添付一覧
○相談支援従事者研修事業の実施について
(平成18年4月21日)
(障発第0421001号)
(各都道府県知事・各指定都市市長あて厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長通知)
障害者ケアマネジメントの従事者に対する研修事業については、これまでは「障害者ケアマネジメント体制支援事業の実施について」(平成15年5月28日障発第0528001号本職通知)等に基づき実施し、その充実を図ってきたところであるが、今般、障害者自立支援法(平成17年法律第123号)の施行に伴い、相談支援事業が市町村の行う地域生活支援事業として位置付けられ、また、指定相談支援に従事する者については、相談支援従事者研修の受講が要件となることから、別紙のとおり「相談支援従事者研修事業実施要綱」を新たに定め、平成18年4月1日から実施することとしたので、関係機関等に対し本事業を周知するとともに、本事業の円滑な運営について特段のご配慮をお願いする。
なお、これに伴い、「障害者ケアマネジメント体制支援事業の実施について」(平成15年5月28日障発第0528001号本職通知)は廃止する。
(別紙)
相談支援従事者研修事業実施要綱
1 目的
地域の障害者等の意向に基づく地域生活を実現するために必要な保健、医療、福祉、就労、教育などのサービスの総合的かつ適切な利用支援等の援助技術を習得すること及び困難事例に対する支援方法について助言を受けるなど、日常の相談支援業務の検証を行うことにより相談支援に従事する者の資質の向上を図ることを目的とする。
2 実施主体
事業の実施主体は、都道府県とする。
3 実施内容
(1) 相談支援従事者初任者研修
① 研修対象者
相談支援事業に従事しようとする者
② 研修内容等
標準的な研修カリキュラムは、別表1のとおりであり、この内容以上のものとする。また、国が行う相談支援従事者指導者養成研修を修了した者を中心として実施する。
③ 修了証書の交付等
ア 都道府県知事は、研修修了者に対して、研修修了証書番号、研修修了年月日、修了者の氏名及び生年月日等必要事項を記載した修了証書を交付するものとする。
イ 都道府県知事は、研修修了者について上記アに掲げる事項を記載した名簿を作成し、管理する。
(2) 相談支援従事者現任研修
① 研修対象者
指定相談支援事業所等において相談支援業務に従事しており、一定の経験を有する者
② 研修内容等
標準的な研修カリキュラムは、別表2のとおりであり、この内容以上のものとする。また、国が行う相談支援従事者指導者養成研修を修了した者を中心として実施する。
③ 修了証書の交付等
相談支援従事者初任者研修に準ずること。
4 事業報告書の提出
事業の実施状況等については、別途通知する様式により事業報告書を提出すること。
5 経費の補助
本事業の実施に要する経費については、別に定めるところにより補助する。
6 その他実施上の留意事項等
(1) 事業実施上知り得た登録者に係る秘密の保持については、厳格に行うこと。
(2) 本要綱に基づいて実施される研修は、指定相談支援の提供に当たる者が受講しなければならない研修であること。
(別表1)
相談支援従事者初任者研修標準カリキュラム
科目 |
内容 |
時間数 |
1 障害者自立支援法の概要及び相談支援事業従事者の役割に関する講義(6.5時間) |
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障害者自立支援法の概要 |
障害者自立支援法の趣旨、目的やサービス内容の基本的な理解を深める。 |
1.5 |
相談支援事業と相談支援専門員について |
障害者自立支援法におけるケアマネジメントの制度化と市町村における相談支援事業、地域自立支援協議会の役割を理解する。 |
1 |
障害程度区分の概要について |
障害程度区分の意義、概要について理解する。 |
1 |
障害者自立支援法におけるケアマネジメント手法について |
障害者自立支援法におけるケアマネジメントの位置付けと支給決定プロセス(相談支援の流れ)、基本姿勢について理解を深める。 |
3 |
2 ケアマネジメントの手法に関する講義(8時間) |
||
障害者ケアマネジメント概論 |
ケアマネジメントの目的、障害者のニーズの捉え方の理解を深める。 |
2 |
ケアマネジメントの展開について |
実例を通して、アセスメント、サービス利用計画作成、社会資源の活用と調整、モニタリング等の実施方法を理解する。 |
6 |
3 障害者の地域支援に関する講義(6時間) |
||
障害者の地域生活支援について |
障害者の地域生活における人的支援、環境整備、就労支援、家族支援、医療、教育などの支援を理解する。 |
1.5 |
権利擁護について |
ケアマネジメントプロセス全般における権利擁護の視点を理解する。 |
1.5 |
地域自立支援協議会の役割と活用について |
地域自立支援協議会の運営方法について理解する。 |
3 |
4 ケアマネジメントプロセスに関する演習(11時間) |
||
実習ガイダンス |
実際の事例を選定して、ケアマネジメントプロセスを個別学習することに関する方法、留意点の説明を行う。 |
1 |
演習Ⅰ |
課外実習で作成した各自のアセスメント表、サービス利用計画書を発表し、相互の事例の理解を深める。 |
7 |
演習Ⅱ |
模擬的なサービス担当者会議を通じて事例検討を行い、ケアマネジメント手法を具体的に理解する。 |
|
演習のまとめ |
発表事例の事後的・客観的評価により実習の総括を行う。 |
3 |
合計 |
31.5 |
(別表2)
相談支援従事者現任研修標準カリキュラム
科目 |
内容 |
時間数 |
1 講義(6時間) |
||
障害者福祉の動向について |
障害者自立支援法の趣旨、目的やサービス内容の基本的な理解を深める。 |
1 |
都道府県地域生活支援事業について |
都道府県が実施している地域生活支援事業の事業内容について理解する。 |
2 |
地域自立支援協議会について |
地域自立支援協議会の運営、地域課題へのアプローチ方法について理解する。 |
3 |
2 障害者ケアマネジメントに関する演習(12時間) |
||
障害者ケアマネジメントの実践(演習) |
演習方法によりチームアプローチのあり方、総合的支援の視点の持ち方などについて深める。 |
6 |
スーパーバイズ |
発表事例の中から数例を選び、スーパーバイズを受けることにより、社会資源の活用方法を含め、自己の検証を行う。 |
6 |
合計 |
18 |