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○就労移行支援事業、就労継続支援事業(A型、B型)における留意事項について

(平成19年4月2日)

(障障発第0402001号)

(各都道府県障害保健福祉主管部(局)長あて厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課長通知)

日頃より障害保健福祉行政に御協力いただき、感謝申し上げます。

さて、今般、障害者の就労支援を推進するため、障害者自立支援法(平成17年法律第123号。平成25年4月から障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律)により就労移行支援、就労継続支援(A型、B型)を創設するとともに、現行の施設についても工賃実績の報告などを求めることとしたところです。

つきましては、これらの事業の実施にあたって、下記の点に御留意いただきますようお願い申し上げます。

なお、本通知については職業安定局雇用開発部及び職業能力開発局と協議済みであることを申し添えます。

1 工賃(賃金)実績報告について

工賃(賃金)実績については、下記の内容に留意し、報告すること。

(1) 工賃(賃金)の範囲

ここでいう工賃(賃金)とは、工賃、賃金、給与、手当、賞与その他名称を問わず、事業者が利用者に支払うすべてのものをいう。

(2) 工賃(賃金)実績の報告内容(事業所から各都道府県(指定都市にあっては都道府県及び指定都市、中核市にあっては都道府県及び中核市)への報告)

前年度の工賃(賃金)実績の平均額(時間当たりの工賃(以下「時間額」という。)、1日当たりの工賃(以下「日額」という。)、1月当たりの工賃(以下「月額」という。)から選択)

なお、時間額及び日額で報告のあった事業所については、国への報告は時間額及び月額であるため、各月の各日毎または各日の各時間毎の工賃(賃金)支払対象延べ人数や開所日数及び時間等も併せて報告を受けること。

(3) 事業所毎の平均工賃(賃金)の算定方法(事業所から各都道府県(指定都市にあっては都道府県及び指定都市、中核市にあっては都道府県及び中核市)への報告)

本算定結果は、事業者情報として幅広く公表されるものであることから、利用者の利用状況にばらつきがある場合など、事業所の利用実態を考慮し、下記の算定方法から選択して報告すること。

① 平均工賃(賃金)月額を算定して報告する場合

ア 報告対象年度各月の工賃(賃金)支払対象者の総数を算出

(例:50人定員で、工賃支払い対象者が、4月45人、5月50人、6月48人、7月50人、8月50人、9月50人、10月49人、11月50人、12月45人、1月47人、2月50人、3月50人の場合は、45+50+48+50+50+50+49+50+45+47+50+50=584人となる。)

イ 報告対象年度に支払った工賃(賃金)総額を算出

ウ イ÷アにより1人あたり平均月額工賃(賃金)額を算出

② 平均工賃(賃金)日額を算定して報告する場合

ア 各月の各日毎の工賃(賃金)支払対象者の延べ人数を各月毎に算出

イ 上記により算出した全ての月の延べ人数を合計

ウ 対象年度に支払った工賃(賃金)総額を算出

エ ウ÷イにより1人あたり平均工賃(賃金)日額を算出

③ 平均工賃(賃金)時間額を算定して報告する場合

ア 各日の各時間毎の工賃(賃金)支払対象者の延べ人数を各日毎に算出

イ 上記により算出した全ての日の延べ人数を合計

ウ 対象年度に支払った工賃(賃金)総額を算出

エ ウ÷イにより1人あたり平均工賃(賃金)時間額を算出

(4) 各都道府県の平均工賃(賃金)額の算定方法(各都道府県から当課への報告)

平均工賃(賃金)額は月額及び時間額とし、上記(3)①により算定したものを都道府県の平均額とする。

(5) 申請時期及び申請先

① 各事業者は、毎年4月に、都道府県に対し前年度の工賃(賃金)実績を報告すること。

② 都道府県は、上記①により報告された工賃(賃金)実績を、毎年5月末日までに当課に対し報告すること。

(6) 工賃実績の公表方法

都道府県は、提出された工賃(賃金)実績及び都道府県全体又は圏域全体の平均工賃(賃金)額を、目標工賃達成加算申請事業所の工賃実績とともに、広報紙、ホームページ、WAMNET等により幅広く公表すること。

2 各種雇用関係助成金との関係について

事業所が実施する各事業で受入先事業所が受けられる各種雇用関係助成金等との関係は下記のとおりである。

ただし、助成金等にはこの他にも支給要件があることから、その申請にあたっては各助成金等の支給要件を確認すること。

なお、障害者を施設職員として雇用する場合は、下記によらず、雇用の形態により一般の事業所と同様に雇用関係助成金の申請が可能であるので留意すること。ただし、障害者雇用安定助成金(障害者職場適応援助コース)の対象となる企業在籍型職場適応援助に係る支給を受けようとする場合、事業所に企業在籍型職場適応援助者を配置するに当たっては、各事業の人員配置(最低)基準に定める人員とは別に配置することが必要である。なお、当該事業所に雇用される者が人員配置(最低)基準を満たしていることを前提として、各事業におけるサービス提供の職務に従事しない時間帯において、その者が企業在籍型職場適応援助者の業務に従事することができる。

(1) 就労移行支援事業、就労継続支援B型事業、就労継続支援A型事業(雇用契約無)を実施する事業所において、自らの事業所の利用者に対する支援を実施する場合

障害者雇用関係助成金の受給は不可。雇用関係助成金は、労働者が常用雇用されることや、雇用されている労働者の数や割合に応じて支給されるものであることから、利用者を雇用しない就労移行支援事業、就労継続支援B型事業、就労継続支援A型事業(雇用契約無)の利用者については、受給の対象とはならないものである。

(2) 就労継続支援A型事業(雇用契約有)を実施する事業所において、自らの事業所の障害者に対する支援を実施する場合

ア 障害者雇用調整金・報奨金

受給可能。

イ トライアル雇用助成金(障害者トライアルコース)(障害者短時間トライアルコースを含む。以下同じ。)

受給不可。本助成金は、適性や業務遂行可能性を見極め、求職者及び求人者の相互理解を促進すること等を目的としており、就労継続支援A型事業の本来業務と近い性格を有するものであることから受給の対象とはならないものであること。

ウ 職場適応訓練

受給可能。ただし、当該訓練の実施の可否は、職場適応訓練実施要領及び職業訓練受講指示要領の規定に従い個別に判断される。

エ 障害者雇用納付金制度に基づく助成金

a 障害者作業施設設置等助成金、障害者福祉施設設置等助成金

受給不可。就労継続支援A型事業の内容にかんがみ、同事業の本来業務であることから、受給の対象とはならない。

b 重度障害者多数雇用事業所施設設置等助成金

個別判断。当該事業所の経営基盤や対象障害者の雇用条件等が当該助成金の趣旨に合致するものであるか否かによって個別に判断される。なお、本助成金によって設置する施設等については、社会福祉施設等施設整備費の国庫補助対象外であること。

c 重度障害者等通勤対策助成金(通勤援助者委嘱助成金を除く。)

受給可能。ただし、通勤用バス運転従事者の委嘱助成金については、送迎加算に関する届出書を提出している事業所は受給不可。

d 障害者介助等助成金、重度障害者等通勤対策助成金のうち通勤援助者の委嘱助成金

受給不可。就労継続支援A型事業の内容にかんがみ、同事業の本来業務であることから、受給の対象とはならないものであること。

オ 特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース及び発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース)

受給可能。ただし、暫定支給決定を受けた利用者については、雇入れ当初において、継続して雇用することが確実であると認められないことから、受給の対象とはならない。

また、就労移行支援事業及び就労継続支援B型事業の利用者が、当該サービスを提供した事業所と同一法人内の就労継続支援A型事業の実施事業所に雇用される場合には、雇用予約に当たるものと考えられるため、原則、受給の対象とはならない。

なお、暫定支給決定を受けた利用者に係る取扱いは、平成29年5月1日以降に雇い入れられた利用者より、暫定支給決定の有無に関わらず、雇入れ当初に締結した雇用契約において、継続して雇用することが確実であると認められる場合は、受給対象となる。

カ 特定求職者雇用開発助成金(障害者初回雇用コース)、障害者雇用安定助成金(障害者職場定着支援コース)、障害者雇用安定助成金(障害者職場適応援助コース)の対象となる企業在籍型職場適応援助に係る支給、中小企業障害者多数雇用施設設置等助成金及び障害者職業能力開発助成金

受給不可。就労継続支援A型事業の内容にかんがみ、同事業の本来業務であることから、受給の対象とはならない。

(3) 事業所が、他の事業所の障害者に対する支援を実施する場合

障害者雇用安定助成金(障害者職場適応援助コース)の対象となる訪問型職場適応援助に係る支給について

事業を実施する法人が、訪問型職場適応援助者を配置して、他の事業主に雇用されている障害者を支援させる場合は、受給可能。ただし、同事業所に訪問型職場適応援助者を配置するに当たっては、各事業の人員配置(最低)基準に定める人員とは別に配置することが必要である。なお、当該事業所に雇用される者が人員配置(最低)基準を満たしていることを前提として、各事業におけるサービス提供の職務に従事しない時間帯において、その者が訪問型職場適応援助者の業務に従事することができる。

(4) 障害者の態様に応じた多様な委託訓練(以下「委託訓練」という。)との関係について

① 就労移行支援事業、就労継続支援A型事業(雇用契約無)、及び就労継続支援B型事業(以下「就労系事業」という。)の利用者が、当該就労系事業を実施する者以外の委託訓練実施機関において、職業訓練を受講する場合

当該受講に関して、上記就労系事業を実施する者が一定の支援を実施することにより、施設外支援の対象となること。また、受講日以外における就労系事業の利用も訓練等給付費の対象となること。

② 就労系事業の利用者が、当該就労系事業を実施する者自らが受託する委託訓練を受講する場合

当該利用者が委託訓練を受講している期間中は、当該委託訓練を受講していない日であっても、訓練等給付の対象とならないこと。

ただし、当該就労系事業を実施する者が実施する委託訓練が、当該就労系事業に係る事業所以外の事業所で行われている場合など、当該就労系事業と委託訓練に重複が認められない場合には、委託訓練の受講日以外における就労系事業の利用は訓練等給付費の対象となること。

3 就労継続支援A型事業(雇用契約有)利用者(雇入者)を募集するため公共職業安定所に求人申込みする場合の留意事項

求人申込みが可能なのは就労継続支援A型事業のうち、雇用契約を前提とした利用者(雇用契約有。多機能型の雇用有部分を含む)を募集する場合のみであり、主な留意事項は下記のとおりである。

なお、求人の申込みにあたっては、このほかにも記入に関する留意点があることから、公共職業安定所とよく相談されたいこと。

(1) 初めて求人申込みをする際、就労継続支援A型事業者である旨の証明(指定通知書等)を正副1部ずつ用意し、副本を提出すること。

(2) 公共職業安定所の職業紹介により受け入れた者は、公共職業安定所に提出した求人内容の就労継続支援A型事業(雇用契約有)の利用(雇入)を希望していることから、その採用にあたっては、当該法人が運営する他の事業へ振り分けることはできないものであること。

(3) 暫定支給決定を行わない場合においては、暫定支給決定に代えてアセスメントを実施することについて、利用(雇入)希望者の居住する全ての市町村から了解を得る必要があるので留意すること。

また、当該暫定支給決定と同等のアセスメントの実施時期、アセスメント結果による解雇の有無を事業所毎に明確化し、求人申込み時に公共職業安定所に伝えるとともに、採用前に障害者本人に伝えること。

(4) 事業形態や利用料の有無について、求人申込書の備考欄に次のとおり記載すること。

① 就労継続支援A型事業(雇用契約有)利用料あり

② 就労継続支援A型事業(雇用契約有)利用料なし

(5) 暫定支給決定がある場合、求人票の記載内容は暫定支給決定期間中のものとなることから、暫定支給決定後の雇用条件については、求人票の備考欄に記載すること。

(6) 求人申込みに当たっては、就労継続支援A型事業の利用対象年齢が18歳以上65歳未満となっていることから、年齢については「18歳以上65歳未満」と記載すること。

4 重度者支援体制加算の取扱について

(1) 重度者支援体制加算について

利用実績の算定については、次によるものとすること。

① 各月の各日毎の利用者のうち障害基礎年金1級受給者の延べ人数を各月毎に算出

② 上記①により算出した全ての月の延べ人数を合計(障害基礎年金1級受給者の利用者延べ人数)

③ 各月の各日毎の利用者の延べ人数を各月毎に算出

④ 上記③により算出した全ての月の延べ人数を合計(利用者延べ人数)

⑤ ②÷④により利用者延べ人数のうち障害基礎年金1級受給者延べ人数割合を算出

5 指定障害福祉サービス事業所等とは別の場所で行われる支援にかかる所定単位数の算定について

「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービス等及び基準該当障害福祉サービスに要する費用の額の算定に関する基準等の制定に伴う実施上の留意事項について(平成18年10月31日付け障発第1031001号厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長通知)」の第二の1の(4)の取扱いについては次のとおりであるのでご留意願いたい。

(1) 企業内等で行われる企業実習等への支援(以下「施設外支援」という。)について

① 施設外支援については、次のアからエまでの要件をいずれも満たす場合に限り、1年間(毎年4月1日に始まり翌年3月31日をもって終わる1年間とする。)に180日間を限度として算定する。なお、この場合の「180日間」とは、利用者が実際に利用した日数の合計数となることに留意すること。

ア 施設外支援の内容が、当該指定障害福祉サービス事業所等の運営規程に位置付けられていること。

イ 施設外支援の内容が、事前に個別支援計画に位置付けられ、1週間ごとに当該個別支援計画の内容について必要な見直しが行われているとともに、当該支援により、就労能力や工賃の向上及び一般就労への移行が認められること。

ウ 利用者又は実習受入事業者等から、当該施設外支援の提供期間中の利用者の状況について聞き取ることにより、日報が作成されていること。

エ 施設外支援の提供期間中における緊急時の対応ができること。

② トライアル雇用助成金(障害者トライアルコース)

トライアル雇用助成金(障害者トライアルコース)については、下記の要件を満たす場合、施設外支援の対象となること。ただし、本助成金は、就職困難者の再就職を支援するための制度であり、一部の例外を除き職業紹介時点において継続就業中でないことを要件としているため、就労継続支援A型事業(雇用契約有)を利用している者は、原則として本助成金の対象とはならないことに留意すること。

ア 上記ア、ウ、エの要件を満たすこと。

イ 施設外のサービス提供を含めた個別支援計画を3か月毎に作成(施設外サービス提供時は1週間毎)し、かつ見直しを行うことで、就労能力や工賃の向上及びトライアル雇用終了後の一般就労への移行に資すると認められること。

③ 施設外支援の特例について

施設外支援については、そのサービス提供期間の上限を年間180日と定めているところであるが、下記の要件を満たす場合、当該期間を超えて提供することが可能であること。

ア 対象者が職場適応訓練を受講する場合であって、上記の要件を満たしかつ当該訓練が訓練受講者の就労支援に資すると認められる場合に限り、当該訓練終了日まで施設外支援の延長が可能であること。

イ トライアル雇用助成金(障害者短時間トライアルコース)であって、個別支援計画の見直しにおいて、延長の必要性が認められた場合に限り、年間180日を超えて施設外支援が可能であること。

④ 施設外支援の留意事項

ア 同日に施設外支援及び通常の施設利用を行った場合、施設外支援の実施日として扱うこと。

イ トライアル雇用助成金(障害者トライアルコース)については、施設外支援の対象となる要件に個別支援計画の作成及び3か月毎の見直しを行うこととしているが、その取扱いについて以下のとおり行うこと。

a 個別支援計画の作成及び見直しにおいては、事業所、本人及び関係者が参加の上、協議を行い、必要に応じて公共職業安定所及び受入企業から意見聴取を行い、市町村が必要な内容について判断すること。

b 個別支援計画の見直しは、都度、実施結果を把握し、延長の必要性や実施内容の見直し等を協議すること。

(例:トライアル雇用助成金(障害者短時間トライアルコース)の実施期間を10か月間とした場合、施設外支援開始時に10か月間全体の到達目標を踏まえた上で3か月目までの個別支援計画を作成し、3か月目にその間の実施結果を見た上で延長の必要性等について協議を行い、延長と判断した場合、個別支援計画を更新し、6か月目までのものを作成する。以降6か月目、9か月目においても同様に行う。)

(2) 利用者と職員がユニットを組み、企業から請け負った作業を当該企業内で行う支援(以下「施設外就労」という。)について

① 施設外就労(企業内就労)については、次のアからオまでの要件をいずれも満たす場合に限り、算定する。

なお、本取扱いは、施設外就労によって主たる事業所に空きができた場合に、報酬の対象となる増員の範囲を規定したものであり、施設外就労の対象者に係る報酬の取扱いについては、施設外支援と同様の取扱いにより報酬算定が可能であるので留意すること。

ア 施設外就労1ユニットあたりの最低定員は1人以上とすること。なお、施設外就労の総数については、利用定員の100分の70以下とすること。ただし、地方公共団体が、事業所内での就労継続支援B型事業の延長として施設外就労を行う形態ではなく、施設外就労を基本とする形態で就労継続支援B型事業を行うことにより障害者の自立及び社会参加に資するものとして、総合特別区域法(平成23年法律第81号)第35条第1項の内閣総理大臣の認定(同法第37条第1項の規定による変更の認定を含む。)を申請し、その認定を受けたときは、当該認定に係る就労継続支援B型事業所は、施設外就労1ユニットあたりの最低定員を1人以上とするとともに、利用定員の100分の70を超えて施設外就労を行うことができる。

施設外就労により就労している利用者については、月の利用日数のうち最低2日は、事業所内において訓練目標に対する達成度の評価等を行うこと。

イ 施設外就労を行うユニットについて、1ユニットあたりの利用者数に対して人員配置(最低)基準上又は報酬算定上必要とされる人数(常勤換算方法による。)の職員を配置するとともに、事業所についても、施設外就労を行う者を除いた利用者の人数に対して人員配置(最低)基準上又は報酬算定上必要とされる人数(常勤換算方法による。)の職員を配置すること。

ウ 施設外就労の提供が、当該施設の運営規定に位置づけられていること。

エ 施設外就労を含めた個別支援計画が事前に作成され、就労能力や工賃の向上及び一般就労への移行に資すると認められること。

オ 緊急時の対応ができること。

② 施設外就労により就労している者と同数の者を主たる事業所の利用者として、新たに受入れることが可能であること。

③ 報酬の適用単価については、主たる事業所の利用定員に基づく報酬単価を適用すること。

④ その他

ア 施設外就労先の企業とは、請負作業に関する契約を締結すること。なお、契約締結の際には、以下のことに留意すること。

a 請負契約の中で、作業の完成についての財政上及び法律上のすべての責任は事業所を運営する法人が負うものであることが明確にされていること。

b 施設外就労先から事業所を運営する法人に支払われる報酬は、完成された作業の内容に応じて算定されるものであること。

c 施設外就労先の企業から作業に要する機械、設備等を借り入れる場合には、賃貸借契約又は使用賃借契約が締結されていること。また、施設外就労先の企業から作業に要する材料等の供給を受ける場合には、代金の支払い等の必要な事項について明確な定めを置くこと。

イ 請け負った作業についての利用者に対する必要な指導等は、施設外就労先の企業ではなく、事業所が行うこと。

a 事業所は請け負った作業を施設外就労先の企業から独立して行い、利用者に対する指導等については事業所が自ら行うこと。

b 事業所が請け負った作業について、利用者と施設外就労先の企業の従業員が共同で処理していないこと。

ウ 利用者と事業所との関係は、事業所の施設内で行われる作業の場合と同様であること。

エ 施設の運営規程に施設外就労について明記し、当該就労について規則を設けるとともに、対象者は事前に個別支援計画に規定すること。また、訓練目標に対する達成度の評価等を行った結果、必要と認められる場合には、施設外就労の目標その他個別支援計画の内容の見直しを行うこと。

オ 事業所は、施設外就労に関する実績を、毎月の報酬請求に合わせて提出すること。

カ 施設外就労に随行する支援員の業務

施設外就労に随行する支援員は、就労先企業等の協力を得て、以下の業務を行う。

a 事業の対象となる障害者の作業程度、意向、能力等の状況把握

b 委託企業の選定及び委託企業における作業の実施に向けての調整

c 作業指導等、対象者が施設外支援を行うために必要な支援

d 施設外支援についてのノウハウの蓄積及び提供

e 委託先企業や対象者の家族との連携

f その他上記以外に必要な業務

キ 関係機関との連携

都道府県及び実施施設は、この事業の実施について、都道府県労働局、地域障害者職業センター、公共職業安定所、委託企業等の関係機関と連携を密にし、事業が円滑に行われるように努めるものとする。

(3) 在宅において利用する場合の支援について

就労移行支援事業所又は就労継続支援事業所において、通所利用が困難で、在宅による支援がやむを得ないと市町村が判断した利用者(以下「在宅利用者」という。)に対して就労移行支援又は就労継続支援を提供するにあたり、次の①から⑦までの要件のいずれにも該当する場合に限り、算定する。

なお、在宅で就労移行支援又は就労継続支援を提供する場合には、運営規程において、在宅で実施する訓練及び支援内容を明記しておくこと。

① 通常の事業所に雇用されることが困難な障害者につき、就労の機会を提供するとともに生産活動その他の活動の機会の提供を通じて、その知識及び能力の向上のために必要な訓練その他の必要な支援が行われるとともに、常に在宅利用者が行う作業活動、訓練等のメニューが確保されていること。

② 在宅利用者の支援にあたり、1日2回は連絡、助言又は進捗状況の確認等のその他の支援が行われ、日報が作成されていること。また、作業活動、訓練等の内容又は在宅利用者の希望等に応じ、1日2回を超えた対応も行うこと。

③ 緊急時の対応ができること。

④ 在宅利用者が作業活動、訓練等を行う上で疑義が生じた際の照会等に対し、随時、訪問や連絡による必要な支援が提供できる体制を確保すること。

⑤ 事業所職員による訪問又は利用者による通所により評価等を一週間につき1回は行うこと。

⑥ 在宅利用者については、原則として月の利用日数のうち1日は事業所に通所し、事業所内において訓練目標に対する達成度の評価等を行うこと。

また、事業所はその通所のための支援体制を確保すること。

⑦ ⑤が通所により行われ、あわせて⑥の評価等も行われた場合、⑥による通所に置き換えて差し支えない。

【参考】 施設外就労と施設外支援の違いについて

 

施設外就労

施設外支援

当該支援を実施する職員の要否

(就労移行支援事業で、移行準備支援体制加算(Ⅰ)を算定する場合は要)

報酬算定の対象となる支援の要件

① 施設外就労を行うユニットについて、1ユニットあたりの利用者数に対して人員配置(最低)基準上又は報酬算定上必要とされる人数(常勤換算方法による。)の職員を配置するとともに、事業所についても、施設外就労を行う者を除いた利用者の人数に対して人員配置(最低)基準上又は報酬算定上必要とされる人数(常勤換算方法による。)の職員を配置すること。

② 施設外就労の提供が、当該施設の運営規程に位置づけられていること。

③ 施設外就労を含めた個別支援計画が事前に作成され、就労能力や工賃の向上及び一般就労への移行に資すると認められること。

④ 緊急時の対応ができること。

⑤ 施設外就労により実施する作業内容について、発注元の事業所と契約していること。

⑥ 施設外就労により就労している利用者については、月の利用日数のうち最低2日は、事業所内において訓練目標に対する達成度の評価等を行うこと。

① 施設外支援の内容が、当該指定障害福祉サービス事業所等の運営規程に位置づけられていること。

② 施設外支援の内容が、事前に個別支援計画に位置づけられ、1週間ごとに当該個別支援計画の内容について必要な見直しが行われているとともに、当該支援により、就労能力や工賃の向上及び一般就労への移行が認められること。

③ 利用者又は実習受入事業者等から、当該施設外支援の提供期間中の利用者の状況について、聞き取ることにより、日報が作成されていること。

④ 施設外支援の提供期間中における緊急時の対応ができること。

本措置による報酬算定対象

本体施設利用者の増員分

(施設外就労利用者と同数以内)

施設外支援利用者

本体施設利用者の増員

(利用定員の100分の70以下)

不可

施設外でのサービス提供期間

年間180日を限度

(特例の場合、当該期限を超えて提供することも可)

※本表には、在宅において利用する場合は含まれない。

(別紙)

就労移行支援事業、就労継続支援A型事業及び就労継続支援B型事業(以下、「就労系サービス」という。)の利用者が一般就労へ移行し、訪問型職場適応援助者や企業在籍型職場適応援助者による職場適応援助を利用する場合の留意事項

1 一般就労に移行した障害者に対する支援提供の場合の留意点は(1)のとおりであり、適切に取り扱うこと。

(1) 障害者雇用安定助成金(障害者職場適応援助コース)

就労系サービスの利用者が一般就労に移行した場合における職場適応援助については、一般就労先が他の事業主の事業所である場合、訪問型職場適応援助者が支援対象障害者を送り出した法人等に所属する者であるか、それ以外の法人等に所属する者であるかにかかわらず、障害者雇用安定助成金(障害者職場適応援助コース)の対象となりうるとされている。

また、一般就労先が、事業主を同一とする別事業所である場合、支援対象障害者を送り出した法人等に所属する者が、企業在籍型職場適応援助者として職場適応援助を実施することも想定されるが、この場合、要件を満たせば障害者雇用安定助成金(障害者職場適応援助コース)の対象となりうる。

2 1(1)の支援対象となるのは、一般就労に移行した者(障害者雇用安定助成金(障害者職場適応援助コース)の対象となる訪問型職場適応援助に係る支給については、2か月以内に雇い入れられることが確実な者も含む。)であり、施設外支援の基準を満たさないこと(トライアル雇用中に職場適応援助を受ける場合も同じ。)。

3 なお、就労系サービス利用者が地域障害者職業センターの職場適応援助者(配置型職場適応援助者)による職場適応援助を受ける場合についても、2と同様の取扱いとなること。