添付一覧
○サービス管理責任者研修事業の実施について
(平成18年8月30日)
(障発第0830004号)
(各都道府県知事あて厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長通知)
障害者自立支援法に基づく障害福祉サービスを実施する事業者の指定に係る人員配置基準においては、個々のサービス利用者の初期状態の把握や個別支援計画の作成、定期的な評価などの一連のサービス提供プロセス全般に関する責任を担い、サービスの質の向上を図る観点から新たにサービス管理責任者の配置が規定されたところである。
このサービス管理責任者については、個々のサービス利用者の障害特性や生活実態に関する専門的な知識や個別支援計画の作成・評価などの技術をもち、さらには他のサービス提供職員に対する指導的役割が期待されていることから、障害者支援に関する一定の実務経験と併せて、「サービス管理責任者研修」及び「相談支援従事者研修」の一部のカリキュラムの修了がその要件とされているところである。
このため、別添のとおり「サービス管理責任者研修事業実施要綱」を定め、平成18年10月1日から適用することとしたので通知する。
なお、サービス管理責任者の要件については、別途、通知することとしているので、ご了知願いたい。
(別添)
サービス管理責任者研修事業実施要綱
1 目的
障害者自立支援法の適切かつ円滑な運営に資するため、サービスの質の確保に必要な知識、技能を有するサービス管理責任者の養成を図ることを目的とする。
2 実施主体
実施主体は都道府県又は都道府県知事の指定した研修事業者(以下「指定研修事業者」という。)とする。
3 対象者
指定障害福祉サービス事業者においてサービス管理責任者として配置しようとする者
4 研修内容
(1) 研修カリキュラム
標準的な研修カリキュラムは、別紙1のとおりとする。
なお、地域性、受講者の希望等を考慮して時間数を延長することや必要な科目を追加することは差し支えない。
(2) 分野別に実施する講義及び演習
分野別に実施する講義及び演習は、指定障害福祉サービス事業を次表に定める分野に分類して実施すること。ただし、地域性、受講者の希望等を考慮し、指定障害福祉サービス事業をさらに細かく分類して実施することは差し支えない。
|
分野 |
障害福祉サービス |
1 |
介護 |
療養介護 |
|
|
生活介護 |
2 |
地域生活(身体) |
自立訓練(機能訓練) |
3 |
地域生活(知的・精神) |
自立訓練(生活訓練) |
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共同生活援助 |
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共同生活介護 |
4 |
就労 |
就労移行支援 |
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就労継続支援 |
5 |
児童 |
児童デイサービス |
5 修了証書の交付
(1) 都道府県知事は、研修修了者に対して別紙2の様式により、修了証書を交付するものとする。
(2) 指定研修事業者は、研修修了者に対して別紙3の様式により、修了証書を交付するものとする。
6 修了者名簿の管理
(1) 指定研修事業者は、研修修了者について、修了証書番号、修了年月日、氏名、連絡先等必要事項を記載した名簿を作成し、個人情報として十分な注意を払った上で管理するとともに、作成後遅滞なく指定を行った都道府県知事に提出するものとする。
(2) 都道府県知事は、研修修了者について、修了証書番号、修了年月日、氏名、連絡先等必要事項を記載した名簿を作成するとともに、指定研修事業者から提出された名簿と併せて、個人情報として十分な注意を払った上で都道府県の責任において一元的に管理するものとする。
7 実施上の留意点
(1) 研修日程
研修の時間帯、曜日については、各都道府県の実情に応じて受講者が受講しやすいよう適宜配慮をすること。また、必ずしも連続して行う必要はなく、分野別のカリキュラムに関しては適宜分割するなどして、幅広に受講できるよう配慮することは差し支えない。
(2) 講師
サービス管理責任者研修における指導者等は、国が実施するサービス管理責任者研修(指導者研修)を修了した者又はこれに準ずる者が務めることとする。
(3) その他
ア 人権の尊重
受講者に対し、人権の尊重について理解させるように努めること。
イ 障害のある受講者への配慮
障害のある受講者に対しては、研修会場及び宿泊施設等の配慮を行うよう努めること。
8 研修会参加費用
研修会参加費用のうち、資料等に係る実費相当部分、研修会場までの受講者の旅費及び宿泊費については、受講者(所属する指定障害福祉サービス事業者を含む)が負担するものとする。
9 研修事業者の指定
都道府県知事による研修事業者の指定は、都道府県の区域ごとに、その指定を受けようとする者の申請により、次に掲げる要件を満たすと認められる者について、当該都道府県知事が行う。
(1) 事業実施者に関する要件
ア 研修事業の実施者は、事業を適正かつ円滑に実施するために必要な事務的能力及び事業の安定的運営に必要な財政基盤を有するものであること。
イ 研修事業の経理が他の経理と明確に区分され、会計帳簿、決算書類等研修事業の収支の状況を明らかにする書類が整備されていること。
(2) 事業内容に関する要件
ア 研修事業が、本要綱に定める内容に従い、継続的に毎年1回以上実施されること。
イ 研修カリキュラムが、別紙1に定めるカリキュラムの内容にしたがったものであること。
ウ 講義を担当する講師について、職歴、資格、実務経験、学歴等に照らし、各科目を担当するために適切な人材が適当な人数確保されていること。
(3) 研修受講者に関する要件
ア 研修受講者に研修内容等を明示するため、少なくとも次に掲げる事項を明らかにした学則等を定め、公開すること。
① 開講目的
② 研修事業の名称
③ 実施場所
④ 研修期間
⑤ 研修カリキュラム
⑥ 講師氏名
⑦ 研修修了の認定方法
⑧ 開講時期
⑨ 受講資格
⑩ 受講手続(募集要領等)
⑪ 受講料等
イ 研修への出席状況等研修受講者に関する状況を確実に把握し、保存すること。
(4) その他の要件
ア 研修事業の実施者は、事業運営上知り得た研修受講者に係る秘密の保持について、十分留意すること。
イ 研修事業の実施者は、研修受講者が演習において知り得た個人の秘密の保持について、受講者が十分に留意するよう指導すること。
10 研修事業者の指定申請手続等
(1) 本事業の指定を受けようとする者は、次に掲げる必要事項を記載した指定申請書を事業実施場所の都道府県知事に提出するものとすること。
ア 申請者の氏名及び住所(法人にあっては、名称及び主たる事務所の所在地並びにその代表者の氏名及び住所)
イ 研修事業の名称及び実施場所
ウ 事業開始予定年月日
エ 学則等
オ カリキュラム
カ 講義及び演習を行う講師の氏名、履歴、担当科目及び専任兼任の別
キ 研修修了の認定方法
ク 事業開始年度及び次年度の収支予算の細目
ケ 申請者の資産状況
(2) 申請者が法人であるときは、申請書に定款、寄付行為その他の規約を添付するものとすること。
(3) 本事業の指定を受けた者は、指定を行った都道府県知事に対し、毎年度、あらかじめ事業計画を提出するとともに、事業終了後速やかに事業実績報告書を提出するものとすること。
(4) 本事業の指定を受けた者は、申請の内容に変更を加える場合には、指定を行った都道府県知事に対し、あらかじめ変更の内容、変更時期及び理由を届け出るものとし、(1)のオからキの事項に変更を加える場合にあっては、変更について承認を受けるものとすること。
(5) 本事業の指定を受けた者は、事業を廃止しようとする場合には、指定を行った都道府県知事に対し、あらかじめ廃止の時期及び理由を届け出、指定の取消しを受けるものとすること。
11 費用の補助
国は、都道府県が研修を実施する場合に限り、都道府県に対し、本事業に要する経費について、別に定めるところにより補助するものとする。
(別紙1)
「サービス管理責任者研修」標準カリキュラム
科目 |
区分 |
内容 |
時間数 |
1 サービス管理責任者の役割に関する講義(6時間) |
|||
障害者自立支援法とサービス管理責任者の役割 |
共通 |
障害者自立支援法における各事業の機能とサービス内容、サービスの質を確保するために必要なサービス管理責任者の基本的な役割等について解説 |
2 |
サービス提供のプロセスと管理 |
共通 |
サービス提供のプロセス全体を解説するとともに、サービス管理責任者がそのプロセスにどのように係わるかを具体的に解説 |
2 |
サービス提供者と関係機関の連携 |
共通 |
実際のサービス提供現場において、事業者又はサービス提供職員とそれを取り巻く様々な関係機関等とのネットワーク構築の事例解説 |
2 |
2 アセスメントやモニタリングの手法に関する講義(3時間) |
|||
アセスメントとサービス提供の基本姿勢 |
分野別 |
アセスメント技法や特に配慮しなければならないポイントについて解説 |
3 |
3 サービス提供プロセスの管理に関する演習(10時間) |
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「サービス提供プロセスの管理の実際 事例研究①」(アセスメント編) |
分野別 |
標準的なサービス提供のプロセスに沿って支援が実施された事例に基づき、支援方針の基本的な方向性やサービス内容を左右する利用者像の把握や目標設定などの事項に重点を置いて演習を展開する。 |
4 |
「サービス提供プロセスの管理の実際 事例研究②」(個別支援計画編) |
分野別 |
事例研究①と同様に、障害内容等の異なるより困難な事例を用いて、アセスメント結果がすでに明らかとなっている状況から正確な個別支援計画書を作成・修正できるかと言った観点から演習を展開する。 |
3 |
サービス内容のチェックとマネジメントの実際(模擬会議) |
分野別 |
個別支援計画の作成に係る会議をシミュレーションし、サービス管理責任者としてサービス提供者が展開する様々なサービス内容をチェックし、支援チームに対するマネジメントの方法について演習する。 |
3 |
合計 |
19 |
(別紙2)
(別紙3)