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○一般用漢方製剤承認基準の制定について

(平成20年9月30日)

(薬食審査発第0930001号)

(各都道府県衛生主管部(局)長あて厚生労働省医薬食品局審査管理課長通知)

一般用漢方製剤の製造販売承認について、別添のとおり一般用漢方製剤承認基準(以下「新基準」という。)を定めたので、貴管下関係業者等に対し、周知徹底を図るとともに、円滑な事務処理が行われるようご配慮をお願いする。

なお、新基準制定の経緯、概要は下記のとおりであり、平成20年10月1日以降に製造販売承認申請される品目について適用する。

ただし、新基準に適合しないものについては、従前のとおりの審査を行うこととする。

1.新基準制定の経緯

一般用漢方製剤については、従来、いわゆる210処方として公表した審査内規を基本的な基準として審査を行ってきたところであるが、一般用漢方処方の見直しを図るための調査研究班(班長:合田 幸広(国立医薬品食品衛生研究所生薬部長))の調査結果を踏まえ、パブリックコメントに寄せられた意見等も参考に薬事・食品衛生審議会一般用医薬品部会における討議に基づき、今般、新基準を定めたところである。

2.新基準の概要

(1) 効能・効果等の追加・変更

① 有用性が認められる効能・効果を追加したこと。(122処方)

② 内服するすべての処方に体質傾向や症状を追加したこと。(98処方)

漢方の適用となる体質傾向や症状を一般的に理解し易い言葉で記述したものを効能・効果等に追記したこと。

なお、体力に関する記述については、体力が充実、比較的体力がある、体力中等度、やや虚弱、体力虚弱の5段階に区分したこと。

(例) 体力中等度以下で、腹部は力がなく、胃痛又は腹痛があって、時に胸やけや、げっぷ、胃もたれ、食欲不振、はきけ、嘔吐などを伴うものの次の諸症

③ 一般用医薬品としてわかりやすい効能・効果に変更したこと。(51処方)

一般用医薬品であることを考慮し、現在、社会一般で用いられなくなった用語を、よりわかりやすいものに変更又は説明を追記したこと。

(例)

胃アトニー → 胃腸虚弱、くさ → 湿疹・皮膚炎

血の道症:血の道症とは、月経、妊娠、出産、産後、更年期など女性のホルモンの変動に伴って現れる精神不安やいらだちなどの精神神経症状及び身体症状のことである。

(2) 用法・用量の見直し(41処方)

新たに用法・用量の見直しを行い、今まで小児不可となっていた処方の小児不可を削除したこと。また、安全性に問題はないと判断された散剤の用法・用量を追加したこと。

(例)

温清飲、独活葛根湯等(小児用法不可の削除)

平胃散等(散剤の用法・用量の追加)

(3) 記載の整備(140処方)

「朮」については「白朮」と「蒼朮」に分離するとともに、「乾生姜」は日局の「生姜」に統一するなど、記載整備したこと。

(例) 朮 → 蒼朮(又は白朮)、乾生姜 → 生姜

[別添]

一般用漢方製剤承認基準

厚生労働省医薬食品局

平成20年10月1日

1 安中散

〔成分・分量〕

桂皮3―5、延胡索3―4、牡蛎3―4、茴香1.5―2、縮砂1―2、甘草1―2、良姜0.5―1

〔用法・用量〕

(1) 散:1回1―2g 1日2―3回

(2) 湯

〔効能・効果〕

体力中等度以下で、腹部は力がなくて、胃痛又は腹痛があって、ときに胸やけや、げっぷ、胃もたれ、食欲不振、はきけ、嘔吐などを伴うものの次の諸症

神経性胃炎、慢性胃炎、胃腸虚弱

2 安中散加茯苓

〔成分・分量〕

桂皮3―5、延胡索3―4、牡蛎3―4、茴香1.5―2、縮砂1―2、甘草1―2、良姜0.5―1、茯苓5

〔用法・用量〕

(1) 散:1回1―2g 1日2―3回

(2) 湯

〔効能・効果〕

体力中等度以下で、腹部は力がなくて、神経過敏で胃痛又は腹痛があって、ときに胸やけや、げっぷ、胃もたれ、食欲不振、はきけ、嘔吐などを伴うものの次の諸症

神経性胃炎、慢性胃炎、胃腸虚弱

3 胃風湯

〔成分・分量〕

当帰2.5―3、芍薬3、川画像1 (1KB)別ウィンドウが開きます
2.5―3、人参3、白朮3、茯苓3―4、桂皮2―3、粟2―4

〔用法・用量〕

〔効能・効果〕

体力中等度以下で、顔色悪くて食欲なく、疲れやすいものの次の諸症

急・慢性胃腸炎、冷えによる下痢

4 胃苓湯

〔成分・分量〕

蒼朮2.5―3、厚朴2.5―3、陳皮2.5―3、猪苓2.5―3、沢瀉2.5―3、芍薬2.5―3、白朮2.5―3、茯苓2.5―3、桂皮2―2.5、大棗1―3、生姜1―2、甘草1―2、縮砂2、黄連2(芍薬、縮砂、黄連のない場合も可)

〔用法・用量〕

(1) 散:1回1―2g 1日3回

(2) 湯

〔効能・効果〕

体力中等度で、水様性の下痢、嘔吐があり、口渇、尿量減少を伴うものの次の諸症

食あたり、暑気あたり、冷え腹、急性胃腸炎、腹痛

5 茵画像2 (1KB)別ウィンドウが開きます
蒿湯

〔成分・分量〕

画像3 (1KB)別ウィンドウが開きます
蒿4―14、山梔子1.4―5、大黄1―3

〔用法・用量〕

〔効能・効果〕

体力中等度以上で、口渇があり、尿量少なく、便秘するものの次の諸症

じんましん、口内炎、湿疹・皮膚炎、皮膚のかゆみ

6 茵画像4 (1KB)別ウィンドウが開きます
五苓散

〔成分・分量〕

沢瀉4.5―6、茯苓3―4.5、猪苓3―4.5、蒼朮3―4.5(白朮も可)、桂皮2―3、茵画像5 (1KB)別ウィンドウが開きます
蒿3―4

〔用法・用量〕

(1) 散:散の場合は茵画像6 (1KB)別ウィンドウが開きます

五苓散のうち茵画像7 (1KB)別ウィンドウが開きます

蒿を除いた他の生薬を湯の場合の1/8量を用いるか、茵画像8 (1KB)別ウィンドウが開きます

五苓散のうち茵画像9 (1KB)別ウィンドウが開きます

蒿を除いた他の生薬の合計が茵画像10 (1KB)別ウィンドウが開きます
蒿の半量となるように用いる。(1回1―2g 1日3回)

(2) 湯

〔効能・効果〕

体力中等度以上をめやすとして、のどが渇いて、尿量が少ないものの次の諸症

嘔吐、じんましん、二日酔、むくみ

7 温経湯

〔成分・分量〕

半夏3―5、麦門冬3―10、当帰2―3、川画像11 (1KB)別ウィンドウが開きます
2、芍薬2、人参2、桂皮2、阿膠2、牡丹皮2、甘草2、生姜1、呉茱萸1―3

〔用法・用量〕

〔効能・効果〕

体力中等度以下で、手足がほてり、唇がかわくものの次の諸症

月経不順、月経困難、こしけ(おりもの)、更年期障害、不眠、神経症、湿疹・皮膚炎、足腰の冷え、しもやけ、手あれ(手の湿疹・皮膚炎)

8 温清飲

〔成分・分量〕

当帰3―4、地黄3―4、芍薬3―4、川画像12 (1KB)別ウィンドウが開きます

3―4、黄連1―2、黄画像13 (1KB)別ウィンドウが開きます
1.5―3、山梔子1.5―2、黄柏1―1.5

〔用法・用量〕

〔効能・効果〕

体力中等度で、皮膚はかさかさして色つやが悪く、のぼせるものの次の諸症

月経不順、月経困難、血の道症注)、更年期障害、神経症、湿疹・皮膚炎

《備考》

注)血の道症とは、月経、妊娠、出産、産後、更年期など女性のホルモンの変動に伴って現れる精神不安やいらだちなどの精神神経症状および身体症状のことである。

【注)表記については、効能・効果欄に記載するのではなく、〈効能・効果に関連する注意〉として記載する。】

9 温胆湯

〔成分・分量〕

半夏4―6、茯苓4―6、生姜1―2(ヒネショウガを使用する場合3)、陳皮2―3、竹茹2―3、枳実1―2、甘草1―2、黄連1、酸棗仁1―3、大棗2(黄連以降のない場合も可)

〔用法・用量〕

〔効能・効果〕

体力中等度以下で、胃腸が虚弱なものの次の諸症

不眠症、神経症

10 延年半夏湯

〔成分・分量〕

半夏3―5、柴胡2―5、別甲2―5、桔梗2―4、檳榔子2―4、人参0.8―2、生姜1―2、枳実0.5―2、呉茱萸0.5―2

〔用法・用量〕

〔効能・効果〕

体力中等度で、みぞおちに抵抗感があって、肩がこり、足が冷えるものの次の諸症

慢性胃炎、胃痛、食欲不振

11 黄耆建中湯

〔成分・分量〕

桂皮3―4、生姜1―2(ヒネショウガを使用する場合3―4)、大棗3―4、芍薬6、甘草2―3、黄耆1.5―4、膠飴20(膠飴はなくても可)

〔用法・用量〕

〔効能・効果〕

体力虚弱で、疲労しやすいものの次の諸症

虚弱体質、病後の衰弱、ねあせ、湿疹・皮膚炎、皮膚のただれ、腹痛、冷え症

12 黄画像14 (1KB)別ウィンドウが開きます

〔成分・分量〕

画像15 (1KB)別ウィンドウが開きます
4―9、芍薬2―8、甘草2―6、大棗4―9

〔用法・用量〕

〔効能・効果〕

体力中等度で、腹痛、みぞおちのつかえがあり、ときにさむけ、発熱などがあるものの次の諸症

下痢、胃腸炎

13 応鐘散(画像16 (1KB)別ウィンドウが開きます
黄散)

〔成分・分量〕

大黄1、川画像17 (1KB)別ウィンドウが開きます
2

〔用法・用量〕

(1) 散:1回に頓用する

(2) 湯:上記量を1日量

〔効能・効果〕

体力中等度以上のものの次の諸症

便秘、便秘に伴うのぼせ・肩こり

14 黄連阿膠湯

〔成分・分量〕

黄連3―4、芍薬2―2.5、黄画像18 (1KB)別ウィンドウが開きます
1―2、阿膠3、卵黄1個

〔用法・用量〕

〔効能・効果〕

体力中等度以下で、冷えやすくのぼせ気味で胸苦しく不眠の傾向のあるものの次の諸症

鼻血、不眠症、かさかさした湿疹・皮膚炎、皮膚のかゆみ

15 黄連解毒湯

〔成分・分量〕

黄連1.5―2、黄画像19 (1KB)別ウィンドウが開きます
3、黄柏1.5―3、山梔子2―3

〔用法・用量〕

(1) 散:1回1.5―2g 1日3回

(2) 湯

〔効能・効果〕

体力中等度以上で、のぼせぎみで顔色赤く、いらいらして落ち着かない傾向のあるものの次の諸症

鼻出血、不眠症、神経症、胃炎、二日酔、血の道症注)、めまい、動悸、更年期障害、湿疹・皮膚炎、皮膚のかゆみ、口内炎

《備考》

注)血の道症とは、月経、妊娠、出産、産後、更年期など女性のホルモンの変動に伴って現れる精神不安やいらだちなどの精神神経症状および身体症状のことである。

【注)表記については、効能・効果欄に記載するのではなく、〈効能・効果に関連する注意〉として記載する。】

16 黄連湯

〔成分・分量〕

黄連3、甘草3、乾姜3、人参2―3、桂皮3、大棗3、半夏5―8

〔用法・用量〕

〔効能・効果〕

体力中等度で、胃部の停滞感や重圧感、食欲不振があり、ときにはきけや嘔吐のあるものの次の諸症

胃痛、急性胃炎、二日酔、口内炎

17 乙字湯

〔成分・分量〕

当帰4―6、柴胡4―6、黄画像20 (1KB)別ウィンドウが開きます
3―4、甘草1.5―3、升麻1―2、大黄0.5―3

〔用法・用量〕

〔効能・効果〕

体力中等度以上で、大便がかたく、便秘傾向のあるものの次の諸症

痔核(いぼ痔)、きれ痔、便秘、軽度の脱肛

18 乙字湯去大黄

〔成分・分量〕

当帰4―6、柴胡4―6、黄画像21 (1KB)別ウィンドウが開きます
3―4、甘草1.5―3、升麻1―2

〔用法・用量〕

〔効能・効果〕

体力中等度又はやや虚弱なものの次の諸症

痔核(いぼ痔)、きれ痔、軽度の脱肛

19 化食養脾湯

〔成分・分量〕

人参4、白朮4、茯苓4、半夏4、陳皮2、大棗2、神麹2、麦芽2、山査子2、縮砂1.5、生姜1、甘草1

〔用法・用量〕

〔効能・効果〕

体力中等度以下で、胃腸が弱く、食欲がなく、みぞおちがつかえ、疲れやすいものの次の諸症

胃炎、胃腸虚弱、胃下垂、消化不良、食欲不振、胃痛、嘔吐

20 画像22 (1KB)別ウィンドウが開きます
香正気散

〔成分・分量〕

白朮3、茯苓3―4、陳皮2―3、白画像23 (1KB)別ウィンドウが開きます

1―4、画像24 (1KB)別ウィンドウが開きます
香1―4、大棗1―3、甘草1―1.5、半夏3、厚朴2―3、桔梗1.5―3、蘇葉1―4、大腹皮1―4、生姜1

〔用法・用量〕

〔効能・効果〕

体力中等度以下のものの次の諸症

感冒、暑さによる食欲不振、急性胃腸炎、下痢、全身倦怠

21 葛根黄連黄画像25 (1KB)別ウィンドウが開きます

〔成分・分量〕

葛根5―6、黄連3、黄画像26 (1KB)別ウィンドウが開きます
3、甘草2

〔用法・用量〕

〔効能・効果〕

体力中等度のものの次の諸症

下痢、急性胃腸炎、口内炎、舌炎、肩こり、不眠

22 葛根紅花湯

〔成分・分量〕

葛根3、芍薬3、地黄3、黄連1.5、山梔子1.5、紅花1.5、大黄1、甘草1

〔用法・用量〕

〔効能・効果〕

体力中等度以上で、便秘傾向のものの次の諸症

あかはな(酒さ)、しみ

23 葛根湯

〔成分・分量〕

葛根4―8、麻黄3―4、大棗3―4、桂皮2―3、芍薬2―3、甘草2、生姜1―1.5

〔用法・用量〕

〔効能・効果〕

体力中等度以上のものの次の諸症

感冒の初期(汗をかいていないもの)、鼻かぜ、鼻炎、頭痛、肩こり、筋肉痛、手や肩の痛み

24 葛根湯加川画像27 (1KB)別ウィンドウが開きます
辛夷

〔成分・分量〕

葛根4―8、麻黄3―4、大棗3―4、桂皮2―3、芍薬2―3、甘草2、生姜1―1.5、川画像28 (1KB)別ウィンドウが開きます
2―3、辛夷2―3

〔用法・用量〕

〔効能・効果〕

比較的体力があるものの次の諸症

鼻づまり、蓄膿症(副鼻腔炎)、慢性鼻炎

25 加味温胆湯

〔成分・分量〕

半夏3.5―6、茯苓3―6、陳皮2―3、竹茹2―3、生姜1―2、枳実1―3、甘草1―2、遠志2―3、玄参2(五味子3に変えても可)、人参2―3、地黄2―3、酸棗仁1―5、大棗2、黄連1―2(黄連のない場合も可)遠志、玄参、人参、地黄、大棗のない場合もある。

〔用法・用量〕

〔効能・効果〕

体力中等度以下で、胃腸が虚弱なものの次の諸症

神経症、不眠症

26 加味帰脾湯

〔成分・分量〕

人参3、白朮3(蒼朮も可)、茯苓3、酸棗仁3、竜眼肉3、黄耆2―3、当帰2、遠志1―2、柴胡2.5―3、山梔子2―2.5、甘草1、木香1、大棗1―2、生姜1―1.5、牡丹皮2(牡丹皮はなくても可)

〔用法・用量〕

〔効能・効果〕

体力中等度以下で、心身が疲れ、血色が悪く、ときに熱感を伴うものの次の諸症

貧血、不眠症、精神不安、神経症

27 加味解毒湯

〔成分・分量〕

黄連2、黄画像29 (1KB)別ウィンドウが開きます

2、黄柏2、山梔子2、柴胡2、茵画像30 (1KB)別ウィンドウが開きます
蒿2、竜胆2、木通2、滑石3、升麻1.5、甘草1.5、燈心草1.5、大黄1.5(大黄のない場合も可)

〔用法・用量〕

〔効能・効果〕

比較的体力があり、血色がよいものの次の諸症

小便がしぶって出にくいもの、痔疾(いぼ痔、痔痛、痔出血)

28 加味逍遙散

〔成分・分量〕

当帰3、芍薬3、白朮3(蒼朮も可)、茯苓3、柴胡3、牡丹皮2、山梔子2、甘草1.5―2、生姜1、薄荷葉1

〔用法・用量〕

〔効能・効果〕

体力中等度以下で、のぼせ感があり、肩がこり、疲れやすく、精神不安やいらだちなどの精神神経症状、ときに便秘の傾向のあるものの次の諸症

冷え症、虚弱体質、月経不順、月経困難、更年期障害、血の道症注)、不眠症

《備考》

注)血の道症とは、月経、妊娠、出産、産後、更年期など女性のホルモンの変動に伴って現れる精神不安やいらだちなどの精神神経症状および身体症状のことである。

【注)表記については、効能・効果欄に記載するのではなく、〈効能・効果に関連する注意〉として記載する。】

29 加味逍遙散加川画像31 (1KB)別ウィンドウが開きます
地黄(加味逍遙散合四物湯)

〔成分・分量〕

当帰3―4、芍薬3―4、白朮3(蒼朮も可)、茯苓3、柴胡3、川画像32 (1KB)別ウィンドウが開きます
3―4、地黄3―4、甘草1.5―2、牡丹皮2、山梔子2、生姜1―2、薄荷葉1

〔用法・用量〕

〔効能・効果〕

体力中等度以下で、皮膚があれてかさかさし、ときに色つやが悪く、胃腸障害はなく、肩がこり、疲れやすく精神不安やいらだちなどの精神神経症状、ときにかゆみ、便秘の傾向のあるものの次の諸症

湿疹・皮膚炎、しみ、冷え症、虚弱体質、月経不順、月経困難、更年期障害、血の道症注)

《備考》

注)血の道症とは、月経、妊娠、出産、産後、更年期など女性のホルモンの変動に伴って現れる精神不安やいらだちなどの精神神経症状および身体症状のことである。

【注)表記については、効能・効果欄に記載するのではなく、〈効能・効果に関連する注意〉として記載する。】

30 加味平胃散

〔成分・分量〕

蒼朮4―6(白朮も可)、陳皮3―4.5、生姜0.5―1(ヒネショウガを使用する場合2―3)、神麹2―3、山査子2―3、厚朴3―4.5、甘草1―2、大棗2―3、麦芽2―3(山査子はなくても可)

〔用法・用量〕

〔効能・効果〕

体力中等度で、胃がもたれて食欲がなく、ときに胸やけがあるものの次の諸症

急・慢性胃炎、食欲不振、消化不良、胃腸虚弱、腹部膨満感

31 乾姜人参半夏丸

〔成分・分量〕

乾姜3、人参3、半夏6

〔用法・用量〕

(1) 散:1回1.5―5g 1日3回

(2) 湯:上記量を1日量とする

〔効能・効果〕

体力中等度以下で、はきけ・嘔吐が続きみぞおちのつかえを感じるものの次の諸症

つわり、胃炎、胃腸虚弱

32 甘草瀉心湯

〔成分・分量〕

半夏5、黄画像33 (1KB)別ウィンドウが開きます
2.5、乾姜2.5、人参2.5、甘草2.5―3.5、大棗2.5、黄連1

〔用法・用量〕

〔効能・効果〕

体力中等度で、みぞおちがつかえた感じがあり、ときにイライラ感、下痢、はきけ、腹が鳴るものの次の諸症

胃腸炎、口内炎、口臭、不眠症、神経症、下痢

33 甘草湯

〔成分・分量〕

甘草2―8

〔用法・用量〕

(1) 散:1回0.5g 1日2回

(2) 湯:少しずつゆっくり飲む

(3) 外用:煎液で患部を温湿布する

〔効能・効果〕

激しいせき、咽喉痛、口内炎、しわがれ声

外用:痔・脱肛の痛み

《備考》

注)体力に関わらず、使用できる。

【注)表記については、効能・効果欄に記載するのではなく、〈効能・効果に関連する注意〉として記載する。】

34 甘麦大棗湯

〔成分・分量〕

甘草3―5、大棗2.5―6、小麦14―20

〔用法・用量〕

〔効能・効果〕

体力中等度以下で、神経が過敏で、驚きやすく、ときにあくびが出るものの次の諸症

不眠症、小児の夜泣き、ひきつけ

35 帰耆建中湯

〔成分・分量〕

当帰3―4、桂皮3―4、生姜1―1.5(ヒネショウガを使用する場合2―4)、大棗3―4、芍薬5―6、甘草2―3、黄耆2―4、膠飴20(膠飴はなくても可)

〔用法・用量〕

〔効能・効果〕

体力虚弱で、疲労しやすいものの次の諸症

虚弱体質、病後・術後の衰弱、ねあせ、湿疹・皮膚炎、化膿性皮膚疾患

36 桔梗湯

〔成分・分量〕

桔梗1―4、甘草2―8

〔用法・用量〕

〔効能・効果〕

体力に関わらず使用でき、のどがはれて痛み、ときにせきがでるものの次の諸症

扁桃炎、扁桃周囲炎

37 帰脾湯

〔成分・分量〕

人参2―4、白朮2―4(蒼朮も可)、茯苓2―4、酸棗仁2―4、竜眼肉2―4、黄耆2―4、当帰2、遠志1―2、甘草1、木香1、大棗1―2、生姜1―1.5

〔用法・用量〕

〔効能・効果〕

体力中等度以下で、心身が疲れ、血色が悪いものの次の諸症

貧血、不眠症、神経症、精神不安

38 画像34 (1KB)別ウィンドウが開きます
帰膠艾湯

〔成分・分量〕

画像35 (1KB)別ウィンドウが開きます
3、甘草3、艾葉3、当帰4―4.5、芍薬4―4.5、地黄5―6、阿膠3

〔用法・用量〕

〔効能・効果〕

体力中等度以下で、冷え症で、出血傾向があり胃腸障害のないものの次の諸症

痔出血、貧血、月経異常・月経過多・不正出血、皮下出血

39 画像36 (1KB)別ウィンドウが開きます
帰調血飲

〔成分・分量〕

当帰2―2.5、地黄2―2.5、川画像37 (1KB)別ウィンドウが開きます
2―2.5、白朮2―2.5(蒼朮も可)、茯苓2―2.5、陳皮2―2.5、烏薬2―2.5、大棗1―1.5、香附子2―2.5、甘草1、牡丹皮2―2.5、益母草1―1.5、乾姜1―1.5、生姜0.5―1.5(生姜はなくても可)

〔用法・用量〕

〔効能・効果〕

体力中等度以下のものの次の諸症。ただし産後の場合は体力に関わらず使用できる。

月経不順、産後の神経症・体力低下

40 画像38 (1KB)別ウィンドウが開きます
帰調血飲第一加減

〔成分・分量〕

当帰2、川画像39 (1KB)別ウィンドウが開きます
2、地黄2、白朮2(蒼朮も可)、茯苓2、陳皮2、烏薬2、香附子2、牡丹皮2、益母草1.5、大棗1.5、甘草1、乾姜1―1.5、生姜0.5―1.5(生姜はなくても可)、芍薬1.5、桃仁1.5、紅花1.5、枳実1.5、桂皮1.5、牛膝1.5、木香1.5、延胡索1.5

〔用法・用量〕

〔効能・効果〕

体力中等度以下のものの次の諸症。ただし産後の場合は体力に関わらず使用できる。

血の道症注)、月経不順、産後の体力低下

《備考》

注)血の道症とは、月経、妊娠、出産、産後、更年期など女性のホルモンの変動に伴って現れる精神不安やいらだちなどの精神神経症状および身体症状のことである。

【注)表記については、効能・効果欄に記載するのではなく、〈効能・効果に関連する注意〉として記載する。】

41 響声破笛丸

〔成分・分量〕

連翹2.5、桔梗2.5、甘草2.5、大黄1、縮砂1、川画像40 (1KB)別ウィンドウが開きます
1、訶子1、阿仙薬2、薄荷葉4(大黄のない場合も可)

〔用法・用量〕

(1) 散:1回2―3g 1日数回

(2) 湯

〔効能・効果〕

しわがれ声、咽喉不快

《備考》

注)体力に関わらず、使用できる。

【注)表記については、効能・効果欄に記載するのではなく、〈効能・効果に関連する注意〉として記載する。】

42 杏蘇散

〔成分・分量〕

蘇葉3、五味子2、大腹皮2、烏梅2、杏仁2、陳皮1―1.5、桔梗1―1.5、麻黄1―1.5、桑白皮1―1.5、阿膠1―1.5、甘草1―1.5、紫苑1

〔用法・用量〕

湯(原則として)

〔効能・効果〕

体力中等度以下で、気分がすぐれず、汗がなく、ときに顔がむくむものの次の諸症

せき、たん、気管支炎

43 苦参湯

〔成分・分量〕

苦参6―10

〔用法・用量〕

水500―600mLで煮て250―300mLとし外用する。

〔効能・効果〕

ただれ、あせも、かゆみ

44 駆風解毒散(湯)

〔成分・分量〕

防風3―5、牛蒡子3、連翹5、荊芥1.5、羌活1.5、甘草1.5、桔梗3、石膏5―10

〔用法・用量〕

湯(本処方は熱ければ冷ましてうがいしながら少しずつゆっくり飲む)

〔効能・効果〕

体力に関わらず使用でき、のどがはれて痛むものの次の諸症

扁桃炎、扁桃周囲炎

45 荊芥連翹湯

〔成分・分量〕

当帰1.5、芍薬1.5、川画像41 (1KB)別ウィンドウが開きます

1.5、地黄1.5、黄連1.5、黄画像42 (1KB)別ウィンドウが開きます

1.5、黄柏1.5、山梔子1.5、連翹1.5、荊芥1.5、防風1.5、薄荷葉1.5、枳殻(実)1.5、甘草1―1.5、白画像43 (1KB)別ウィンドウが開きます
1.5―2.5、桔梗1.5―2.5、柴胡1.5―2.5(地黄、黄連、黄柏、薄荷葉のない場合も可)

〔用法・用量〕

〔効能・効果〕

体力中等度以上で、皮膚の色が浅黒く、ときに手足の裏に脂汗をかきやすく腹壁が緊張しているものの次の諸症

蓄膿症(副鼻腔炎)、慢性鼻炎、慢性扁桃炎、にきび

46 鶏肝丸

〔成分・分量〕

鶏肝1具

鶏肝1具をとりゆでて乾燥し、山薬末(鶏肝の乾燥した量の2―3倍量をめやすとする。)を和しつつ細末とし糊丸とする。

〔用法・用量〕

丸:1回2g 1日3回

〔効能・効果〕

体力虚弱なものの次の症状

虚弱体質

47 桂枝湯

〔成分・分量〕

桂皮3―4、芍薬3―4、大棗3―4、生姜1―1.5(ヒネショウガを使用する場合3―4)、甘草2

〔用法・用量〕

〔効能・効果〕

体力虚弱で、汗が出るものの次の症状

かぜの初期

48 桂枝加黄耆湯

〔成分・分量〕

桂皮3―4、芍薬3―4、大棗3―4、生姜1―1.5(ヒネショウガを使用する場合3―4)、甘草2、黄耆2―3

〔用法・用量〕

〔効能・効果〕

体力虚弱なものの次の諸症

ねあせ、あせも、湿疹・皮膚炎

49 桂枝加葛根湯

〔成分・分量〕

桂皮2.4―4、芍薬2.4―4、大棗2.4―4、生姜1―1.5(ヒネショウガを使用する場合2.4―4)、甘草1.6―2、葛根3.2―6

〔用法・用量〕

〔効能・効果〕

体力中等度以下で、汗が出て、肩こりや頭痛のあるものの次の症状

かぜの初期

50 桂枝加厚朴杏仁湯

〔成分・分量〕

桂皮2.4―4、芍薬2.4―4、大棗2.4―4、生姜1―1.5(ヒネショウガを使用する場合3―4)、甘草1.6―2、厚朴1―4、杏仁1.6―4

〔用法・用量〕

〔効能・効果〕

体力虚弱なものの次の諸症

せき、気管支炎、気管支ぜんそく

51 桂枝加芍薬生姜人参湯

〔成分・分量〕

桂皮2.4―4、大棗2.4―4、芍薬3.2―6、生姜1―2(ヒネショウガを使用する場合4―5.5)、甘草1.6―2、人参2.4―4.5

〔用法・用量〕

〔効能・効果〕

体力虚弱なものの次の諸症

みぞおちのつかえ、腹痛、手足の痛み

52 桂枝加芍薬大黄湯

〔成分・分量〕

桂皮3―4、芍薬4―6、大棗3―4、生姜1―1.5(ヒネショウガを使用する場合3―4),甘草2、大黄1―2

〔用法・用量〕

〔効能・効果〕

体力中等度以下で、腹部膨満感、腹痛があり、便秘するものの次の諸症

便秘、しぶり腹注)

《備考》

注)しぶり腹とは、残便感があり、くり返し腹痛を伴う便意を催すもののことである。

【注)表記については、効能・効果欄に記載するのではなく、〈効能・効果に関連する注意〉として記載する。】

53 桂枝加芍薬湯

〔成分・分量〕

桂皮3―4、芍薬6、大棗3―4、生姜1―1.5(ヒネショウガを使用する場合3―4)、甘草2

〔用法・用量〕

〔効能・効果〕

体力中等度以下で、腹部膨満感のあるものの次の諸症

しぶり腹注)、腹痛、下痢、便秘

《備考》

注)しぶり腹とは、残便感があり、くり返し腹痛を伴う便意を催すもののことである。

【注)表記については、効能・効果欄に記載するのではなく、〈効能・効果に関連する注意〉として記載する。】

54 桂枝加朮附湯

〔成分・分量〕

桂皮3―4、芍薬3―4、大棗3―4、生姜1―1.5(ヒネショウガを使用する場合3―4)、甘草2、蒼朮3―4(白朮も可)、加工ブシ0.5―1

〔用法・用量〕

〔効能・効果〕

体力虚弱で、汗が出、手足が冷えてこわばり、ときに尿量が少ないものの次の諸症

関節痛、神経痛

55 桂枝加竜骨牡蛎湯

〔成分・分量〕

桂皮3―4、芍薬3―4、大棗3―4、生姜1―1.5(ヒネショウガを使用する場合3―4)、甘草2、竜骨3、牡蛎3

〔用法・用量〕

〔効能・効果〕

体力中等度以下で、疲れやすく、神経過敏で、興奮しやすいものの次の諸症

神経質、不眠症、小児夜泣き、夜尿症、眼精疲労、神経症

56 桂枝加苓朮附湯

〔成分・分量〕

桂皮3―4、芍薬3―4、大棗3―4、生姜1―1.5(ヒネショウガを使用する場合3―4)、甘草2、蒼朮3―4(白朮も可)、加工ブシ0.5―1、茯苓4

〔用法・用量〕

〔効能・効果〕

体力虚弱で、手足が冷えてこわばり、尿量が少なく、ときに、動悸、めまい、筋肉のぴくつきがあるものの次の諸症

関節痛、神経痛

57 桂枝人参湯

〔成分・分量〕

桂皮4、甘草3―4、人参3、乾姜2―3、白朮3(蒼朮も可)

〔用法・用量〕

〔効能・効果〕

体力虚弱で、胃腸が弱く、ときに発熱・悪寒を伴うものの次の諸症

頭痛、動悸、慢性胃腸炎、胃腸虚弱、下痢、消化器症状を伴う感冒

58 桂枝茯苓丸

〔成分・分量〕

桂皮3―4、茯苓4、牡丹皮3―4、桃仁4、芍薬4

〔用法・用量〕

(1) 散:1回2―3g 1日3回

(2) 湯