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○障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービス等及び基準該当障害福祉サービスに要する費用の額の算定に関する基準等の制定に伴う実施上の留意事項について

(平成18年10月31日)

(障発第1031001号)

(各都道府県知事あて厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長通知)

障害者自立支援法に基づく指定障害福祉サービス等及び基準該当障害福祉サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成18年厚生労働省告示第523号。平成25年4月から障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービス等及び基準該当障害福祉サービスに要する費用の額の算定に関する基準)については、本年9月29日に公布され、10月1日(精神障害者退院支援施設加算に係る部分については、平成19年4月1日)から施行されたところであるが、この実施に伴う留意事項は下記のとおりであるので、その取扱いに遺憾のないよう関係者に対し、周知徹底を図られたい。

なお、平成18年4月3日付け障発第0403003号当職通知「指定障害福祉サービス等に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う留意事項について」及び平成18年4月3日付け障発第0403004号当職通知「指定施設支援に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う留意事項について」は平成18年9月30日限り廃止する。

第一 届出手続の運用

1.届出の受理

(1) 届出書類の受取り

指定障害福祉サービス事業者、指定障害者支援施設等(障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成17年法律第123号)第34条第1項に規定する指定障害者支援施設等をいう。以下同じ。)又は基準該当障害福祉サービス事業者(以下「指定障害福祉サービス事業者等」という。)側から統一的な届出様式及び添付書類によりサービス種類ごとの一件書類の提出を受けること。ただし、同一の敷地内において複数種類の障害福祉サービス事業を行う場合及び障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準(平成18年厚生労働省令第171号。以下「指定障害福祉サービス基準」という。)第215条第1項に規定する多機能型事業所(以下「多機能型事業所」という。)として複数種類の障害福祉サービス事業を一体的に行う場合は、一括提出も可とする。

(2) 要件審査

届出書類を基に、要件の審査を行い、補正が必要な場合は適宜補正を求めること。この要件審査に要する期間は原則として2週間以内を標準とし、遅くても概ね1月以内とすること(相手方の補正に要する時間は除く)。

(3) 届出の受理

要件を満たしている場合は受理し、要件を充足せず補正にも応じない場合は、不受理として一件書類を返戻すること。

(4) 届出に係る加算等の算定の開始時期

届出に係る加算等(算定される単位数が増えるものに限る。以下同じ。)については、利用者や指定特定相談支援事業者等に対する周知期間を確保する観点から、届出が毎月15日以前になされた場合には翌月から、16日以降になされた場合には翌々月から、算定を開始するものとすること。

2.届出事項の公開

届出事項については、都道府県(地方自治法(昭和22年法律第67号)第252条の19第1項の指定都市(以下「指定都市」という。)又は同法第252条の22第1項の中核市(以下「中核市」という。)においては、指定都市又は中核市。)において閲覧に供するほか、指定障害福祉サービス事業者等においても利用料に係る情報として指定障害福祉サービス事業所、指定障害者支援施設等又は基準該当障害福祉サービス事業所(以下「指定障害福祉サービス事業所等」という。)で掲示すること。

3.届出事項に係る事後調査の実施

届出事項については、その内容が適正であるかどうか、適宜事後的な調査を行うこと。

4.事後調査等で届出時点において要件に合致していないことが判明した場合の届出の取扱い

(1) 事後調査等により、届出時点において要件に合致していないことが判明し、所要の指導の上、なお改善がみられない場合は、当該届出は無効となるものであること。この場合、当該届出に関してそれまで受領していた介護給付費又は訓練等給付費(以下「介護給付費等」という。)は不当利得になるので返還措置を講ずることは当然であるが、不正・不当な届出をした指定障害福祉サービス事業者等に対しては、厳正な指導を行い、不正・不当な届出が繰り返し行われるなど悪質な場合には、指定の取消しをもって対処すること。

(2) また、改善がみられた場合においても、要件に合致するに至るまでは当該加算等は算定しないことはもちろん、要件に合致していないことが判明した時点までに当該加算等が算定されていた場合は、不当利得になるので返還措置を講ずること。

5.加算等が算定されなくなる場合の届出の取扱い

指定障害福祉サービス事業所等の体制について加算等が算定されなくなる状況が生じた場合又は加算等が算定されなくなることが明らかな場合は、速やかにその旨を届出させることとする。なお、この場合は、加算等が算定されなくなった事実が発生した日(第二の2の(1)の⑬、(2)の⑥、(3)の⑧及び(4)の⑦における特定事業所加算については事実が発生した日の属する月の翌月の初日)から加算等の算定を行わないものとする。また、この場合において届出を行わず、当該算定について請求を行った場合は、不正請求となり、支払われた介護給付費等は不当利得となるので返還措置を講ずることになることは当然であるが、悪質な場合には指定の取消しをもって対処すること。

6.利用者に対する利用料の過払い分の返還

4又は5により不当利得分を市町村へ返還することとなった指定障害福祉サービス事業所等においては、市町村への返還と同時に、返還の対象となった介護給付費等に係る利用者が支払った利用料の過払い分を、それぞれの利用者に返還金に係る計算書を付して返還すること。その場合、返還に当たっては利用者から受領書を受け取り、当該指定障害福祉サービス事業所等において保存しておくこと。

第二 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービス等及び基準該当障害福祉サービスに要する費用の額の算定に関する基準別表介護給付費等単位数表(平成18年厚生労働省告示第523号。以下「報酬告示」という。)に関する事項

1.通則

(1) 算定上における端数処理について

① 単位数算定の際の端数処理

単位数の算定については、基本となる単位数に加減算の計算(何らかの割合を乗ずる計算に限る。)を行う度に、小数点以下の端数処理(四捨五入)を行っていくこととする。つまり、絶えず整数値に割合を乗じていく計算になる。

(例) 居宅介護(身体介護30分未満で255単位)

・ 基礎研修課程修了者の場合 所定単位数の70%

255×0.70=178.5 → 179単位

・ 基礎研修課程修了者で夜間又は早朝の場合

179×1.25=223.75 → 224単位

※ 255×0.70×1.25=223.125として四捨五入するのではない。

なお、サービスコードについては、加算等を加えた一体型の合成コードとして作成しており、その合成単位数は、既に端数処理をした単位数(整数値)である。

② 金額換算の際の端数処理

算定された単位数から金額に換算する際に生ずる一円未満(小数点以下)の端数については「切り捨て」とする。

(例) 上記①の事例で、このサービスを月に5回提供した場合(地域区分は1級地)

・ 224単位×5回=1,120単位

・ 1,120単位×11.08円/単位=12,409.6円 → 12,410円

※ 平成24年度からの地域区分の見直しに当たっては、平成24年度から平成26年度の3年間は経過措置を設け、平成27年度から完全施行する(上記の1単位の単価は平成27年度の数値)。

(2) 障害福祉サービス種類相互の算定関係について

介護給付費等については、同一時間帯に複数の障害福祉サービスに係る報酬を算定できないものであること。例えば、生活介護、自立訓練(機能訓練)、自立訓練(生活訓練)、就労移行支援、就労継続支援A型又は就労継続支援B型(以下「日中活動サービス」という。)を受けている時間帯に本人不在の居宅を訪問して掃除等を行うことについては、本来、居宅介護の家事援助として行う場合は、本人の安否確認、健康チェック等も併せて行うべきであることから、居宅介護(家事援助が中心の場合)の所定単位数は算定できない。一方、日中活動サービスを受けていない時間帯においては居宅介護の所定単位数を算定することができる。

また、日中活動サービスの報酬については、1日当たりの支援に係る費用を包括的に評価していることから、日中活動サービスの報酬を算定した場合(指定宿泊型自立訓練(指定障害福祉サービス基準第166条第1項第1号ロに規定する指定宿泊型自立訓練をいう。以下同じ。)を算定した場合を除く。)には、同一日に他の日中活動サービスの報酬は算定できない。

(3) 日中活動サービスのサービス提供時間について

日中活動サービスの報酬の算定に当たって、当該日中活動サービスに係るサービス提供時間の下限が設定されているものではないが、日中活動サービスは、個々の利用者について、適切なアセスメントを行うことを通じて、当該利用者ごとの個別支援計画を作成しなければならないこととされていることから、当該個別支援計画に沿ったサービスを提供する上で必要となるサービス提供時間が確保される必要があること。

また、指定障害福祉サービス事業所等においては、標準的なサービス提供時間をあらかじめ運営規程において定めておく必要があるとともに、サービスの提供開始に当たって、利用者に対し、事前に十分説明を行う必要があること。

(4) 指定障害福祉サービス事業所等とは別の場所で行われる支援に係る基本報酬の算定について

① 対象となる障害福祉サービス

就労移行支援(在宅において利用する場合の支援を除く)、就労継続支援A型又は就労継続支援B型

② 指定障害福祉サービス事業所等とは別の場所で行われる支援については次のとおり。

(一) 企業内等で行われる企業実習等への支援(以下「施設外支援」という。)

(二) 利用者と職員がユニットを組み、企業から請け負った作業を当該企業内で行う支援(以下「施設外就労」という。)

(三) 在宅において利用する場合の支援

③ ②に係る基本報酬の算定については、「就労移行支援事業、就労継続支援事業(A型、B型)における留意事項について」(平成19年4月2日付け障障発第0402001号厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課長通知)を参照すること。

(5) 加算の算定要件等を満たすべき数を算定する際の利用者数について

① 報酬算定上満たすべき従業者の員数又は加算等若しくは減算の算定要件を算定する際の利用者数は、当該年度の前年度(毎年4月1日に始まり翌年3月31日をもって終わる年度とする。以下同じ。)の平均を用いる(ただし、新規開設又は再開の場合は推定数による)。この場合、利用者数の平均は、前年度の全利用者の延べ数を当該前年度の開所日数で除して得た数とする。この平均利用者数の算定に当たっては、小数点第2位以下を切り上げるものとする。

また、療養介護、短期入所、施設入所支援、宿泊型自立訓練又は共同生活援助に係る平均利用者数の算定に当たっては、入所等した日を含み、退所等した日は含まないものとする。

② 新設、増改築等の場合の利用者数について

(一) 新設又は増改築等を行った場合に関して、前年度において1年未満の実績しかない場合(前年度の実績が全くない場合を含む。)の利用者数は、新設又は増改築等の時点から6月未満の間は、便宜上、定員の90%を利用者数とし、新設又は増改築の時点から6月以上1年未満の間は、直近の6月における全利用者の延べ数を6月間の開所日数で除して得た数とし、新設又は増改築の時点から1年以上経過している場合は、直近1年間における全利用者の延べ数を1年間の開所日数で除して得た数とする。

(二) 定員を減少する場合には、減少後の実績が3月以上あるときは、減少後の延べ利用者数を3月間の開所日数で除して得た数とする。

(三) なお、これにより難い合理的な理由がある場合であって、都道府県知事(指定都市又は中核市においては、指定都市又は中核市の市長。2の(1)⑨及び(6)⑬(二)を除き、以下同じ。)が認めた場合には、他の適切な方法により、利用者数を推定することができるものとする。

(四) また、特定旧法指定施設(法附則第21条第1項に規定する特定旧法指定施設をいう。以下同じ。)、法附則第46条の規定による改正前の精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(昭和25年法律第123号)第50条の2第1項に規定する精神障害者社会復帰施設又は児童福祉法(昭和22年法律第164号)第7条第1項に規定する児童福祉施設その他の施設(以下「特定旧法指定施設等」という。)が指定障害福祉サービス事業者等へ転換する場合については、(一)及び(二)の規定にかかわらず、当該指定申請の日の前日から概ね過去1月間の特定旧法指定施設等としての実績によるものとする。

(6) 定員規模別単価の取扱いについて

① 療養介護、生活介護、施設入所支援、自立訓練(機能訓練)、自立訓練(生活訓練)、就労移行支援、就労継続支援A型又は就労継続支援B型については、運営規程に定める利用定員の規模に応じた報酬を算定する。

② ①にかかわらず、多機能型事業所(③の適用を受けるものを除く。)又は複数の昼間実施サービス(指定障害者支援施設基準第2条第16号に規定する「昼間実施サービス」をいう。以下同じ。)を実施する指定障害者支援施設等(以下「多機能型事業所等」という。)については、当該多機能型事業所等として実施する複数の障害福祉サービス又は昼間実施サービスの利用定員の合計数を利用定員とした場合の報酬を算定するものとする。

③ 多機能型事業所等のうち指定障害福祉サービス基準第215条第1項に規定する多機能型による指定児童発達支援事業所、指定医療型児童発達支援事業所及び指定放課後等デイサービス事業所(以下「多機能型指定児童発達支援事業所等」という。)の事業を行うものであって、同項に規定する従業者の員数等に関する特例によらない多機能型事業所においては、当該多機能型事業所について多機能型指定児童発達支援事業所等に係る利用定員と当該多機能型指定児童発達支援事業に係る利用定員を除く多機能型事業所の利用定員のそれぞれの規模に応じて報酬を算定するものとする。

(7) 定員超過に該当する場合の所定単位数の算定について

① 対象となる障害福祉サービス

療養介護、生活介護、短期入所、施設入所支援、自立訓練(機能訓練)、自立訓練(生活訓練)、就労移行支援、就労継続支援A型、就労継続支援B型

② 算定される単位数

所定単位数の100分の70とする。なお、当該所定単位数は、各種加算がなされる前の単位数とし、各種加算を含めた単位数の合計数の100分の70となるものではないことに留意すること。

③ 指定障害福祉サービス事業所等の利用定員を上回る利用者を利用させているいわゆる定員超過利用について、原則、次の範囲の定員超過利用については、適正なサービスの提供が確保されることを前提に可能とする一方、これを超える定員超過利用については、報酬告示及び厚生労働大臣が定める利用者の数の基準及び従業者の員数の基準並びに所定単位数に乗じる割合(平成18年厚生労働省告示第550号。以下「第550号告示」という。)の規定に基づき、介護給付費等の減額を行うこととしているところであるが、これは適正なサービスの提供を確保するための規定であり、指定障害福祉サービス事業所等は、当該範囲を超える過剰な定員超過利用の未然防止を図るよう努めるものとする。

④ 日中活動サービスにおける定員超過利用減算の具体的取扱い

(一) 1日当たりの利用実績による定員超過利用減算の取扱い

ア 利用定員50人以下の指定障害福祉サービス事業所等の場合

1日の利用者の数(複数のサービス提供単位が設置されている場合にあっては、当該サービス提供単位ごとの利用者の数。以下この(一)から(三)まで及び⑤において同じ。)が、利用定員(複数のサービス提供単位が設置されている場合にあっては、当該サービス提供単位ごとの利用定員。以下この(一)から(三)まで及び⑤において同じ。)に100分の150を乗じて得た数を超える場合に、当該1日について利用者全員につき減算を行うものとする。

イ 利用定員51人以上の指定障害福祉サービス事業所等の場合

1日の利用者の数が、利用定員から50を差し引いた数に100分の125を乗じて得た数に、75を加えて得た数を超える場合に、当該1日について利用者全員につき減算を行うものとする。

(二) 過去3月間の利用実績による定員超過利用減算の取扱い

ア 直近の過去3月間の利用者の延べ数が、利用定員に開所日数を乗じて得た数に100分の125を乗じて得た数を超える場合に、当該1月間について利用者全員につき減算を行うものとする。

(例) 利用定員30人、1月の開所日数が22日の施設の場合

30人×22日×3月=1,980人

1,980人×1.25=2,475人(受入れ可能延べ利用者数)

※ 3月間の総延べ利用者数が2,475人を超える場合に減算となる。

ただし、定員11人以下の場合は、過去3月間の利用者の延べ数が、利用定員に3を加えて得た数に開所日数を乗じて得た数を超える場合に減算を行うものとする。

(三) 多機能型事業所等における定員超過利用減算の取扱い

多機能型事業所等における1日当たりの利用実績による定員超過利用減算及び過去3月間の利用実績による定員超過利用減算については、(一)及び(二)と同様、当該多機能型事業所等が行う複数のサービス又は昼間実施サービスごとに、当該利用定員を超える受入れ可能人数を算出するものとする。

(例1) 利用定員40人の多機能型事業所(生活介護の利用定員20人、自立訓練(生活訓練)の利用定員10人、就労継続支援B型の利用定員10人)の場合の1日当たりの利用実績による定員超過利用減算

・  生活介護

→ 20人×150%=30人(10人まで受入可能)

・ 自立訓練(生活訓練)

→ 10人×150%=15人(5人まで受入可能)

・ 就労継続支援B型

→ 10人×150%=15人(5人まで受入可能)

サービスごとに次の人数を超える場合に減算となる。

・ 生活介護 → 30人

・ 自立訓練(生活訓練) → 15人

・ 就労継続支援B型 → 15人

(例2) 利用定員40人、1月の開所日数が22日の多機能型事業所(生活介護の利用定員20人、自立訓練(生活訓練)の利用定員10人、就労継続支援B型の利用定員10人)の場合の過去3月間の利用実績による定員超過利用減算

・ 生活介護

→ 20人×22日×3月=1,320人

1,320人×125%=1,650人(利用定員を超える受入可能人数→1,650人-1,320人=330人)

・ 自立訓練(生活訓練)

→ 10人×22日×3月=660人

660人×125%=825人(利用定員を超える受入可能人数→825人-660人=165人)

・ 就労継続支援B型

→ 10人×22日×3月=660人

660人×125%=825人(利用定員を超える受入可能人数→825人-660人=165人)

サービスごとに次の人数を超える場合に減算となる。

・ 生活介護 → 1,650人

・ 自立訓練(生活訓練) → 825人

・ 就労継続支援B型 → 825人

⑤ 療養介護、短期入所、宿泊型自立訓練及び施設入所支援における定員超過利用減算の具体的取扱い

(一) 1日当たりの利用実績による定員超過利用減算の取扱い

ア 利用定員50人以下の指定障害福祉サービス事業所等の場合

1日の利用者の数が、利用定員に100分の110を乗じて得た数を超える場合に、当該1日について利用者全員につき減算を行うものとする。

イ 利用定員51人以上の指定障害福祉サービス事業所等の場合

1日の利用者の数が、利用定員から50を差し引いた数に100分の105を乗じて得た数に、55を加えて得た数を超える場合に、当該1日について利用者全員につき減算を行うものとする。

(二) 過去3月間の利用実績による定員超過利用減算の取扱い

直近の過去3月間の利用者の延べ数が、利用定員に開所日数を乗じて得た数に100分の105を乗じて得た数を超える場合に、当該1月間について利用者全員につき減算を行うものとする。

(例) 利用定員50人の施設の場合

(50人×31日)+(50人×30日)+(50人×31日)= 4,600人

4,600人×105%=4,830人(受入れ可能延べ利用者数)

※ 3月間の総延べ利用者数が4,830人を超える場合に減算となる。

⑥ 利用者数の算定に当たっての留意事項

④及び⑤における利用者の数の算定に当たっては、次の(一)から(三)までに該当する利用者を除くことができるものとする。

また、計算の過程において、小数点以下の端数が生じる場合については、小数点以下を切り上げるものとする。

(一) 身体障害者福祉法(昭和24年法律第283号)第18条第1項若しくは第2項、知的障害者福祉法(昭和35年法律第37号)第15条の4若しくは第16条第1項第2号又は児童福祉法(昭和22年法律第164号)第21条の6の規定により市町村が行った措置に係る利用者を受け入れる場合

(二) 「地域生活への移行が困難になった障害者及び離職した障害者の入所施設等への受入について」(平成18年4月3日付け障障発第0403004号)により定員の枠外として取り扱われる入所者

(三) 災害等やむを得ない理由により定員の枠外として取り扱われる入所者

⑦ 都道府県知事は減算の対象となる定員超過利用が行われている指定障害福祉サービス事業所等に対しては、その解消を行うよう指導すること。当該指導に従わず、当該定員超過利用が継続する場合には、特別な事情がある場合を除き、指定の取消しを検討するものとする。

なお、指定障害福祉サービス事業所等は、減算の対象とはならない定員超過利用の場合であっても、利用者処遇等について十分配慮すること。

(8) 人員欠如に該当する場合の所定単位数の算定について

① 対象となる障害福祉サービス

療養介護、生活介護、短期入所、自立訓練(機能訓練)、自立訓練(生活訓練)、就労移行支援、就労継続支援A型、就労継続支援B型(基準該当就労継続支援B型を含む。)、共同生活援助

② 算定される単位数

所定単位数の100分の70とする。なお、当該所定単位数は、各種加算がなされる前の単位数とし、各種加算を含めた単位数の合計数の100分の70となるものではないことに留意すること。

③ 指定障害福祉サービス事業所等における従業者の員数が、指定障害福祉サービス基準又は指定障害者支援施設基準の規定により配置すべき員数を下回っているいわゆる人員欠如については、報酬告示及び第550号告示の規定に基づき、介護給付費等を減額することとしているところであるが、これは、適正なサービスの提供を確保するための規定であり、指定障害福祉サービス事業所等は、人員欠如の未然防止を図るよう努めるものとする。

④ 人員欠如減算の具体的取扱い

(一) 指定基準の規定により配置すべき生活支援員、看護職員、理学療法士、作業療法士、地域移行支援員、職業指導員、就労支援員及び世話人については、人員基準上必要とされる員数から1割を超えて減少した場合には、その翌月から人員欠如が解消されるに至った月まで、利用者の全員(複数のサービス提供単位が設置されている場合にあっては、人員欠如に該当するサービス提供単位の利用者の全員。(二)、(三)及び(四)において同じ。)について減算される。

また、人員基準上必要とされる員数から1割の範囲内で減少した場合には、その翌々月から人員欠如が解消されるに至った月まで、利用者の全員について減算される(ただし、翌月の末日において人員基準を満たすに至っている場合を除く)。

(二) (一)以外の人員欠如については、その翌々月から人員欠如が解消されるに至った月まで、利用者の全員について減算される(ただし、翌月の末日において人員基準を満たすに至っている場合を除く。)。

(三) 常勤又は専従など、従業者の員数以外の要件を満たしていない場合には、その翌々月から人員欠如が解消されるに至った月まで、利用者の全員について減算される(ただし、翌月の末日において人員基準を満たすに至っている場合を除く)。

(四) 多機能型事業所等であって、複数の障害福祉サービス又は昼間実施サービスの利用者の数の合計数に基づき、配置すべきサービス管理責任者の員数等を満たしていない場合には、当該複数の障害福祉サービス又は昼間実施サービスの利用者全員について減算される。

⑤ 人員基準については、指定障害福祉サービス基準又は指定障害者支援施設基準に規定する人員基準を満たさない場合にはじめて人員欠如となるものであり、指定障害福祉サービス基準又は指定障害者支援施設基準に規定する人員基準に対応する所定単位数を基にして減算を行うものであること。

⑥ 都道府県知事は、著しい人員欠如が継続する場合には、従業者の増員、利用定員等の見直し、事業の休止等を指導すること。当該指導に従わない場合には、特別な事情がある場合を除き、指定の取消しを検討するものとする。

(9) 夜勤職員欠如に該当する場合の所定単位数の算定について

① 対象となる障害福祉サービス

施設入所支援

② 算定される単位数

所定単位数の100分の95とする。なお、当該所定単位数は、各種加算がなされる前の単位数とし、各種加算を含めた単位数の合計数の100分の95となるものではないことに留意すること。

③ 指定障害者支援施設等における夜勤を行う生活支援員の員数が指定障害者支援施設基準の規定により配置すべき員数を下回っている場合については、報酬告示及び第550号告示の規定に基づき、介護給付費を減額することとしているところであるが、これは、夜間の安全の確保及び利用者のニーズに対応し、適正なサービスの提供を確保するための規定であり、指定障害者支援施設等は、夜勤を行う生活支援員の員数不足の未然防止を図るよう努めるものとする。

④ 夜勤職員欠如減算の具体的取扱い

夜勤を行う生活支援員の員数が指定障害者支援施設基準の規定に満たない場合の減算については、ある月(暦月)において次のいずれかの事態が発生した場合に、その翌月において利用者の全員(複数のサービス提供単位が設置されている場合にあっては、当該サービス提供単位の利用者の全員)について、所定単位数が減算されることとする。

(一) 夜勤時間帯(午後10時から翌日の午前5時までの時間を含めた連続する16時間をいい、原則として、指定障害者支援施設等ごとに設定するものとする。)において夜勤を行う生活支援員の員数が指定障害者支援施設基準に定める員数に満たない事態が2日以上連続して発生した場合

(二) 夜勤時間帯において夜勤を行う生活支援員の員数が指定障害者支援施設基準に定める員数に満たない事態が4日以上発生した場合

⑤ 減算を行うに当たっては、(10)の⑤と同様に行うものであること。

⑥ 都道府県知事は、夜勤を行う生活支援員の不足状態が続く場合には、夜勤を行う生活支援員の確保を指導し、当該指導に従わない場合には、指定の取消しを検討すること。

(10) 個別支援計画の作成に係る業務が適切に行われていない場合の所定単位数の算定について

① 対象となる障害福祉サービス

療養介護、生活介護、施設入所支援、自立訓練(機能訓練)、自立訓練(生活訓練)、就労移行支援、就労継続支援A型、就労継続支援B型(基準該当就労継続支援B型を含む。)、共同生活援助

② 算定される単位数

所定単位数の100分の95とする。なお、当該所定単位数は、各種加算がなされる前の単位数とし、各種加算を含めた単位数の合計数の100分の95となるものではないことに留意すること。

③ 個別支援計画未作成減算については、指定障害福祉サービス基準又は指定障害者支援施設基準の規定に基づき、個別支援計画の作成が適切に行われていない場合に、報酬告示の規定に基づき、介護給付費等を減額することとしているところであるが、これは個別支援計画に基づく適正なサービスの提供を確保するためのものであり、指定障害福祉サービス事業者等は、指定障害福祉サービス基準又は指定障害者支援施設基準の個別支援計画に係る規定を遵守しなければならないものとする。

④ 個別支援計画未作成等減算の具体的取扱い

具体的には、次のいずれかに該当する月から当該状態が解消されるに至った月の前月まで、次のいずれかに該当する利用者につき減算するものであること。

(一) サービス管理責任者による指揮の下、個別支援計画が作成されていないこと。

(二) 指定障害福祉サービス基準又は指定障害者支援施設基準に規定する個別支援計画の作成に係る一連の業務が適切に行われていないこと。

⑤ 都道府県知事は、当該規定を遵守するよう、指導すること。当該指導に従わない場合には、特別な事情がある場合を除き、指定の取消しを検討するものとする。

(11) 平均利用期間が標準利用期間を超える指定障害福祉サービス事業所等における所定単位数の算定について

① 対象となる障害福祉サービス

自立訓練(機能訓練)、自立訓練(生活訓練)(宿泊型自立訓練を除く。)、就労移行支援

② 算定される単位数

所定単位数の100分の95とする。なお、当該所定単位数は、各種加算がなされる前の単位数とし、各種加算を含めた単位数の合計数の100分の95となるものではないことに留意すること。

③ 標準利用期間超過減算については、指定障害福祉サービス事業所等ごとの利用者の平均利用期間が標準利用期間に6月を加えた期間を超える場合に、報酬告示の規定に基づき、訓練等給付を減額することとしているところであるが、これはサービスが効果的かつ効率的に行われるよう、標準利用期間を設定したことについて実効性をもたせるものである。このため、平均利用期間が標準利用期間を超過することのみをもって、直ちに指定の取消しの対象となるものではないが、都道府県知事は、こうした趣旨を踏まえ、適切な指導を行うこと。

④ 標準利用期間超過減算の具体的取扱い

(一) 指定障害福祉サービス事業所等が提供する各サービスの利用者(サービスの利用開始から1年を超過していない者を除く。)ごとの利用期間の平均値が標準利用期間に6月間を加えて得た期間を超えている1月間について、指定障害福祉サービス事業所等における当該サービスの利用者全員につき、減算するものとする。

なお、「標準利用期間に6月間を加えて得た期間」とは具体的に次のとおりであること。

ア 自立訓練(機能訓練) 24月間

イ 自立訓練(生活訓練) 30月間

ウ 就労移行支援 30月間(障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律施行規則(平成18年厚生労働省令第19号。以下「規則」という。)第6条の8ただし書きの規定の適用を受ける場合にあっては、42月間又は66月間とする。)

(二) 利用者ごとの利用期間については、次のとおり算定するものとする。

ア 当該利用者のサービス利用開始日から各月の末日までの間の月数を算出するものとする。この場合において、サービス利用開始日が月の初日の場合にあってはサービス利用開始日の属する月を含み、月の2日目以降の場合にあっては当該月を含まず、翌月以降から起算するものとする。

イ 規則第6条の6第1号括弧書きの規定により、標準利用期間が36月間とされる自立訓練(機能訓練)の利用者については、アにより算定した期間を1.75で除して得た期間とする。

ウ 規則第6条の6第2号括弧書きの規定により、標準利用期間が36月間とされる自立訓練(生活訓練)の利用者については、アにより算定した期間を1.4で除して得た期間とする。

(12) 複数の減算事由に該当する場合の取扱い

複数の減算事由に該当する場合の報酬の算定については、原則として、それぞれの減算割合を乗ずることとなるが、定員超過利用と人員欠如の双方の事由に該当する場合については、いずれか一方の事由のみに着目して、減算を行うこと(所定単位数の100分の70×100分の70=所定単位数の100分の49の報酬を算定するものではないこと)。

なお、都道府県知事は、複数の減算事由に該当する場合には、重点的な指導を行うとともに、当該指導に従わない場合には、指定の取消しを検討しなければならないものとする。

2.介護給付費

(1) 居宅介護サービス費

① 居宅介護サービス費の算定について

居宅介護の提供に当たっては、指定障害福祉サービス基準に定める具体的なサービスの内容を記載した居宅介護計画に基づいて行われる必要がある。なお、居宅介護については、派遣される従業者の種別により所定単位数が異なる場合があることから、居宅介護計画におけるサービス内容の記載に当たっては、派遣される従業者の種別についても記載すること。

事業者は、当該居宅介護計画を作成するに当たって、支給量が30分を単位(家事援助においては、最初の30分以降は15分を単位とする。)として決定されることを踏まえ、決定された時間数が有効に活用されるよう、利用者の希望等を踏まえることが必要である。

また、指定居宅介護等を行った場合には、実際に要した時間により算定されるのではなく、当該居宅介護計画に基づいて行われるべき指定居宅介護等に要する時間に基づき算定されることに留意する必要がある。

なお、当初の居宅介護計画で定めたサービス提供内容や提供時間が、実際のサービス提供と合致しない場合には、速やかに居宅介護計画の見直し、変更を行うことが必要であること。

② 基準単価の適用について

居宅介護計画上のサービス提供時間と実際のサービス提供時間に大幅な乖離があり、かつ、これが継続する場合は、当然に居宅介護計画の見直しを行う必要があること。

③ 居宅介護の所要時間

(一) 居宅介護の報酬単価については、短時間に集中して支援を行うという業務形態を踏まえて、所要時間30分未満の「居宅における身体介護が中心である場合」(以下「身体介護中心型」という。)など短時間サービスが高い単価設定になっているが、これは、1日に短時間の訪問を複数回行うことにより、居宅における介護サービスの提供体制を強化するために設定されているものであり、利用者の生活パターンに合わせて居宅介護を行うためのものである。したがって、単に1回の居宅介護を複数回に区分して行うことは適切ではなく、1日に居宅介護を複数回算定する場合にあっては、概ね2時間以上の間隔を空けなければならないものとする。別のサービス類型を使う場合は、間隔が2時間未満の場合もあり得るが、身体介護中心型を30分、連続して「家事援助が中心である場合」(以下「家事援助中心型」という。)を30分、さらに連続して身体介護中心型を算定するなど、別のサービス類型を組み合わせることにより高い単価を複数回算定することは、単価設定の趣旨とは異なる不適切な運用であり、この場合、前後の身体介護を1回として算定する。なお、身体の状況等により、短時間の間隔で短時間の滞在により複数回の訪問を行わなければならない場合や、別の事業者の提供する居宅介護との間隔が2時間未満である場合はこの限りではない。

(二) 1人の利用者に対して複数の居宅介護従業者が交代して居宅介護を行った場合も、1回の居宅介護としてその合計の所要時間に応じた所定単位数を算定する。

(三) 「所要時間30分未満の場合」で算定する場合の所要時間は20分程度以上とする。ただし、夜間、深夜及び早朝の時間帯に提供する指定居宅介護にあってはこの限りでない。所要時間とは、実際に居宅介護を行った時間をいうものであり、居宅介護のための準備に要した時間等は含まない。

④ 「家事援助中心型」の単位を算定する場合

「家事援助中心型」の単位を算定することができる場合として、「利用者が一人暮らしであるか又は家族等が障害、疾病等のため、利用者や家族等が家事を行うことが困難な場合」とされたが、これは、家族等の障害、疾病のほか、障害、疾病がない場合であっても、同様のやむを得ない事情により、家事が困難な場合を含むものであること。

⑤ 「通院等介助(身体介護を伴う場合)が中心である場合」(以下「通院等介助(身体介護を伴う場合)」という。)又は「通院等介助(身体介護を伴わない場合)が中心である場合」(以下「通院等介助(身体介護を伴わない場合)」という。)(以下「通院等介助」と総称する。)の単位を算定する場合

利用目的について、「通院等又は官公署(国、都道府県及び市町村の機関、外国公館(外国の大使館、公使館、領事館その他これに準ずる施設をいう。)並びに指定地域移行支援事業所、指定地域定着支援事業所、指定特定相談支援事業所及び指定障害児相談支援事業所)への移動(公的手続又は障害福祉サービスの利用に係る相談のために利用する場合に限る。以下単に「通院等」という。)のため」とは、病院への通院等を行う場合、公的手続又は障害福祉サービスの利用に係る相談のために官公署に訪れる場合、指定地域移行支援事業所、指定地域定着支援事業所、指定特定相談支援事業所又は指定障害児相談支援事業所を訪れる場合をいうものであるが、相談の結果、見学のために紹介された指定障害福祉サービス事業所を訪れる場合を含むものとする。なお、「通院等のための乗車又は降車の介助が中心である場合」(以下「通院等乗降介助」という。)としての通院等の介助と同じものである。

⑥ 「通院等乗降介助」の単位を算定する場合

(一) 指定居宅介護事業者が「通院等乗降介助」を行う場合には、当該所定単位数を算定することとし、身体介護中心型、通院等介助の所定単位数は算定できない。当該所定単位数を算定するに当たっては、道路運送法(昭和26年法律第183号)等他の法令等に抵触しないよう留意すること。なお、移送行為そのもの、すなわち運転時間中は当該所定単位数の算定対象ではなく、移送に係る経費(運賃)は評価しない。

(二) 当該所定単位数を算定することができる場合、片道につき所定単位数を算定する。よって、乗車と降車のそれぞれについて区分して算定することはできない。

(三) 複数の利用者に「通院等乗降介助」を行った場合であって、乗降時に1人の利用者に対して1対1で行う場合には、それぞれ算定できる。なお、効率的なサービスの観点から移送時間を極小化すること。

(四) サービス行為について、「自らの運転する車両への乗車又は降車の介助」、「乗車前若しくは降車後の屋内外における移動等の介助」及び「通院先での受診等の手続、移動等の介助」とは、それぞれ具体的に介助する行為を要することとする。例えば、利用者の日常生活動作能力などの向上のために、移動時、転倒しないように側について歩き、介護は必要時だけで、事故がないように常に見守る場合は算定対象となるが、乗降時に車両内から見守るのみでは算定対象とならない。

また、「自らの運転する車両への乗車又は降車の介助」に加えて、「乗車前若しくは降車後の屋内外における移動等の介助」を行うか、又は、「通院先での受診等の手続、移動等の介助」を行う場合に算定対象となるものであり、これらの移動等の介助又は受診等の手続を行わない場合には算定対象とならない。

(五) 「通院等乗降介助」は、「自らの運転する車両への乗車又は降車の介助」、「乗車前若しくは降車後の屋内外における移動等の介助」及び「通院先での受診等の手続、移動等の介助」を一連のサービス行為として含むものであり、それぞれの行為によって細かく区分し、「通院等乗降介助」又は「通院等介助」として算定できない。例えば、通院等に伴いこれに関連して行われる、居室内での「声かけ・説明」・「病院等に行くための準備」や通院先等での「院内の移動等の介助」は、「通院等乗降介助」に含まれるものであり、別に「通院等介助」として算定できない。

なお、同一の事業所において、1人の利用者に対して複数の居宅介護従業者が交代して「通院等乗降介助」を行った場合も、1回の「通院等乗降介助」として算定し、居宅介護従業者ごとに細かく区分して算定できない。

(六) 「通院等乗降介助」を算定するに当たっては、適切なアセスメントを通じて、生活全般の解決すべき課題に対応した様々なサービス内容の一つとして、総合的な援助の一環としてあらかじめ居宅介護計画に位置付けられている必要がある。

⑦ 「通院等乗降介助」と「通院等介助(身体介護を伴う場合)」の区分

「通院等乗降介助」を行うことの前後に連続して相当の所要時間(20分~30分程度以上)を要しかつ手間のかかる身体介護を行う場合には、その所要時間に応じた「通院等介助(身体介護を伴う場合)」の所定単位数を算定できる。この場合には、「通院等乗降介助」の所定単位数は算定できない。

(例) (乗車の介助の前に連続して)寝たきりの利用者の更衣介助や排泄介助をした後、ベッドから車いすへ移乗介助し、車いすを押して自動車へ移動介助する場合。

⑧ 「通院等乗降介助」等と「身体介護中心型」の区分

「通院等乗降介助」又は「通院等介助(身体介護を伴う場合)」を行うことの前後において、居宅における外出に直接関連しない身体介護(入浴介助、食事介助など)に30分~1時間以上を要しかつ当該身体介護が中心である場合には、これらを通算した所要時間に応じた「身体介護中心型」の所定単位数を算定できる。この場合には、「通院等乗降介助」及び「通院等介助(身体介護を伴う場合)」の所定単位数は算定できない。なお、本取扱いは、「通院等介助(身体介護を伴わない場合)」の対象者には適用しないものであること。

⑨ サービス区分及び居宅介護従業者の資格要件ごとの所定単位数等の取扱いについて

(一) 「身体介護中心型」の単位を算定する場合

ア 介護福祉士、社会福祉士及び介護福祉士法等の一部を改正する法律(平成19年法律第125号)附則第2条第2項の規定により行うことができることとされた同法第3条の規定による改正後の社会福祉士及び介護福祉士法(昭和62年法律第30号)第40条第2項第5号の指定を受けた学校又は養成施設において六月以上介護福祉士として必要な知識及び技能を習得した者(以下「実務者研修修了者」という。)、居宅介護職員初任者研修課程(相当する研修課程修了者を含む。なお、介護保険法施行規則(平成11年厚生労働省令第36号)第22条の23第1項に規定する介護職員初任者研修課程修了者については、相当する研修課程修了者に含むものとする。)(以下「初任者研修課程修了者等」と総称する。) → 「所定単位数」

イ 障害者居宅介護従業者基礎研修課程修了者(相当する研修課程修了者を含む。なお、介護保険法施行規則の一部を改正する省令(平成24年厚生労働省令第25号)による改正前の介護保険法施行規則第22条の23第1項に規定する訪問介護に関する3級課程修了者については、相当する研修課程修了者に含むものとする。)及び実務経験を有する者(平成18年3月31日において身体障害者居宅介護等事業、知的障害者居宅介護等事業又は児童居宅介護等事業に従事した経験を有する者であって、都道府県知事から必要な知識及び技術を有すると認める旨の証明書の交付を受けたものをいう。)(以下「基礎研修課程修了者等」と総称する。) → 「所定単位数の100分の70に相当する単位数」

ウ 重度訪問介護従業者養成研修課程修了者(相当する研修課程修了者を含む。)(以下「重度訪問介護研修修了者」という。)であって、身体障害者の直接支援業務の従事経験を有する者 → 「所要時間3時間未満の場合は重度訪問介護サービス費の所定単位数、所要時間3時間以上の場合は627単位に所要時間3時間から計算して所要時間30分を増すごとに83単位を加算した単位数」

(二) 「通院等介助(身体介護を伴う場合)」の単位を算定する場合

ア 初任者研修課程修了者等 → 「所定単位数」

イ 基礎研修課程修了者等及び廃止前の視覚障害者外出介護従業者養成研修、全身性障害者外出介護従業者養成研修及び知的障害者外出介護従業者養成研修課程修了者(これらの研修課程に相当するものとして都道府県知事が認める研修の課程を修了し、当該研修の事業を行った者から当該研修の課程を修了した旨の証明書の交付を受けた者を含む。)(以下「旧外出介護研修修了者」という。) → 「所定単位数の100分の70に相当する単位数」

ウ 重度訪問介護研修修了者であって、身体障害者の直接支援業務の従事経験を有する者 → 「所要時間3時間未満の場合は重度訪問介護サービス費の所定単位数、所要時間3時間以上の場合は627単位に所要時間3時間から計算して所要時間30分を増すごとに83単位を加算した単位数」

(三) 「家事援助中心型」の単位を算定する場合

ア 初任者研修課程修了者等 → 「所定単位数」

イ 基礎研修課程修了者等及び重度訪問介護研修修了者 → 「所定単位数の100分の90に相当する単位数」

(四) 「通院等介助(身体介護を伴わない場合)」の単位を算定する場合

ア 初任者研修課程修了者等 → 「所定単位数」

イ 基礎研修課程修了者等、重度訪問介護研修修了者及び旧外出介護研修修了者 → 「所定単位数の100分の90に相当する単位数」

(五) 「通院等乗降車介助」の単位を算定する場合

ア 初任者研修課程修了者等 → 「所定単位数」

イ 基礎研修課程修了者等、重度訪問介護研修修了者及び旧外出介護研修修了者 → 「所定単位数の100分の90に相当する単位数」

(六) その他

居宅介護従業者の資格要件については、居宅介護が短時間に集中して支援を行う業務内容であることを踏まえ、初任者研修課程修了者等を基本とし、基礎研修課程修了者等がサービスを提供する場合には報酬の減算を行うこととしているものである。なお、重度訪問介護研修修了者は、専ら重度訪問介護に従事することを目的として養成されるものであることから、重度訪問介護研修修了者がサービス提供を行う場合にあっては、早朝・深夜帯や年末年始などにおいて、一時的に人材確保の観点から市町村がやむを得ないと認める場合に限るものとすること。

⑩ 居宅介護計画上派遣が予定されている種別の従業者と異なる種別の従業者により居宅介護が行われた場合の所定単位数の取扱い

(一) 「身体介護中心型」又は「通院等介助(身体介護を伴う場合)」

次のアからウまでに掲げる場合に応じた所定単位数を算定する。

ア 居宅介護計画上初任者研修課程修了者等が派遣されることとされている場合に、事業所の事情によりそれ以外の従業者が派遣される場合

(i) 基礎研修課程修了者等又は旧外出介護研修修了者が派遣される場合

基礎研修課程修了者等又は旧外出介護研修修了者が派遣される場合の単位数

(ii) 重度訪問介護研修修了者であって身体障害者の直接支援業務の従事経験を有する者が派遣される場合

重度訪問介護研修修了者であって身体障害者の直接支援業務の従事経験を有する者が派遣される場合の単位数

イ 居宅介護計画上基礎研修課程修了者等又は旧外出介護研修修了者が派遣されることとされている場合に、事業所の事情によりそれ以外の居宅介護従業者が派遣される場合

(i) 初任者研修課程修了者等が派遣される場合

基礎研修課程修了者等又は旧外出介護研修修了者が派遣される場合の単位数

(ii) 重度訪問介護研修修了者であって身体障害者の直接支援業務の従事経験を有する者が派遣される場合

重度訪問介護研修修了者であって身体障害者の直接支援業務の従事経験を有する者が派遣される場合の単位数

ウ 居宅介護計画上重度訪問介護研修修了者であって身体障害者の直接支援業務の従事経験を有する者が派遣されることとされている場合に、事業所の事情によりそれ以外の居宅介護従業者が派遣される場合

重度訪問介護研修修了者であって身体障害者の直接支援業務の従事経験を有する者が派遣される場合の単位数

(二) 「家事援助中心型」、「通院等介助(身体介護を伴わない場合)」又は「通院等乗降介助」

ア 居宅介護計画上初任者研修課程修了者等が派遣されることとされている場合に、事業所の事情によりそれ以外の従業者が派遣される場合

基礎研修課程修了者等(重度訪問介護研修修了者又は旧外出介護研修修了者)が派遣される場合の単位数

イ 居宅介護計画上基礎研修課程修了者等(重度訪問介護研修修了者又は旧外出介護研修修了者)が派遣されることとされている場合に、事業所の事情によりそれ以外の従業者が派遣される場合

基礎研修課程修了者等(重度訪問介護研修修了者又は旧外出介護研修修了者)が派遣される場合の単位数

⑪ 2人の居宅介護従業者による居宅介護の取扱い等

(一) 2人の居宅介護従業者による居宅介護について、それぞれの居宅介護従業者が行う居宅介護について所定単位数が算定される場合のうち、厚生労働大臣が定める要件(平成18年厚生労働省告示第546号。以下「546号告示」という。)の一に該当する場合としては、体重が重い利用者に入浴介助等の重介護を内容とする居宅介護を提供する場合等が該当し、三に該当する場合としては、例えば、エレベーターのない建物の2階以上の居室から歩行困難な利用者を外出させる場合等が該当するものであること。したがって、単に安全確保のために深夜の時間帯に2人の居宅介護従業者によるサービス提供を行った場合は、利用者側の希望により利用者や家族の同意を得て行った場合を除き、この取扱いは適用しない。

(二) 居宅介護従業者のうち1人が基礎研修課程修了者等(重度訪問介護研修修了者又は旧外出介護研修修了者)である場合の取扱い

派遣された2人の居宅介護従業者のうちの1人が基礎研修課程修了者等(重度訪問介護研修修了者又は旧外出介護研修修了者)で、1人がそれ以外の者である場合については、基礎研修課程修了者等(重度訪問介護研修修了者又は旧外出介護研修修了者)については、基礎研修課程修了者等が派遣される場合の単位数(当該居宅介護従業者が重度訪問介護研修修了者又は旧外出介護研修修了者である場合には、それぞれ重度訪問介護研修修了者が派遣される場合の単位数又は旧外出介護研修修了者が派遣される場合の単位数)を、それ以外のヘルパーについては所定単位数を、それぞれ別に算定すること。

⑫ 早朝、夜間、深夜の居宅介護の取扱いについて

早朝、夜間、深夜の居宅介護の取扱いについては、原則として、実際にサービス提供を行った時間帯の算定基準により算定されるものであること。

ただし、基準額の最小単位(最初の30分とする。)までは、サービス開始時刻が属する時間帯の算定基準により算定すること(サービス開始時刻が属する時間帯におけるサービス提供時間が15分未満である場合には、多くの時間を占める時間帯の算定基準により算定すること)。また、基準額の最小単位以降の30分単位の中で時間帯をまたがる場合には、当該30分の開始時刻が属する時間帯により算定すること(当該30分の開始時刻が属する時間帯におけるサービス提供時間が15分未満である場合には、当該30分のうち、多くの時間帯の算定基準により算定すること)。なお、「家事援助」については、基準額の最小単位以降の15分単位の中で時間帯をまたがる場合には、当該15分の開始時刻が属する時間帯により算定すること(当該15分の開始時刻が属する時間帯におけるサービス提供時間が8分未満である場合には、当該15分のうち、多くの時間帯の算定基準により算定すること)。

また、「通院等乗降介助」については、サービス開始時刻が属する時間帯の算定基準により算定すること(サービス開始時刻が属する時間帯におけるサービス提供時間(運転時間を除く。)が15分未満である場合には、多くの時間(運転時間を除く。)を占める時間帯の算定基準により算定すること)。

なお、土日祝日等におけるサービス提供を行った場合であっても、土日祝日等を想定した加算はないこと。

⑬ 特定事業所加算の取扱い

特定事業所加算の各算定要件については、次に定めるところによる。

(一) 体制要件

ア 計画的な研修の実施

厚生労働大臣が定める基準(平成18年厚生労働省告示第543号。以下「543号告示」という。)第1号イ(1)の「居宅介護従業者ごとに研修計画を作成」については、当該事業所におけるサービス従事者の資質向上のための研修内容の全体像と当該研修実施のための勤務体制の確保を定めるとともに、居宅介護従業者について個別具体的な研修の目標、内容、研修期間、実施時期等を定めた計画を策定しなければならない。

イ 会議の定期的開催

543号告示第1号イ(2)(一)の「利用者に関する情報若しくはサービス提供に当たっての留意事項の伝達又は当該指定居宅介護事業所における居宅介護従業者の技術指導を目的とした会議」とは、サービス提供責任者が主宰し、登録ヘルパーも含めて、当該事業所においてサービス提供に当たる居宅介護従業者のすべてが参加するものでなければならない。また、実施に当たっては、全員が一堂に会して開催する必要はなく、サービス提供責任者ごとにいくつかのグループ別に分かれて開催することで差し支えない。

なお、利用者に対して、原則として土日、祝日、お盆、年末年始を含めた年間を通して時間帯を問わずにサービス提供を行っている事業所においては、サービス提供責任者が従業者1人ひとりと個別に、又は数人ごとに開催する方法により開催することで差し支えない。

会議の開催状況については、その概要を記録しなければならない。なお、「定期的」とは、概ね1月に1回以上開催されている必要がある。

ウ 文書等による指示及びサービス提供後の報告

543号告示第1号イ(2)(二)の「当該利用者に関する情報やサービス提供に当たっての留意事項」とは、少なくとも、次に掲げる事項について、その変化の動向を含め、記載しなければならない。

・ 利用者のADLや意欲

・ 利用者の主な訴えやサービス提供時の特段の要望

・ 家族を含む環境

・ 前回のサービス提供時の状況

・ その他サービス提供に当たって必要な事項

同(二)の「文書等の確実な方法」とは、直接面接しながら文書を手交する方法のほか、FAX、メール等によることも可能である。

また、利用者に対して、原則として土日、祝日、お盆、年末年始を含めた年間を通して時間帯を問わずにサービス提供を行っている事業所においては、サービス提供責任者の勤務時間外にもサービス提供が行われることから、サービス提供責任者の勤務時間内に対応可能な範囲での伝達で差し支えない。

なお、同(二)の居宅介護従業者から適宜受けるサービス提供終了後の報告内容について、サービス提供責任者は、文書にて記録を保存しなければならない。

エ 定期健康診断の実施

543号告示第1号イ(3)の健康診断等については、労働安全衛生法により定期に実施することが義務付けられた「常時使用する労働者」に該当しない居宅介護従業者も含めて、少なくとも1年以内ごとに1回、事業主の費用負担により実施しなければならない。

オ 緊急時における対応方法の明示

543号告示第1号イ(4)の「明示」については、当該事業所における緊急時等の対応方針、緊急時の連絡先及び対応可能時間等を記載した文書を利用者に交付し、説明を行うものとする。なお、交付すべき文書については、重要事項説明書等に当該内容を明記することをもって足りるものとする。

カ 熟練した居宅介護従業者の同行による研修

543号告示第1号イ(5)の「熟練した居宅介護従業者の同行による研修」については、サービス提供責任者又はサービス提供責任者と同等と認められる居宅介護従業者(当該利用者の障害特性を理解し、適切な介護を提供できる者であり、かつ、当該利用者へのサービスについて利用者から十分な評価がある居宅介護従業者)が、新規に採用した従業者に対し、適切な指導を行うものとする。

(二) 人材要件

ア 居宅介護従業者要件

543号第1号告示イ(6)の介護福祉士、実務者研修修了者、介護職員基礎研修課程修了者及び1級課程修了者の割合については、前年度(3月を除く。)又は届出日の属する月の前3月の1月当たりの実績の平均について、常勤換算方法により算出した数を用いて算出するものとする。

なお、介護福祉士、実務者研修修了者又は介護職員基礎研修課程修了者若しくは1級課程修了者とは、各月の前月の末日時点で資格を取得している又は研修の課程を修了している者とすること。

看護師等の資格を有する者については、1級課程の全科目を免除することが可能とされていたことから、1級課程又は居宅介護職員初任者研修課程を修了したとされた看護師等については、同(6)の要件に含むものとする。

また、同(6)の「常勤の居宅介護従業者」とは、サービス提供時間に含まれるすべての常勤の居宅介護従業者が対象となる。

なお、常勤の居宅介護従業者とは、事業所で定めた勤務時間(1週間に勤務すべき時間数が32時間を下回る場合は32時間を基本とする。)のすべてを勤務している居宅介護従業者をいう。

イ サービス提供責任者要件

543号告示第1号イ(7)の「実務経験」は、サービス提供責任者としての従事期間ではなく、在宅や施設を問わず介護に関する業務に従事した期間をいうものであり、資格取得又は研修修了前の従事期間も含めるものとする。

なお、「5年以上の実務経験を有する実務者研修修了者、介護職員基礎研修修了者若しくは1級課程修了者」について、看護師等の資格を有する者については、1級課程の全科目を免除することが可能とされていたことから、1級課程又は居宅介護職員初任者研修課程を修了したとされた看護師等については、同(7)の要件に含むものとする。

また、同(8)については、指定障害福祉サービス基準第5条第2項の規定により常勤のサービス提供責任者を2人配置することとされている事業所において、同項ただし書により常勤のサービス提供責任者を1人配置し、非常勤のサービス提供責任者を常勤換算方法で必要とされる員数配置することで基準を満たすことになるが、本要件を満たすためには、常勤のサービス提供責任者を2人以上配置しなければならないとしているものである。

(三) 重度障害者対応要件

543号告示第1号イ(9)の障害支援区分5以上である者及び喀痰吸引等(口腔内の喀痰吸引、鼻腔内の喀痰吸引、気管カニューレ内部の喀痰吸引、胃ろう又は腸ろうによる経管栄養又は経鼻経管栄養をいう。以下同じ。)を必要とする者の割合については、前年度(3月を除く。)又は届出日の属する月の前3月の1月当たりの実績の平均について、利用実人員を用いて算定するものとする。

(四) 割合の計算方法

(二)アの職員の割合及び(三)の利用実人員の割合の計算は、次の取扱いによるものとする。

ア 前年度の実績が6月に満たない事業所(新たに事業を開始し、又は再開した事業所を含む。)については、前年度の実績による加算の届出はできないものとする。

イ 前3月の実績により届出を行った事業所については、届出を行った月以降においても、直近3月間の職員又は利用者の割合につき、毎月継続的に所定の割合を維持しなければならない。

また、その割合については、毎月ごとに記録するものとし、所定の割合を下回った場合については、直ちに第一の5の届出を提出しなければならない。

⑭ 特別地域加算の取扱い

特別地域加算を算定する利用者に対して、指定障害福祉サービス基準第31条第5号に規定する通常の事業の実施地域を越えてサービス提供した場合、指定障害福祉サービス基準第21条第3項に規定する交通費の支払いを受けることはできないこととする。

⑮ 緊急時対応加算の取扱い

(一) 「緊急に行った場合」とは、居宅介護計画に位置付けられていない居宅介護(身体介護が中心である場合及び通院等介助(身体介護を伴う場合)が中心である場合に限る。)を、利用者又はその家族等から要請を受けてから24時間以内に行った場合をいうものとする。

(二) 当該加算は、1回の要請につき1回を限度として算定できるものとする。

(三) 当該加算の対象となる居宅介護の所要時間については、③(一)及び(三)の規定は適用されないものとする。したがって、所要時間が20分未満であっても、30分未満の身体介護中心型の所定単位数の算定及び当該加算の算定は可能であり、当該加算の対象となる居宅介護と当該居宅介護の前後に行われた居宅介護の間隔が2時間未満であった場合であっても、それぞれの所要時間に応じた所定単位数を算定する(所要時間を合算する必要はない)ものとする。

(四) 緊急時対応加算の対象となる指定居宅介護等の提供を行った場合は、指定障害福祉サービス基準第19条に基づき、要請のあった時間、要請の内容、当該居宅介護の提供時刻及び緊急時対応加算の算定対象である旨等を記録するものとする。

⑯ 初回加算の取扱い

(一) 本加算は、利用者が過去2月に、当該指定居宅介護事業所等から指定居宅介護等の提供を受けていない場合に算定されるものである。

(二) サービス提供責任者が、居宅介護に同行した場合については、指定障害福祉サービス基準第19条に基づき、同行訪問した旨を記録するものとする。また、この場合において、当該サービス提供責任者は、居宅介護に要する時間を通じて滞在することは必ずしも必要ではなく、利用者の状況等を確認した上で、途中で現場を離れた場合であっても、算定は可能である。

⑰ 利用者負担上限額管理加算の取扱いについて

報酬告示第1の3の利用者負担上限額管理加算の注中、「利用者負担額合計額の管理を行った場合」とは、利用者が、利用者負担合計額の管理を行う指定障害福祉サービス事業所又は指定障害者支援施設等以外の障害福祉サービスを受けた際に、上限額管理を行う事業所等が当該利用者の負担額合計額の管理を行った場合をいう。

なお、負担額が負担上限額を実際に超えているか否かは算定の条件としない。

⑱ 福祉・介護職員処遇改善加算及び福祉・介護職員処遇改善特別加算の取扱いについて

福祉・介護職員処遇改善加算は、平成23年度まで実施されていた福祉・介護人材の処遇改善事業における助成金による賃金改善の効果を継続する観点から、当該助成金を円滑に障害福祉サービス報酬に移行することを目的とし創設したものである。

また、福祉・介護職員処遇改善特別加算については、福祉・介護職員の処遇改善をより一層推し進めるために、基金事業において、助成金を受給することが困難であった事業所においても一定の処遇改善が図られるよう創設したものである。

このため、福祉・介護職員処遇改善加算を算定する場合には、福祉・介護職員処遇改善特別加算は算定できないこと。なお、福祉・介護職員処遇改善加算及び福祉・介護職員処遇改善特別加算の内容については、別途通知(「福祉・介護職員処遇改善加算及び福祉・介護職員処遇改善特別加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について」(平成24年3月30日付け障障発0330第5号厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課長通知))を参照すること。

(2) 重度訪問介護サービス費

① 重度訪問介護の対象者について

区分4以上に該当し、次の(一)又は(二)のいずれかに該当する者

(一) 二肢以上に麻痺等がある者であって、区分省令別表第一における調査項目のうち「歩行」、「移乗」、「排尿」、「排便」のいずれもが「支援が不要」以外に認定されているもの

(二) 543号告示の別表第二に掲げる行動関連項目の合計点数が10点以上である者

② 重度訪問介護サービス費の算定について

重度訪問介護は、重度の肢体不自由者又は重度の知的障害若しくは精神障害により行動上著しい困難を有する障害者であって、常時介護を要するものに対して、比較的長時間にわたり、日常生活に生じる様々な介護の事態に対応するための見守り等の支援とともに、食事や排せつ等の身体介護、調理や洗濯等の家事援助、コミュニケーション支援や家電製品等の操作等の援助及び外出時における移動中の介護が、総合的かつ断続的に提供されるような支援をいうものである。

したがって、重度訪問介護については、比較的長時間にわたり、日常生活に生じる様々な介護の事態に対応するための見守り等の支援とともに、身体介護や家事援助等の援助が断続的に行われることを総合的に評価して設定しており、同一の事業者がこれに加えて身体介護及び家事援助等の居宅介護サービス費を算定することはできないものであること。

ただし、当該者にサービスを提供している事業所が利用者の希望する時間帯にサービスを提供することが困難である場合であって、他の事業者が身体介護等を提供する場合にあっては、この限りでない。

また、外出時において、行動援護サービスを利用する場合の方が適している場合にあっては、重度訪問介護に加えて、行動援護サービス費を算定することは差し支えないこととする。

③ 重度の知的障害若しくは精神障害により行動上著しい困難を有する障害者であって常時介護を要する者に対する重度訪問介護について

ア ①の(二)に規定する者については、行動障害に専門性を有する行動援護事業者等によるアセスメントや環境調整などを行った上で、重度訪問介護を行った場合に所定単位数が算定できるものであること。

イ 従業者については、専門性を確保するため、重度訪問介護従業者養成研修行動障害支援課程(指定居宅介護等の提供に当たる者として厚生労働大臣が定めるもの(平成18年厚生労働省告示第538号。以下「居宅介護従業者基準」という。)の別表第五に定める内容以上の研修課程をいう。)を修了していることが望ましい。

ウ 行動援護従業者養成研修、強度行動障害支援者養成研修(基礎研修)及びこれらの研修課程に相当するものとして都道府県知事が認める研修の課程を修了した者にあっては、重度訪問介護従業者養成研修行動障害支援課程を修了した者とみなす。

エ 重度訪問介護従業者養成研修行動障害支援課程及び強度行動障害支援者養成研修(基礎課程)は、アセスメントを理解してサービスを提供する上で必要な研修と位置づけているところであり、アセスメントを行う側の研修ではないことから、これらの研修のみを修了した者については、アに定める「行動障害に専門性を有する行動援護事業者等によるアセスメントや環境調整を行う者」としては望ましくない。

④ 重度訪問介護の所要時間について

(一) 短時間に集中して支援を行うという業務形態を踏まえて短時間サービスが高い単価設定となっている居宅介護に対し、重度訪問介護については、同一箇所に長時間滞在しサービス提供を行うという業務形態を踏まえ、重度訪問介護従業者の1日当たりの費用(人件費及び事業所に係る経費)を勘案し8時間を区切りとする単価設定としているものである。また、8時間を超えるサービス提供を行う場合には、事業所の管理コストが逓減することを踏まえ、8時間までの報酬単価の95%相当額を算定することとしているものである。したがって、同一の事業者が、1日に複数回の重度訪問介護を行う場合には、1日分の所要時間を通算して算定する。この場合の1日とは、0時から24時までを指すものであり、翌日の0時以降のサービス提供分については、所要時間1時間から改めて通算して算定する。また、1日の範囲内に複数の事業者が重度訪問介護を行う場合には、それぞれの事業者ごとに1日分の所要時間を通算して算定する。

(例) 1日に、所要時間7時間30分、7時間30分の2回行う場合

→ 通算時間 7時間30分+7時間30分=15時間

→ 算定単位 「所要時間12時間以上16時間未満の場合」

(二) 1回のサービスが午前0時をまたいで2日にわたり提供される場合、午前0時が属する30分の範囲内における午前0時を超える端数については、1日目の分に含めて算定する。

(例) 22時45分から6時45分までの8時間の連続するサービス

・ 22時45分から0時15分までの時間帯の算定方法1日目分1時間30分として算定

・ 0時15分から6時45分までの時間帯の算定方法2日目分6時間30分として算定

(三) 重度訪問介護にかかる報酬は、事業者が作成した重度訪問介護計画に基づいて行われるべき指定重度訪問介護等に要する時間により算定されることとなるが、当該重度訪問介護計画の作成に当たっては、支給量が30分を単位として決定されること、また、報酬については1日分の所要時間を通算して算定されることを踏まえ、決定された時間数が有効に活用されるよう、利用者の希望等を十分に踏まえることが重要である。

⑤ 特に重度の障害者に対する加算の取扱いについて

重度訪問介護従業者(居宅介護従業者基準の別表第三に定める内容以上の研修課程をいう。)又は重度訪問介護従業者養成研修統合過程(居宅介護従業者基準の別表第四に定める内容以上の研修課程をいう。)を修了した者に限る。)が、①の(一)に規定する者のうち、重度障害者等包括支援の対象となる支援の度合にある者に対して重度訪問介護を行った場合にあっては所定単位数の100分の15に相当する単位数を、区分6に該当する者に対して重度訪問介護を行った場合にあっては所定単位数の100分の7.5に相当する単位数を、それぞれ所定単位数に加算する。

なお、重度訪問介護従業者養成研修(居宅介護従業者基準第1条第5号に規定する重度訪問介護従業者養成研修をいう。)を修了した者が、加算対象となる重度障害者に対して重度訪問介護を行う場合は、当該加算対象者に対する緊急時の対応等についての付加的な研修である重度訪問介護従事者養成研修追加課程(居宅介護従業者基準の別表第三に定める内容以上の研修課程をいう。)又は重度訪問介護従業者養成研修統合課程(居宅介護従業者基準の別表第四に定める内容以上の研修課程をいう。)を修了している場合についてのみ所定単位数が算定できるものであること。

⑥ 早朝、夜間、深夜の重度訪問介護の取扱いについて

早朝、夜間、深夜の重度訪問介護の取扱いについては、原則として、実際にサービス提供を行った時間帯の算定基準により算定されるものであること。

ただし、基準額の最小単位(最初の1時間とする。)までは、サービス開始時刻が属する時間帯の算定基準により算定すること(サービス開始時刻が属する時間帯におけるサービス提供時間が30分未満である場合には、多くの時間を占める時間帯の算定基準により算定すること。)。また、基準額の最小単位以降の30分単位の中で時間帯をまたがる場合には、当該30分の開始時刻が属する時間帯により算定すること(当該30分の開始時刻が属する時間帯におけるサービス提供時間が15分未満である場合には、当該30分のうち、多くの時間帯の算定基準により算定すること。)

⑦ 特定事業所加算の取扱い

ア 会議の定期的開催

543号告示第4号イ(2)(一)の「利用者に関する情報若しくはサービス提供に当たっての留意事項の伝達又は当該指定重度訪問介護事業所における重度訪問介護従業者の技術指導を目的とした会議」とは、サービス提供責任者が主宰し、登録ヘルパーも含めて、当該事業所においてサービス提供に当たる重度訪問介護従業者のすべてが参加するものでなければならない。なお、実施に当たっては、全員が一堂に会して開催する必要はなく、サービス提供責任者ごとにいくつかのグループ別に分かれて開催することで差し支えない。会議の開催状況については、その概要を記録することとする。なお、「定期的」とは、概ね1月に1回以上開催されている必要がある。

なお、利用者に対して土日、祝日、お盆、年末年始を含めた年間を通して時間帯を問わずにサービス提供を行っている事業所においては、当該要件のうち「又はサービス提供責任者が重度訪問介護従業者に対して個別に利用者に関する情報若しくはサービスに当たっての留意事項の伝達や技術指導を目的とした研修を必要に応じて行っていること。」を適用とするものとし、必ずしも毎月の開催ではなく、必要性が生じた場合に開催することで差し支えない。ただし、この場合においても、会議の開催状況については、その概要を記録する必要がある。

イ 文書等による指示

543号告示第4号イ(2)(二)の「当該利用者に関する情報やサービス提供に当たっての留意事項」とは、少なくとも、次に掲げる事項について、その変化の動向を含め、記載しなければならない。

・ 利用者のADLや意欲

・ 利用者の主な訴えやサービス提供時の特段の要望

・ 家族を含む環境

・ 前月(又は留意事項等に変更があった時点)のサービス提供時の状況

・ その他サービス提供に当たって必要な事項

また、「毎月定期的」とは、当該サービス提供月の前月末に当該利用者に関する情報やサービス提供に当たっての留意事項を伝達すること。

なお、「文書等の確実な方法」とは、直接面接しながら文書を手交する方法のほか、FAX、メール等によることも可能である。

ウ サービスの提供体制

543号告示第4号イ(6)の「常時、重度訪問介護従業者の派遣が可能となっており、現に深夜帯も含めてサービス提供を行っていること。」とは、前月の実績において、夜間、深夜、早朝の時間帯についてもサービスが提供されており、また、指定障害福祉サービス基準第31条第3号に規定する営業日及び営業時間において、土日、祝日、お盆、年末年始を含めた年間を通して時間帯を問わずに重度訪問介護従業者の派遣が可能となっている事業所をいう。

なお、届出を行った月以降においても、土日、祝日、お盆、年末年始を含めた年間を通して、時間帯を問わずにサービスを提供していることが必要であり、サービスが提供できない場合については、直ちに第一の5の届出を提出しなければならない。

エ その他の規定については、2の(1)の⑬((一)のイ及びウを除く。)の規定を準用する。

⑧ 特別地域加算の取扱い

報酬告示第2の注10の特別地域加算については、2の(1)の⑭の規定を準用する。

⑨ 緊急時対応加算の取扱い

報酬告示第2の注11の緊急時対応加算については、2の(1)の⑮の規定を準用する。

⑩ 移動介護加算について

(一) 外出時における移動中の介護(以下「移動介護」という。)を行う場合には、外出のための身だしなみ等の準備、移動中及び移動先における確認等の追加的業務が加わることを踏まえ、一定の加算を行うこととしているものであるが、これらの業務については、外出に係る移動時間等が長時間になった場合でも大きく変わる支援内容ではないことから、4時間以上実施される場合は一律の評価としているものである。このため、1日に、移動介護が4時間以上実施されるような場合にあっては、「所要時間3時間以上の場合」の単位を適用する。

(二) 同一の事業者が、1日に複数回の移動介護を行う場合には、1日分の所要時間を通算して報酬算定する。また、1日に複数の事業者が移動介護を行う場合には、それぞれの事業者ごとに1日分の所要時間を通算して算定する。

⑪ 初回加算の取扱い

報酬告示第2の3の初回加算については、2の(1)の⑯の規定を準用する。

⑫ 利用者負担上限額管理加算の取扱い

報酬告示第2の4の利用者負担上限額管理加算については、2の(1)の⑰を準用する。

⑬ その他

(一) 重度訪問介護は、同一箇所に長時間滞在しサービス提供を行うという業務形態を踏まえ、1日につき3時間を超える支給決定を基本とすることとされているが、利用者のキャンセル等により、1事業者における1日の利用が3時間未満である場合についての報酬請求は3時間未満でも可能である。

なお、「所要時間1時間未満の場合」で算定する場合の所要時間は概ね40分以上とする。

(二) 2の(1)の①、②及び⑪の(一)の規定は、重度訪問介護サービス費について準用する。

⑭ 福祉・介護職員処遇改善加算及び福祉・介護職員処遇改善特別加算の取扱い

報酬告示第2の6及び7の福祉・介護職員処遇改善加算及び福祉・介護職員処遇改善特別加算については、2の(1)の⑱を準用する。

(3) 同行援護サービス費

① 同行援護の対象者について

(一) 身体介護を伴う場合

区分2以上に該当し、543号告示に定める別表第一に掲げる調査項目の項の各欄の区分に応じ、それぞれの調査項目に係る利用者の状況をそれぞれ同表の0点の項から2点の項までに当てはめて算出した点数のうち、移動障害の欄に係る点数が1点以上であり、かつ、移動障害以外の欄に係る点数のいずれかが1点以上に該当する者であって、区分省令別表第一における調査項目のうち「歩行」にあっては「全面的な支援が必要」に認定されている者又は「移乗」、「移動」、「排尿」、「排便」のいずれかが「支援が不要」以外に認定されている者

(二) 身体介護を伴わない場合

543号告示に定める別表第一に掲げる調査項目の項の各欄の区分に応じ、それぞれの調査項目に係る利用者の状況をそれぞれ同表の0点の項から2点の項までに当てはめて算出した点数のうち、移動障害の欄に係る点数が1点以上であり、かつ、移動障害以外の欄に係る点数のいずれかが1点以上に該当する者

② サービス内容

同行援護は、視覚障害により、移動に著しい困難を有する障害者等につき、外出時において、当該障害者等に同行し、移動に必要な情報を提供(代筆・代読を含む。)するとともに、移動の援護、排せつ及び食事等の介護その他の当該障害者等が外出する際に必要な援助を適切かつ効果的に行うものである。

なお、事前に利用者の行動特徴、日常的な生活パターン等について情報収集し、援護に必要なコミュニケーションツールを用意するなど準備する必要である。

③ 同行援護従業者の資格要件ごとの所定単位数等の取扱いについて

(一) 「身体介護を伴う場合」の単位を算定する場合

ア 同行援護従業者養成研修一般課程修了者(相当する研修課程修了者を含む。)ただし、初任者研修課程修了者等及び居宅介護従業者基準第20号から第22号に掲げる者(相当する研修課程修了者を含む。)(以下「初任者研修課程修了者等及び視覚障害者外出介護従業者養成研修修了者」と総称する。)にあっては、平成26年9月30日までの間は、研修の課程を修了したものとみなす。→「所定単位数」

イ 初任者研修課程修了者等及び視覚障害者外出介護従業者養成研修修了者であって、視覚障害を有する身体障害者又は障害児の福祉に関する事業(直接処遇に限る。)に1年以上従事した経験を有する者。→「所定単位数」

ウ 厚生労働大臣が定める者(平成18年厚生労働省告示第556号)第10号に定める介護給付費等単位数表第11の1の注2の2の厚生労働大臣が定める従業者(厚生労働省組織規則(平成13年厚生労働省令第1号)第625条に規定する国立障害者リハビリテーションセンターの学院に置かれる視覚障害学科(国立障害者リハビリテーションセンター学院養成訓練規定(昭和55年厚生省告示第4号)第4条第1項に規定する視覚障害学科をいう。)の教科を修了した者又はこれに準ずる視覚障害者の生活訓練を専門とする技術者の養成を行う研修を修了した者(以下「国立障害者リハビリテーションセンター学院視覚障害学科修了者等」という。))→「所定単位数」

エ 基礎研修課程修了者等 →「所定単位数の100分の70に相当する単位数」(ただし、平成26年9月30日までの間に限る。)

オ 基礎研修課程修了者等であって、視覚障害を有する身体障害者又は障害児の福祉に関する事業(直接処遇に限る。)に1年以上従事した経験を有する者 →「所定単位数の100分の70に相当する単位数」

(二) 「身体介護を伴わない場合」の単位を算定する場合

ア 同行援護従業者養成研修一般課程修了者(相当する研修課程修了者を含む。)ただし、初任者研修課程修了者等及び視覚障害者外出介護従業者養成研修修了者にあっては、平成26年9月30日までの間においては、研修の課程を修了したものとみなす。→「所定単位数」

イ 初任者研修課程修了者等及び視覚障害者外出介護従業者養成研修修了者であって、視覚障害を有する身体障害者又は障害児の福祉に関する事業(直接処遇に限る。)に1年以上従事した経験を有する者。→「所定単位数」

ウ 国立障害者リハビリテーションセンター学院視覚障害学科修了者等→「所定単位数」

エ 「基礎研修課程修了者等」→「所定単位数の100分の90に相当する単位数」(ただし、平成26年9月30日までの間に限る。)

オ 「基礎研修課程修了者等」であって、視覚障害を有する身体障害者又は障害児の福祉に関する事業(直接処遇に限る。)に1年以上従事した経験を有する者。→「所定単位数の100分の90に相当する単位数」

④ 2人の同行援護従業者による同行援護の取扱い等

2人の同行援護従業者による同行援護について、それぞれの同行援護従業者が行う同行援護について所定単位数が算定される場合のうち、546号告示の一に該当する場合としては、移動中や外出先等において、体重が重い利用者に排泄介助等を提供する場合等が該当し、三に該当する場合としては、例えば、エレベーターのない建物の2階以上の居室等から歩行困難な利用者を移動や外出させる場合等が該当するものであること。したがって、単に安全確保のために深夜の時間帯に二人の同行援護従業者によるサービス提供を行った場合は、利用者側の希望により利用者や家族の同意を得て行った場合を除き、この取扱いは適用しない。

⑤ 同行援護従業者のうち1人が基礎研修課程修了者等である場合の取扱い

派遣された2人の同行援護従業者のうち1人が基礎研修課程修了者等で、1人がそれ以外のものである場合について、基礎研修課程修了者等が派遣される場合の単位数を、それ以外のヘルパーについては所定単位数を、それぞれ別に算定する。

⑥ 同行援護の所要時間について

1日に同行援護を複数回算定する場合にあっては、概ね2時間以上の間隔を空けなければならないものとする。居宅介護等の別のサービス類型を使う場合は、間隔が2時間未満の場合もあり得るが、短時間のサービスを組み合わせることにより高い単価を複数回算定することは適当ではないことから、同行援護の利用の間隔が2時間未満の場合は、前後の同行援護を1回として算定する。なお、身体の状況等により、やむを得ず短時間の間隔で短時間のサービス提供行わなければならない場合や、別の事業者の提供する同行援護との間隔が2時間未満である場合はこの限りではない。

⑦ 早朝、夜間、深夜の同行援護の取扱について

早朝、夜間、深夜の同行援護の取扱については、原則として、実際にサービス提供を行った時間帯の算定基準により算定されるものであること。

ただし、基準額の最小単位(最初の30分とする。)までは、サービス開始時刻が属する時間帯の算定基準により算定すること(サービス開始時刻が属する時間帯におけるサービス提供時間が15分未満である場合には、多くの時間を占める時間帯の算定基準により算定すること。)また、基準額の最小単位以降の30分単位の中で時間帯がまたがる場合には、当該30分の開始時刻が属する時間帯により算定すること(当該30分の開始時刻が属する時間帯におけるサービス提供時間が15分未満である場合には、当該30分のうち、多くの時間帯の算定基準により算定すること。)

なお、土日祝日等におけるサービス提供を行った場合であっても、土日祝日等を想定した加算はないこと。

⑧ 特定事業加算の取扱い

報酬告示第3の注7の特定事業所加算については、2の(1)の⑬の規定を準用する。

⑨ 特別地域加算の取扱い

報酬告示第3の注8の特別地域加算については、2の(1)の⑭の規定を準用する。

⑩ 緊急時対応加算の取扱い

報酬告示第3の注9の緊急時対応加算については、2の(1)の⑮の規定を準用する。

⑪ 初回加算の取扱い

報酬告示第3の2の初回加算については、2の(1)の⑯の規定を準用する。

⑫ 利用者負担上限額管理加算の取扱い

報酬告示第3の3の利用者負担上限額管理加算については、2の(1)の⑰の規定を準用する。

⑬ その他

2の(1)の①及び②、③の(二)及び(三)の規定は、同行援護サービス費について準用する。

⑭ 福祉・介護職員処遇改善加算及び福祉・介護職員処遇改善特別加算の取扱い

報酬告示第3の5及び6の福祉・介護職員処遇改善加算及び福祉・介護職員処遇改善特別加算については、2の(1)の⑱を準用する。

(4) 行動援護サービス費

① 行動援護の対象者について

区分3以上に該当する者であって、543号告示の別表第二に掲げる行動関連項目の合計点数が10点以上(障害児にあっては、これに相当する支援の度合)である者

② サービス内容

行動援護は、知的障害又は精神障害により行動上著しい困難がある者に対して、次のようなサービスを行うものである。

なお、事前に利用者の行動特徴、日常的な生活パターン等について情報収集し、援護に必要なコミュニケーションツールを用意するなど準備する必要がある。

(一) 予防的対応

ア 行動の予定が分からない等のため、不安定になったり、不安を紛らわすために不適切な行動が出ないよう、あらかじめ行動の順番や、外出する場合の目的地、道順、目的地での行動などを、言葉以外のコミュニケーション手段も用いて説明し、落ち着いた行動がとれるように理解させること

イ 視覚、聴覚等に与える影響が行動障害の引き金となる場合に、本人の視界に入らないよう工夫するなど、どんな条件のときに行動障害が起こるかを熟知したうえでの予防的対応等を行うことなど

(二) 制御的対応

ア 何らかの原因で本人が行動障害を起こしてしまった時に本人や周囲の人の安全を確保しつつ行動障害を適切におさめること

イ 危険であることを認識できないために突然飛び出してしまうといった不適切な行動、自分を傷つける行為を適切におさめること

ウ 本人の意思や思い込みにより、突然動かなくなったり、特定のものに強いこだわりを示すなど極端な行動を引き起こす際の対応

(三) 身体介護的対応

ア 便意の認識ができない者の介助や排便後の後始末等の対応

イ 食事を摂る場合の食事介助

ウ 入浴及び衣服の着脱介助など

③ 単価適用の留意点

行動援護で提供されるサービスは、その性格上、一般的に半日の範囲内にとどまると想定されるが、8時間以上実施されるような場合にあっては、「7時間30分以上の場合」の単位を適用する。

また、行動援護は、主として日中に行われるサービスであることから、早朝・夜間・深夜の加算は算定されないので留意されたい。

④ 所定単位数等の取扱いについて

行動援護従業者養成研修課程修了者(相当する研修課程修了者を含む。)であって、知的障害者、知的障害児又は精神障害者の直接支援業務に1年以上2年未満の従事経験を有する者(厚生労働大臣が定める者(平成18年厚生労働省告示第548号)第12号に規定する者をいう。以下「減算対象ヘルパー」という。)が行動援護を行う場合については、所定単位数の100分の70に相当する単位数を算定する。

なお、同告示第11号において、所定単位数を算定するためには、初任者研修課程修了者等であっても2年以上の実務経験を有することが必要とされており、初任者研修課程修了者等であって1年以上2年未満の従事経験しか有していない者については、初任者研修課程修了者等であることのみを理由に行動援護に従事することはできず、行動援護従業者養成研修課程修了者に限り、本規定の適用により、所定単位数の100分の70を算定することが可能となること。

⑤ 行動援護計画上派遣が予定されている種別の従業者と異なる種別の従業者により行動援護が行われた場合の所定単位数の取扱い

(一) 行動援護計画上、減算対象ヘルパーが派遣されることとされている場合に、事業所の事情により減算対象ヘルパー以外の行動援護従業者が派遣される場合については、減算対象ヘルパーが派遣される場合の単位数を算定すること。

(二) 行動援護計画上、減算対象ヘルパー以外の行動援護従業者が派遣されることとされている場合に、事業所の事情により、減算対象ヘルパーが派遣される場合にあっては減算対象ヘルパーが派遣される場合の単位数を算定すること。

⑥ 2人の行動援護従業者による行動援護の取扱い等

(一) 2の(1)の⑪の(一)の規定を準用する。

(二) 行動援護従業者のうち1人が減算対象ヘルパーである場合の取扱い

派遣された2人の行動援護従業者のうちの1人が減算対象ヘルパーで、1人がそれ以外の者である場合については、減算対象ヘルパーについては、減算対象ヘルパーが派遣される場合の単位数を、それ以外のヘルパーについては所定単位数を、それぞれ別に算定すること。

⑦ 特定事業所加算の取扱い

報酬告示第4の注6の特定事業所加算については、2の(1)の⑬の規定を準用する。

⑧ 特別地域加算の取扱い

報酬告示第4の注7の特別地域加算については、2の(1)の⑭の規定を準用する。

⑨ 緊急時対応加算の取扱い

報酬告示第4の注8の緊急時対応加算については、2の(1)の⑮の規定を準用する。

⑩ 初回加算の取扱い

報酬告示第4の2の初回加算については、2の(1)の⑯の規定を準用する。

⑪ 利用者負担上限額管理加算の取扱い

報酬告示第4の3の利用者負担上限額管理加算については、2の(1)の⑰を準用する。

⑫ その他

(一) 行動援護は、1日1回しか算定できないものである。

(二) 2の(1)の①及び②、③の(二)及び(三)(ただし書を除く。)の規定は、行動援護サービス費について準用する。

⑬ 福祉・介護職員処遇改善加算及び福祉・介護職員処遇改善特別加算の取扱い

報酬告示第4の5及び6の福祉・介護職員処遇改善加算及び福祉・介護職員処遇改善特別加算については、2の(1)の⑱を準用する。

(5) 療養介護サービス費

① 療養介護の対象者について

療養介護については、次の(一)から(三)までのいずれかに該当する者が対象となるものであること。

(一) 重症心身障害者又は進行性筋萎縮症患者である場合 区分5以上

(二) 気管切開に伴う人工呼吸器による呼吸管理を行っている場合 区分6以上

(三) 旧重症心身障害児施設(障がい者制度改革推進本部等における検討を踏まえて障害保健福祉施策を見直すまでの間において障害者等の地域生活を支援するための関係法律の整備に関する法律(平成22年法律第71号)第5条による改正前の児童福祉法(以下「旧児童福祉法」という。)第43条の4に規定する重症心身障害児施設をいう。以下同じ。)に入所した者又は指定医療機関(旧児童福祉法第7条第6項に規定する指定医療機関をいう。以下同じ。)に入院した者(以下「旧重症心身障害児施設等入所者」と総称する。)であって、平成24年4月1日以降指定療養介護事業所を利用する(一)及び(二)以外の者

② 療養介護サービス費の区分について

療養介護サービス費の区分については、指定療養介護事業所ごと(サービス提供単位を複数設置する場合にあっては当該サービス提供単位ごと)の重度障害者割合及び厚生労働大臣が定める施設基準(平成18年厚生労働省告示第551号。以下「第551号告示」という。)に規定する人員基準に応じ算定する(療養介護サービス費(Ⅴ)を除く。)こととされており、具体的には、次のとおりであること。

(一) 療養介護サービス費(Ⅰ)

ア 区分6に該当する利用者が利用者の数の50%以上であること。

イ 常勤換算方法により、従業者の員数が利用者の数を2で除して得た数以上であること。

ウ ①の(一)又は(二)に該当する者について算定すること。

(二) 療養介護サービス費(Ⅱ)

常勤換算方法により、従業者の員数が利用者の数を3で除して得た数以上であること。

(三) 療養介護サービス費(Ⅲ)

常勤換算方法により、従業者の員数が利用者の数を4で除して得た数以上であること。

(四) 療養介護サービス費(Ⅳ)

従業者の員数が利用者の数を4で除して得た数を満たすことができない特定旧法指定施設等について算定することとし、常勤換算方法により、従業者の員数が利用者を6で除して得た数以上であること。

(五) 療養介護サービス費(Ⅴ)

ア ①に該当しない特定旧法受給者等について算定すること。

イ 常勤換算方法により、従業者の員数が①に該当しない特定旧法受給者等を6で除して得た数以上であること。

(六) 経過的療養介護サービス費(Ⅰ)

ア ①に該当する者について算定すること。

イ 従業者の員数が利用者の数を2で除して得た数以上である指定療養介護事業所(指定障害福祉サービス基準第50条第7項又は第8項の規定による指定療養介護事業所に限る。)について算定すること。

(七) 経過的療養介護サービス費(Ⅱ)

ア ①に該当する者について算定すること。

イ 従業者の員数が利用者の数を3で除して得た数を満たすことができない指定療養介護事業所(指定障害福祉サービス基準第50条第7項又は第8項の規定による指定療養介護事業所に限る。)について算定する。

ウ 平成24年12月31日までの間の経過措置であること。

③ 地域移行加算の取扱い

(一) 報酬告示第5の2に規定する地域移行加算の注中、退院前の相談援助については、入院期間が1月を超えると見込まれる利用者の居宅生活(福祉ホーム又は共同生活援助を行う共同生活住居における生活を含む。以下同じ。)に先立って、退院後の生活に関する相談援助を行い、かつ、利用者が退院後生活する居宅を訪問して退院後の居宅サービス等について相談援助及び連絡調整を行った場合に、入院中1回に限り加算を算定するものである。

また、利用者の退院後30日以内に当該利用者の居宅を訪問し、当該利用者及びその家族等に対して相談援助を行った場合に、退院後1回を限度として加算を算定するものである。

(二) 地域移行加算は退院日に算定し、退院後の訪問相談については訪問日に算定するものであること。

(三) 地域移行加算は、次のアからウまでのいずれかに該当する場合には、算定できないものであること。

ア 退院して病院又は診療所へ入院する場合

イ 退院して他の社会福祉施設等へ入所する場合

ウ 死亡退院の場合

(四) 地域移行加算の対象となる相談援助を行った場合は、相談援助を行った日及び相談援助の内容の要点に関する記録を行うこと。

(五) 地域移行加算に係る相談援助の内容は、次のようなものであること。

ア 退院後の障害福祉サービスの利用等に関する相談援助

イ 食事、入浴、健康管理等居宅における生活に関する相談援助

ウ 退院する者の運動機能及び日常生活動作能力の維持及び向上を目的として行う各種訓練等に関する相談援助

エ 住宅改修に関する相談援助

オ 退院する者の介護等に関する相談援助

(六) 退院前の相談援助に係る加算を算定していない場合であっても、退院後の訪問による相談援助を行えば、当該支援について加算を算定できるものであること。

④ 福祉専門職員配置等加算の取扱い

報酬告示第5の3の福祉専門職員配置等加算については、以下のとおり取り扱うこととする。

(一) 福祉専門職員配置等加算(Ⅰ)

指定基準の規定により配置することとされている直接処遇職員として常勤で配置されている従業者の総数のうち、社会福祉士、介護福祉士又は精神保健福祉士である従業者の割合が100分の25以上であること。

なお、「常勤で配置されている従業者」とは、正規又は非正規雇用に係わらず、各事業所において定められる常勤の従業者が勤務すべき時間数に達している従業者をいう。((二)において同じ。)

(二) 福祉専門職員配置等加算(Ⅱ)

次のいずれかに該当する場合であること。