添付一覧
○健康保険法等の一部を改正する法律の施行について
(平成18年6月21日)
(庁保発第0621001号)
(地方社会保険事務局長あて社会保険庁運営部長通知)
(公印省略)
標記については、健康保険法等の一部を改正する法律(平成18年法律第83号)が平成18年6月21日に公布されたことに伴い、別添のとおり厚生労働省から当職あて通知されたところであるので、その内容について了知の上、その運用に当たっては十分に留意するとともに、遺憾なきを期されたい。
○健康保険法等の一部を改正する法律の施行について
(平成18年6月21日)
(保発第0621002号)
(社会保険庁運営部長あて厚生労働省保険局長通知)
(公印省略)
健康保険法等の一部を改正する法律(平成18年法律第83号)(以下「法」という。)が平成18年6月21日に公布され、同日以降順次施行されることとされたところである。
これらの改正の趣旨及び主な内容は下記のとおりであるので、その運用に当たっては十分に留意の上、遺憾なきを期されたい。
記
第一 改正の趣旨
医療保険制度の将来にわたる持続的かつ安定的な運営を確保するため、医療費適正化の総合的な推進、新たな高齢者医療制度の創設、保険者の再編・統合等の措置を講ずること。
第二 改正の主な内容
第1 健康保険法の一部改正(平成18年10月1日施行)
一 保険給付に関する事項
1 入院時生活療養費に関する事項
介護保険との均衡の観点から、療養病床に入院する70歳以上の者(以下「特定長期入院被保険者」という。)の生活療養(食事療養並びに温度、照明及び給水に関する適切な療養環境の形成である療養をいう。)に要した費用について、保険給付として入院時生活療養費を支給すること。
入院時生活療養費の額は、生活療養に要する平均的な費用の額を勘案して算定した額から、平均的な家計における食費及び光熱水費の状況等を勘案して厚生労働大臣が定める生活療養標準負担額(所得の状況、病状の程度、治療の内容その他の事情をしん酌して厚生労働省令で定める者については、別に軽減して定める額)を控除した額とすること。(健康保険法第85条の2第1項及び第2項並びに第130条の2第1項関係)
2 保険外併用療養費に関する事項
特定療養費を廃止し、保険給付として保険外併用療養費を支給すること。保険外併用療養費は、評価療養(厚生労働大臣が定める高度の医療技術を用いた療養その他の療養であって、保険給付の対象とすべきものであるか否かについて、適正な医療の効率的な提供を図る観点から評価を行うことが必要な療養として厚生労働大臣が定めるものをいう。)又は選定療養(被保険者の選定に係る特別の病室の提供その他の厚生労働大臣が定める療養をいう。)を受けたときに支給すること。(健康保険法第86条等関係)
3 一部負担金に関する事項
(1) 世代間の負担の公平化等の観点から、一定以上の報酬(現役並みの所得)を有する70歳以上の者について、療養の給付に係る一部負担金の割合を3割とすること。70歳以上の被扶養者の自己負担割合についても同様の取扱いとすること。(健康保険法第74条第1項第3号、第110条第2項第1号ニ及び第145条第2項第1号関係)
(2) 国民健康保険等との均衡の観点から、災害等の際の一部負担金の減免等をできることとすること。(健康保険法第75条の2及び第110条の2関係)
4 埋葬料及び家族埋葬料に関する事項
現金給付について給付の重点化を図る観点から、埋葬料及び家族埋葬料の額について、国民健康保険との均衡等を考慮し、政令で定める定額の金額(5万円を予定)とすること。(健康保険法第100条及び第136条関係)
二 保険医療機関等の指定等に関する事項
1 保険医療機関又は保険薬局の指定の取消し等の要件に、開設者又は管理者が、健康保険法その他国民の保健医療に関する法律の規定により罰金の刑に処せられたとき又は禁錮以上の刑に処せられたとき等を追加すること。(健康保険法第80条等関係)
2 保険医又は保険薬剤師の登録の取消し等の要件に、保険医又は保険薬剤師が、健康保険法その他国民の保健医療に関する法律の規定により罰金の刑に処せられたとき又は禁錮以上の刑に処せられたとき等を追加すること。(健康保険法第81条等関係)
三 健康保険組合に関する事項
1 特定健康保険組合制度における特例退職被保険者については、強制加入が原則の被用者保険において特例的に本人の選択による任意加入が認められていることを踏まえ、保険料の滞納があった場合、任意継続被保険者同様、特例退職被保険者の資格を喪失させること。(健康保険法附則第3条第6項関係)
2 同一都道府県の区域内にある指定健康保険組合等を含む合併後の健康保険組合は、地域型健康保険組合として、合併が行われた日の属する年度及びこれに続く5ヶ年度に限り、厚生労働大臣の認可を受け、不均一の一般保険料率を設定することができるものとすること。(健康保険法附則第3条の2関係)
四 埋葬料に関する経過措置
埋葬料に係る改正後の規定は、死亡日が平成18年10月1日以後の者について適用し、死亡日が平成18年10月1日前である者については、従前の例によること。(法附則第6条関係)
第2 健康保険法の一部改正(平成19年4月1日施行)
一 標準報酬及び標準賞与に関する事項
1 現行の標準報酬月額の最高等級及び最低等級について、その上下の等級と比べて多くの被保険者が該当していること等を踏まえ、上下にそれぞれ4等級追加し、上限を121万円、下限を5万8000円の全47等級とすること。(健康保険法第40条第1項関係)
2 保険料の賦課対象となる標準賞与額の上限額について、負担の公平性の観点から、現行の1回につき200万円を改め、年度の賞与の累計額が540万円とすること。(健康保険法第45条第1項関係)
二 保険給付に関する事項
1 総報酬制の導入により、賞与についても月収と同率の料率が賦課されていること等を踏まえ、傷病手当金及び出産手当金の額について、標準報酬日額の6割に相当する額から賃金に賞与を反映した額である標準報酬日額の3分の2に相当する額とすること。(健康保険法第99条第1項及び第102条関係)
2 傷病又は産休中労務に服せない期間の所得保障という本来の目的等を踏まえ、傷病手当金及び出産手当金の支給対象から任意継続被保険者を除くとともに、資格喪失後6ヶ月以内に出産した者に対する出産手当金の支給を廃止すること。(健康保険法第99条第1項、第102条及び第106条関係)
三 審査支払の委託に関する事項
被用者保険及び国民健康保険それぞれの保険者が社会保険診療報酬支払基金及び各都道府県国民健康保険団体連合会のいずれに対しても、レセプトの審査及び支払に関する事務を委託することが可能となるよう、療養の給付に関する費用の審査支払事務について保険者が委託できる者に、都道府県国民健康保険団体連合会を追加すること。(健康保険法第76条第5項関係)
四 経過措置
1 傷病手当金に関する事項
(1) 平成19年4月1日前までの傷病手当金の額は、標準報酬日額の6割に相当する額とすること。(法附則第9条第1項関係)
(2) 平成19年4月1日の前日において傷病手当金の支給を受けていた者又は受けるべき者である任意継続被保険者については、平成19年4月1日以後も傷病手当金を支給することとし、支給事由が生じた後に任意継続被保険者となった者については、その額は、標準報酬日額の3分の2に相当する額とし、支給事由が生じた際に任意継続被保険者であった者については、その額は、標準報酬日額の6割に相当する額とすること。(法附則第9条第2項及び第3項関係)
2 出産手当金に関する事項
(1) (2)に該当する者以外のものについては1と同様の措置を講ずること。(法附則第10条関係)
(2) 平成19年4月1日の前日において改正前の健康保険法第106条の規定による資格喪失後6ヶ月以内に出産した者に対する出産手当金の支給を受けていた者又は受けるべき者については、平成19年4月1日以後も出産手当金を支給することとし、その額は、標準報酬日額の6割に相当する額とすること。(法附則第10条第3項関係)
第3 健康保険法の一部改正(平成20年4月1日施行)
一 被保険者及び被扶養者に関する事項
健康保険の被保険者及び被扶養者から後期高齢者医療の被保険者等を除くこと。(健康保険法第3条関係)
二 保険給付に関する事項
1 入院時生活療養費に関する事項
新たな高齢者医療制度の創設に併せ、入院時生活療養費を支給する特定長期入院被保険者を65歳以上とすること。(健康保険法第63条第2項及び第130条第1項関係)
2 一部負担金に関する事項
(1) 新たな高齢者医療制度の創設等を踏まえ、70歳以上の被保険者(一定以上の報酬を有する者を除く。)の療養の給付に係る一部負担金の割合を2割とすること。また、70歳以上のその被扶養者の自己負担割合についても同様とすること。(健康保険法第74条第1項第2号、第110条第2項第1号ハ及び第145条第4項関係)
(2) 少子化対策の観点から、現行の3歳未満から6歳に達する日以後の最初の3月31日以前(義務教育就学前)の被扶養者の自己負担割合を2割とすること。(健康保険法第110条第2項第1号ロ及び第145条第3項関係)
3 療養の給付に係る一部負担金等の額及び介護保険の利用者負担額(それぞれ高額療養費又は高額介護サービス費若しくは高額介護予防サービス費が支給される場合には当該支給額を控除して得た額)の合計額が著しく高額である場合の負担の軽減を図る観点から、高額介護合算療養費を支給すること。(健康保険法第115条の2関係)
三 特定健康診査等への補助に関する事項
国庫は、特定健康診査等の実施に要する費用の一部を補助することができること。(健康保険法第154条の2関係)
四 保険料に関する事項
1 保険料を充てる健康保険事業に要する費用に、高齢者の医療の確保に関する法律の規定による前期高齢者納付金等、後期高齢者支援金等、退職者給付拠出金及び病床転換支援金等を含めること。(健康保険法第155条、附則第4条の3及び附則第4条の4関係)
2 保険料について保険者が納付すべき額を明確にする等の観点から、一般保険料率は、基本保険料率と特定保険料率を合算した率とし、特定保険料率は、各年度において保険者が納付すべき前期高齢者納付金等、後期高齢者支援金等、退職者給付拠出金及び病床転換支援金等の額を被保険者の標準報酬月額及び標準賞与の総額の合算額の見込額で除した額を基準として保険者が定めること。(健康保険法第156条第1項、第160条第11項、附則第4条の3及び附則第4条の4関係)
3 特定健康診査及び特定保健指導の義務化を踏まえ、健康保険組合が管掌する健康保険の一般保険料率の上限を1000分の95から1000分の100に引き上げること。(健康保険法第160条第9項関係)
五 その他
1 特定健康診査及び特定保健指導の義務化等を踏まえ、保険者の役職員は、健康保険事業に関して職務上知り得た秘密を正当な理由がなく漏らしてはならないこととし、違反して秘密を漏らした者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処すること。(健康保険法第199条の2及び第207条の2関係)
2 老人保健法の一部改正に伴う規定の整備を行うこと。
第4 健康保険法の一部改正(平成20年10月1日施行。ただし、四の1及び2は、平成18年10月1日施行)
一 保険者
1 健康保険組合の組合員でない被保険者に係る健康保険事業を行う保険者として全国健康保険協会を設けること。(健康保険法第5条第1項及び第7条の2第1項関係)
2 全国健康保険協会が管掌する健康保険の事業に関する業務のうち、被保険者の資格の得喪の確認、標準報酬月額等の決定及び保険料の徴収(任意継続被保険者に係るものを除く。)は、社会保険庁長官が行うこと。(健康保険法第5条第2項関係)
二 全国健康保険協会
1 業務等
(1) 全国健康保険協会(以下「協会」という。)は、保険給付、保健事業等の業務を行うこと。(健康保険法第7条の2第2項関係)
(2) 協会は、従たる事務所(以下「支部」という。)を各都道府県に置くこと。(健康保険法第7条の4第1項関係)
2 役員等
(1) 協会に役員として、理事長1人、理事5人以内及び監事2人を置くこと。(健康保険法第7条の9関係)
(2) 理事長及び監事は厚生労働大臣が任命すること。理事は理事長が任命すること。(健康保険法第7条の11関係)
(3) 協会の役員及び職員に秘密保持義務を課すること。(健康保険法第7条の37関係)
(4) その他役員等に関して所要の規定を整備すること。
3 運営委員会等
(1) 事業主及び被保険者の意見を反映させ、協会の業務の適正な運営を図るため、協会に運営委員会を置くこと。運営委員会の委員は、9人以内とし、事業主、被保険者及び学識経験者のうちから各同数を厚生労働大臣が任命すること。(健康保険法第7条の18関係)
(2) 定款の変更、事業計画並びに予算及び決算等は運営委員会の議を経なければならないこと。(健康保険法第7条の19関係)
(3) 協会は、都道府県ごとの実情に応じた業務の適正な運営に資するため、支部ごとに評議会を設けること。(健康保険法第7条の21第1項関係)
4 事業計画等
(1) 協会は、毎事業年度、事業計画及び予算を作成し、厚生労働大臣の認可を受けなければならないこと。(健康保険法第7条の27関係)
(2) 協会は、毎事業年度、支部ごとの財務及び事業の状況を記載した財務諸表等を作成し、監事及び会計監査人の意見を付けて、厚生労働大臣に提出し、その承認を受けなければならないこと。(健康保険法第7条の28関係)
(3) 厚生労働大臣は、協会の事業年度ごとの業績について評価を行わなければならないこと。(健康保険法第7条の30関係)
三 費用の負担
1 保険料等の交付
政府は、協会が行う健康保険事業に要する費用に充てるため、協会に対し、社会保険庁長官が徴収した保険料等の額から社会保険庁長官の事務の執行に要する費用に相当する額(当該費用に係る国庫負担金の額を除く。)を控除した額を交付すること。(健康保険法第155条の2関係)
2 保険料
(1) 協会が管掌する健康保険の一般保険料率は、1000分の30から1000分の100までの範囲内において、支部被保険者(支部の都道府県に所在する適用事業所に使用される被保険者等をいう。以下同じ。)を単位として協会が決定し、厚生労働大臣の認可を受けること。(健康保険法第160条第1項及び第8項関係)
(2) 都道府県単位保険料率((1)により支部被保険者を単位として協会が決定する保険料率をいう。以下同じ。)は、療養の給付等に要する費用、前期高齢者納付金、後期高齢者支援金、保健事業に要する費用等に照らし、毎事業年度において財政の均衡を保つことができるよう、政令で定めるところにより算定すること。(健康保険法第160条第3項関係)
(3) 協会は、支部被保険者及びその被扶養者の年齢分布の状況及び総報酬額の状況の差異によって生ずる負担及び財政力の不均衡を是正するため、各支部被保険者を単位とする健康保険の財政の調整を行うこと。(健康保険法第160条第4項関係)
(4) 協会は、2年ごとに、翌事業年度以降の5年間についての健康保険事業の収支の見通しを作成し、公表するものとすること。(健康保険法第160条第5項関係)
(5) 協会が、都道府県単位保険料率を変更する場合には、理事長は支部長の意見を聴いた上で、運営委員会の議を経なければならないこと。(健康保険法第160条第6項関係)
(6) 協会は、成立後1年以内に都道府県単位保険料率を決定するものとし、それまでの間は従前の政府管掌健康保険の一般保険料率を適用すること。(法附則第29条関係)
(7) 都道府県単位保険料率のうち、従前の政府管掌健康保険の一般保険料率との差が政令で定める基準を上回るものがある場合には、協会の成立の日から5年間に限り、政令で定めるところにより、都道府県単位保険料率の調整を行うこと。(法附則第31条関係)
3 準備金
保険者は、政令で定めるところにより、毎事業年度末において、準備金を積み立てなければならないこと。(健康保険法第160条の2関係)
四 協会の設立
1 厚生労働大臣は、設立委員を命じて、協会の設立に関する事務を処理させること。(法附則第13条第1項関係)
2 設立委員は、定款、事業計画及び予算を作成し、厚生労働大臣の認可を受けるほか、協会の職員の労働条件及び採用基準を定めること。設立委員は、社会保険庁長官を通じ、その職員に対し、協会の職員の募集を行うこと。(法附則第15条等関係)
3 協会の成立の際、健康保険事業に関し国が有する権利及び義務は、政令で定めるものを除き、協会が承継すること。(法附則第18条第1項関係)
第5 老人保健法の一部改正(平成18年10月1日施行)
一 保険給付に関して、健康保険法と同様の改正を行うこと。(老人保健法第17条第2項等関係)
二 老人が医療を受ける際の一部負担金について、一定以上の所得を有する者の負担割合を3割とすること。(老人保健法第28条第1項関係)
第6 老人保健法の一部改正(平成20年4月1日施行)
一 題名を「高齢者の医療の確保に関する法律」に改めること。
二 総則
1 目的
この法律は、国民の高齢期における適切な医療の確保を図るため、医療費の適正化を推進するための計画の作成及び保険者による健康診査等の実施に関する措置を講ずるとともに、高齢者の医療について、国民の共同連帯の理念等に基づき、前期高齢者に係る保険者間の費用負担の調整、後期高齢者に対する適切な医療の給付等を行うための必要な制度を設け、もって国民保健の向上及び高齢者の福祉の増進を図ることを目的とすること。(高齢者の医療の確保に関する法律第1条関係)
2 国の責務に、国民の高齢期における医療に要する費用の適正化を図るための取組が円滑に実施され、高齢者医療制度の運営が健全に行われるよう必要な各般の措置を講ずることを追加すること。(高齢者の医療の確保に関する法律第3条関係)
三 医療費適正化の推進
1 医療費適正化計画等
(1) 医療費適正化基本方針及び全国医療費適正化計画
ア 厚生労働大臣は、国民の高齢期における適切な医療の確保を図る観点から、医療に要する費用の適正化(以下「医療費適正化」という。)を総合的かつ計画的に推進するため、医療費適正化基本方針を定めるとともに、5年ごとに、5年を一期として、全国医療費適正化計画を定めるものとすること。(高齢者の医療の確保に関する法律第8条第1項関係)
イ 医療費適正化基本方針においては、都道府県医療費適正化計画において定めるべき目標に係る参酌すべき標準その他の計画の作成に当たって指針となるべき基本的事項等を定めること。(高齢者の医療の確保に関する法律第8条第2項関係)
ウ 医療費適正化基本方針は、医療法に規定する基本方針、介護保険法に規定する基本指針及び健康増進法に規定する基本方針と調和が保たれたものでなければならないこと。(高齢者の医療の確保に関する法律第8条第3項関係)
エ 全国計画においては、国民の健康の保持の推進に関し国が達成すべき目標に関する事項、医療の効率的な提供の推進に関し国が達成すべき目標に関する事項等を定めること。(高齢者の医療の確保に関する法律第8条第4項関係)
(2) 都道府県医療費適正化計画
ア 都道府県は、医療費適正化基本方針に即して、5年ごとに、5年を一期として、都道府県医療費適正化計画を定めるものとすること。(高齢者の医療の確保に関する法律第9条第1項)
イ 都道府県計画においては、住民の健康の保持の推進に関し当該都道府県において達成すべき目標に関する事項、医療の効率的な提供の推進に関し当該都道府県において達成すべき目標に関する事項等を定めること。(高齢者の医療の確保に関する法律第9条第2項関係)
ウ 都道府県計画は、医療法に規定する医療計画、介護保険法に規定する都道府県介護保険事業支援計画及び健康増進法に規定する都道府県健康増進計画と調和が保たれたものでなければならないこと。(高齢者の医療の確保に関する法律第9条第3項関係)
エ 厚生労働大臣は、都道府県に対し、都道府県計画の作成上必要な助言をすることができること。(高齢者の医療の確保に関する法律第10条関係)
(3) 計画の評価
ア 都道府県及び厚生労働大臣は、都道府県計画又は全国計画の作成年度の翌々年度において、計画の進捗状況に関する評価を行うとともに、その結果を公表すること。(高齢者の医療の確保に関する法律第11条第1項及び第2項関係)
イ 都道府県は、都道府県計画の期間の終了の翌年度において、計画に掲げる目標の達成状況及び施策の実施状況に関する調査及び分析を行い、計画の実績に関する評価を行うこと。都道府県は、この評価を行ったときは、内容を厚生労働大臣に報告するとともに、公表すること。(高齢者の医療の確保に関する法律第12条第1項及び第2項関係)
ウ 厚生労働大臣は、全国計画の期間の終了の翌年度において、当該計画に掲げる目標の達成状況及び施策の実施状況に関する調査及び分析を行い、全国計画の実績に関する評価を行うとともに、関係都道府県の意見を聴いて、各都道府県における都道府県計画の実績に関する評価を行い、公表すること。(高齢者の医療の確保に関する法律第12条第3項及び第4項関係)
(4) 診療報酬に係る意見の提出等
ア 都道府県は、(3)ア又はイの評価の結果、目標の達成のために必要があると認めるときは、厚生労働大臣に対し、診療報酬に関する意見を提出することができること。
厚生労働大臣は、都道府県から意見が提出されたときは、当該意見に配慮して、診療報酬を定めるように努めなければならないこと。(高齢者の医療の確保に関する法律第13条第1項及び第2項関係)
イ 厚生労働大臣は、(3)ウの評価の結果、目標を達成し、医療費適正化の推進のために必要があると認めるときは、一の都道府県の区域内における診療報酬について、地域の実情を踏まえつつ、適切な医療を各都道府県間において公平に提供する観点から見て合理的であると認められる範囲内において、他の都道府県の区域内における診療報酬と異なる定めをすることができること。この場合に、関係都道府県知事に協議すること。(高齢者の医療の確保に関する法律第14条第1項及び第2項関係)
(5) 医療費適正化計画の作成等のための調査及び分析等
ア 厚生労働大臣は、全国計画及び都道府県計画の作成、実施及び評価に資するため、医療に要する費用に関する地域別、年齢別又は疾病別の状況及び医療の提供に関する地域別の病床数の推移の状況等について調査及び分析を行い、その結果を公表するものとすること。保険者及び後期高齢者医療広域連合は、厚生労働大臣に対し、調査及び分析に必要な情報を提供しなければならないこと。(高齢者の医療の確保に関する法律第16条第1項及び第2項関係)
イ 厚生労働大臣は、アの調査及び分析に係る事務の一部を社会保険診療報酬支払基金又は都道府県国民健康保険団体連合会その他厚生労働省令で定めるものに委託することができること。(高齢者の医療の確保に関する法律第17条関係)
2 特定健康診査等基本指針等
(1) 特定健康診査等基本指針
ア 厚生労働大臣は、特定健康診査(糖尿病その他の政令で定める生活習慣病に関する健康診査をいう。)及び特定保健指導(特定健康診査の結果により健康の保持に努める必要がある者に対する保健指導をいう。)の適切かつ有効な実施を図るための基本的な指針(以下「特定健康診査等基本指針」という。)を定めること。(高齢者の医療の確保に関する法律第18条第1項関係)
イ 特定健康診査等基本指針においては、特定健康診査及び特定保健指導(以下「特定健康診査等」という。)の実施方法に関する基本的な事項並びに特定健康診査等の実施及びその成果に係る目標に関する基本的な事項等を定めること。(高齢者の医療の確保に関する法律第18条第2項関係)
ウ 特定健康診査等基本指針は、健康増進法の健康診査等指針と調和が保たれたものでなければならないこと。(高齢者の医療の確保に関する法律第18条第3項関係)
(2) 特定健康診査等実施計画
ア 保険者は、特定健康診査等基本指針に即して、5年ごとに、5年を一期として、特定健康診査等の実施に関する計画(以下「特定健康診査等実施計画」という。)を定めること。(高齢者の医療の確保に関する法律第19条第1項関係)
イ 特定健康診査等実施計画においては、特定健康診査等の具体的な実施方法に関する事項並びに特定健康診査等の実施及びその成果に関する具体的な目標等を定めること。(高齢者の医療の確保に関する法律第19条第2項関係)
(3) 特定健康診査等
ア 保険者は、特定健康診査等実施計画に基づき、40歳以上の加入者に対し、特定健康診査を行うものとすること。また、これに併せて、保健事業に関する規定を削除すること。(高齢者の医療の確保に関する法律第20条等関係)
イ 保険者は、加入者が、労働安全衛生法その他の法令に基づき行われる特定健康診査に相当する健康診断を受けた場合は、特定健康診査の全部又は一部を行ったものとすること。(高齢者の医療の確保に関する法律第21条第1項関係)
ウ 保険者は、特定健康診査を行ったときは、特定健康診査に関する記録を保存しなければならないこと。(高齢者の医療の確保に関する法律第22条関係)
エ 保険者は、特定健康診査等実施計画に基づき、特定保健指導を行うこと。(高齢者の医療の確保に関する法律第24条関係)
オ 保険者は、前期高齢者である加入者に対して特定健康診査等を実施するにあたっては、前期高齢者の心身の特性を踏まえつつ、介護保険法に規定する地域支援事業を実施する市町村との適切な連携を図るよう留意するとともに、当該特定健康診査等が効率的に実施されるよう努めるものとすること。(高齢者の医療の確保に関する法律第29条関係)
四 前期高齢者に係る保険者間の費用負担の調整
1 各保険者の加入者数に占める前期高齢者数の割合に係る負担の不均衡を調整するため、保険者に対して、前期高齢者交付金を交付すること。(高齢者の医療の確保に関する法律第32条第1項関係)
2 前期高齢者交付金は、保険者から徴収する前期高齢者納付金をもって充てること。(高齢者の医療の確保に関する法律第32条第2項関係)
3 その他前期高齢者に係る保険者間の費用負担の調整を行うため、概算前期高齢者交付金の額、確定前期高齢者交付金の額、概算前期高齢者納付金の額及び確定前期高齢者納付金の額の算定方法及びその決定手続等所要の規定を設けること。(高齢者の医療の確保に関する法律第33条~第46条関係)
五 後期高齢者医療制度
1 後期高齢者医療は、高齢者の疾病、負傷又は死亡に関して必要な給付を行うこと。(高齢者の医療の確保に関する法律第47条関係)
2 市町村は、後期高齢者医療の事務を処理するため、都道府県の区域ごとに当該区域内のすべての市町村が加入する広域連合(「後期高齢者医療広域連合」という。)を設けるものとすること。市町村は、平成18年度の末日までに、広域連合を設けるものとすること。(高齢者の医療の確保に関する法律第48条及び附則第36条関係)
3 被保険者
次の者は、後期高齢者医療の被保険者とすること。(高齢者の医療の確保に関する法律第50条関係)
(1) 後期高齢者医療広域連合の区域内に住所を有する75歳以上の者
(2) 後期高齢者医療広域連合の区域内に住所を有する65歳以上75歳未満の者であって、政令で定める程度の障害の状態にある旨の認定を受けたもの
4 給付
(1) 後期高齢者医療広域連合は、療養の給付、入院時食事療養費の支給及び入院時生活療養費の支給等を行うこと。(高齢者の医療の確保に関する法律第64条、第74条~第78条、第82条~第86条関係)
(2) 療養の給付に係る一部負担金の割合について、1割とすること。ただし、一定以上の所得を有する者は、3割とすること。(高齢者の医療の確保に関する法律第67条第1項関係)
(3) 療養の給付の取扱い及び担当に関する基準並びに療養の給付に要する費用の額の算定に関する基準については、厚生労働大臣が中央社会保険医療協議会の意見を聴いて定めるものとすること。(高齢者の医療の確保に関する法律第71条第1項関係)
(4) その他給付に関して必要な規定を設けること。
5 費用
(1) 国等の負担
ア 国は、後期高齢者医療の給付等に要する費用の額から一定以上の所得を有する者に係る給付等に要する費用の額(「特定費用の額」という。)を控除した額(以下「負担対象額」という。)の12分の3に相当する額を負担すること。(高齢者の医療の確保に関する法律第93条第1項関係)
イ 国は、後期高齢者医療の財政を調整するため、後期高齢者医療広域連合に対して調整交付金を交付することとし、その総額は負担対象額の見込み額の12分の1に相当する額とすること。(高齢者の医療の確保に関する法律第95条関係)
ウ 都道府県は、負担対象額の12分の1に相当する額を負担すること。(高齢者の医療の確保に関する法律第96条第1項関係)
エ 市町村は、負担対象額の12分の1に相当する額を負担すること。(高齢者の医療の確保に関する法律第98条関係)
オ 国は、後期高齢者医療の財政に与える影響が著しい額以上の高額な医療に関する給付に要する費用のうち後期高齢者の保険料等で負担する額(以下「高額医療費負担対象額」という。)の4分の1に相当する額を負担すること。(高齢者の医療の確保に関する法律第93条第2項関係)
カ 都道府県は、高額医療費負担対象額の4分の1に相当する額を負担すること。(高齢者の医療の確保に関する法律第96条第2項関係)
キ 市町村は、一般会計から、後期高齢者医療広域連合の条例の定めるところにより所得の少ない者について保険料を減額した額及び健康保険法等の規定による被扶養者であった者について保険料を減額した額(2年間に限る。)について、市町村の特別会計に繰り入れることとし、都道府県は、繰入金の4分の3に相当する額を負担すること。(高齢者の医療の確保に関する法律第99条関係)
(2) 後期高齢者交付金
ア 後期高齢者医療の負担対象額に一から後期高齢者負担率及び100分の50を控除した率を乗じた率並びに特定費用の額に一から後期高齢者負担率を控除した率を乗じた額の合計額(「保険納付対象額」という。)については、後期高齢者交付金を充てること。(高齢者の医療の確保に関する法律第100条第1項関係)
イ 平成20年度及び平成21年度の後期高齢者負担率は100分の10とすること。(高齢者の医療の確保に関する法律第100条第2項関係)
ウ 平成22年度以降の後期高齢者負担率は、100分の10に、①に掲げる率に②に掲げる率を乗じた率の2分の1に相当する率を加えた率を基礎として、2年ごとに改定すること。(高齢者の医療の確保に関する法律第100条第3項関係)
① 平成20年度における保険納付対象額を療養の給付等に要する費用の額で除した率
② 平成20年度におけるすべての保険者の加入者総数から改定年度のすべての保険者の加入者総数を控除した数を、平成20年度におけるすべての保険者の加入者総数で除した率
(3) 保険料
ア 保険料は、後期高齢者医療広域連合の全区域にわたって均一の保険料率であることその他の政令で定める基準に従い後期高齢者医療広域連合の条例で定めること。ただし、離島その他の地域については、別に後期高齢者医療広域連合の条例で定めることができること。(高齢者の医療の確保に関する法律第104条第2項関係)
イ 保険料率は、療養の給付等に要する費用の予想額等に照らし、おおむね2年を通じ財政の均衡を保つことができるものであること。(高齢者の医療の確保に関する法律第104条第3項関係)
ウ 市町村による保険料の徴収は、特別徴収(老齢等年金給付の支払いをする年金保険者に保険料を徴収させ、納付させることをいう。)の方法によるほか、普通徴収の方法によること。(高齢者の医療の確保に関する法律第107条関係)
(4) 財政安定化基金
都道府県は、後期高齢者医療の財政の安定化に資する事業に充てるため、財政安定化基金を設けること。(高齢者の医療の確保に関する法律第116条第1項関係)
(5) 保険者の後期高齢者支援金等
ア 支払基金は、年度ごとに保険者から後期高齢者支援金等を徴収すること。保険者は、後期高齢者支援金等を納付する義務を負うこと。(高齢者の医療の確保に関する法律第118条関係)
イ 後期高齢者支援金の額は、保険納付対象額を加入者総数で除した額に保険者ごとの加入者数を乗じた額に後期高齢者支援金調整率を乗じた額とすること。(高齢者の医療の確保に関する法律第120条第1項等関係)
ウ 後期高齢者支援金調整率は、特定健康診査等の実施及びその成果に係る目標の達成状況等を勘案して100分の90から100分の110の範囲内で政令で定めるところにより算定すること。(高齢者の医療の確保に関する法律第120条第2項等関係)
6 その他
(1) 都道府県は政令で定める日までの間、病床転換助成事業を行うこと。(高齢者の医療の確保に関する法律附則第2条~第10条関係)
(2) 平成20年度から24年度までの間の後期高齢者支援金調整率は、100分の100とすること。(高齢者の医療の確保に関する法律附則第15条関係)
第7 国民健康保険法の一部改正(公布日施行)
一 保険料の徴収について、市町村の判断により私人に委託できることとすること。(国民健康保険法第80条の2関係)
二 保険者を支援するための制度に関する事項
低所得者の数に応じて保険者を財政的に支援するための制度を継続し、平成18年度から21年度までの間行うこと。(国民健康保険法附則第12項~第14項関係)
三 高額医療費共同事業に関する事項
国民健康保険団体連合会が高額な医療に関する給付の発生による国民健康保険の財政に与える影響を緩和するため、市町村から拠出金を徴収し、市町村に対して高額な医療に関する給付に係る交付金を交付する高額医療費共同事業を継続し、平成18年度から21年度までの間行うこと。(国民健康保険法附則第16項等関係)
第8 国民健康保険法の一部改正(平成18年10月1日施行)
一 保険給付に関して、健康保険法と同様の改正を行うこと。(国民健康保険法第36条第2項等関係)
二 一定以上の所得を有する70歳以上の者について、療養の給付に係る一部負担金の割合を3割とすること。(国民健康保険法第42条第1項関係)
三 保険財政共同安定化事業に関する事項
国民健康保険団体連合会は、国民健康保険の財政の安定化を図るため、市町村から拠出金を徴収し、市町村に対して政令で定める額以上の医療に要する費用を市町村が共同で負担することに伴う交付金を交付する事業を平成18年度から21年度までの間行うこと。(国民健康保険法附則第16項第1号等関係)
第9 国民健康保険法の一部改正(平成19年4月1日施行)
一 国民健康保険組合の合併による地区拡張に係る規約の変更を都道府県知事への届出制にすること。(国民健康保険法第27条第2項関係)
二 国民健康保険団体連合会の役員及び職員にも職務上の秘密保持義務を課すること。(国民健康保険法第121条関係)
第10 国民健康保険法の一部改正(平成20年4月1日施行)
一 被保険者に関する事項
高齢者の医療の確保に関する法律の規定による被保険者は国民健康保険の被保険者としないこと。(国民健康保険法第6条関係)
二 保険給付に関する事項
1 一部負担金に関すること
6歳に達する日の属する月以後の最初の3月31日以前の被保険者の療養の給付に係る一部負担金の割合を2割とすること。70歳以上の被保険者(一定以上の所得を有する者を除く。)については2割とすること。(国民健康保険法第42条第1項関係)
2 新たに高額介護合算療養費を支給すること。(国民健康保険法第57条の3関係)
三 費用の負担に関する事項
1 国の負担に関すること
(1) 国が負担する組合が行う国民健康保険の事務の執行に要する費用に、前期高齢者納付金等及び後期高齢者支援金等の納付に関する事務の執行に要する費用を含めること。(国民健康保険法第69条関係)
(2) 国が市町村に対してその一部を負担する費用の対象に、前期高齢者納付金及び後期高齢者支援金を含めること。(国民健康保険法第70条関係)
(3) 国及び都道府県は、市町村に対して、特定健康診査等に要した費用の3分の1に相当する額を負担すること。(国民健康保険法第72条の5関係)
(4) 国が国保組合に対して補助できる費用の対象に、前期高齢者納付金及び後期高齢者支援金を含めること。(国民健康保険法第73条関係)
2 保険料に関すること
(1) 保険料を充てる国民健康保険事業に要する費用に、前期高齢者支援金等及び後期高齢者支援金等の納付に要する費用を含めること。(国民健康保険法第76条関係)
(2) 市町村が行う保険料の徴収については、特別徴収(老齢等年金給付の支払いをする者に保険料を徴収させ、納入させることをいう。)の方法による場合を除くほか、普通徴収の方法によらなければならないこと。特別徴収の方法等に関して必要な規定を設けること。(国民健康保険法第76条の3等関係)
四 その他
1 平成26年度までの間に退職被保険者等に該当する者に係る被用者保険等保険者からの拠出金に関する規定を附則に置くこと。(国民健康保険法附則第6条~第21条関係)
2 特定健康診査及び特定保健指導の義務化等を踏まえ、保険者の役職員は、国民健康保険事業に関して職務上知得した秘密を漏らしてはならないこととし、違反して秘密を漏らした者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処すること。(国民健康保険法第120条の2関係)
第11 地方税法の一部改正(平成20年4月1日施行)
一 国民健康保険税を充てる国民健康保険に要する費用に、前期高齢者納付金等及び後期高齢者支援金等の納付に要する費用を含めること。(地方税法第703条の4等関係)
二 老齢等年金給付の支払を受けている65歳以上の国民健康保険の被保険者である世帯主に対して課する国民健康保険税を原則特別徴収の方法によって徴収するものとするほか、特別徴収の方法等に関して必要な規定を設けること。(地方税法第706条第2項等関係)
第12 船員保険法の一部改正
一 保険給付に関する事項について、健康保険法と同様の改正を行うこと。(平成18年10月1日施行)
二 葬祭料等に関する経過措置(平成18年10月1日施行)
葬祭料及び家族葬祭料に係る改正後の規定は、死亡日が平成18年10月1日以後の者について適用し、死亡日が平成18年10月1日前である者については、従前の例によること。(法附則第47条関係)
三 標準報酬等に関する事項について、健康保険法と同様の改正を行うこと。(平成19年4月1日施行)
四 保険給付に関する事項(平成19年4月1日施行)
1 傷病手当金及び出産手当金の額について、健康保険法と同様の改正を行うこと。(船員保険法第30条第2項第3号関係)
2 疾病任意継続被保険者に対する傷病手当金について、疾病任意継続被保険者の資格を取得し1年以内に発した傷病に限定すること。(船員保険法第30条第3項関係)
3 出産手当金の支給対象から疾病任意継続被保険者及び疾病任意継続被保険者の資格喪失後6ヶ月以内に出産した者を除くこと。(船員保険法第19条ノ3第4項及び第32条ノ4関係)
五 経過措置(平成19年4月1日施行)
1 傷病手当金に関する事項
(1) 平成19年4月1日前までの傷病手当金の額は、標準報酬日額の6割に相当する額とすること。(法附則第50条第2項)
(2) 平成19年4月1日の前日において傷病手当金を受けていた者又は受けるべき者である疾病任意継続被保険者については、平成19年4月1日以後も傷病手当金を支給することとし、疾病任意継続被保険者の資格を取得し1年以内に発した傷病により支給事由が生じた傷病手当金の額は、標準報酬日額の3分の2に相当する額とし、疾病任意継続被保険者の資格を取得し1年経過し発した傷病により支給事由が生じた疾病任意継続被保険者については、標準報酬日額の6割に相当する額とすること。(法附則第50条第1項)
2 出産手当金に関する事項
(1) 平成19年4月1日前までの出産手当金の額は、標準報酬日額の6割に相当する額とすること。(法附則第51条第1項)
(2) 平成19年4月1日の前日において出産手当金の支給を受けていた者又は受けるべき者である疾病任意継続被保険者については、平成19年4月1日以後も出産手当金を支給することとし、支給事由が生じた後に疾病任意継続被保険者となった者については、その額は、標準報酬日額の3分の2に相当する額とし、支給事由が生じた際に疾病任意継続被保険者であった者については、その額は、標準報酬日額の6割に相当する額とすること。(法附則第51条第2項及び第3項)
六 被保険者及び被扶養者、保険給付、一部負担金及び保険料に関する事項等について、健康保険法と同様に改正を行うこと。したがって、後期高齢者医療の被保険者である被保険者の保険料については、職務外疾病に相当する保険料を徴収しないこと。(平成20年4月1日施行)
第13 社会保険医療協議会法の一部改正(一は平成18年10月1日施行、二~七は平成19年3月1日施行)
一 中央社会保険医療協議会(以下「中央協議会」という。)の所掌事務に、入院時生活療養費に係る生活療養の費用の額の算定に関する基準を追加する等の規定の整備を行うこと。(社会保険医療協議会法第2条関係)
二 中央協議会及び地方社会保険医療協議会(以下「地方協議会」という。)の委員について、保険者、被保険者、事業主等を代表する委員は7名、医師、歯科医師及び薬剤師を代表する委員は7名、公益を代表する委員は6名とすること。(社会保険医療協議会法第3条第1項関係)
三 保険者等を代表する委員並びに医師、歯科医師及び薬剤師を代表する委員の任命についての各関係団体の推薦に係る規定を廃止すること。
四 厚生労働大臣は、保険者等を代表する委員の任命に当たっては医療に要する費用を支払う者の立場を適切に代表し得ると認められる者の意見に、医師、歯科医師及び薬剤師を代表する委員の任命に当たっては地域医療の担い手の立場を適切に代表し得ると認められる者の意見に、それぞれ配慮すること。(社会保険医療協議会法第3条第4項関係)
五 中央協議会の公益を代表する委員は、会議の日程及び議題その他の中央協議会の運営に関する事項について協議を行い、中央協議会の保険者等を代表する委員並びに医師、歯科医師及び薬剤師を代表する委員は、その協議の結果を尊重するものとすること。(社会保険医療協議会法第8条第1項関係)
六 中央協議会が、診療報酬等に係る答申又は建議を行う場合には、あらかじめ中央協議会の公益を代表する委員が診療報酬等の実施の状況について検証を行い、その結果を公表するものとすること。(社会保険医療協議会法第8条第2項関係)
七 その他所要の規定の整備を行うこと。
第14 介護保険法の一部改正(一及び二は平成20年4月1日施行、三は平成24年4月1日施行)
一 介護保険の利用者負担額及び健康保険等の療養の給付に係る一部負担金等の額(それぞれ高額介護サービス費等又は高額療養費が支給される場合には当該支給額を控除して得た額)の合計額が著しく高額であるときは、高額医療合算介護サービス費を支給すること。(介護保険法第51条の2等関係)
二 厚生労働大臣は、介護保険法に規定する基本指針を定めるに当たっては、医療に要する費用の適正化及び良質かつ効率的な介護サービスの確保の観点から高齢者の医療の確保に関する法律附則に規定する病床の転換が円滑に行われるよう、介護保険施設等の入所定員の増加について適切に配慮すること。(介護保険法附則第7条関係)
三 介護療養型医療施設を平成24年3月31日をもって廃止すること。
第15 健康増進法の一部改正(平成20年4月1日施行)
これまで老人保健法に基づき市町村が実施してきた健康教育、健康相談等の事業を健康増進法に基づく健康増進事業として位置付けるため、市町村は、住民に対する生活習慣相談、保健指導及びこれらに付随する業務を実施することに加え、これら以外の健康増進事業の実施に努めるものとする等所要の改正を行うこと。
第16 経過措置等
一 高齢者医療制度については、制度の実施状況、保険給付に要する費用の状況、社会経済の情勢の推移等を勘案し、施行後5年を目途としてその全般に関して検討が加えられ、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置が講ぜられるべきものとすること。(法附則第2条第2項関係)
二 政府は、入所者の状態に応じてふさわしいサービスを提供する観点から、介護老人保健施設及び介護老人福祉施設の基本的な在り方並びにこれらの施設の入所者に対する医療の提供の在り方の見直しを検討するとともに、介護保険施設等の設備及び運営に関する基準並びに利用者負担の在り方等について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるとともに、地域における適切な保健医療サービス及び福祉サービスの提供体制の整備の支援に努めるものとすること。(法附則第2条第3項関係)
三 経過措置
所要の経過措置を設けること。
四 関係法律の整理等
1 国家公務員共済組合その他の共済組合各法につき、健康保険法の改正に準じて、所要の改正を行うこと。
2 その他関係法律について、所要の改正を行うこと。