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○社会保障協定の実施に伴う厚生年金保険法等の特例等に関する法律等の施行に伴う実施事務の取扱いについて(通知)

(平成20年1月10日)

(/庁保険発第0110001号/社業発第30号/)

(地方社会保険事務局長あて社会保険庁運営部企画課長・社会保険業務センター総務部長通知)

(公印省略)

社会保障協定の実施に伴う厚生年金保険法等の特例等に関する法律(平成19年法律第104号。以下「特例法」という。)等の施行については、平成20年1月10日庁保発第0110002号をもって社会保険庁運営部長から貴職あて通知されたところであるが、これに伴う実施事務の取扱いについては、平成20年3月1日から別添1「社会保障協定の実施に関する適用・給付事務取扱要領」(以下「事務取扱要領」という。)及び従前の「社会保障協定の実施に係る適用関係業務取扱要領」(以下「業務取扱要領」という。)により行うこととしたので通知する。実施事務の取扱いに関する概要については、下記のとおりであるので、遺憾のないようお取り計らい願いたい。

なお、特例法等と同日に発効する「社会保障に関する日本国とカナダとの間の協定」等の実施に係る業務取扱要領の改正については追って通知する。

また、特例法等の施行に伴い、これまでに社会保障協定(以下「協定」という。)個別に制定された法令が廃止されることから、別添2に掲げる通知を廃止することとする。

なお、すでに発効している各社会保障協定の実施に伴う厚生年金保険法等の特例に関する実施事務の取扱いについては、原則、これまでと同様であるが、簡素・合理化を図るために別添の参考資料のとおり変更するので参考とされたい。また、「社会保障に関する日本国とカナダとの間の協定」の概要及び実施事務の取扱いに関する留意事項を別添3のとおりとりまとめたので参考とされたい。

第1 事務処理を行う上での留意事項

次の点について留意のうえ、各協定に応じた事務処理を行うこと。

(1) 協定により、日本と相手国の制度について二重加入の防止のみを目的とし両国の年金加入期間の通算を行わないものがあること。

(2) 二重加入の防止の対象となる社会保障制度について、次の種類があること。

①年金制度のみを対象としたもの

②年金制度及び医療保険制度を対象としたもの

③年金制度及び医療保険制度のほか他の社会保険制度も対象としたもの

第2 適用調整事務関係

1 日本国制度の適用免除事務関係

(1) 日本制度の適用免除

協定の適用調整規定(特例法第3条第1項第1号に規定する「医療保険制度適用調整規定」及び特例法第7条第1項第1号に規定する「年金制度適用調整規定」をいう。以下同じ。)により、日本国の制度を適用しないこととされた者については、被保険者の資格喪失届の処理を行うことにより又は被保険者資格の資格取得届を求めないことにより適用を免除とすること。

(2) 日本制度の適用免除の終了

協定の適用調整規定により、日本国の制度を適用しないこととされた者の免除期間が終了し、再び日本国の制度に加入することとなった者については、被保険者資格の資格取得届の処理により行うこと。なお、年金制度のみが適用調整の対象とされている協定相手国からの者の適用免除期間が終了し、再び年金制度の資格取得処理を行う場合の資格取得時の標準報酬月額の算定については、原則、被保険者の資格取得届時の取扱いと同様であること。

2 適用証明書交付事務関係(相手国制度の適用免除)

(1) 共通事項

①適用証明書の種類

適用証明書の交付に関する申請書(以下「適用証明書交付申請書等」という。)は、各協定において国民年金及び厚生年金保険それぞれの制度について、次の3種類があること。

ア.適用証明書交付申請書

イ.適用証明期間継続・延長申請書

ウ.適用証明書再交付申請書

②適用証明書交付申請書等の添付書類

適用証明書交付申請書等には、事務取扱要領に掲げる国を除くほかは、特段の添付書類は求めないこととしていること。なお、この取扱いは、日本と相手国との関係者間の信頼関係に基づくものであり、この信頼関係が損なわれたときは、協定の実施事務に支障をきたすおそれがあることから、適用証明書の交付申請に当たっては適正な申請が行われるよう、事業主等を指導すること。

(2) 国民年金の被保険者に対する適用証明書交付事務

①受付事務

適用証明書交付申請書等は、市町村を経由せず、地方社会保険事務局又は社会保険事務所(以下「社会保険事務所等」という。)で受理すること。

②進達及び交付事務

適用証明書交付申請書等が提出された際には、社会保険事務所等において、所要の事実関係の審査を行った後、当該申請書及び被保険者記録を社会保険庁運営部企画課国際事業室(以下「国際事業室」という。)に進達すること。国際事業室においては、所要の確認・協議を行った後、適用証明書を交付すること。

なお、協定により国民年金の任意加入の被保険者に係る適用証明書交付申請書の取扱いが異なること。

(3) 厚生年金保険の被保険者に対する適用証明書交付事務

①受付・交付事務

社会保険事務所等において、適用証明書交付申請書等の受付及び適用証明書の交付を行うこと。

②進達事務

事務取扱要領にて国際事業室に進達を要するものについては、社会保険事務所等において、所要の事実関係の審査を行い、当該申請書及び被保険者記録を国際事業室に進達すること。

③交付後の適用証明書の写しの送付

事務取扱要領に掲げる場合については、適用証明書交付後、国際事業室に交付した適用証明書の写しを送付すること。

第3 年金給付事務関係

1 共通事項

(1) 相手国実施機関等及び共済組合等との連絡部署

相手国実施機関等(特例法第2条第6号に規定する「相手国実施機関等」をいう。以下同じ。)及び共済組合等との連絡は、社会保険業務センターで行うこと。したがって、特例法に該当することにより相手国実施機関等と連絡調整を行う必要のある裁定請求等に係る事務処理は、すべて社会保険業務センターで行うこと。

(2) 裁定・諸変更事務の担当部署

相手国実施機関等が受理し、社会保険業務センターに送付してきた裁定請求書及び諸変更届に係る事務処理は、すべて社会保険業務センターで行うこと。

2 特例法の規定に基づく国民年金・厚生年金の保険給付にかかる裁定請求書等の事務関係

(1) 相手国で受理する保険給付にかかる裁定請求書

相手国の実施機関等で受け付ける様式として、日本語/相手国語が併記された裁定請求書が設けられていること。

(2) 相手国期間申立書

裁定請求書の履歴欄等で相手国法令(特例法第2条第5号に規定する「相手国法令」をいう。以下同じ。)の加入履歴が申し立てられている場合又は相手国法令の加入履歴があり、特例法に該当して支給される加算額の加算開始事由該当届等を受理した場合は、当該裁定請求書及び加算開始事由該当届等に該当する相手国に応じた相手国期間申立書を添付させること。

(3) 裁定請求書に係る事務

社会保険事務所等において、相手国期間申立書が添付された裁定請求書にかかる事務は、次の手順のとおりであること。

①当該裁定請求に係る給付が日本の年金制度の加入期間のみで裁定可能である場合は、通常の裁定処理を行うこと。

②当該裁定請求に係る給付が日本の年金制度の加入期間のみで裁定可能であるが、当該給付の加算額が加算されない場合は、通常の裁定処理を行った後、「裁定・支払処理の再調査および訂正について」を社会保険業務センター業務部業務渉外課(以下「業務渉外課」という。)に進達すること。

③当該裁定請求に係る給付が日本の年金制度の加入期間のみで裁定できないものである場合は、当該裁定請求書を業務渉外課に進達すること。

(4) 特例法の規定に基づく加算事由該当の届出に係る事務

特例法の規定により支給される加算額の加算開始事由該当届等を受理した場合は、当該届書及び相手国期間申立書を、業務渉外課に進達すること。

(5) 特例法の規定に基づく日本年金の相談対応

特例法の規定に基づく保険給付にかかる相談については、以下に留意して行うこと。

①協定により通算の対象となる制度が異なること。

②協定により相手国の年金加入期間の日本年金加入期間への換算方法が異なること。

③協定により障害年金・遺族年金の年金額の計算方法は、異なること。

3 相手国年金の事務関係

(1) 相手国年金の申請書等

相手国年金(特例法第2条第7号に規定する「相手国年金」をいう。以下同じ。)の申請書については、協定を実施するため、日本語/相手国語が併記された専用の申請書及び記入要領を配布するので、相手国年金の請求に当たっては、申請者に対してこれを使用するよう周知すること。また、相手国法令上、口頭申請をすることができる国があるので留意すること。

(2) 相手国年金の申請書受付事務

①申請書受付事務

社会保険事務所等において相手国年金の申請書が提出された場合には、以下に留意し事務を行うこと。

ア.相手国年金の申請書を受理した場合は、受付が可能である日以降であるかを確認すること。

イ.受付が可能なものである場合は、受付印を押印のうえ、所要の事実関係の審査を行った後、国際通算年金進達票を記入のうえ、添付書類とともに業務渉外課に送付すること。

ウ.申請者が相手国実施機関等から独自に入手した相手国国内用の異なる様式を提出した場合であっても、これを受理すること。なお、その場合には、所要の事実関係の審査は要しないこと。

②口頭申請受付事務

相手国年金の口頭申請は、以下に留意し事務を行うこと。

ア.口頭による年金の申請があった場合は、「口頭申請報告書」を作成し、業務渉外課に進達すること。

イ.協定により口頭申請の受付事務が異なること。

(3) 相手国年金の相談対応

社会保険事務所等において相手国年金の相談があった場合には、以下に留意し事務を行うこと。

ア.相手国の年金制度に関する相談については、日本の窓口で説明する義務はないこと。なお、相手国の年金制度に関する情報については、当庁ホームページにおいて、相手国実施機関等のホームページへのリンクを設けていること。

イ.相手国年金の申請書の記入方法及び添付書類については、所定の記入要領を参照してもらうこと。

ウ.相手国言語その他外国語による口頭の照会には応じる義務はないこと。

(4) その他

ア.相手国の国内用年金の申請書等、相手国言語により記載された文書が提出された場合は、これを受理し、受付印を押印のうえ、業務渉外課に進達すること。

イ.別添の事務処理要領及び協定を実施するための様式については、社会保険庁LAN掲示板(国際協定)に掲載するので活用すること。

写送付先(/地方社会保険事務局事務室長/社会保険事務所長/)

別添1

社会保障協定の実施に関する/適用/給付/事務取扱要領

社会保険庁

社会保険業務センター

目次

用語の定義

各協定において適用調整の対象となる制度及び年金加入期間通算措置の有無

この事務取扱要領を利用するにあたって

【作成目的】

【活用の目的】

【作成の背景】

【構成内容】

1.全体構成

2.第2章及び第3章の構成

第1章 社会保障協定の概要

Ⅰ.協定による適用調整について

<適用調整の規定及び取扱い>

Ⅱ.協定による受給資格要件の加入期間の通算及び年金額の計算の特例について

1.受給資格要件の特例(加入期間通算)について

2.年金額の計算(特例)について

Ⅲ.相手国年金法令に基づく給付申請の受理について

Ⅳ.その他

第2章 適用関係

第1節 協定による適用調整に関する事務処理

第1 適用調整に関する事務処理概要

1.原則規定に基づく事務処理

2.一時派遣規定、一時派遣延長規定及び一般修正規定に基づく事務処理

3.同一期間両国就労規定に基づく事務処理

第2節 適用調整に関する事務処理

第1 厚生年金保険等の適用調整に関する事務処理

健康保険・厚生年金保険 資格取得届

健康保険・厚生年金保険 資格喪失届

健康保険・厚生年金保険 適用証明書交付申請書

健康保険・厚生年金保険 適用証明期間継続・延長申請書

健康保険・厚生年金保険 適用証明書再交付申請書

厚生年金保険 特例加入被保険者資格取得申出書

厚生年金保険 特例加入被保険者資格喪失申出書

適用証明期間の終了に関する事務処理

第2 国民年金等の適用調整に関する事務処理

国民年金 被保険者資格取得届

国民年金 被保険者資格喪失届

国民健康保険・国民年金 適用証明書交付申請書

国民健康保険・国民年金 適用証明期間継続・延長申請書

国民健康保険・国民年金 適用証明書再交付申請書

第3 船員保険・厚生年金保険の適用調整に関する事務処理

船員保険・厚生年金保険 適用証明書交付申請書

船員保険・厚生年金保険 適用証明期間継続・延長申請書

船員保険・厚生年金保険 適用証明書再交付申請書

第3節 協定発効時の日本年金制度適用免除の取扱い

(資格取得済の人に対する取扱い)

第4節 フランス協定発効時のフランス制度適用免除の取扱い

資料

資料1 各協定の規定の考え方及び適用証明書交付前の国際事業室への進達要否

資料2 各協定における国民年金任意加入被保険者に関する取扱い

資料3 各協定における随伴配偶者及び子の取扱い

資料4 「通常雇用」の取扱い

様式

社会保障協定 適用証明書交付申請書等進達票

社会保障協定 適用証明書交付申請書等回答票

進達経過簿(参考)

ドイツ協定に係る様式

連合王国協定に係る様式

韓国協定に係る様式

合衆国協定に係る様式

ベルギー協定に係る様式

フランス協定に係る様式

カナダ協定に係る様式

第3章 給付関係

第1 相手国期間算入及び相手国年金申請書等の受理による事務処理概要

第2 年金給付に関する事務処理

年金給付裁定請求書(相手国期間申立書)

①相手国期間算入の説明

②老齢給付受給資格要件の特例の説明

③老齢給付の額の計算の特例

④障害給付受給資格要件の特例の説明

⑤障害給付の年金額の計算の特例の説明

⑥障害手当金受給資格要件の特例の説明

⑦障害手当金の額の計算の特例の説明

⑧遺族給付の受給要件の特例の説明

⑨遺族給付の額の計算の特例の説明

⑩脱退一時金の支給要件の特例の説明

⑪脱退一時金の額の計算の特例の説明

⑫経過措置の特例の説明

⑬旧国民年金の特例の支給要件の特例の説明

⑭旧厚生年金保険法による給付の支給要件等の特例の説明

⑮複数の被用者制度の期間を有する場合の特例の説明

⑯複数の相手国期間を有する場合の説明

相手国年金申請書

相手国年金に関する照会票

海外在住年金受給権者の届出事項連絡票

資料

資料1 協定国ごとに異なる事項

資料2 協定国ごとの按分率の適用

資料3 協定相手国ごとの相手国期間を算入する給付

資料4 外国通算該当条文コード及び年金証書・裁定通知書に出力する該当条文一覧

参考

Ⅰ 保険期間確認請求書

Ⅱ 保険期間証明書(日本)

Ⅲ 保険期間証明書(相手国)

Ⅳ 連絡票(日本)

Ⅴ 連絡票(相手国)

様式

国際通算年金進達票

海外在住年金受給権者の届出事項連絡票

相手国年金に関する照会票

ドイツ協定に関する様式

合衆国協定に関する様式

ベルギー協定に関する様式

フランス協定に関する様式

用語の説明

用語

定義

協定

社会保障に関する日本と諸外国との協定をいう。

特例法

社会保障協定の実施に伴う厚生年金保険法等の特例等に関する法律(平成19年法律第104号)をいう。

特例政令

社会保障協定の実施に伴う健康保険法、船員保険法、国民健康保険法、国民年金法及び厚生年金保険法の特例等に関する政令(平成19年政令第347号)をいう。

特例省令

社会保障協定の実施に伴う国民年金法施行規則及び厚生年金保険法施行規則の特例等に関する省令(平成20年厚生労働省令第2号)をいう。

協定相手国

一の協定を締結した相手国をいう。

●●協定

* 「●」には相手国略称が入る

社会保障に関する日本国と●●との間の協定をいう。例えば、ドイツ協定は、「社会保障に関する日本国とドイツ連邦共和国との間の協定」をいう。当該用語は、特例政令及び特例省令と同一の略称であり、外務省のホームページ及び各種申請書では、日●(漢字略称等)社会保障協定としている。

国際事業室

社会保険庁運営部企画課国際事業室をいう。

社会保険事務所

社会保険事務局、社会保険事務所及び年金相談センターをいう。

実施機関

協定に規定された社会保障に関する法令・制度の実施に責任を有する機関をいう。

相手国実施機関等

協定相手国の実施機関及び日本の実施機関との協議・連絡を行う窓口機関(連絡機関)

相手国期間

協定相手国の年金の支給を受ける資格を得るために相手国法令上必要とされる期間の計算の基礎となる期間として当該相手国との協定に規定する相手国の期間をいう。

適用証明書

交付した国の社会保障制度のみに加入する根拠となる証明書であり、勤務先又は相手国実施機関等に提出・提示することにより協定相手国内での状況を確認された後にその社会保障制度の加入が免除されることとなる。

期間比率

協定及び特例法等の規定に基づき、該当する給付の個別要件となる保険期間に対する国民年金又は厚生年金保険の加入期間の比率をいう。

按分率

協定及び特例法等の規定に基づき、該当する給付額を按分する一定の比率をいう。

各協定において適用調整の対象となる制度及び年金加入期間通算措置の有無

協定

発効年月

適用調整の対象となる制度

年金加入期間の通算措置

日本

相手国

ドイツ協定

平成12年2月

年金制度

年金制度

あり

連合王国協定

平成13年2月

 

 

なし

韓国協定

平成17年4月

 

 

なし

合衆国協定

平成17年10月

年金制度

年金制度

あり

医療保険制度

医療保険制度

 

ベルギー協定

平成19年1月

年金制度

年金制度

あり

 

 

医療保険制度

医療保険制度

 

 

 

 

労災保険制度

 

 

 

 

雇用保険制度

 

フランス協定

平成19年6月

年金制度

年金制度

あり

 

 

医療保険制度

医療保険制度

 

 

 

 

労災保険制度

 

カナダ協定

平成20年3月

年金制度

年金制度(州独自年金制度(ケベック州)、老齢保障制度は調整なし)

あり*1

*1 カナダ協定において日本の年金加入期間に通算することができる制度は、カナダ年金制度(CPP)のみ。日本の年金加入期間を通算するカナダの年金制度は、老齢保障制度(OAS)及びカナダ年金制度(CPP)。

この事務取扱要領を利用するにあたって

[1]【作成目的】

日本が複数の国と個々に締約している協定に関して、その目的、概要、取扱い及び事務処理を理解することにより、法令遵守を徹底するとともに、業務品質の向上を推進しお客様に対するサービスの向上を図るものである。

[2]【活用の目的】

この事務取扱要領は、社会保険の職員が、窓口においてお客様からの照会や各種申請書の受付など、その後の書類(内容)審査及び事務処理を行う際の留意事項を確認し日常業務に活用するためのものである。

また、職員の新規採用や配置転換等の人事異動時の引継ぎや職場研修のほか、各職員による自習の際にも活用するためのものである。

[3]【作成の背景】

これまで協定に係る事務処理要領については、その実施に関する法令が協定ごとに制定されてきたことから平成12年2月にドイツとの協定が発効されて以来、協定が発効するたびに協定ごとに整備してきた。各協定における事務処理を行うには長けていたものの、協定が増えていくことにより、協定における事務処理の共通点・相違点を把握することが難しくなってきた。

今後、さらに協定が締結されていくこととなることから、各協定で共通の取扱いを理解するとともに、協定相手国の制度及び事務処理から生じた日本での事務処理の取扱いを効率的に理解・整理することが必要と考えた。我が国が締結している協定の取扱いや事務処理を包括的に整理することにより、共通する事務処理及び各協定における特有の事務処理を明確化し、社会保険事務所における適正かつ効率的な事務処理の実施を図ることを目的として本事務取扱要領を作成した。

[4]【構成内容】

1.全体構成

この事務取扱要領を作成するに当たり、次の方針で構成及び記述を行った。

構成

方針

第1章

社会保障協定の概要

協定の目的、概要及び重要規定について説明。

第2章

適用関係

考え方及び事務処理

協定の相手国制度との適用調整に関する規定と申請書及び事務処理との関係を説明。担当者が事業主又は被保険者はどのような状況にどの申請・届出をするかを把握できるように説明。

 

事務処理

各申請・届出に対する事務処理を行うに際して確認・留意すべき情報及び参考となる通知名称、条文を説明。また、事務処理の流れ及び処理方法を説明。

 

資料

各協定での取扱いでの相違点を示す表(適用証明書の交付に関する照会、審査に使用する)、特有の取扱いに関して説明した資料。

 

様式

事業主又は被保険者から提出される「適用証明書交付申請書」、「適用証明期間継続・延長申請書」及び「適用証明書再交付申請書」並びに各協定に基づき交付される適用証明書(日本側及び協定相手国側が交付するもの)を掲載。

また、適用証明書を交付するに当たり国際事業室への進達が必要となる場合があることから、進達票及び回答票並びに処理経過を管理するための進達経過簿を参考として掲載。

第3章

給付関係

考え方及び事務処理

各協定、特例法等の規定に基づく国民年金又は厚生年金保険の年金給付に関する特例に関する事務処理概要を説明。

 

事務処理

特例法等の規定に基づく年金給付に関する裁定請求書の事務処理、相手国年金の申請書等の受理に関する処理方法を説明。

 

資料

各協定で取扱いが異なる事項、特例法等の規定に基づく協定国ごとの計算方法(按分率)及び相手国期間を算入する給付を説明。また、外国通算該当条文コードの一覧を掲載。

 

参考

協定に基づく年金給付事務を行うために必要となる書類を説明。

 

様式

各協定において定められた年金給付に関する申請書及び相手国連絡機関との間で使用する様式を掲載。

社会保障協定の実施に係る業務取扱要領

窓口装置の入力業務に関する取扱要領。

2.第2章及び第3章の構成

第2章及び第3章については、基本的に、お客様から提出される届書又は申請書ごとに「目的・概要」「流れ図(フォーマット)」「手順書」「確認票(チェックシート)」「届書等様式」の5種類のフォーマットにより構成した。

それぞれの内容は次のとおり。

フォーマット名

作成状況

内容

目的・概要

全て作成

各業務(届出・申請)の目的、概要、該当条文、通知、提出の仕方、添付書類等が明示。

なお、資格取得届及び資格喪失届に関しては、協定の実施に関する特例的な取扱いを記述した。

流れ図

必要と判断したものについて作成

各業務(申請)の最初から最後まで、図式により全体の流れが把握できる。1ページで構成。

手順書

各事務処理の手順、確認及び留意事項について記述。窓口装置への入力業務については、業務取扱要領のみで記述するようにした。

なお、各協定で特有の考え方及び取扱いについては、資料として別にまとめた。

確認票

 

手順書に付随する様式又は資料。業務処理及び決裁を行う際に補助的に使用できるものがあることを示す。具体的には、各資料及び進達経過簿。

届書等様式

 

申請書様式及び適用証明書様式を添付。

第1章 社会保障協定の概要

Ⅰ. 協定による適用調整について

日本国及び協定相手国の公的年金又は医療保険制度については、就労又は居住に着目して、就労地又は住所地の国の法令を強制適用している。したがって、例えば、日本企業から相手国の子会社等へ派遣され、一時的に就労する被用者の場合、派遣先国の年金又は医療保険法令が適用されると同時に、日本企業との間の使用関係が継続していれば、日本の年金又は医療保険制度にも引き続き適用されるために、両国の制度に強制加入しなければならず、保険料の二重払いが生じる。

協定では、就労地国又は住所地国の年金・医療保険法令のみを適用することを原則とし、その例外として、事業主により一時的に派遣される被用者等については派遣が一定期間を超えないと見込まれることを条件として当該派遣期間中、派遣元国の年金又は医療保険法令のみを適用し、派遣先国の年金・医療保険法令の適用を免除することにより保険料の二重払いの解消を図ることとしている。

なお、適用調整が行われる制度は、相手国の制度体系等により各協定で異なる(「表1 各協定において適用調整の対象となる制度及び年金加入期間通算措置の有無」を参照)。

<適用調整のイメージ>

① 原則

協定の対象者が相手国で就労する場合は、原則として相手国の社会保障制度のみに加入することとなる。

② 一時的な派遣者に係る例外

①の例外として、派遣により一時的(5年以内の見込みで派遣等)に相手国で就労する人は、就労地国の社会保障制度の加入が免除され、引き続き自国の社会保障制度のみ加入することとなる。

*協定により若干取扱いが異なる。

<適用調整の規定及び取扱い>