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○「身体障害認定基準等の取扱いに関する疑義について」の一部改正について

(平成21年12月24日)

(障企発1224第2号)

(各都道府県・各指定都市・各中核市障害保健福祉主管部(局)長あて厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部企画課長通知)

身体障害認定基準及び身体障害認定要領については、「身体障害者障害程度等級表の解説(身体障害認定基準)の一部改正について」(平成21年12月24日障発1224第2号厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長通知)及び「身体障害認定基準の取扱い(身体障害認定要領)の一部改正について」(平成21年12月24日障企発1224第1号厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部企画課長通知)によりその一部が改正されたところであるが、これに係る疑義に回答するため、下記のとおり「身体障害認定基準等の取扱いに関する疑義について」(平成15年2月27日障企発第0227001号厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部企画課長通知)の一部を改正し、平成22年4月1日から適用することとしたので、留意の上、管下の関係諸機関への周知等その取扱いに遺憾なきよう願いたい。

なお、本通知は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第245条の4第1項の規定に基づく技術的助言(ガイドライン)として位置づけられるものである。

別紙「身体障害認定基準等の取扱いに関する疑義について」に、別添のとおり[肝臓機能障害]を追加する。

(別添)

身体障害認定基準等の取扱いに関する疑義について

質疑

回答

[肝臓機能障害]

 

1.障害となった原因を問わず、認定基準に該当する場合は認定してよいか。

肝炎ウイルスに起因するもの以外であっても、肝臓機能障害として認定する。ただし、アルコールを継続的に摂取することにより障害が生じている場合や悪化している場合は、その摂取を止めれば改善が見込まれることもあるため、一定期間(180日以上)断酒し、その影響を排除した状況における診断・検査結果に基づき認定することを条件とする。

2.すでに肝臓移植を受け、現在抗免疫療法を継続している者が、更生医療の適用の目的から新規に肝臓機能障害として手帳の申請をした場合、申請時点での抗免疫療法の実施状況をもって認定してよいか。

肝臓移植を行ったものは、抗免疫療法の継続を要する期間は、これを実施しないと再び肝臓機能の廃絶の危険性があるため、抗免疫療法を実施しないと仮定した状態を想定し、1級として認定することが適当である。

3.肝臓機能障害で認定を受けていたものが、肝臓移植によって認定している等級の基準に該当しなくなった場合、手帳の返還あるいは再認定等が必要となるのか。

移植後の抗免疫療法を継続実施している間は1級として認定することが規定されており、手帳の返還や等級を下げるための再認定は要しないものと考えられる。

ただし、抗免疫療法を要しなくなった後、改めて認定基準に該当する等級で再認定することは考えられる。

4.Child―Pugh分類による合計点数と3点項目の有無は、第1回と第2回の両方の診断・検査結果が認定基準に該当している必要があるのか。

第1回と第2回の両方の診断・検査において認定基準に該当していることが必要である。

5.肝性脳症や腹水は、どの時点の状態によって診断するのか。

肝性脳症や腹水は、治療による改善が一時的に見られることがあるが、再燃することも多いため、診断時において慢性化してみられる症状を評価する。

6.腹水の評価において、体重が概ね40kg以下の者の基準を別途定めている趣旨は何か。また、薬剤によるコントロール可能なものとはどういう状態を意味するのか。

超音波検査等の検査技術の確立を踏まえ、腹水量の評価は、その容量を原則的な基準として定めているが、小児等の体格が小さい者については、一定の容量によって重症度を評価することが困難であることに配慮したものである。また、薬剤によるコントロールが可能なものとは、利尿剤等の薬剤により、腹水による腹部膨満や呼吸困難等の症状が持続的に軽減可能な状態を意味する。

7.アルコールを180日以上摂取していないことの確認は、アルコール性肝障害以外についても行うのか。

アルコールは、アルコール性肝障害以外であっても悪化要因となることから、180日以上摂取していないことの確認はアルコール性肝障害に限定しない。

8.180日以上アルコールを摂取していないことについて、どのように判断するのか。

病状の推移及び患者の申告から医師が判断する。例として、アルコール摂取に関連する検査数値(γ―GTP値等)や症状の変化、診察時の所見(顔面紅潮、アルコール臭等)等を勘案する。入院等医学的管理下において断酒することにより症状が改善する場合等は、飲酒があったものと判断する。

9.積極的治療を実施とは、どのようなことから判断するのか。

医師の指示に基づき、受診や服薬、生活上の管理を適切に行っているかどうかで判断する。

10.現在のB型肝炎又はC型肝炎ウイルスの持続的感染の確認については、180日以上の間隔をおいた検査を2回実施しなければならないのか。

現在の症状が肝炎ウイルスに起因すると診断されている場合は、すでにウイルスの持続的な感染が確認されているため、直近の1回の検査によって確認されれば現在の持続的感染と判断してよい。

11.現在のB型肝炎又はC型肝炎ウイルスの持続的感染の確認とあるが、他の型のウイルスの感染は対象とはしないのか。

現在確認されている肝炎ウイルスのうち、A型肝炎及びE型肝炎は症状が慢性化することは基本的になく、またD型肝炎ウイルスについてはB型肝炎ウイルスの感染下においてのみ感染するため、B型肝炎とC型肝炎のみを対象としている。今後新たな肝炎ウイルスが確認された場合は、その都度検討する。

12.強い倦怠感、易疲労感、嘔吐、嘔気、有痛性筋けいれんあるいは「1日1時間以上」「月7日以上」等は、どのように解するのか。

外来診察時又は入院回診時、自宅での療養時等において、そのような症状があったことが診療記録等に正確に記載されており、これにより当該項目について確認できるということを想定している。

そのためにも、平素からこれらの症状について、継続的に記録を取っておくことが必要である。