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○ヘパリンナトリウムに関する日本薬局方の一部改正に伴う取扱いについて
(平成20年7月1日)
(薬食審査発第0701001号)
(各都道府県衛生主管部(局)長あて厚生労働省医薬食品局審査管理課長通知)
ヘパリンナトリウム製剤等及びヘパリンを使用した医薬品・医療機器については、「ヘパリンナトリウム製剤等の品質の確保の徹底等について(平成20年3月10日厚生労働省医薬食品局監視指導・麻薬対策課及び安全対策課事務連絡)」、「ヘパリン使用医薬品・医療機器の品質確保の徹底等について(平成20年4月14日厚生労働省医薬食品局監視指導・麻薬対策課及び安全対策課事務連絡)」及び「ヘパリンナトリウム製剤等の品質管理及び安全性に関する情報の収集・提供の徹底について(平成20年4月28日厚生労働省医薬食品局安全対策課及び監視指導・麻薬対策課事務連絡)」(以下まとめて「事務連絡」という。)により、これら製品を取り扱う製造販売業者にその品質確保の徹底を指示したところである。
本日開催された薬事・食品衛生審議会日本薬局方部会においては、これらの措置に加え、日本薬局方(平成18年厚生労働省告示第285号、以下「局方」という。)のヘパリンナトリウムに関する規定を、速やかに改正する必要がある旨の答申が得られたことから、局方の一部改正など下記の措置を講じることとしたので、御了知の上、貴管下関係業者に対し対応方よろしく御指導願いたい。
記
1.局方の一部改正について
(1) 医薬品各条中、ヘパリンナトリウムの純度試験の項を改正し、「過硫酸化コンドロイチン硫酸」に係る規定を追加すること。その内容は別紙のとおりであること。
(2) 上記(1)の改正告示については、7月末を目途に告示・施行したいと考えていること。
2.ヘパリンカルシウムの取扱いについて
ヘパリンカルシウムについては局方に収載されていないが、ヘパリンナトリウムに関する局方の改正と同様の措置を講じることとし、「日本薬局方外医薬品規格2002について(平成14年9月20日医薬発第0920001号厚生労働省医薬局長通知)」については、7月末を目途に、純度試験の項を改正し、「過硫酸化コンドロイチン硫酸」に係る規定を追加する予定であること。なお、本件については、別途通知する。
3.ヘパリンナトリウム及びヘパリンカルシウムを除くその他のヘパリン製剤等について
今後、米国薬局方及び欧州薬局方と連携を図りつつ検討することとしているが、これらを取り扱う製造販売業者においては、引き続き事務連絡に基づく品質確保を継続すること。
別紙
日本薬局方一部改正案
医薬品各条の部 ヘパリンナトリウムの条純度試験の項(4)の目の次に次の一目を加える。
(5) 過硫酸化コンドロイチン硫酸 本品20mgを核磁気共鳴スペクトル測定用3―トリメチルシリルプロピオン酸ナトリウム―d4の核磁気共鳴スペクトル測定用重水溶液(1→10000)0.60mLに溶かし,試料溶液とする.この液につき核磁気共鳴スペクトル測定用3―トリメチルシリルプロピオン酸ナトリウム―d4を内部基準物質として核磁気共鳴スペクトル測定法〈2.21〉プロトン共鳴周波数400MHz以上の装置(1)を用いる方法により1Hを測定するとき,δ2.13―2.17ppmに過硫酸化コンドロイチン硫酸のN―アセチル基に由来するシグナルを認めない.
試験条件
温度:25℃
スピニング:オフ
データポイント数:32,768
スペクトル範囲:DHOのシグナルを中心に±6.0ppm
パルス角:90°
繰り返しパルス待ち時間:20秒
ダミースキャン:4回
積算回数:ヘパリンのN―アセチル基のプロトンのシグナルのS/N比が200以上得られる回数
ウインドウ関数:指数関数(Line broadening factor=0.2Hz)
システム適合性
本品20mgを核磁気共鳴スペクトル測定用3―トリメチルシリルプロピオン酸ナトリウム―d4の核磁気共鳴スペクトル測定用重水溶液(1→10000)0.60mLに溶かし,システム適合性試験用溶液とする.システム適合性試験用溶液に過硫酸化コンドロイチン硫酸標準品0.1mgを加えて溶かした液につき,上記の条件で操作するとき,δ2.02―2.06ppmにヘパリンのN―アセチル基に由来するシグナル,及びδ2.13―2.17ppmに過硫酸化コンドロイチン硫酸のN―アセチル基に由来するシグナルを認める.
一般試験法の部 9.01標準品の条(1)別に厚生労働大臣が定めるところにより厚生労働大臣の登録を受けた者が製造する標準品の項に次のように加える。
過硫酸化コンドロイチン硫酸標準品 純度試験