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○医療用医薬品の製造販売承認申請書等における特定の原薬に係る製造方法の記載簡略化について

(平成21年3月4日)

(薬食審査発第0304018号)

(各都道府県衛生主管部(局)長あて厚生労働省医薬食品局審査管理課長通知)

医薬品(体外診断用医薬品を除く。以下同じ。)の製造販売承認申請書等の製造方法欄における記載事項に関しては、平成17年2月10日付け薬食審査発第0210001号厚生労働省医薬食品局審査管理課長通知「改正薬事法に基づく医薬品等の製造販売承認申請書記載事項に関する指針について」(以下「課長通知」という。)等において取扱いを示しているところです。

医薬品の製造方法については、実際の製造工程に基づき品質確保に必要な事項を適切に記載する必要があり、記載の程度は、個々の医薬品の特性によって異なるものであることから、今般、それぞれの医薬品のリスクや製造方法等を踏まえ、医療用医薬品に用いられる特定の原薬について、下記のとおり、製造販売承認申請書、原薬等登録原簿(以下「MF」という。)登録申請書等における製造方法の記載を簡略化しても差し支えないこととしましたので、貴管下関係業者に対し周知願います。

なお、課長通知の記の第1の1.の(4)及び(5)の取扱いは継続することも併せて周知願います。

また、製造方法の審査については、厚生労働省及び独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下「機構」という。)において、より一層合理的なものとなるよう努めることを申し添えます。

1.対象成分

平成19年3月30日付け薬食安発第0330007号厚生労働省医薬食品局安全対策課長通知「一般用医薬品の区分リストについて」における第三類医薬品に該当する有効成分のうち、製造方法等も考慮した上で、特にリスクが低いと考えられる別添1の有効成分。

なお、対象成分については、必要に応じて見直しを行うこと。

2.製造方法の簡略化記載ついて

製造方法欄については、製造工程の概略を確認できるよう、製造所情報、当該製造所における製造工程の範囲及び製造方法の流れ図(流れ図は別紙として添付すること。)を記載することで差し支えないこと。

なお、簡略化記載をするにあたっては下記について留意すること。

(1) 記載する製造工程の範囲については、原則として、課長通知別添1のA.の2.1のとおりとすること。

(2) 出発物質・中間体・生成物の構造式や化学名、製造工程名、使用する試薬・溶媒等の名称を製造方法の流れ図に記載すること。

(3) (2)の各物質や製造工程については、製造管理の実態を踏まえて、品質管理上、必要となる管理項目等を適切に記載すること。具体的には、

① 重要中間体及び粗原薬について設定している管理項目及び管理値/判定基準を記載すること。

② 軽微変更届出の対象となる仕込量、プロセス・パラメータ等の記載は省略して差し支えないこと。

③ 工程が管理されていることを保証するための一部変更承認申請対象の工程管理試験が設定されている場合は、管理項目及び管理値/判定基準を記載すること。

(4) 製造方法欄は、別添2を参考の上、適切に記載すること。製造方法の流れ図の具体的な記載については、以下を参考にすること。

① 化学合成法により製造される原薬の場合:別添3

② 発酵法により製造される原薬の場合:別添4

(5) 課長通知の記の第1の1.の(3)及び別添1のA.の3に示す製造方法に関する資料を参考資料として添付することは要しないこと。

(6) 簡略化記載であっても、安全性の懸念が考えられる等、必要と判断された場合は、より詳細な記載及び追加資料の提出を求めることがあること。

3.適用時期

本日以降、製造販売承認申請(製造販売承認事項一部変更承認申請(以下「一変申請」という。)を含む。)又はMF登録申請(MF変更登録申請を含む。)されるもの。ただし、現時点で既に製造販売承認、MF登録等されている品目について、製造方法のみを本通知に基づき簡略化記載に改める場合は、以下のとおりとすること。

(1) 既に、課長通知の第4に基づく記載整備又は平成17年3月10日付け薬食審査発第0310002号厚生労働省医薬食品局審査管理課長通知の4(3)に基づく改正薬事法に適合したMF変更登録申請が完了した原薬については、当該原薬を利用した品目の軽微変更届又は当該MFの軽微変更届により、簡略化記載に変更できること。この場合、軽微変更届の変更年月日は提出日とするとともに、備考欄には「変更理由:平成21年3月4日付け薬食審査発第0304018号通知による記載の変更」と記載すること。なお、当該変更を行うにあたっては、それ以外の変更は行わないこと。

(2) 今後記載整備が行われる品目については、簡略化記載によりこれを行うことで差し支えないこと。

(3) 現在、製造販売承認申請、製造方法に係る一変申請、MF登録申請又はMF変更登録申請を行っているもので、本通知に基づく簡略化記載への変更を希望する場合には、以下のとおりとすること。

① 既に機構の審査担当部署から照会を受けている場合には、当該回答にあわせて差換え案を提出すること。

② 機構の審査担当部署から照会を受けていない場合には、速やかに(平成21年4月末を目途とする。)、別紙様式及び申請書の差換え案を、書面により機構審査業務部業務第一課あてに提出すること。

(4) (3)の規定にかかわらず、平成18年12月25日付け薬食審査発第1225002号・薬食監麻発第1225007号厚生労働省医薬食品局審査管理課長及び監視指導・麻薬対策課長通知「医療用医薬品の製造所の変更又は追加に係る手続の迅速化について」に基づく一変申請及び平成4年2月14日付け薬審第37号厚生省薬務局審査課長及び新医薬品課長通知「商標権抵触等により医薬品の販売名のみを変更するものの取扱いについて」に基づく代替新規申請を行っているもので、本通知に基づく簡略化記載への変更を希望する場合には、当該申請の承認後に軽微変更届を提出することによりこれを行うこと。

4.その他

(1) 簡略化記載された製造方法の変更については、原則として、一部変更承認申請の対象であること。添付する製造方法の流れ図についても同様であること。

(2) 1.で示された特定の原薬であっても、品質確保は当該原薬を使用する医薬品製造販売業者の責務であり、特に、不純物、残留溶媒等については、原薬製造業者又は医薬品製造販売業者により適切に確認・管理を実施すること。

別添1

簡略化記載が可能な有効成分名

(1)

亜鉛華デンプン

(75)

炭酸水素ナトリウム

(2)

亜鉛華軟膏

(76)

炭酸ナトリウム

(3)

アクリノール

(77)

炭酸マグネシウム

(4)

アスコルビン酸

(78)

タンニン酸

(5)

アスパラギン酸

(79)

チアミン

(6)

アズレン

(80)

チアミンジスルフィド

(7)

アズレンスルホン酸

(81)

チオクト酸

(8)

アミノ安息香酸エチル

(82)

チオクト酸アミド

(9)

アミノエチルスルホン酸

(83)

チモール

(10)

アラニン

(84)

チンク油

(11)

アルギニン

(85)

デンプン

(12)

アルキルジアミノエチルグリシン

(86)

銅クロロフイリン

(13)

アルクロキサ

(87)

トコフェロールコハク酸エステル

(14)

アルジオキサ

(88)

トコフェロール酢酸エステル

(15)

安息香酸

(89)

トリプトファン

(16)

安息香酸ナトリウムカフェイン

(90)

トレオニン

(17)

アンモニア

(91)

ニコチン酸

(18)

アンモニア・ウイキョウ精

(92)

ニコチン酸アミド

(19)

イオウ

(93)

ニコチン酸ベンジルエステル

(20)

イソプロパノール

(94)

乳酸

(21)

イソロイシン

(95)

乳酸カルシウム

(22)

イノシトール

(96)

尿素

(23)

エタノール

(97)

白糖

(24)

塩化亜鉛

(98)

バリン

(25)

塩化アンモニウム

(99)

パンテチン

(26)

塩化カリウム

(100)

パンテノール

(27)

塩化カルシウム

(101)

パントテン酸

(28)

塩化ナトリウム

(102)

ビオチン

(29)

オクトチアミン

(103)

ビスチアミン

(30)

オバノール

(104)

ヒスチジン

(31)

オリザノール

(105)

ビスベンチアミン

(32)

過酸化水素

(106)

ヒドロキソコバラミン

(33)

カフェイン

(107)

ヒノキチオール

(34)

ガラクトース

(108)

ピリドキサールリン酸エステル

(35)

カラミン

(109)

ピリドキシン、ピリドキサール又はピリドキサミン

(36)

カリ石ケン

(110)

フェニルアラニン

(37)

カルプロニウム

(111)

フッ化ナトリウム

(38)

カルメロース

(112)

ブドウ酒

(39)

カンフル

(113)

ブドウ糖

(40)

グアイアズレンスルホン酸

(114)

フラビンアデニンジヌクレオチド

(41)

グアイフェネシン

(115)

フルスルチアミン

(42)

クエン酸

(116)

プロスルチアミン

(43)

クエン酸二水素コリン

(117)

ヘプロニカート

(44)

グリシン

(118)

ベンフォチアミン

(45)

グリセリン

(119)

ホウ酸

(46)

グリセリンカリ液

(120)

ポビドンヨード

(47)

グリセロリン酸

(121)

メコバラミン

(48)

グルクロノラクトン

(122)

メタノール変性アルコール

(49)

グルクロン酸

(123)

メチオニン

(50)

グルコン酸

(124)

メチルセルロース

(51)

グルタミン

(125)

メントール

(52)

グルタミン酸

(126)

ヨウ化カリウム

(53)

ケイ酸アルミニウム

(127)

葉酸

(54)

ケイ酸マグネシウム

(128)

ヨウ素

(55)

コリン

(129)

ヨードチンキ

(56)

酢酸

(130)

ラウロマクロゴール

(57)

サリチル酸エチレングリコール

(131)

リジン

(58)

サリチル酸グリコール

(132)

リボフラビン

(59)

サリチル酸メチル

(133)

リボフラビン酪酸エステル

(60)

酸化亜鉛

(134)

リボフラビンリン酸エステル

(61)

酸化マグネシウム

(135)

硫酸亜鉛

(62)

シアノコバラミン又はヒドロキソコバラミン

(136)

硫酸アルミニウムカリウム

(63)

次硝酸ビスマス

(137)

硫酸マグネシウム

(64)

シスチン

(138)

リン酸水素カルシウム

(65)

システイン

(139)

リン酸水素ナトリウム

(66)

ジセチアミン

(140)

リン酸二水素カリウム

(67)

ジメチコン

(141)

リン酸二水素ナトリウム

(68)

酒石酸水素カリウム

(142)

リン脂質

(69)

硝酸カリウム

(143)

レシチン

(70)

水酸化カルシウム

(144)

レチノール

(71)

水酸化マグネシウム

(145)

レチノール酢酸エステル

(72)

ステアリン酸

(146)

レチノールパルミチン酸エステル

(73)

タルク

(147)

ロイシン

(74)

炭酸カルシウム

(148)

ワセリン

注1) 本リスト中に示した有効成分については、特に記載がない限り、その塩類及びそれらの水和物を含むものであること。また、特に記載がない限り、それらの光学異性体、立体異性体及び構造異性体を含むものであること。

注2) 本リストについては、使用前例のない有効成分を含むものではないこと。

別添2

承認申請書等の製造方法欄の簡略化記載例

【製造方法】

【剤型分類】 :aaa

【製造方法】

【連番】 :001

【製造所の名称】 :製造所A

【製造方法】

製造工程の範囲:反応、精製、包装、保管、試験

原薬Xの製造方法:別紙○のとおり(pdfファイルとして添付する)

【次の製造方法の連番】 :004

【製造方法】

【連番】 :002

【製造所の名称】 :製造所B

【製造方法】

製造工程の範囲:発酵・粗製、精製、包装、保管、試験

原薬Yの製造方法:別紙○のとおり(pdfファイルとして添付する)

【次の製造方法の連番】 :004

【製造方法】

【連番】 :003

【製造所の名称】 :製造所C

【製造方法】

製造工程の範囲:反応、精製、包装、保管、試験

原薬Zの製造方法:MF登録番号○○○MF○○○○○(平成○年○月○日 第○回登録)の製造方法による。

【次の製造方法の連番】 :004

【原薬等登録番号】

【原薬等登録番号】 :○○○MF○○○○○

【登録年月日】 :○○○○○○○(平成○年○月○日)

【原薬等販売名】 :○○○(MFの販売名を記載する)

【製造方法】

【連番】 :004

【製造所の名称】 :製造所D

【製造方法】

製造工程の範囲:秤量、混合、・・・、包装、表示、保管、試験

○○(製剤の販売名を記載する)の製造方法

(平成17年2月10日付け第0210001号通知に基づき製造方法を記載する)

注) MF登録申請書等の製造方法欄についても、本記載例を参考に記載すること。

別添3

(化学合成法により製造される原薬の製造方法の流れ図の記載例)

一般的な留意事項

・出発物質については、原則として、平成17年2月10日付け薬食審査発第0210001号厚生労働省医薬食品局審査管理課長通知「改正薬事法に基づく医薬品等の製造販売承認申請書記載事項に関する指針について」別添1のAの2.1に従い記載すること。ただし、無機塩類等、反応工程が存在しない場合は、品質確保に必要な工程から記載することで差し支えない。

・「重要工程」という文言の記載は不要とする。

・原則として、重要中間体や粗原薬について設定している管理項目及び管理値/判定基準を記載すること。なお、記載例の管理項目及び管理値/判定基準については例示であり、必要に応じて適切に設定すること。

・ろ過等の操作については原理を記載すること。

・工程管理試験に係る管理項目及び管理値/判定基準のうち、一部変更承認申請対象となるもののみ記載すること。なお、管理項目及び管理値/判定基準については、必要に応じて適切に設定すること。

別添4

(発酵法により製造される原薬の製造方法の流れ図の記載例)

一般的な留意事項

・出発物質については、原則として、平成17年2月10日付け薬食審査発第0210001号厚生労働省医薬食品局審査管理課長通知「改正薬事法に基づく医薬品等の製造販売承認申請書記載事項に関する指針について」別添1のAの2.1に従い記載すること。ただし、反応工程が存在しない場合には品質確保に必要な工程から記載することで差し支えない。

・操作条件として、発酵法に係る菌種、培養温度を記載すること。また、pHを管理している場合は、その値を記載すること。

・原則として、重要中間体や粗原薬について設定している管理項目及び管理値/判定基準を記載すること。なお、記載例の管理項目及び管理値/判定基準は例示であり、必要に応じて適切に設定すること。

・工程管理試験に係る管理項目及び管理値/判定基準のうち、一部変更承認申請対象となるもののみ記載すること。なお、記載例の管理項目及び管理値/判定基準は例示であり、必要に応じて適切に設定すること。

別紙様式