○政府管掌健康保険及び船員保険における一部負担金等の徴収猶予及び減免の取扱いについて〔船員保険法〕
(平成18年11月15日)
(庁保発第1115001号)
(地方社会保険事務局長あて社会保険庁運営部長通知)
(公印省略)
健康保険法(大正11年法律第70号。以下「健保法」という。)第75条の2第1項又は船員保険法(昭和14年法律第73号。以下「船保法」という。)第28条ノ3ノ3第1項の規定による一部負担金、保険外併用療養費及び訪問看護療養費に係る自己負担額の徴収猶予及び減免並びに健保法第110条の2第1項及び第2項又は船保法第31条ノ2ノ2第1項及び第2項の規定による家族療養費及び家族訪問看護療養費に係る自己負担額の徴収猶予及び減免の内容については、平成18年6月21日保発第0621002号及び平成18年9月8日保発第0908003号において示されたところであるが、その具体的な取扱いについては下記によることとし、本日をもって適用することとしたので、その運用に当たっては十分に留意の上、遺漏のないよう取り扱われたい。
なお、今回の取扱いについて、被保険者、保険医療機関、事業主、船舶所有者その他関係機関に対し、周知方特段の御配慮を願いたい。
また、個別の事案に対する当該規定の適用に伴う事務処理の取扱いについては、別途通知する。
記
第1 政府管掌健康保険
1 一部負担金の猶予又は減免の対象となる被害
(1) 対象となる災害
本措置の対象となる災害は、災害救助法(昭和22年法律第118号)の適用を受けた市町村が一以上ある災害であって、個別の災害の状況に応じ、別途通知するものであること。
(2) 対象となる被害
本措置の対象となる被害は、(1)の災害による被害であって次に掲げるものをいうものであること。
ア 住居又は家財の被害であって、被害額が当該住居又は家財の価額の概ね3分の1以上である損害
イ その他アに類する財産上又は身体上の損害
(3) (2)のアについては、当該損害を受けた住居又は家財につき、現在購入することとした場合の価額により3分の1以上の損害額を算定することを原則とすること。
この場合、住居の被害については、「災害の被害認定基準について(平成13年6月28日府政防第518号内閣府政策統括官(防災担当)通知)」に規定する被害の認定基準による住家全壊及び住家半壊を、(2)のアの損害として取り扱うものとすること。
(4) 被害の認定は、一部負担金の猶予又は減免を受けようとする者の申告に基づき、被害に係る地方公共団体等による証明書類の提出等により確認するものとすること。
(5) (2)のアの住居又は家財の損害は、その者の所有に係る住居又は家財の損害であることを原則とするが、住居が全壊して、引き続き居住できなくなった場合は、借家の場合についても(2)のアに該当するものとして差し支えないものとすること。
(6) (2)のイの身体上の損害は、療養に要する期間が概ね1ヶ月以上である傷病を基本とし、医師の診断書により確認すること。
2 一部負担金等の徴収猶予
被保険者が1の(2)のいずれかの事由に該当したことにより、その生活が困難となった場合において必要と認めるときは、当該被保険者の申請により、6ヶ月の期間を基本として個別の災害の状況に応じ別途通知する期間に係る一部負担金、保険外併用療養費に係る自己負担額(食事療養標準負担額又は生活療養標準負担額に相当するものは除く。)、訪問看護療養費に係る自己負担額、家族療養費に係る自己負担額(食事療養標準負担額又は生活療養標準負担額に相当するものは除く。)又は家族訪問看護療養費に係る自己負担額(以下「一部負担金等」という。)の徴収を猶予するものとすることができること。この場合において、当該被保険者又はその被扶養者(以下「被保険者等」という。)が、保険医療機関、保険薬局及び指定訪問看護事業者(以下「保険医療機関等」という。)に対して当該一部負担金等を支払うべきものであるときは、当該被保険者等の当該保険医療機関等に対する支払に代えて、当該一部負担金等を当該被保険者から直接に徴収することとし、その徴収を猶予することができること。
3 一部負担金等の減免
被保険者が1の(2)のいずれかの事由に該当したことにより、その生活が著しく困難となった場合において必要があると認めるときは、別途通知するところにより、当該被保険者の申請により、当該被保険者等に係る一部負担金等を減額し、又はその支払を免除することができること。
4 申請
一部負担金等の徴収猶予又は減免の措置を受けようとする被保険者又はその被扶養者(以下「加入者」という。)は、あらかじめ地方社会保険事務局長又は社会保険事務所長(以下「社会保険事務所長等」という。)に対し、申請書(別紙様式1参照)を提出しなければならないこと。
5 証明書の交付
(1) 4の申請書の提出を受けた社会保険事務所長等は、健保法第75条の2第1項又は健保法第110条の2第1項若しくは第2項の規定により、一部負担金等の徴収猶予又は減免の決定をした場合は、速やかに証明書(別紙様式2参照)を申請を行った加入者に交付するものとすること。
(2) (1)の証明書を交付した場合は、一部負担金等徴収猶予・減免証明書交付台帳(別紙様式3)に必要事項を記載すること。
この場合において、(1)の証明書を交付した社会保険事務所長が適用事業所を管轄する社会保険事務所長と異なるときは、当該証明書を交付した社会保険事務所長は、適用事業所を管轄する社会保険事務所長に対し、交付台帳に記載した事項を速やかに情報提供すること。
(3) 一部負担金等の徴収猶予又は減免の措置を受けた者が、保険医療機関等について療養の給付、保険外併用療養費の支給、訪問看護療養費の支給、家族療養費の支給又は家族訪問看護療養費の支給(以下「療養の給付等」という。)を受けようとするときは、(1)の証明書を健康保険被保険者証に添えて当該保険医療機関等に提出しなければならないこと。
6 保険医療機関等における取扱い
(1) 証明書の交付を受けた者が、保険医療機関等から療養の給付等を受ける際に健康保険被保険者証に当該証明書を添えて提出した場合、一部負担金等を減額された者は減額された一部負担金等を支払えば足り、一部負担金等の支払を徴収猶予又は免除された者は一部負担金等の支払を要しないものであること。
(2) 証明書の提出を受けた保険医療機関等は、徴収猶予又は減額若しくは免除された一部負担金等の支払を受けることを要せず、当該一部負担金等相当額については社会保険診療報酬支払基金に請求するものであること。
7 徴収猶予及び減免の取消
(1) 証明書を交付した社会保険事務所長等は、一部負担金等の徴収猶予の措置を受けた者が次のいずれかに該当する場合においては、その徴収猶予をした一部負担金等の全部又は一部についてその徴収猶予を取り消し、これを一時に徴収することができること。
① 徴収猶予を受けた者の資力その他の事情が変化したため、徴収猶予をすることが不適当であると認められるとき。
② 一部負担金の納入を免れようとする行為があったと認められるとき。
(2) 証明書を交付した社会保険事務所長等は、偽りの申請その他不正の行為により一部負担金等の減免を受けた者がある場合においてこれを発見したときは、直ちに当該一部負担金等の減免を取り消すものとすること。この場合において、当該被保険者等が保険医療機関等について療養の給付等を受けたものであるときは、当該社会保険事務所長等は、直ちに減免を取り消した旨及び取消の年月日を当該保険医療機関等に通知するとともに、当該被保険者等がその取消しの日の前日までの間に減免によりその支払を免れた額を当該保険者に返還させるものとすること。
第2 船員保険関係
船員保険についても、第1に準じて取り扱うこと。この場合において、一部負担金等の徴収猶予又は減免に係る申請及びこれに係る証明書を交付した場合の申請書、証明書及び一部負担金等徴収猶予・減免証明書交付台帳については、それぞれ別紙様式1の2、様式2の2及び様式3の2によるものとすること。
災害時の一部負担金の減免等について
1.趣旨
○ 今般の健康保険法(大正11年法律第70号)の一部改正により、災害その他の特別な事情がある被保険者等が一部負担金を支払うことが困難である場合に、保険者の判断で一部負担金の減免・猶予措置を講ずることができることとされた(他の医療保険各法には、従前から同様の規定あり。)。
○ 「災害その他の特別な事情」の内容としては、健康保険法施行規則の一部改正により、被保険者が「震災、風水害、火災その他これらに類する災害により、住宅、家財又はその他の財産について著しい損害を受けたこと」とすることが規定されている。
2.政府管掌健康保険における取扱い
○ 今回、災害の発生時における政府管掌健康保険としての事務の取扱いの基本的な事項について、以下のとおり定めることとする。
なお、個別の災害により、被害の状況、規模等は大きく異なることから、災害発生時の具体的な事務の取扱いについては、個別の災害の状況に応じて通知を発出することとする(国保でも、同様の方式によっている。)。
(基本的事項)
① 対象となる災害
→ 災害救助法(昭和22年法律第118号)の適用を受けた市町村が一以上ある災害であって、別途通知で指定するものとする。
② 対象となる被害
→
・ ①の災害による住居又は家財の被害であって、被害額が当該住居又は家財の価額の概ね3分の1以上である損害(※)
・ これに準ずる財産上又は身体上の被害
※ 「災害の認定基準について(平成13年6月28日府政防第518号内閣府政策統括官(防災担当)通知)」に規定する被害の認定基準による住家全壊及び住家半壊も、当該損害として取り扱う。
③ 措置の内容
ア 一部負担金の猶予
→
・ 被保険者が②のいずれかの事由に該当したことにより、その生活が困難となった場合に、6ヶ月を基本として、一部負担金、保険外併用療養費に係る自己負担額、訪問看護療養費に係る自己負担額、家族療養費に係る自己負担額又は家族訪問看護療養費に係る自己負担額(以下「一部負担金等」という。)の徴収を猶予。
・ 猶予の期間については、別途、通知で定める。
イ 一部負担金の減免
→
・ 被保険者が②のいずれかの事由に該当したことにより、その生活が著しく困難となった場合に、当該被保険者等に係る一部負担金等を減額し、又はその支払いを免除。
・ 減免の期間及び程度については、別途、通知で定める。
④ 手続
・ 一部負担金等の減免等を受けようとする被保険者又は被扶養者(以下「加入者」という。)は、あらかじめ地方社会保険事務局長又は社会保険事務所長に(以下「社会保険事務所長等」という。)に申請書を提出。
↓
・ 申請を受けた社会保険事務所長等において一部負担金等の減免等の決定を行った場合は、速やかに証明書を交付。
↓
・ 一部負担金等の減免等の措置を受けた者が、保険医療機関等において療養の給付等の支給を受けようとするときは、当該証明書を被保険者証に添えて当該保険医療機関に提出。
↓
・ 証明書を受けた保険医療機関等は、徴収猶予又は減額若しくは免除された一部負担金等の支払を受けることを要せず、当該一部負担金等相当額については、社会保険診療報酬支払基金に請求。
⑤ 徴収猶予及び減免の取消
ア 一部負担金の猶予の取消
証明書を交付した社会保険事務所長等は、一部負担金等の徴収猶予の措置を受けた者が次のいずれかに該当する場合においては、その徴収猶予をした一部負担金等の全部又は一部についてその徴収猶予を取り消し、これを一時に徴収することができる。
・ 徴収猶予を受けた者の資力その他の事情が変化したため、徴収猶予をすることが不適当であると認められるとき。
・ 一部負担金の納入を免がれようとする行為があったと認められるとき。
イ 一部負担金の減免の取消
証明書を交付した社会保険事務所長等は、偽りの申請その他不正の行為により一部負担金等の減免を受けた者がある場合においてこれを発見したときは、ただちに当該一部負担金等の減免を取り消すものとする。
3.船員保険における取扱い
○ 政管健保におけると同様の取扱いとする。
(参考1)過去の災害における措置の例
○阪神・淡路大震災の例
・ 阪神・淡路大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律(平成7年法律第16号)に基づき、全保険者において、一部負担金の猶予及び減免の措置を実施(最長平成7年12月末までの時限措置)。
・ 対象となる地域及び期間については、別途告示を行った。
○新潟県中部地震の例
・ 政管健保からは特段の減免措置等を実施せず。
・ 一部の健保組合においては附加給付の仕組みにより、減免措置を実施。
(参考2)関係条文
○健康保険法(大正11年法律第70号)(抄)
(一部負担金の額の特例)
第七十五条の二 保険者は、災害その他の厚生労働省令で定める特別の事情がある被保険者であって、保険医療機関又は保険薬局に第七十四条第一項の規定による一部負担金を支払うことが困難であると認められるものに対し、次の措置を採ることができる。
一 一部負担金を減額すること。
二 一部負担金の支払を免除すること。
三 保険医療機関又は保険薬局に対する支払に代えて、一部負担金を直接に徴収することとし、その徴収を猶予すること。
2 前項の措置を受けた被保険者は、第七十四条第一項の規定にかかわらず、前項第一号の措置を受けた被保険者にあってはその減額された一部負担金を保険医療機関又は保険薬局に支払うをもって足り、同項第二号又は第三号の措置を受けた被保険者にあっては一部負担金を保険医療機関又は保険薬局に支払うことを要しない。
3 前条の規定は、前項の場合における一部負担金の支払について準用する。
○健康保険法施行規則(大正十五年内務省令第三十六号)(抄)
(法第七十五条の二第一項の厚生労働省令で定める特別の事情)
第五十六条の二 法第七十五条の二第一項の厚生労働省令で定める特別の事情は、被保険者が、震災、風水害、火災その他これらに類する災害により、住宅、家財又はその他の財産について著しい損害を受けたこととする。
○健康保険及び船員保険における一部負担金等の徴収猶予及び減免の取扱いについて
(平成18年9月14日)
(保保発第0914001号)
(社会保険庁運営部医療保険課長あて厚生労働省保険局保険課長通知)
(公印省略)
健康保険法等の一部を改正する法律(平成18年法律第83号)の一部及び健康保険法施行規則等の一部を改正する省令(平成18年厚生労働省令第157号)が平成18年10月1日から施行されるところであり、健康保険法(大正11年法律第70号。以下「健保法」という。)第75条の2第1項又は船員保険法(昭和14年法律第73号。以下「船保法」という。)第28条ノ3ノ3第1項の規定による一部負担金、保険外併用療養費及び訪問看護療養費に係る自己負担額の徴収猶予及び減免並びに健保法第110条の2第1項及び第2項又は船保法第31条ノ2ノ2第1項及び第2項の規定による家族療養費及び家族訪問看護療養費に係る自己負担額の徴収猶予及び減免の内容については、平成18年6月21日保発第0621002号及び平成18年9月8日保発第0908003号において示されたところであるが、その具体的な取扱いについては下記によることとしたので、その運用に当たっては十分に留意の上、遺憾なきを期されたい。
なお、今回の取扱いについて、被保険者、保険医療機関、事業主、船舶所有者その他関係機関に対し、周知方特段の御配慮を願いたい。
記
第1 健康保険関係
1 一部負担金等の徴収猶予
保険者は、被保険者が震災、風水害、火災その他これらに類する災害により、住宅、家財又はその他の財産について著しい損害を受けたこと(2において「減免事由に該当したこと」という。)により、その生活が困難となった場合において必要と認めるときは、当該被保険者の申請により、6ヶ月以内の期間を限って、一部負担金、保険外併用療養費に係る自己負担額(食事療養標準負担額又は生活療養標準負担額に相当するものは除く。)、訪問看護療養費に係る自己負担額、家族療養費に係る自己負担額(食事療養標準負担額又は生活療養標準負担額に相当するものは除く。)又は家族訪問看護療養費に係る自己負担額(以下「一部負担金等」という。)の徴収を猶予するものとすることができること。この場合において、当該被保険者又はその被扶養者(以下「被保険者等」という。)が、保険医療機関、保険薬局及び指定訪問看護事業者(以下「保険医療機関等」という。)に対して当該一部負担金等を支払うべきものであるときは、当該被保険者等の当該保険医療機関等に対する支払に代えて、保険者が当該一部負担金等を当該被保険者から直接に徴収することとし、その徴収を猶予することができること。
2 一部負担金等の減免
保険者は、被保険者が減免事由に該当したことにより、その生活が著しく困難となった場合において必要があると認めるときは、当該被保険者の申請により当該被保険者及びその被扶養者に係る一部負担金等を減額し、又はその支払を免除することができること。
3 前記1及び2の場合における生活困難の認定は、地域の特殊事情、被保険者の生活実態等に即して適正に実施するよう配慮すること。
また、前記1及び2の取扱いは、財政運営に与える影響を考慮した上で、各保険者の判断により弾力的に実施すること。
4 申請
一部負担金等の徴収猶予又は減免の措置を受けようとする者は、あらかじめ保険者に対し、申請書(別紙様式1参照)を提出しなければならないこと。
5 証明書の交付
(1) 保険者は、健保法第75条の2第1項又は健保法第110条の2第1項若しくは第2項の規定により、一部負担金等の徴収猶予又は減免の決定をした場合は、速やかに証明書(別紙様式2参照)を申請者に交付するものとすること。
(2) 一部負担金等の徴収猶予又は減免の措置を受けた者が、保険医療機関等について療養の給付、保険外併用療養費の支給、訪問看護療養費の支給、家族療養費の支給又は家族訪問看護療養費の支給(以下「療養の給付等」という。)を受けようとするときは、(1)の証明書を健康保険被保険者証に添えて当該保険医療機関等に提出しなければならないこと。
6 保険医療機関等における取扱い
(1) 証明書の交付を受けた者が、保険医療機関等から療養の給付等を受ける際に健康保険被保険者証に当該証明書を添えて提出した場合、一部負担金等を減額された者は減額された一部負担金等を支払えば足り、一部負担金等の支払を徴収猶予又は免除された者は一部負担金等の支払を要しないものであること。
(2) 証明書の提出を受けた保険医療機関等は、徴収猶予又は減額若しくは免除された一部負担金等の支払を受けることを要せず、当該一部負担金等相当額については審査支払機関に請求するものであること。
7 徴収猶予及び減免の取消
(1) 保険者は、一部負担金等の徴収猶予の措置を受けた者が次のいずれかに該当する場合においては、その徴収猶予をした一部負担金等の全部又は一部についてその徴収猶予を取り消し、これを一時に徴収することができること。
① 徴収猶予を受けた者の資力その他の事情が変化したため、徴収猶予をすることが不適当であると認められるとき。
② 一部負担金の納入を免がれようとする行為があったと認められるとき。
(2) 保険者は、偽りの申請その他不正の行為により一部負担金等の減免を受けた者がある場合においてこれを発見したときは、ただちに当該一部負担金等の減免を取り消すものとすること。この場合において当該被保険者等が保険医療機関等について療養の給付等を受けたものであるときは、保険者は、ただちに、減免を取り消した旨及び取消の年月日を当該保険医療機関等に通知するとともに、当該被保険者等がその取消の日の前日までの間に減免によりその支払を免がれた額を当該保険者に返還させるものとすること。
第2 船員保険関係
船員保険についても、Ⅰに準じて取り扱うこと。
○災害の被害認定基準について
(平成13年6月28日)
(府政防第518号)
(内閣府政策統括官(防災担当)から警察庁警備局長、消防庁次長、厚生労働省社会・援護局長、中小企業庁次長、国土交通省住宅局長あて通知)
災害の被害認定基準は、災害時の被害状況の報告のため、関係各省庁の通達等で定めていたものであるが、判断基準について各省庁に差異があることから、昭和43年6月に統一されたものである。
しかしながら、災害の被害認定基準はその後既に30数年が経過しており、特に住家の被害については、建築技術の進歩による住宅構造や仕様の変化などから、最近の災害に係る住家の被害認定については実情に合わないのではないかとの指摘がなされた。
このような状況から、現行の被害認定基準のうち住家の全壊・半壊に係る認定基準について、関係省庁等の参加の下、内閣府に設置された「災害に係る住宅等の被害認定基準検討委員会」において検討を行った結果、このたび成案を得たので、内閣総理大臣官房審議室長通知「災害の被害認定基準の統一について(昭和43年6月14日総審第115号)」において通知した統一基準を別紙のとおり改めることとした。
従って、貴省庁におかれては、災害の被害状況の報告等の重要性にかんがみ、この方向で統一するようよろしくお取り計らい願いたい。
なお、この案に基づき、災害の被害認定基準に関する通達等において所要の改正を行われた場合には、当方にも通知されるようお願いする。
別紙
被害種類 |
認定基準 |
死者 |
当該災害が原因で死亡し、死体を確認したもの、または死体を確認することができないが死亡したことが確実なものとする。 |
行方不明者 |
当該災害が原因で所在不明となり、かつ死亡の疑いのあるものとする。 |
重傷者 軽傷者 |
災害のため負傷し、医師の治療を受けまたは受ける必要のあるもののうち、「重傷者」とは1月以上の治療を要する見込みの者とし、「軽傷者」とは、1月未満で治療できる見込みの者とする。 |
住家全壊(全焼・全流失) |
住家がその居住のための基本的機能を喪失したもの、すなわち、住家全部が倒壊、流失、埋没、焼失したもの、または住家の損壊が甚だしく、補修により元通りに再使用することが困難なもので、具体的には、住家の損壊、焼失若しくは流失した部分の床面積がその住家の延床面積の70%以上に達した程度のもの、または住家の主要な構成要素の経済的被害を住家全体に占める損害割合で表し、その住家の損害割合が50%以上に達した程度のものとする。 |
住家半壊(半焼) |
住家がその居住のための基本的機能の一部を喪失したもの、すなわち、住家の損壊が甚だしいが、補修すれば元通りに再使用できる程度のもので、具体的には、損壊部分がその住家の延床面積の20%以上70%未満のもの、または住家の主要な構成要素の経済的被害を住家全体に占める損害割合で表し、その住家の損害割合が20%以上50%未満のものとする。 |
住家 |
現実に居住のため使用している建物をいい、社会通念上の住家であるかどうかを問わない。 |
非住家 |
住家以外の建築物をいうものとする。 なお、官公署、学校、病院、公民館、神社、仏閣等は非住家とする。ただし、これらの施設に、常時、人が居住している場合には、当該部分は住家とする。 |
(注)
(1) 住家被害戸数については「独立して家庭生活を営むことができるように建築された建物または完全に区画された建物の一部」を戸の単位として算定するものとする。
(2) 損壊とは、住家が被災により損傷、劣化、傾斜等何らかの変化を生じることにより、補修しなければ元の機能を復元し得ない状況に至ったものをいう。
(3) 主要な構成要素とは、住家の構成要素のうち造作等を除いたものであって、住家の一部として固定された設備を含む。
(別紙)様式1
様式2
(別紙)様式1―2
様式2―2
様式3