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② 不祥事件届出

③ 当該組合に係る苦情等及び対応

④ モニタリング分析結果

⑤ 監督上の措置(報告徴収、行政処分等)の発動、改善策及びフォローアップの状況

⑥ 各種ヒアリングの結果

⑦ 監督担当として検査で重視すべきと考える点

⑧ その他

(2) 検査を通じて把握した問題点に係る監督上の対応

検査担当が実施した組合に対する検査について、その検査結果を監督業務に適切に反映させ、資金需要者等の利益の保護を図る観点から、Ⅲ―3に基づき行政処分等の措置を検討することとする。

(3) 検査・監督の連携

監督担当と検査担当との間の適切な連携を図るため、必要に応じて適宜意見交換等を行うこととする。

Ⅲ―2 貸付事業を行う際の定款・貸付事業規約の認可

貸付事業規約の設定並びに変更等の事務処理については、以下のとおり取扱うものとする。

法第40条第6項に規定する規約の設定の認可の申請書には、施行規則第161条第1項の規定により、当該規約及び理由を記載した書面、定款、事業報告書、貸借対照表、損益計算書、附属明細書、内部規則等及び総会の議事録の謄本を、変更の認可の申請書には、施行規則第161条第2項の規定により、当該規約の新旧の比較対照表及び理由を記載した書面並びに定款、事業報告書、貸借対照表、損益計算書、附属明細書、内部規則等及び総会の議事録の謄本を添付しなければならない。また、廃止の認可申請書には、施行規則第161条第3項の規定により、当該規約及び理由を記載した書面並びに定款、及び総会の議事録の謄本を添付しなければならない。

なお、規約の設定及び変更の認可に当たっては、次の事項に留意すること。(認可申請書は別紙様式2~4)

① 貸付事業規約には、施行規則第57条に規定する内容が定められているか。

② 純資産額は、貸付事業を適正に実施するため必要かつ適当なものとして政令で定める金額以上であるか。なお、純資産額については、組合が提出する毎年度の貸借対照表において基準以上となっているか確認すること。

③ 内部規則等には、施行規則第51条第1号から第56号に規定する内容が定められているか。

④ 事業計画書について、当該計画に基づいた資金計画は、適正かつ実現可能なものであるか。また、将来にわたり安定的な事業継続が見込める内容となっているか。

⑤ 認可申請書及び変更申請書の受理に当たっては、次の事項に留意し、不適切な場合にはその是正を求めるものとする。

イ.資金需要者等に公的機関又は金融機関のごとき誤解を与え、取引の公正を害するおそれのある商号又は名称を使用していないこと

ロ.2以上の商号又は名称を使用して、2以上の認可の申請をしていないこと

⑥ 適切な業務の運営に疑念がある場所を事業所等として記載することや、他人に成りすます又は他人の名義を借りて認可申請を行うなど、所管行政庁を欺き認可を受けることは、虚偽記載又は不正な手段による認可となるため、特に、新規の認可申請に当たり、認可申請者(組合の役員を含む。)や重要な使用人を招聘してヒアリングを行うなど、不適切な認可申請を排除するよう努めるものとする。

⑦ 認可を受けようとする者が暴力団員等その事業活動を支配する者である可能性がある場合には、認可に際して細心の注意を払うこととする。

上記の「暴力団員等その事業活動を支配する者」は、暴力団員等が自己又は他人の名義で多額の出資をし、これを背景として事業活動に相当の影響力を及ぼしている法人のほか、例えば、融資関係、人的派遣関係又は取引関係等を通じて、結果的に暴力団員等が事業活動に相当程度の影響力を有するに至っているものが含まれ、具体的には、次の事由を有する者がこれに該当すると考えられる。

イ.暴力団員等の親族(事実上の婚姻関係にある者を含む。)又は暴力団若しくは暴力団員と密接な関係を有する者が、認可申請者(法人の役員を含む。)又は重要な使用人であることのほか、多額の出資又は融資を行い、事業活動に相当程度の影響力を有していること。

ロ.暴力団員等が、事業活動への相当程度の影響力を背景にして、名目のいかんを問わず、多額の金品その他財産上の利益供与を受けていること又は売買、請負、委任その他の多額の有償契約を締結していること。

⑧ 認可を受けようとする者が「貸付事業を的確に遂行するための必要な体制が整備されていると認められない者」の場合は、認可申請書及び同添付書類をもとに、ヒアリング等により検証し、特に以下の点に留意するものとする。

イ.内部規則及び監督指針Ⅱ―1(経営管理等)並びにⅡ―2(業務の適切性)に掲げた主な着眼事項について、申請に係る組合の規模・特性等からみて、適切に対応するための態勢が整備されているか。

特に、組織態勢の確認に当たっては、法令等遵守のための態勢を含め、相互牽制機能が有効に機能する内部管理部門の態勢が整備されているか。

ロ.事業所等に個人情報の保管のための適切な設備、資金需要者等からの苦情等対応及び帳簿の閲覧のための場所等が確保されるなど、申請に係る組合の規模・特性等に応じて、貸付事業の適正な業務運営を行うための必要かつ十分な設備が整っているか。

⑨ 生協では、協同組合の理念により、各組合員はその出資口数の多少にかかわらず、各々1個の議決権及び選挙権を有するという原則がとられている。(法第17条第1項)また、1組合員の出資口数が余りに多いと、その者が脱退すれば、払込済出資額の払戻により、組合の経営が著しく困難となる危険があるため、事実上大出資者の意思が偏重されるおそれがある。そこで法第16条第3項において、1組合員の有することのできる出資口数の限度は、組合員の総出資口数の4分の1を超えてはならないと規定されている。

特に貸付事業を行う組合においては、保有すべき最低純資産額が定められていることから、1組合員の有することのできる出資口数の限度を、組合の置かれた実情に応じて、当該組合の定款で4分の1からさらに制限することが望まれる。

また、生協では、剰余金の割戻しについて、利用分量に応じて割り戻すことを基本としている。(法第2条)

特に貸付事業を行う組合において、利用分量に応じて剰余金を割り戻すことは、実質的に、債務者の支払う利息を軽減する意味を持つことから、好ましいことである。

他方、出資額に応じて割戻し(出資配当)を行うことは、出資配当のみを目的に過大に出資することを防止する観点から、定款で禁止する必要がある。

Ⅲ―3 行政処分を行う際の留意点

Ⅲ―3―1 行政処分の基準

主要な不利益処分(行政手続法第2条第4号にいう不利益処分をいう。以下同じ。)としては、①法第95条第1項に基づき必要な措置を採るべき旨の命令、②同条第2項に基づく業務停止命令、③同条第3項に基づく解散命令等があるが、これらの発動に関する基本的な事務の流れを例示すれば、以下のとおりである。

(1) 法第93条に基づく報告徴収命令

① オンサイトの立入検査や、オフサイト・モニタリング(ヒアリング、不祥事件届出書など)を通じて、法令等遵守態勢、経営管理(ガバナンス)態勢等に問題があると認められる場合においては、法第93条に基づき、当該事項についての事実認識、発生原因分析、改善・対応策その他必要と認められる事項について、報告を求めることとする。

② 報告を検証した結果、さらに精査する必要があると認められる場合においては、法第93条に基づき、追加報告を求めることとする。

(2) 法第93条に基づき報告された改善・対応策のフォローアップ

① 上記報告を検証した結果、業務の健全性・適切性の観点から重大な問題が発生しておらず、かつ、組合の自主的な改善への取組みを求めることが可能な場合においては、任意のヒアリング等を通じて上記(1)において報告された改善・対応策のフォローアップを行うこととする。

② 必要があれば、法第93条に基づき、定期的なフォローアップ報告を求める。

(3) 法第95条に基づく必要な措置を採るべき旨の命令、業務停止命令、解散命令等

貸付事業の健全な運営を確保し、又は組合員を保護するため、必要があると認められるときには、組合に対して、法第93条の規定により報告を徴し、又は法第94条の規定による検査を行った場合において、当該組合が、法第95条第1項各号のいずれかに該当すると認められるときは、同項の規定に基づき必要な措置を採るべき旨を命ずることができる。また、これに従わないときは、同条第2項の規定により役員の解任命令、又は期間を定めて業務停止命令の発出を検討することとする。なお、組合の業務若しくは会計が法令若しくは法令に基づいてする行政庁の処分に違反する等の場合で、同条第1項に規定する命令をしたにもかかわらず、これに従わないときは、同条第3項の規定に基づき、組合の解散命令の発出を検討するものとする。

また、法第93条に規定する報告徴収や法第94条に規定する検査を行わない場合でも、当該組合が、重大・悪質な法令等の違反行為又は公益を害する行為をしたときは、法第94条の2第5項の規定に基づき、業務停止命令や役員の解任命令の発出、貸付事業規約の認可取消しを行うことができることとする。

なお、検討に当たっては、以下①から③に掲げる要素を勘案するとともに、他に考慮すべき要素がないかどうかを吟味した上で、

・ 改善に向けた取組みを組合の自主性に委ねることが適当かどうか、

・ 改善に相当の取組みを要し、一定期間業務改善に専念・集中させる必要があるか、

・ 業務を継続させることが適当かどうか、

等の点について検討を行い、最終的な行政処分の内容を決定することとする。

① 当該行為の重大性・悪質性

イ.公益侵害の程度

組合が、生協全体又は貸金市場に対する信頼性を大きく損なうなど公益を著しく侵害していないか。

ロ.被害の程度

広範囲にわたって多数の利用者が被害を受けたかどうか。個々の利用者が受けた被害がどの程度深刻か。

ハ.行為自体の悪質性

例えば、利用者から多数の苦情を受けているのにもかかわらず、引き続き、違法な督促を続けるなど、組合の行為が悪質であったか。

ニ.当該行為が行われた期間や反復性

当該行為が長期間にわたって行われたのか、短期間のものだったのか。反復・継続して行われたものか、一回限りのものか。また、過去に同様の違反行為が行われたことがあるか。

ホ.故意性の有無

当該行為が違法・不適切であることを認識しつつ故意に行われたのか、過失によるものか

ヘ.組織性の有無

当該行為が現場の担当者個人の判断で行われたものか、あるいは管理者も関わっていたのか。更に役員の関与があったのか。

ト.隠蔽の有無

問題を認識した後に隠蔽行為はなかったか。隠蔽がある場合には、それが組織的なものであったか。

チ.反社会的勢力との関与の有無

反社会的勢力との関与はなかったか。関与がある場合には、どの程度か。

② 当該行為の背景となった経営管理態勢及び業務運営態勢の適切性

イ.役員の法令等遵守に関する認識や取組みは十分か。

ロ.内部監査部門の体勢は十分か、また適切に機能しているか。

ハ.業務担当者の法令等遵守に関する認識は十分か、また、内部教育が十分になされているか。

③ 軽減事由

以上①及び②の他に、行政による対応に先行して、組合が自主的に資金需要者等の利益の保護のために所要の対応に取り組んでいる等、といった軽減事由があるか。

Ⅲ―4 その他の留意事項

(1) 貸付事業規約の設定及び行政庁の認可について

消費生活協同組合法の一部を改正する等の法律附則第2条の規定により、平成19年12月19日(施行日)時点で、現に貸付事業を行う組合については、平成20年6月18日までの間は、法第26条の4の規定にかかわらず、貸付事業規約の設定は猶予されている。

また、この場合には、法第40条第6項に規定する貸付事業規約の設定についての行政庁の認可を受けたものとみなすこととされている。

なお、平成19年12月19日の時点で、現に貸付事業を行う組合を所管する行政庁においては、平成20年6月18日までの期間内に組合が申請した貸付事業規約の認可の可否が判断できるよう、組合に対して、貸付事業規約の総会(総代会)での議決及び当該規約の行政庁の認可申請について、必要な助言・指導を行うこととする。

(2) 純資産額について

組合が貸付事業を適正に実施するために必要な純資産額は、消費生活協同組合法施行令(平成19年政令第373号)第15条の規定により、職域による消費生活協同組合であってその組合員の総数が1,000人を超えない場合を除き、5,000万円とされたが、平成19年12月19日から平成20年4月18日までの間は500万円、平成20年4月19日から平成20年9月18日までの間は2,000万円と経過措置が設けられている。

よって、貸付事業を実施している組合が、それぞれの経過措置終了後に必要とされている純資産額を保有しているか否か、行政庁は、適宜、確認することとし、その状況に応じて、必要な助言・指導を行うこととする。

さらに、平成19年12月19日以降新たに貸付事業を実施予定の組合については、平成20年9月19日の時点で、純資産額が5,000万円を超えていなければならないことを貸付事業規約の認可の際に勘案する必要がある。よって、貸付事業規約の設定の認可を行う際には、事業計画書等において純資産額の将来的な見通しの確認を行い、事業計画書等に疑義がある場合には、組合に対する深度あるヒアリングを実施し、事業計画書等の妥当性を判断した上で、平成20年9月19日の時点で純資産額が5,000万円を超える見込みがない場合には、当該規約の認可をしないこととする。

(3) 貸付事業の運営に関する措置について

本監督指針中、「Ⅱ―2―10 利息、賠償額の予定」、「Ⅱ―2―11 債務履行担保措置業者との契約締結の禁止及び保証業者と保証契約を締結することの禁止」、「Ⅱ―2―16 書面の交付義務」、「Ⅱ―2―13 過剰貸付けの禁止」、「Ⅱ―2―15 多重債務者等に対する生活再建計画の策定」、「Ⅱ―2―20 債権譲渡」、及び「Ⅱ―2―21 債務者等以外の者からの債務の弁済の禁止」の評価項目における監督に当たっては、以下の経過措置に留意することとする。

① 平成19年12月19日時点で、現に貸付事業を行う組合は、施行規則第51条に定められた措置のうち、次に掲げる事項については、経過措置として、平成20年6月19日以後に締結する貸付けに係る契約について適用し、平成20年6月18日以前に締結した貸付けに係る契約については、なお従前の例によることとされている。

イ.貸付利息等の制限(施行規則第51条第1項第12号及び第13号)

ロ.債務履行担保措置業者との契約締結の禁止(同項第14号)

ハ.保証業者と保証契約を締結することの禁止(同項第15号及び第16号)

ニ.賠償額の予定の制限(同項第17号)

ホ.契約締結前の書面の交付(同項第31号及び第32号)

ヘ.契約締結時の書面の交付(同項第34号から第39号)

② 平成19年12月19日時点で、現に貸付事業を行う組合は、施行規則第51条に定められた措置のうち、次に掲げる規定については、平成20年6月19日以後に締結する貸付けの契約について適用し、平成20年6月18日以前に締結した貸付けの契約については、なお従前の例によることとされている。

イ.返済能力の調査(施行規則第51条第1項第19号から第21号)

ロ.過剰貸付け等の禁止(同項第22号)

ハ.多重債務者等に対する生活再建計画の策定義務(同項第30号)

ニ.債権譲渡等の規制(同項第50号及び第51号)

(4) 貸付事業取扱責任者について

Ⅱ―2―22(貸付事業取扱責任者)の規定により、組合は適正な運営の確保のために必要な知識を有する者として、貸付事業取扱責任者を設置することとしているところである。

その設置については、法に基づく貸付事業の規制と貸金業法による規制がほぼ同様の規制であることも考慮し、貸金業法の規定に基づく貸金業務取扱主任者資格試験に合格した者を活用し、貸付事業取扱責任者として事業所等ごとに、1名配置することとしている。

しかしながら、貸金業法における貸金業務取扱主任者の資格試験は、平成20年6月19日以降実施され、その設置義務化は平成21年6月19日以降となるため、平成19年12月19日から平成21年6月18日の期間においては、貸金業法の規定に基づき実施されている貸金業務取扱主任者研修を受講した者を配置することとする。

なお、当該研修を受講した者がいない場合には、組合の役員又は貸付事業に従事する者の中から選任し、平成20年6月18日までの間に当該研修を受講させることとする。

[貸付事業向けの総合的な監督指針]

別紙様式

別紙様式1

(別紙様式2)

(別紙様式3)

(別紙様式4)

[様式ダウンロード]

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