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○麻薬、向精神薬及び麻薬向精神薬原料を指定する政令の一部を改正する政令の施行について(通知)

(平成14年5月7日)

(医薬発第0507001号)

(各都道府県知事・各地方厚生(支)局長あて厚生労働省医薬局長通知)

平成14年5月7日政令第169号をもって、麻薬、向精神薬及び麻薬向精神薬原料を指定する政令(平成2年政令第238号)が、別添のとおり一部改正されたので、下記事項について御了知の上、関係各方面に対する周知徹底及び適切な指導方お願いする。

第1 改正の趣旨

近年、我が国において、麻薬として指定されているサイロシビン又はサイロシンを含有する幻覚性きのこ(いわゆる「マジックマッシュルーム」)の濫用による健康被害事例が発生していることから、これらマジックマッシュルームを麻薬原料植物として規制することとし、幻覚性きのこの摂取による保健衛生上の危害を防止することとしたこと。

第2 改正の内容

1 麻薬原料植物の指定

(1) 次に掲げる植物(以下「新指定麻薬原料植物」という。)が麻薬原料植物に指定されたこと。

ア 3―〔(2―ジメチルアミノ)エチル〕―インドール―4―イルリン酸エステル(別名サイロシビン)及びその塩類を含有するきのこ類(厚生労働大臣が指定するものを除く。)

イ 3―〔2―(ジメチルアミノ)エチル〕―インドール―4―オール(別名サイロシン)及びその塩類を含有するきのこ類(厚生労働大臣が指定するものを除く。)

(2) 麻薬原料植物の指定に伴い、政令の名称が「麻薬、麻薬原料植物、向精神薬及び麻薬向精神薬原料を指定する政令」に改められたこと。

2 施行期日

改正政令は、公布の日(平成14年5月7日)から起算して30日を経過した日(平成14年6月6日)から施行されるものであること。

第3 定義に関する事項

1 麻薬

麻薬を含有する植物であって麻薬原料植物以外の植物については、麻薬及び向精神薬取締法(以下「法」という。)別表第一の第76号のロにおいて、麻薬から除外されているところであるが、新指定麻薬原料植物については、麻薬原料植物に指定されたことをもって、麻薬として取り扱われること。

2 麻薬原料植物

今般の新指定麻薬原料植物の指定の規定により、麻薬成分(サイロシビン又はサイロシン)を含有しないきのこ類については、当然に麻薬原料植物として取り扱われないものであること。

第4 指導事項

(1) 研究者及びその他の者が業務又は研究のため、新指定麻薬原料植物を継続して取り扱う場合には、施行日以降、法の規制の適用を受けることとなるので、施行日までにあらかじめ麻薬研究者の免許及び麻薬原料植物の栽培許可の取得等必要な手続きを行わせるとともに、施行日以降の記録、保管、届出等規制事項を指導し、管理不備に起因する事故が発生しないよう指導すること。なお、学術研究上、きのこ類の分類、生態等を研究する目的で新指定麻薬原料植物の所持を行う者は、免許の取得要件である法第3条第2項第8号に規定する「学術研究上麻薬原料植物を栽培し、麻薬を製造し、又は麻薬、あへん若しくはけしがらを使用することを必要とする者」に該当するものとして取り扱うこと。

(2) 既に麻薬研究者の免許及び麻薬原料植物の栽培許可を取得している者に対しては、新指定麻薬原料植物の栽培を行う場合には、既に指定された麻薬原料植物と同様に、栽培許可(麻薬研究者の免許有効期限内とする)を新たに取得するよう指導するとともに、施行日以降の記録、保管、届出等規制事項を指導し、管理不備に起因する事故が発生しないよう指導すること。

(3) 上記(1)、(2)について、法第49条等の規定に基づく麻薬研究者等の届出書に記載する期初在庫数量は、平成14年6月6日現在の在庫数量を記載するよう指導すること。

(4) 医薬品製造業者、研究者及びその他の者が所有している新指定麻薬原料植物のうち、今後必要としないものについては、所有権放棄の指導を行い、平成14年6月6日以降国庫帰属の措置をとるよう指導すること。

第5 サイロシビン等の構造式等

1 化学名:3―〔(2―ジメチルアミノ)エチル〕―インドール―4―イルリン酸エステル

名称等:Psilocybin、サイロシビン、シロシビン、プシロシビン

構造式:

2 化学名:3―〔2―(ジメチルアミノ)エチル〕―インドール―4―オール

名称等:Psilocin、サイロシン、シロシン、プシロシン

構造式: