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○境界層措置の運用の詳細について

(平成17年9月21日)

(老介発第0921001号)

(各都道府県介護保険主管部(局)長あて厚生労働省老健局介護保険課長通知)

介護保険制度における境界層措置の運用については、「境界層措置の運用の詳細について」(平成12年7月14日老介第9号厚生省老人保健福祉局介護保険課長通知)において規定されているところであるが、今般、境界層措置の運用の詳細について下記のとおり定め、平成17年10月1日から適用することとしたので、本日付厚生労働省社会・援護局保護課長通知と併せて御了知の上、管内市町村にその周知を図られたい。

なお、本通知については、社会・援護局保護課と協議済みであることを念のため申し添える。

また、本通知の施行に伴い、「境界層措置の運用の詳細について」(平成12年7月14日老介第9号厚生省老人保健福祉局介護保険課長通知)は、平成17年9月30日限りで廃止する。

1 境界層措置について

介護保険制度においては、以下の①から⑤までに関し、本来適用されるべき基準等を適用すれば生活保護を必要とするが、より負担の低い基準等を適用すれば生活保護を必要としない状態となる者については、当該より低い基準等を適用することとしている(当該措置を以下「境界層措置」という。)。

① 介護保険法(平成9年法律第123号。以下「法」という。)第69条第1項に規定する給付額減額等の記載

② 法第51条の3第2項第2号に規定する居住費の負担限度額若しくは法第61条の3第2項第2号に規定する滞在費の負担限度額又は介護保険法施行法(平成9年法律第124号。以下「施行法」という。)第13条第5項第2号に規定する居住費の特定負担限度額

③ 法第51条の3第2項第1号若しくは第61条の3第2項第1号に規定する食費の負担限度額又は施行法第13条第5項第1号に規定する食費の特定負担限度額

④ 法第51条第1項の規定による高額介護サービス費に係る負担の上限額又は法第61条第1項の規定による高額介護予防サービス費に係る負担の上限額

⑤ 法第129条第1項の規定による保険料の負担額

2 具体的な事務処理

1の①から⑤までに関し、どの境界層措置を他の境界層措置に優先して適用すべきかについては、①から⑤の順に適用することが適当である。

別添「境界層該当者の取り扱いについて(平成17年9月21日社援保発第0921001号)」により、福祉事務所長は、生活保護の申請を行った被保険者等に対し、必要な境界層措置の証明を行うこととされているので、保険者は、1の①から⑤の順(具体的には福祉事務所長が交付した証明書等に記載されることとなる。)に境界層措置を適用することとなる。

具体的な事務処理は、以下のとおりである。

① 福祉事務所長は、生活保護の申請者又は現に生活保護を受けている者が境界層措置を講ずれば生活保護を必要としない者であると認めた場合には、1の①から⑤の順に当てはめた上で、当該者についてどの境界層措置が講じられるべきであるかを示す証明書等を交付して、保護申請を却下し、又は保護を廃止することとされている。また、福祉事務所長は、当該者が保険者に境界層措置の申請をするに当たっては当該証明書等を申請書に添えて提出するよう、当該者に対し教示することとされている。

② 保険者においては、境界層措置の申請者が申請書に添付する証明書等を確認の上、実際の境界層措置を講ずることとなる(具体的には、別紙(参考)を参照のこと。)。なお、この際に発行する負担限度額認定証の記載について、介護保険施設を利用する場合にあっては、負担限度額を適用しない部分(境界層措置において負担限度額を適用しないとされた食費又は居住費及び入所する居室以外の居室の居住費)については、負担限度額を適用しないことがわかるように、負担限度額の欄に、例えば、「――――」(取消線)、「****」、「負担限度額なし」等の記載をされたい。

3 留意点

境界層措置を適用すべき者に対しこれまで当該境界層措置が講じられていない場合においては、「高額介護サービス費等の支給並びに食費及び居住費等の負担限度額認定等の運用について(平成17年9月8日老介発第0908001号)」の1(3)及び2(2)及び4(2)に基づき、保護の却下に係る申請が行われた月又は保護が廃止された月の初日に遡って、当該境界層措置が行われるべきものである。

4 既対象者の取扱いについて

平成17年10月1日において現に境界層措置を受けている者にあっては、同日以降も引き続き境界層措置の対象とする。

この場合においては、境界層該当証明書の再度の発行によらず、現に発行を受けている境界層該当証明書の(2)の額をもとに、保険者において別添「境界層該当者の取扱いについて(平成17年9月21日社援保発第0921001号)」に従って1の①から⑤の順に適用されるべき措置を判断し、必要な境界層措置による減額を行うことができることとする。

なお、現に発行を受けている境界層該当証明書の(2)の額については、今般の介護保険制度の改正による利用者負担額の変化により調整が必要となることが考えられることから、保険者においては、必要に応じ、その証明を行った福祉事務所に照会を行う等による対応をとられたい。

〔別紙〕

(参考)

具体的な境界層措置の手順について

1 まず、記の1の①について、介護保険法施行令(平成10年政令第412号。以下「施行令」という。)第35条第3号及び介護保険法施行規則(平成11年厚生省令第36号。)第113条第4号の規定に基づき、法第69条第1項に規定する給付額減額等の記載を行わないこととする。

2 1に係る境界層措置の適用がない場合又は当該境界層措置を適用してもなお生活保護を必要とする者である場合においては、記の1の②に掲げる負担額について、介護保険法第51条の3第2項第2号に規定する居住費の負担限度額及び同法第61条の3第2項第2号に規定する滞在費の負担限度額(平成17年9月厚生労働省告示第414号。)及び介護保険法施行法第13条第5項第2号に規定する居住費の特定負担限度額(平成17年9月厚生労働省告示第418号。)の規定に基づき、より低い居住費等の負担限度額又は居住費の特定負担限度額を適用することとする。

3 1及び2に係る境界層措置の適用がない場合又はこれらの境界層措置を適用してもなお生活保護を必要とする者である場合においては、記の1の③に掲げる負担額について、介護保険法第51条の3第2項第1号及び第61条の3第2項第1号に規定する食費の負担限度額(平成17年9月厚生労働省告示第413号。)及び介護保険法施行法第13条第5項第1号に規定する食費の特定負担限度額(平成17年9月厚生労働省告示第417号。)の規定に基づき、より低い食費の負担限度額又は食費の特定負担限度額を適用することとする。

4 1から3までに係る境界層措置の適用がない場合又はこれらの境界層措置を適用してもなお生活保護を必要とする者である場合においては、記の1の④に掲げる限度額について、施行令第22条の2の2第5項第2号及び同条第6項又は施行令第29条の2の2第5項第2号及び同条第6項の規定に基づき、より低い上限額(1月につき24,600円又は15,000円)を適用することとする。

5 1から4までに係る境界層措置の適用がない場合又はこれらの境界層措置を適用してもなお生活保護を必要とする者である場合においては、記の1の⑤に掲げる保険料額について、施行令第38条第1項第1号イ(2)若しくはニ、同項第2号ロ、同項第3号ロ、同項第4号ロ、同項第5号ロ、同項第6号ロ、同項第7号ロ若しくは同項第8号ロ又は同令第39条第1項第1号イ(2)若しくはニ、同項第2号ロ、同項第3号ロ、同項第4号ロ、同項第5号ロ、同項第6号ロ、同項第7号ロ、同項第8号ロ若しくは同項第9号ロの規定に基づき、より低い標準割合(10分の5(同令第38条第10項に基づき減額賦課した場合には、当該減額賦課後の割合)、10分の7.5(同令第38条第11項又は第12項に基づき減額賦課した場合には、当該減額賦課後の割合)、10分の9、10分の10、10分の12、10分の13若しくは10分の15又は同令第39条第1項第1号から第9号までの規定に基づき市町村が条例で定めた割合(同条第5項から第7項までに基づき減額賦課した場合には、当該減額賦課後の割合))を適用することとする。

○境界層該当者の取扱いについて

(平成17年9月21日)

(社援保発第0921001号)

(各都道府県・各指定都市・各中核市民生主管部(局)長あて厚生労働省社会・援護局保護課長通知)

介護保険法施行令(平成10年政令第412号)第22条の2第5項第2号又は第6項の規定が適用される要保護者、同令第29条の2第5項第2号又は第6項の規定が適用される要保護者、同令第38条第1項第1号イ(2)及びハ、同項第2号ロ、同項第3号ロ若しくは同項第4号ロ又は同令第39条第1項第1号イ(2)若しくはハ、同項第2号ロ、同項第3号ロ、同項第4号ロ若しくは同項第5号ロの規定が適用される要保護者、介護保険法施行規則(平成11年厚生省令第36号)第83条の5第2号及び第97条の3第2号に掲げる要保護者、同規則第113条第4号に規定する要保護者及び同規則第172条の2において準用する同規則第83条の5第2号に掲げる要保護者(以下「境界層該当者」という。)の取扱いについては、今般、「境界層措置の運用の詳細について」(平成17年9月21日老介発第0921001号老健局介護保険課長通知)により都道府県あて示されたところであるが、福祉事務所における具体的な取扱いを下記のとおり定め、平成17年10月1日より施行することとしたので、よろしくお取り計らい願いたい。

なお、本通知は地方自治法(昭和22年法律第67号)第245条の9第1項及び第3項の規定に基づく処理基準とし、施行に伴い、「境界層該当者の取扱いについて」(平成12年7月14日社援保第44号各都道府県・指定都市・中核市民生主管部(局)長宛本職通知)は廃止する。

また、本通知については、老健局介護保険課と協議済みであることを申し添える。

1 基本的な取扱い

(1) 境界層該当者と境界層該当措置について

以下の各号に掲げる者については、保険者により、次表で定める区分に応じた境界層措置がなされることとされているため、保護を要しないこと。

ア 要保護者であって、給付額減額等の記載(介護保険法第69条第1項に規定する給付額減額等の記載をいう。)を受けないとしたならば保護を必要としない状態となるもの

イ その属する世帯の世帯主及びすべての世帯員が特定介護サービス(介護保険法第51条の2第1項に規定する特定介護サービスをいう。)又は特定居宅サービス(介護保険法第61条の2第1項に規定する特定居宅サービスをいう。)を受ける日の属する月において要保護者である者であって、当該特定介護サービス又は当該特定居宅サービスに係る居住費の負担限度額(介護保険法第51条の2第2項第2号に規定する居住費の負担限度額をいう。)又は滞在費の負担限度額(介護保険法第61条の2第2項第2号に規定する滞在費の負担限度額をいう。)について、ユニット型個室を利用するときには1日につき「千六百四十円」又は「八百二十円」が、ユニット型準個室を利用するときには1日につき「千三百十円」又は「四百九十円」が、従来型個室(介護福祉施設サービス及び短期入所生活介護に限る。以下「従来型個室(特養等)」という。)を利用するときには1日につき「八百二十円」、「四百二十円」又は「三百二十円」が、従来型個室(介護老人保健施設サービス、介護療養施設サービス及び短期入所療養介護に限る。以下「従来型個室(老健・療養等)」という。)を利用するときには1日につき「千三百十円」又は「四百九十円」が、多床室を利用する場合には「零円」が適用され、特定入所者介護サービス費(介護保険法第51条の2第1項に規定する特定入所者介護サービス費をいう。)又は特定入所者支援サービス費(介護保険法第61条の2第1項に規定する特定入所者支援サービス費をいう。)を支給されたとすれば、保護を必要としない状態となるもの

ウ その属する世帯の世帯主及びすべての世帯員が特定介護サービスを受ける日の属する月において要保護者である者であって、当該特定介護サービスに係る居住費の特定負担限度額(介護保険法施行法第13条第5項第2号に規定する居住費の特定負担限度額をいう。)について、ユニット型個室を利用するときには1日につき「千六百四十円」又は「八百二十円」が、ユニット型準個室を利用するときには1日につき「千三百十円」、「四百九十円」又は「零円」が、従来型個室を利用するときには1日につき「八百二十円」、「四百二十円」、「三百二十円」又は「零円」が、多床室を利用する場合には「零円」が適用され、介護保険法施行法第13条第5項により算定された特定入所者介護サービス費を支給されたとすれば、保護を必要としない状態となるもの

エ その属する世帯の世帯主及びすべての世帯員が特定介護サービス又は特定居宅サービス(特定介護サービス等という。以下同じ。)を受ける日の属する月において要保護者である者であって、当該特定介護サービス等に係る食費の負担限度額(介護保険法第51条の2第2項第1号に規定する食費の負担限度額又は介護保険法第61条の2第2項第1号に規定する食費の負担限度額をいう。)について1日につき「六百五十円」、「三百九十円」又は「三百円」が適用され、特定入所者介護サービス費又は特定入所者支援サービス費(特定入所者介護サービス費等という。以下同じ。)を支給されたとすれば、保護を必要としない状態となるもの

オ その属する世帯の世帯主及びすべての世帯員が特定介護サービスを受ける日の属する月において要保護者である者であって、特定介護サービスに係る食費の特定負担限度額(介護保険法施行法第13条第5項第1号に規定する食費の特定負担限度額をいう。)について1日につき「六百五十円」、「三百九十円」又は「三百円(平成17年厚生労働省告示第417号に規定する三百円未満の額にあっては、当該額)」が適用され、介護保険法施行法第13条第5項により算定された特定入所者介護サービス費を支給されたとすれば、保護を必要としない状態となるもの

カ その属する世帯の世帯主及びすべての世帯員が居宅サービス等(介護保険法施行令第22条の2第1項に規定する居宅サービス等をいう。以下同じ。)があった月において要保護者である者であって、利用者負担世帯合算額(介護保険法施行令第22条の2第2項に規定する利用者負担世帯合算額をいう。以下同じ。)を「二万四千六百円」又は「一万五千円」と読み替えて高額介護サービス費(介護保険法第51条に規定する高額介護サービス費をいう。)が適用されたならば保護を必要としない状態となるもの

キ その属する世帯の世帯主及びすべての世帯員が居宅サービス等があった月において要保護者である者であって、利用者負担世帯合算額を「二万四千六百円」又は「一万五千円」と読み替えて高額居宅支援サービス費(介護保険法第61条に規定する高額居宅支援サービス費をいう。)が適用されたならば保護を必要としない状態となるもの

ク 要保護者であって、その者に課される保険料額について、介護保険法施行令第38条第1項第1号イ(2)若しくはハ、同項第2号ロ、同項第3号ロ若しくは同項第4号ロ又は同令第39条第1項第1号イ(2)若しくはハ、同項第2号ロ、同項第3号ロ、同項第4号ロ若しくは同項第5号ロの規定に基づき、より低い標準割合(4分の2、4分の3、4分の4若しくは4分の5又は同条第1号から第5号までの規定による割合を基準として市町村が条例で定めた割合)が適用されたならば保護を必要としない状態となるもの

区分

境界層該当措置

アに掲げる者

(ア)

給付額減額等の記載(介護保険法第69条第1項に規定する給付額減額等の記載をいう。)が行われない。

イに掲げる者

(イ)

特定介護サービス等に係る居住費又は滞在費(居住費等という。)の負担限度額について保護を必要としなくなるまで、以下の額が段階的に適用される。

 

 

 

 

 

 

 

 

居室の種類

適用された後の額

 

 

 

 

ユニット型個室

1日につき「千六百四十円」又は「八百二十円」

 

 

 

 

ユニット型準個室

1日につき「千三百十円」又は「四百九十円」

 

 

 

 

従来型個室(特養等)

1日につき「八百二十円」、「四百二十円」又は「三百二十円」

 

 

 

 

従来型個室(老健・療養等)

1日につき「千三百十円」又は「四百九十円」

 

 

 

 

多床室

1日につき「零円」

 

 

 

 

 

 

ウに掲げる者

(ウ)

特定介護サービスに係る居住費の特定負担限度額について保護を必要としなくなるまで、以下の額が段階的に適用される。

 

 

 

 

 

 

 

 

居室の種類

適用された後の額

 

 

 

 

ユニット型個室

1日につき「千六百四十円」又は「八百二十円」

 

 

 

 

ユニット型準個室

1日につき「千三百十円」、「四百九十円」又は「零円」

 

 

 

 

従来型個室

1日につき「八百二十円」、「四百二十円」、「三百二十円」又は「零円」

 

 

 

 

多床室

1日につき「零円」

 

 

 

 

 

 

エに掲げる者

(エ)

特定介護サービス等に係る食費の負担限度額について保護を必要としなくなるまで、1日につき「六百五十円」、「三百九十円」又は「三百円」が段階的に適用される。

オに掲げる者

(オ)

特定介護サービスに係る食費の特定負担限度額が保護を必要としなくなるまで、1日につき「六百五十円」、「三百九十円」又は「三百円(平成17年厚生労働省告示第417号に規定する三百円未満の額にあっては、当該額)」が段階的に適用される。

カに掲げる者

(カ)

保護を必要としなくなるまで、利用者負担世帯合算額(介護保険法施行令第22条の2第2項に規定する利用者負担世帯合算額をいう。以下同じ。)を「二万四千六百円」又は「一万五千円」と読み替えて高額介護サービス費(介護保険法第51条に規定する高額介護サービス費をいう。以下同じ。)が適用される。

キに掲げる者

(キ)

保護を必要としなくなるまで、利用者負担世帯合算額を「二万四千六百円」又は「一万五千円」と読み替えて高額居宅支援サービス費(介護保険法第61条に規定する高額居宅支援サービス費をいう。以下同じ。)が適用される。

クに掲げる者

(ク)

保険料額について、保護を必要としなくなるまで、介護保険法施行令第38条第1項第1号イ(2)若しくはハ、同項第2号ロ、同項第3号ロ若しくは同項第4号ロ又は同令第39条第1項第1号イ(2)若しくはハ、同項第2号ロ、同項第3号ロ、同項第4号ロ若しくは同項第5号ロの規定に基づき、より低い標準割合(4分の2、4分の3、4分の4若しくは4分の5又は同条第1号から第5号までの規定による割合を基準として市町村が条例で定めた割合)が適用される。

(2) 境界層措置の優先順位について

境界層措置の優先順位については、老健局介護保険課により、上表の①(ア)、②(イ)又は(ウ)、③(エ)又は(オ)、④(カ)又は(キ)、⑤(ク)の順に優先して講ずべきものとされていること。

2 境界層該当者に対する証明書等の交付

境界層措置は保険者が行うものであるが、福祉事務所長は、保護の申請に応じ、保護開始時の要否判定を行った結果、境界層該当者であることが明らかになった場合又は保護を受けている者が境界層該当者に該当する場合、別添の証明書及び添付書類(以下「証明書等」という。以下同じ。)を境界層該当者に交付するものとし、その際、保険者に対する境界層該当措置の申請に当たっては当該証明書等を添えて提出するよう教示すること。

3 証明書等の記載

(1) 境界層該当証明書

境界層該当証明書には以下の事項を記載すること。

ア 却下に係る申請日又は保護廃止日

当該者に係る処分が却下の場合には、却下に係る申請日を、保護廃止の場合には、保護廃止日を記載すること。

イ 保護を要しない理由

境界層該当措置により何円以上の減額がなされれば、保護を要さないかを記載すること。

(2) 添付書類

境界層措置は、表中の(1)~(5)の順で講ぜられることとなるので、証明書に記載された額から、その額が0円以下になるまで、以下の(ア)~(サ)に掲げる額のうち境界層措置がなされる以前に自己負担していた額を(ア)~(サ)の順に減じることとし、その減じた額を表中の(1)~(5)の「減額される自己負担(月額)」にそれぞれ記載すること。

なお、施設入所者に係る居住費(イ)は、入所中又は入所を予定している居室の種類により算定すること。

また、短期入所生活介護又は短期入所療養介護を利用する者についての滞在費及び食費((イ)~(オ))は、利用日数を居宅サービス計画(ケアプラン)における利用計画回数とし、滞在費(イ)に係る居室の種類を直近のケアプランにおいて利用が計画されている居室の種類(複数の種類の居室の利用が計画されている場合には、利用計画回数が最も多い居室の種類)として算定すること。

したがって、表中の「減額される自己負担(月額)合計」には、証明書に記載された額以上の額であって、境界層措置により減額可能な必要最小限の額を記載することとなる。

ア 多床室を利用する場合

(ア) 介護サービス費合計額(介護保険法施行令第22条の2第1項に規定する介護サービス費合計額をいう。)の3割の額から介護サービス費合計額の1割の額(介護サービス費合計額の1割の額が37200円以上の場合には37200円)を減じて得た額

(イ) 居住費等の基準費用額(介護保険法第51条の2第2項第2号に規定する居住費の基準費用額又は介護保険法第61条の2第2項第2号に規定する滞在費の基準費用額をいう。以下同じ。)又は特定基準費用額(介護保険法施行法第13条第5項第2号に規定する居住費の特定基準費用額をいう。)にその月の日数を乗じた額から居住費等の負担限度額又は特定負担限度額の「320円」にその月の日数を乗じた額を減じて得た額

(ウ) 食費の基準費用額(介護保険法第51条の2第2項第1号に規定する食費の基準費用額又は同法第61条の2第2項第1号に規定する食費の基準費用額をいう。)又は特定基準費用額(介護保険法施行法第13条第5項第1号に規定する食費の特定基準費用額をいう。)の「1380円」にその月の日数を乗じた額から食費の負担限度額又は特定負担限度額の「650円」にその月の日数を乗じた額を減じて得た額

(エ) 食費の負担限度額又は特定負担限度額の「650円」にその月の日数を乗じた額から負担限度額又は特定負担限度額の「390円」にその月の日数を乗じた額を減じて得た額

(オ) 食費の負担限度額又は特定負担限度額の「390円」にその月の日数を乗じた額から負担限度額又は特定負担限度額の「300円(平成17年厚生労働省告示第417号に規定する三百円未満の額にあっては、当該額)」にその月の日数を乗じた額を減じて得た額

(カ) 利用者負担世帯合算額の「37200円」から「24600円」を減じて得た額

(キ) 利用者負担世帯合算額の「24600円」から「15000円」を減じて得た額

(ク) 基準額に標準割合の「6/4」を乗じた額から基準額に標準割合の「5/4」を乗じた額を減じて得た額

(ケ) 基準額に標準割合の「5/4」を乗じた額から基準額に標準割合の「4/4」を乗じた額を減じて得た額

(コ) 基準額に標準割合の「4/4」を乗じた額から基準額に標準割合の「3/4」を乗じた額を減じて得た額

(サ) 基準額に標準割合の「3/4」を乗じた額から基準額に標準割合の「2/4」を乗じた額を減じて得た額

※(ク)~(サ)については、介護保険料の標準割合が5段階設定の場合である。

イ ユニット型個室を利用する場合

アにおける(イ)の部分について、次の①、②の順に減額される。

① 居住費等の基準費用額又は特定基準費用額の「1970円」にその月の日数を乗じた額から居住費等の負担限度額又は特定負担限度額の「1640円」にその月の日数を乗じた額を減じて得た額

② 居住費等の負担限度額又は特定負担限度額の「1640円」にその月の日数を乗じた額から居住費等の負担限度額又は特定負担限度額の「820円」にその月の日数を乗じた額を減じて得た額

ウ ユニット型準個室を利用する場合

アにおける(イ)の部分について、次の①から③(③については旧措置入所者のみ)の順に減額される。

① 居住費等の基準費用額又は特定基準費用額の「1640円」にその月の日数を乗じた額から居住費等の負担限度額又は特定負担限度額の「1310円」にその月の日数を乗じた額を減じて得た額

② 居住費等の負担限度額又は特定負担限度額の「1310円」にその月の日数を乗じた額から居住費等の負担限度額又は特定負担限度額の「490円」にその月の日数を乗じた額を減じて得た額

③ 居住費の特定負担限度額の「490円」にその月の日数を乗じた額を減じて得た額

エ 従来型個室(特養等)を利用する場合

アにおける(イ)の部分について、次の①から④(④については旧措置入所者のみ)の順に減額される。

① 居住費等の基準費用額又は特定基準費用額の「1150円」にその月の日数を乗じた額から居住費等の負担限度額又は特定負担限度額の「820円」にその月の日数を乗じた額を減じて得た額

② 居住費等の負担限度額又は特定負担限度額の「820円」にその月の日数を乗じた額から居住費等の負担限度額又は特定負担限度額の「420円」にその月の日数を乗じた額を減じて得た額

③ 居住費等の負担限度額又は特定負担限度額の「420円」にその月の日数を乗じた額から居住費等の負担限度額又は特定負担限度額の「320円」にその月の日数を乗じた額を減じて得た額

④ 居住費の特定負担限度額の「320円」にその月の日数を乗じた額を減じて得た額

オ 従来型個室(老健・療養等)を利用する場合

アにおける(イ)の部分について、次の①、②の順に減額される。

① 居住費等の基準費用額又は特定基準費用額の「1640円」にその月の日数を乗じた額から居住費等の負担限度額又は特定負担限度額の「1310円」にその月の日数を乗じた額を減じて得た額

② 居住費等の負担限度額又は特定負担限度額の「1310円」にその月の日数を乗じた額から居住費等の負担限度額又は特定負担限度額の「490円」にその月の日数を乗じた額を減じて得た額

4 境界層該当者に対する保護廃止の際の留意点

1の各号に該当することにより保護を廃止する場合は、生活保護法による介護扶助が現物給付であるのに対し、高額介護サービス費の支給が償還払により行われることなどから、生活福祉資金の療養・介護資金等の融資制度を含めた他法他施策の活用あっせん等によりその円滑な移行について十分配慮すること。

5 平成17年10月1日以前に行った境界層該当証明の取扱いについて

本通知の施行後においても本通知の施行前に行った境界層該当証明については引き続き有効とされ、制度改正に伴う新たな境界層該当証明は要しないこととされている。

ただし、福祉事務所においては、介護保険の保険者から境界層措置を行うために既に発行した境界層該当証明書の記載内容に関する照会等があった場合には、必要な協力をすることとされたい。

○多床室を利用する場合の減額措置(保険料段階が5段階の場合)

○多床室以外の居室の居住費等の(特定)負担限度額の取扱い

(別添)

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