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○障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律の施行(第1次施行分)について(通知)

(平成14年5月7日)

(職高発第0507002号)

(各都道府県知事あて厚生労働省職業安定局長通知)

(公印省略)

障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律(平成14年法律第35号。以下「改正法」という。)については、本日公布され、同日付け厚生労働省発職高第0507002号により、厚生労働事務次官より貴職あてその概要を通知いたしました。

また、本日、改正法の公布の日施行分(以下「第1次施行分」という。)に関して、障害者の雇用の促進等に関する法律施行令等の一部を改正する政令(平成14年政令第168号)及び障害者の雇用の促進等に関する法律施行規則等の一部を改正する省令(平成14年厚生労働省令第69号)が公布されました。これらの政令及び省令は、改正法の第1次施行分とともに本日から施行されることとなっています。

改正法の第1次施行分及び関係政省令の概要並びに関係通知の整備等につきましては、下記のとおりとしますので、御了知の上、今後の業務の運営に遺漏なきよう特段の御配慮をお願いいたします。

記

1 用語の意義の改正(法第2条等関係)

(1) 障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和35年法律第123号。以下「法」という。)における対象障害者の中に精神障害者が含まれることを明確にするため、「障害者」の定義について、「身体障害、知的障害又は精神障害(以下「障害」と総称する。)があるため、長期にわたり、職業生活に相当の制限を受け、又は職業生活を営むことが著しく困難な者」をいうものとしたこと。なお、改正後の法における「精神障害」がある者については、改正前の法においても同法の障害者の中に含まれていたものであり、本改正により、実質的な「障害者」の範囲が変わるものではないこと。(法第2条第1号)

(2) (1)により、「障害者」の定義を変更したことに伴い、「身体障害者」の定義を「身体障害がある者であつて、別表に掲げる障害があるものをいう」ものとしたこと。なお、本改正により、実質的な「身体障害者」の範囲が変わるものではないこと。(法第2条第2号及び別表)

(3) 法において、「精神障害者」の定義を設け、同法における「精神障害者」とは、障害者のうち、次のイ又はロのいずれかに該当するものであって、症状が安定し、就労が可能な状態にあるものとしたこと。

イ 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(昭和25年法律第123号)第45条第2項の規定により精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている者

ロ 精神分裂病、そううつ病又はてんかんにかかっている者(イに該当する者を除く。)

(法第2条第6号及び障害者の雇用の促進等に関する法律施行規則(昭和51年労働省令第38号。以下「則」という。)第1条の4)

これに伴い、「法第5条第1項の政令で定める障害者」について規定していた障害者の雇用の促進等に関する法律施行令(昭和35年政令第292号。以下「令」という。)第1条及び則第3条の2を削除するとともに(令第1条及び則第3条の2関係)、関係政令中の「令第1条に規定する障害者」を「精神障害者」にすることとしたこと(法第39条の13、第39条の14及び第79条、則第4条、第18条、第18条の3、第20条の2第1項第6号、第20条の4、第22条及び第39条第2項、雇用・能力開発機構法施行令(平成11年政令第274号)第4条、雇用対策法施行規則(昭和41年労働省令第23号)第2条及び第6条の2並びに雇用保険法施行規則(昭和50年労働省令第3号)第110条)

なお、「精神障害者」の範囲は従前の「法第5条第1項の政令で定める障害者」と同じものであるが、その確認の方法については、従前の「法第5条第1項の政令で定める障害者」と異なり精神障害者保健福祉手帳の交付を受けていることを優先させることとなったため、注意すること。(則第1条の4)

2 職場適応援助者事業の実施

(1) 職場適応援助者事業の対象となる障害者(法第9条の2第3号及び則第4条の2関係)

職場適応援助者事業の対象となる障害者は、知的障害者、精神障害者その他職場への適応について援助を必要とする障害者であるものとしたこと。したがって、身体障害者も必要に応じてその対象となるほか、高次脳機能障害、高機能自閉症等障害に係る手帳制度の対象とならない者についても、その必要に応じて支援の対象として差し支えないこと。

(2) 障害者職業総合センターにおける業務の追加(法第9条の2第3号及び第5号ロ関係)

知的障害者、精神障害者等職場定着のために支援が必要な障害者に対して職場に適応するための援助を行う者(以下「職場適応援助者(ジョブコーチ)」という。)を当該障害者がいる職場に派遣する職場適応援助者事業の創設に伴い、障害者職業総合センターにおいて、新たに、職場適応援助者(ジョブコーチ)の養成及び研修を行うとともに、職業リハビリテーションに関する調査・研究等の実施に際して、事業主に雇用されている知的障害者、精神障害者等に対して職場への適応に関する助言又は指導を行うものとしたこと。

(3) 地域障害者職業センターにおける業務の追加(法第9条の4第2号関係)

職場適応援助者事業の創設に伴い、地域障害者職業センターにおいて、新たに、職場適応援助者(ジョブコーチ)の養成及び研修を行うとともに、事業主に雇用されている知的障害者、精神障害者等に対して職場への適応に関する助言又は指導を行うものとしたこと。

3 障害者就業・生活支援センターによる事業の実施

(1) 障害者就業・生活支援センターの指定(法第9条の18及び則第4条の10関係)

都道府県知事は、申請者が次のイ及びロに該当する場合に障害者就業・生活支援センターの指定を行うことができるものとしたこと。

イ 職業生活における自立を図るために就業及びこれに伴う日常生活又は社会生活上の支援を必要とする障害者(以下「支援対象障害者」という。)の職業の安定を図ることを目的として設立された民法(明治29年法律第89号)第34条の法人、社会福祉法(昭和26年法律第45号)第22条に規定する社会福祉法人、特定非営利活動促進法(平成10年法律第7号)第2条第2項に規定する特定非営利活動法人又は医療法人であること。

ロ (2)に掲げる業務について、次に掲げる基準に適合していること。

① 職員、業務の方法その他の事項についての業務の実施に関する計画が適正なものであり、かつ、その計画を確実に遂行するに足りる経理的及び技術的な基礎を有すると認められること。

② その他業務の運営が適正かつ確実に行われ、支援対象障害者の雇用の促進その他福祉の増進に資すると認められること。

(2) 障害者就業・生活支援センターの業務(法第9条の19等関係)

障害者就業・生活支援センターの業務は次のイからハまでに掲げるものとしたこと。

イ 支援対象障害者からの相談に応じ、必要な指導及び助言を行うとともに、公共職業安定所、地域障害者職業センター、障害者雇用支援センター、社会福祉施設、医療施設、盲学校、聾ろう学校、養護学校その他の関係機関(以下「関係機関」という。)との連絡調整、支援対象障害者に係る状況の把握、支援対象障害者を雇用する事業主に対する雇用管理に関する助言、関係機関に係る情報の提供その他の支援対象障害者がその職業生活における自立を図るために必要な援助を総合的に行うこと。(法第9条の19第1号及び則第4条の11)

ロ 支援対象障害者が障害者職業総合センター、地域障害者職業センター、障害者雇用支援センターその他職業準備訓練を適切に行うことができると認められる事業主により行われる職業準備訓練を受けることについてあっせんすること。(法第9条の19第2号及び則第4条の12)

ハ イ及びロに掲げるもののほか、支援対象障害者がその職業生活における自立を図るために必要な業務を行うこと。(法第9条の19第3号)

(3) 秘密保持義務(法第9条の21関係)

支援対象障害者が安心して支援を受けることができるようにするため、障害者就業・生活支援センターの役員若しくは職員又はこれらの職にあった者は、(2)イに掲げる業務に関して知り得た秘密を漏らしてはならないものとしたこと。

(4) 障害者職業センターとの関係(法第9条の2、第9条の8及び第9条の20により準用される第9条の14関係)

イ 障害者就業・生活支援センターの規定の新設に伴い、障害者職業総合センターは、障害者就業・生活支援センターに対しても職業リハビリテーションの技術的事項について、助言、その他の援助を行う旨明記したこと。(法第9条の2第4号)

ロ 障害者就業・生活支援センターの規定の新設に伴い、障害者職業センターは、障害者就業・生活支援センターの行う業務とも相まって、効果的に職業リハビリテーションの推進に努める旨明記したものであること。(法第9条の8第2項)

ハ 障害者就業・生活支援センターが(2)ロの職業準備訓練のあっせんを行う場合には、地域障害者職業センターが行う職業評価に基づき、これを行うものとしたこと。(法第9条の20により準用される第9条の14)

(5) 障害者雇用支援センターの業務に係る規定の整備(法第9条の12及び第9条の13並びに改正前の則第4条の9関係)

障害者就業・生活支援センターの規定を新設し、これまで、障害者雇用支援センターの指定対象法人のうち社会福祉法人が同センターの指定を受けて行っていた改正前の法第9条の13第1号に規定する職業準備訓練のあっせんの業務及び職業リハビリテーションに係る情報の提供、相談その他の援助の業務については、障害者就業・生活支援センターの業務とすることにしたことに伴い、障害者雇用支援センターの指定対象法人から社会福祉法人を除外することとするとともに、職業準備訓練のあっせん及び職業リハビリテーションに係る情報の提供、相談その他の援助については同センターの業務から除外するものとしたこと。(法第9条の12第1項、第9条の13第1号及び第5号並びに改正前の則第4条の9)

これに伴い、障害者雇用支援センター助成金のうち、職業準備訓練のあっせんの業務を行う障害者雇用支援センターに支給されていた助成金に係る規定を削除するものとしたこと。(則第22条の5第1項第3号及び同条第2項第3号)

(6) 障害者就業・生活支援センターに関する経過措置(改正法附則第2条関係)

社会福祉法人であって、これまで改正前の法第9条の13第1号に規定する職業準備訓練のあっせんの業務を行うものとして障害者雇用支援センターの指定を受けていたものについては、施行の日をもって、障害者就業・生活支援センターの指定を受けたものとみなすものとしたこと。

(7) その他

その他障害者就業・生活支援センターの指定等に関する事務の取扱の方針については、別途通知するものであること。

4 関係機関の連絡及び協力(法第82条関係)

障害者の雇用の促進及びその職業の安定を図るため、相互に密接に連絡し、及び協力しなければならない機関として、障害者就業・生活支援センター及び精神保健福祉センターを追加するものとしたこと。

5 広域障害者職業センターにおける職業リハビリテーションの措置の対象者(法第9条の3及び則第4条の3関係)

広域障害者職業センターにおいて系統的に職業リハビリテーションの措置を受けることを必要とする障害者は、身体障害者その他系統的に法第2条第7号に規定する職業リハビリテーションの措置を受けることを必要とする障害者であるものとしたこと。

6 精神障害者に係る助成金の拡充等

(1) 重度障害者介助等助成金(則第20条の2第4号及び第5号関係)

重度障害者介助等助成金のうち、則第20条の2第4号及び第5号の支給の対象障害者として精神障害者を追加するものとしたこと。

なお、精神障害者に相当する障害者については、これまでも、障害者作業施設設置等助成金等支給要領(昭和60年4月8日日本障害者雇用促進協会要領第9号)に定める「健康管理が必要であると日本障害者雇用促進協会が認める障害者である労働者」(則第20条の2第4号)又は「職業生活に関する相談及び指導が特に必要であるとして日本障害者雇用促進協会が別に定める障害者である労働者」(則第20条の2第5号)として支給されていたものであるため、本改正により、実質的には支給対象者が変わるものではないこと。

(2) 障害者雇用継続助成金(則第34条の5及び第34条の6関係)

障害者雇用継続助成金の対象者として精神障害者を追加するものとしたこと。

なお、採用後に精神障害を負った者については、精神障害を負った事実を事業主その他の者に知られたくないと考える者がいる等精神障害者のプライバシーに配慮する必要があることから、当助成金の精神障害者に対する支給については、障害者職業センターにおける職場復帰のための職業リハビリテーションの措置を受けている者に限定するものとしたこと。

(3) 常用就職支度金(雇用保険法施行令(昭和50年政令第25号)第11条第1項第3号関係)

常用就職支度金の支給対象者として精神障害者を追加するものとしたこと。

なお、精神障害者に相当する障害者については、これまでも、改正前の雇用保険法施行令第11条第6号(改正後の同条第7号)に規定する「厚生労働省令で定める理由により就職が困難な者」として雇用保険法施行規則第83条第4項第6号に規定する改正前の同令第32条第4号(改正後の同条第5号)の「社会的事情により就職が著しく阻害されている者」として、支給されていたものであるため、本改正により、実質的には支給対象者が変わるものではないこと。

(4) 失業等給付に係る所定給付日数の特例(雇用保険法施行規則第32条第3号関係)失業等給付の基本手当の所定給付日数の特例の対象者である就職が困難な者として、精神障害者を追加するものとしたこと。

なお、精神障害者に相当する障害者については、これまでも改正前の雇用保険法施行規則第32条第4号(改正後の同条第5号)の「社会的事情により就職が著しく阻害されている者」として、支給されていたものであるため、本改正により、実質的には支給対象者が変わるものではないこと。

7 施行期日(改正法附則第1条関係)

改正法は、公布の日から施行されるものとしたこと。ただし、国及び地方公共団体の機関の雇用率算定に関する特例に関する規定並びに特例子会社に係る認定基準の改正及び企業グループによる雇用率の算定に関する規定ついては平成14年10月1日から、障害者雇用率制度における除外率の縮小に関する規定については平成16年4月1日から、それぞれ施行するものとすること。

8 経過措置

(1) 障害者就業・生活支援センターに関する経過措置(改正法附則第2条関係)

社会福祉法人であって、これまで改正前の法第9条の13第1号に規定する職業準備訓練のあっせんの業務を行うものとして障害者雇用支援センターの指定を受けていたものについては、施行の日をもって、障害者就業・生活支援センターの指定を受けたものとみなすものとしたこと。(再掲)

(2) 雇用・能力開発機構法施行令の一部改正に伴う経過措置(改正施行令附則第2条関係)

改正後の雇用・能力開発機構法施行令第4条の規定は、雇用・能力開発機構が施行の日以後に申込みを受理する雇用・能力開発機構法第19条第3項の資金の貸付けについて適用し、雇用・能力開発機構が同日前に申込みを受理した当該貸付けについては、従前の例によることとしたこと。

(3) 障害者雇用支援センター助成金に関する経過措置(改正施行規則附則第2項)

施行の日前に改正前の則第22条の5第1項第3号の規定により改正前の則第22条の4の障害者雇用支援センター助成金の支給を受けることができることとなった障害者雇用支援センターに対する同助成金の支給については、従前の例によるものとしたこと。

9 その他関係通達等の整備

(1) 「雇用に係る給付金等の整備充実を図るための関係法律の整備に関する法律及び関係政省令等の施行について」(昭和56年6月8日付け職発第320号・訓発第124号)別添(別冊2の3)「職業訓練受講指示要領」及び別添(別冊2の8)「職場適応訓練実施要領」の一部改正

標記通達を別添1「職業訓練受講指示要領新旧対照表」及び別添2「職場適応訓練実施要領新旧対照表」のとおり改正する。

(2) 「地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律の施行に伴う障害者雇用支援センターの指定等に関する事務の取扱について」(平成12年4月1日付け職発第228号)の一部改正

標記通達を別添3「新旧対照表」のとおり改正する。

(3) 「雇用保険業務(雇用保険適用・給付・日雇関係)の業務取扱要領並びに雇用保険に係る不服申立て及び訴訟に関する事務取扱要領について」(平成12年4月1日付け職発第237号)別添「業務取扱要領(雇用保険給付関係)」の一部改正

標記通達を別添4「業務取扱要領(雇用保険給付関係)新旧対照表」のとおり改正する。

(4) 「雇用保険法等の一部を改正する法律の施行等に伴う雇用保険業務の運営について」(平成13年2月16日付け職発第61号)別添「改正雇用保険法に基づく業務取扱要領(適用・給付関係)」の一部改正

標記通達を別添5「改正雇用保険法に基づく業務取扱要領(適用・給付関係)新旧対照表」のとおり改正する。

(5) 「経済社会の変化に対応する円滑な再就職を促進するための雇用対策法等の一部を改正する等の法律の施行に伴う雇用保険三事業に係る給付金制度の改正について」(平成13年9月12日付け職発第540号・能発第387号・雇児発第595号)別添「特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者雇用開発助成金)支給要領」の一部改正

標記通達を別添6「特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者雇用開発助成金)支給要領新旧対照表」のとおり改正する。