添付一覧
(1) 本品の水溶液(1→100)3mLにフルフラール・酢酸試液4滴を加えるとき,液は,帯黄赤色を呈する.
(2) 本品の水溶液(1→100)5mLに硝酸銀試液5滴を加えるとき,液は,白濁し,淡灰色~淡紫色の沈殿を生じる.これを加熱するとき,液の色は,淡褐色に変わる.
(3) 本品及び薄層クロマトグラフィー用パラフェニレンジアミンのそれぞれ0.01gに2―プロパノール/水/アンモニア水(28)混液(9:3:1)1mLずつを加えて溶かした後,更にそれぞれに亜硫酸水素ナトリウム0.1gを加えて振り混ぜ,試料溶液及び標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液1μLずつを薄層板にスポットし,酢酸エチル/メタノール/水混液(25:5:4)を展開溶媒として薄層クロマトグラフィーにより試験を行う.薄層板にp―ジメチルアミノベンズアルデヒドの希塩酸溶液(1→200)を噴霧するとき,薄層クロマトグラフィー用パラフェニレンジアミンと等しいRf値に帯黄赤色~赤色のスポットを認める.
(4) 本品0.05gに水100mLを加えて溶かし,その1mLをとり,水を加えて100mLとする.この液につき,吸光度測定法により吸収スペクトルを測定するとき,波長235~239nmに吸収の極大を示す.
純度試験
(1) 溶状 本品0.50gに希塩酸50mLを加えて溶かすとき,液は,無色~微赤色を呈し,澄明である.
(2) エーテル可溶物 本品約1gを精密に量り,ジエチルエーテル50mLを加え,還流冷却器を付けて水浴上で時々振り混ぜながら1時間煮沸する.温時,これをガラスろ過器(G3)を用いて質量既知のフラスコにろ過する.残留物をジエチルエーテル20mLで洗い,洗液及びろ液を合わせて水浴上で留去した後,105℃で30分間乾燥し,質量を精密に量るとき,その限度は,1.0%以下である.
(3) 鉄 本品1.0gをとり,試験を行うとき,その限度は,20ppm以下である.ただし,比較液には,鉄標準液2.0mLをとる.
(4) 重金属 本品1.0gをとり,硫酸5mL及び硝酸20mLを加えて静かに加熱する.更に時々,硝酸2~3mLずつを追加して,液が無色~微黄色になるまで加熱を続ける.冷後,水10mL及びフェノールフタレイン試液1滴を加え,液がわずかに紅色を呈するまでアンモニア試液を加える.次いで希酢酸2mLを加え,必要ならばろ過し,残留物を水10mLで洗い,洗液をろ液に合わせ,水を加えて50mLとし,これを試料溶液として第4法により試験を行うとき,その限度は,20ppm以下である.ただし,比較液には,鉛標準液2.0mLをとる.
(5) ヒ素 本品1.0gをとり,硫酸2mL及び硝酸5mLを加えて静かに加熱する.更に時々,硝酸2~3mLずつを追加して,液が無色~微黄色になるまで加熱を続ける.冷後,シュウ酸アンモニウム飽和溶液15mLを加え,白煙が発生するまで加熱する.冷後,水を加えて10mLとして,これを試料溶液として試験を行うとき,その限度は,2ppm以下である.
(6) 有機性不純物 確認試験(3)で得た薄層板には,薄層クロマトグラフィー用パラフェニレンジアミンと等しいRf値に単一の帯黄赤色~赤色のスポット以外のスポットを認めない.
乾燥減量 0.2%以下(1.5g,シリカゲル,4時間)
強熱残分 0.2%以下(第1法,2g)
定量法 本品を乾燥し,その約0.16gを精密に量り,窒素定量法(第2法)により試験を行う.
0.05mol/L硫酸1mL=9.053mg C6H8N2・2HCl
塩酸N―フェニルパラフェニレンジアミン
N-Phenyl-p-phenylenediamine Hydrochloride
C12H12N2・HCl:220.70
本品を乾燥したものは,定量するとき,塩酸N―フェニルパラフェニレンジアミン(C12H12N2・HCl)90.0%以上を含む.
性状 本品は,青色~灰緑色の粉末である.
確認試験
(1) 本品0.01gに希塩酸10mLを加えて溶かし,ろ過する.ろ液5mLに亜硝酸ナトリウム試液1滴を加えるとき,液は,赤褐色を呈し,次いで黄色に変わる.
(2) 本品0.5gに水100mLを加えて溶かし,ろ過する.ろ液5mLにフルフラール・酢酸試液4滴を加えるとき,液は,赤色を呈する.
(3) (2)のろ液5mLに硝酸銀試液5滴を加えるとき,液は,白濁し,次いで赤紫色~青紫色に変わる.
(4) 本品及び薄層クロマトグラフィー用パラニトロアニリンのそれぞれ0.01gに2―プロパノール/水/アンモニア水(28)混液(9:3:1)1mLずつを加えて溶かした後,更にそれぞれに亜硫酸水素ナトリウム0.1gを加えて振り混ぜ,試料溶液及び標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液1μLずつを薄層板にスポットし,イソプロピルエーテル/アセトン/2―プロパノール混液(10:1:1)を展開溶媒として薄層クロマトグラフィーにより試験を行う.薄層板にp―ジメチルアミノベンズアルデヒドの希塩酸溶液(1→200)を噴霧するとき,薄層クロマトグラフィー用パラニトロアニリンに対するRs値0.8付近に赤褐色のスポットを認める.
(5) 本品0.02gにエタノール(95)100mLを加えて溶かし,その10mLをとり,エタノール(95)を加えて100mLとする。この液につき,吸光度測定法により吸収スペクトルを測定するとき,波長284~288nmに吸収の極大を示す.
純度試験
(1) 溶状 本品0.10gにエタノール(95)100mLを加えて溶かすとき,液は,青色を呈し,澄明である.
(2) エーテル可溶物 本品約1gを精密に量り,ジエチルエーテル50mLを加え,還流冷却器を付けて水浴上で時々振り混ぜながら1時間煮沸する.温時,これをガラスろ過器(G3)を用いて質量既知のフラスコにろ過する.残留物をジエチルエーテル20mLで洗い,洗液及びろ液を合わせて水浴上で留去した後,105℃で30分間乾燥し,質量を精密に量るとき,その限度は,1.0%以下である.
(3) 鉄 本品0.50gをとり,試験を行うとき,その限度は,40ppm以下である.ただし,比較液には,鉄標準液2.0mLをとる.
(4) 重金属 本品1.0gをとり,硫酸5mL及び硝酸20mLを加えて静かに加熱する.更に時々,硝酸2~3mLずつを追加して,液が無色~微黄色になるまで加熱を続ける.冷後,水10mL及びフェノールフタレイン試液1滴を加え,液がわずかに紅色を呈するまでアンモニア試液を加える.次いで希酢酸2mLを加え,必要ならばろ過し,残留物を水10mLで洗い,洗液をろ液に合わせ,水を加えて50mLとし,これを試料溶液として第4法により試験を行うとき,その限度は,20ppm以下である.ただし,比較液には,鉛標準液2.0mLをとる.
(5) ヒ素 本品1.0gをとり,硫酸2mL及び硝酸5mLを加えて静かに加熱する.更に時々,硝酸2~3mLずつを追加して,液が無色~微黄色になるまで加熱を続ける.冷後,シュウ酸アンモニウム飽和溶液15mLを加え,白煙が発生するまで加熱する.冷後,水を加えて10mLとし,これを試料溶液として試験を行うとき,その限度は,2ppm以下である.
(6) 有機性不純物 確認試験(4)で得た薄層板には,薄層クロマトグラフィー用パラニトロアニリンに対するRs値0.8付近に単一の赤褐色のスポット以外のスポットを認めない.
乾燥減量 1.0%以下(1g,105℃,2時間)
強熱残分 1.0%以下(第1法,1g)
定量法 本品を乾燥し,その約0.20gを精密に量り,窒素定量法(第2法)により試験を行う.
0.05mol/L硫酸1mL=11.04mg C12H12N2・HCl
塩酸メタフェニレンジアミン
m-Phenylenediamine Hydrochloride
C6H8N2・2HCl:181.06
本品を乾燥したものは,定量するとき,塩酸メタフェニレンジアミン(C6H8N2・2HCl)95.0%以上を含む.
性状 本品は,白色~淡赤色,又は淡紫色の粉末である.
確認試験
(1) 本品の水溶液(1→1000)3mLにフルフラール・酢酸試液4滴を加えるとき,液は,帯黄赤色を呈する.
(2) 本品の水溶液(1→1000)5mLに硝酸銀試液5滴を加えるとき,白色の沈殿を生じる.
(3) 本品及び薄層クロマトグラフィー用塩酸メタフェニレンジアミンのそれぞれ0.01gに2―プロパノール/水/アンモニア水(28)混液(9:3:1)1mLずつを加えて溶かした後,更にそれぞれに亜硫酸水素ナトリウム0.1gを加えて振り混ぜ,試料溶液及び標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液1μLずつを薄層板にスポットし,イソプロピルエーテル/アセトン/2―プロパノール混液(10:1:1)を展開溶媒として薄層クロマトグラフィーにより試験を行う.薄層板にp―ジメチルアミノベンズアルデヒドの希塩酸溶液(1→200)を噴霧するとき,薄層クロマトグラフィー用塩酸メタフェニレンジアミンと等しいRf値に帯赤黄色のスポットを認める.
(4) 本品0.05gに水100mLを加えて溶かし,その1mLをとり,水を加えて100mLとする.この液につき,吸光度測定法により吸収スペクトルを測定するとき,波長230~234nm及び282~286nmに吸収の極大を示す.
純度試験
(1) 溶状 本品1.0gに水10mLを加えて溶かすとき,液は淡黄褐色~淡褐色を呈し,ほとんど澄明である.
(2) エーテル可溶物 本品約1gを精密に量り,ジエチルエーテル50mLを加え,還流冷却器を付けて水浴上で時々振り混ぜながら1時間煮沸する.温時,これをガラスろ過器(G3)を用いて質量既知のフラスコにろ過する.残留物をジエチルエーテル20mLで洗い,洗液及びろ液を合わせて水浴上で留去した後,105℃で30分間乾燥し,質量を精密に量るとき,その限度は,1.0%以下である.
(3) 鉄 本品1.0gをとり,試験を行うとき,その限度は,20ppm以下である.ただし,比較液には,鉄標準液2.0mLをとる.
(4) 重金属 本品1.0gをとり,硫酸5mL及び硝酸20mLを加えて静かに加熱する.更に時々,硝酸2~3mLずつを追加して,液が無色~微黄色になるまで加熱を続ける.冷後,水10mL及びフェノールフタレイン試液1滴を加え,液がわずかに紅色を呈するまでアンモニア試液を加える.次いで希酢酸2mLを加え,必要ならばろ過し,残留物を水10mLで洗い,洗液をろ液に合わせ,水を加えて50mLとし,これを試料溶液として第4法により試験を行うとき,その限度は,20ppm以下である.ただし,比較液には,鉛標準液2.0mLをとる.
(5) ヒ素 本品1.0gをとり,硫酸2mL及び硝酸5mLを加えて静かに加熱する.更に時々,硝酸2~3mLずつを追加して,液が無色~微黄色になるまで加熱を続ける.冷後,シュウ酸アンモニウム飽和溶液15mLを加え,白煙が発生するまで加熱する.冷後,水を加えて10mLとし,これを試料溶液として試験を行うとき,その限度は,2ppm以下である.
(6) 有機性不純物 確認試験(3)で得た薄層板には,薄層クロマトグラフィー用塩酸メタフェニレンジアミンと等しいRf値に単一の帯赤黄色のスポット以外のスポットを認めない.
乾燥減量 0.2%以下(1.5g,シリカゲル,4時間)
強熱残分 0.2%以下(第1法,2g)
定量法 本品を乾燥し,その約0.16gを精密に量り,窒素定量法(第2法)により試験を行う.
0.05mol/L硫酸1mL=9.053mg C6H8N2・2HCl
オルトアミノフェノール
o-Aminophenol
C6H7NO:109.13
本品を乾燥したものは,定量するとき,オルトアミノフェノール(C6H7NO)95.0%以上を含む.
性状 本品は,淡黄褐色~褐色,又は帯緑褐色の粉末で,においはないか,又はわずかに特異なにおいがある.
確認試験
(1) 本品の水溶液(1→2000)10mLに塩化鉄(Ⅲ)試液5滴を加えるとき,液は,赤褐色~濃褐色を呈する.
(2) 本品の水溶液(1→2000)10mLに硝酸銀試液5滴を加えるとき,液は,帯緑灰黒色を呈する.
(3) 本品及び薄層クロマトグラフィー用パラニトロアニリンのそれぞれ0.01gに2―プロパノール/水/アンモニア水(28)混液(9:3:1)1mLずつを加えて溶かした後,更にそれぞれに亜硫酸水素ナトリウム0.1gを加えて振り混ぜ,試料溶液及び標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液1μLずつを薄層板にスポットし,イソプロピルエーテル/アセトン/2―プロパノール混液(10:1:1)を展開溶媒として薄層クロマトグラフィーにより試験を行う.薄層板にp―ジメチルアミノベンズアルデヒドの希塩酸溶液(1→200)を噴霧するとき,薄層クロマトグラフィー用パラニトロアニリンに対するRs値1.0付近に黄色のスポットを認める.
(4) 本品0.025gに水100mLを加えて溶かし,その10mLをとり,水を加えて100mLとする.この液につき,吸光度測定法により吸収スペクトルを測定するとき,波長280~284nmに吸収の極大を示す.
融点 167~175℃(第1法)
純度試験
(1) 溶状 本品0.50gに希塩酸10mLを加えて溶かすとき,液は,淡褐色~褐色,又は淡緑色~淡暗緑色を呈し,ほとんど澄明である.
(2) 鉄 本品1.0gをとり,試験を行うとき,その限度は,20ppm以下である.ただし,比較液には,鉄標準液2.0mLをとる.
(3) 重金属 本品1.0gをとり,硫酸5mL及び硝酸20mLを加えて静かに加熱する.更に時々硝酸2~3mLずつを追加して,液が無色~微黄色になるまで加熱を続ける.冷後,水10mL及びフェノールフタレイン試液1滴を加え,液がわずかに紅色を呈するまでアンモニア試液を加える.次いで希酢酸2mLを加え,必要ならばろ過し,残留物を水10mLで洗い,洗液をろ液に合わせ,水を加えて50mLとし,これを試料溶液として第4法により試験を行うとき,その限度は,20ppm以下である.ただし,比較液には,鉛標準液2.0mLをとる.
(4) ヒ素 本品1.0gをとり,硫酸2mL及び硝酸5mLを加えて静かに加熱する.更に時々,硝酸2~3mLずつを追加して,液が無色~微黄色になるまで加熱を続ける.冷後,シュウ酸アンモニウム飽和溶液15mLを加え,白煙が発生するまで加熱する.冷後,水を加えて10mLとし,これを試料溶液として試験を行うとき,その限度は,2ppm以下である.
(5) 有機性不純物 確認試験(3)で得た薄層板には,薄層クロマトグラフィー用パラニトロアニリンに対するRs値1.0付近に単一の黄色のスポット以外のスポットを認めない.
乾燥減量 0.5%以下(1.5g,シリカゲル,4時間)
強熱残分 2.0%以下(第1法,2g)
定量法 本品を乾燥し,その約0.19gを精密に量り,窒素定量法(第2法)により試験を行う.
0.05mol/L硫酸1mL=10.91mg C6H7NO
過酸化水素水
Hydrogen Peroxide Solution
H2O2:34.01
本品は,過酸化水素の水溶液で,適当な安定剤を含む.本品は,定量するとき,過酸化水素(H2O2)34.5~35.5%を含む.
性状 本品は,無色の液で,においはないか,又はオゾンようのにおいがある.
確認試験 本品1mLは,過酸化物の定性反応を呈する.
pH 2.0~3.7
比重 画像25 (2KB)
:1.132~1.137(第1法)
純度試験
(1) 酸 本品30.0gをとり,新たに煮沸し冷却した水150mL及びメチルレッド試液2滴を加え,希水酸化ナトリウム試液0.60mLを加えるとき,液は,黄色を呈する.
(2) 重金属 本品5.0gに水20mL及びアンモニア試液2mLを加え,水浴上で蒸発乾固し,残留物に希酢酸2mLを加え,加熱して溶かし,水を加えて50mLとする.これを試料溶液として試験を行うとき,その限度は,5ppm以下である.ただし,比較液には,鉛標準液2.5mLをとる.
(3) ヒ素 本品1.0gにアンモニア試液1mLを加え,水浴上で蒸発乾固し,残留物に水10mLを加えて溶かす.これを試料溶液として試験を行うとき,その限度は,2ppm以下である.
(4) 有機安定剤 本品100gをとり,クロロホルム/ジエチルエーテル混液(3:2)50mL,25mL及び25mLで抽出し,全抽出液を合わせ,質量既知の容器にとり,水浴上で加熱してクロロホルム及びジエチルエーテルを留去し,残留物をデシケーター(シリカゲル)で恒量になるまで乾燥するとき,その量は,0.05g以下である.
(5) 蒸発残留物 本品20.0gを水浴上で蒸発乾固し,残留物を105℃で1時間乾燥するとき,その量は,0.02g以下である.
定量法 本品約1gを精密に量り,水を加えて100mLとする.この液10mLをとり,希硫酸10mLを加え,0.02mol/L過マンガン酸カリウム液で滴定する.ただし,滴定の終点は,液の紅色が30秒間持続する点とする.同様の方法で空試験を行い,補正する.
0.02mol/L過マンガン酸カリウム液1mL=1.701mg H2O2
過炭酸ナトリウム
Sodium Percarbonate
Na2CO3・1.5H2O2:157.01
本品は,炭酸ナトリウムの過酸化水素付加化合物で,定量するとき,過炭酸ナトリウム(Na2CO3・1.5H2O2)80.0~92.0%を含む.
性状 本品は,白色の結晶性の粒又は粉末である.
確認試験
(1) 本品の水溶液(1→50)5mLにフェノールフタレイン試液1滴を加えるとき,液は紅色を呈する.
(2) 本品の水溶液(1→50)は,ナトリウム塩の定性反応(1)を呈する.
(3) 本品の水溶液(1→50)は,炭酸塩の定性反応(2)を呈する.
(4) 本品の水溶液(1→50)は,過酸化物の定性反応を呈する.
pH 本品3.0gに新たに煮沸し冷却した水100mLを加えて溶かした液のpHは,10.0~11.0である.
純度試験
(1) 溶状 本品1.0gに,水20mLを加え煮沸するとき,液は,ほとんど澄明である.
(2) 塩化物 本品1.0gをとり,水20mLを加えて煮沸する.冷後,薄めた硝酸(1→3)で中和した後,水を加えて100mLとしたものを試料溶液とする.試料溶液1mLをとり,水を加えて20mLとし,薄めた硝酸(1→3)2mL,デキストリン溶液(1→50)0.2mL及び硝酸銀試液1mLを加え,15分間放置後,混濁を比較するとき,その限度は,4.0%以下である.ただし,比較液は,中和に要した薄めた硝酸(1→3)の1/5量をとり,水浴上で蒸発乾固した後,0.01mol/L塩酸1.12mLを加え,更に水を加えて20mLとし,以下同様に操作して試験を行う.
(3) 硫酸塩 本品1.0gをとり,水20mLを加えて煮沸する.冷後,薄めた塩酸(2→3)で中和した後,薄めた塩酸(2→3)0.5mLを加え10分間氷冷後,ろ過し,残留物を冷水で洗い,ろ液と洗液を合わせて100mLとしたものを試料溶液とする.試料溶液4mLをとり,水を加えて20mLとし,塩化バリウム試液2mLを加え,1時間放置後,混濁を比較するとき,その限度は,1.5%以下である.ただし,比較液は,中和に要した薄めた塩酸(2→3)の3/5量をとり,水浴上で蒸発乾固した後,0.005mol/L硫酸1.26mL及び薄めた塩酸(2→3)0.3mLを加え,更に水を加えて20mLとし,以下同様に操作して試験を行う.
(4) 過酸化ナトリウム 本品2.0gに,新たに煮沸し冷却した水100mLを加え,メチルオレンジ試液2滴を加え,1mol/L塩酸で滴定するとき,その消費量は,20.0~26.0mLである.
(5) 重金属 本品1.0gに水30mLを加えて溶かし,水浴上で10分間加熱する.冷後,薄めた塩酸(2→3)2mLを加え,水浴上で蒸発乾固し,残留物に水30mLを加えて溶かし,ろ過する.容器とろ紙を約50℃の水で洗浄し,この洗液をろ液に加え,フェノールフタレイン試液1滴を加え,液がわずかに紅色を呈するまでアンモニア試液を加える.次いで希酢酸2mL及び水を加えて50mLとし,これを試料溶液として第4法により試験を行うとき,その限度は,20ppm以下である.ただし,比較液には鉛標準液2.0mLをとる.
(6) ヒ素 本品1.0gをとり,亜硫酸水約17mLを加え,水浴上で加熱し,ほとんど蒸発乾固した後,水を加えて10mLとし,これを試料溶液として試験を行うとき,その限度は,2ppm以下である.
定量法 本品約1gを精密に量り,水を加え正確に250mLとする.この液25mLを正確に量り,水50mL及び希硫酸20mLを加え,0.02mol/L過マンガン酸カリウム液で滴定する.
0.02mol/L過マンガン酸カリウム液1mL=5.234mg Na2CO3・1.5H2O2
カテコール
Catechol
C6H6O2:110.11
本品を乾燥したものは,定量するとき,カテコール(C6H6O2)98.0%以上を含む.
性状 本品は,白色~灰色の粒又は結晶で,においはないか,又はわずかに特異なにおいがある.
確認試験
(1) 本品の水溶液(1→200)10mLに塩化鉄(Ⅲ)試液3滴を加えるとき,液は,緑色を呈し,更にアンモニア試液2滴を加えるとき,液の色は,深紅色に変わる.
(2) 本品及び薄層クロマトグラフィー用カテコールのそれぞれの水溶液(1→100)1μLずつを薄層板にスポットし,イソプロピルエーテル/アセトン/2―プロパノール混液(10:1:1)を展開溶媒として薄層クロマトグラフィーにより試験を行う.薄層板にリンモリブデン酸試液を噴霧するとき,薄層クロマトグラフィー用カテコールと等しいRf値に灰青緑色のスポットを認める.
融点 103~105℃(第1法)
純度試験
(1) 溶状 本品0.50gに水100mLを加えて溶かすとき,液は無色でほとんど澄明である.
(2) 重金属 本品1.0gをとり,硫酸5mL及び硝酸20mLを加えて静かに加熱する.更に時々,硝酸2~3mLずつを追加して,液が無色~微黄色になるまで加熱を続ける.冷後,水10mL及びフェノールフタレイン試液1滴を加え,液がわずかに紅色を呈するまでアンモニア試液を加える.次いで希酢酸2mLを加え,必要ならばろ過し,残留物を水10mLで洗い,洗液をろ液に合わせ,水を加えて50mLとし,これを試料溶液として第4法により試験を行うとき,その限度は,20ppm以下である.ただし,比較液には,鉛標準液2.0mLをとる.
(3) ヒ素 本品1.0gをとり,硫酸2mL及び硝酸5mLを加えて静かに加熱する。更に時々,硝酸2~3mLずつを追加して,液が無色~微黄色になるまで加熱を続ける.冷後,シュウ酸アンモニウム飽和溶液15mLを加え,白煙が発生するまで加熱する.冷後,水を加えて10mLとし,これを試料溶液として試験を行うとき,その限度は,2ppm以下である。
(4) 有機性不純物 確認試験(2)で得た薄層板には,薄層クロマトグラフィー用カテコールと等しいRf値に単一の灰青緑色のスポット以外のスポットを認めない.
乾燥減量 0.5%以下(1.5g,シリカゲル,4時間)
強熱残分 0.1%以下(第1法,2g)
定量法 本品を乾燥し,その約0.5gを精密に量り,水を加えて溶かし,100mLとする.この液20mLをとり,カテコール用酢酸鉛試液30mL及び水50mLを加えて加熱する.冷後,水を加えて200mLとし,ろ過する.初めのろ液20mLを除き,次のろ液100mLをとり,0.05mol/Lエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム液で滴定する(指示薬:キシレノールオレンジ試液3滴).ただし,滴定の終点は,液の赤紫色が黄色に変わる点とする.同様の方法で空試験を行う.
0.05mol/Lエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム液1mL=5.506mg C6H6O2
過ホウ酸ナトリウム
Sodium Perborate
NaBO3・4H2O:153.86
本品は定量するとき,過ホウ酸ナトリウム(NaBO3・4H2O)95%以上を含む.
性状 本品は白色の結晶性の粉末である.
確認試験
(1) 本品の水溶液(1→50)5mLにフェノールフタレイン試液1滴を加えるとき,液は赤色を呈する.
(2) 本品の水溶液(1→50)はナトリウム塩の定性反応(1)を呈する.
(3) 本品の水溶液(1→50)はホウ酸塩の定性反応(2)を呈する.
(4) 本品の水溶液(1→50)は過酸化物の定性反応を呈する.
純度試験
(1) 溶状 本品1.0gを水20mLに煮沸して溶かすとき,液はほとんど澄明である.
(2) 硫酸塩 本品1.0gをとり,水20mLを加えて煮沸する.冷後,薄めた塩酸(2→3)で中和した後,薄めた塩酸(2→3)0.5mLを加え,10分間氷冷後,ろ過し,残留物を冷水で洗い,ろ液と洗液を合わせて50mLとしたものを試料溶液とする.試料溶液10mLをとり,水を加えて50mLとし,塩化バリウム試液2mLを加え,1時間放置後,混濁を比較するとき,その限度は,0.2%以下である.ただし,比較液は,中和に要した薄めた塩酸(2→3)の3/5量をとり,水浴上で蒸発乾固した後,0.005mol/L硫酸0.83mLを加え,更に薄めた塩酸(2→3)0.3mL及び水を加えて50mLとし,以下同様に操作して試験を行う.
(3) 重金属 本品1.0gに水10mL及び希塩酸5mLを加えて溶かし,水浴上でかき混ぜながら蒸発乾固する.残留物に水25mLを加えて溶かし,フェノールフタレイン試液1滴を加え,液がわずかに紅色を呈するまでアンモニア試液を加える.次いで希酢酸2mL及び水を加えて50mLとし,これを試料溶液として第4法により試験を行うとき,その限度は,20ppm以下である.ただし,比較液には,鉛標準液2.0mLをとる.
(4) ヒ素 本品0.20gをとり,亜硫酸水約4mLを加え,水浴上で加熱し,ほとんど蒸発乾固した後,水を加えて10mLとする.これを試料溶液として試験を行うとき,その限度は,10ppm以下である.
(5) 過酸化ナトリウム及びホウ酸ナトリウム 本品2.0gを精密に量り,新たに煮沸し冷却した水100mLを加え,1mol/L塩酸で滴定する(指示薬:メチルオレンジ試液2滴).同様の方法で空試験を行い,補正する.次の式によって計算するとき,過酸化ナトリウム及びホウ酸ナトリウム(Na2B4O7:201.22として)の限度は5.0%以下である.
過酸化ナトリウム及びホウ酸ナトリウム(Na2B4O7:201.22として)の含有率(%)=(〔1mol/L塩酸の滴定量(mL)×10.061〕/本品採取量(g))-(〔65.39×過ホウ酸ナトリウム(NaBO3・4H2O)の定量値(%)〕/100)
定量法 本品約0.25gを精密に量り,水50mLを加えて溶かし,これに希硫酸10mLを加えて0.02mol/L過マンガン酸カリウム液で滴定する.同様の方法で空試験を行い,補正する.
0.02mol/L過マンガン酸カリウム液1mL=7.693mg NaBO3・4H2O
過ホウ酸ナトリウム(1水和物)
Sodium Perborate,Monohydrate
NaBO3・H2O:99.81
本品は,定量するとき,過ホウ酸ナトリウム(NaBO3・H2O)90.0%以上を含む.
性状 本品は,白色の結晶性の粒又は粉末である.
確認試験
(1) 本品の水溶液(1→50)5mLにフェノールフタレイン試液1滴を加えるとき,液は,紅色を呈する.
(2) 本品の水溶液(1→50)は,ナトリウム塩の定性反応(1)を呈する.
(3) 本品の水溶液(1→50)は,ホウ酸塩の定性反応(2)を呈する.
(4) 本品の水溶液(1→50)は,過酸化物の定性反応を呈する.
純度試験
(1) 溶状 本品1.0gに水20mLを加えて煮沸するとき,液は,ほとんど澄明である.
(2) 塩化物 本品1.0gをとり,水20mLを加えて煮沸する.冷後,薄めた硝酸(1→3)で中和した後,水を加えて100mLとしたものを試料溶液とする.試料溶液10mLをとり,水を加えて20mLとし,薄めた硝酸(1→3)2mL,デキストリン溶液(1→50)0.2mL及び硝酸銀試液1mLを加え,15分間放置後,混濁を比較するとき,その限度は0.5%以下である.ただし,比較液は,中和に要した薄めた硝酸(1→3)の1/5量をとり,水浴上で蒸発乾固した後,0.01mol/L塩酸1.4mLを加え,更に水を加えて20mLとし,以下同様に操作して試験を行う.
(3) 硫酸塩 本品1.0gをとり,水20mLを加えて煮沸する.冷後,薄めた塩酸(2→3)で中和した後,薄めた塩酸(2→3)0.5mLを加え,10分間氷冷後,ろ過し,残留物を冷水で洗い,ろ液と洗液を合わせて100mLとしたものを試料溶液とする.試料溶液4mLをとり,水を加えて20mLとし,塩化バリウム試液2mLを加え,1時間放置後,混濁を比較するとき,その限度は,1.5%以下である.ただし,比較液は,中和に要した薄めた塩酸(2→3)の3/5量をとり,水浴上で蒸発乾固した後,0.005mol/L硫酸1.25mL及び薄めた塩酸(2→3)0.3mLを加え,更に水を加えて20mLとし,以下同様に操作して試験を行う.
(4) 過酸化ナトリウム及びホウ砂 本品2.0gに新たに煮沸し冷却した水100mLを加えて溶かし,メチルオレンジ試液2滴を加え,1mol/L塩酸で滴定するとき,その消費量は,17.0~22.0mLである.
(5) 重金属 本品1.0gに水10mL及び希塩酸5mLを加えて溶かし,水浴上でかき混ぜながら蒸発乾固する.残留物に水25mLを加えて溶かし,フェノールフタレイン試液1滴を加え,液がわずかに紅色を呈するまでアンモニア試液を加える.次いで希酢酸2mL及び水を加えて50mLとし,これを試料溶液として第4法により試験を行うとき,その限度は,20ppm以下である.ただし,比較液には,鉛標準液2.0mLをとる.
(6) ヒ素 本品0.20gをとり,亜硫酸水約4mLを加え,水浴上で加熱し,ほとんど蒸発乾固した後,水を加えて10mLとし,これを試料溶液として試験を行うとき,その限度は,10ppm以下である.
定量法 本品約0.1gを精密に量り,水50mLを加えて溶かし,これに希硫酸10mLを加えて0.02mol/L過マンガン酸カリウム液で滴定する.
0.02mol/L過マンガン酸カリウム液1mL=4.991mg NaBO3・H2O
過硫酸カリウム
Potassium Persulfate
K2S2O8:270.32
本品は,定量するとき,過硫酸カリウム(K2S2O8)95.0%以上を含む.
性状 本品は,無色~白色の結晶性の粉末である.
確認試験
(1) 本品0.1gに硫酸マンガン溶液(1→10)10mL,硫酸2mL及び硝酸銀溶液(1→50)2mLを加えて加温するとき,液は,赤紫色を呈する.
(2) 本品の水溶液(1→30)は,カリウム塩の定性反応(1)を呈する.
純度試験
(1) 溶状 本品1.0gに水30mLを加えて,加熱して溶かすとき,液は,ほとんど澄明である.
(2) 塩化物 本品1.0gを白金るつぼにとり,無水炭酸ナトリウム1gを加えてかき混ぜ,徐々に加熱した後,強熱する.冷後,水30mLを加えて溶かし,pH約4となるように薄めた硝酸(1→3)で中和する.これに希硝酸6mL及び水を加えて50mLとし,これを試料溶液として試験を行うとき,その限度は,0.01%以下である.ただし,比較液には,0.01mol/L塩酸0.25mLをとる.
(3) 重金属 本品1.0gに温水30mLを加えて溶かし,塩酸3mLを加えた後,水浴上で約5mLになるまで蒸発濃縮する。冷後,水10mLを加え,更にフェノールフタレイン試液1滴を加え,液がわずかに紅色を呈するまでアンモニア試液を滴加する.これに希酢酸2mL及び水を加えて50mLとする.これを試料溶液として第4法により試験を行うとき,その限度は,50ppm以下である.ただし,比較液には,鉛標準液5.0mLをとる.
(4) ヒ素 本品0.50gをとり,第2法により試料溶液を調製し,試験を行うとき,その限度は,4ppm以下である.
定量法 本品約2gを精密に量り,水を加えて溶かし,正確に250mLとする.この液50mLを正確にとり,0.1mol/L硫酸アンモニウム鉄(Ⅱ)液50mLを正確に加え,更にリン酸5mLを加え,0.02mol/L過マンガン酸カリウム液で滴定する.同様の方法で空試験を行う.
0.1mol/L硫酸アンモニウム鉄(Ⅱ)液1mL=13.52mg K2S2O8
過硫酸ナトリウム
Sodium Persulfate
Na2S2O8:238.10
本品は,定量するとき,過硫酸ナトリウム(Na2S2O8)98.0%以上を含む.
性状 本品は,白色~微黄色の結晶性の粉末である.
確認試験
(1) 薄めた硫酸(1→20)5mLに硫酸マンガン溶液(1→100)2~3滴を加え,更に硝酸銀試液1滴及び本品0.2gを加えて加温するとき,液は,紅色を呈する.
(2) 本品の水溶液(1→30)は,ナトリウム塩の定性反応(1)を呈する.
純度試験
(1) 溶状 本品1.0gに水30mLを加え,加熱して溶かすとき,液は,ほとんど澄明である.
(2) 塩化物 本品1.0g及び無水炭酸ナトリウム1gをるつぼにとり,かき混ぜ,徐々に加熱した後,強熱する.冷後,水10mLを加えて溶かし,フェノールフタレイン試液1滴を加え,液の紅色が消えるまで希硝酸を加え,更に希硝酸10mL及び水を加えて50mLとし,これを試料溶液として試験を行うとき,その限度は,0.009%以下である.ただし,比較液には,0.01mol/L塩酸0.25mLをとる.
(3) 重金属 本品1.0gに温湯30mL及び塩酸3mLを加え,水浴上で約5mLになるまで蒸発した後,水10mLを加える.次にフェノールフタレイン試液1滴を加え,液がわずかに紅色を呈するまでアンモニア試液を滴加した後,希酢酸2mL及び水を加えて50mLとし,これを試料溶液として第4法により試験を行うとき,その限度は,20ppm以下である.ただし,比較液には,鉛標準液2.0mLをとる.
(4) ヒ素 本品0.50gをとり,第2法により試料溶液を調製し,試験を行うとき,その限度は,4ppm以下である.
定量法 本品約2gを精密に量り,水を加えて溶かし,正確に250mLとする.この液50mLを正確に量り,0.1mol/L硫酸アンモニウム鉄(Ⅱ)液50mLを正確に加え,更にリン酸5mLを加え,0.02mol/L過マンガン酸カリウム液で滴定する.同様の方法で空試験を行う.
0.1mol/L硫酸アンモニウム鉄(Ⅱ)液1mL=11.91mg Na2S2O8
乾燥硫酸ナトリウム
Exsiccated Sodium Sulfate
硫酸ナトリウム(乾燥)
Na2SO4:142.04
本品を乾燥したものは定量するとき,硫酸ナトリウム(Na2SO4)99.0%以上を含む.
性状 本品は,白色の結晶性の粉末である.
確認試験
(1) 本品の水溶液(1→20)は,ナトリウム塩の定性反応(1)を呈する.
(2) 本品の水溶液(1→20)は,硫酸塩の定性反応(1)を呈する.
純度試験
(1) 溶状及び液性 本品0.5gを水5mLに溶かすとき,液は無色澄明で,中性である.
(2) 塩化物 本品0.5gをとり,試験を行うとき,その限度は0.036%以下である.ただし,比較液には0.01mol/L塩酸0.5mLをとる.
(3) 重金属 本品2.0gをとり,第1法により操作し,試験を行うとき,その限度は,10ppm以下である.ただし,比較液には,鉛標準液2.0mLをとる.
(4) ヒ素 本品1.0gをとり,第1法により試料溶液を調製し,試験を行うとき,その限度は,2ppm以下である.
乾燥減量 11.4%以下(2g,105℃,4時間)
定量法 本品を乾燥し,その約0.4gを精密に量り,水200mLを加えて溶かし,塩酸1.0mLを加えて煮沸した後,熱時塩化バリウム試液8mLを徐々に加える.この液を水浴上で1時間加熱し,冷後,沈殿をろ取し,洗液に硝酸銀試液を加えても混濁しなくなるまで水で洗った後,乾燥し,徐々に温度を上げて500~600℃で恒量になるまで強熱し,その質量を量り,硫酸バリウム(BaSO4:233.39)の量とする.
硫酸ナトリウム(Na2SO4)の量(mg)=硫酸バリウム(BaSO4)の量(mg)×0.6086
酢酸N―フェニルパラフェニレンジアミン
N-Phenyl-p-phenylenediamine Acetate
C12H12N2・CH3COOH:244.29
本品を乾燥したものは,定量するとき,酢酸N―フェニルパラフェニレンジアミン(C12H12N2・CH3COOH)95.0%以上を含む.
性状 本品は,灰紫色~黒紫色の粉末で,特異なにおいがある.
確認試験
(1) 本品0.01gに希塩酸10mLを加えて溶かし,亜硝酸ナトリウム試液1滴を加えるとき,液は,赤褐色を呈し,次いで緑褐色に変わる.
(2) 本品1gに薄めたエタノール(3→10)100mLを加えてよくかき混ぜた後,ろ過する.ろ液3mLにフルフラール・酢酸試液4滴を加えるとき,液は黄色~だいだい色を呈し,混濁する.
(3) 本品0.2gに薄めた硫酸(1→2)1mLを加えて加温するとき,酢酸ようのにおいを発生する.
(4) 本品及び薄層クロマトグラフィー用パラニトロアニリンのそれぞれ0.01gに2―プロパノール/水/アンモニア水(28)混液(9:3:1)1mLずつを加えて溶かした後,更にそれぞれに亜硫酸水素ナトリウム0.1gを加えて振り混ぜ,試料溶液及び標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液1μLずつを薄層板にスポットし,イソプロピルエーテル/アセトン/2―プロパノール混液(10:1:1)を展開溶媒として薄層クロマトグラフィーにより試験を行う.薄層板にp―ジメチルアミノベンズアルデヒドの希塩酸溶液(1→200)を噴霧するとき,薄層クロマトグラフィー用パラニトロアニリンに対するRs値0.8付近に暗赤色~赤褐色のスポットを認める.
(5) 本品0.03gにエタノール(95)200mLを加えて溶かし,その2mLをとり,エタノール(95)を加えて100mLとする.この液につき,吸光度測定法により吸収スペクトルを測定するとき,波長285~289nmに吸収の極大を示す.
純度試験
(1) 溶状 本品0.10gにメタノール100mLを加えて溶かすとき,液は,暗青紫色を呈し,澄明である.
(2) 鉄 本品1.0gをとり,試験を行うとき,その限度は,20ppm以下である.ただし,比較液には,鉄標準液2.0mLをとる.
(3) 重金属 本品1.0gをとり,硫酸5mL及び硝酸20mLを加えて静かに加熱する.更に時々,硝酸2~3mLずつを追加して,液が無色~微黄色になるまで加熱を続ける。冷後,水10mL及びフェノールフタレイン試液1滴を加え,液がわずかに紅色を呈するまでアンモニア試液を加える。次いで希酢酸2mLを加え,必要ならばろ過し,残留物を水10mLで洗い,洗液をろ液に合わせ,水を加えて50mLとし,これを試料溶液として第4法により試験を行うとき,その限度は,20ppm以下である.ただし,比較液には,鉛標準液2.0mLをとる.
(4) ヒ素 本品1.0gをとり,硫酸2mL及び硝酸5mLを加えて静かに加熱する.更に時々,硝酸2~3mLずつを追加して,液が無色~微黄色になるまで加熱を続ける.冷後,シュウ酸アンモニウム飽和溶液15mLを加え,白煙が発生するまで加熱する.冷後,水を加えて10mLとし,これを試料溶液として試験を行うとき,その限度は,2ppm以下である.
(5) 有機性不純物 確認試験(4)で得た薄層板には,薄層クロマトグラフィー用パラニトロアニリンに対するRs値0.8付近に単一の暗赤色~赤褐色のスポット以外のスポットを認めない.
乾燥減量 1.0%以下(1.5g,シリカゲル,4時間)
強熱残分 0.2%以下(第1法,2g)
定量法 本品を乾燥し,その約0.22gを精密に量り,窒素定量法(第2法)により試験を行う.
0.05mol/L硫酸1mL=12.21mg C12H12N2・CH3COOH
1,4―ジアミノアントラキノン
1,4-Diaminoanthraquinone
C14H10N2O2:238.24
本品を乾燥したものは,定量するとき,1,4―ジアミノアントラキノン(C14H10N2O2)80.0%以上を含む.
性状 本品は,紫色~黒紫褐色の粉末で,わずかに特異なにおいがある.
確認試験
(1) 本品の希エタノール溶液(1→2000)10mLに塩化鉄(Ⅲ)試液1mLを加えるとき,液は,赤黄褐色を呈し,次いでアンモニア水(28)1mLを加えるとき,液の色は,赤色に変わる.
(2) 本品の希エタノール溶液(1→2000)10mLに1,2―ナフトキノン―4―スルホン酸カリウム溶液(1→100)1mLを加えるとき,液は,濃赤色を呈する.
(3) 本品の希エタノール溶液(1→2000)10mLに4―ニトロベンゼンジアゾニウムフルオロボレートのエタノール(95)溶液(1→100)5mLを加えるとき,紫褐色~黒色の沈殿を生じる.
(4) 本品0.01gにエタノール(95)100mLを加えて溶かし,その10mLをとり,エタノール(95)を加えて100mLとする.この液につき,吸光度測定法により吸収スペクトルを測定するとき,波長246~250nmに吸収の極大を示す.
融点 256~270℃(第1法)
純度試験
(1) 溶状 本品0.02gにアセトン20mLを加えて溶かすとき,液は,紫色~濃赤紫色を呈し,ほとんど澄明である.
(2) 鉄 本品0.10gをとり,硫酸5滴を加えて潤し,徐々に加熱してなるべく低温でほとんど灰化又は揮散させた後,更に硫酸で潤し,完全に灰化する.冷後,残留物に塩酸0.5mLを加え,水浴上で蒸発乾固した後,希塩酸3滴を加えて加温し,水を加えて溶かし正確に50mLとし,試料溶液とする.試料溶液10mLを正確にとり,試験を行うとき,その限度は,0.1%以下である.ただし,比較液には鉄標準液2.0mLをとる.
(3) 重金属 本品1.0gをとり,第2法により操作し,試験を行うとき,その限度は,20ppm以下である.ただし,比較液には,鉛標準液2.0mLをとる.
(4) ヒ素 本品1.0gをとり,硫酸2mL及び硝酸5mLを加えて静かに加熱する.更に時々,硝酸2~3mLずつを追加して,液が無色~微黄色になるまで加熱を続ける.冷後,シュウ酸アンモニウム飽和溶液15mLを加え,白煙が発生するまで加熱する.冷後,水を加えて10mLとし,これを試料溶液として試験を行うとき,その限度は,2ppm以下である.
乾燥減量 0.5%以下(1g,105℃,2時間)
強熱残分 5.0%以下(第1法,1g)
定量法 本品を乾燥し,その約0.2gを精密に量り,窒素定量法(第2法)により試験を行う.
0.05mol/L硫酸1mL=11.91mg C14H10N2O2
(参考)
2,6―ジアミノピリジン
2,6-Diaminopyridine
C5H7N3:109.13
本品を乾燥したものは,定量するとき,2,6―ジアミノピリジン(C5H7N3)93.0%以上を含む.
性状 本品は,褐色~黒色の粉末,粒,結晶又は固体で,わずかに特異なにおいがある.
確認試験
(1) 本品のエタノール(95)溶液(1→1000)10mLに塩化鉄(Ⅲ)試液/ヘキサシアノ鉄(Ⅲ)酸カリウム試液混液(1:1)1滴を加えるとき,液は,直ちに濃青色~濃青緑色を呈し,混濁する.
(2) 本品0.05gにエタノール(95)100mLを加えて溶かし,その1mLをとり,エタノール(95)を加えて500mLとする.この液につき,吸光度測定法により吸収スペクトルを測定するとき,波長243~247nm及び307~311nmに吸収の極大を示す.
(3) 本品及び薄層クロマトグラフィー用塩酸メタフェニレンジアミンのそれぞれ0.01gに2―プロパノール/水/アンモニア水(28)混液(9:3:1)1mLずつを加えて溶かした後,更にそれぞれに亜硫酸水素ナトリウム0.1gを加えて振り混ぜ,試料溶液及び標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液1μLずつを薄層板にスポットし,酢酸エチル/メタノール/水混液(25:5:4)を展開溶媒として薄層クロマトグラフィーにより試験を行う.薄層板にp―ジメチルアミノベンズアルデヒドの希塩酸溶液(1→200)を噴霧するとき,薄層クロマトグラフィー用塩酸メタフェニレンジアミンに対するRs値0.7付近にだいだい色のスポットを認める.
融点 109~122℃(第1法)
純度試験
(1) 溶状 本品0.10gに薄めた酢酸(31)(9→50)100mLを加えて溶かすとき,液は,暗黄緑褐色を呈し,澄明である.
(2) 鉄 本品1.0gをとり,試験を行うとき,その限度は,20ppm以下である。ただし,比較液には,鉄標準液2.0mLをとる.
(3) 重金属 本品1.0gをとり,硫酸5mL及び硝酸20mLを加えて静かに加熱する.更に時々,硝酸2~3mLずつを追加して,液が無色~微黄色になるまで加熱を続ける.冷後,水10mL及びフェノールフタレイン試液1滴を加え,液がわずかに紅色を呈するまでアンモニア試液を加える.次いで希酢酸2mLを加え,必要ならばろ過し,残留物を水10mLで洗い,洗液をろ液に合わせ,水を加えて50mLとし,これを試料溶液として第4法により試験を行うとき,その限度は,20ppm以下である.ただし,比較液には鉛標準液2.0mLをとる.
(4) ヒ素 本品1.0gをとり,硫酸2mL及び硝酸5mLを加えて静かに加熱する.更に時々,硝酸2~3mLずつを追加して,液が無色~微黄色になるまで加熱を続ける.冷後,シュウ酸アンモニウム飽和溶液15mLを加え,白煙が発生するまで加熱する.冷後,水を加えて10mLとし,これを試料溶液として試験を行うとき,その限度は,2ppm以下である.
(5) 有機性不純物 確認試験(3)で得た薄層板には,薄層クロマトグラフィー用塩酸メタフェニレンジアミンに対するRs値0.7付近に単一のだいだい色のスポット以外のスポットを認めない.
乾燥減量 2.0%以下(2g,シリカゲル,4時間)
強熱残分 1.5%以下(第1法,1g)
定量法 本品を乾燥し,その約0.06gを精密に量り,窒素定量法(第2法)により試験を行う.
0.05mol/L硫酸1mL=3.638mg C5H7N3
DL―システイン
DL-Cysteine
DL―システイン(2)
C3H7NO2S:121.16
本品を乾燥したものは,定量するとき,DL―システイン(C3H7NO2S)98.0~102.0%を含む.
性状 本品は,無色の結晶又は白色の結晶性の粉末で,特異なにおいがある.
確認試験
(1) 本品の水溶液(1→100)5mLに希ヨウ素試液又は過マンガン酸カリウム試液1滴を加えるとき,試液の色は,直ちに消える.
(2) 本品の水溶液(1→1000)10mLに水酸化ナトリウム試液2mL及びペンタシアノニトロシル鉄(Ⅲ)酸ナトリウム試液2滴を加えるとき,液は,赤紫色を呈する.
(3) 本品の1mol/L塩酸試液溶液(2→25)は旋光性を示さない。
純度試験
(1) 溶状 本品1.0gに水20mLを加えて溶かすとき,液は,無色でほとんど澄明である.
(2) 塩化物 本品0.5gに水20mLを加えて溶かし,過酸化水素(30)2mLを加え,水浴上で15分間加温し,冷後,ろ過し,ろ紙上の残留物をろ液が50mLになるまで水で洗う.ろ液25mLをとり,希硝酸6mL及び水を加えて50mLとし,これを試料溶液として試験を行うとき,その限度は,0.1%以下である.ただし,比較液には,0.01mol/L塩酸0.7mLをとる.
(3) 硫酸塩 本品0.50gをとり,試験を行うとき,その限度は,0.029%以下である.ただし,比較液には,0.005mol/L硫酸0.30mLをとる.
(4) 重金属 本品5.0gに硝酸10mL及び硫酸4mLを加え,白煙が発生するまで注意して加熱する.冷後,硝酸4mLずつを2回加えて加熱し,更に過酸化水素(30)4mLずつを数回加え,液が無色~微黄色になるまで加熱する.冷後,シュウ酸アンモニウム飽和溶液4mLを加え,再び白煙が発生するまで加熱する.冷後,水を加えて50mLとし,試料原液とする.試料原液10mLをとり,フェノールフタレイン試液1滴を加え,アンモニア試液を液が微赤色となるまで滴加し,希酢酸2mLを加え,必要ならばろ過し,水10mLで洗い,ろ液に洗液を合わせ,水を加えて50mLとする.これを試料溶液として第4法により試験を行うとき,その限度は,20ppm以下である.ただし,比較液には,鉛標準液2.0mLをとる.
(5) 鉄 本品2.0gに水15mLを加えて溶かし,更に希硝酸5mL,ペルオキソ二硫酸アンモニウム0.05g及び水を加えて25mLとする.これを試料溶液として試験を行うとき,その限度は,3ppm以下である.ただし,比較液には,鉄標準液0.60mLをとる.
(6) ヒ素 (4)の試料原液20mLをとり,試験を行うとき,その限度は,1ppm以下である.
(7) シスチン 本品1.2gにメタノール15mL及び塩酸0.8mLを加えて溶かし,ピリジン10mLを加え,2分間激しく振り混ぜ,10分間放置した後,手早く水を加えて50mLとし,1分間放置するとき,液は,澄明である.
乾燥減量 0.5%以下(0.5g,減圧・1.34kPa以下,シリカゲル,24時間)
強熱残分 0.05%以下(第1法,2g)
定量法 本品を乾燥し,その約0.2gを精密に量り,共栓フラスコに入れ,ヨウ化カリウム試液25mL及び希塩酸5mLを加え,振り混ぜて溶かす.これに0.05mol/Lヨウ素液25mLを正確に加え,密栓し,氷水中で20分間暗所に放置した後,0.1mol/Lチオ硫酸ナトリウム液で滴定する(指示薬:デンプン試液3mL).同様の方法で空試験を行う.
0.05mol/Lヨウ素液1mL=12.12mg C3H7NO2S
L―システイン
L-Cysteine
C3H7NO2S:121.16
本品を乾燥したものは,定量するとき,L―システイン(C3H7NO2S)97.0~102.0%を含む.
性状 本品は,無色の結晶又は白色の結晶性の粉末で,特異なにおいがある.
確認試験
(1) 本品につき,赤外吸収スペクトル測定法の臭化カリウム錠剤法により測定するとき,波数1585cm-1,1425cm-1,1395cm-1,1350cm-1及び1295cm-1付近に吸収を認める.
(2) 本品50mgに水5mL,希ヨウ素試液又は過マンガン酸カリウム試液1滴を加えるとき,試液の色は,直ちに消える.
(3) 本品の水溶液(1→1000)5mLにピリジン0.5mL及びニンヒドリン溶液(1→100)1mLを加えて3分間加熱するとき,液は,紫色~紫褐色を呈する.
旋光度 画像32 (2KB)
:+7.0~+9.5°(乾燥後,8g,1mol/L塩酸,100mL)
純度試験
(1) 溶状 本品1.0gに水20mLを加えて溶かすとき,液は,無色でほとんど澄明である.
(2) 塩化物 本品0.5gに水20mLを加えて溶かし,過酸化水素(30)2mLを加え,水浴上で15分間加温し,冷後,ろ過し,ろ紙上の残留物をろ液が50mLになるまで水で洗う.ろ液25mLをとり,希硝酸6mL及び水を加えて50mLとし,これを試料溶液として試験を行うとき,その限度は,0.1%以下である.ただし,比較液には,0.01mol/L塩酸0.7mLをとる.
(3) 硫酸塩 本品0.80gに希塩酸3mL及び水2mLを加えて溶かし,水を加えて50mLとする.これを試料溶液として試験を行うとき,その限度は,0.030%以下である.ただし,比較液には,0.005mol/L硫酸0.50mLをとる.
(4) 重金属 本品1.0gをとり,第2法により操作し,試験を行うとき,その限度は,20ppm以下である.ただし,比較液には,鉛標準液2.0mLをとる.
(5) 鉄 本品2.0gに水15mLを加えて溶かし,更に希硝酸5mL,ペルオキソ二硫酸アンモニウム0.05g及び水を加えて25mLとする.これを試料溶液として試験を行うとき,その限度は,3ppm以下である.ただし,比較液には,鉄標準液0.60mLをとる.
(6) ヒ素 本品1.0gをとり,第3法により試料溶液を調製し,試験を行うとき,その限度は,2ppm以下である.
(7) シスチン 本品1.2gにメタノール15mL及び塩酸0.8mLを加えて溶かし,ピリジン10mLを加え,2分間激しく振り混ぜ,10分間放置した後,手早く水を加えて50mLとし,1分間放置するとき,液は,澄明である.
乾燥減量 0.5%以下(0.5g,減圧・1.34kPa以下,シリカゲル,24時間)
強熱残分 0.05%以下(第1法,2g)
定量法 本品を乾燥し,その約0.2gを精密に量り,共栓フラスコに入れ,ヨウ化カリウム試液25mL及び希塩酸5mLを加え,振り混ぜて溶かす.これに0.05mol/Lヨウ素液25mLを正確に加え,密栓し,氷水中で20分間暗所に放置した後,0.1mol/Lチオ硫酸ナトリウム液で滴定する(指示薬:デンプン試液3mL).同様の方法で空試験を行う.
0.05mol/Lヨウ素液1mL=12.12mg C3H7NO2S
1,5―ジヒドロキシナフタレン
1,5-Dihydroxynaphthalene
本品は,主として1,5―ジヒドロキシナフタレン(C10H8O2:160.17)からなる.
性状 本品は,淡褐色又は灰褐色の粉末で,わずかに特異なにおいがある.
確認試験
(1) 本品のエタノール(95)溶液(1→1000)10mLに塩化鉄(Ⅲ)試液3滴を加えるとき,液は,緑褐色を呈する.
(2) 本品及び薄層クロマトグラフィー用1―ナフトールのそれぞれ0.01gに2―プロパノール/水/アンモニア水(28)混液(9:3:1)1mLずつを加えて溶かした後,更にそれぞれに亜硫酸水素ナトリウム0.1gを加えて振り混ぜ,試料溶液及び標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液1μLずつを薄層板にスポットし,ヘキサン/アセトン/クロロホルム混液(2:1:1)を展開溶媒として薄層クロマトグラフィーにより試験を行う.薄層板にリンモリブデン酸試液を噴霧するとき,薄層クロマトグラフィー用1―ナフトールに対するRs値0.6付近に灰青色~青色のスポットを認める.
(3) 本品0.02gにエタノール(95)100mLを加えて溶かし,その10mLをとり,エタノール(95)を加えて100mLとする.この液につき,吸光度測定法により吸収スペクトルを測定するとき,波長297~301nm,315~319nm及び329~333nmに吸収の極大を示す.
融点 251~261℃(第1法)
純度試験
(1) 溶状 本品0.10gにエタノール(95)10mLを加えて溶かすとき,液は,淡褐色を呈し,澄明である.
(2) 鉄 本品0.50gをとり,硫酸5滴を加えて潤し,徐々に加熱してなるべく低温でほとんど灰化又は揮散させた後,更に硫酸で潤し,完全に灰化する.冷後,残留物に塩酸0.5mLを加え,水浴上で蒸発乾固した後,希塩酸3滴を加えて加温し,水を加えて溶かし正確に50mLとし,試料溶液とする.試料溶液10mLを正確にとり,試験を行うとき,その限度は,0.02%以下である.ただし,比較液には,鉄標準液2.0mLをとる.
(3) 重金属 本品1.0gをとり,第2法により操作し,試験を行うとき,その限度は,20ppm以下である.ただし,比較液には,鉛標準液2.0mLをとる.
(4) ヒ素 本品1.0gをとり,硫酸2mL及び硝酸5mLを加えて静かに加熱する.更に時々,硝酸2~3mLずつを追加して,液が無色~微黄色になるまで加熱を続ける.冷後,シュウ酸アンモニウム飽和溶液15mLを加え,白煙が発生するまで加熱する.冷後,水を加えて10mLとし,これを試料溶液として試験を行うとき,その限度は,2ppm以下である.
(5) 有機性不純物 確認試験(2)で得た薄層板には,薄層クロマトグラフィー用1―ナフトールに対するRs値0.6付近に単一の灰青色~青色のスポット以外のスポットを認めない.
乾燥減量 1.0%以下(1g,105℃,2時間)
強熱残分 2.0%以下(第1法,1g)
(参考)
ジフェニルアミン
Diphenylamine
C12H11N:169.22
本品を乾燥したものは,定量するとき,ジフェニルアミン(C12H11N)97.0%以上を含む.
性状 本品は,白色又は淡褐色~淡黄褐色の粉末又は固体で,特異なにおいがある.
確認試験
(1) 本品0.01gに塩酸2mLを加えて振り混ぜた後,硝酸1滴を加えるとき,液は,深青色を呈する.
(2) 本品0.01gに硫酸2mLを加えて溶かすとき,液は,わずかに黄緑色を呈し,更に亜硝酸ナトリウム試液1滴を滴加するとき,液の色は,濃青色に変わる.
(3) 本品及び薄層クロマトグラフィー用ジフェニルアミンのそれぞれ0.01gに2―プロパノール/水/アンモニア水(28)混液(9:3:1)1mLずつを加えて溶かした後,更にそれぞれに亜硫酸水素ナトリウム0.1gを加えて振り混ぜ,試料溶液及び標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液1μLずつを薄層板にスポットし,ヘキサン/アセトン/クロロホルム混液(2:1:1)を展開溶媒として薄層クロマトグラフィーにより試験を行う.薄層板にp―ジメチルアミノベンズアルデヒドの希塩酸溶液(1→200)を噴霧するとき,薄層クロマトグラフィー用ジフェニルアミンと等しいRf値に黄緑色のスポットを認める.
(4) 本品0.03gにエタノール(95)100mLを加えて溶かし,その1mLをとり,エタノール(95)を加えて100mLとする.この液につき,吸光度測定法により吸収スペクトルを測定するとき,波長283~287nmに吸収の極大を示す.
融点 50~55℃(第1法)
純度試験
(1) 溶状 本品0.10gにエタノール(95)10mLを加えて溶かすとき,液は,無色~微黄色を呈し,澄明である.
(2) 鉄 本品1.0gをとり,試験を行うとき,その限度は,20ppm以下である.ただし,比較液には,鉄標準液2.0mLをとる.
(3) 重金属 本品1.0gをとり,硫酸5mL及び硝酸20mLを加えて静かに加熱する.更に時々,硝酸2~3mLずつを追加して,液が無色~微黄色になるまで加熱を続ける.冷後,水10mL及びフェノールフタレイン試液1滴を加え,液がわずかに紅色を呈するまでアンモニア試液を加える.次いで希酢酸2mLを加え,必要ならばろ過し,残留物を水10mLで洗い,洗液をろ液に合わせ,水を加えて50mLとし,これを試料溶液として第4法により試験を行うとき,その限度は,20ppm以下である.ただし,比較液には,鉛標準液2.0mLをとる.
(4) ヒ素 本品1.0gをとり,硫酸2mL及び硝酸5mLを加えて静かに加熱する.更に時々,硝酸2~3mLずつを追加して,液が無色~微黄色になるまで加熱を続ける.冷後,シュウ酸アンモニウム飽和溶液15mLを加え,白煙が発生するまで加熱する.冷後,水を加えて10mLとし,これを試料溶液として試験を行うとき,その限度は,2ppm以下である.
(5) 有機性不純物 確認試験(3)で得た薄層板には,薄層クロマトグラフィー用ジフェニルアミンと等しいRf値に単一の黄緑色のスポット以外のスポットを認めない.
乾燥減量 0.5%以下(1.5g,シリカゲル,4時間)
強熱残分 0.2%以下(第1法,2g)
定量法 本品を乾燥し,その約0.30gを精密に量り,窒素定量法(第2法)により試験を行う.
0.05mol/L硫酸1mL=16.92mg C12H11N
臭素酸カリウム
Potassium Bromate
KBrO3:167.00
本品を乾燥したものは,定量するとき,臭素酸カリウム(KBrO3)99.0%以上を含む.
性状 本品は無色~白色の結晶性の粉末である.
確認試験
(1) 本品の水溶液(1→30)は臭素酸塩の定性反応(1)を呈する.
(2) 本品の水溶液(1→30)はカリウム塩の定性反応(1)及び(2)を呈する.
純度試験
(1) 液性 本品の水溶液(1→30)は,中性である.
(2) 臭化物 本品2.0gに水40mLを加えて溶かし,メチルオレンジ試液1滴及び薄めた硫酸(3→100)0.25mLを加えるとき,液は赤色を呈する.これを更に振り混ぜるとき,液の色は直ちに消えない.
(3) 重金属 本品2.0gに水10mLを加え加温しながら溶かし,塩酸10mLを加え,水浴上で蒸発乾固した後,水20mLを加えて溶かし,薄めた酢酸(100)(1→20)2mL及び水を加えて50mLとし,これを試料溶液として第4法により試験を行うとき,その限度は,10ppm以下である.ただし,比較液には,鉛標準液2.0mLをとる.
(4) ヒ素 本品0.5gに水5mLを加え,加温しながら溶かし,塩酸5mLを加え,水浴上で蒸発乾固した後,水を加えて5mLとする.これを試料溶液として試験を行うとき,その限度は,4ppm以下である.
乾燥減量 0.5%以下(1g,105℃,2時間)
定量法 本品を乾燥し,その約0.1gを精密に量り,水50mLを加えて溶かし,更にヨウ化カリウム1.5g及び薄めた硫酸(1→5)10mLを加え,直ちに密栓して冷暗所に5分間放置した後,0.1mol/Lチオ硫酸ナトリウム液で滴定する(指示薬:デンプン試液3mL).同様の方法で空試験を行い,補正する.
0.1mol/Lチオ硫酸ナトリウム液1mL=2.783mg KBrO3
ゼオライト
Zeolite
合成ゼオライト
本品は,主として含水ケイ酸アルミニウムナトリウムからなる合成ゼオライトである.
性状 本品は,白色の粉末である.
確認試験
(1) 本品1gに水10mL及び硫酸5mLを加え白煙が発生するまで加熱する.冷後,水20mLを加えて2~3分煮沸した後,ろ過する.その残留物の色は,灰色である.
(2) (1)のろ液は,アルミニウム塩の定性反応(1)を呈する.
(3) (1)のろ液は,ナトリウム塩の定性反応(2)を呈する.
純度試験
(1) アルカリ 本品2.0gに水100mLを加え,よく振り混ぜ,30分間放置した後,ろ過する.ろ液50mLをとり,フェノールフタレイン試液2滴を加え,0.02mol/L塩酸で滴定するとき,その消費量は,8.0mL以下である.
(2) 重金属 本品1.0gを水2mLに分散し,希塩酸10mLを加えてよく振り混ぜた後,ろ過する.残留物を水10mLで洗い,洗液はろ液に合わせ,アンモニア水(28)を滴加し,沈殿がわずかに析出したとき,強く振り動かしながら希塩酸を滴加して再び溶かす.この液に塩酸ヒドロキシアンモニウム0.15gを加え加熱し,冷後,酢酸ナトリウム0.15g,希酢酸2mL及び水を加えて50mLとする.これを試料溶液として試験を行うとき,その限度は,30ppm以下である.ただし,比較液には,鉛標準液3.0mL,塩酸ヒドロキシアンモニウム0.15g,酢酸ナトリウム0.15g,希酢酸2mL及び水を加えて50mLとしたものを用いる.
(3) ヒ素 本品0.4gをとり,水5mL及び硫酸1mLを加え白煙が発生するまで加熱する.冷後,注意しながら水を加えて5mLとし,これを試料溶液として,試験を行うとき,その限度は,5ppm以下である.
乾燥減量 30.0%以下(2g,105℃,2時間)
セスキ炭酸ナトリウム
Sodium Sesquicarbonate
二炭酸一水素三ナトリウム
Na2CO3・NaHCO3・2H2O:226.03
本品は定量するとき,セスキ炭酸ナトリウム(Na2CO3・NaHCO3・2H2O)97.0%以上を含む.
性状 本品は,白色の結晶性の粉末である.
確認試験
(1) 本品の水溶液(1→30)は,ナトリウム塩の定性反応(1)を呈する.
(2) 本品の水溶液(1→30)は,炭酸塩の定性反応(1)を呈する.
pH 本品1.0gに新たに煮沸し冷却した水100mLを加えた液のpHは,9.0~10.5である.
純度試験
(1) 溶状 本品1.0gを水20mLに溶かすとき,液は無色澄明である.
(2) アンモニウム 本品1.0gをとり加熱するとき,発生するガスは,潤した赤色リトマス紙を青変しない.
(3) 重金属 本品2.0gを水5mLに溶かし,塩酸4.5mLを加え,水浴上で蒸発乾固し,残留物に希酢酸2mL,水35mL及びアンモニア試液1滴を加えて溶かし,更に水を加えて50mLとする.これを試料溶液として,第4法により試験を行うとき,その限度は,10ppm以下である.ただし,比較液には,鉛標準液2.0mLをとる.
(4) ヒ素 本品1.0gを水3mLに溶かし,塩酸2mLを加え,これを試料溶液として試験を行うとき,その限度は,2ppm以下である.
定量法 本品約3gを精密に量り,水25mLに溶かし,液の青色が黄緑色に変わるまで5mol/L硫酸で滴定した後,注意して煮沸し,冷後,帯緑黄色を呈するまで滴定する(指示薬:ブロモクレゾールグリン試液2滴).
0.5mol/L硫酸1mL=75.35mg Na2CO3・NaHCO3・2H2O
炭酸アンモニウム
Ammonium Carbonate
本品は,定量するとき,アンモニア(NH3:17.03)として20.0%以上を含む.
性状 本品は,白色又は半透明の結晶,結晶性の粉末又は固体で,アンモニアのにおいがある.
確認試験
(1) 本品は,アンモニウム塩の定性反応を呈する.
(2) 本品は,炭酸塩の定性反応(1)を呈する.
純度試験
(1) 溶状 本品2.0gに水20mLを加えて溶かすとき,液は,ほとんど澄明である.
(2) 塩化物 本品2.0gを水30mLに溶かし,薄めた硝酸(1→10)を加えて中和し,更に薄めた硝酸(1→10)6mL及び水を加えて50mLとし,これを試料溶液として試験を行うとき,その限度は,0.0053%以下である.ただし,比較液には,0.01mol/L塩酸0.30mLをとる.
(3) 重金属 本品1.0gをとり,水浴上で揮散させ,その残留物に希酢酸1mLを加え,水浴上で蒸発乾固した後,希酢酸2mLを加えて溶かし,水を加えて50mLとし,これを試料溶液として第4法により試験を行うとき,その限度は,20ppm以下である.ただし,比較液には,鉛標準液2.0mLをとる.
(4) ヒ素 本品0.50gをとり,第1法により試料溶液を調製し,試験を行うとき,その限度は,4ppm以下である.
強熱残分 0.02%以下(第2法,10g)
定量法 あらかじめ水約10mLを入れて精密に質量を量った共栓フラスコに本品約1.0gを量って入れた後,その質量を精密に量り,100mLのメスフラスコに移し,水を加えて正確に100mLとし,この液10mLを正確に量り,0.1mol/L塩酸25mLを正確に量って徐々に加え,0.1mol/L水酸化ナトリウム液で滴定する(指示薬:ブロモフェノールブルー試液4~5滴).同様の方法で空試験を行う.
0.1mol/L塩酸1mL=1.703mg NH3
チオグリコール酸モノエタノールアミン液
Monoethanolamine Thioglycolate Solution
本品は,チオグリコール酸モノエタノールアミンの水溶液で,定量するとき,チオグリコール酸(C2H4O2S:92.12)として表示量の90~110%を含む.
性状 本品は,無色~淡黄色又は淡紅色の液で,わずかに特異なにおいがある.
確認試験
(1) 本品の表示量に従い,チオグリコール酸5gに対応する量をとり,水を加えて100mLとし,試料溶液とする.試料溶液5mLにアンモニア試液を加えて中和し,塩化鉄(Ⅲ)試液2~3滴を加えるとき,液は,赤紫色を呈する.
(2) (1)の試料溶液1mLに希塩酸0.2mL及び亜硝酸ナトリウム試液0.3mLを加えるとき,液は,赤色を呈する.
(3) 本品の表示量に従い,チオグリコール酸1gに対応する量をとり,水酸化ナトリウム溶液(5→10)4mLを加え,水浴上で加熱して約4mLまで濃縮する.冷後,酢酸エチル10mLを加え,よく振り混ぜ,10分間静置する.酢酸エチルの上層部5mLをとり,水0.5mL,ペンタシアノニトロシル鉄(Ⅲ)酸ナトリウム試液0.2mL,薄めた過酸化水素試液(1→2)1滴及びアセトン0.5mLを加え,よく振り混ぜるとき,下層の水層は,赤紫色を呈する.
純度試験
(1) 溶状 本品の表示量に従い,チオグリコール酸5.0gに対応する量をとり,水を加えて100mLとした液は,澄明又はほとんど澄明である.
(2) 重金属 本品の表示量に従い,チオグリコール酸5.0gに対応する量をとり,硫酸5mLを加え,よく振り混ぜた後,注意しながら硝酸20mLを徐々に加え,穏やかに加熱する.液が,無色~微黄色にならないときは,冷後,時々硝酸2~3mLを追加し,内容物が無色~微黄色になるまで加熱する.冷後,過塩素酸1mLを加え,白煙が発生するまで加熱する.冷後,シュウ酸アンモニウム飽和溶液15mLを加え,白煙が発生するまで加熱する.冷後,水を加えて50mLとし,試料原液とする.試料原液20mLをとり,フェノールフタレイン試液1滴を加え,アンモニア試液を液が微赤色となるまで滴加し,希酢酸2mLを加え,必要ならばろ過し,水10mLで洗い,ろ液に洗液を合わせ,水を加えて50mLとする.これを試料溶液として第4法により試験を行うとき,その限度は,10ppm以下である.ただし,比較液には,鉛標準液2.0mLをとる.
(3) 鉄 本品の表示量に従い,チオグリコール酸2.5gに対応する量をとり,徐々に加熱して炭化し,次いで強熱して灰化する.残留物に塩酸1mL及び硝酸0.2mLを加えて,水浴上で蒸発乾固し,希硝酸2mL及び水20mLを加えて溶かし,更にペルオキソ二硫酸アンモニウム0.05g及び水を加えて25mLとする.これを試料溶液として試験を行うとき,その限度は,1ppm以下である.ただし,比較液には,鉄標準液0.50mLをとる.
(4) ヒ素 (2)の試料原液10mLをとり,試験を行うとき,その限度は,2ppm以下である.
(5) ジチオジグリコール酸 本品の表示量に従い,チオグリコール酸1.0gに対応する量をとり,水を加えて100mLとし,試料溶液とする.試料溶液20mLをとり,1mol/L塩酸30mL及び亜鉛粉末(85)1.5gを加え,気泡を巻き込まないようにスターラーで2分間かき混ぜた後,ろ紙(4種)を用いて吸引ろ過する.ろ紙上の残留物を水少量ずつで3回洗い,洗液をろ液に合わせ,初め注意して穏やかに加熱し,更に5分間煮沸し,冷後,0.05mol/Lヨウ素液で滴定し,その消費量をamLとする(指示薬:デンプン試液3mL).別に,試料溶液20mLをとり,水30mL及び希硫酸20mLを加え,初め注意して穏やかに加熱し,更に5分間煮沸し,冷後,0.05mol/Lヨウ素液で滴定し,その消費量をbmLとする(指示薬:デンプン試液3mL).
次式により,ジチオジグリコール酸(C4H6O4S2)の含量(%)を求めるとき,1.5%以下である.
ジチオジグリコール酸(C4H6O4S2)の含量(%)={0.9111×(a-b)×5}/W
W:本品採取量(g)
(6) 他の還元性物質 (5)の試料溶液20mLをとり,水30mL及び希硫酸20mLを加え,0.05mol/Lヨウ素液で滴定し,その消費量をAmLとする(指示薬:デンプン試液3mL).別に,試料溶液20mLをとり,水30mL及び希硫酸20mLを加え,初め注意して穏やかに加熱し,更に5分間煮沸し,冷後,0.05mol/Lヨウ素液で滴定し,その消費量をBmLとする(指示薬:デンプン試液3mL).それぞれの滴定における0.05mol/Lヨウ素液の消費量の差(A-B)は,0.4mL以下である.
強熱残分 0.25%以下(第1法,チオグリコール酸2gに対応する量)
定量法 本品の表示量に従い,チオグリコール酸約1gに対応する量を精密に量り,水を加えて正確に100mLとする.この液20mLを正確にとり,水30mL及び希硫酸20mLを加え,初め注意して穏やかに加熱し,更に5分間煮沸し,冷後,0.05mol/Lヨウ素液で滴定する(指示薬:デンプン試液3mL).同様の方法で空試験を行い,補正する.
0.05mol/Lヨウ素液1mL=9.212mg C2H4O2S
(参考)
HOCH2CH2NH2-OOCCH2SH
チオグリコール酸
Thioglycolic Acid
C2H4O2S:92.12
本品は,定量するとき,チオグリコール酸(C2H4O2S)85.0%以上を含む.
性状 本品は,無色~淡黄色の液で,特異なにおいがある.
確認試験
(1) 本品の水溶液(1→20)5mLにアンモニア試液を加えて中和し,塩化鉄(Ⅲ)試液2~3滴を加えるとき,液は,赤紫色を呈する.
(2) 本品の水溶液(1→20)1mLに亜硝酸ナトリウム試液0.3mLを加えるとき,液は,赤色を呈する.
純度試験
(1) 溶状 本品5.0gに水を加えて100mLとした液は,澄明又はほとんど澄明である.
(2) 重金属 本品5.0gに硫酸5mLを加え,よく振り混ぜた後,注意しながら硝酸20mLを徐々に加え,穏やかに加熱する.液が,無色~微黄色にならないときは,冷後,時々硝酸2~3mLを追加し,内容物が無色~微黄色になるまで加熱する.冷後,過塩素酸1mLを加え,白煙が発生するまで加熱する.冷後,シュウ酸アンモニウム飽和溶液15mLを加え,白煙が発生するまで加熱する.冷後,水を加えて50mLとし,試料原液とする.試料原液10mLをとり,フェノールフタレイン試液1滴を加え,アンモニア試液を液が微赤色となるまで滴加し,希酢酸2mLを加え,必要ならばろ過し,水10mLで洗い,ろ液に洗液を合わせ,水を加えて50mLとする.これを試料溶液として第4法により試験を行うとき,その限度は,20ppm以下である.ただし,比較液には,鉛標準液2.0mLをとる.
(3) 鉄 本品2.5gをとり,徐々に加熱して炭化し,次いで強熱して灰化する.残留物に塩酸1mL及び硝酸0.2mLを加えて,水浴上で蒸発乾固し,希硝酸2mL及び水20mLを加えて溶かし,更にペルオキソ二硫酸アンモニウム0.05g及び水を加えて25mLとする.これを試料溶液として試験を行うとき,その限度は,2ppm以下である.ただし,比較液には,鉄標準液0.50mLをとる.
(4) ヒ素 (2)の試料原液5mLをとり,試験を行うとき,その限度は,4ppm以下である.
(5) ジチオジグリコール酸 本品1.0gに水を加えて100mLとし,試料溶液とする.試料溶液20mLをとり,1mol/L塩酸30mL及び亜鉛粉末(85)1.5gを加え,気泡を巻き込まないようにスターラーで2分間かき混ぜた後,ろ紙(4種)を用いて吸引ろ過する.ろ紙上の残留物を水少量ずつで3回洗い,洗液をろ液に合わせ,初め注意して穏やかに加熱し,更に5分間煮沸し,冷後,0.05mol/Lヨウ素液で滴定し,その消費量をamLとする(指示薬:デンプン試液3mL).別に,試料溶液20mLをとり,水30mL及び希硫酸20mLを加え,初め注意して穏やかに加熱し,更に5分間煮沸し,冷後,0.05mol/Lヨウ素液で滴定し,その消費量をbmLとする(指示薬:デンプン試液3mL).
次式により,ジチオジグリコール酸(C4H6O4S2)の含量(%)を求めるとき,3%以下である.
ジチオジグリコール酸(C4H6O4S2)の含量(%)={0.9111×(a-b)×5}/W
W:本品採取量(g)
(6) 他の還元性物質 (5)の試料溶液20mLをとり,水30mL及び希硫酸20mLを加え,0.05mol/Lヨウ素液で滴定し,その消費量をAmLとする(指示薬:デンプン試液3mL).別に,試料溶液20mLをとり,水30mL及び希硫酸20mLを加え,初め注意して穏やかに加熱し,更に5分間煮沸し,冷後,0.05mol/Lヨウ素液で滴定し,その消費量をBmLとする(指示薬:デンプン試液3mL).それぞれの滴定における0.05mol/Lヨウ素液の消費量の差(A-B)は,0.4mL以下である.
強熱残分 0.40%以下(第1法,1g)
定量法 本品約1gを精密に量り,水を加えて正確に100mLとする.この液20mLを正確にとり,水30mL及び希硫酸20mLを加え,初め注意して穏やかに加熱し,更に5分間煮沸し,冷後,0.05mol/Lヨウ素液で滴定する(指示薬:デンプン試液3mL).同様の方法で空試験を行い,補正する.
0.05mol/Lヨウ素液1mL=9.212mg C2H4O2S
(参考)
HSCH2COOH
チオグリコール酸アンモニウム液
Ammonium Thioglycolate Solution
本品は,チオグリコール酸アンモニウムの水溶液で,定量するとき,チオグリコール酸(C2H4O2S:92.12)として表示量の90~110%を含む.
性状 本品は,無色~淡黄色又は淡紅色の液で,わずかに特異なにおいがある.
確認試験
(1) 本品の表示量に従い,チオグリコール酸5gに対応する量をとり,水を加えて100mLとし,試料溶液とする.試料溶液5mLにアンモニア試液を加えて中和し,塩化鉄(Ⅲ)試液2~3滴を加えるとき,液は,赤紫色を呈する.
(2) (1)の試料溶液1mLに希塩酸0.2mL及び亜硝酸ナトリウム試液0.3mLを加えるとき,液は,赤色を呈する.
(3) 本品の表示量に従い,チオグリコール酸0.5gに対応する量をとり,水酸化ナトリウム試液5mLを加えて加温するとき,アンモニアのにおいを発し,このガスは,潤した赤色リトマス紙を青変する.
純度試験
(1) 溶状 本品の表示量に従い,チオグリコール酸5.0gに対応する量をとり,水を加えて100mLとした液は,澄明又はほとんど澄明である.
(2) 重金属 本品の表示量に従い,チオグリコール酸5.0gに対応する量をとり,硫酸5mLを加え,よく振り混ぜた後,注意しながら硝酸20mLを徐々に加え,穏やかに加熱する.液が,無色~微黄色にならないときは,冷後,時々硝酸2~3mLを追加し,内容物が無色~微黄色になるまで加熱する.冷後,過塩素酸1mLを加え,白煙が発生するまで加熱する.冷後,シュウ酸アンモニウム飽和溶液15mLを加え,白煙が発生するまで加熱する.冷後,水を加えて50mLとし,試料原液とする.試料原液20mLをとり,フェノールフタレイン試液1滴を加え,アンモニア試液を液が微赤色となるまで滴加し,希酢酸2mLを加え,必要ならばろ過し,水10mLで洗い,ろ液に洗液を合わせ,水を加えて50mLとする.これを試料溶液として第4法により試験を行うとき,その限度は,10ppm以下である.ただし,比較液には,鉛標準液2.0mLをとる.
(3) 鉄 本品の表示量に従い,チオグリコール酸2.5gに対応する量をとり,徐々に加熱して炭化し,次いで強熱して灰化する.残留物に塩酸1mL及び硝酸0.2mLを加えて,水浴上で蒸発乾固し,希硝酸2mL及び水20mLを加えて溶かし,更にペルオキソ二硫酸アンモニウム0.05g及び水を加えて25mLとする.これを試料溶液として試験を行うとき,その限度は,1ppm以下である.ただし,比較液には,鉄標準液0.50mLをとる.
(4) ヒ素 (2)の試料原液10mLをとり,試験を行うとき,その限度は,2ppm以下である.
(5) ジチオジグリコール酸 本品の表示量に従い,チオグリコール酸1.0gに対応する量をとり,水を加えて100mLとし,試料溶液とする.試料溶液20mLをとり,1mol/L塩酸30mL及び亜鉛粉末(85)1.5gを加え,気泡を巻き込まないようにスターラーで2分間かき混ぜた後,ろ紙(4種)を用いて吸引ろ過する.ろ紙上の残留物を水少量ずつで3回洗い,洗液をろ液に合わせ,初め注意して穏やかに加熱し,更に5分間煮沸し,冷後,0.05mol/Lヨウ素液で滴定し,その消費量をamLとする(指示薬:デンプン試液3mL).別に,試料溶液20mLをとり,水30mL及び希硫酸20mLを加え,初め注意して穏やかに加熱し,更に5分間煮沸し,冷後,0.05mol/Lヨウ素液で滴定し,その消費量をbmLとする(指示薬:デンプン試液3mL).
次式により,ジチオジグリコール酸(C4H6O4S2)の含量(%)を求めるとき,1.5%以下である.
ジチオジグリコール酸(C4H6O4S2)の含量(%)={0.9111×(a-b)×5}/W
W:本品採取量(g)
(6) 他の還元性物質 (5)の試料溶液20mLをとり,水30mL及び希硫酸20mLを加え,0.05mol/Lヨウ素液で滴定し,その消費量をAmLとする(指示薬:デンプン試液3mL).別に,試料溶液20mLをとり,水30mL及び希硫酸20mLを加え,初め注意して穏やかに加熱し,更に5分間煮沸し,冷後,0.05mol/Lヨウ素試液で滴定し,その消費量をBmLとする(指示薬:デンプン試液3mL).それぞれの滴定における0.05mol/Lヨウ素液の消費量の差(A-B)は,0.4mL以下である.
強熱残分 0.25%以下(第1法,チオグリコール酸2gに対応する量)
定量法 本品の表示量に従い,チオグリコール酸約1gに対応する量を精密に量り,水を加えて正確に100mLとする.この液20mLを正確にとり,水30mL及び希硫酸20mLを加え,初め注意して穏やかに加熱し,更に5分間煮沸し,冷後,0.05mol/Lヨウ素液で滴定する(指示薬:デンプン試液3mL).同様の方法で空試験を行い,補正する.
0.05mol/Lヨウ素液1mL=9.212mg C2H4O2S
(参考)
HSCH2COONH4
トリクロサン
Triclosan
トリクロロヒドロキシジフェニルエーテル
C12H7Cl3O2:289.54
本品を乾燥したものは,定量するとき,トリクロサン(C12H7Cl3O2)98.0~102.0%を含む.
性状 本品は,白色の結晶性の粉末で,わずかに特異なにおいがある.
確認試験 本品につき,赤外吸収スペクトル測定法の臭化カリウム錠剤法により測定するとき,波数3320cm-1,1600cm-1,1505cm-1,1475cm-1,1420cm-1,1350cm-1,1285cm-1,1230cm-1,1105cm-1及び860cm-1付近に吸収を認める.
融点 54~59℃(第1法)
純度試験
(1) 塩化物 本品1.0gに水50mLを加え,1分間よく振り混ぜてろ過する.ろ液5mLに硝酸銀試液2~3滴を加えるとき,液は混濁しない.
(2) 重金属 本品1.0gをとり,第2法により操作し,試験を行うとき,その限度は20ppm以下である.ただし,比較液には,鉛標準液2.0mLをとる.
(3) ヒ素 本品1.0gに硫酸2mL及び硝酸5mLを加えて,穏やかに加熱する.更に時々硝酸を2~3mLずつ追加し,液が無色~微黄色になるまで加熱を続ける.冷後,シュウ酸アンモニウム飽和溶液15mLを加え,白煙が発生するまで加熱しながら濃縮する.冷後,水を加えて10mLとする.これを試料溶液として試験を行うとき,その限度は2ppm以下である.
乾燥減量 0.1%以下(1g,減圧,五酸化リン,4時間)
強熱残分 0.1%以下(第1法,1g)
定量法 本品を乾燥し,その約0.3gを精密に量り,ジメチルホルムアミド80mLを加えて溶かし,0.1mol/Lナトリウムメトキシド液で滴定する(指示薬:チモールブルー・N,N―ジメチルホルムアミド試液5滴).ただし,滴定の終点は,液の黄色が青色に変わる点とする.同様の方法で空試験を行い補正する.
0.1mol/Lナトリウムメトキシド液1mL=28.95mg C12H7Cl3O2
トルエン―2,5―ジアミン
Toluene-2,5-diamine
C7H10N2:122.17
本品を乾燥したものは,定量するとき,トルエン―2,5―ジアミン(C7H10N2)95.0%以上を含む.
性状 本品は,白色~微黄色,又は淡赤紫色の粉末又は固体で,わずかに特異なにおいがある.
確認試験
(1) 本品の水溶液(1→200)5mLにフルフラール・酢酸試液5滴を加えるとき,液は,赤黄色を呈する.
(2) 本品及び薄層クロマトグラフィー用塩酸メタフェニレンジアミンのそれぞれ0.01gに2―プロパノール/水/アンモニア水(28)混液(9:3:1)1mLずつを加えて溶かした後,更にそれぞれに亜硫酸水素ナトリウム0.1gを加えて振り混ぜ,試料溶液及び標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液1μLずつを薄層板にスポットし,イソプロピルエーテル/アセトン/2―プロパノール混液(10:1:1)を展開溶媒として薄層クロマトグラフィーにより試験を行う.薄層板にp―ジメチルアミノベンズアルデヒドの希塩酸溶液(1→200)を噴霧するとき,薄層クロマトグラフィー用塩酸メタフェニレンジアミンに対するRs値0.9付近に帯赤黄色~黄色のスポットを認める.
(3) 本品0.15gに水100mLを加えて溶かし,その1mLをとり,水を加えて100mLとする.この液につき,吸光度測定法により吸収スペクトルを測定するとき,波長235~239nm及び301~305nmに吸収の極大を示す.
融点 60~66℃(第1法)
純度試験
(1) 溶状 本品0.10gに希塩酸10mLを加えて溶かすとき,液は,無色~淡赤紫色を呈し,ほとんど澄明である.
(2) 鉄 本品1.0gをとり,試験を行うとき,その限度は,20ppm以下である.ただし,比較液には,鉄標準液2.0mLをとる.
(3) 重金属 本品1.0gをとり,硫酸5mL及び硝酸20mLを加えて静かに加熱する.更に時々,硝酸2~3mLずつを追加して,液が無色~微黄色になるまで加熱を続ける.冷後,水10mL及びフェノールフタレイン試液1滴を加え,液がわずかに紅色を呈するまでアンモニア試液を加える.次いで希酢酸2mLを加え,必要ならばろ過し,残留物を水10mLで洗い,洗液をろ液に合わせ,水を加えて50mLとし,これを試料溶液として第4法により試験を行うとき,その限度は,20ppm以下である.ただし,比較液には鉛標準液2.0mLをとる.
(4) ヒ素 本品1.0gをとり,硫酸2mL及び硝酸5mLを加えて静かに加熱する.更に時々,硝酸2~3mLずつを追加して,液が無色~微黄色になるまで加熱を続ける.冷後,シュウ酸アンモニウム飽和溶液15mLを加え,白煙が発生するまで加熱する.冷後,水を加えて10mLとし,これを試料溶液として試験を行うとき,その限度は2ppm以下である.
(5) 有機性不純物 確認試験(2)で得た薄層板には,薄層クロマトグラフィー用塩酸メタフェニレンジアミンに対するRs値0.9付近に単一の帯赤黄色~黄色のスポット以外のスポットを認めない.
乾燥減量 5.0%以下(1g,シリカゲル,4時間)
強熱残分 1.0%以下(第1法,2g)
定量法 本品を乾燥し,その約0.11gを精密に量り,窒素定量法(第2法)により試験を行う.
0.05mol/L硫酸1mL=6.109mg C7H10N2
トルエン―3,4―ジアミン
Toluene-3,4-diamine
C7H10N2:122.17
本品を乾燥したものは,定量するとき,トルエン―3,4―ジアミン(C7H10N2)95.0%以上を含む.
性状 本品は,灰色~褐色の結晶性の粉末又は固体で,わずかに特異なにおいがある.
確認試験