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○角膜移植希望者(レシピエント)選択の標準的な基準について
(平成22年1月14日)
(健発0114第5号)
(各都道府県知事・各指定都市市長・各中核市市長あて厚生労働省健康局長通知)
第171回国会において成立した臓器の移植に関する法律の一部を改正する法律(平成21年法律第83号。以下「改正法」という。)のうち、親族への臓器の優先提供に関する規定は、公布の日から起算して6月を経過した日(平成22年1月17日)から施行されることとなっております。
角膜移植希望者(レシピエント)の選択につきましては、従来より各眼球あっせん機関において適切に行われているところですが、改正法が施行されること等を踏まえ、今般、各眼球あっせん機関における角膜移植希望者(レシピエント)選択の参考となるよう、別紙1「角膜移植希望者(レシピエント)選択の標準的な基準」及びこれを文章化した別紙2「角膜移植希望者(レシピエント)選択の標準的な基準(文章編)」を定めることとしました。
なお、当該標準的な基準に一致しない選択基準であっても、改正法の趣旨も踏まえ角膜移植希望者(レシピエント)の選択を公平かつ適正に行える基準であれば、差し支えないことを申し添えます。
つきましては、貴管下の医療機関等への周知についてよろしくお願いします。
[別紙1]
角膜移植希望者(レシピエント)選択の標準的な基準
1.移植希望者待機リスト
各眼球あっせん機関において、移植希望者の登録順に角膜移植待機リストを作成する。なお、角膜移植希望者が医学的に緊急な角膜の使用を必要とする状態にあるときは、広域あっせんを含めた眼球あっせん機関の間におけるあっせんについても考慮する。
2.優先順位
角膜移植希望者の優先順位は、以下の順に勘案して決定する。
(1) 1眼の提供があった場合
①親族
眼球提供者(ドナー)が親族に対し眼球を優先的に提供する意思を書面により表示している場合であって、その親族(「「臓器の移植に関する法律」の運用に関する指針(ガイドライン)」第2の1に規定する範囲の配偶者、子及び父母)が移植希望者待機リストに登録されているときは、当該親族を優先する。
②医学的に緊急な角膜の使用が必要とされる者
医学的に緊急な角膜の使用が必要とされる状態とは、
・角膜穿孔、角膜潰瘍、角膜感染症
などをいい、各眼球あっせん機関の医学基準委員会等により認められた場合に限る。
③待機期間
待機期間の長い者を優先する。
(2) 2眼の提供があった場合
1眼については(1)に基づき決定する。
もう片眼については、下記の順に勘案して決定する。
①親族
眼球提供者(ドナー)が親族に対し眼球を優先的に提供する意思を書面により表示している場合であって、その親族(「「臓器の移植に関する法律」の運用に関する指針(ガイドライン)」第2の1に規定する範囲の配偶者、子及び父母)が移植希望者待機リストに登録されているときは、当該親族を優先する。
②医学的に緊急な角膜の使用が必要とされる者
医学的に緊急な角膜の使用が必要とされる状態とは、
・ 角膜穿孔、角膜潰瘍、角膜感染症
などをいい、各眼球あっせん機関の医学基準委員会等により認められた場合に限る。
③必要性の高い者
必要性の高い状態とは、
・両眼性の高度の視力低下、両眼又は片眼の疼痛
などをいい、各眼球あっせん機関の医学基準委員会等により認められた場合に限る。
④待機期間
待機期間の長い者を優先する。
3.附則(両眼の移植が必要な者の取扱い)
両眼に対する移植は、片眼移植終了後に改めて移植希望者の登録を行うこととする。ただし、2眼とも医学的に緊急な角膜の使用が必要とされる場合は、この限りでない。
[別紙2]
角膜移植希望者(レシピエント)の選択の標準的な基準(文章編)
1.移植希望者待機リスト
各眼球あっせん機関において、移植希望者の登録順に角膜移植待機リストを作成する。なお、角膜移植希望者が医学的に緊急な角膜の使用を必要とする状態にあるときは、広域あっせんを含めた眼球あっせん機関の間におけるあっせんについても考慮する。
2.優先順位
(1) 1眼の提供があった場合
1眼のみの提供があった場合には、以下の順に優先順位を判断し、移植先を決定する。
まず、眼球提供者(ドナー)が親族に対し眼球を優先的に提供する意思を書面により表示している場合であって、その親族(「「臓器の移植に関する法律」の運用に関する指針(ガイドライン)」第2の1に定められた配偶者、子及び父母)が移植希望者待機リストに登録されているときは、当該親族を優先する。
次に、角膜穿孔、角膜潰瘍、角膜感染症などにより、各眼球あっせん機関の医学基準委員会等における検討の結果、医学的に緊急な角膜の使用が必要であると認められる移植希望者がいる場合には、当該移植希望者を優先する。
以上の者がいない場合には、移植希望者待機リストにおいて待機期間の長い者を優先する。
(2) 2眼の提供があった場合
2眼の提供があり両眼とも移植に適している場合には、1眼は(1)に従って移植先を決定する。
もう片眼は、以下の順に優先順位を判断し、移植先を決定する。
まず、眼球提供者(ドナー)が親族に対し眼球を優先的に提供する意思を書面により表示している場合であって、その親族(「「臓器の移植に関する法律」の運用に関する指針(ガイドライン)」第2の1に定められた配偶者、子及び父母)が移植希望者待機リストに登録されているときは、当該親族を優先する。
次に、角膜穿孔、角膜潰瘍、角膜感染症などにより、各眼球あっせん機関の医学基準委員会等における検討の結果、医学的に緊急な角膜の使用が必要であると認められる移植希望者がいる場合には、当該移植希望者を優先する。
次に、両眼性の高度の視力低下、両眼又は片眼の疼痛などにより、各眼球あっせん機関の医学基準委員会等における検討の結果、角膜の使用の必要性が高いと認められる移植希望者がいる場合には、当該移植希望者を優先する。
以上の者がいない場合には、移植希望者待機リストにおいて待機期間の長い者を優先する。
3.附則(両眼の移植が必要な者の取扱い)
両眼に対する移植は、片眼移植終了後に改めて移植希望者の登録を行うこととする。ただし、両眼とも医学的に緊急な角膜の使用が必要とされる場合は、この限りでない。