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○後期高齢者医療の高額療養費の支給、食事療養標準負担額及び生活療養標準負担額の減額の取扱いについて

(平成21年5月11日)

(保高発第0511002号)

(都道府県後期高齢者医療主管部(局)長あて厚生労働省保険局高齢者医療課長通知)

健康保険法施行令等の一部を改正する政令(平成21年政令第135号)等により高齢者の医療の確保に関する法律施行令(平成19年政令第318号)等の改正が行われ、後期高齢者医療制度における特定疾患治療研究事業の対象となる療養に係る高額療養費の支給の取扱いが改正されたところであるが、その取扱いを含め、標記については、平成21年4月30日保発第0430003号「健康保険法施行令等の一部を改正する政令及び健康保険法施行規則等の一部を改正する省令等の施行について」によるほか、下記の事項に留意するよう貴都道府県の後期高齢者医療広域連合(以下「広域連合」という。)及び貴管内の市町村(特別区を含む。以下同じ。)に周知徹底を図り、その適正な取扱いを期されたい。

なお、本通知は平成21年5月1日から施行することとし、本通知の施行に伴い、平成20年12月3日保総発第1203001号「後期高齢者医療の高額療養費の支給、食事療養標準負担額及び生活療養標準負担額の減額の取扱いについて」は廃止する。

また、この通知においては、高齢者の医療の確保に関する法律施行令を「令」と、高齢者の医療の確保に関する法律施行規則(平成19年厚生労働省令第129号)を「規則」とそれぞれ略称する。

Ⅰ 高額療養費の支給の取扱い

第一 支給要件

1 高額療養費は、次の場合に支給することとされたこと。

(1) 同一の世帯に属する被保険者が、同一の月に受けた療養に係る一部負担金等を合算した額から(2)による75歳の到達月の自己負担限度額の特例による高額療養費又は(3)による外来の高額療養費の支給額を控除した額(以下「一部負担金等世帯合算額」という。)が下記4の世帯負担限度額を超える場合

(2) 月の初日以外の日において75歳に達したことにより被保険者となった者が、75歳の到達月(75歳に達した日以後の期間に限る。)に受けた療養(以下「75歳到達時特例対象療養」という。)に係る一部負担金等を合算した額から(3)による外来の高額療養費の支給額を控除した額(以下「75歳到達月一部負担金等合算額」という。)が下記5の75歳到達月自己負担限度額を超える場合

(3) 被保険者が同一の月に受けた外来療養に係る一部負担金等を合算した額(以下「外来一部負担金等合算額」という。)が下記6の外来自己負担限度額を超える場合

(4) 被保険者(計算期間(毎年8月1日から翌年7月31日までの期間をいう。以下同じ。)の末日において定率1割負担の被保険者に限る。)が計算期間において定率1割負担の被保険者として受けた外来療養に係る一部負担金等を合算した額から下記7の年間の外来自己負担限度額を超える場合

2 1の(1)による高額療養費の支給においては、住民基本台帳上同一の世帯に属する被保険者を同一の世帯に属するものとして取り扱うものであること。

3 高額療養費の支給の基礎となる一部負担金等の額には、特別の療養環境の提供などの選定療養又は先進医療などの評価療養若しくは患者申出療養を受けた場合の差額徴収や食事療養又は生活療養を受けた場合の標準負担額は含まれないものであること。

また、この高額療養費の支給の基礎となる一部負担金等の額については、被保険者ごと、歴月ごと、医療機関等ごとに算定されることとされたこと。

ただし、同一の被保険者が同一の月に同一の医療機関において受けた療養であっても、医科と歯科の療養、外来と入院の療養は、それぞれ別個の医療機関において受けた療養とみなされるものであること。

4 世帯負担限度額は、次のとおりとされたこと。

(1) 一般の被保険者((2)及び(3)に該当する被保険者以外の被保険者をいう。以下同じ。)

57,600円。ただし、その被保険者が当該療養のあった月に属する世帯の被保険者に対して、療養のあった月以前の12月以内に既に1の(1)又は(2)による高額療養費が支給されている月数が3月以上ある場合(以下「多数回該当の場合」という。)には、4月目からは44,400円とする。

(2) 定率3割負担の被保険者(以下「現役並み所得者」という。)

① 課税所得(令第7条第1項に規定する所得の額をいう。以下同じ。)の額が690万円以上のもの(以下「現役並み所得者Ⅲ」という。)

252,600円と、被保険者が受けた療養に要した費用の額(その額が842,000円に満たないときは、842,000円)から842,000円を控除した額に100分の1を乗じて得た額との合算額。ただし、多数回該当の場合には、4月目からは140,100円とする。

② 課税所得の額が380万円以上690万円未満のもの(以下「現役並み所得者Ⅱ」という。)

167,400円と、被保険者が受けた療養に要した費用の額(その額が558,000円に満たないときは、558,000円)から558,000円を控除した額に100分の1を乗じて得た額との合算額。ただし、多数回該当の場合には、4月目からは93,000円とする。

③ 課税所得の額が380万円未満のもの(以下「現役並み所得者Ⅰ」という。)

80,100円と、被保険者が受けた療養に要した費用の額(その額が267,000円に満たないときは、267,000円)から267,000円を控除した額に100分の1を乗じて得た額との合算額。ただし、多数回該当の場合には、4月目からは44,400円とする。

(3) 市町村民税非課税等の世帯に属する被保険者

① 下記②以外のもの(以下「低所得者Ⅱ」という。)

24,600円

② 所得が一定の基準に満たないもの(以下「低所得者Ⅰ」という。)

15,000円

※1 市町村民税非課税等の世帯とは、次のいずれかに該当する世帯であること。

ア その属する世帯の世帯主及びすべての世帯員が、療養のあった月の属する年度(療養のあった月が4月から7月までの場合には、前年度。(2)において同じ。)分の地方税法(昭和25年法律第226号)の規定による市町村民税(同法の規定による特別区民税を含むものとし、同法第328条の規定によって課する所得割を除く。)が課されない者(市町村の条例で定めるところにより当該市町村民税を免除された者を含むものとし、当該市町村民税の賦課期日において同法の施行地に住所を有しないものを除く。)である世帯。

イ その属する世帯の世帯主及びすべての世帯員が、療養のあった月において、生活保護法(昭和25年法律第144号)第6条第2項に規定する要保護者(以下「要保護者」という。)である者であって、高額療養費の支給を受け、規則第35条第1号の規定の適用を受ける者として食事療養標準負担額について減額されたとすれば、保護を必要としない状態となるもの又は規則第40条第1号の規定の適用を受ける者として生活療養標準負担額について減額されたとすれば、保護を必要としない状態となるものである世帯。

※2 市町村民税非課税等の世帯のうち、所得が一定の基準に満たないものとは、次のいずれかに該当する者であること。

ア その属する世帯の世帯主及びすべての世帯員が、療養のあった月の属する年度分の地方税法の規定による市町村民税(特別区民税を含む。)に係る地方税法第313条第1項に規定する総所得金額及び山林所得金額に係る所得税法(昭和40年法律第33号)第2条第1項第22号に規定する各種所得の金額(同法第35条第2項に規定する公的年金等の支給を受ける者については、同条第4項に規定する公的年金等控除額を80万円として同項の規定を適用して算定した総所得金額とする。)並びに他の所得と区分して計算される所得の金額がない者である世帯。

イ その属する世帯の世帯主及びすべての世帯員が、療養のあった月において要保護者である者であって、高額療養費の支給を受け、かつ、規則第35条第2号の規定の適用を受ける者として食事療養標準負担額について減額されたとすれば、保護を必要としない状態となるもの又は規則第40条第2号若しくは第3号の規定の適用を受ける者として生活療養標準負担額について減額されたとすれば、保護を必要としない状態となるものである世帯。

5 75歳到達月自己負担限度額は、次のとおりとされたこと。

(1) 一般の被保険者

28,800円。ただし、多数回該当の場合には、4月目からは22,200円とする。

(2) 現役並み所得者

① 現役並み所得者Ⅲ

126,300円と、被保険者が受けた療養に要した費用の額(その額が421,000円に満たないときは、421,000円)から421,000円を控除した額に100分の1を乗じて得た額との合算額。ただし、多数回該当の場合には、4月目からは70,050円とする。

② 現役並み所得者Ⅱ

83,700円と、被保険者が受けた療養に要した費用の額(その額が279,000円に満たないときは、279,000円)から279,000円を控除した額に100分の1を乗じて得た額との合算額。ただし、多数回該当の場合には、4月目からは46,500円とする。

③ 現役並み所得者Ⅰ

40,050円と、被保険者が受けた療養に要した費用の額(その額が133,500円に満たないときは、133,500円)から133,500円を控除した額に100分の1を乗じて得た額との合算額。ただし、多数回該当の場合には、22,200円とする。

(3) 市町村民税非課税等の世帯に属する被保険者

① 低所得者Ⅱ

12,300円

② 低所得者Ⅰ

7,500円

6 外来自己負担限度額は、次のとおりとされたこと。(ただし、75歳到達時特例対象療養に係る外来自己負担限度額については、それぞれの額に2分の1を乗じて得た額とされたこと。)

(1) 一般の被保険者 18,000円

(2) 市町村民税非課税等の世帯に属する被保険者 8,000円

7 現役並み所得者以外の被保険者に係る年間の外来自己負担限度額は、144,000円とされたこと。

第二 支給額

高額療養費の支給額は、以下のとおりとされたこと。

1 第一の1の(1)により支給される高額療養費

一部負担金等世帯合算額から世帯負担限度額を控除して得た額に被保険者按分率(同一の世帯に属する個々の被保険者に係る一部負担金等を合算した額から75歳の到達月の自己負担限度額の特例による高額療養費又は外来の高額療養費の支給額を控除して得た額(以下「被保険者一部負担金等合算額」という。)を一部負担金等世帯合算額で除して得た率をいう。)を乗じて得た額。

この按分により1円未満の端数が生じる場合においては、一部負担金等世帯合算額から世帯負担限度額を控除して得られる額と、その世帯に属する個々の被保険者に対して支給される高額療養費の額の合計額とが一致するように、その世帯に属する個々の被保険者に対する支給額のうち、最も少額のものの1円未満の端数を切り上げ、その他の支給額の1円未満の端数を切り捨てるものとする。

2 第一の1の(2)により支給される高額療養費

75歳到達月一部負担金等合算額から75歳到達月自己負担限度額を控除した額

3 第一の1の(3)により支給される高額療養費

外来一部負担金等合算額から外来自己負担限度額を控除した額

第三 市町村民税非課税等の世帯に属する老齢福祉年金受給者の取扱い

第一の4の(3)の※1のアの者であって、老齢福祉年金(その全額につき支給が停止されているものを除く。)の受給権を有しているものについては、その者が同一の月に受けた療養に係る被保険者一部負担金等合算額から15,000円を控除した額が、第一の1の(1)によりその者に対して支給されるべき高額療養費の額を超えるときは、第一の1の(1)にかかわらず、当該被保険者一部負担金等合算額から15,000円を控除した額を高額療養費として支給することとされたこと。

第四 高額療養費の支払いに関する特例

1 被保険者が同一の月にそれぞれ一の保険医療機関、保険薬局又は指定訪問看護事業者(以下「医療機関等」という。)について次の療養を受けた場合においては、第一の1により当該被保険者に対し支給すべき高額療養費について、当該被保険者に代わり、当該保険医療機関に支払うものとされたこと。

(1) 入院療養

(2) 外来療養

2 1により支払う高額療養費は、当該療養に係る一部負担金等の額から次の額を控除した額を限度とすることとされたこと。

(1) 入院療養(75歳到達時特例対象療養を除く。)の場合

① 一般の被保険者

57,600円。ただし、多数回該当の場合には、4月目からは44,400円とする。

② 現役並み所得者Ⅲ

252,600円と、被保険者が受けた療養に要した費用の額(その額が842,000円に満たないときは、842,000円)から842,000円を控除した額に100分の1を乗じて得た額との合算額。ただし、多数回該当の場合には、4月目からは140,100円とする。

③ 現役並み所得者Ⅱに該当していることについて広域連合の認定を受けている者

167,400円と、被保険者が受けた療養に要した費用の額(その額が558,000円に満たないときは、558,000円)から558,000円を控除した額に100分の1を乗じて得た額との合算額。ただし、多数回該当の場合には、4月目からは93,000円とする。

④ 現役並み所得者Ⅰに該当していることについて広域連合の認定を受けている者

80,100円と、被保険者が受けた療養に要した費用の額(その額が267,000円に満たないときは、267,000円)から267,000円を控除した額に100分の1を乗じて得た額との合算額。ただし、多数回該当の場合には、4月目からは44,400円とする。

⑤ 低所得者Ⅱに該当していることについて広域連合の認定を受けている者

24,600円

⑥ 低所得者Ⅰに該当していることについて広域連合の認定を受けている者

15,000円

(2) 入院療養(75歳到達時特例対象療養に限る。)の場合

① 一般の被保険者

28,800円。ただし、多数回該当の場合には、4月目からは22,200円とする。

② 現役並み所得者Ⅲ

126,300円と、被保険者が受けた療養に要した費用の額(その額が421,000円に満たないときは、421,000円)から421,000円を控除した額に100分の1を乗じて得た額との合算額。ただし、多数回該当の場合には、4月目からは70,050円とする。

③ 現役並み所得者Ⅱに該当していることについて広域連合の認定を受けている者

83,700円と、被保険者が受けた療養に要した費用の額(その額が279,000円に満たないときは、279,000円)から279,000円を控除した額に100分の1を乗じて得た額との合算額。ただし、多数回該当の場合には、4月目からは46,500円とする。

④ 現役並み所得者Ⅰに該当していることについて広域連合の認定を受けている者

40,050円と、当該入院療養に要した費用の額(その額が133,500円に満たないときは、133,500円)から133,500円を控除した額に100分の1を乗じて得た額との合算額。ただし、多数回該当の場合には、22,200円とする。

⑤ 低所得者Ⅱに該当していることについて広域連合の認定を受けている者

12,300円

⑥ 低所得者Ⅰに該当していることについて広域連合の認定を受けている者

7,500円

(3) 外来療養の場合(ただし、75歳到達時特例対象療養に係る外来自己負担限度額については、それぞれの額に2分の1を乗じて得た額とする。)

① 一般の被保険者 18,000円

② 低所得者Ⅱ又は低所得者Ⅰに該当していることについて広域連合の認定を受けている者 8,000円

(4) 第三の者に該当していることについて広域連合の認定を受けている者

15,000円

第五 限度額適用認定に関する事務取扱

1 限度額適用認定の方法

(1) 広域連合は、被保険者又はその属する世帯の他の世帯員である被保険者に係る課税証明書又は公簿等により、被保険者が現役並み所得者Ⅱ又は現役並み所得者Ⅰに該当していることを確認したときは、有効期限を定めて、限度額適用認定を行わなければならないこと。

(2) なお、広域連合は、被保険者が現役並み所得者Ⅱ又は現役並み所得者Ⅰに該当することを公簿等によって明らかに確認できるときは、添付書類を省略させることができること。

2 限度額適用認定証の交付申請

(1) 限度額適用認定を受けている者が、限度額適用認定証の交付を受けようとするときは、住所地の広域連合に申請書を提出しなければならないこと。

(2) 申請は、被保険者証を提示して行わなければならないこと。

3 限度額適用認定証の交付

(1) 広域連合は、限度額適用認定証の交付を行う場合には、当該限度額適用認定証に限度額適用認定を受けた者の被保険者番号、氏名、住所、生年月日、有効期限等の必要な事項を記載するとともに、適用区分欄に現役並み所得者Ⅱの場合には「現役Ⅱ」と、現役並み所得者Ⅰの場合には「現役Ⅰ」と記載すること。

(2) 限度額適用認定証の発効期日の欄には、申請のあった日の属する月の初日を記載すること。ただし、新たに被保険者となった者については、当該被保険者となった日を記載すること。

(3) 限度額適用認定証の有効期限については、翌年度の7月末日まで(当該認定を行った日の属する月が4月から7月までの場合には、当年度の7月末日まで)とすること。

(4) 限度額適用認定証を交付する際には、交付する者に対し、保険医療機関に入院する際に、当該保険医療機関の窓口で、被保険者証とともに、当該認定証を提示するよう指導すること。

4 その他

死亡、転出、障害不該当等の場合においては、速やかに、限度額適用認定証を回収するものとすること。

第六 限度額適用・標準負担額減額の認定に関する事務取扱

1 限度額適用・標準負担額減額の認定の方法

(1) 広域連合は、被保険者の属する世帯の世帯主及びすべての世帯員に係る次のいずれかの書類又は公簿等により、被保険者が低所得者Ⅱ又は低所得者Ⅰ若しくは第三の者に該当していることを確認したときは、有効期限を定めて、限度額適用・標準負担額減額認定を行わなければならないこと。

① 低所得者Ⅱに該当することについて

・ 市町村民税非課税証明書

・ 福祉事務所長の「限度額適用・標準負担額減額認定該当(Ⅱ)」と記載された保護申請却下通知書若しくは保護廃止決定通知書又はこれらの写しに福祉事務所長が原本証明したもの

② 低所得者Ⅰに該当することについて

・ 市町村民税非課税証明書及び公的年金等源泉徴収票等収入の額を証明する書類

・ 福祉事務所長の「限度額適用・標準負担額減額認定該当(Ⅰ)」と記載された保護申請却下通知書若しくは保護廃止決定通知書又はこれらの写しに福祉事務所長が原本証明したもの

③ 第三の者に該当することについて

・ 市町村民税非課税証明書及び老齢福祉年金支給規則(昭和34年厚生省令第17号)に規定する国民年金証書

(2) なお、広域連合は、被保険者が低所得者Ⅱ又は低所得者Ⅰ若しくは第三の者に該当することを公簿等によって明らかに確認できるときは、添付書類を省略させることができること。

2 限度額適用認定証の取扱いの準用

限度額適用認定・標準負担額適用認定証については、第五の2から4までの取扱いを準用すること。この場合においては、第五の3の(1)中「適用区分欄に現役並み所得者Ⅱの場合には「現役Ⅱ」と、現役並み所得者Ⅰの場合には「現役Ⅰ」と記載すること」とあるのは「適用区分欄に低所得者Ⅱの場合には「区分Ⅱ」と、低所得者Ⅰの場合には「区分Ⅰ」と、第三の者の場合には「区分Ⅰ(老福)」と記載すること。規則第40条第6号に掲げる者である場合には「区分Ⅰ」に加え、「(境)」と記載すること」と読み替えること。

第七 世帯構成の変更がある場合の限度額適用認定及び限度額適用・標準負担額適用認定の事務取扱

世帯の被保険者、世帯主及びその他の世帯員の構成に変更があった場合は、変更後の状況を踏まえ、異動のある被保険者、世帯主又はその他の世帯員が異動前に属していた世帯に属する被保険者及び異動のある被保険者、世帯主又はその他の世帯員が異動後に属する世帯に属する被保険者について、速やかに、第一の4の(1)、(2)の①から③まで並びに(3)の①及び②の区分(以下「所得区分」という。)の判定を行うものであること。

1 事務手順

(1) 世帯構成の変更の事実の把握

被保険者に係る転入・転出・居住地変更・死亡等の届出又は住民基本台帳情報による異動状況の確認など広域連合の実情に応じた仕組みにより、随時被保険者に係る世帯構成の変更の事実の把握に努めること。

(2) 変更後の世帯・所得状況の把握

世帯構成の変更の事実を把握した場合には、次の事項を確認すること。

① 既に所得区分の判定を受けている被保険者の属する変更後の世帯の状況

② 被保険者及びその他の世帯員の所得の状況

(3) 被保険者の負担区分の判定

世帯構成の変更のあった世帯に属する被保険者について所得区分を判定すること。

(4) 限度額適用認定証又は限度額適用・標準負担額減額認定証(以下この第七において「認定証」という。)の作成

(3)による判定の結果、所得区分が変更となる被保険者について、既に認定証の交付を受けている場合は、新たな適用区分を表記した認定証を作成すること。

(5) 認定証の交付及び旧認定証の回収

(4)により作成した認定証を被保険者に交付するとともに、既に交付している認定証を確実に回収すること。交付に際しては、被保険者に対し変更内容の十分な説明に努めること。

2 所得区分の適用及び認定証の取扱い

(1) 他広域連合への転出又は他広域連合からの転入があった場合

① 被保険者がいる既存の世帯に転入した被保険者

ア 所得区分の適用

転入した月は、転入者が新たに属する世帯の月の初日の所得区分を適用することとし、当該世帯の所得区分に変更が生じる場合には、新たな所得区分を翌月の初日から適用すること。

イ 認定証の取扱い

被保険者が認定証の交付を受けているときは、当該世帯の所得区分に変更が生じる場合には翌月以降の新たな適用区分と当月現在の適用区分を、変更がない場合には当該世帯の当月現在の適用区分を明記した認定証を速やかに交付すること。

② 被保険者がいない世帯に転入した(新しく世帯を形成した場合を含む。(2)の②において同じ。)被保険者本人について

ア 所得区分の適用

転入日から新たな所得区分を適用すること。

イ 認定証の取扱い

被保険者が認定証の交付を受けているときは、新たな所得区分を記載した認定証を交付すること。

③ 転入者を受け入れた世帯に属する被保険者について

ア 所得区分の適用

転入者を受け入れた月は、当該月の初日の所得区分を適用することとし、当該世帯の所得区分に変更が生じる場合には、新たな所得区分を翌月の初日から適用すること。

イ 認定証の取扱い

当該世帯の被保険者が認定証の交付を受けているときは、当該世帯の所得区分に変更が生じる場合には、翌月以降の新たな適用区分と当月現在の適用区分を記載した認定証を当月末日までに交付し、従前の認定証は回収すること。

④ 他の広域連合への転出者があった世帯に属する被保険者について

③と同様に取り扱うこと。

(2) 同一広域連合内で他の世帯への転居又は他世帯からの転居等があった場合

① 他の世帯へ転居した被保険者本人について

ア 所得区分の適用

転居した月は、月の初日において当該被保険者が属していた世帯の所得区分を適用することとし、当該世帯の所得区分に変更が生じる場合には、新たな所得区分を翌月の初日から適用すること。

なお、転居した月については、世帯の変更前後の自己負担額を通算し、当該被保険者が月の初日に属する世帯において自己負担限度額を適用すること。

イ 認定証の取扱い

(1)の③のイと同様に取り扱うこと。

② 被保険者がいない世帯に転居した被保険者本人について

①と同様に取り扱うこと。

③ 他の世帯からの転居者を受け入れた世帯に属する被保険者について

(1)の③と同様に取り扱うこと。

④ 他の世帯への転居者があった世帯に属する被保険者について

(1)の③と同様に取り扱うこと。

第八 公費負担医療が行われる療養の場合の取扱い

1 被保険者が同一の月にそれぞれ一の医療機関等について受けた原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律(平成6年法律第117号)による一般疾病医療費の支給又は規則第61条各号に掲げる医療に関する給付(以下「公費負担医療」という。)が行われる療養(当該被保険者が第十の規定による広域連合の認定を受けた場合における第九に規定する特定疾病給付対象療養を除く。)については、当該療養に係る一部負担金等の額が57,600円(外来療養にあっては、18,000円)(75歳到達時特例対象療養に係るものにあっては、それぞれの額に2分の1を乗じて得た額とする。)を超えるときは、当該超える額を高額療養費として支給することとされたこと。

2 原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律による一般疾病医療費の支給又は規則第68条各号に掲げる給付が行われる療養については、高額療養費は、被保険者に代えて、当該療養を受けた医療機関等に対して支払われることとされたこと。

3 公費負担医療が行われる療養について、被保険者がなお負担すべき額を第一の1の高額療養費の支給の基礎となる一部負担金等の額とすることとされたこと。

第九 特定疾病給付対象療養の場合の取扱い

1 被保険者が特定疾病給付対象療養(特定給付対象療養(第十二の規定による広域連合の認定を受けた場合における第十一に規定する特定疾病に係る療養を除く。)のうち健康保険法施行令(大正15年勅令第243号)第41条第7項に規定する厚生労働大臣が定める医療に関する給付(以下「特定疾病給付」という。)が行われるべきものをいう。以下同じ。)を受けた場合において、当該療養を受けた被保険者が広域連合の認定を受けたものであり、かつ、当該被保険者が同一の月にそれぞれ一の医療機関等から受けた当該療養に係る一部負担金等の額が一定額(以下「特定疾病負担限度額」という。)を超えるときは、当該超える額を高額療養費として支給することとされたこと。

2 特定疾病負担限度額は、次のとおりとされたこと。

(1) 入院療養((2)に係る療養を除く。)である場合

① 一般の被保険者

57,600円。ただし、その被保険者が当該療養のあった月以前の12月以内に既に当該療養に係る高額療養費(当該療養(入院療養に限る。)を受けた被保険者がそれぞれ同一の医療機関から受けた入院療養に係るものに限る。)が支給されている月数が3月以上ある場合(以下「特定疾病給付対象療養高額療養費多数該当の場合」という。)には、4月目からは44,400円とする。

② 現役並み所得者Ⅲ

252,600円と、被保険者が受けた療養に要した費用の額(その額が842,000円に満たないときは、842,000円)から842,000円を控除した額に100分の1を乗じて得た額との合算額。ただし、特定疾病給付対象療養高額療養費多数該当の場合には、4月目からは140,100円とする。

③ 現役並み所得者Ⅱ

167,400円と、被保険者が受けた療養に要した費用の額(その額が558,000円に満たないときは、558,000円)から558,000円を控除した額に100分の1を乗じて得た額との合算額。ただし、特定疾病給付対象療養高額療養費多数該当の場合には、4月目からは93,000円とする。

④ 現役並み所得者Ⅰ

80,100円と、被保険者が受けた療養に要した費用の額(その額が267,000円に満たないときは、267,000円)から267,000円を控除した額に100分の1を乗じて得た額との合算額。ただし、特定疾病給付対象療養高額療養費多数該当の場合には、4月目からは44,400円とする。

⑤ 低所得者Ⅱ(第三の者を除く。)

24,600円

⑥ 低所得者Ⅰ又は第三の者

15,000円

(2) 月の初日以外の日において75歳に達したことにより被保険者となった者が、75歳の到達月(75歳に達した日以後の期間に限る。)に受けた特定疾病給付対象療養(以下「75歳到達時特例特定疾病給付対象療養」という。)である場合(入院療養である場合に限る。)

① 一般の被保険者

28,800円。ただし、特定疾病給付対象療養高額療養費多数回該当の場合には、4月目からは22,200円とする。

② 現役並み所得者Ⅲ

126,300円と、被保険者が受けた療養に要した費用の額(その額が421,000円に満たないときは、421,000円)から421,000円を控除した額に100分の1を乗じて得た額との合算額。ただし、特定疾病給付対象療養高額療養費多数回該当の場合には、4月目からは70,050円とする。

③ 現役並み所得者Ⅱ

83,700円と、被保険者が受けた療養に要した費用の額(その額が279,000円に満たないときは、279,000円)から279,000円を控除した額に100分の1を乗じて得た額との合算額。ただし、特定疾病給付対象療養高額療養費多数回該当の場合には、4月目からは46,500円とする。

④ 現役並み所得者Ⅰ

40,050円と、被保険者が受けた療養に要した費用の額(その額が133,500円に満たないときは、133,500円)から133,500円を控除した額に100分の1を乗じて得た額との合算額。ただし、特定疾病給付対象療養高額療養費多数回該当の場合には、22,200円とする。

⑤ 低所得者Ⅱ

12,300円

⑥ 低所得者Ⅰ

7,500円

(3) 外来療養である場合(ただし、75歳到達時特例特定疾病給付対象療養である場合(外来療養である場合に限る。)については、それぞれの額に2分の1を乗じて得た額とされたこと。)

① 一般の被保険者

18,000円

② 低所得者Ⅱ又は低所得者Ⅰの者

8,000円

3 特定疾病給付対象療養に係る高額療養費については、被保険者に代えて、当該療養を受けた医療機関等に対して支払われることとされたこと。

4 特定疾病給付対象療養について、被保険者がなお負担すべき額を第一の1の高額療養費の支給の基礎となる一部負担金等の額とすることとされたこと。

第十 特定疾病給付対象療養に係る広域連合の認定

1 認定の申出

第九の1に規定する特定疾病給付対象療養に係る広域連合の認定(以下この第十において「認定」という。)を受けようとする被保険者は、次に掲げる事項を、特定疾病給付を行う都道府県を経由して、広域連合に申し出なければならないこと。

ア 被保険者番号

イ 認定を受けようとする被保険者の氏名及び個人番号

ウ 認定を受けようとする被保険者が受けるべき特定疾病給付の名称

なお、当該申出は、都道府県から広域連合に対し、認定を受けようとする被保険者に係る上記のアからウに掲げる事項等を記載した連絡票A又はB(※3)を送付することにより行われるものであること。

※3

連絡票A:実施機関に対して限度額適用認定証及び限度額適用・標準負担額減額認定証を提示しない被保険者に係る連絡票(後期高齢者医療広域連合認定区分の欄が空欄であるもの。)

連絡票B:実施機関に対して限度額適用認定証及び限度額適用・標準負担額減額認定証を提示した被保険者に係る連絡票(後期高齢者医療広域連合認定区分の欄に所得区分の記載があるもの。)

2 認定の方法

認定は、当該認定を受けようとする被保険者が適用区分のいずれかに該当していることを確認の上、行うものであること。なお、連絡票Aにより認定を行ったときは、当該連絡票Aの後期高齢者医療広域連合認定区分の欄に所得区分を記入すること。

3 所得区分の通知

広域連合は、2により認定を行ったときは、都道府県を経由して、当該認定を行った被保険者に対し所得区分を通知しなければならないこと。なお、当該通知は、広域連合において、連絡票A又はBの写しを作成した上で、原本を都道府県に送付し、都道府県において、広域連合から送付された連絡票A又Bに基づき、特定疾病給付の受給に係る証書(以下「受給者証等」という。)に所得区分を記入した上で、当該受給者証等を交付することにより行われるものであること。

4 医療機関等に対する所得区分の申出

認定を受けた被保険者は、特定疾病給付対象療養を受けようとするときは、医療機関等に対し、3により通知された所得区分を申し出なければならないこと。なお、当該申出は、所得区分が記載された受給者証等を医療機関等に提示することにより行われるものであること。

5 認定を受けた被保険者の広域連合に対する申出

認定を受けた被保険者は、特定疾病給付を受けなくなったときは、遅滞なく、都道府県を経由して、その旨を広域連合に申し出なければならないこと。

6 認定を受けた被保険者の所得区分に変更があった場合の当該被保険者に対する通知

広域連合は、認定した被保険者について所得区分の変更が生じたときは、遅滞なく、都道府県を経由して、当該被保険者に対し変更後の所得区分を通知しなければならないこと。なお、当該通知は、広域連合において、所得区分変更連絡票に変更後の所得区分等を記入した上で、これを都道府県に送付し、当該所得区分変更連絡票が送付された都道府県において、受給者証等を更新して交付することにより行われるものであること。

7 認定を受けた被保険者に係る高額療養費の支払いに関する特例

認定を受けた被保険者(第九の2の(1)の①又は②の者を除く。)が特定疾病給付対象療養を受けた場合において、同一の月に同一の医療機関等から第五の1の(1)又は(2)に掲げる療養を受けたときの第四に規定する高額療養費の支払いに関する特例の適用については、当該被保険者は現役並み所得者Ⅱ又は現役並み所得者Ⅰ又は低所得者Ⅱ又は低所得者Ⅰに該当しているものとみなすものであること。

第十一 特定疾病療養の場合の取扱い

1 令第14条第6項の厚生労働大臣が定める疾病(以下「特定疾病」という。)に係る療養(以下「特定疾病療養」という。)を受ける者として広域連合の認定を受けた被保険者については、当該療養に係る一部負担金等の額が1万円(75歳到達時特例対象療養に係るものにあっては、5千円)を超えるときは、当該超える額を高額療養費として支給することとされたこと。

なお、特定疾病としては、次の3つの疾病とされたこと。

① 人工腎臓を実施している慢性腎不全

② 血漿分画製剤を投与している先天性血液凝固第Ⅷ因子障害又は先天性血液凝固第Ⅸ因子障害(いわゆる血友病)

③ 抗ウイルス剤を投与している後天性免疫不全症候群(HIV感染を含み、厚生労働大臣の定める者に係るものに限る。)

2 第八の2及び3の取扱いは、特定疾病療養について準用する。

第十二 特定疾病療養に係る広域連合の認定

1 特定疾病認定の申請

特定疾病認定を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した特定疾病認定申請書に、厚生労働大臣が定める疾病にかかっていることに関する医師又は歯科医師の意見書その他当該疾病にかかっていることを証する書類(以下「意見書等」という。)を添付して、広域連合に申請しなければならないこと。

① 被保険者番号

② 特定疾病認定を受けようとする者の氏名及び個人番号

③ 特定疾病認定を受けようとする者がかかった令第14条第6項に規定する厚生労働大臣が定める疾病の名称

なお、広域連合は、申請者が当該申請に係る厚生労働大臣が定める疾病にかかっていることが健康保険法(大正11年法律第70号)等の特定疾病療養受療証又は慢性腎不全に係る更生医療券の提示等によって明らかであるときは、意見書等を省略させることができること。

2 特定疾病認定の方法

特定疾病認定は、申請者の提出する意見書等により、厚生労働大臣が定める疾病にかかっていることを確認の上、行うものであること。

3 特定疾病療養受療証の交付

(1) 広域連合は、特定疾病認定を行った場合には、その者に交付される特定疾病療養受療証(以下「受療証」という。)に、認定した疾病名、保険者番号、被保険者番号、特定疾病認定を受けた者の居住地、氏名、生年月日及び性別、発効期日等の必要な事項を記載すること。

(2) 受療証の発効期日の欄には、申請のあった日の属する月の初日を記載すること。ただし、新たに被保険者となった者については、当該被保険者となった日を記載すること。なお、資格取得日が申請月よりも前である場合において、資格取得日の属する月に申請が行うことが困難だったとして保険者が認めた場合は、遡及して認定を行って差し支えない。

(3) 受療証を交付する際には、交付した者に対し、認定した疾病により医療機関等において療養を受ける際に、当該医療機関等の窓口で、被保険者証等とともに、当該受療証を提示するよう指導すること。

4 その他

(1) 特定疾病認定を受けた者に係る特例措置は、当該認定を受けた者の治療が長期間にわたり継続しなければならないものであることから、その認定に係る事務は迅速に行うよう特段の配慮を願いたいこと。

(2) 特定疾病認定を受けている者が、当該広域連合から転出する場合においては、転出前の広域連合は特定疾病認定を行っている旨の証明書を発行することとし、転入先の広域連合はその証明書により認定手続を行って差し支えないこと。

この場合において、受療証の発効期日は当該転入のあった日とすること。

(3) 死亡、転出、障害不該当等の場合においては、速やかに、受療証を回収するものとすること。

(4) 特定疾病認定に係る申請及び認定等の取扱いについては、別紙に留意すること。

第十三 支給方法

1 高額療養費支給制度は、原則として償還払いによるものであり、被保険者からの申請に基づき支給するものであること。

2 高額療養費の支給の申請は、以下の事項を記載した申請書を広域連合に提出して行うものであること。

(1) 被保険者番号

(2) 個人番号

(3) 申請者が受けた療養が公費負担医療が行われる療養である場合には、その旨及び公費負担医療による費用徴収の額

3 2の(3)の療養に係る費用徴収の額については、公費負担医療を実施する地方公共団体等による証明書類を添付すること。

4 申請書を受け付ける際には、高額療養費の支給は、審査支払機関による審査を終えた上で支給することとなるため、療養を受けた月から実際の支給までに、2か月程度必要となることについて、申請者に対して説明を行うこと。

Ⅱ 食事療養標準負担額の減額の取扱い

第一 制度の概要

1 食事療養標準負担額については、1日に3食に相当する額を限度とし、1食につき460円(ただし、平成28年4月1日から平成30年3月31日までの間においては、1食につき360円)とされているところであるが、所得の状況その他の事情をしん酌すべき者(以下Ⅱにおいて「減額対象者」という。)については食事療養標準負担額が減額されること。

なお、平成28年3月31日において、1年以上継続して精神病床に入院していた者であって、平成28年4月1日以後引き続き保険医療機関に入院する者については、当分の間、平成28年4月改正前の食事療養標準負担額を適用し、当該者が減額対象者でない場合、1食につき260円であること。当該者が平成28年4月1日以後、合併症等により一の保険医療機関を退院した日において他の保険医療機関に再入院する場合についても、経過措置は継続すること。(当該者が再び同一日において他の保険医療機関に再々入院する場合も同様であること。)

2 電子資格確認により限度額適用・標準負担額減額認定を受けていることの確認を受けること又は限度額適用・標準負担額減額認定証を医療機関の窓口で提示することにより食事療養標準負担額の減額を受けることができるものであること。

第二 減額対象者の範囲と食事療養標準負担額

1 減額対象者の範囲と食事療養標準負担額

食事療養標準負担額については、法第74条第2項の規定及び後期高齢者医療の食事療養標準負担額及び生活療養標準負担額(平成19年厚生労働省告示第395号)の規定により、下表のとおりとされたこと。

食事療養標準負担額一覧


被保険者の分類

食事療養標準負担額

A

一般の被保険者及び現役並み所得者(指定難病患者(難病の患者に対する医療等に関する法律(平成26年法律第50号)第5条第1項に規定する指定特定医療を受ける同項に規定する指定難病の患者をいう。以下同じ。)を除く。)

1食につき460円(ただし、平成28年4月1日から平成30年3月31日までの間においては、1食につき360円)

B

C、Dのいずれにも該当しない指定難病患者

1食につき260円

C

低所得者Ⅱに該当していることにつき広域連合の認定を受けている者

(C1)過去1年の入院日数が90日以下(長期非該当者)

1食につき210円

(C2)過去1年の入院日数が90日超(長期該当者)

1食につき160円

D

低所得者Ⅰ又はⅠの第三の者に該当していることについて広域連合の認定を受けている者

1食につき100円

2 減額対象者の分類

1の表のCに掲げる減額対象者の分類は、次の①又は②に掲げる区分に応じ、それぞれ減額される食事療養標準負担額の額等の取扱いが異なること。

① ②に該当しない者(1の表のC1。以下「長期非該当者」という。)

② 広域連合に入院日数届書を提出した月以前の12月以内の入院日数(各保険者において市町村民税非課税被保険者等(※4)の認定を受けている期間に係る入院日数を合算した日数をいう。以下同じ。)が90日を超える者(1の表のC2。以下「長期該当者」という。)

※4 市町村民税非課税被保険者等の認定に係る各医療保険法の対象者

名称

対象者

健康保険法(大正11年法律第70号)

健康保険法施行規則(大正15年内務省令第36号)第58条第1号若しくは第2号又は第62条の3第1号若しくは第2号に定める者

国民健康保険法(昭和33年法律第192号)

国民健康保険法施行規則(昭和33年厚生省令第53号)第26条の2又は第26条の6の3の規定により、健康保険法施行規則第58条第1号若しくは第2号又は第62条の3第1号若しくは第2号を読み替えて適用される者

船員保険法(昭和14年法律73号)

船員保険法施行令(昭和28年政令第240号)第10条第1項第1号ホ、第2号ハ又は第3号ハに定める者

国家公務員共済組合法(昭和33年法律第128号)

国家公務員共済組合法施行令(昭和33年政令第207号)第11条の3の6第1項第1号ホ、第2号ハ又は第3号ハに定める者

私立学校教職員共済法(昭和28年法律第245号)

国家公務員共済組合法施行令第11条の3の6第1項第1号ホ、第2号ハ又は第3号ハを私立学校教職員共済法施行令(昭和28年政令第425号)第6条において準用する者

地方公務員等共済組合法(昭和37年法律第152号)

地方公務員等共済組合法施行令(昭和37年政令第352号)第23条の3の5第1項第1号ハ、第2号ハ又は第3号ハに定める者

高齢者の医療の確保に関する法律(昭和57年法律第80号)

規則第35条第1号又は第40条第1号に定める者

第三 長期該当者である場合の取扱い

1 限度額適用・標準負担額減額認定を受けている被保険者については、当該認定をもって食事療養標準負担額の減額を受けることができるが、低所得者Ⅱに該当する者(第二の1の表のC)については、長期該当者と長期非該当者とでその取扱いが異なることから、低所得者Ⅱに該当していることについての広域連合の認定を受けている被保険者が長期該当者である場合においては、入院日数届書に、当該入院日数届書を提出した月以前の12月以内の入院日数及び当該入院をした医療機関の名称及び所在地を記載し、入院日数を確認できる書類(異動前の保険者(以下「前保険者」という。)での入院日数を算定対象とする場合にあっては、前保険者での市町村民税非課税被保険者等(※4)の認定を受けている期間に係る入院日数を確認できる書類とする。)を添付しなければならないこと。

2 広域連合が、当該被保険者を長期該当者であると認めた場合において、当該被保険者から限度額適用・標準負担額減額認定証の交付申請があったときは、当該被保険者に交付する限度額適用・標準負担額減額認定証の「長期入院該当年月日」欄に、当該交付申請のあった日の属する月の翌月の初日(長期該当者に係る限度額適用・標準負担額減額認定証が有効期限に達し、8月中に申請を行ったときは8月1日)を記載し、保険者印を押印したうえで交付すること。

3 低所得者Ⅱに該当していることについての認定を受けている被保険者であって、入院日数届書を提出したものが長期非該当者である場合においては、当該被保険者に対して、医療機関における入院日数が90日を超えた場合には、再度、長期該当者に係る届出を行うよう指導すること。

第四 食事療養標準負担額に関する特例

1 食事療養標準負担額差額支給申請書の提出

規則第37条の規定により食事療養標準負担額減額の特例を受けようとする者(以下「食事差額支給申請者」という。)は、食事療養標準負担額差額支給申請書(以下「食事差額支給申請書」という。)を提出しなければならないこと。

2 添付書類

食事差額支給申請書には、現に支払った食事療養標準負担額を証明する書類及び入院日数を確認できる書類を添付し、限度額適用・標準負担額減額認定証の交付を受けている場合は当該限度額適用・標準負担額減額認定証を添えて申請しなければならないこと。

3 食事療養標準負担額差額の支給

広域連合は、食事差額支給申請書及びその添付書類により、限度額適用・標準負担額減額認定を受けていることの確認を受けなかったことの理由が妥当であると認めたときは、現に支払った食事療養標準負担額と食事療養標準負担額減額により支払うべき額との差額(以下「食事療養標準負担額差額」という。)を、食事差額支給申請者に支給することができること。

第五 その他

長期該当者に係る限度額適用・標準負担額減額認定の「長期入院該当年月日」は当該入院日数届書の提出のあった日の属する月の翌月の初日になることから、当該入院日数届書の提出のあった日の属する月の末日までの食事療養については、食事療養標準負担額差額の支給の対象として取り扱われるものであること。

Ⅲ 生活療養標準負担額の減額の取扱い

第一 制度の概要

1 生活療養標準負担額については、1日につき370円と、3食に相当する額を限度として1食につき460円(入院時生活療養(Ⅱ)を算定する保険医療機関に入院する者については1食につき420円)との合計額とされているところであるが、所得の状況、病状の程度、治療の内容、その他の事情をしん酌すべき者(以下Ⅲにおいて「減額対象者」という。)については生活療養標準負担額が減額されること。

なお、平成28年3月31日において、1年以上継続して精神病床に入院していた者であって、平成28年4月1日以後引き続き保険医療機関に入院する者が、入院医療の必要性の高い者として療養病床に転床した場合(一の保険医療機関を退院した日において入院医療の必要性の高い者として他の保険医療機関の療養病床に再入院する場合を含む。)については、当分の間、平成28年4月改正前の生活療養標準負担額を適用し、当該者が減額対象者でない場合、1日につき0円と1食につき260円との合計額であること。

2 電子資格確認により限度額適用・標準負担額減額認定を受けていることの確認を受けること又は限度額適用・標準負担額減額認定証を医療機関の窓口で提示することにより生活療養標準負担額の減額を受けることができるものであること。

第二 減額対象者の範囲と生活療養標準負担額

1 減額対象者の範囲と生活療養標準負担額

生活療養標準負担額については、法第75条第2項の規定及び後期高齢者医療の食事療養標準負担額及び生活療養標準負担額の規定により、下表のとおりとされたこと。

生活療養標準負担額一覧

表1 入院医療の必要性の高い者(健康保険法施行規則第62条の3第4号の規定に基づき厚生労働大臣が定める者をいう。以下同じ。)及び指定難病患者のいずれにも該当しない者


被保険者の分類

生活療養標準負担額

A

一般の被保険者及び現役並み所得者

入院時生活療養(Ⅰ)を算定する保険医療機関に入院している者

1日につき370円と1食につき460円との合計額

入院時生活療養(Ⅱ)を算定する保険医療機関に入院している者

1日につき370円と1食につき420円との合計額

B

低所得者Ⅱに該当していることにつき広域連合の認定を受けている者(Dに該当する者を除く)

1日につき370円と1食につき210円との合計額

C

低所得者Ⅰに該当していることにつき広域連合の認定を受けている者(Dに該当する者を除く)

1日につき370円と1食につき130円との合計額

D

Ⅰの第三の者に該当していることについて広域連合の認定を受けている者

1日につき0円と1食につき100円との合計額

表2 入院医療の必要性の高い者(指定難病患者を除く。)


被保険者の分類

生活療養標準負担額

A

一般の被保険者及び現役並み所得者

入院時生活療養(Ⅰ)を算定する保険医療機関に入院している者

1日につき370円と1食につき460円との合計額(ただし、平成29年10月1日から平成30年3月31日までの間においては、1日につき200円と1食につき360円との合計額)

入院時生活療養(Ⅱ)を算定する保険医療機関に入院している者

1日につき370円と1食につき420円との合計額(ただし、平成29年10月1日から平成30年3月31日までの間においては、1日につき200円と1食につき360円との合計額)

B

低所得者Ⅱに該当していることにつき広域連合の認定を受けている者

(B1)過去1年の入院日数が90日以下(長期非該当者)

1日につき370円と1食につき210円との合計額(ただし、平成29年10月1日から平成30年3月31日までの間においては、1日につき200円と1食につき210円との合計額)

(B2)過去1年の入院日数が90日超(長期該当者)

1日につき370円と1食につき160円との合計額(ただし、平成29年10月1日から平成30年3月31日までの間においては、1日につき200円と1食につき160円との合計額)

C

低所得者Ⅰに該当していることについて広域連合の認定を受けている者(Dに該当する者を除く。)

1日につき370円と1食につき100円との合計額(ただし、平成29年10月1日から平成30年3月31日までの間においては、1日につき200円と1食につき100円との合計額)

D

Ⅰの第三の者に該当していることについて広域連合の認定を受けている者

1日につき0円と1食につき100円との合計額

表3 指定難病患者


被保険者の分類

生活療養標準負担額

A

一般の被保険者及び現役並み所得者

1日につき0円と1食につき260円との合計額

B

低所得者Ⅱに該当していることにつき広域連合の認定を受けている者

(B1)過去1年の入院日数が90日以下(長期非該当者)

1日につき0円と1食につき210円との合計額

(B2)過去1年の入院日数が90日超(長期該当者)

1日につき0円と1食につき160円との合計額

C

低所得者Ⅰ又はⅠの第三の者に該当していることについて広域連合の認定を受けている者

1日につき0円と1食につき100円との合計額