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○就労継続支援事業利用者の労働者性に関する留意事項について

(平成18年10月2日)

(障障発第1002003号)

(各都道府県障害保健福祉主管部(局)長あて厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課長通知)

日頃から障害保健福祉行政の実施にあたり感謝申し上げます。

さて、平成18年10月1日からの障害者自立支援法(以下「法」という。)の本格施行に伴い、就労継続支援事業を含む新事業体系への移行が始まったところですが、このうち就労継続支援事業については、A型(雇用有及び雇用無)及びB型、さらにはこれらの事業の組み合わせによる多機能型と、その種別が多岐に亘ることから、下記により、就労継続支援事業利用者の労働者性の適正な確保について、遺漏無きようお取り計らい願います。

1 就労継続支援事業利用者に関する留意事項

就労継続支援事業を利用するにあたり、各事業の利用者に対して、次の点に留意されたいこと。

(1) A型利用者(雇用有)

ア A型利用者(雇用有)は、労働基準法上の労働者であることから、雇用するに当たっては、労働基準関係法令を遵守すること。

イ 雇用労働者に最低賃金の減額の特例を行う場合は、所定の様式に、別途通知する添付様式を活用すること。

(2) A型利用者(雇用無)及びB型利用者

ア 利用者の出欠、作業時間、作業量等が利用者の自由であること。

イ 各障害者の作業量が予約された日に完成されなかった場合にも、工賃の減額、作業員の割当の停止、資格剥奪等の制裁を課さないものであること。

ウ 生産活動において実施する支援は、作業に対する技術的指導に限られ、指揮監督に関するものは行わないこと。

エ 利用者の技能に応じて工賃の差別が設けられていないこと。

(3) A型利用者(雇用有及び雇用無)及びB型利用者が利用する多機能型事業所等を実施する場合の留意事項

ア A型利用者(雇用有)、A型利用者(雇用無)及びB型利用者が同一事業所内で作業する際には、それぞれの作業場所、作業内容が明確に区分され、混在して作業が行われないこと。

イ 勤務表・シフト表は別々に管理すること。なお、A型利用者(雇用無)及びB型利用者の出欠、作業時間の自由が確保されていること。

ウ A型利用者(雇用無)及びB型利用者は、労働者災害補償保険法の適用がないことから、当該利用者に対する災害における賠償手段として、任意保険の加入の促進を図るともに、労働安全衛生法を準用した安全衛生管理を極力行うこと。

2 利用開始時における留意事項

本事業の利用は、訓練等給付の事業の性格から、原則本人の希望に基づくものであるが、最終的な利用の可否については、暫定支給決定期間の仮利用の状況や専門機関等の意見も参考にし、最終的に市町村が決定すること。また、障害者及び家族にその旨通知するともに、受給者証に記載すること。

(記載内容:就労継続支援A型(雇用有)、就労継続支援A型(雇用無)、就労継続支援B型)

3 利用者の労働基準関係法令の適用に関する苦情・疑義の解決等について

A型利用者(雇用有)は、労働基準法上の労働者であることから、当該利用者に係る労働基準関係法令に関する苦情・疑義等の対応は労働基準監督署が行うが、A型利用者(雇用無)及びB型利用者から労働基準関係法令の適用について苦情・疑義等がなされた場合の対応については、以下により取り扱うこと。

(1) 原則として障害福祉サービス指定基準に基づき、苦情処理としての対応を迅速に行うこと。なお、事業所内で苦情解決が図られなかった場合における当該苦情の解決に当たっては、市町村又は都道府県が最終的に処理方針を決定し、事業所に対し必要な指導を行うこと。

(2) 市町村は、労働基準監督署から、A型利用者(雇用無)及びB型利用者の労働基準関係法令の適用に関しての苦情・疑義等に関する照会があった場合は、法第48条に基づき、事業者から必要な書類の提出を求める等状況の把握を行い、事業所に対し必要な指導を行う等連携して当該問題の解決に当たること。

この際、利用者が労働基準監督署に苦情・疑義を申し出たことが事業所に明らかになった場合には、事業所から利用契約解除等の不利益を被るおそれがあることから、利用者本人の意思に反し、氏名の公表だけでなく個人情報が事業所に特定されることがないように特段の配慮を行うこと。

(3) 都道府県においては、市町村と連携を図り、必要に応じ法第49条に基づく勧告を行うなど、これらの苦情解決に当たること。

4 支給決定更新時等における指導

支給決定更新時や監査時等定期的に、労働基準関係法令の適用について疑義が生じることの無いよう、利用者の就労の状況について都道府県及び市町村が確認し必要な指導を行うこと。