アクセシビリティ閲覧支援ツール

添付一覧

添付画像はありません

○日本薬局方外医薬品規格第三部の一部改正について

(平成20年11月17日)

(薬食発第1117001号)

(各都道府県知事あて厚生労働省医薬食品局長通知)

日本薬局方外医薬品規格第三部については、平成13年12月25日付け医薬発第1411号厚生労働省医薬局長通知により定めているところであるが、今般、その一部を改正し、別添の溶出試験を追加収載することとしたので、貴管下関係業者に対し周知方御配慮願いたい。

チアミンジスルフィド10mg・ピリドキシン塩酸塩50mg・シアノコバラミン0.25mg錠

Thiamine Disulfide 10mg,Pyridoxine Hydrochloride 50mg and Cyanocobalamin 0.25mg Tablets

溶出性〈6.10〉 本操作は光を避けて行う.本品1個をとり,試験液に水900mLを用い,パドル法により,毎分50回転で試験を行う.溶出試験を開始し,規定時間後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する.初めのろ液10mLを除き,次のろ液を試料溶液(1)とする.試料溶液(1)2mLを正確に量り,0.1mol/L塩酸試液2mLを正確に加え,試料溶液(2)とする.

本品が溶出規格を満たすときは適合とする.

チアミンジスルフィド,ピリドキシン塩酸塩

別にチアミンジスルフィド標準品(別途0.2gにつき,容量滴定法,直接滴定により水分<2.48>を測定しておく)約15mgを精密に量り,0.1mol/L塩酸試液に溶かし,正確に50mLとし,標準原液(1)とする.また,ピリドキシン塩酸塩標準品をシリカゲルを乾燥剤として4時間減圧乾燥し,その約25mgを精密に量り,0.1mol/L塩酸試液に溶かし,正確に50mLとし,標準原液(2)とする.標準原液(1)2mLを正確に量り,標準原液(2)6mLを正確に加え,更に0.1mol/L塩酸試液を加えて正確に50mLとする.この液2mLを正確に量り,水2mLを正確に加え,標準溶液とする.試料溶液(2)及び標準溶液20μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフィー<2.01>により試験を行い,それぞれの液のチアミンジスルフィド及びピリドキシンのピーク面積ATa及びATb並びにASa及びASbを測定する.

チアミンジスルフィド(C24H34N8O4S2)の表示量に対する溶出率(%)=WSa×(ATa/ASa)×(1/Ca)×72

ピリドキシン塩酸塩(C8H11NO3・HCl)の表示量に対する溶出率(%)=WSb×(ATb/ASb)×(1/Cb)×216

WSa:脱水物に換算したチアミンジスルフィド標準品の秤取量(mg)

WSb:ピリドキシン塩酸塩標準品の秤取量(mg)

Ca:1錠中のチアミンジスルフィド(C24H34N8O4S2)の表示量(mg)

Cb:1錠中のピリドキシン塩酸塩(C8H11NO3・HCl)の表示量(mg)

試験条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:250nm)

カラム:内径4.6mm,長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする.

カラム温度:40℃付近の一定温度

移動相:リン酸二水素カリウム6.80g及び1―オクタンスルホン酸ナトリウム0.26gをとり,水に溶かして1000mLとした後,リン酸でpHを2.1に調整する.この液870mLにアセトニトリル130mLを加える.

流量:ピリドキシンの保持時間が約3分になるように調整する.

システム適合性

システムの性能:標準溶液20μLにつき,上記の条件で操作するとき,ピリドキシン,チアミンジスルフィドの順で溶出し,その分離度が5以上,各成分のピークの理論段数及びシンメトリー係数は,それぞれ1500段以上,2.0以下である.

システムの再現性:標準溶液20μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,ピリドキシン及びチアミンジスルフィドのピーク面積の相対標準偏差はそれぞれ2.0%以下である.

シアノコバラミン

別に,シアノコバラミン標準品(別途酸化リン(V)を乾燥剤として100℃で4時間減圧(0.67kPa以下)乾燥し,その減量<2.41>を測定しておく)約20mgを精密に量り,水に溶かし,正確に200mLとする.この液5mLを正確に量り,水を加えて正確に100mLとする.この液5mLを正確に量り,水を加えて正確に100mLとし,標準溶液とする.試料溶液(1)及び標準溶液100μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフィー<2.01>により試験を行い,それぞれの液のシアノコバラミンのピーク面積ATc及びAScを測定する.

シアノコバラミン(C63H88CoN14O14P)の表示量に対する溶出率(%)=WSc×(ATc/ASc)×(1/Cc)×9/8

WSc:乾燥物に換算したシアノコバラミン標準品の秤取量(mg)

Cc:1錠中のシアノコバラミン(C63H88CoN14O14P)の表示量(mg)

試験条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:361nm)

カラム:内径4.6mm,長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする.

カラム温度:40℃付近の一定温度

移動相:酢酸アンモニウム3.85gを水約900mLに溶かし,酢酸(100)でpHを4.0に調整し,水を加えて1000mLとする.この液890mLにアセトニトリル110mLを加える.

流量:シアノコバラミンの保持時間が約7分になるように調整する.

システム適合性

システムの性能:標準溶液100μLにつき,上記の条件で操作するとき,シアノコバラミンのピークの理論段数及びシンメトリー係数は,それぞれ1500段以上,2.0以下である.

システムの再現性:標準溶液100μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,シアノコバラミンのピーク面積の相対標準偏差は3.0%以下である.

溶出規格

 

表示量

規定時間

溶出率

チアミンジスルフィド

10mg

3時間

80%以上

ピリドキシン塩酸塩

50mg

3時間

80%以上

シアノコバラミン

0.25mg

3時間

85%以上

エデト酸カルシウム二ナトリウム腸溶錠

Calcium Disodium Edetate Enteric-coated Tablets

溶出性 <6.10>

〔pH1.2〕本品1個をとり,試験液に溶出試験第1液900mLを用い,パドル法により,毎分100回転で試験を行う.溶出試験を開始し,規定時間後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する.初めのろ液10mLを除き,次のろ液VmLを正確に量り,表示量に従い1mL中にエデト酸カルシウム二ナトリウム(C10H12CaN2Na2O8)約11.1μgを含む液となるように0.1mol/L塩酸試液を加えて正確にV′mLとする.この液20mLを正確に量り,0.01mol/L塩化鉄(Ⅲ)試液1mLを正確に加え,試料溶液とする.別にエデト酸カルシウム二ナトリウム標準品(別途0.2gにつき,容量滴定法,直接滴定により水分<2.48>を測定しておく)約22mgを精密に量り,溶出試験第1液に溶かし,正確に200mLとする.この液10mLを正確に量り,0.1mol/L塩酸試液を加えて正確に100mLとする.更に,この液20mLを正確に量り,0.01mol/L塩化鉄(Ⅲ)試液1mLを正確に加え,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液10μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフィー<2.01>により試験を行い,それぞれの液のエデト酸のピーク面積AT及びASを測定する.

本品が溶出規格を満たすときは適合とする.

エデト酸カルシウム二ナトリウム(C10H12CaN2Na2O8)の表示量に対する溶出率(%)=WS×(AT/AS)×(V’/V)×(1/C)×45

WS:脱水物に換算したエデト酸カルシウム二ナトリウム標準品の秤取量(mg)

C:1錠中のエデト酸カルシウム二ナトリウム(C10H12CaN2Na2O8)の表示量(mg)

〔pH6.8〕本品1個をとり,試験液に溶出試験第2液900mLを用い,パドル法により,毎分100回転で試験を行う.溶出試験を開始し,規定時間後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する.初めのろ液10mLを除き,次のろ液VmLを正確に量り,表示量に従い1mL中にエデト酸カルシウム二ナトリウム(C10H12CaN2Na2O8)約11.1μgを含む液となるように0.1mol/L塩酸試液を加えて正確にV′mLとする.この液20mLを正確に量り,0.01mol/L塩化鉄(Ⅲ)試液1mLを正確に加え,試料溶液とする.別にエデト酸カルシウム二ナトリウム標準品(別途0.2gにつき,容量滴定法,直接滴定により水分<2.48>を測定しておく)約22mgを精密に量り,溶出試験第2液に溶かし,正確に200mLとする.この液10mLを正確に量り,0.1mol/L塩酸試液を加えて正確に100mLとする.更に,この液20mLを正確に量り,0.01mol/L塩化鉄(Ⅲ)試液1mLを正確に加え,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液10μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフィー<2.01>により試験を行い,それぞれの液のエデト酸のピーク面積AT及びASを測定する.

本品が溶出規格を満たすときは適合とする.

エデト酸カルシウム二ナトリウム(C10H12CaN2Na2O8)の表示量に対する溶出率(%)=WS×(AT/AS)×(V’/V)×(1/C)×45

WS:脱水物に換算したエデト酸カルシウム二ナトリウム標準品の秤取量(mg)

C:1錠中のエデト酸カルシウム二ナトリウム(C10H12CaN2Na2O8)の表示量(mg)

試験条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:255nm)

カラム:内径4mm,長さ25cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする.

カラム温度:40℃付近の一定温度

移動相:臭化テトラ―n―ブチルアンモニウム3.2gを水に溶かし1000mLとした液にリン酸を加え,pH2.5に調整する.この液960mLにアセトニトリル40mLを加える.

流量:エデト酸の保持時間が約8分になるように調整する.

システム適合性

システムの性能:標準溶液10μLにつき,上記の条件で操作するとき,エデト酸のピークの理論段数及びシンメトリー係数は,それぞれ5000段以上,2.0以下である.

システムの再現性:標準溶液10μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,エデト酸のピーク面積の相対標準偏差は2.0%以下である.

溶出規格

表示量

pH

規定時間

溶出率

500mg

1.2

120分

5%以下

 

6.8

120分

80%以上

エデト酸カルシウム二ナトリウム標準品 C10H12CaN2Na2O8:374.27({N,N’―1,2―エタンジイルビス[N―(カルボキシメチル)グリシナト]}(4―)―N,N’,O,O’,ON,―ON’)カルシウム酸(2―)二ナトリウムで,下記の規格に適合するもの.

性状 本品は白色の粉末又は粒である.

pH<2.54> 本品2.0gを水に溶かし10mLとした液のpHは6.5~8.0である.

純度試験

エデト酸ナトリウム水和物 本品1.00gをとり,水50mLに溶かし,pH10.7のアンモニア・塩化アンモニウム緩衝液5mLを加え,0.01mol/L塩化マグネシウム液で滴定<2.50>する.その消費量は3.0mL以下(エデト酸ナトリウム水和物として1.2%以下)である(指示薬:エリオクロムブラックT・塩化ナトリウム指示薬40mg).ただし,滴定の終点は液の青色が赤色に変わるときとする.

水分<2.48> 13.0%以下(0.2g,容量滴定法,直接滴定).

含量 換算した脱水物に対し,99.0%以上. 定量法 本品約0.5gを精密に量り,水を加えて溶かし,正確に200mLとし,この液20mLを正確に量り,水80mLを加え,更に希硝酸を加えてpHを2~3に調整し,0.01mo1/L硝酸ビスマス液で滴定<2.50>する(指示薬:キシレノールオレンジ試液2滴).ただし,滴定の終点は液の黄色が赤色に変わるときとする.同様の方法で空試験を行い,補正する.

0.01mo1/L硝酸ビスマス液1mL=3.743mg C10H12CaN2Na2O8

0.01mol/L塩化鉄(Ⅲ)試液 塩化鉄(Ⅲ)六水和物0.27gを0.01mol/L塩酸試液に溶かし,100mLとする.

ヒドロキシジンパモ酸塩錠

Hydroxyzine Pamoate Tablets

溶出性〈6.10〉 本品1個をとり,試験液に溶出試験第1液900mLを用い,パドル法により,毎分50回転で試験を行う.溶出試験を開始し,規定時間後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する.初めのろ液10mLを除き,次のろ液VmLを正確に量り,表示量に従い1mL中にヒドロキシジン塩酸塩(C21H27ClN2O2・2HCl)約28μgを含む液となるように溶出試験第1液を加えて正確にV’mLとし,試料溶液とする.別にヒドロキシジン塩酸塩標準品を105℃で2時間乾燥し,その約28mgを精密に量り,溶出試験第1液に溶かし,正確に100mLとする.この液5mLを正確に量り,溶出試験第1液を加えて正確に50mLとし,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液20μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフィー〈2.01〉により試験を行い,それぞれの液のヒドロキシジンのピーク面積AT及びASを測定する.

本品が溶出規格を満たすときは適合とする.

ヒドロキシジン塩酸塩(C21H27ClN2O2・2HCl)の表示量に対する溶出率(%)=WS×(AT/AS)×(V’/V)×(1/C)×90

WS:ヒドロキシジン塩酸塩標準品の秤取量(mg)

C:1錠中のヒドロキシジン塩酸塩(C21H27ClN2O2・2HCl)の表示量(mg)

試験条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:232nm)

カラム:内径4.6mm,長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする.

カラム温度:40℃付近の一定温度

移動相:リン酸3mL及び水酸化ナトリウム試液33mLを水900mLに加え,薄めたリン酸(1→10)を加えてpH2.4に調整し,更に水を加えて1000mLとする.この液350mLにメタノール650mLを加える.

流量:ヒドロキシジンの保持時間が約4分になるように調整する.

システム適合性

システムの性能:標準溶液20μLにつき,上記の条件で操作するとき,ヒドロキシジンのピークの理論段数及びシンメトリー係数は,それぞれ3000段以上,2.0以下である.

システムの再現性:標準溶液20μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,ヒドロキシジンのピーク面積の相対標準偏差は1.5%以下である.

溶出規格

表示量

規定時間

溶出率

25mg

120分

80%以上

ヒドロキシジン塩酸塩として

ヒドロキシジン塩酸塩標準品 ヒドロキシジン塩酸塩(日局).ただし,乾燥したものを定量するとき,ヒドロキシジン塩酸塩(C21H27ClN2O2・2HCl)99.0%以上を含むもの.