○「住所地の都道府県共同募金会に対して行った寄附金についての個人住民税の取扱について」の一部改正について
(平成20年11月4日)
(社援発第1104001号)
(各都道府県知事あて厚生労働省社会・援護局長通知)
各都道府県共同募金会に対して行った寄附金についての個人住民税に係る寄附金控除については、「住所地の都道府県共同募金会に対して行った寄附金についての個人住民税の取扱について」(平成元年8月4日付け厚生省社会局長通知)により定められているところであるが、今般、地方税法等の一部を改正する法律(平成20年法律第21号)が平成20年4月30日に公布され、平成21年度以後の各年度分の個人の道府県民税及び市町村民税に係る寄附金税制について、寄附金控除の適用下限額を5,000円(現行10万円)に引き下げることとするなどの措置が講じられ、本年1月1日以降に支出された寄附金から適用されることとなった。
ついては、当該通知を別紙のとおり改正することとしたので、御了知されたい。
おって、今回の改正に伴う実施細目については、中央共同募金会から各都道府県共同募金会に対し別途連絡する予定であるので念のため申し添える。
(別紙)
[改正後全文]
○住所地の都道府県共同募金会に対して行った寄附金についての個人住民税の取扱いについて
(平成元年8月4日)
(社庶第151号)
各都道府県共同募金会に対する寄附金については、従来所得税法の特定寄付金として取り扱われてきたところであるが、今般、平成元年度税制改正の一環として、個人住民税についても賦課期日(1月1日)現在の住所所在の都道府県共同募金会に対して前年中に10万円を超える寄附を行った場合において、当該寄附金のうち10万円を超える金額について寄附金控除を設けることとし、別紙のとおり、関係法令・告示の改正等が行われ、本年1月1日以降に支出された寄附金から運用されることとなった。
今回の措置については、地域の実情に応じた効果的な寄附金の配分を期すとともに、税制上税の不当軽減をきたす結果とならないよう、左記事項にご留意のうえ、貴都道府県共同募金会及び関係団体に対し、指導願いたい。
なお、本件及び本件に係る実施細目については、中央共同募金会から各都道府県共同募金会に対し別途連絡する予定であるので念のため申し添える。
記
1 今回寄附金税額控除の対象とされたのは、共同募金としての寄附金及び共同募金以外の寄附金であり、その範囲については、次の点を除き基本的に従来の所得税法の特定寄附金の範囲と同一であること。
(1) 対象となる寄附金は、賦課期日(1月1日)現在の住所所在の都道府県共同募金会において受け入れたものに限られ、他の都道府県共同募金会及び中央共同募金会において受け入れたものは対象とならないこと。
(2) 寄附金税額控除は、前年中の対象となる寄附金の総額が5,000円を超える場合に当該超える額について行われるものであること。
2 寄附金の受入れや配分に当たっては、地域の実情に応じた効果的な寄附金の配分の観点から、地方公共団体の施策との連携に十分留意すること。
3 寄附金の受入れに際しては、別添1の「寄附金受入れに際しての留意事項」に基づき、寄附者に対し当該寄附金の地方税法上の取扱いについて周知徹底を図るとともに、住民税に係る寄附金税額控除の適用を希望する者には所定の領収書を発行すること。
4 共同募金としての寄附金については、3に定めるところによるほか、毎年度、その募集に当たり総務大臣の承認を受けたところによること。
5 共同募金以外の寄附金の取扱いについては、3に定めるところによるほか、別添2の「共同募金以外の寄附金取扱基準」によること。
6 都道府県共同募金会は、3により発行した領収書の控に基づき、寄附金税額控除の対象となる前年中の寄附金に係る寄附者ごとの氏名、住所、寄附金額及び寄附金を受入れた日の一覧を毎年寄附者の住所地の市町村ごとに作成し、3月15日までに各市町村の税務担当課に送付するとともに、これを7年間保存すること。
7 中央共同募金会は、毎会計年度終了後2月以内に都道府県共同募金会の実績をとりまとめ、厚生労働省を経由して総務省に報告すること。
別紙(略)
別添1
寄附金受入れに際しての留意事項
1 管内在住者に対する領収書の交付
寄附金受入れ時において、寄附者が当該都道府県共同募金会の区域内に住所を有している場合には、寄附者の住所及び氏名を記載した領収書を交付するとともに、次の事項について周知徹底を図ること。
(1) 年間の寄附金の総額が5,000円を超える場合に、5,000円を超える額について住民税に係る寄附金税額控除の適用が受けられること。
(2) 交付した領収書は、寄附金税額控除の適用を受けるために確定申告又は住民税の申告を行う際に必要であること。
(3) 翌年1月1日までの間に、当該都道府県共同募金会の区域外に転居した場合には、(1)にかかわらず、住民税に係る寄附金税額控除の適用は受けられなくなること。
2 管内非在住者の取扱い
寄附金受入れ時において、寄附者が当該都道府県共同募金会の区域内に住所を有しない場合には、次の事項について周知徹底を図ること。
(1) 当該都道府県共同募金会の区域内に住所を有しないため、(2)の場合を除き、住民税に係る寄附金税額控除の適用は受けられないこと。
(2) 翌年1月1日までの間に、当該都道府県共同募金会の区域内に転居し、かつ、年間の寄附金の総額が5,000円を超える場合には、住民税に係る寄附金税額控除の適用が受けられること。
(3) (2)に該当することにより、寄附金税額控除の適用を受けようとする者は、確定申告又は住民税の申告前に当該都道府県共同募金会に申し出る必要があること。
3 転入の場合の取扱い
2(3)の申し出があった場合には、当該都道府県共同募金会は、速やかに、所定の領収書を交付(所得税法上の特定寄付金としての取扱いを受けるため、既に領収書を交付している場合には、住民税に係る寄附金税額控除の対象となる寄附金である旨を記載する等当該領収書を補正)すること。
別添2
共同募金以外の寄附金取扱基準
第一 対象
社会福祉事業又は更生保護事業を営むことを主たる目的とする者のこれらの事業の用に供される土地、建物及び機械その他の設備の取得若しくは改良の費用(融資により、すでに取得し、又は改良した土地、建物及び機械その他の設備に係る償還に要する費用を含む。以下「社会福祉施設整備費」という。)、これらの事業に係る経常的経費(職員の人件費、研修費及び入所者の処遇費その他社会福祉事業又は更生保護事業に係る相談、助成等の経費をいい、以下「経常的経費」という。)又は社会福祉事業に係る民間奉仕活動に必要な基金(以下「基金造成費」という。)に充てるため、都道府県共同募金会(以下「共同募金会」という。)に対して当該共同募金会の区域内に住所を有する個人から支出される寄附金であって、寄附者が住民税に係る寄附金税額控除の対象となる寄附金として取り扱われることを希望するものを対象とする。
第二 寄附金の受入れ
1 受入れの決定
(1) 共同募金会は、寄附金を受け入れるときは、寄附者から寄附申込書の提出を求めるものとする。
(2) 共同募金会は、受配者を指定していない寄附金については、直ちに受け入れるものとする。
(3) 共同募金会は、受配者を指定している寄附金(以下「受配者指定寄附金」という。)については、当該寄附金が住民税に係る寄附金税額控除の対象となる寄附金として取り扱う趣旨に適合しているものであるかどうかを審査し、適合しているものについて受け入れるものとする。
2 受配者指定寄附金の受入れの審査基準
(1) 受配者指定寄附金は、次の基準に適合するものでなければならないものとする。
① 社会福祉施設整備費、経常的経費又は基金造成費であって、社会福祉の増進に著しく寄与するとともに緊急に必要とされるものであること。
② 当該寄附者について、税の不当な軽減をきたす結果とならないこと。
(2) この基準において「特別の関係」とは、寄附者と受配者との間の次に掲げる関係をいう。
① 寄附者又はその親族が受配者の役員又は職員であるという関係(②に該当する場合を除く。)
② 寄附者が受配者との間において、建設請負、物品納入、物品貸付又は業務委託に係る契約を締結している関係
(3) 受配者指定寄附金について、寄附者と特別の関係にある者を受配者とする場合は、次のいずれかに該当するもの(寄附者と受配者との間に(2)の②の特別な関係がある場合は、③に限る。)を除き、税の不当軽減をきたす結果となるものとみなす。
① 当該寄附者の寄附金の額の二分の一を超える金額が当該寄附者と特別の関係にある者以外の者に配分されるもの
② 受配者と特別の関係にある各寄附者の寄附額の額のそれぞれ当該受配者に対する総配分額の二分の一に満たないもの
③ ①又は②に該当しない場合であって、共同募金会が次に掲げる要件を充たしていると認めたもの
ア 寄附者と特別の関係にある者の受配者からの報酬の受給状況及び受配施設の利用状況が適正であること。
イ 寄附者と受配者との間に建設請負に係る契約を締結している関係がある場合は、その契約手続について、都道府県市が行う公共事業の扱いに準じて適切に行われており、かつ、一括下請負が行われていないこと。
ウ 寄附者と受配者との間に物品納入、物品貸付又は業務委託に係る契約を締結している関係がある場合は、その契約手続について、競争入札や複数業者からの見積合わせ、市場価格調査等により適正に行われていること。
エ 寄附者と受配者との間に(2)の②の特別の関係があり、かつ、寄附者が受配者たる法人の理事又は評議員である場合は、寄附者が当該建設請負等に係る契約の入札価格の決定や業者選定等に係る理事会又は評議員会の議事の議決に加わっていないこと。
(4) 建設請負又は物品納入に係る契約を締結している関係等がある場合の受配者指定寄附金の審査に必要な関係書類について
① 共同募金会は、建設請負又は物品納入は適切に行われたものであるかを確認するため、寄附者から必要な関係書類を提出させ、審査を行うものとする。
(関係書類の例)
ア 定款
イ 「特別の関係」にある者の一覧
ウ 役員名簿
エ 寄附金の支出を決定した役員会議事録
オ 経理規程
カ 予算・決算書
キ 下請け業者一覧
ク その他必要となる関係書類
② 共同募金会は、第三者である建築士による契約手続、契約内容等の点検等の実施に必要となる関係書類を受配者から提出させ、審査を行うものとする。
(関係書類)
ア 設計監理契約書
イ 設計監理者の選定理由書及び事業実績(過去5年間)
ウ 建築確認通知書
エ 指名参加業者への入札通知書及び入札書
オ 入札予定価格調書
カ 工事請負契約書
キ 見積書
ク 工事工程表
ケ 工事請負業者の登記簿謄本、経営事項審査決定通知書及び建築業登録証明書
コ その他必要となる関係書類
③ 共同募金会は、寄附者と受配者の間に建築請負又は物品納入に係る契約関係がない場合であっても、寄附者が当該事業の建設請負業者等の下請けの関係にある場合、又は、寄附者が当該事業の建築請負業者等及びその下請け業者である場合には、前記(1)及び(2)の関係書類を寄附者及び受配者から提出させ、審査を行うものとする。
第三 寄附金の配分
1 共同募金会は、受配者から寄附金配分申請書の提出を受けて配分計画を決定し、これに基づいて配分を行うものとする。
2 受配者を指定していない寄附金の配分計画の決定については、「第二―2 受配者指定寄附金の受入れの審査基準」の例により、取り扱うものとする。
第四 配分計画に係る事業の変更、完了報告等
1 事業の変更
(1) 受配者は、配分計画の決定後に、当該配分計画に係る事業(以下「配分事業」という。)の内容に変更が生じた場合には、配分変更申請書を共同募金会に提出するものとする。
(2) 共同募金会は、受配者からの配分変更申請書の提出を受け、「第二―2 受配者指定寄附金の受入れの審査基準」の例により審査し、適合していると認めるときは、当該事業内容の変更を決定するものとする。
2 完了報告
受配者は、配分事業が完了した場合には、完了報告書を共同募金会に提出するものとする。
3 寄附金の返還等
共同募金会は、受配者指定寄附金について、あらかじめ寄附者及び受配者から、次に該当する場合は当該寄附金を寄附者に返還することを内容とする寄附金返還承諾書の提出を受け、それに従い、当該寄附金を寄附者に返還するものとする。ただし、当該寄附金の全部又は一部を他の受配者に配分することについて当該寄附者の同意を得た場合は、この限りでない。
① 受配者から寄附金配分申請書の提出がない場合又は「1 事業の変更」により寄附金の全部又は一部の返還があった場合
② 寄附金の受入れ後に生じた事情の変更等により、「第二―2 受配者指定寄附金の受入れの審査基準」の(1)の基準その他本基準に違反することとなり、共同募金会が寄附者の返還が適当と認めた場合
第五 都道府県等との連携
共同募金会は、本基準に基づく審査に当たっては、都道府県等の関係部局から必要な指導及び協力を得て行うものとする。
第六 結果の報告及び公表
1 中央共同募金募金会は、毎会計年度終了後二月以内に共同募金会の実績を取りまとめ厚生労働省を経由して総務省に報告するものとする。
2 共同募金会は、1の報告後速やかに、当該会計年度における受配者ごとの配分額が3,000万円を超える寄附金について、寄附者及び受配者の名称並びに配分額を公表するものとする。ただし、昭和45年社庶第105号通知「共同募金会に対してなされた社会福祉に関する寄付金についての税制上の取扱いについて」の別紙「特定寄付金及び指定寄付金取扱基準」の第六―2に基づき当該事項が公表された場合は、本項に基づき公表したものとみなす。