため、以下の要件のいずれにも該当し、緊急時の連絡体制及び24時間往診できる体制等を確保しなければならない。

ア 当該診療所において、24時間連絡を受ける医師又は看護職員(以下この部において「連絡担当者」という。)をあらかじめ指定するとともに、連絡担当者及び連絡担当者と直接連絡がとれる連絡先電話番号等、緊急時の注意事項等について、事前に患者又はその看護を行う家族に対して説明の上、文書により提供し、診療録にその写しを添付すること。なお、曜日、時間帯ごとに担当者が異なる場合には、それぞれ曜日、時間帯ごとの担当者及び当該担当者と直接連絡がとれる連絡先電話番号等を文書上に明示すること。

イ 当該診療所において、又は別の保険医療機関(特別の関係にあるものを含む。)の保険医との連携により、患家の求めに応じて、24時間往診が可能な体制を確保し、往診担当医の氏名、担当日等を文書により患家に提供し診療録に添付すること。

ウ 当該診療所において、又は別の保険医療機関(特別の関係にあるものを含む。)の医師若しくは看護師又は訪問看護ステーション(特別の関係にあるものを含む。)の看護師等との連携により、患家の求めに応じて、当該診療所の保険医の指示に基づき、24時間訪問看護の提供が可能な体制を確保し、訪問看護の担当者の氏名、担当日等を文書により患家に提供し、診療録にその写しを添付すること。

エ 当該診療所において、又は別の保険医療機関(特別の関係にあるものを含む。)との連携により、緊急時に在宅での療養を行っている患者が入院できる病床を常に確保し、受入医療機関の名称等をあらかじめ地方厚生(支)局長に届け出ていること。

オ 他の保険医療機関(特別の関係にあるものを含む。)又は訪問看護ステーション(特別の関係にあるものを含む。)と連携する場合には、連携する保険医療機関(特別の関係にあるものを含む。)又は訪問看護ステーション(特別の関係にあるものを含む。)(以下この部において「連携保険医療機関等」という。)において緊急時に円滑な対応ができるよう、あらかじめ患家の同意を得て、当該患者の病状、治療計画、直近の診療内容等緊急の対応に必要な診療情報を連携保険医療機関等に文書(電子媒体を含む。)により随時提供し、当該提供した診療情報の写しを当該患者の診療録に添付すること。なお、連携保険医療機関等の保険医又は看護師等との診療情報の共有に際し、当該患者の診療情報の提供を行った場合、これに係る費用は各所定点数に含まれ別に算定できない。

カ 患者に関する診療記録管理を行うにつき必要な体制が整備されていること。

キ 当該地域において、他の保健医療サービス及び福祉サービスとの連携調整を担当する者と連携していること。

ク 年に1回、在宅看取り数等を地方厚生(支)局長に報告していること。

5 連携保険医療機関等の保険医又は看護師等であって、在宅療養支援診療所の保険医の指示により、緊急の往診又は訪問看護を行うものは、患者の診療情報について、あらかじめ在宅療養支援診療所の保険医から提供を受け、緊急時に十分活用できる体制にて保管する必要があること。また、当該緊急の往診又は訪問看護の後には、診療内容等の要点を診療録に記載するとともに、在宅療養支援診療所の保険医が患者の診療情報を集約して管理できるよう、速やかに在宅療養支援診療所の保険医に対し、診療情報の提供を行うこと。なお、在宅療養支援診療所の保険医に対し、連携保険医療機関等から当該患者の診療情報の提供を行った場合の費用は、各所定点数に含まれ別に算定できない。

6 当該患者の病状急変時等に、連携保険医療機関等の保険医又は看護師等が往診又は訪問看護を行った場合には、区分番号「A000」初診料、区分番号「A001」再診料、区分番号「C000」往診料又は区分番号「C005」在宅患者訪問看護・指導料は往診等を行った保険医又は看護師等の属する保険医療機関において算定する。

7 連携保険医療機関等が、在宅療養支援診療所の保険医の指示により往診又は訪問看護を行った場合は、診療報酬明細書の摘要欄に連携する在宅療養支援診療所の名称及び画像1 (2KB)別ウィンドウが開きます
と記載すること。

C000 往診料

(1) 往診料は、患家の求めに応じて患家に赴き診療を行った場合に算定できるものであり、定期的ないし計画的に患家又は他の保険医療機関に赴いて診療を行った場合には算定できない。

(2) 緊急往診加算は、保険医療機関において、標榜時間内であって、入院中の患者以外の患者に対して診療に従事している時に、患者又は現にその看護に当たっている者から緊急に求められて往診を行った場合に算定する。

(3) 「注1」に規定する「別に厚生労働大臣が定める時間」とは、保険医療機関において専ら診療に従事している時間であって、概ね午前8時から午後1時までの間とする。

(4) 「注1」の加算の対象となる緊急な場合とは、患者又は現にその看護に当たっている者からの訴えにより、速やかに往診しなければならないと判断した場合をいい、具体的には、急性心筋梗塞、脳血管障害、急性腹症等が予想される場合をいう。

(5) 「注1」における所定点数とは、往診料に「注2」及び「注4」における加算点数を合算した点数をいう。

(6) 夜間(深夜を除く。)とは概ね午後6時から翌日の午前6時まで、又は午後7時から翌日の午前7時までのように、12時間を標準として各都道府県において統一的取扱いをすることとし、深夜の取扱いについては、午後10時から午前6時までとする。

(7) 「注1」ただし書の加算については、往診及び訪問看護により24時間対応できる体制等を確保し、在宅での療養を行っている患者の療養を担う保険医及び連絡担当者の氏名、連絡先電話番号等、担当日、緊急時の注意事項等並びに往診担当医及び訪問看護担当者の氏名等について、文書により提供している患者に限り、算定できる。

(8) 「注2」における診療時間とは、実際に診療に当たっている時間をいう。交通機関の都合その他診療の必要以外の事由によって患家に滞在又は宿泊した場合においては、その患家滞在の時間については、診療時間に算入しない。

(9) 同一の患家又は有料老人ホーム等であって、その形態から当該ホーム全体を同一の患家とみなすことが適当であるものにおいて、2人以上の患者を診療した場合は、2人目以降の患者については往診料を算定せず、区分番号「A000」初診料又は区分番号「A001」再診料若しくは区分番号「A002」外来診療料及び第2章特掲診療料のみを算定する。この場合において、2人目以降のそれぞれの患者の診療に要した時間が1時間を超えた場合は、その旨を診療報酬明細書の摘要欄に記載し、往診料の「注2」に規定する加算を算定する。

(10) 往診又は訪問診療を行った後に、患者又はその家族等が単に薬剤を取りに医療機関に来た場合は、再診料又は外来診療料は算定できない。

(11) 「注3」に規定する加算は、患者が在宅で死亡した場合であって、死亡日に往診を行い、死亡診断を行った場合に算定する。

(12) 保険医療機関の所在地と患家の所在地との距離が16キロメートルを超える往診については、当該保険医療機関からの往診を必要とする絶対的な理由がある場合に認められるものであって、この場合の往診料の算定については、16キロメートル以内の場合と同様、本区分及び「注1」、「注2」、「注3」により算定する。この絶対的に必要であるという根拠がなく、特に患家の希望により16キロメートルを超える往診をした場合の往診料は保険診療としては算定が認められないことから、患者負担とする。この場合において、「保険医療機関の所在地と患家の所在地との距離が16キロメートルを超えた場合」とは、当該保険医療機関を中心とする半径16キロメートルの圏域の外側に患家が所在する場合をいう。

(13) (12)にかかわらず、往診距離が片道16キロメートルを超えて又は海路によりアの適用地域に往診した場合であって、イの各号の一に該当する特殊の事情があったときの往診料は、ウの算定方法によって算定する。

ア 適用地域

次の各号の一に該当する地域であって、イに掲げる特殊の事情のいずれかが一般的に存するものについて、地方厚生(支)局長が厚生労働大臣の承認を得て指定した地域とする。

なお、指定地域が指定要件を欠くに至ったときは、当局に内議のうえ、すみやかに地域の指定を取り消すものとする。

i 医療機関のない島の地域又は通例路程の大部分を海路による以外に往診することが困難な事情にある地域であって医療機関のないもの。(以下「1号地域」という。地域の単位は、原則として、島、部落又は小字とする。)

ii 1号地域以外の地域であって、最寄りの医療機関からの往診距離が片道16キロメートルを超えるもの。(以下「2号地域」という。地域の単位は、原則として、部落又は小字とする。)

イ 特殊の事情

i 定期に航行する船舶がないか、又は定期に航行する船舶があっても航行回数がきわめて少ないか、若しくは航行に長時間を要すること。

ii 海上の状態や気象条件がきわめて悪いため、又は航路に暗礁が散在するため、若しくは流氷等のため航行に危険が伴うこと。

iii 冬期積雪の期間通常の車両の運行が不能のため往診に相当長時間を要する事情にあること、又は道路事情がきわめて悪く、相当の路程を徒歩によらなければならないため、往診に相当長時間を要する事情にあること。

ウ 算定方法

往診料の項に定める算定方法に準じて算定した点数(650点に「注1」、「注2」又は「注3」による点数を加算した点数)に、次の点数(1号地域については次のiの(イ)及び(ロ)により算出した点数、2号地域については、次のiiにより算出した点数)を加算する。

i 1号地域に対する往診の場合

(イ) 波浪時(波浪注意報の出ていたとき又は波浪により通常の航海時間の概ね1.5倍以上を要したときとする。)であった海路につき海路距離が片道1キロメートル又はその端数を増すごとに所定点数に「注2」に規定する点数の100分の150を加算した点数。(往復の場合は100分の200、片道の場合は100分の100とする。)

(ロ) 適用地域における往診に必要とした滞在時間(島に上陸したときから離島するまでの時間)については30分又はその端数を増すごとに100点を加算する方法で算出した点数の100分の200に相当する点数。

ii 2号地域に対する往診の場合

往診のため保険医が当該保険医療機関を出発してから帰院するまでの往診時間について、30分又はその端数を増すごとに100点を加算する方法で算出した点数の100分の300に相当する点数。

(14) 保険医療機関の所在地と患家の所在地との距離が16キロメートル以上の地域に居住する保険医に対して在宅での療養を行う患者の診療を担う保険医が往診による対診を求めることができるのは、患家の所在地から半径16キロメートル以内に患家の求める診療に専門的に対応できる保険医療機関が存在しない場合や、患家の求める診療に専門的に対応できる保険医療機関が存在していても当該保険医療機関が往診等を行っていない場合などのやむを得ない絶対的理由のある場合に限られるものである。

(15) 「注5」に規定する交通費は実費とする。

(16) 交通費には自家用車による費用を含む。

(17) 自転車、スクーター等の費用は往診料に含まれているので前項は適用されず、したがって「注5」に規定する患家の負担となる交通費には該当しない。

(18) 往診を求められて患家へ赴いたが、既に他医に受診していたため、診察を行わないで帰った場合の往診料は、療養の給付の対象としない扱いとする。したがって患者負担とする。

(19) 特定の被保険者の求めに応ずるのではなく、保険診療を行う目的をもって定期又は不定期に事業所へ赴き、被保険者(患者)を診療する場合は、往診料として取り扱うことは認められない。

(20) 数事業所の衛生管理医をしている保険医が、衛生管理医として毎日又は定期的に事業所に赴いた(巡回)際、当該事業所において常態として診療を行う場合は、(19)と同様である。

(21) 同一保険医が2か所の保険医療機関を開設している場合の往診料は、往診の依頼を受けた医療機関を起点とするのではなく、当該保険医が患家に赴くために出発した保険医療機関から患家までの距離により算定する。

(22) 定期的又は計画的に行われる対診の場合は往診料を算定できない。

C001 在宅患者訪問診療料

(1) 在宅患者訪問診療料は、在宅での療養を行っている患者であって、疾病、傷病のために通院による療養が困難な者に対して定期的に訪問して診療を行った場合の評価であることから、継続的な診療の必要のない者や通院が容易な者に対して安易に算定してはならない。

(2) 在宅での療養を行っている患者とは、保険医療機関、介護老人保健施設で療養を行っている患者以外の患者をいうこと。

ただし、「要介護被保険者等である患者について療養に要する費用の額を算定できる場合」(平成20年厚生労働省告示第128号)、「特別養護老人ホーム等における療養の給付の取扱いについて」(平成18年3月31日保医発第0331002号)等(以下「給付調整告示等」という。)に規定する場合を除き、医師の配置が義務づけられている施設に入所している患者については算定の対象としない。

(3) 「2」の「同一建物居住者の場合」は、同一建物居住者に対して保険医療機関の保険医が同一日に訪問診療を行う場合に、患者1人につき所定点数を算定する。同一建物居住者とは、基本的には、建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第1号に掲げる建築物に居住する複数の者のことをいうが、具体的には、例えば以下のような患者のことをいう。

ア 老人福祉法(昭和38年法律第133号)第20条の4に規定する養護老人ホーム、老人福祉法第20条の6に規定する軽費老人ホーム、老人福祉法第29条第1項に規定する有料老人ホーム、老人福祉法第20条の5に規定する特別養護老人ホーム、マンションなどの集合住宅等に入居又は入所している複数の患者

イ 介護保険法第8条第9項に規定する短期入所生活介護、介護保険法第8条第17項に規定する小規模多機能型居宅介護(指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準第63条第5項に規定する宿泊サービスに限る。)、介護保険法第8条第18項に規定する認知症対応型共同生活介護、介護保険法第8条の2第9項に規定する介護予防短期入所生活介護、介護保険法第8条の2第16項に規定する介護予防小規模多機能型居宅介護(指定地域密着型介護予防サービスの事業の人員、設備及び運営並びに指定地域密着型介護予防サービスに係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準(平成18年厚生労働省令第36号)第44条第5項に規定する宿泊サービスに限る。)、介護保険法第8条の2第17項に規定する介護予防認知症対応型共同生活介護などのサービスを受けている複数の患者

(4) 保険医療機関の保険医が、同一建物に居住する当該患者1人のみに対し訪問診療を行う場合は、「1」の同一建物居住者以外の場合の所定点数を算定する。

(5) 同居する同一世帯の複数の患者に対して診察をした場合など、同一の患家において2人以上の患者を診療した場合には、(3)の規定にかかわらず、1人目は、「1」の「同一建物居住者以外の場合」を算定し、2人目以降の患者については、区分番号「A000」初診料又は区分番号「A001」再診料若しくは区分番号「A002」外来診療料及び第2章特掲診療料のみを算定する。この場合において、2人目の患者の診療に要した時間が1時間を超えた場合は、その旨を診療報酬明細書の摘要欄に記載し、在宅患者訪問診療料の「注4」に規定する加算を算定する。

(6) 在宅患者訪問診療料は、1人の患者に対して1つの保険医療機関の保険医の指導管理の下に継続的に行われる訪問診療について、1日につき1回に限り算定するが、区分番号「A000」初診料を算定した初診の日には算定できない。

(7) 在宅患者訪問診療料の算定は週3回を限度とするが、次に掲げる患者についてはこの限りでない。

【厚生労働大臣が定める疾病等の患者】

末期の悪性腫瘍、多発性硬化症、重症筋無力症、スモン、筋萎縮性側索硬化症、脊髄小脳変性症、ハンチントン病、進行性筋ジストロフィー症、パーキンソン病関連疾患(進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、パーキンソン病(ホーエン・ヤールの重症度分類がステージ3以上かつ生活機能障害度がⅡ度又はⅢ度のものに限る。))、多系統萎縮症(線条体黒質変性症、オリーブ橋小脳萎縮症、シャイ・ドレーガー症候群)、プリオン病、亜急性硬化性全脳炎、ライソゾーム病、副腎白質ジストロフィー、脊髄性筋萎縮症、球脊髄性筋萎縮症、慢性炎症性脱髄性多発神経炎、後天性免疫不全症候群若しくは頸髄損傷の患者又は人工呼吸器を装着している患者

(8) 診療に基づき患者の病状の急性増悪、終末期等により一時的に週4回以上の頻回な訪問診療の必要を認め、当該患者の病状に基づいた訪問診療の計画を定め、当該計画に基づいて患家を定期的に訪問し、診療を行った場合には、

ア 当該訪問診療が必要な旨

イ 当該訪問診療の必要を認めた日

ウ 当該訪問診療を行った日

を診療報酬明細書に付記することにより、1月に1回に限り、当該診療を行った日から14日以内について14日を限度として算定することができる。

(9) 定期的・計画的な訪問診療を行っている期間における緊急の場合の往診の費用の算定については、在宅患者訪問診療料は算定せず、往診料及び再診料又は外来診療料を算定する。ただし、当該緊急往診を必要とした症状が治まったことを在宅での療養を行っている患者の療養を担う保険医が判断した以降の定期的訪問診療については、在宅患者訪問診療料の算定対象とする。

(10) 訪問診療の計画及び診療内容の要点を診療録に記載する。

(11) 「注3」に規定する乳幼児加算又は幼児加算は、3歳未満の乳幼児又は3歳以上6歳未満の幼児に対して訪問診療を実施した場合に、1日につき1回に限り算定できるものとする。

(12) 「注5」に規定する在宅ターミナルケア加算は、死亡日前14日以内に2回以上往診又は訪問診療を行った患者が、在宅で死亡した場合(往診又は訪問診療を行った後、24時間以内に在宅以外で死亡した場合を含む。)に算定する。この場合、診療内容の要点等を診療録に記載すること。

(13) 「注5」のただし書に規定する在宅療養支援診療所若しくは在宅療養支援診療所と連携する保険医療機関(特別の関係にある保険医療機関を含む。)又は在宅療養支援病院に係る加算については、(12)の要件に加えて、在宅療養支援診療所若しくは在宅療養支援診療所と連携する保険医療機関(特別の関係にある保険医療機関を含む。)又は在宅療養支援病院の保険医が、在宅での療養を行っている患者(往診及び訪問看護により24時間対応できる体制を確保し、在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院の連絡担当者の氏名、連絡先電話番号等、担当日、緊急時の注意事項等並びに往診担当医及び訪問看護担当者の氏名等について、文書により提供している患者に限る。)が在宅で死亡した場合(往診又は訪問診療を行った後、24時間以内に在宅以外で死亡した場合を含む。)であって、死亡日に往診又は訪問診療を行い、当該患者の死亡診断を行った場合に算定する。この場合、診療内容の要点等を当該患者の診療録に記載すること。

(14) 「注6」に規定する加算は、在宅での療養を行っている患者が在宅で死亡した場合であって、死亡日に往診又は訪問診療を行い、死亡診断を行った場合に算定する。ただし、「注5」のただし書に規定する加算には、死亡診断に係る費用が含まれており、「注6」に規定する加算は別に算定できない。

(15) 患家における診療時間が1時間を超える場合の加算の算定方法、保険医療機関の所在地と患家の所在地との距離が16キロメートルを超えた場合又は海路による訪問診療を行った場合であって特殊な事情があった場合の在宅患者訪問診療料の算定方法及び訪問診療に要した交通費の取扱いは、往診料における取扱いの例による。

(16) 往診の日又はその翌日に行う訪問診療の費用については、算定できない。ただし、在宅療養支援診療所若しくは在宅療養支援診療所と連携する保険医療機関(特別の関係にある保険医療機関を含む。)又は在宅療養支援病院の保険医が、往診及び訪問看護により24時間対応できる体制を確保し、在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院の連絡担当者の氏名、連絡先電話番号等、担当日、緊急時の注意事項等並びに往診担当医及び訪問看護担当者の氏名等について、文書により提供している患者に対して、往診を行った場合はこの限りではない。

(17) 「注9」に規定する交通費は実費とする。

C002 在宅時医学総合管理料、C002―2 特定施設入居時等医学総合管理料

(1) 在宅時医学総合管理料又は特定施設入居時等医学総合管理料は、在宅での療養を行っている患者に対するかかりつけ医機能の確立及び在宅での療養の推進を図るものである。

(2) 在宅時医学総合管理料の対象患者は、在宅での療養を行っている患者であって、通院困難な者である。((3)で規定する特定施設入居時等医学総合管理料の対象患者を除く。)

(3) 特定施設入居時等医学総合管理料の対象患者は、医師又は看護師の配置が義務づけられている施設において療養を行っている次に掲げる特定施設入居者等である患者であって、通院困難な者である。なお、特定施設入居時等医学総合管理料の算定の対象となる患者は、給付調整告示等の規定によるものとする。

ア 次に掲げるいずれかの施設において療養を行っている患者

(イ) 養護老人ホーム((ニ)に規定する施設を除く。)

(ロ) 軽費老人ホーム(「軽費老人ホームの設備及び運営について」(昭和47年2月26日厚生省社会局長通知)第二に規定するA型のものに限り、(ニ)に規定する施設を除く。)

(ハ) 特別養護老人ホーム

(ニ) 特定施設(指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準第174条第1項に規定する指定特定施設、指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準第109条第1項に規定する指定地域密着型特定施設及び指定介護予防サービス等の事業の人員、設備及び運営並びに指定介護予防サービス等に係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準第230条第1項に規定する指定介護予防特定施設に限り、外部サービス利用型指定特定施設入居者生活介護及び外部サービス利用型指定介護予防特定施設生活介護を受けている患者が入居する施設を除く。)

イ 次に掲げるいずれかのサービスを受けている患者

(イ) 短期入所生活介護

(ロ) 介護予防短期入所生活介護

(4) 在宅時医学総合管理料又は特定施設入居時等医学総合管理料は、別に厚生労働大臣の定める施設基準に適合しているものとして地方厚生(支)局長に届け出た保険医療機関の保険医が、在宅療養計画に基づき月2回以上継続して訪問診療(往診を含む。ただし、区分番号「A000」初診料を算定する往診は除く。)を行った場合に月1回に限り算定する。

「1」については、在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院の保険医が、往診及び訪問看護により24時間対応できる体制を確保し、在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院の連絡担当者の氏名、連絡先電話番号等、担当日、緊急時の注意事項等並びに往診担当医及び訪問看護担当者の氏名等について、文書により提供している患者に限り、在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院において算定し、在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院の保険医が、当該患者以外の患者に対し、月2回以上継続して訪問した場合には、「2」を算定する。

(5) 個別の患者ごとに総合的な在宅療養計画を作成し、その内容を患者、家族及びその看護に当たる者等に対して説明し、在宅療養計画及び説明の要点等を診療録に記載すること。

(6) 他の保健医療サービス又は福祉サービスとの連携に努めること。

(7) 当該患者が診療科の異なる他の保険医療機関を受診する場合には、診療の状況を示す文書を当該保険医療機関に交付する等十分な連携を図るよう努めること。

(8) 当該保険医療機関以外の保険医療機関が、当該患者に対して診療を行おうとする場合には、当該患者等に対し照会等を行うことにより、他の保険医療機関における在宅時医学総合管理料又は特定施設入居時等医学総合管理料の算定の有無を確認すること。

(9) 当該患者について在宅時医学総合管理料又は特定施設入居時等医学総合管理料が算定されている月において、区分番号「B000」特定疾患療養管理料、区分番号「B001」の「5」小児科療養指導料、同区分番号の「7」難病外来指導管理料、同区分番号の「8」皮膚科特定疾患指導管理料、同区分番号の「18」小児悪性腫瘍患者指導管理料及び区分番号「C109」在宅寝たきり患者処置指導管理料は所定点数に含まれ、別に算定できない。

(10) 当該点数を算定した月において、当該点数を算定する保険医療機関の外来を受診した場合においても第5部投薬の費用は算定できない。

(11) 1つの患家に在宅時医学総合管理料又は特定施設入居時等医学総合管理料の対象となる患者が2人以上いる場合の在宅時医学総合管理料又は特定施設入居時等医学総合管理料は、患者ごとに算定すること。

(12) 同一月内において院外処方せんを交付した訪問診療と院外処方せんを交付しない訪問診療とが行われた場合は、当該月の算定は在宅時医学総合管理料又は特定施設入居時等医学総合管理料の「イ」(院外処方せんを交付する場合)で算定するものであること。

(13) 在宅時医学総合管理料又は特定施設入居時等医学総合管理料の「1」の「イ」又は「2」の「イ」を算定する保険医療機関において投与期間が30日を超える薬剤を含む院外処方せんを交付した場合は、その投与期間に係る在宅時医学総合管理料又は特定施設入居時等医学総合管理料の算定に当たっては、在宅時医学総合管理料又は特定施設入居時等医学総合管理料の「1」の「イ」又は「2」の「イ」で算定するものであること。

(14) 在宅時医学総合管理料又は特定施設入居時等医学総合管理料は、当該患者に対して主として診療を行っている保険医が属する1つの保険医療機関において算定するものであること。

(15) 区分番号「C003」在宅末期医療総合診療料を算定した日の属する月にあっては、在宅時医学総合管理料又は特定施設入居時等医学総合管理料は算定できないものであること。

(16) 「注3」に規定する在宅移行早期加算は、退院後に在宅において療養を始めた患者であって、訪問診療を行うものに対し、在宅時医学総合管理料又は特定施設入居時等医学総合管理料の算定開始月から3月を限度として、1月1回に限り所定点数に加算する。

(17) 在宅移行早期加算は、退院から1年を経過した患者に対しては算定できない。ただし、在宅移行早期加算を既に算定した患者が再度入院し、その後退院した場合にあっては、新たに3月を限度として、月1回に限り所定点数に加算できるものとする。

(18) 「注4」に係る加算は、特掲診療料の施設基準等別表第三の一の二に掲げる患者に対し、月4回以上の往診又は訪問診療を行い、必要な医学管理を行っている場合に重症者加算として算定する。

(19) 別に厚生労働大臣が定める状態等のうち、特掲診療料の施設基準等別表第三の一の二第三号に掲げる「高度な指導管理を必要とするもの」とは、別表第三の一の二第二号のイに掲げる指導管理を2つ以上行っているものをいう。

(20) 算定対象となる患者が入居又は入所する施設と特別の関係にある保険医療機関においても、算定できる。

C003 在宅末期医療総合診療料

(1) 在宅末期医療総合診療料は、別に厚生労働大臣の定める施設基準に適合しているものとして地方厚生(支)局長に届け出た保険医療機関である在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院が、在宅での療養を行っている通院が困難な末期の悪性腫瘍の患者(医師又は看護師等の配置が義務付けられている施設に入居又は入所している患者(給付調整告示等に規定する場合を除く。)の場合を除く。)であって、往診及び訪問看護により24時間対応できる体制を確保し、在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院の連絡担当者の氏名、連絡先電話番号等、担当日、緊急時の注意事項等並びに往診担当医及び訪問看護担当者の氏名等について、文書により提供しているものに対して、計画的な医学管理の下に、次に掲げる基準のいずれにも該当する総合的な医療を提供した場合に、1週間(日曜日から土曜日の暦週をいう。本項において同じ。)を単位として当該基準を全て満たした日に算定する。

ア 当該患者に対し、訪問診療又は訪問看護を行う日が合わせて週4日以上であること。(同一日において訪問診療及び訪問看護を行った場合であっても1日とする。)

イ 訪問診療の回数が週1回以上であること。

ウ 訪問看護の回数が週1回以上であること。

(2) 在宅末期医療総合診療料は、1週間のうちに全ての要件を満たさなかった場合、1週間のうちに在宅医療と入院医療が混在した場合には算定できない。ただし、現に在宅末期医療総合診療料を算定している患者が、当該在宅療養支援診療所又は当該在宅療養支援病院に一時的に入院する場合は、引き続き計画的な医学管理の下に在宅における療養を継続しているものとみなし、当該入院の日も含めた1週間について、(1)のアからウまでの要件を満たす場合には、在宅末期医療総合診療料を算定できるものとする。ただし、この場合には、入院医療に係る費用は別に算定できない。

(3) 在宅療養支援診療所において、連携により必要な体制を確保する場合にあっては、緊急時の往診又は訪問看護を連携保険医療機関等の医師又は看護師等が行うことが有り得ることを予め患者等に説明するとともに、当該患者の病状、治療計画、直近の診療内容等緊急時の対応に必要な診療情報を連携保険医療機関等に文書(電子媒体を含む。)により随時提供し、当該提供した診療情報は当該患者の診療録に添付すること。なお、連携保険医療機関等の保険医又は看護師等との診療情報の共有に際し、当該患者の診療情報の提供を行った場合、これに係る費用は各所定点数に含まれ別に算定できない。

(4) 在宅療養支援診療所と連携保険医療機関等、又は在宅療養支援病院と訪問看護ステーションが共同で訪問看護を行い、又は緊急時の往診体制をとっている場合は、当該患者の訪問看護、往診に係る費用は、在宅末期医療総合診療料を算定する在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院の保険医の属する保険医療機関において一括して算定する。

(5) 連携保険医療機関等又は在宅療養支援病院と連携する訪問看護ステーションが当該患者に訪問看護を行った場合又は当該患者の病状急変時等に連携保険医療機関の保険医が往診を行った場合は、当該連携保険医療機関等又は在宅療養支援病院と連携する訪問看護ステーションは、診療内容等を在宅末期医療総合診療料を算定する在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院の保険医に速やかに報告し、当該保険医は診療内容等の要点を当該患者の診療録に記載する必要がある。ただし、これに係る診療情報提供の費用は所定点数に含まれ別に算定できない。

(6) 在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院は、算定の対象となる患者について、総合的な在宅医療計画を策定し、これに基づいて訪問診療及び訪問看護を積極的に行うとともに、他の保健医療サービス又は福祉サービスとの連携に努めること。なお、在宅末期医療総合診療は、同一の患者に対して継続的に行うことが望ましい。

(7) 在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院が、当該患者に対して診療を行おうとする場合には、当該患者等に対し照会等を行うことにより、他の保険医療機関における在宅末期医療総合診療料の算定の有無を確認すること。

(8) 1週間のうち院外処方せんを交付した日がある場合は、当該1週間分を「1」で算定し、それ以外の場合は「2」で算定する。

なお、当該診療を開始又は終了(死亡による場合を含む。)した週にあって、当該1週間のうちに(1)に掲げる基準を満たした場合には、当該診療の対象となった日数分について算定する。

(9) 「注2」に規定する加算は、在宅での療養を行っている患者が在宅で死亡した場合であって、死亡日に往診又は訪問診療を行い、死亡診断を行った場合に算定する。ただし、(11)のイに基づき、区分番号「C001」在宅患者訪問診療料の「注5」のただし書に規定する加算を算定する場合には、算定できない。

(10) 当該患者の診療に係る費用は、(11)に掲げる費用及び「注2」の加算を除き、全て所定点数に含まれる。ただし、同一月において在宅末期医療総合診療料が算定された日の前日までに算定された検体検査判断料等については、別に算定できる。

(11) 「注3」の特に規定するものとは次の費用であり、当該費用は、要件を満たせば在宅末期医療総合診療料と別に算定できる。

ア 週3回以上の訪問診療を行った場合であって、訪問診療を行わない日に患家の求めに応じて緊急に往診を行った場合の往診料(区分番号「C000」往診料の「注1」及び「注2」の加算を含む。)(ただし、週2回を限度とする。)

イ 区分番号「C001」在宅患者訪問診療料の「注5」に規定する加算(ただし、「注5」本文の加算を算定する場合には、区分番号「C005」在宅患者訪問看護・指導料及び「C005―1―2」同一建物居住者訪問看護・指導料のそれぞれの「注9」の加算、「注5」ただし書の加算を算定する場合には、在宅末期医療総合診療料の「注2」の加算、区分番号「C005」在宅患者訪問看護・指導料及び「C005―1―2」同一建物居住者訪問看護・指導料のそれぞれの「注9」の加算は別に算定できない。なお、在宅療養支援診療所及びその連携保険医療機関が連携して「注5」本文の加算の要件を満たした場合には在宅療養支援診療所が、当該「注5」ただし書の加算の要件を満たした場合については、看取った保険医療機関が診療報酬請求を行い、それぞれの費用の分配は相互の合議に委ねることとする。)

(12) 「注4」に規定する交通費は実費とする。

C004 救急搬送診療料

(1) 救急用の自動車とは、消防法(昭和23年法律第186号)及び消防法施行令(昭和36年政令第37号)に規定する市町村又は都道府県の救急業務を行うための救急隊の救急自動車、並びに道路交通法(昭和35年法律第105号)及び道路交通法施行令(昭和35年政令第270号)に規定する緊急自動車であって当該保険医療機関に属するものをいう。

(2) 救急医療用ヘリコプターを用いた救急医療の確保に関する特別措置法(平成19年法律第103号)第2条に規定する「救急医療用ヘリコプター」により搬送される患者に対して、救急医療用ヘリコプター内において診療を行った場合についても救急搬送診療料を算定することができる。

(3) 診療を継続して提供した場合、区分番号「A000」初診料、区分番号「A001」再診料又は区分番号「A002」外来診療料は、救急搬送の同一日に1回に限り算定する。

(4) 搬送先の保険医療機関の保険医に立会診療を求められた場合は、初診料、再診料又は外来診療料は1回に限り算定し、区分番号「C000」往診料は併せて算定できない。ただし、患者の発生した現場に赴き、診療を行った後、救急用の自動車等に同乗して診療を行った場合は、往診料を併せて算定できる。

(5) 入院患者を他の保険医療機関に搬送した場合、入院基本料を算定した日には救急搬送診療料は算定できない。

(6) 「注2」の加算は、新生児又は6歳未満の乳幼児(新生児を除く。)に対して救急搬送診療料を算定する場合に加算する。

C005 在宅患者訪問看護・指導料、C005―1―2 同一建物居住者訪問看護・指導料

(1) 在宅患者訪問看護・指導料及び同一建物居住者訪問看護・指導料は、在宅での療養を行っている通院困難な患者の病状に基づいて訪問看護・指導計画を作成し、かつ、当該計画に基づき実際に患家を定期的に訪問し、看護及び指導を行った場合に、1日に1回を限度として算定する。ただし、医師又は看護師の配置が義務付けられている施設に入所している患者(給付調整告示等により規定する場合を除く。)については、算定の対象としない。

在宅患者訪問看護・指導料は、在宅での療養を行っている患者(同一建物居住者であるものを除く。)に対して、同一建物居住者訪問看護・指導料は、同一建物居住者であるものに対して算定する。

(2) 在宅患者訪問看護・指導料又は同一建物居住者訪問看護・指導料(以下「在宅患者訪問看護・指導料等」という。)は、訪問看護・指導を実施する保険医療機関において医師による診療のあった日から1月以内に行われた場合に算定する。

ただし、当該患者(患者の病状に特に変化がないものに限る。)に関し、区分番号「C001」在宅患者訪問診療料等を算定すべき訪問診療を行っている保険医療機関が、患者の同意を得て、診療の日から2週間以内に、当該患者に対して継続して訪問看護・指導を行っている別の保険医療機関に対して、診療状況を示す文書を添えて、当該患者に係る療養上必要な情報を提供した場合には、当該診療情報の提供(区分番号「B009」診療情報提供料(Ⅰ)の場合に限る。)を行った保険医療機関において、当該診療情報提供料の基礎となる診療があった日から1月以内に行われた場合に算定する。

(3) 在宅患者訪問看護・指導料等の算定は週3日を限度とするが、厚生労働大臣が定める疾病等の患者については週4日以上算定できる。

【厚生労働大臣が定める疾病等の患者】

末期の悪性腫瘍、多発性硬化症、重症筋無力症、スモン、筋萎縮性側索硬化症、脊髄小脳変性症、ハンチントン病、進行性筋ジストロフィー症、パーキンソン病関連疾患(進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、パーキンソン病(ホーエン・ヤールの重症度分類がステージ3以上かつ生活機能障害度がⅡ度又はⅢ度のものに限る。))、多系統萎縮症(線条体黒質変性症、オリーブ橋小脳萎縮症、シャイ・ドレーガー症候群)、プリオン病、亜急性硬化性全脳炎、ライソゾーム病、副腎白質ジストロフィー、脊髄性筋萎縮症、球脊髄性筋萎縮症、慢性炎症性脱髄性多発神経炎、後天性免疫不全症候群若しくは頸髄損傷の患者又は人工呼吸器を装着している患者

(4) 診療に基づき、患者の病状の急性増悪、終末期等により一時的に週4日以上の頻回の訪問看護が必要であると認められた患者(厚生労働大臣が定める疾病等の患者を除く。)については、月1回(別に厚生労働大臣が定める者については月に2回)に限り、当該診療を行った日から14日以内の期間において、14日を限度として算定できる。

当該患者が介護保険法第62条に規定する要介護被保険者等である場合には、診療録に頻回の訪問看護が必要であると認めた理由及び頻回の訪問看護が必要な期間(ただし14日間以内に限る。)を記載すること。

【厚生労働大臣が定める者】

ア 気管カニューレを使用している状態にある者

イ 真皮を越える褥瘡の状態にある者

(イ) NPUAP(The National Pressure Ulcer Advisory Panel)分類Ⅲ度又はⅣ度

(ロ) DESIGN分類(日本褥瘡学会によるもの)D3、D4又はD5

(5) (3)又は(4)により、週4回以上在宅患者訪問看護・指導料等を算定する場合は、在宅患者訪問看護・指導料等の「1」の「ロ」又は「2」の「ロ」により算定する。

(6) 「1」の助産師による在宅患者訪問看護・指導料の算定の対象となる患者は、在宅での療養を行っている通院困難な妊産婦及び乳幼児であって、疾病等に係る療養上の指導等が必要な患者であり、療養上必要と認められない一般的保健指導を専ら行う場合は算定しない。