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○職業紹介事業の許可又は届出が不要な「付帯業務」について

(平成14年3月28日)

(職民発第0328015号)

(各都道府県労働局長あて厚生労働省職業安定局民間需給調整課長通知)

標記については、職業紹介事業者等の関係者からその解釈に関する疑義等が寄せられるとともに、総合規制改革会議より行われた「規制改革の推進に関する第1次答申」においても、その解釈(定義)の明確化が求められていること等を踏まえ、その解釈に関する考え方を下記のとおり整理したので、これに御留意の上、今後とも、職業紹介事業に係る業務の円滑な運営に御配慮をお願いする。

1 職業紹介事業を行うためには、有料、無料を問わず、事業者は、職業安定法第30条若しくは第33条に基づく厚生労働大臣の許可又は同法第33条の2に基づく厚生労働大臣に対する届出を要するものである。

ただし、自ら求人・求職を受理せず、求人・求職の申込みを勧誘する業務、許可事業所への求人・求職を全数送付する業務等のみを行う事業所(付帯業務のみを行う事業所)については、職業紹介事業の許可又は届出(以下「許可等」という。)は不要であるとされている(民営職業紹介事業の業務運営要領第3の1の(3))。

2 ここで、「求人・求職の申込みを勧誘する業務」としては、求人情報又は求職者情報を提供するのみで、職業紹介を行わない(求人及び求職の申込みを受け、求人者と求職者との間の雇用関係の成立のあっせんを行わない)いわゆる「情報提供」事業を行う事業者(以下「情報提供事業者」という。)がその事業に併せて行うことが考えられ、こうした場合については、情報提供事業に係る応募者の確保を図る等の観点から、当該地域における求人職種に係る一般的な労働条件の水準を提示する等、求人者との間で相談・調整等を行うことが想定されるが、職業安定法第4条第1項その他職業紹介に関する従来の考え方、平成12年7月27日付け職発第512号「インターネットによる求人情報・求職者情報提供と職業安定法第4条第1項に規定する「職業紹介」との区分に関する基準について」等に照らし「職業紹介」に該当すると判断されない限り、許可等を要するものではない。

また、情報提供事業者が、その事業に併せて、当該「情報提供」に係る求人について、求人者からの依頼に基づき、求人を職業紹介事業所(許可等に係る事業所をいう。以下同じ。)に取り次ぐことが考えられるが、その業務内容が当該依頼に係る求人を全数送付するのみである場合、求人受理については、当該情報提供事業者が行っているとは認められず、職業紹介事業所において行われていると解されることから、当該情報提供事業者は許可等を要するものではない。

なお、求人・求職を全数送付する場合において、職業紹介事業者は、求職者の個人情報の保護等に関して責任を負うべきものであることは言うまでもない。

3 おって、職業紹介事業者が付帯業務に止まらず職業紹介を行う場合に、その実施場所が「事業所」としての独立性を有すると判断されるときには、「事業所」としての許可等を要するものであることに留意されたい。したがって、「事業所」としての独立性が認められず出張等と判断される場合や、求職者に対する情報提供等のみを実施する等職業紹介に該当しない業務のみを実施する場合については、新たに許可等を要するものではない。

「事業所」としての独立性については、具体的には、雇用保険の適用事業所に関する考え方と基本的には同一であり、その判断に当たっては、次の要件に該当するか否かを勘案する必要がある(参考:労働者派遣事業関係業務取扱要領第4の1の(2))。

① 場所的に許可等に係る事業所から独立していること。

② 経営(又は業務)単位としてある程度の独立性を有すること(人事、経理、経営(又は業務)上の指導監督、労働の態様等においてある程度の独立性を有すること)。

③ 一定期間継続し、施設としての持続性を有すること(通常の場合、3か月程度であればこれに該当しないものと判断される。)。