添付一覧
○日本薬局方外医薬品規格第三部の一部改正について
(平成20年5月26日)
(薬食発第0526017号)
(各都道府県知事あて厚生労働省医薬食品局長通知)
日本薬局方外医薬品規格第三部については、平成13年12月25日付け医薬発第1411号厚生労働省医薬局長通知により定めているところであるが、今般、その一部を改正し、追加収載を行う溶出試験を別添のとおり取りまとめたので、貴管下関係業者に対し周知方御配慮願いたい。
ドキサゾシンメシル酸塩錠
Doxazosin Mesilate Tablets
溶出性〈6.10〉 本品1個をとり,試験液にpH4.0の0.05mol/L酢酸・酢酸ナトリウム緩衝液900mLを用い,パドル法により,毎分75回転で試験を行う.溶出試験を開始し,規定時間後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する.初めのろ液10mLを除き,次のろ液VmLを正確に量り,表示量に従い1mL中にドキサゾシン(C23H25N5O5)約0.56μgを含む液となるようにpH4.0の0.05mol/L酢酸・酢酸ナトリウム緩衝液を加えて正確にV’mLとする.この液5mLを正確に量り,メタノール5mLを正確に加え,試料溶液とする.別にドキサゾシンメシル酸塩標準品を105℃で4時間乾燥し,その約21mgを精密に量り,メタノールに溶かし,正確に50mLとする.この液2mLを正確に量り,メタノールを加えて正確に50mLとする.更にこの液2mLを正確に量り,メタノールを加えて正確に50mLとする.この液5mLを正確に量り,pH4.0の0.05mol/L酢酸・酢酸ナトリウム緩衝液5mLを正確に加え,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液20μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフィー〈2.01〉により試験を行い,それぞれの液のドキサゾシンのピーク面積AT及びASを測定する.
本品が溶出規格を満たすときは適合とする.
ドキサゾシン(C23H25N5O5)の表示量に対する溶出率(%)=WS×(AT/AS)×(V’/V)×(1/C)×(72/25)×0.824
WS:ドキサゾシンメシル酸塩標準品の秤取量(mg)
C:1錠中のドキサゾシン(C23H25N5O5)の表示量(mg)
試験条件
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:246nm)
カラム:内径4.6mm,長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする.
カラム温度:35℃付近の一定温度
移動相:リン酸二水素カリウム3.4gを水500mLに溶かし,薄めたリン酸(1→10)を加え,pH3.0に調整する.この液450mLにメタノール550mLを加える.
流量:ドキサゾシンの保持時間が約5分になるように調整する.
システム適合性
システムの性能:標準溶液20μLにつき,上記の条件で操作するとき,ドキサゾシンのピークの理論段数及びシンメトリー係数は,それぞれ2000段以上,2.0以下である.
システムの再現性:標準溶液20μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,ドキサゾシンのピーク面積の相対標準偏差は2.0%以下である.
溶出規格
表示量* |
規定時間 |
溶出率 |
0.5mg |
15分 |
70%以上 |
1mg |
15分 |
75%以上 |
2mg |
15分 |
75%以上 |
4mg |
15分 |
75%以上 |
*ドキサゾシンとして
ドキサゾシンメシル酸塩標準品 C23H25N5O5・CH4O3S (±)―1―(4―アミノ―6,7―ジメトキシ―2―キナゾリニル)―4―(1,4―ベンゾジオキサン―2―イルカルボニル)ピペラジン メタンスルホン酸塩で,下記の規格に適合するもの.
性状 本品は白色~帯黄白色の結晶性の粉末である.
確認試験 本品につき,赤外吸収スペクトル測定法〈2.25〉のペースト法により測定するとき,波数3180cm-1,1662cm-1,1598cm-1,1271cm-1,1118cm-1及び1043cm-1付近に吸収を認める.
類縁物質 本品20mgをメタノール/酢酸(100)混液(1:1)5mLに溶かし,試料溶液とする.この液1mLを正確に量り,メタノール/酢酸(100)混液(1:1)を加えて正確に200mLとし,標準溶液とする.これらの液につき,薄層クロマトグラフィー〈2.03〉により試験を行う.試料溶液及び標準溶液5μLずつを薄層クロマトグラフィー用シリカゲル(蛍光剤入り)を用いて調製した薄層板にスポットする.次に4―メチル―2―ペンタノン/酢酸(100)/水混液(2:1:1)の上層を展開溶媒として約10cm展開した後,薄層板を風乾する.これに紫外線(主波長254nm)を照射するとき,試料溶液から得た主スポット以外のスポットは,標準溶液から得たスポットより濃くない.
乾燥減量 〈2.41〉1.0%以下(1g,105℃,4時間).
含量 99.0%以上.定量法 本品を乾燥し,その約0.4gを精密に量り,水20mLを加えて振り混ぜ,水酸化ナトリウム試液5mLを加え,クロロホルム20mLずつで3回抽出する.クロロホルム抽出液は毎回脱脂綿上に無水硫酸ナトリウムをおいた漏斗でろ過する.全クロロホルム抽出液を合わせ,無水酢酸50mLを加え,0.1mol/L過塩素酸で滴定〈2.50〉する(指示薬:塩化メチルロザニリン試液2滴).同様の方法で空試験を行い,補正する.
0.1mol/L過塩素酸 1mL=54.76mg C23H25N5O5・CH4O3S
エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン錠
Ergotamine Tartrate,Anhydrous Caffeine and Isopropylantipyrine Tablets
溶出性〈6.10〉 本品1個をとり,試験液に水900mLを用い,パドル法により,毎分50回転で試験を行う.溶出試験を開始し,規定時間後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する.初めのろ液10mLを除き,次のろ液VmLを正確に量り,表示量に従い1mL中にエルゴタミン酒石酸塩((C33H35N5O5)2・C4H6O6)約0.5μg,無水カフェイン(C8H10N4O2)約25μg及びイソプロピルアンチピリン(C14H18N2O)約150μgを含む液となるように移動相を加えて正確にV´mLとし,試料溶液とする.別にエルゴタミン酒石酸塩標準品を60℃で4時間減圧乾燥し,その約50mgを精密に量り,移動相に溶かし,正確に50mLとする.この液2mLを正確に量り,移動相を加えて正確に20mLとし,標準原液(1)とする.また,無水カフェイン標準品を80℃で4時間乾燥し,その約50mgを精密に量り,移動相に溶かし,正確に50mLとし,標準原液(2)とする.また,イソプロピルアンチピリン標準品をシリカゲルを乾燥剤として5時間減圧乾燥し,その約60mgを精密に量り,移動相に溶かし,これに標準原液(1)2mL及び標準原液(2)10mLを正確に加えた後,移動相を加えて正確に100mLとする.更にこの液5mLを正確に量り,移動相を加えて正確に20mLとし,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液10μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフィー〈2.01〉により試験を行い,エルゴタミン酒石酸塩のピーク面積ATa及びASa,カフェインのピーク面積ATb及びASb並びにイソプロピルアンチピリンのピーク面積ATc及びAScを測定する。
本品が溶出規格を満たすときは適合とする.
エルゴタミン酒石酸塩((C33H35N5O5)2・C4H6O6)の表示量に対する溶出率(%)=WSa×(ATa/ASa)×(V´/V)×(1/Ca)×(9/10)
無水カフェイン(C8H10N4O2)の表示量に対する溶出率(%)=WSb×(ATb/ASb)×(V´/V)×(1/Cb)×45
イソプロピルアンチピリン(C14H18N2O)の表示量に対する溶出率(%)=WSc×(ATc/ATc)×(V´/V)×(1/Cc)×225
WSa:エルゴタミン酒石酸塩標準品の秤取量(mg)
WSb:無水カフェイン標準品の秤取量(mg)
WSc:イソプロピルアンチピリン標準品の秤取量(mg)
Ca:1錠中のエルゴタミン酒石酸塩((C33H35N5O5)2・C4H6O6)の表示量(mg)
Cb:1錠中の無水カフェイン(C8H10N4O2)の表示量(mg)
Cc:1錠中のイソプロピルアンチピリン(C14H18N2O)の表示量(mg)
試験条件
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:290nm)
蛍光光度計(励起波長:320nm,蛍光波長:388nm)
カラム:内径4.6mm,長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィー用ブチルシリル化シリカゲルを充てんする.
カラム温度:40℃付近の一定温度
移動相:リン酸1.36mLを量り,水を加えて2000mLとする.この液1500mLにアセトニトリル500mLを加える.
流量:カフェインの保持時間が約2.7分になるように調整する.
システム適合性
システムの性能:標準溶液10μLにつき,上記の条件で操作するとき,蛍光検出においてはエルゴタミン酒石酸塩のピークの理論段数及びシンメトリー係数は,それぞれ2000段以上,2.5以下である。紫外吸光検出においてはカフェイン,イソプロピルアンチピリンの順に溶出し,その分離度は2.0以上である.
システムの再現性:標準溶液10μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,エルゴタミン酒石酸塩,カフェイン及びイソプロピルアンチピリンのピーク面積の相対標準偏差はそれぞれ3.0%以下である.
溶出規格
|
表示量 |
規定時間 |
溶出率 |
エルゴタミン酒石酸塩 |
0.5mg |
45分 |
70%以上 |
無水カフェイン |
25mg |
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80%以上 |
イソプロピルアンチピリン |
150mg |
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80%以上 |
エルゴタミン酒石酸塩 |
1mg |
30分 |
70%以上 |
無水カフェイン |
50mg |
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80%以上 |
イソプロピルアンチピリン |
300mg |
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80%以上 |
エルゴタミン酒石酸塩標準品 エルゴタミン酒石酸塩(日局).
無水カフェイン標準品 無水カフェイン(日局).ただし,乾燥したものを定量するとき,カフェイン(C8H10N4O2)99.0%以上を含むもの.
イソプロピルアンチピリン標準品 イソプロピルアンチピリン(日局).ただし,乾燥したものを定量するとき,イソプロピルアンチピリン(C14H18N2O)99.0%以上を含むもの.
ヒドロキシジン塩酸塩錠
Hydroxyzine Hydrochloride Tablets
溶出性〈6.10〉 本品1個をとり,試験液にpH4.0の0.05mol/L酢酸・酢酸ナトリウム緩衝液900mLを用い,パドル法により,毎分100回転で試験を行う.規定時間後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する.初めのろ液10mLを除き,次のろ液VmLを正確に量り,表示量に従い1mL中にヒドロキシジン塩酸塩(C21H27ClN2O2・2HCl)約11μgを含む液となるようにpH4.0の0.05mol/L酢酸・酢酸ナトリウム緩衝液を加えて正確にV’mLとし,試料溶液とする.別にヒドロキシジン塩酸塩標準品を105℃で2時間乾燥し、その約28mgを精密に量り,pH4.0の0.05mol/L酢酸・酢酸ナトリウム緩衝液に溶かし,正確に100mLとする.この液2mLを正確に量り,pH4.0の0.05mol/L酢酸・酢酸ナトリウム緩衝液を加えて正確に50mLとし,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液につき、紫外可視吸光度測定法〈2.24〉により試験を行い,波長232nmにおける吸光度AT及びASを測定する.
本品が溶出規格を満たすときは適合とする.
ヒドロキシジン塩酸塩(C21H27ClN2O2・2HCl)の表示量に対する溶出率(%)=WS×(AT/AS)×(V’/V)×(1/C)×36
Ws:ヒドロキシジン塩酸塩標準品の秤取量(mg)
C:1錠中のヒドロキシジン塩酸塩(C21H27ClN2O2・2HCl)の表示量(mg)
溶出規格
表示量 |
規定時間 |
溶出率 |
10mg |
90分 |
75%以上 |
25mg |
180分 |
75%以上 |
ヒドロキシジン塩酸塩標準品 ヒドロキシジン塩酸塩(日局).ただし,乾燥したものを定量するとき,ヒドロキシジン塩酸塩(C21H27ClN2O2・2HCl)99.0%以上を含むもの.
ジアゼパム散
Diazepam Powder
溶出性a〈6.10〉 本品の表示量に従いジアゼパム(C16H13ClN2O)約10mgに対応する量を精密に量り,試験液に水900mLを用い,パドル法により,毎分100回転で試験を行う.溶出試験を開始し,規定時間後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する.初めのろ液10mLを除き,次のろ液を試料溶液とする.別にジアゼパム標準品を105℃で2時間乾燥し,その約22mgを精密に量り,エタノール(95)に溶かし,正確に100mLとする.この液5mLを正確に量り,水を加えて正確に100mLとし,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液につき,水を対照とし,紫外可視吸光度測定法〈2.24〉により試験を行い,波長230nmにおける吸光度AT及びASを測定する.
本品が溶出規格を満たすときは適合とする.
ジアゼパム(C16H13ClN2O)の表示量に対する溶出率(%)=(WS/WT)×(AT/As)×(1/C)×45
WS:ジアゼパム標準品の秤取量(mg)
WT:本品の秤取量(g)
C:1g中のジアゼパム(C16H13ClN2O)の表示量(mg)
溶出規格a
表示量 |
規定時間 |
溶出率 |
10mg/g |
120分 |
70%以上 |
溶出性b〈6.10〉 本品の表示量に従いジアゼパム(C16H13ClN2O)約10mgに対応する量を精密に量り,試験液に水900mLを用い,パドル法により,毎分75回転で試験を行う.溶出試験を開始し,規定時間後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する.初めのろ液10mLを除き,次のろ液2mLを正確に量り,水を加えて正確に10mLとし,試料溶液とする.別にジアゼパム標準品を105℃で2時間乾燥し,その約22mgを精密に量り,エタノール(95)に溶かし,正確に100mLとする.この液2mLを正確に量り,水を加えて正確に200mLとし,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液につき,水を対照とし,紫外可視吸光度測定法〈2.24〉により試験を行い,波長230nmにおける吸光度AT及びASを測定する.
本品が溶出規格を満たすときは適合とする.
ジアゼパム(C16H13ClN2O)の表示量に対する溶出率(%)=(WS/WT)×(AT/AS)×(1/C)×45
WS:ジアゼパム標準品の秤取量(mg)
WT:本品の秤取量(g)
C:1g中のジアゼパム(C16H13ClN2O)の表示量(mg)
溶出規格b
表示量 |
規定時間 |
溶出率 |
10mg/g |
60分 |
70%以上 |
ジアゼパム錠
Diazepam Tablets
溶出性a〈6.10〉 本品1個をとり,試験液に水900mLを用い,パドル法により,毎分100回転で試験を行う.溶出試験を開始し,規定時間後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する.初めのろ液10mLを除き,次のろ液VmLを正確に量り,表示量に従い1mL中にジアゼパム(C16H13ClN2O)約2.2μgを含む液となるように水を加えて正確にV’mLとし,試料溶液とする.別にジアゼパム標準品を105℃で2時間乾燥し,その約22mgを精密に量り,エタノール(95)に溶かし,正確に100mLとする.この液2mLを正確に量り,水を加えて正確に200mLとし,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液につき,水を対照とし,紫外可視吸光度測定法〈2.24〉により試験を行い,波長230nmにおける吸光度AT及びASを測定する.
本品が溶出規格を満たすときは適合とする.
ジアゼパム(C16H13ClN2O)の表示量に対する溶出率(%)=WS×(AT/As)×(V’/V)×(1/C)×9
WS:ジアゼパム標準品の秤取量(mg)
C:1錠中のジアゼパム(C16H13ClN2O)の表示量(mg)
溶出規格a
表示量 |
規定時間 |
溶出率 |
2mg |
90分 |
75%以上 |
5mg |
90分 |
75%以上 |
10mg |
120分 |
70%以上 |
溶出性b〈6.10〉 本品1個をとり,試験液に水900mLを用い,パドル法により,毎分75回転で試験を行う.溶出試験を開始し,規定時間後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する.初めのろ液10mLを除き,次のろ液VmLを正確に量り,表示量に従い1mL中にジアゼパム(C16H13ClN2O)約2.2μgを含む液となるように水を加えて正確にV’mLとし,試料溶液とする.別にジアゼパム標準品を105℃で2時間乾燥し,その約22mgを精密に量り,エタノール(95)に溶かし,正確に100mLとする.この液2mLを正確に量り,水を加えて正確に200mLとし,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液につき,水を対照とし,紫外可視吸光度測定法〈2.24〉により試験を行い,波長230nmにおける吸光度AT及びASを測定する.
本品が溶出規格を満たすときは適合とする.
ジアゼパム(C16H13ClN2O)の表示量に対する溶出率(%)=WS×(AT/AS)×(V’/V)×(1/C)×9
WS:ジアゼパム標準品の秤取量(mg)
C:1錠中のジアゼパム(C16H13ClN2O)の表示量(mg)
溶出規格b
表示量 |
規定時間 |
溶出率 |
2mg |
60分 |
75%以上 |
5mg |
60分 |
75%以上 |
グリチルリチン酸モノアンモニウム 35mg・グリシン 25mg・DL―メチオニン 25mg 錠
Monoammonium Glycyrrhizinate 35mg,Glycine 25mg,DL-Methionine 25mg Tablets
溶出性〈6.10〉 本品1個をとり,試験液に水900mLを用い,パドル法により,毎分50回転で試験を行う.溶出試験を開始し,規定時間後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.45μmのメンブランフィルターでろ過する.初めのろ液10mLを除き,次のろ液を試料溶液(1)とする.試料溶液(1)1mLを正確に量り,水を加えて,正確に10mLとし,試料溶液(2)とする.
本品が溶出規格を満たすときは適合とする.
グリチルリチン酸
グリチルリチン酸標準品約25mg(別途、水分〈2.48〉を測定しておく.)を精密に量り,希エタノールに溶かし正確に50mLとする.この液5mLを正確に量り,希エタノールを加えて正確に100mLとし,標準溶液とする.
試料溶液(1)及び標準溶液20μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフィー〈2.01〉により試験を行い,それぞれの液のグリチルリチン酸のピーク面積ATa及びASaを測定する.
グリチルリチン酸(C42H62O16)の表示量に対する溶出率(%)=WSa×(ATa/ASa)×(1/Ca)×90
WSa:脱水物に換算したグリチルリチン酸標準品の秤取量(mg)
Ca:1錠中のグリチルリチン酸(C42H62O16)の表示量(mg)
試験条件
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:254nm)
カラム:内径4.6mm,長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする.
カラム温度:20℃付近の一定温度
移動相:薄めた酢酸(31)(1→15)/アセトニトリル混液(3:2)
流量:グリチルリチン酸の保持時間が約10分になるように調整する.
システム適合性
システムの性能:グリチルリチン酸標準品5mgを希エタノールに溶かして20mLとする.この液20μLにつき,上記の条件で操作するとき,グリチルリチン酸のピークの理論段数及びシンメトリー係数は、それぞれ2000段以上,2.0以下である。
システムの再現性:標準溶液20μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,グリチルリチン酸のピーク面積の相対標準偏差は2.0%以下である.
グリシン・DL―メチオニン
グリシン標準品を105℃で3時間乾燥し,その約25mgを精密に量り,水に溶かし,正確に100mLとする.この液10mLを正確に量り,水を加えて正確に100mLとし,グリシン標準原液とする.別にDL―メチオニン標準品を105℃で3時間乾燥し,その約25mgを精密に量り,水に溶かし,正確に100mLとする.この液10mLを正確に量り,水を加えて正確に100mLとし,DL―メチオニン標準原液とする.グリシン標準原液及びDL―メチオニン標準原液1mLずつを正確に量り,水を加えて正確に10mLとし,標準溶液とする.試料溶液(2)及び標準溶液20μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフィー〈2.01〉により試験を行い,それぞれの液のグリシン,DL―メチオニンのピーク面積ATb及びATc,ASb及びAScを測定する.
グリシン(C2H5NO2)の表示量に対する溶出率(%)=WSb×(ATb/ASb)×(1/Cb)×90
DL―メチオニン(C5H11NO2S)の表示量に対する溶出率(%)=WSc×(ATc/ASc)×(1/Cc)×90
WSb:グリシン標準品の秤取量(mg)
WSc:DL―メチオニン標準品の秤取量(mg)
Cb:1錠中のグリシンの表示量(mg)
Cc:1錠中のDL―メチオニンの表示量(mg)
試験条件
検出器:蛍光光度計(励起波長:350nm,蛍光波長:450nm)
カラム:内径6.0mm,長さ10cmのステンレス管に5μmのポリスチレンにスルホン酸残基を結合した高速液体クロマトグラフィー用強酸性イオン交換樹脂を充てんする.
カラム温度:60℃付近の一定温度
反応コイル:内径0.5mm,長さ2mのステンレス管
反応コイル温度:60℃付近の一定温度
移動相:クエン酸一水和物8.4g及びクエン酸三ナトリウム二水和物11.8gを水に溶かし,正確に1000mLとする.
反応試薬:N―アセチル―L―システイン1g及びO―フタルアルデヒド0.8gをエタノール(99.5)に溶かし15mLとする.この液に,10%ポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテル溶液4mLを加え,炭酸ナトリウム384m mol/L,ホウ酸216m mol/L及び硫酸カリウム108m mol/Lを含む水溶液を加えて正確に1000mLとする.
移動相流量:毎分0.4mL
反応試液流量:毎分0.3mL
システム適合性
システムの性能:標準溶液20μLにつき,上記の条件で操作するとき,グリシン、DL―メチオニンの順に溶出し,その分離度が1.5以上である.
システムの再現性:標準溶液20μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,グリシン及びDL―メチオニンのピーク面積の相対標準偏差はそれぞれ2.0%以下である.
溶出規格
|
表示量 |
規定時間 |
溶出率 |
グリチルリチン酸モノアンモニウム (グリチルリチン酸として) |
35mg (25mg) |
60分 |
80%以上 |
グリシン |
25mg |
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85%以上 |
DL―メチオニン |
25mg |
|
85%以上 |
グリシン標準品:グリシン(日局).ただし,乾燥したものを定量するとき,グリシン(C2H5NO2)99.0%以上を含む.
N―アセチル―L―システイン:「アセチルシステイン」ただし,乾燥したものを定量するとき,アセチルシステイン(C2H9NO3S)98.0%以上を含む.
DL―メチオニン標準品 C5H11NO2S:149.21
(2RS)―2―Amino―4―(methylsulfanyl)butanoic acidで,下記の規格に適合するもの.
性状 本品は白色の結晶又は結晶性の粉末で,特異な匂いがあり,わずかに甘みがある.
確認試験 本品を乾燥し,赤外吸収スペクトル測定法〈2.25〉の臭化カリウム錠剤法により測定するとき,波数2930cm-1,1650cm-1,1580cm-1,1414cm-1及び1340cm-1付近に吸収を認める.
類縁物質 本品0.10gを水10mLに溶かし,試料溶液とする.この液1mLを正確に量り,水を加えて正確に50mLとする.この液5mLを正確に量り,水を加えて正確に20mLとし,標準溶液とする.これらの液につき,薄層クロマトグラフィー〈2.03〉により試験を行う.試料溶液及び標準溶液5μLずつを薄層クロマトグラフィー用シリカゲルを用いて調製した薄層板にスポットする.風乾後直ちに1―ブタノール/水/酢酸(100)混液(3:1:1)を展開溶媒として約10cm展開した後,薄層版を80℃で30分間乾燥する.これにニンヒドリンのアセトン溶液(1→50)を均等に噴霧した後、80℃で5分間加熱するとき,試料溶液から得た主スポット以外のスポットは,標準溶液から得たスポットより濃くない.
乾燥減量〈2.41〉 0.30%以下(1g,105℃,3時間)
含量 99%以上.定量法 本品を乾燥し,その約0.15gを精密に量り,ギ酸3mLに溶かし,酢酸(100)50mLを加え,0.1mol/L過塩素酸で滴定〈2.50〉する(電位差滴定).同様の方法で空試験を行い,補正する
0.1mol/L過塩素酸 1mL=14.92mg C5H11NO2S
テルグリド錠
Terguride Tablets
溶出性〈6.10〉 本品1個をとり,試験液に溶出試験液第2液900mLを用い,パドル法により,毎分50回転で試験を行う.溶出試験を開始し,規定時間後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する.初めのろ液10mLを除き,次のろ液VmLを正確に量り,表示量に従い1mL中にテルグリド(C20H28N4O)約0.56μgを含む液となるように溶出試験液第2液を加えて正確にV´mLとし,試料溶液とする.別にテルグリド標準品(別途0.1gにつき,容量滴定法,直接滴定により水分〈2.48〉を測定しておく)約17mgを精密に量り,メタノールに溶かし,正確に100mLとする.この液2mLを正確に量り,溶出試験液第2液を加えて正確に50mLとする.更に,この液2mLを正確に量り,溶出試験液第2液を加えて正確に25mLとし,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液100μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフィー〈2.01〉により試験を行い,それぞれの液のテルグリドのピーク面積AT及びASを測定する.
本品が溶出規格を満たすときは適合とする.
テルグリド(C20H28N4O)の表示量に対する溶出率(%)=WS×(AT/AS)×(V’/V)×(1/C)×(72/25)
WS:脱水物に換算したテルグリド標準品の秤取量(mg)
C:1錠中のテルグリド(C20H28N4O)の表示量(mg)
試験条件
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:224nm)
カラム:内径4.6mm,長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする.
カラム温度:25℃付近の一定温度
移動相:水/アセトニトリル/pH7.0のリン酸塩緩衝液/無水トリフルオロ酢酸混液(1300:700:60:1)
流量:テルグリドの保持時間が約4分になるように調整する.
システム適合性
システムの性能:標準溶液100μLにつき,上記の条件で操作するとき,テルグリドのピークの理論段数及びシンメトリー係数は,それぞれ2000段以上,2.0以下である.
システムの再現性:標準溶液100μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,テルグリドのピーク面積の相対標準偏差は2.0%以下である.
溶出規格
表示量 |
規定時間 |
溶出率 |
0.5mg |
60分 |
70%以上 |
テルグリド標準品 C20H28N4O:340.46 (+)―1,1―ジエチル―3―(6―メチル―8α―エルゴリニル)ウレアで,下記の規格に適合するもの.必要な場合には次に示す方法により精製する.
精製法 テルグリド8.5gにアセトン280mLを加え,加温(34~36℃)して溶かす.温時ろ過し,ろ液を室温で一夜放置後,析出した結晶をろ過する.同様の操作を行って再結晶し,得られた結晶を減圧下で3時間乾燥する.
性状 本品は白色~微黄白色の結晶性粉末である.
確認試験 本品につき,赤外吸収スペクトル測定〈2.25〉のペースト法により測定するとき,波数 3480cm-1,3200cm-1,1625cm-1,1514cm-1及び753cm-1付近に吸収を認める.
類縁物質 本品約20mgを精密に量り,メタノールに溶かし,正確に100mLとし,試料溶液とする.別にリスリド(0.1gにつき,容量滴定法,直接滴定により水分〈2.48〉を測定しておく),8位アミン体(0.1gにつき,容量滴定法,直接滴定により水分〈2.48〉を測定しておく)及びダイマー(0.1gにつき,容量滴定法,直接滴定により水分〈2.48〉を測定しておく)約1mgずつを精密に量り,メタノールに溶かし,正確に100mLとする.この液10mLを正確に量り,メタノールを加えて正確に50mLとし,リスリド・8位アミン体・ダイマー標準原液とする.試料溶液1mL及びリスリド・8位アミン体・ダイマー標準原液10mLを正確に量り,メタノールを加えて正確に100mLとし,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液20μLにつき,次の条件で液体クロマトグラフィー〈2.01〉により試験を行う.それぞれの液のリスリド,8位アミン体及びダイマーのピーク面積を自動積分法により測定し,それらの量を求めるとき,それぞれ0.1%以下である.また,試料溶液の主ピーク及び上記のピーク以外の個々のピーク面積及び標準溶液のテルグリドのピーク面積を自動積分法により測定し,その他の個々の類縁物質の量を求めるとき,0.25%以下である.また,類縁物質の総量は0.5%以下である.
試験条件
検出器:8位アミン体,ダイマー及びその他の類縁物質
蛍光光度計(励起波長:280nm,蛍光波長:340nm)
リスリド
蛍光光度計(励起波長:325nm,蛍光波長:420nm)
カラム:内径3.9mm,長さ30cmのステンレス管に10μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする.
カラム温度:25℃付近の一定温度
移動相:水/アセトニトリル/pH7.0のリン酸塩緩衝液/無水トリフルオロ酢酸混液(1300:700:60:1)
流量:テルグリドの保持時間が約4分になるように調整する.
面積測定範囲:溶媒のピークの後からテルグリドの保持時間の約2倍の範囲
システム適合性
検出の確認:標準溶液1mLを正確に量り,メタノールを加えて正確に10mLとする.この液20μLから得たテルグリドのピーク面積が,標準溶液のテルグリドのピーク面積の7~13%になることを確認する.
システムの性能:標準溶液20μLにつき,上記の条件で操作するとき,8位アミン体,ダイマー,テルグリド,リスリドの順に溶出し,それぞれのピークは完全に分離する.
システムの再現性:標準溶液20μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,テルグリドのピーク面積の相対標準偏差は2.0%以下である.
水分〈2.48〉:5.5%以下(0.1g,容量滴定法,直接滴定).
含量:換算した脱水物に対し,99.0%以上.定量法 本品約0.2gを精密に量り,アセトン/酢酸(100)混液(9:1)50mLに溶かし,0.1mol/L過塩素酸で滴定〈2.50〉する(電位差滴定法).同様の方法で空試験を行い,補正する.
0.1mol/L過塩素酸 1mL=34.05mg C20H28N4O
リン酸塩緩衝液,pH7.0 リン酸二水素カリウム6.8gを水に溶かして500mLとした液に,0.1mol/L水酸化ナトリウム液約300mLを加えてpHを7.0±0.1に調整した後,水を加えて1000mLとする.
リスリド C20H26N4O 3―(9,10―ジデヒドロ―6―メチル―8α―エルゴリニル)―1,1―ジエチルウレア
性状 白色~微黄白色の結晶である.
確認試験 本品につき,赤外吸収スペクトル測定法〈2.25〉のペースト法により測定するとき,波数3330cm-1,3060cm-1,1623cm-1,1539cm-1及び741cm-1付近に吸収を認める.もし,これらの吸収が認められないときは,本品を薄めたエタノール(99.5)(7→10)に溶かした後,薄めたエタノール(99.5)(7→10)を蒸発し,残留物につき同様の試験を行う.
純度試験 本品5mgをアセトニトリル50mLに溶かし,試料溶液とするこの液10μLにつき,次の条件で液体クロマトグラフィー〈2.01〉により試験を行う.各々のピーク面積を自動積分法により測定し,面積百分率法によりリスリドの量を求めるとき,95%以上である.
試験条件
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:227nm)
カラム:内径3.9mm,長さ30cmのステンレス管に10μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする.
カラム温度:25℃付近の一定温度
移動相:リン酸二水素ナトリウム溶液(3→500)/アセトニトリル混液(10:7)
流量:リスリドの保持時間が約12.5分になるように調整する.
面積測定範囲:溶媒のピークの後からリスリドの保持時間の約2倍の範囲
システム適合性
検出の確認:試料溶液5mLを正確に量り,アセトニトリルを加えて正確に100mLとし,システム適合性試験用溶液とする.システム適合性試験用溶液2mLを正確に量り,アセトニトリルを加えて正確に10mLとする.この液10μLから得たリスリドのピーク面積が,システム適合性試験用溶液のリスリドのピーク面積の15~25%になることを確認する.
システムの性能:本品及びテルグリド標準品1mgずつをアセトニトリル50mLに溶かす.この液10μLにつき,上記の条件で操作するとき,テルグリド,リスリドの順に溶出し,その分離度は2.0以上である.
システムの再現性:システム適合性試験用溶液10μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,リスリドのピーク面積の相対標準偏差は2.0%以下である.
8位アミン体 C15H19N3 6―メチル―8α―エルゴリナミン
性状 白色~微黄白色の結晶である.
確認試験 本品につき,赤外吸収スペクトル測定法〈2.25〉のペースト法により測定するとき,波数3360cm-1,3290cm-1,3090cm-1,1609cm-1,1576cm-1及び747cm-1付近に吸収を認める.
純度試験 本品2mgを移動相10mLに溶かし,試料溶液とする.この液10μLにつき,次の条件で液体クロマトグラフィー〈2.01〉により試験を行う.各々のピーク面積を自動積分法により測定し,面積百分率法により8位アミン体の量を求めるとき,95%以上である.
試験条件
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:224nm)
カラム:内径3.9mm,長さ30cmのステンレス管に10μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする.
カラム温度:25℃付近の一定温度
移動相:pH2.1のリン酸塩緩衝液/アセトニトリル混液(4:1)
流量:8位アミン体の保持時間が約3.5分になるように調整する.
面積測定範囲:溶媒のピークの後から8位アミン体の保持時間の約3倍の範囲
システム適合性
検出の確認:試料溶液1mLを正確に量り,移動相を加えて正確に100mLとし,システム適合性試験用溶液とする.システム適合性試験用溶液1mLを正確に量り,移動相を加えて正確に10mLとする.この液10μLから得た8位アミン体のピーク面積が,システム適合性試験用溶液の8位アミン体のピーク面積7~13%になることを確認する.
システムの性能:本品及びテルグリド標準品1mgずつを移動相50mLに溶かす.この液10μLにつき,上記の条件で操作するとき,8位アミン体,テルグリドの順に溶出し,その分離度は15以上である.
システムの再現性:システム適合性試験用溶液10μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,8位アミン体のピーク面積の相対標準偏差は2.0%以下である.
ダイマー C31H36N6O 1,3―ビス(6―メチル―8α―エルゴリニル)ウレア
性状 白色~微黄白色の結晶性の粉末である.
確認試験 本品につき,赤外吸収スペクトル測定法〈2.25〉のペースト法により測定するとき,波数3400cm-1,3120cm-1,3060cm-1,1633cm-1,1571cm-1及び755cm-1付近に吸収を認める.
純度試験 本品5mgを移動相10mLに溶かし,試料溶液とする.この液10μLにつき,次の条件で液体クロマトグラフィー〈2.01〉により試験を行う.各々のピーク面積を自動積分法により測定し,面積百分率法によりダイマーの量を求めるとき,95%以上である.
試験条件
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:224nm)
カラム:内径3.9mm,長さ30cmのステンレス管に10μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする.
カラム温度:25℃付近の一定温度
移動相:水/アセトニトリル/pH7.0のリン酸塩緩衝液/無水トリフルオロ酢酸混液(1300:700:60:1)
流量:ダイマーの保持時間が約5分になるように調整する.
面積測定範囲:溶媒のピークの後からダイマーの保持時間の約4倍の範囲
システム適合性
検出の確認:試料溶液1mLを正確に量り,移動相を加えて正確に100mLとし,システム適合性試験用溶液とする.システム適合性試験用溶液1mLを正確に量り,移動相を加えて正確に10mLとする.この液10μLから得たダイマーのピーク面積が,システム適合性試験用溶液のダイマーのピーク面積の7~13%になることを確認する.
システムの性能:本品及びテルグリド標準品1mgずつを移動相50mLに溶かす.この液10μLにつき,上記の条件で操作するとき,ダイマー,テルグリドの順に溶出し,その分離度は3以上である.
システムの再現性:システム適合性試験用溶液10μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,ダイマーのピーク面積の相対標準偏差は2.0%以下である.
リン酸塩緩衝液,pH2.1 リン酸二水素カリウム6.8gを水に溶かし,600mLとした液に,リン酸を加えてpHを2.1に調整した後,水を加えて1000mLとする.
トロピセトロン塩酸塩カプセル
Tropisetoron Hydrochloride Capsuls
溶出性〈6.10〉 本品1個をとり,試験液に水900mLを用い,パドル法(ただし,シンカーを用いる)により,毎分50回転で試験を行う.溶出試験を開始し,規定時間後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する.初めのろ液10mLを除き,次のろ液VmLを正確に量り,表示量に従い1mL中にトロピセトロン(C17H20N2O2)約5.6μgを含む液となるように水を加えて正確にV'mLとし,試料溶液とする.別にトロピセトロン塩酸塩標準品を105℃で4時間乾燥し,その約16mgを精密に量り,水に溶かし,正確に100mLとする.この液4mLを正確に量り,水を加えて正確に100mLとし,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液につき,紫外可視吸光度測定法〈2.24〉により試験を行い,波長285nm及び330nmにおける吸光度AT1,AT2,AS1及びAS2を測定する.
本品が溶出規格を満たすときは適合とする.
トロピセトロン(C17H20N2O2)の表示量に対する溶出率(%)=WS×(AT1-AT2)/(AS1-AS2)×(V'/V)×(1/C)×36×0.886
WS:トロピセトロン塩酸塩標準品の秤取量(mg)
C:1カプセル中のトロピセトロン(C17H20N2O2)の表示量(mg)
溶出規格
表示量* |
規定時間 |
規格 |
5mg |
15分 |
75%以上 |
*トロピセトロンとして
トロピセトロン塩酸塩標準品 C17H20N2O2・HCl:320.81
(1R,3r,5S)―1H―インドール―3―カルボン酸 8―メチル―8―アザビシクロ[3.2.1]オクト―3―イルエステル 一塩酸塩で,下記の規格に適合するもの.必要な場合には次に示す方法で精製する.
精製法 トロピセトロン塩酸塩にエタノール(99.5)を加え,加温して溶かした後,直ちにろ過する.放冷後,析出した結晶を分取し,エタノール(99.5)で洗う.再結晶を繰り返して得た結晶を,加温しながら減圧乾燥する.
性状 本品は白色の結晶性の粉末である.
確認試験 本品を乾燥し,赤外吸収スペクトル測定法〈2.25〉の臭化カリウム錠剤法により測定するとき,波数3230cm-1,1692cm-1,1526cm-1,1455cm-1及び1185cm-1付近に吸収を認める.
類縁物質
(1) 本品50mgを移動相A20mLに溶かし試料溶液とする.この液1mLを正確に量り,移動相Aを加えて正確に100mLとする.この液2mLを正確に量り,移動相Aを加えて正確に20mLとし,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液20μLにつき,次の条件で液体クロマトグラフィー〈2.01〉により試験を行う.それぞれの液の各々のピーク面積を自動積分法により測定するとき,試料溶液のトロピセトロン以外のピーク面積は,標準溶液のトロピセトロンのピーク面積より大きくない.ただし,移動相A20μLにつき試験を行うとき認められるピークは除外する.
試験条件
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:281nm)
カラム:内径4.6mm,長さ22cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィー用オクチルシリル化シリカゲルを充てんする.
カラム温度:25℃付近の一定温度
移動相A:メタノール/水/アセトニトリル/トリエチルアミン混液(5650:4000:350:3)
移動相B:メタノール/水/アセトニトリル/トリエチルアミン混液(8000:1000:1000:3)
移動相の送液:移動相A及び移動相Bの混合比を次のように変えて濃度勾配制御する.